JP2003238648A - 定序性ポリウレタンウレア重合体 - Google Patents

定序性ポリウレタンウレア重合体

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JP2003238648A JP2002043203A JP2002043203A JP2003238648A JP 2003238648 A JP2003238648 A JP 2003238648A JP 2002043203 A JP2002043203 A JP 2002043203A JP 2002043203 A JP2002043203 A JP 2002043203A JP 2003238648 A JP2003238648 A JP 2003238648A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジイソシアナートと、ジアミン及びジオール
とからモノマー構造単位の配列が規制された定序性ポリ
ウレタンウレアを得る。 【解決手段】 下式(1)〜(3): 【化1】 【化2】 【化3】 で表される構造単位を有し、式(1)の構造単位をk個、
式(2)の構造単位をl個、式(3)の構造単位をm個含む
数平均分子量2,000〜200,000のポリウレタン
ウレア化合物であって、かつ、下式(4): 【化4】 で表される構造単位をx個含み、前記k,l,m及びxの
関係が0.7≦4x/(k+l+m)≦1であるポリウレ
タンウレア。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の分野】本発明はモノマー構造単位の配列が規制
された定序性ポリウレタンウレア重合体に関する。 【0002】 【産業上の利用分野】本発明は、非対称ジイソシアナー
トモノマーと、芳香族ジアミン及び脂肪族ジオールとか
ら得られる定序性ポリウレタンウレアに関する。定序性
重合体は配列異性重合体であり、光学材料や電気材料等
の機能材料などに用いられる。 【0003】 【発明の背景】モノマーの配列を規制することにより得
られる高分子(以下、定序性高分子という)は熱的、力学
的性質はもちろん、非線形光学、液晶等などの物性にお
いても特異的性質を有するものと期待されている。しか
しながら、工業的に製造され広く用いられているポリウ
レア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド等の重縮
合系高分子では、モノマーの配列を制御した高分子の製
造は困難であり、合成法の確立に大きな関心が持たれて
いる。 【0004】定序性高分子のモノマー分子設計として
は、季刊化学総説18巻 85−95(1993)に記載
されているように、用いるモノマーの分子構造に方向性
があることはもちろん、重合点となる官能基部位の反応
性に十分な差を有する必要があるとされている。 【0005】多官能イソシアナート化合物はその高反応
性を利用して、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド
等の原料として広く工業的に利用されており、イソシア
ナート化合物をモノマーとした定序性高分子は工業的に
非常に有用であると考えられる。 【0006】一官能イソシアナート化合物の場合、イソ
シアナート基に結合する官能基によってその反応性が大
きくことが知られている。例えば、脂肪族イソシアナー
トと芳香族イソシアナートとでは、トリエチルアミン触
媒を用いることによりメタノールのような求核剤を使用
した求核反応において300倍以上の反応性差を有する
との報告がある(M.Sato,J.Am.Chem.Soc.vol.82, p3893
−3897,(1960))。この性質を利用してこれまでに我々
は、非対称モノマーとしてρ−イソシアナトベンジルイ
ソシアナートを用い、対称モノマーとしてエチレングリ
コールを用いることにより頭頭−尾尾および頭−尾構造
単位を有する定序性ポリウレタンが合成できることを見
出した(特開平11−171965、特願平2000−230631)。 【0007】また、前記の非対称イソシアナートと共
に、4−アミノフェネチルアルコール(芳香族性アミノ
基と脂肪族性水酸基を分子内に有する)などの非対称性
のアミノアルコールを用い頭−尾構造を有するポリウレ
タンウレアが合成できることも見出した(特願2001
−61191)。 【0008】イソシアナート基とアミノ基との反応によ
り得られるウレア結合は、焦電性や圧電性、さらには非
線形光学特性などを有することが知られており、定序性
ポリマーからなる機能性高分子を得る(機能化)上で非常
に有用であると考えられる。しかしながら、分子内に芳
香族性アミノ基と脂肪族性水酸基を有する前記のアミノ
アルコールは、原料モノマーとして汎用性が低く、選択
可能なモノマーの種類も限定されるため、このような定
序性高分子を材料とした機能化には制約が大きい。 【0009】そこで、種々の原料から定序性高分子を製
造し、機能化を容易とするために、非対称モノマーであ
