JP2003236442A - 塗料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ピグが挿入される塗料循環配管とカラーチェン
ジバルブとの間の配管を色替え洗浄できる塗料供給装置
を提供する。 【解決手段】塗装機１の上流側に設けられたカラーチェ
ンジバルブユニット２の切替バルブ２２ａに、第２のピ
グＰＧ２が挿入された塗料循環配管４１が接続された塗
料供給装置であり、切替バルブ２２ａと塗料循環配管４
１とを接続する塗料配管６に、上流側から順に、塗料循
環配管から供給される塗料の通過を入切する開閉弁６１
と、洗浄用流体が供給される第１の三方弁６２と、押出
用流体が供給される第２の三方弁６３とが設けられてい
る。第１の三方弁６２および第２の三方弁６３はそれぞ
れ第１のピグＰＧ１のピグステーションも兼用する。色
替え時には第１ピグＰＧ１を介して塗料配管６を洗浄す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の生産ライ
ンなどに適用して好ましい塗料供給装置に関し、特に塗
料循環配管とカラーチェンジバルブとの間の配管をピグ
を用いて色替え洗浄する塗料供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の塗装ラインなどで用いられてい
る塗料供給装置は、各塗色の塗料が仕込まれた塗料タン
クと、これを圧送するポンプと、塗料タンクから塗装機
（実際はカラーチェンジバルブユニット）まで塗料を導
く塗料配管とを有し、塗色数に応じた数だけこうした塗
料タンク、ポンプおよび塗料配管が設置されている。そ
して、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジバル
ブを切り替えることで、車両仕様に応じた塗色の塗料を
吹き付ける。なお、本明細書において「上流側」および
「下流側」とは、塗料の流れ方向についての上流側を意
味し、換言すれば、最上流は塗料タンク、最下流は塗装
ガンである。

【０００３】ところで、複数の塗色に対して共通の循環
配管を設け、この塗料配管内にピグと呼ばれる可動部材
を通すことにより、塗料配管の内壁に付着した前色の塗
料を擦り落とすことで、洗浄性を向上させ色替え時間を
短縮することも提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たピグを用いた塗料供給システムでは、ピグが挿入され
る塗料循環配管とカラーチェンジバルブとの間の配管に
はピグが循環しないので、複数色を一の塗料循環配管で
対応しようとしても色替えすることはできない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ピグが挿入さ
れる塗料循環配管とカラーチェンジバルブとの間の配管
を色替え洗浄できる塗料供給装置を提供することを目的
とする。

【０００６】（１）上記目的を達成するために、本発明
によれば、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジ
バルブユニットの切替バルブに塗料循環配管が接続され
た塗料供給装置であって、前記切替バルブと前記塗料循
環配管とを接続する塗料配管に、上流側から順に、前記
塗料循環配管から供給される塗料の通過を入切する開閉
弁と、洗浄用流体が供給される第１の方向切替弁と、押
出用流体が供給される第２の方向切替弁とが設けられ、
さらに、少なくとも前記第１の方向切替弁と第２の方向
切替弁との間の塗料配管内において、第１のピグを移動
可能に発射および捕捉する第１のピグ駆動手段を有する
塗料供給装置が提供される（請求項１参照）。

【０００７】この請求項１記載の塗料供給装置では、請
求項３記載のように、前色の塗装が終了すると、まず第
２の方向切替弁に押出用流体を供給するとともに、第１
のピグ駆動手段により第２の方向切替弁側から第１の方
向切替弁に向かって第１のピグを移動させ、当該第２の
方向切替弁と塗料循環配管との間の塗料配管に残留する
前色塗料を第１のピグを介して塗料循環配管に押し出
す。

【０００８】次いで、第１の方向切替弁に洗浄用流体を
供給するとともに、第１のピグ駆動手段により第１の方
向切替弁側から第２の方向切替弁に向かって第１のピグ
を移動させ、第１の方向切替弁と切替バルブとの間の塗
料配管を洗浄する。

【０００９】これにより、ピグが挿入される塗料循環配
管とカラーチェンジバルブとの間の配管を洗浄すること
ができ、その結果、一の塗料循環配管に複数色を適用す
ることができる。特に、まず最初に第２の方向切替弁と
塗料循環配管との間の塗料配管に残留する前色塗料を塗
料循環配管に押し出すので、廃棄塗料量が少なく、コス
ト的にも有利である。

【００１０】ここで、第１の方向切替弁に供給される洗
浄用流体としては、特に限定されないが、溶剤系塗料を
使用する場合には洗浄用溶剤や圧縮エアー、水系塗料を
使用する場合には洗浄用水や圧縮エアーが挙げられる。

