JP2003240007A - 車輪用軸受 - Google Patents

車輪用軸受

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JP2003240007A JP2002038079A JP2002038079A JP2003240007A JP 2003240007 A JP2003240007 A JP 2003240007A JP 2002038079 A JP2002038079 A JP 2002038079A JP 2002038079 A JP2002038079 A JP 2002038079A JP 2003240007 A JP2003240007 A JP 2003240007A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁気エンコーダとなる多極磁石と磁気センサ
との間に噛み込む異物による磁石の損傷を防止でき、保
護板の取付性に優れた車輪用軸受を提供する。 【解決手段】 この車輪用軸受は、内方部材1および外
方部材2と、これらの部材間に収容される複数の転動体
3と、上記内外の部材1,2間の環状空間の端部を密封
するシール装置5とからなる。シール装置5は、上記内
方部材1と外方部材2のうちの互いに異なる部材に各々
取付けられた第1および第2の環状のシール板11,1
2を有する。第1のシール板11は上記内方部材1およ
び外方部材2のうちの回転側部材に嵌合される。その立
板部11bに、周方向に交互に磁極が形成された多極磁
石14が取付けられている。多極磁石14の外方側を覆
う非磁性体製の保護板18を第1のシール板11の立板
部11bの外径縁に加締止めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等におけ
る車輪用軸受に関し、特に回転検出用の磁気エンコーダ
を一体化した車輪用軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示すように転動体103
を介して転接する内方部材101および外方部材102
間にシール装置105を設けた車輪用軸受において、シ
ール装置105に磁気エンコーダ106を一体化させた
ものが提案されている(例えば、特開平6−28101
8号)。シール装置105は、各々断面L字状とされた
第1,第2のシール板107,108を内方部材101
および外方部材102にそれぞれ嵌合させ、第2のシー
ル板108にリップ109を設けたものである。第1の
シール板107は、スリンガと呼ばれる。磁気エンコー
ダ106は、磁性体粉が混入された弾性部材111を第
1のシール板107に加硫接着したものである。多極磁
石111は、円周方向に交互に磁極が形成されたもので
あり、対面配置された磁気センサ110で検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記構成では、
多極磁石111と磁気センサ110との間の隙間に石な
どの異物が噛み込んだ場合に、多極磁石111が損傷す
る恐れがある。このため、多極磁石の外方側を被覆する
非磁性体製の保護板を設けたものを提案したが(特願2
001−327554号)、保護板の取付性の点で今一
つ満足できなかった。
【0004】この発明の目的は、多極磁石と磁気センサ
との間に噛み込む異物で多極磁石が損傷することを防止
でき、またその保護板の取付性に優れた車輪用軸受を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の車輪用軸受
は、内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に
収容される複数の転動体と、上記内外の部材間の環状空
間の端部を密封するシール装置とからなり、上記シール
装置が、上記内方部材と外方部材のうちの互いに異なる
部材に各々取付けられて互いに対向する第1および第2
の環状のシール板を有し、第1のシール板は、上記内方
部材および外方部材のうちの回転側の部材に嵌合され、
第1のシール板は、軸受の外方側に配される立板部を有
し、周方向に交互に磁極が形成された多極磁石が上記立
板部の外方側の側面に取付けられ、第2のシール板は上
記第1のシール板に摺接するリップを有する車輪用軸受
において、上記多極磁石の外方側を覆う非磁性体製の保
護板を設け、この保護板は、外径縁から軸受内側へ屈曲
して延びる周縁片を第1のシール板の立板部の外径縁に
加締止めしたことを特徴とする。上記多極磁石は、磁性
体粉が混入された弾性部材またはプラスチックであって
も良く、また焼結磁石であっても良い。この構成による
