JP2003238316A - 有用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤及び胴枯性病防除方法 - Google Patents

有用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤及び胴枯性病防除方法

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JP2003238316A
JP2003238316A JP2002042692A JP2002042692A JP2003238316A JP 2003238316 A JP2003238316 A JP 2003238316A JP 2002042692 A JP2002042692 A JP 2002042692A JP 2002042692 A JP2002042692 A JP 2002042692A JP 2003238316 A JP2003238316 A JP 2003238316A
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Yoshihiko Iijima
義彦 飯島
Kozaburo Hayashi
孝三郎 林
Tadamitsu Nakamura
忠光 中村
Yasuo Takano
保夫 高野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便で使い勝手が良く、胴枯性病に対し高い防
除効果を有し、しかも安全性が高い有用植物の胴枯性病
菌の生育抑制剤及び有用植物の胴枯性病菌の防除方法を
提供すること。 【解決手段】セルロース誘導体を有効成分として含有す
ることを特徴とする有用植物の胴枯性病菌の生育抑制
剤、及び本発明の胴枯性病菌の生育抑制剤を用いること
を特徴とする有用植物の胴枯性病防除方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リンゴ、ナシ等の
有用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤、及び該生育抑制剤
を用いる有用植物の胴枯性病防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リンゴ腐らん病等の胴枯性病は明治末期
から大正期にかけて大発生し、寒冷地のリンゴ栽培に甚
大な被害を及ぼした。その後、昭和40年代から再びこ
の病気の発生が目立ちはじめている。特に北海道や東北
地方といった寒冷地ではこの病気の被害が深刻で、その
防除及び治療に苦慮している。また、近年においては、
リンゴのみならず、ナシ、セイヨウナシ、クワ、キリ等
の他の有用植物にも胴枯性病害が多発し、その対策とし
て抜本的な防除、治療方法の必要性が強調されている。
【0003】従来、リンゴ腐らん病に代表される胴枯性
病害の治療には、病巣患部への薬剤(農園芸用殺菌剤)
を塗布する方法や病斑部を外科的に治療する方法、泥巻
法等が知られている。
【0004】しかしながら、従来の農園芸用殺菌剤は薬
剤の樹体への浸透性が劣るために、胴枯性病に対して十
分な防除効果が得られない場合があった。また、農園芸
用殺菌剤の中には変異原性を持つものもあり、自然環境
及び人体に対して必ずしも安全なものとは言えなかっ
た。一方、病斑部を外科的に治療する方法や泥巻法で
は、ある程度の治療効果を得ることができるものの、全
体の処置に多大な労力及び時間を要する問題がある。従
って、簡便で使い勝手が良く、有用植物に発生する胴枯
性病害に対して優れた防除効果を有し、安全性が高い胴
枯性病を防除する薬剤の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる実情の
下でなされたものであり、簡便で使い勝手が良く、胴枯
性病に対し高い防除効果を有し、しかも安全性が高い有
用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤及び有用植物の胴枯性
病菌の防除方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、セルロース誘
導体が胴枯性病菌の生育抑制に顕著な効果を示すことを
見出した。そして、セルロース誘導体を含む製剤を胴枯
性病菌の生育抑制剤として使用することを着想し、本発
明を完成するに到った。
【0007】かくして本発明の第1によれば、セルロー
ス誘導体を有効成分として含有することを特徴とする有
用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤が提供される。本発明
の生育抑制剤においては、前記セルロース誘導体がカル
ボキシメチルセルロースナトリウムであるのが好まし