るアミノアルコールに代えて、対称芳香族ジアミンと対
称脂肪族ジオールを用い、汎用性の高いモノマーから定
序性ポリマーを得るべく検討を行った。このような非対
称モノマー1種と対称モノマー2種から得られる定序性
ポリウレタンウレアについてはこれまで報告はない。 【0010】本発明の目的は反応性の異なる官能基を分
子内に有するジイソシアナートと、ジアミン及びジオー
ルとから新規な定序性ポリウレタンウレアを製造するこ
とにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、(i)分子
内に2つのイソシアナート基を有し、かつ一方のイソシ
アナート基が芳香環に直接結合し、他方のイソシアナー
ト基が、芳香族に結合した脂肪族性炭素原子に結合して
いる非対称のジイソシアナートモノマーと、(ii)芳香族
性ジアミン及び脂肪族性ジオールとの反応性を詳細に検
討した。その結果、このような化合物には2つのイソシ
アナート基の各々、及びジアミンのアミノ基とジオール
の水酸基に対応して反応性に明確な差があるとの知見を
得た。そして、ジイソシアナートに対して所定の方法で
芳香族ジアミンと脂肪族ジオールを反応させることによ
り定序性ポリマーを製造することが可能なことを見出
し、本発明を完成するに至った。 【0012】すなわち本願の第1の発明は、下式(1): 【化5】 (式中、R及びRは各々別個に水素又は低級アルキ
ル基、aは1〜10の整数を意味する。)で表されるジ
イソシアナート構造単位、下式(2): 【0013】 【化6】 (式中、Rは2価の芳香族基を意味する。)で表される
ジアミン構造単位、及び下式(3): 【0014】 【化7】 (式中、Rは2価の脂肪族基を意味する。)で表される
ジオール構造単位を有し、式(1)の構造単位をk個、式
(2)の構造単位をl個、式(3)の構造単位をm個含む数
平均分子量2,000〜200,000、好ましくは5,
000〜100,000のポリウレタンウレア化合物で
あって、かつ、下式(4): 【0015】 【化8】 で表される構造単位をx個含み、前記k,l,m及びxの
関係が0.7≦4x/(k+l+m)≦1であるポリウレ
タンウレアを提供するものである。数平均分子量が前記
数値範囲よりも小さいと充分な高分子化合物は得られ
ず、一方これより大きい高分子化合物は実用的でない。
なお、上記にポリウレタンポリウレアにおいて式(1)の
両端には必ず式(2)または式(3)の構造単位が結合し、
式(2)及び式(3)の構造単位は連続して結合しない。式
(1)(2)(3)の各々はそれ自身では連続して結合しな
い。 【0016】 【発明の詳細な開示】本発明のポリウレタンウレアは式
(1)、式(2)及び式(3)の構造単位を有しており、モノ
マーの反応条件を選択することにより前記4x/(k+
l+m)が0.7〜1で式(4)の配列単位が優先するポリ
ウレタンウレアが得られる。つぎに本発明の定序性ポリ
ウレタンウレアのモノマー及びその重合法について詳細
に説明する。 【0017】(ジイソシアナート化合物)本発明の定序性
ポリウレタンウレアの原料であるジイソシアナートは、
下式: 【0018】 【化9】 で表される。このジイソシアナートモノマーの特徴は、
分子内に2つのイソシアナート基を有しており、一方の
イソシアナート基が芳香環に直接結合し、他方のイソシ
アナート基は、芳香環に結合した炭素原子に結合してい
る。このような構造により2つのイソシアナート基は大
きな反応性差を示す。 【0019】芳香環上のイソシアナート基及び炭素原子
に結合したイソシアナート基はオルト、メタ、パラ位の
いずれの位置であってもよい。式(5)中、n=1〜10
である。R及びRは水素原子又はメチル基、エチル
基等の低級アルキル基が好ましい。したがって、式(5)
の化合物の代表的なものとしては、イソシアナトベンジ
ルイソシアナート、イソシアナトフェネチルイソシアナ
ート、α−(イソシアナトフェニル)−エチルイソシアナ
ート等のジイソシアナートである。本発明にて用いるこ
とのできる二価の非対称ジイソシアナートの分子量は、
通常174〜500、好ましくは174〜300であ
る。 【0020】(芳香族ジアミン)本発明の定序性ポリウレ
タンウレアの原料である芳香族ジアミンは、下式: 【0021】 【化10】 (Rは、前記と同じものを意味する。)で表される2価
の芳香族ジアミンである。式(6)において、Rは具体
的にはフェニレン、ビフェニレン、ジフェニルエーテル
などの芳香族炭化水素類、ジフェニルメタン、2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンな
どの脂肪族と芳香族の基からなる炭化水素類であり、下
記構造式のものが含まれる。 【0022】 【化11】 【0023】したがって、前記式(6)で表される代表的
なジアミンとしては、例えば、1,4−フェニレンジア
ミン、ビフェニレンジアミン、3,3−ジメチル−4,
4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジ
アミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノ
ン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジ
メチルジフェニルメタン、2,2'−ジメチル−4,4'−
ジアミノビフェニル、2,2'−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン、ネオペンチルグリコールビス(4−アミノフ
ェニル)エーテル、プロペンビス(4−アミノフェニル)
エーテル、ブテンビス(4−アミノフェニル)エーテル、
ヘプテンビス(4−アミノフェニル)エーテルなど、イソ
シアナートと反応する二価の芳香族ジアミンである。本
発明にて用いられる二価の芳香族ジアミン類の分子量
は、通常108〜600、好ましくは108〜400で
ある。 【0024】(脂肪族ジオール)一方、脂肪族ジオール
は、下式: 【化12】 (Rは、前記と同じものを意味する。)で表される2価
の脂肪族ジオールである。式(7)中、Rは具体的には
ジメチレン基、ペンタメチレン基などの直鎖脂肪族炭化
水素類、2−メチル−トリメチレン基などの枝分かれ脂
肪族炭化水素類、3−オキサ−ペンタメチレン基などの
含ヘテロ原子炭化水素基、シクロヘキシニレン基やステ
ロイド骨格などの環式脂肪炭化水素類、ベンゼンジメタ
ノールなど芳香環に結合した肪族性水酸基を有するもの
でもよい。すなわち、Rの具体例としては例えば下記
構造式: 【0025】 【化13】 にて表される脂肪族、芳香族及びヘテロ原子からなる炭
化水素基などが挙げられる。 【0026】したがって、前記式(7)で表される代表的
なジオールとしては、例えば、エチレングリコール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリ
コール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、ジヒドロキシシクロヘキサン、イソマンニド、
イソソルビドなどの脂肪族アルコール類、また、ヒドロ
キノン類、ビスフェノールA、4,4’−(ヘキサフルオ
ロイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(ヘキサ
フルオロイソプロピリデン)−ビス(2,6−メチルフェ
ノール)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’
−(1,3−アダマンテンジイル)ジフェノールなどの2
価の芳香族アルコール類、あるいはデオキシコール酸、
ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸などの
胆汁酸類、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン等の非等価水酸基を有する化合物な
ど、イソシアナートと反応する2価の水酸基を有する化
合物であればよい。用いることのできる二価アルコール
類の分子量は、通常62〜500、好ましくは62〜3
00である。 【0027】(定序性ポリウレタンウレアの製造法)つぎ
に、前記のモノマーを用いて、式(4)の配列単位が優先
する、すなわち、4x/(k+l+m)が0.7〜1であ
るように配列制御のなされた定序性ポリウレタンウレア
の製造法について詳細に説明する。 【0028】ジアミンモノマーとジオールモノマーの量
は、共重合体の分子量を充分に大きくするため、ジイソ
シアナートモノマーのイソシアナート官能基数に対し
て、ジアミンモノマーのアミノ基数とジオールモノマー
水酸基数との合計がほぼ等しく(等モル量)なるように用
いるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
ここで略等モル量とは、ジイソシアナート1モルあた
り、ジアミンモノマーとジオールモノマーの総量が、
0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モル、より
好ましくは0.99〜1.01モルである。このときジア
ミンモノマーとジオールモノマーは、これらの合計1モ
ル当たりそれぞれ0.4〜0.6モル、好ましくは0.4
5〜0.55、より好ましくは0.49〜0.51モルで
ある。 【0029】式(4)で表される配列単位を主体とするポ
リウレタンウレアを製造するには、前記イソシアナート
化合物と、ジアミン化合物及びジオール化合物を重縮合
するにあたり、(イ)ジイソシアナートに対し、各々略1
/2倍モル量の芳香族ジアミンと脂肪族ジオールとを実
質的に一時に反応させる。又は(ロ)最初に略1/2倍モ
ルのジアミンモノマーのみを滴下し、その後、略1/2
倍モルのジオールモノマーを加えてもよい。このような
反応操作は、少なくともジオール添加の開始時点で、実
質的に全てのジアミンが反応に関与していることを意味
する。このようにして、ジアミンのアミノ基とジイソシ
アナートモノマーの芳香族イソシアナート基が反応した