と、多極磁石の外方側が非磁性体製の保護板で被覆され
るので、多極磁石と磁気センサとの隙間に異物が噛み込
むことがあっても、多極磁石が損傷することが防止され
る。保護板は非磁性体であるため、保護板の存在が磁気
センサによる検出を妨げることがない。保護板は、外径
縁から延びる周縁片を第1のシール板に加締止めするよ
うにしたため、取付が簡単でかつ確実であり、量産性に
も優れる。
【0006】この発明において、上記第1および第2の
シール板は、各々円筒部と立板部とでなる断面L字状に
形成され、第2のシール板は上記リップとして第1のシ
ール板の上記立板部に摺接するサイドリップと円筒部に
摺接するラジアルリップとを有し、この第2のシール板
の円筒部と上記第1のシール板の立板部の先端とを僅か
な径方向隙間をもって対峙させても良い。このように構
成した場合、シール性能が向上する。
【0007】上記保護板の周縁片は、円周方向の複数個
所に先端から軸方向に延びる切欠を有するものとし、各
切欠間で形成される舌片部を上記第1のシール板の立板
部の外径縁に加締止めしても良い。このように、周縁片
を切欠によって複数の舌片部に分けると、連続する加締
幅が狭くて加締作業が容易に行える。また、複数の舌片
部に分けると、加締力が小さくなるので、第1のシール
板の変形防止ができる。
【0008】上記保護板は、内周縁に補強リブを有する
ものであっても良い。補強リブを内周縁に設けると、外
周側の周縁片の加締時に、保護板の内周部が変形するこ
とが防止され、変形によって保護板の多極磁石表面に対
する密着性が損なわれることが回避される。多極磁石と
これに対向させる磁気センサとの隙間は、磁気ギャップ
を小さくして磁気特性を向上させるために微小な間隔に
設定される。そのため保護板の多極磁石に対する密着性
が悪いと、磁気センサとの干渉の恐れが生じ、上記隙間
を十分に小さく設定できない。このような密着不良によ
る干渉の恐れが、保護板の内周縁の補強リブによって無
くすことができる。
【0009】上記多極磁石は、第1のシール板の立板部
の外径縁を覆う外周覆い部を有するものであっても良
い。その場合に、上記保護板の上記周縁片は、上記外周
覆い部の上から上記立板部の外径縁に加締止めしても良
い。この構成の場合、外周覆い部が立板部に係合するこ
とによって、第1のシール板に対する多極磁石の取付の
確実性が増す。
【0010】保護板の板厚は、0.1〜1.0mmの範囲
が好ましく、より好ましくは0.2〜1.0mm、または
0.3〜1.0mmである。この場合の保護板の材質は、
例えは金属板である。多極磁石と磁気センサとの磁気ギ
ャップを狭めるには、保護板の板厚が薄いことが好まし
い。しかし、薄過ぎると保護板の強度が不足し、周縁片
の加締時に変形して多極磁石と保護板との密着性が損な
われる。保護板の板厚が0.1mm未満であると、上記の
加締時の変形の恐れがあり、板厚が1.0mmを超えると
磁気ギャップが広がり過ぎる。また、加締力を大きくせ
ざるを得ず、その場合、加締た際に第1のシール板の変
形が生じる恐れがある。
【0011】保護板の材質は、非磁性ステンレス鋼製で
あって、硬さ(ビッカース硬さ)がHV 200以下であ
ることが好ましい。ステンレス鋼であると、錆び難く、
強度にも優れるため、保護板として好ましい。ただし、
硬さがHV 200を超えると、周縁片の加締時に保護板
の変形が生じる恐れがある。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態を図1
〜図6と共に説明する。この実施形態は、駆動輪の支持
に用いる車輪用軸受に適用した例であって、磁気エンコ
ーダがシールスリンガを兼用した例である。図1に示す
ように、この車輪用軸受は、内方部材1および外方部材
2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転
動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封す
るシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5
は、磁気エンコーダ20(図3)付きのものである。内
方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,
2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成さ
れている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体
3を介して互いに回転自在となった内周側および外周側