い。また本発明の第2によれば、本発明の胴枯性病菌の
生育抑制剤を用いることを特徴とする有用植物の胴枯性
病防除方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有用植物の胴枯性
病菌の生育抑制剤及び胴枯性病の防除方法について詳細
に説明する。本発明の生育抑制剤は、Valsa属やD
iaporthe属等の腐らん病菌又は胴枯病菌に感染
し、腐らん病や胴枯病等の胴枯性病の症状を示している
有用植物の治療又は胴枯性病の感染予防に用いられる。
【0009】胴枯性病は、その病斑部分の形態が幹辺材
腐れの様相を呈し、主に幹の靭皮部、辺材柔細胞そして
形成層等が侵害される病気である。病原菌の植物体への
進入原因としては、凍害・寒害による損傷、枯枝、樹体
の衰弱、芽かき痕及び不適当な剪定等が挙げられる。一
般に、胴枯性病による植物の材質腐朽は、根株心腐れ、
幹心腐れ、幹辺材腐れの3タイプに分かれる。根株心腐
れでは、腐朽菌が根系の傷口から進入して根株の心材を
腐らせる。また、幹心腐れでは、腐朽菌が傷口又は枯枝
から幹に侵入して心材を腐らせる。更に、幹辺材腐れで
は、腐朽菌が枯枝や傷口から進入して辺材部を腐らせ
る。
【0010】かかる胴枯性病としては、例えば、Val
sa ceratosperma(Tode ex F
r.)Maire(リンゴ腐らん病菌、ナシ腐らん病
菌)、Valsa paulowniae Miyab
e et Hemmi(キリ腐らん病菌)、Diapo
rthe nomurai Hara(クワ胴枯病
菌)、Diaporthe ambigua(Sac
c.)Nits(セイヨウナシ胴枯病菌)、Valsa
abietis Fr.(スギ胴枯病菌)、Diap
orthe aucubae(Sacc)(アオキ胴枯
病菌)、Endothia parasitica(M
urrill)PJ et H.W.Anderson
(クリ胴枯病菌)、Valsa friesii(Du
by)Fuckel(ハイイヌガヤ胴枯病菌)等の子の
う菌とそれらの不完全世代である不完全菌等により引き
起こされる病害が挙げられる。
【0011】本発明の生育抑制剤は、有用植物に感染す
る胴枯性病菌の生育抑制効果を有し、有用植物の胴枯性
病防除剤として有用である。有用植物としては、例え
ば、リンゴ、ナシ、セイヨウナシ、モモ、ブドウ、クリ
等の果樹類;クワ、キリ、アオキ、スギ、ハイイヌガヤ
等の樹木類;バラ、ボタン等の花卉類;等が挙げられ
る。
【0012】本発明の胴枯性病菌の生育抑制剤は、セル
ロース誘導体を有効成分として含有することを特徴とす
る。セルロース誘導体は有用植物の胴枯性病菌に対して
特異的に生育抑制効果を発揮する。したがって、多種多
様な微生物(黴など)に対して絶対的な毒性を有する既
存の殺菌剤に比較して環境に与える負荷が非常に小さい
ものである。また、セルロース誘導体は天然物であるセ
ルロースの誘導体であり、環境を汚染することも少な
い。さらに、セルロース誘導体は食品添加物として指定
されているものも多く、変異原性の報告もなく、人体に
対する安全性についても既存の合成殺菌剤に比して極め
て優れている。
【0013】セルロース誘導体としては、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム(CMCNa)、カルボキシメ
チルセルロースカルシウム(CMCCa)、カルボキシメ
チルセルロースアンモニウム(CMCNH)などのセル
ロース塩類;酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロ
ースザントゲン酸塩等のセルロースエステル類;メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプ
ロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルエチル
セルロース(HPEC)、シアノエチルセルロース、ジエ
チルアミノエチル(DEAE)セルロース等のセルロー
スエーテル類;等が挙げられる。これらは1種単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、胴枯性病菌の生育抑制効果に優れるこ
と及び入手容易性の観点から、カルボキシメチルセルロ
ース塩類の使用が好ましく、カルボキシメチルセルロー
スナトリウムの使用が特に好ましい。
【0014】本発明の胴枯性病菌の生育抑制剤は、セル
ロース誘導体の少なくとも1種を有効成分とする通常の
製剤形態に製剤化して得ることができる。製剤の形態は
特に制限されず、例えば、乳剤、水和剤、液剤、エマル
ジョン剤、懸濁液剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、粒剤、