【００１１】なお、本発明の第１および第２の方向切替
弁は、少なくとも三方向に切替可能な切替弁であり、三
方弁に限らず、四方弁等も含む趣旨である。また、方向
切替機能の他に、第１のピグを発射、捕捉および洗浄す
る機能を兼用することがより好ましい（請求項２参
照）。ただし、第１のピグを発射、捕捉および洗浄する
機能をこれら第１および第２の方向切替弁に兼用させる
以外にも、これら方向切替弁の近傍に第１のピグを発
射、捕捉および洗浄する機能を有するピグステーション
を別途設けることも本発明の範囲内である。本発明に係
る第１のピグ駆動手段はこうしたものを包含する。

【００１２】（２）第２の方向切替弁に供給される押出
用流体としては、特に限定されないが圧縮エアーや洗浄
用溶剤その他の各種流体が挙げられ、また１種類の押出
用流体を供給することも、複数種類の押出用流体を供給
することも上記発明の範囲内である。

【００１３】（３）上記発明においては特に限定されな
いが、前記第１の方向切替弁は前記塗料循環配管の近傍
に、前記第２の方向切替弁は前記切替バルブの近傍に、
それぞれ設けることが好ましい（請求項４参照）。ここ
にいう「近傍」とは、配管部品を構成する機械要素が物
理的に極力近づく実質的な位置に設けられることを意味
する。

【００１４】こうすることで、最初の動作で塗料循環配
管に戻される前色塗料量が増加して廃棄塗料量がさらに
減少するとともに、次の動作で洗浄できる範囲がより長
くなり、前色塗料の残量および洗浄時間がより短縮され
る。

【００１５】（４）上記発明においては特に限定されな
いが、前記塗料循環配管に塗料を圧送するポンプが設け
られ、色替え時には前記ポンプを停止することが好まし
い（請求項５参照）。

【００１６】色替え時の最初の動作では、第２の方向切
替弁と塗料循環配管との間の塗料配管に残留する前色塗
料を塗料循環配管に押し出すが、このときポンプを停止
することで塗料循環配管の塗料圧が減少するので、第２
の方向切替弁に供給される押出用流体が低圧であって
も、前色塗料の押し戻しが円滑になされることになる。

【００１７】（５）上記発明においては特に限定されな
いが、塗装時には、前記開閉弁が開、前記第１の方向切
替弁および第２の方向切替弁が前記塗料循環配管の塗料
を前記切替バルブへ通過させる位置に切り替わる（請求
項６参照）。

【００１８】通常の塗装時には、開閉弁、第１の方向切
替弁および第２の方向切替弁をこのように切り替えるこ
とで、塗料循環配管内の塗料をカラーチェンジバルブへ
供給することができる。

【００１９】

【発明の効果】請求項１〜７記載の発明によれば、塗料
循環配管とカラーチェンジバルブとの間の配管を洗浄す
ることができ、その結果、一の塗料循環配管に複数色を
適用することができる。特に、まず最初に第２の方向切
替弁と塗料循環配管との間の塗料配管に残留する前色塗
料を塗料循環配管に押し出すので、廃棄塗料量が少な
く、コスト的にも有利である。また、ピグ式塗料配管と
することで、色替え時間が短縮でき、多数の塗色種に対
しても塗料配管数を減少または塗料配管長を短縮するこ
とができる。

【００２０】また、請求項４記載の発明によれば、最初
の動作で塗料循環配管に戻される前色塗料量が増加して
廃棄塗料量がさらに減少するとともに、次の動作で洗浄
できる範囲がより長くなり、前色塗料の残量および洗浄
時間がより短縮される。

【００２１】また、請求項５記載の発明によれば、ポン
プを停止することで塗料循環配管の塗料圧が減少するの
で、第２の方向切替弁に供給される押出用流体が低圧で
あっても、前色塗料の押し戻しが円滑になされることに
なる。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１は本発明の塗料供給装置の実施
形態を示す全体図、図２は図１のII部を示す拡大図であ
る。なお、便宜的に、図１、３〜７は図２に示す構成部
材の図示を省略する。