の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独で
あっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組
み合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材
1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはこ
ろからなり、この例ではボールが用いられる。
【0013】この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳
しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受
内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成
された一対の分割型の内輪1A,1Bからなる。これら
内輪1A,1Bは、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハ
ブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。すなわち、こ
の実施形態の車輪用軸受は、いわゆる第1世代の車輪用
軸受とされている。
【0014】図1おいて、ハブ輪6には、等速自在継手
7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフラン
ジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられ
る。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動
軸(図示せず)に連結される。外方部材2は、軸受外輪
からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジ
ング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に
保持器4で保持されている。
【0015】図3は、磁気エンコーダ付きのシール装置
5を拡大して示す。このシール装置5は、内方部材1と
外方部材2に各々取付けられた第1および第2の環状の
シール板11,12を有する。両シール板11,12
は、各々円筒部11a,12aと立板部11b,12b
とでなる断面L字状に形成されて互いに対向する。第1
のシール板11は、内方部材1および外方部材2のうち
の回転側の部材である内方部材1に取付けられ、スリン
ガとなる。第1のシール板11は、円筒部11aが内方
部材1の外径面に圧入状態に嵌合させることにより、内
方部材1に取付けられる。第1のシール板11の立板部
11bは、軸受外方側に配され、その外方側の側面に多
極磁石14が取付けられている。この多極磁石14は、
第1のシール板11と共に磁気エンコーダ20を構成す
るものであり、周方向に交互に磁極N,S(図2)が形
成されている。磁極N,Sは、ピッチ円直径(PCD)
において、所定のピッチPとなるように形成されてい
る。この磁気エンコーダ20の多極磁石14に対面し
て、図3のように磁気センサ15を配置することによ
り、車輪回転速度の検出用のロータリエンコーダが構成
される。
【0016】多極磁石14は、磁性体粉が混入された弾
性部材またはプラスチックであってもよく、また焼結磁
石からなるものであっても良い。多極磁石14は、ゴム
磁石からなる場合、立板部11bに加硫接着等で取付け
られる。多極磁石14の具体的な材質例は、後に説明す
る。多極磁石14は、第1のシール板11の立板部11
bの外径縁を覆う外周覆い部14aを有しており、この
外周覆い部14aが立板部11bに係合することによっ
て、第1のシール板11に対する取付の確実性が増して
いる。外周覆い部14aは、詳細には立板部11bの外
径側の端面から内面外径縁に渡って覆う形状とされてい
る。なお、外周覆い部14aにおける立板部11bの内
面外径縁を覆う部分は必ずしも設けなくても良い。すな
わち、外周覆い部14aは、立板部11bの外径側の端
面を覆う部分だけであっても良い。また、外周覆い部1
4aは必ずしも設けなくても良い。
【0017】第2のシール板12は、その円筒部12a
を外方部材2の内径に圧入状態に嵌合させることで外方
部材2に取付けられている。この第2のシール板12
は、第1のシール板11の立板部11bの内方側の側面
に摺接するサイドリップ16aと円筒部11aの外周面
に摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有