エアゾール、マイクロカプセル等の公知の製剤形態が挙
げられる。
【0015】これらの製剤は、公知の方法、例えば、前
記セルロース誘導体と、液体希釈剤、液化ガス希釈剤、
固体希釈剤等の各種添加剤、所望により乳化剤、分散
剤、泡沫形成剤等の界面活性剤と共に混合(又は混練)
する方法により製造することができる。
【0016】液体希釈剤としては、例えば、芳香族炭化
水素類(例えばキシレン、トルエン、アルキルナフタレ
ン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素類(例えばクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化脂肪族炭化
水素類(例えば1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン
等)、脂肪族炭化水素類〔例えばペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサン、パラフィン類(例えば鉱油留分
等)〕、アルコール類(例えばエタノール、プロパノー
ル、ブタノール、グリコール等)、エーテル類(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸
プロピル、乳酸メチル等)、ケトン類(例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等)、他の極性溶媒(例えばN,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、及び
水等を用いることができる。
【0017】液化ガス希釈剤としては、常温常圧で気体
の物質を液化させたもの、例えば、液化したブタン、プ
ロパン、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素類
等をエアゾール噴射剤としたものを使用することができ
る。
【0018】固体希釈剤としては、土壌天然鉱物(例え
ばカオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパ
ルガイド、モンモリロナイト、珪藻土等)、土壌合成鉱
物(例えば高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)等を
使用できる。
【0019】乳化剤、泡沫剤、分散剤として用いられる
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンが付
加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加し
た高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加した
ソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが
付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフ
ェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレン
スルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒ
ド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合体等
が挙げられる。
【0020】本発明の生育抑制剤には、所望により固着
剤や着色剤を添加することができる。固着剤としては、
天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアセテート等)等が挙げら
れる。着色剤としては、例えば、酸化鉄、酸化チタン、
プルシアンブルー等の無機顔料、アリザリン染料、アゾ
染料又は金属フタロシアニン染料等の有機染料、更にそ
れらの鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデ
ン、亜鉛等の塩等の微量添加物を使用することができ
る。
【0021】また本発明の生育抑制剤は、本発明の目的
が損なわれない範囲で所望により粉末状活性炭、カーボ
ンブラック、樹体活性成分、肥料、害虫忌避剤等と混合
して使用することもできる。例えば、粉末状活性炭やカ
ーボンブラック及びこれらの水性分散体、ペースト等と
本発明の生育抑制剤との混合物とを有用植物の胴枯性病
巣患部に塗布することにより、病原菌の活動を効果的に
しかも安全に抑制でき、更に樹体の治癒組織形成が促進
されるので、速やかに病状を回復させることができる。
【0022】本発明の生育抑制剤は、セルロース誘導体
とともに他の農薬活性成分を添加して製剤化することが