【００２３】まず、本実施形態の塗料供給装置は、被塗
物に対して塗料を噴霧する塗装機１（同図には回転霧化
式塗装ガンを示す。）と、塗色種が変更される度に塗料
を切り替えて塗装機１に供給するカラーチェンジバルブ
ユニット２とを有し、これら塗装機１とカラーチェンジ
バルブユニット２とは塗料ホース３にて接続されてい
る。カラーチェンジバルブユニット２は、塗料ホース３
が接続されたマニホールド２１と、複数の切替バルブ２
２とを有し、この切替バルブ２２それぞれに塗料タンク
から供給される各塗料と、色替え洗浄時に使用されるエ
アーおよび洗浄用溶剤が供給されるようになっている。
同図には、塗料が供給される切替バルブとして６つの切
替バルブ２２ａ〜２２ｄを示し、エアーが供給される切
替バルブとして１つの切替バルブ２２ｅを示し、また洗
浄用溶剤が供給される切替バルブとして１つの切替バル
ブ２２ｆを示す。なお、エアーおよび洗浄用溶剤が供給
される切替バルブ２２ｅ，２２ｆはそれぞれ一つで足り
るが、塗料が供給される切替バルブ２２ａ〜２２ｄは、
塗色種の数だけ設けられている。

【００２４】カラーチェンジバルブ２の切替バルブ２２
ａ〜２２ｄにそれぞれ接続される塗料配管は、量産色の
場合にはたとえば塗料調合室から敷設しても良いが、本
実施形態の塗料供給装置は、切替バルブ２２ａにピグを
用いた塗料循環系を接続した例を挙げて本発明を説明す
る。したがって、それ以外の切替バルブ２２ｂ，２２
ｃ，２２ｄには、量産色の塗料循環系を接続しても良い
し、本発明に係るピグを用いた塗料循環系を接続しても
良い。

【００２５】カラーチェンジバルブユニット２の１つの
切替バルブ２２ａには、塗料配管６を介して塗料循環系
４（以下、塗料循環配管４１ともいう。）が設けられて
いる。

【００２６】被塗物に対して塗装するための塗料は、塗
色種Ａ，Ｂ（特に２色には限定されない。）それぞれの
塗料タンク４２Ａ，４２Ｂに収容され、また洗浄用溶剤
（塗料Ａ，Ｂはともに溶剤系塗料とする。仮に塗料Ａ，
Ｂが水系塗料の場合は、タンク４３には洗浄用水が収容
される。）は塗料タンク４３に収容されており、ここか
ら先ほどの塗料循環配管４１までの間の塗料配管４４
に、四方弁４５、塗料を圧送するためのポンプＰ、およ
び三方弁４６，４７が設けられている。これらが塗料
Ａ，Ｂおよび洗浄用溶剤の往路を構成する。

【００２７】これに対して、塗料循環配管４１の後端に
は、四方弁４８を介して塗料Ａ，Ｂおよび洗浄用溶剤の
戻り配管４９が接続され、ここから塗料Ａ，Ｂおよび洗
浄用溶剤はそれぞれの塗料タンク４２Ａ，４２Ｂ，４３
へ戻されることになる。なお、四方弁４８の上流側の塗
料循環配管４１には、三方弁５０を介してドレイン配管
５１が接続されている。これらが塗料Ａ，Ｂおよび洗浄
用溶剤の復路を構成する。

【００２８】一方、塗料循環配管４１の後端側（下流
側）には、三方弁５２を介して塗料配管４１ａが接続さ
れ、この塗料配管４１ａの先端は先程の三方弁４７に接
続されている。この塗料配管４１ａの途中に、ピグステ
ーションＰＳが設けられている。ピグステーションＰＳ
とは、第２のピグＰＧ２を当該ステーションから発射す
るとともに、当該ステーションへ戻ってきた第２のピグ
ＰＧ２を捕捉することができるもので、その具体的構造
は特に限定されない。また、ピグステーションＰＳの前
後には、第２のピグＰＧ２のピグステーションＰＳに対
する出入りを許容／不許容とする開閉弁５３，５４が設
けられ、さらにピグステーションＰＳおよび開閉弁５４
の下流側には、当該ピグステーションＰＳに洗浄用溶剤
を供給するための２本の配管５５，５６が接続されてい
る。それぞれの配管５５，５６には洗浄用溶剤の供給を
ＯＮ／ＯＦＦするための開閉弁５７，５８が設けられて
いる。さらに、ピグステーションＰＳには、前記配管５
５，５６から供給された洗浄用溶剤を廃棄するためのド
レイン配管５９が接続され、このドレイン配管５９に開
閉弁６０が設けられている。これにより、ピグステーシ
ョンＰＳにて第２のピグＰＧ２を洗浄することができ
る。