する。これらリップ16a〜16cは、第2のシール板
12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けら
れている。また、第2のシール板12は、固定側部材で
ある外方部材2との嵌合部に弾性部材16の一部を設け
たものとしてある。第2のシール板12の円筒部12a
と第1のシール板11の立板部11bの先端とは僅かな
径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシ
ール17を構成している。このラビリンスシール17と
なる隙間は、詳しくは、第1のシール板11に取付けら
れた保護板18と第2のシール板12の円筒部12aと
の間で形成されている。
【0018】保護板18は、多極磁石14の軸受外方側
を覆う部材であり、非磁性体製の板からなる。保護板1
8の材質は、非磁性ステンレス鋼等の非磁性体の金属と
される。保護板18は、多極磁石14の外側面に密接す
る立板部18bの外周縁に、軸受内側へ屈曲して延びる
周縁片18bbを有し、この周縁片18bbを第1のシ
ール板11の立板部11bの外径縁に加締止めする。こ
の周縁片18bbの加締止めにより、保護板18は多極
磁石14の外方側の側面に密接するように、第1のシー
ル板11に取付けられる。多極磁石14が第1のシール
板11の立板部11bの外径縁を覆う外周覆い部14a
を有する場合は、この外周覆い部14aの上から周縁片
18bbの上記加締止めが行われる。
【0019】保護板18の周縁片18bbは、その加締
止め前の形状を図5に示すように、円筒状に形成されて
いて、円周方向の複数個所に先端から軸方向に延びる切
欠22を有し、各切欠22間の部分が舌片部23となっ
ている。周縁片18bbの加締止めは、この舌片部23
の加締によって行われる。切欠22は、周縁片18bb
の軸方向幅の全幅に達しない深さであり、周縁片18b
bは、加締止めを行った状態で、切欠22の底よりも基
端側部分は円筒形状のままであり、舌片部23がその基
端で斜めに屈曲した形状となっている。この屈曲した舌
片部23の先端は、第1のシール板11の立板部11b
よりも内側へ延びる。図6において、(C)は保護板1
8の加締前の単独の状態を、(B)は多極磁石14の設
けられた第1のシール板11の単独の状態をそれぞれ示
し、保護板18を加締止めすることで、図6(A)のよ
うになる。
【0020】なお、保護板18の切欠22は、図5のよ
うなスリット状であっても、また保護板18の円周方向
に、例えば深さよりも幅広となるように広がった形状で
あっても良い。また切欠22は、線状の切り込みであっ
ても良い。切欠22の深さは、周縁片18bbの略全幅
に達するものであっても良いが、図6に示すように、切
欠22のない円筒形状の部分が、多極磁石14の厚さ分
を覆う幅となるものであることが好ましい。
【0021】保護板18の内周縁には、補強リブ24が
形成される。補強リブ24は、軸受内側へ突出するリブ
とすることが好ましい。この例では、補強リブ24は、
図6に示すように、保護板18の内周縁を内側へ湾曲さ
せた円弧状断面部分とされている。この補強リブ24の
軸方向幅dは、多極磁石14の厚みの一部となる幅とさ
れている。また、補強リブ24は、多極磁石14の内径
面よりも内径側に離れて位置している。なお、補強リブ
24の軸方向幅dは、図7のように多極磁石14の略全
体幅を覆う幅であっても良い。また、補強リブ24は、
同図の円弧状断面の部分とする代わりに、例えば図8に
示すように、カウンタシンクのリング状突条としても良
い。補強リブ24をこのようなカウンタシンクのリング
状突条とした場合、保護板18をプレス加工する場合の
プレス加工性に優れる。
【0022】この構成の車輪用軸受によると、第1のシ
ール板11の立板部11bに、多極磁石14が取付けら
れ、周方向に交互に磁極N,Sが形成されているため、
この多極磁石14および第1のシール板11により磁気
エンコーダ20が構成され、多極磁石14に対面する磁
気センサ15で回転検出を行うことができる。内外の部
材1,2間のシールについては、第2のシール板12に
設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第
2のシール板12の円筒部12aに第1のシール板11
の立板部11bの先端が僅かな径方向隙間で対峙するこ
とで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
【0023】また、多極磁石14の外方側が保護板18
で被覆されているので、多極磁石14と磁気センサ15