できる。また、例えば、施用前に本発明の生育抑制剤と
他の農薬活性成分を含む農薬製剤とを混合して用いるこ
ともできる。
【0023】他の農薬活性成分としては、例えば、殺虫
剤、毒餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺黴剤、植物
生長調整剤、除草剤等が挙げられる。これらの中でも、
胴枯性病に対し防除効果を有する他の殺菌剤の使用が好
ましい。例えば、チオファネートメチル、メチル−2−
ベンツイミダゾールカルバメイト(MBC)、ベノミ
ル、石灰硫黄剤、無機銅化合物、有機銅化合物、グアザ
チン、ジイソプロピル1,3−ジチオラン−2−イリデ
ンマロネート、イソチオシアン酸エステル等が挙げられ
る。
【0024】また、本発明の生育抑制剤には、桂皮酸、
桂皮酸誘導体又はこれらの塩を添加することができる。
桂皮酸、桂皮酸誘導体又はこれらの塩はセルロース誘導
体と同様に胴枯性病菌の生育抑制効果を有するので、胴
枯性病に対してより優れた防除効果を得ることができ
る。また、施用前に本発明の生育抑制剤と桂皮酸、桂皮
酸誘導体又はこれらの塩を含む製剤とを混合して用いる
こともできる。
【0025】本発明の生育抑制剤の使用法は任意である
が、病状により最適な使用法を適用することができる。
例えば、1)病斑部において病巣患部の樹皮の削り取り
を行わずに、病斑部分に本発明の生育抑制剤を塗布する
方法、2)病斑部における重症部分の樹皮のみを削り取
り、然る後に病斑部全体に本発明の生育抑制剤を塗布す
る方法、3)病巣患部の樹皮を完全に削り取り、然る後
に本発明の生育抑制剤を塗布する方法、4)胴枯性病が
発生する時期(又はその前)に、噴霧機を用いて薬剤を
散布する方法等が挙げられる。また、これらの方法にお
いては、必要に応じて塗布量(散布量)を増加したり、
塗布(散布)処理を数回繰り返すことにより、本発明の
生育抑制剤の治癒効果を更に確実なものとすることがで
きる。
【0026】これらの使用法の中でも、セルロース誘導
体の純分2〜6重量%を含むペースト、水性分散体、溶
液等を樹木の病巣患部に塗布する方法によれば、特に優
れた胴枯性病の防除効果を得ることができる。本発明の
生育抑制剤の使用量は任意であるが、セルロース誘導体
の純分として0.01〜10重量%が好ましい。
【0027】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。なお、下記実施例及び比較例において、部又は
%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0028】実施例1 カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCN
a)を第1表に示す各濃度になるようにパールコアポテ
トデキストロース寒天培地(栄研化学(株)製、商品
名:E−MF21)中に添加し、この培地を直径90m
mのシャーレに分注し、プレートを作製した。また、対
照として無添加のパールコアポテトデキストロース寒天
培地を直径90mmのシャーレに分注し、プレートを作
製した。
【0029】これらのプレートの中央に、一白金耳量の
リンゴ腐らん病菌(Valsa ceratosper
ma(Tode ex Fr.)Maire)の菌糸を
植え付け、24℃で培養した。成長したコロニーの直径
を経時的に測定し、CMCNaのリンゴ腐らん病菌に対
する生育抑制効果を調べた。調査結果を第1表に示す。
【0030】第1表中、(++)はコロニーの直径が9
0mm以上であったことを示し、(−−)はコロニーが
生じなかったことを示す(以下の表にて同じ。)。ま
た、第1表中、AはCMCNa(第一工業製薬(株)
製、商品名;セロゲン5A)を、BはCMCNa(東京
化成工業(株)製試薬、重合度n=約500)を、Cは
CMCNa(東京化成工業(株)製試薬、重合度n=約
1050)をそれぞれ示す。
【0031】
【表1】
【0032】この結果から明らかなように、CMCNa
はリンゴ腐らん病菌に対して優れた生育抑制効果を有す
る。
【0033】実施例2 CMCNa(第一工業製薬(株)製、商品名;セロゲン
5A)をパールコアポテトデキストロース寒天培地(栄
研化学(株)製、商品名:E−MF21)中に4重量%
の濃度になるように添加し、この培地を直径9cmのシ
ャーレに分注し、プレートを作製した。また、対照とし
て無添加のパールコアポテトデキストロース寒天培地プ
レートを同様にして作製した。
【0034】これらのプレートの中央に、一白金耳量の
リンゴ腐らん病菌(Valsa ceratosper
ma(Tode ex Fr.)Maire)、クワ胴
枯病菌(Diaporthe nomurai Har
)、及びナシ胴枯病菌(Diaporthe med