ジアミンモノマーとジイソシアナートモノマーの(1:
2)付加物が優先的に生成する反応条件を選択する。 【0030】これに対して、例えば、ジアミンモノマー
とジオールモノマーとの混合物をジイソシアナートモノ
マーに対して滴下したり、先にジオールモノマーを添加
した後、ジオールモノマーを添加するなど、ジオールモ
ノマーの添加が先行し、ジオールの添加時点でまだジア
ミンの添加が終了しておらず実質的にジアミンの全てが
反応に関していない反応条件では、式(4)の配列単位の
含有量が低下する。 【0031】このように本発明ではジオールが反応に関
与を開始した時点で、実質的にジアミンの全量がジイソ
シアナートとの反応系に加えられている。このような操
作には、反応系内にモノマーの全部(ジイソシアナー
トと、ジアミン及びジオール)を一時に加える。ジイ
ソシアナートと、これに対し略1/2倍モルずつのジア
ミン及びジオール混合物とを等モルずつ反応系に加え
る。ジイソシアナート、又はジアミン及びジオール混
合物の存在下、他方を速やかに反応系に加える。 【0032】またかかる重縮合反応の反応温度は、ジイ
ソシアナートモノマーに対するジアミンモノマーとジオ
ールモノマーの反応選択性の向上を図るために、できる
だけ低いのが好ましい。また、低温での反応によりウレ
タン結合生成時に競合するイソシアナートの三量化反応
などの副反応も抑制できる。従って、反応温度は、−4
0〜40℃、好ましくは−20〜30℃であり、より好
ましくは−10〜0℃であり特に0℃付近で反応させる
のが好ましい。また、反応温度は、反応開始から終了ま
で一定の温度で行なってもよく、初期に低温で行ないそ
の後、温度上げてもよい。 【0033】また、重合時間は、重合の進行を考慮に入
れて、5〜48時間で行ない、好ましくは、10〜24
時間で行なうのがよい。 【0034】反応に用いる溶媒は、目的ポリマーが高極
性であることと、重合を効率的に進行させるため、高極
性溶媒を用いる必要がある。例えば、DMF(N,N−ジ
メチルホルムアミド)、DMAc(N,N−ジメチルアセ
トアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP
(N−メチルピロリドン)等の高極性非プロトン溶媒を選
択することが好ましいが、反応基質及び目的物が良好に
溶解しさえすればシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、クロロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、THF(テトラヒドロフ
ラン)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジエチ
ルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケ
トン、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、プロ
ピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類などの溶媒であってもよく、これらを混合して用いて
もよい。これら溶媒の使用量は、反応の選択性向上の点
からモノマー基質をできる限り希釈するのが好ましい
が、反応を効率よく進行させること、反応操作を考慮に
入れるとモノマー基質が0.1〜2mol/Lになるよ
うに調製するのがよい。 【0035】イソシアナートに対するアミノ基の反応性
は、水酸基の反応性よりも高いことからウレア結合を生
成させるためには、一般に触媒を必要としないが、ウレ
タン結合生成を効率よく進行させるため、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミンなどの三級アルキルアミ
ン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−エンなどの
縮環アミン類、DBTL、テトラブチルスズ、トリブチ
ルスズ酢酸エステルなどのアルキルスズ類等、公知のウ
レタン結合生成触媒を用いることができる。 【0036】芳香族イソシアナートとアミノ基との反応
を優先的に生じ、芳香族イソシアナートと水酸基の反応
性を抑制するため、重合初期は無触媒で行い、その後、
効率的にウレタン結合生成を行うよう、より活性の高い
アルキルスズ類及び縮環アミン類などの触媒を用いるの
が好ましい。触媒の使用量は、効率のよい反応及び反応
操作を考慮してモノマー基質に対して0.1〜30mo
l%用いるのが好ましい。 【0037】以上のように、式(4)の構造単位を優先し
て生成させるには、ジアミンモノマーとジオールモノマ
ーの各イソシアナート基に対する反応性の違いが必要で
あるほか、少なくともジオールの添加開始時点で実質的
にジアミンの全てを添加し、ジアミンモノマーのアミノ
基が、ジイソシアナートモノマー中の芳香族イソシアナ
ートに優先的に反応し、ジオールモノマーの水酸基が脂