との隙間に異物が噛み込んでも、異物が多極磁石14に
直接に接触せず、多極磁石14が損傷することが防止さ
れる。保護板18は、多極磁石14と磁気センサ15と
の間に介在するが、非磁性体であるため、磁束の流れ経
路に影響せず、磁気センサ15による回転数検出の精度
低下の問題がない。
【0024】保護板18は、外径縁から延びる周縁片1
8bbを第1のシール板11に加締止めする構成のた
め、取付が簡単でかつ確実であり、量産性にも優れる。
周縁片18bbは、切欠22によって複数の舌片部23
に分けてあるため、連続する加締幅が狭くて加締作業が
容易に行える。また、加締力が小さくて済み、そのため
第1のシール板11の変形防止の効果も得られる。ま
た、保護板18は、内周縁に補強リブ24を有するた
め、外周縁の周縁片18bbの加締時に、保護板18の
内周部が変形することが防止され、変形によって保護板
18の多極磁石14の表面に対する密着性が損なわれる
ことが回避される。多極磁石14とこれに対向させる磁
気センサ15との隙間は、磁気ギャップを小さくして感
度を向上させるために微小な間隔に設定される。そのた
め、保護板18の多極磁石14に対する密着性が悪い
と、磁気センサ15との干渉の恐れが生じ、上記隙間を
十分に小さく設定できない。このような加締に伴う密着
不良による干渉の恐れを、保護板18の内周縁の補強リ
ブ24によって無くすことができる。
【0025】保護板18の材質および寸法例を説明す
る。保護板18の材質は、非磁性体でかつ加締止めが可
能な材質であり、非磁性ステンレス鋼の他には、アルミ
合金や銅合金を用いることができる。防錆性からは、非
磁性ステンレス鋼が好ましい。保護板18の厚みは、
0.1〜1.0mmの範囲とされる。保護板18の厚みの
上限は、加締力の条件設定によりどのような厚みでも可
能であるが、保護板18が厚いと、磁気ギャップが広が
るため、磁気特性が不利になる。また、加締力が大きい
と加締た際に第1のシール板11の変形が生じることも
ある。そのため、1.0mm以下とすることが好ましい。
磁気ギャップの面からは、保護板18は極力薄いものが
好ましいが、0.1mmよりも薄いと、加工が難しく、加
締時に変形して多極磁石14との密着性が得られない場
合がある。このため、0.1mm以上とすることが好まし
い。より好ましくは0.2mm以上、または0.3mm以上
である。保護板18の硬さは、ビッカース硬さでHV
00以下であることが好ましい。硬さがHV 200を超
えると、周縁片18bbの加締時に保護板18の変形が
生じる恐れがある。JIS規格のSUS304のステン
レス鋼の場合、HV 200以下である。保護板8の周縁
片18bb軸方向幅B(図6(A))は、例えば2.4
5mm±0.5mm程度とされる。
【0026】上記各実施形態における多極磁石14の材
質例を説明する。多極磁石14を磁性体粉が混入された
弾性部材とする場合、その弾性材料としてゴム材料を用
いることができる。その場合、多極磁石14はゴム磁石
となる。磁性体粉にはフェライト等が用いられる。多極
磁石14を磁性体粉が混入されたプラスチックとする場
合、すなわちプラスチック磁石とする場合、磁性体粉と
してフェライト磁石や希土類磁石の粉末をプラスチック
に混ぜて成形した磁石とされる。プラスチック磁石は、
成形したままで精度が高く、また薄肉品や複雑な形状の
ものが容易に製造できる。多極磁石14を焼結磁石から
なるものとする場合、例えば、原料合金を粉砕した磁性
体粉を、磁界中プレスにより粒子の方向を揃えて圧粉成
形し、焼結後に着磁したものとされる。焼結磁石は、磁
力が大きくできる利点がある。磁性体粉としては、フェ
ライト磁石やネオジウム系又はサマリウム系の希土類磁
石を用いることができる。多極磁石14となる焼結磁石
は、必ずしも磁性体粉のみを焼結したものでなくても良
く、磁性体粉と他の材料を混合させた粉体を焼結させた
ものであっても良い。
【0027】なお、上記各実施形態は、第1世代の車輪
用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、
例えば図9に示すように内方部材1がハブ輪6Aと片方
の内輪1Aとで構成される形式とした軸受である第3世
代の車輪用軸受に適用することができ、また第2世代
や、等速ジョイントを一体化させた軸受である第4世代
の車輪用軸受にも適用することもできる。
【0028】
【発明の効果】この発明の車輪用軸受は、磁気エンコー
ダとなる多極磁石の外方側を非磁性体製の保護板で被覆
したため、多極磁石と、この多極磁石から回転数を検出
する磁気センサとの隙間に異物が噛み込むことがあって
も、多極磁石が損傷することが防止される。保護板は、