usaea Nits)の菌糸をそれぞれ植え付け、2
4℃で培養した。成長したコロニーの直径を経時的に測
定し、CMCNaのリンゴ腐らん病菌、クワ胴枯病菌及
びナシ胴枯病菌に対する生育抑制効果を調べた。調査結
果を第2表に示す。
【0035】
【表2】
【0036】この結果から明らかなように、CMCNa
は各種胴枯性病菌に対して、生育抑制効果を有する。
【0037】実施例3 第3表に示す各種セルロース誘導体を第3表に示す濃度
になるようにパールコアポテトデキストロース寒天培地
(栄研化学(株)製、商品名:E−MF21)中に添加
し、この培地を直径90mmのシャーレに分注し、プレ
ートを作製した。また、対照として無添加のパールコア
ポテトデキストロース寒天培地を直径90mmのシャー
レに分注し、プレートを作製した。
【0038】これらのプレートの中央に、一白金耳量の
リンゴ腐らん病菌(Valsa ceratosper
ma(Tode ex Fr.)Maire)の菌糸を
植え付け、24℃で培養した。成長したコロニーの直径
を経時的に測定し、各種セルロース誘導体のリンゴ腐ら
ん病菌に対する生育抑制効果を調べた。調査結果を第3
表に示す。
【0039】本実施例において、ヒドロキシエチルセル
ロース(セロサイズ)は、ヒドロキシエチルセルロース
(米国ユニオンカーバイド社製、商品名;セロサイズ)
を、ヒドロキシエチルセルロース(試薬)は、ヒドロキシ
エチルセルロース(東京化成工業(株)製試薬)を、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)はカルボキシメチルセ
ルロース(和光純薬工業(株)製試薬)を、ジエチルアミ
ノエチルセルロースはジエチルアミノエチルセルロース
(和光純薬工業(株)製試薬、タイプII、カラムクロマ
ト用)をそれぞれ用いた。
【0040】
【表3】
【0041】この結果から明らかなように、第3表に示
すセルロース誘導体はリンゴ腐らん病菌に対して生育抑
制効果を有することが分かる。
【0042】実施例4 CMCNa(第一工業製薬(株)製、商品名;セロゲン
5A)をパールコアポテトデキストロース寒天培地(栄
研化学(株)製、商品名:E−MF21)中に2%の濃
度になるように添加し、この培地を直径9cmのシャー
レに分注し、プレートを作製した。また、対照として無
添加のパールコアポテトデキストロース寒天培地プレー
トも同様にして作製した。
【0043】これらのプレートの中央に、一白金耳量の
リンゴ腐らん病菌(Valsa ceratosper
ma(Tode ex Fr.)Maire)、実施例
2に示したリンゴ樹病巣由来の分離黴a、黒カビ(As
pergills niger)、青カビ(Penic
illium citrinun)の菌糸をそれぞれ植
え付け、24℃で培養した。成長したコロニーの直径を
経時的に測定し、CMCNaのリンゴ腐らん病菌、黒カ
ビ及び青カビに対する生育抑制効果を調べた。調査結果
を第4表に示す。
【0044】
【表4】
【0045】この結果から明らかなように、CMCNa
はリンゴ腐らん病菌及び腐らん病リンゴ樹由来分離黴a
を特異的に抑制することが分かる。即ち、CMCNaは
リンゴ腐らん病菌及び腐らん病リンゴ樹由来分離黴aの
生育は抑制するが、黒カビと青カビの生育は抑制しな
い。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、簡便で使い勝手が良
く、胴枯性病に対し高い防除効果を有し、しかも安全性
が高い有用植物の胴枯性病菌の生育抑制剤及び有用植物
の胴枯性病菌の抑制方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 忠光 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 高野 保夫 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4H011 AA01 BA01 BB08 BC18 BC20 DA02 DA14 DA17 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース誘導体を有効成分として含有す
    ることを特徴とする有用植物の胴枯性病菌の生育抑制
    剤。
  2. 【請求項2】前記セルロース誘導体が、カルボキシメチ
    ルセルロースナトリウムである請求項1記載の胴枯性病
    菌の生育抑制剤。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の胴枯性病菌の生育
    抑制剤を用いることを特徴とする有用植物の胴枯性病防
    除方法。
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