肪族イソシアナート基と優先的に反応する条件を選択す
ることが重要である。 【0038】こうして得られた高分子の定序性に関する
定量的検討には、特開平11−171965号に開示の
ように高分子主鎖中のジオールモノマー由来の13C−
NMRメチレン基のピークが、頭−頭構造、尾−尾構
造、頭−尾構造により異なることを利用した。即ち、配
列それぞれに対応するモデル化合物3種を合成し、これ
と実施例にて得られたモノマーとを比較した。得られた
高分子においてジオールモノマー由来のメチレン基のシ
グナルが、尾−尾構造であればもう一方のジアミンモノ
マーの配列構造は、頭−頭構造であり、所望の配列構造
を有していると判断できる。 【0039】なお、ここで非対称なジイソシアナート化
合物とジオールとが反応して得られる高分子重合体の配
列単位のうち、下式: 【化14】 で表される配列(中央のジオール単位に対して反応性の
高い芳香族性イソシアナート基が両端に結合する)を頭
−頭配列単位と定義する。 【0040】また、下式: 【化15】 で表される配列を尾−尾配列単位と定義する。 【0041】さらに、下式: 【化16】 で表される配列を頭−尾配列単位と定義する。 【0042】 【実施例】つぎに、本発明を実施例及び比較例により、
さらに詳細に説明する。 [参考例1] 頭−頭構造に対応したモデル化合物の合成 1,4−ジオキサン50mLにDBTL0.55g(0.8
7mmol)、エチレングリコール1.28g(20.6m
mol)、フェニルイソシアナート4.96g(41.6m
mol)を加え、60℃で1日撹拌を行った。溶媒留去
後、酢酸エチルで再結晶精製し結晶性固体を得た。ここ
で得られた生成物の13C−NMR測定を行った(図
1)。その結果154.9ppmにカルボニル基(b)のピ
ークが観察され、140.8、130.0、123.8、
119.6ppmに芳香環(a)のピークが観察され、6
4.2ppmにメチレン(c)のピークが観察されたこと
から、期待する頭−頭構造に対応した化合物であること
を確認した。収量4.76g(収率76%) 【0043】[参考例2] 尾−尾構造に対応したモデル
化合物の合成 1,4−ジオキサン50mLにDBTL0.55g(0.8
7mmol)、エチレングリコール1.10g(17.7m
mol)、ベンジルイソシアナート4.74g(35.6m
mol)を加え、60℃で1日撹拌を行った。溶媒留去
後、酢酸エチルで再結晶精製し結晶性固体を得た。ここ
で得られた生成物の13C−NMR測定を行った(図
2)。その結果158.0ppmにカルボニル基(c)のピ
ークが観察され、141.4、129.6、128.6、
128.2ppmに芳香環(a)のピークが観察され、6
4.3ppmにメチレン(d)のピークが観察され、45.
7ppmにベンジル位メチレン(b)のピークが観察され
たことから、期待する尾−尾構造に対応した化合物であ
ることを確認した。収量4.72g(収率81%) 【0044】[参考例3] 頭−尾構造に対応したモデル
化合物の合成 N−ベンジル−(2−ヒドロキシ)エチルカルバミン酸エ
ステル2.93gにDBTL0.73g(1.16mmo
l)とフェニルイソシアナート1.81(15.2mmo
l)を加え、1,4−ジオキサン90mL中60℃で1日
撹拌した。溶媒を留去し、n−ヘキサン/酢酸エチル混
合溶媒で再結晶精製して結晶性固体を得た。ここで得ら
れた生成物の13C−NMR測定を行った(図3)。その
結果、158.0ppmにカルボニル基(e)のピークが
観察され、155.0ppmにカルボニル基(b)のピー
クが観察され、141.0、130.1、123.8、1
19.7ppmに芳香環(a)のピークが観察され、14
1.4、129.6、128.6、128.2ppmに芳香
環(g)のピークが観察され、64.5ppmにメチレン
(d)のピークが観察され、64.1ppmにメチレン
(c)のピークが観察され、45.8ppmにベンジル位
メチレン(f)のピークが確認されたことから、期待する
頭−尾構造に対応した化合物であることを確認した。収
量2.84g(収率60%) 【0045】[実施例1] 定序性ポリウレタンウレア
(ジオール;尾−尾構造)の合成 DMF10mLに溶解したp−イソシアナトベンジルイ
ソシアナート0.871g(5.0mmol)に対してDM
F10mLに2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフルオロプロパン1.30g(2.5mm
ol)、エチレングリコール0.155g(2.5mmo
l)を溶解した溶液を0℃ですばやく添加し、さらに1
時間撹拌した。次にDBTL0.0947g(0.15m
mol)を添加し、30℃で1日撹拌した。溶媒を留去
して反応溶液を濃縮し、これをメタノールで再沈殿精製
した後、70℃にて1日真空乾燥を行ない化合物を得
た。収量2.16g(収率93%) 【0046】得られた化合物の13C−NMRスペクト
ル(図4、図5)においてメチレン基のピークが62.6
ppmにのみ観測され、エチレングリコールが尾−尾構