外径縁から延びる周縁片を第1のシール板に加締止めす
るようにしたため、取付が簡単でかつ確実であり、量産
性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる車輪用軸受を設
置した車輪支持装置の断面図である。
【図2】その磁気エンコーダとなる多極磁石の部分正面
図である。
【図3】同車輪用軸受の部分断面図である。
【図4】同車輪用軸受の磁気エンコーダを含むシール装
置の断面図である。
【図5】同磁気エンコーダの保護板の部分斜視図であ
る。
【図6】(A)〜(C)は、それぞれ磁気エンコーダの
保護板取付状態の断面図、同磁気エンコーダの保護板未
装着状態の断面図、および保護板の加締前の状態の断面
図である。
【図7】磁気エンコーダの変形例の断面図である。
【図8】(A)〜(C)は、それぞれこの発明のさらに
他の実施形態における磁気エンコーダの保護板取付状態
の断面図、同磁気エンコーダの保護板未装着状態の断面
図、および保護板の加締前の状態の断面図である。
【図9】同車輪用軸受のさらに他の実施形態の断面図で
ある。
【図10】従来例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…内方部材 2…外方部材 3…転動体 5…シール装置 11…第1のシール装置 12…第2のシール装置 11a,12a…円筒部 11b,12b…立板部 14…多極磁石 16…弾性部材 16a…サイドリップ 16b,16c…ラジアルリップ 18…保護板 18b…立板部 18bb…周縁片 22…切欠 23…舌片部 24…補強リブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内方部材および外方部材と、これら内外
    の部材間に収容される複数の転動体と、上記内外の部材
    間の環状空間の端部を密封するシール装置とからなる車
    輪用軸受であって、 上記シール装置は、上記内方部材と外方部材のうちの互
    いに異なる部材に各々取付けられて互いに対向する第1
    および第2の環状のシール板を有し、第1のシール板
    は、上記内方部材および外方部材のうちの回転側の部材
    に嵌合され、第1のシール板は、軸受の外方側に配され
    る立板部を有し、周方向に交互に磁極が形成された多極
    磁石が上記立板部の外方側の側面に取付けられ、第2の
    シール板は上記第1のシール板に摺接するリップを有す
    る車輪用軸受において、 上記多極磁石の外方側を覆う非磁性体製の保護板を設
    け、この保護板は、外径縁から軸受内側へ屈曲して延び
    る周縁片を第1のシール板の立板部の外径縁に加締止め
    したことを特徴とする車輪用軸受。
  2. 【請求項2】 上記第1および第2のシール板は、各々
    円筒部と立板部とでなる断面L字状に形成され、第2の
    シール板は上記リップとして第1のシール板の上記立板
    部に摺接するサイドリップと円筒部に摺接するラジアル
    リップとを有し、この第2のシール板の円筒部と上記第
    1のシール板の立板部の先端とを僅かな径方向隙間をも
    って対峙させた請求項1に記載の車輪用軸受。
  3. 【請求項3】 上記保護板の周縁片は、円周方向の複数
    個所に先端から軸方向に延びる切欠を有し、各切欠間で
    形成される舌片部を上記第1のシール板の立板部の外径
    縁に加締止めした請求項1または請求項2に記載の車輪
    用軸受。
  4. 【請求項4】 上記保護板は、内周縁に補強リブを有す
    る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車輪用軸
    受。
  5. 【請求項5】 上記多極磁石は、第1のシール板の立板
    部の外径縁を覆う外周覆い部を有し、上記保護板の上記
    周縁片は、上記外周覆い部の上から上記立板部の外径縁
    に加締止めした請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の車輪用軸受。
  6. 【請求項6】 上記保護板の板厚が0.1〜1.0mmで
    ある請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車輪用
    軸受。
  7. 【請求項7】 上記保護板は、非磁性ステンレス鋼製で
    あって、硬さがHV200以下である請求項1ないし請
    求項6のいずれかに記載の車輪用軸受。
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