造である配列構造を有するポリウレタンウレアが得られ
ていることがわかった(4x/(k+l+m)=1)。 【0047】分子量をGPCを用いてポリスチレンを基
準物質にして求めたところ重量平均分子量は25000
0、分子量分布は4.8であった。 【0048】[比較例1] ランダムポリマーの合成 DMF5mLに溶解した2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン1.30
g(2.5mmol)、エチレングリコール0.155g
(2.5mmol)、DBTL0.0947g(0.15mm
ol)に対してDMF15mLに溶解したp−イソシア
ナトベンジルイソシアナート0.871g(5.0mmo
l)を50℃加温下30分かけてゆっくり滴下し、1時
間撹拌した。さらに、室温にもどして30℃で1日攪拌
した。溶媒を留去して反応溶液を濃縮し、これをメタノ
ールで再沈殿精製し、70℃にて1日真空乾燥を行い化
合物を得た。収量2.09g(収率90%) 【0049】得られた化合物の13C−NMRスペクト
ル(図6、図7)においてメチレン基のピークが62.
8、92.6、62.4ppmに現れ、エチレングリコー
ルが頭−尾、頭−頭、尾−尾構造の配列構造をすべて有
するランダム構造のポリウレタンウレアが得られている
ことがわかった。 【0050】分子量をGPCを用いてポリスチレンを基
準物質にして求めたところ重量平均分子量は2200
0、分子量分布は3.5であった。 【0051】 【発明の効果】モノマー構造単位の配列が規制された定
序性ポリウレタンウレアが容易に得られる。このポリウ
レタンウレアは光学材料や電気材料等の機能材料などに
用い得る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 参考例1で得られたモデル化合物の13C−
NMRスペクトルである。 【図2】 参考例2で得られたモデル化合物の13C−
NMRスペクトルである。 【図3】 参考例3で得られたモデル化合物の13C−
NMRスペクトルである。 【図4】 実施例1で得られた定序性ポリウレタンウレ
アの13C−NMRスペクトルである。 【図5】 実施例1で得られた定序性ポリウレタンウレ
アの13C−NMRスペクトルのEG由来メチレン部位
の拡大図である。 【図6】比較例1で得られたランダムポリウレタンウレ
アの13C−NMRスペクトルである。 【図7】比較例1で得られたランダムポリウレタンウレ
アの13C−NMRスペクトルのEG由来メチレン部位
の拡大図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA02 BA06 CA04 CA15 CB03 CB07 CC03 CC08 CC12 CC23 CC26 CC29 CC37 CC45 CC52 CC53 CC61 CC65 CC67 CC69 CD04 CD12 HA01 HA07 HC12 HC61 HC71 HC73 JA02 JA14 KA01 KB02 KC17 KD12 KE02 QA05 RA13 RA14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下式(1): 【化1】 (式中、R及びRは各々別個に水素又は低級アルキ
    ル基、aは1〜10の整数を意味する。)で表されるジ
    イソシアナート構造単位、下式(2): 【化2】 (式中、Rは2価の芳香族基を意味する。)で表される
    ジアミン構造単位、及び下式(3): 【化3】 (式中、Rは2価の脂肪族基を意味する。)で表される
    ジオール構造単位を有し、式(1)の構造単位をk個、式
    (2)の構造単位をl個、式(3)の構造単位をm個含む数
    平均分子量2,000〜200,000のポリウレタンウ
    レア化合物であって、かつ、下式(4): 【化4】 で表される構造単位をx個含み、前記k,l,m及びxの
    関係が0.7≦4x/(k+l+m)≦1であるポリウレ
    タンウレア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009298922A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 有機圧電材料、有機圧電体膜の製造方法、超音波振動子、及び超音波探触子
JP5338681B2 (ja) * 2007-12-25 2013-11-13 コニカミノルタ株式会社 有機圧電材料、その製造方法、それを用いた超音波振動子及び超音波探触子

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JP2009298922A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 有機圧電材料、有機圧電体膜の製造方法、超音波振動子、及び超音波探触子

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