【００２９】なお、本実施形態における第２のピグＰＧ
２は、例えば塗色をＡ色からＢ色に色替えする際に、Ａ
色の直後であって洗浄用溶剤の直前に挿入されて塗料循
環配管４１の内壁に付着したＡ色を掻き取るとともに、
洗浄用溶剤の直後であってＢ色の直前に挿入されて塗料
循環配管４１の内壁に付着した洗浄用溶剤を掻き取る。
このため、図３乃至図７に示すように、第２のピグＰＧ
２はピグステーションＰＳから発射され、開閉弁５４→
三方弁４７→三方弁５２→開閉弁５３という経路を経て
ピグステーションＰＳに帰還する。したがって、開閉弁
５４、三方弁４７、三方弁５２および開閉弁５３は第２
のピグＰＧ２が通過可能な形状とされている。

【００３０】次に、塗料循環配管４１とカラーチェンジ
バルブユニット２との間の構成について説明する。図２
に示すように、この塗料循環配管４１とカラーチェンジ
バルブユニット２とを接続する塗料配管６には、塗料循
環配管４１側（本発明にいう上流側）から順に、開閉弁
６１、第１の三方弁６２および第２の三方弁６３が設け
られている。ここで、色替え時に塗料配管６に残存する
前色塗料をより多く回収し、かつ塗料配管６の洗浄性を
高めるために、開閉弁６１および第１の三方弁６２は、
できる限り塗料循環配管４１に近づけるとともに、第２
の三方弁６３は、できる限りカラーチェンジバルブユニ
ット２の切替バルブ２２ａに近づけることが望ましい。

【００３１】第１の三方弁６２には、２つの切替弁６
４，６５および配管６６を介して、洗浄用溶剤と洗浄エ
アーと（これらが本発明に係る洗浄用流体）が供給され
る。また、第２の三方弁６３には切替弁７０および配管
６８を介して押出用エアー（本発明に係る押出用流体）
が供給される。

【００３２】特に、本実施形態では、色替え時に塗料配
管６を洗浄するために、第２のピグＰＧ２とは別に、第
１のピグＰＧ１を当該塗料配管６内を往復移動させる。
このため、第１の三方弁６２および第２の三方弁６３
は、それぞれ、上述した塗料循環配管４１のピグステー
ションＰＳと同じように、第１のピグＰＧ１を発射、捕
捉および洗浄する機能を兼ね備えている。すなわち、図
２に示すように、第１のピグＰＧ１は、塗料配管６の内
径に応じた大きさで、かつ往復移動するために前後方向
に対称形に形成されており、第１の三方弁６２および第
２の三方弁６３のそれぞれにおいて他方の三方弁に向か
って発射され、捕捉されるとともに、各三方弁６２，６
３内で洗浄される。なお、第１のピグＰＧ１の具体的構
造は特に限定されない。また、塗料配管６を洗浄する際
には第１のピグＰＧ１が当該配管６内を片側移動する場
合もある。

【００３３】そして、第２の三方弁６３に押出用エアー
を供給すると、このエアーとともに第１のピグＰＧ１が
発射され、エアーと残留塗料との間に第１のピグＰＧ１
が介在することで、押出用エアーが押し出そうとする塗
料の間を抜けてしまうことが確実に防止でき、これによ
り塗料の回収率が向上するので好ましい。本発明者が確
認したところによれば、押出用エアーのみを用いた場合
の、塗料配管６内の塗料回収率が４０〜５０％程度であ
るのに対し、第１のピグＰＧ１を介在させた場合の塗料
配管６内の塗料回収率は約９０％まで向上した。

【００３４】次に作用を説明する。図３乃至図７は塗料
供給装置全体の操作状態を示す図、図９乃至図１４は色
替え時の塗料配管６の操作状態を示す図である。以下の
説明では、最初にＡ色を塗装し、次にＢ色を塗装するも
のとして、塗料循環配管４１全体の動作（図３乃至図
７）と、塗料配管６の動作（図９乃至図１４）とを説明
する。なお、図３乃至図７においては塗料配管６の詳細
な構成の図示を省略する。

【００３５】まず、Ａ色を塗装機１に供給するには、ポ
ンプＰを作動して塗料配管４４から塗料タンク４２Ａ内
の塗料Ａを吸い込み、三方弁４７を介して塗料循環配管
４１へ圧送する。この塗料Ａは、三方弁５２，５０およ
び四方弁４８を介して塗料タンク４２Ａに戻される。こ
うして塗料Ａは塗料循環配管４１を循環する。この様子
を図３に示すが、ここで、図９に示すように、塗料配管
６の開閉弁６１を開き、塗料Ａが塗料循環配管４１から
カラーチェンジバルブユニット２の切替バルブ２２ａに
流れるように２つの三方弁６３および５３の方向を切り
替えると、塗料循環配管４１を循環する塗料Ａがカラー
チェンジバルブユニット２の切替バルブ２２ａおよび塗
料ホース３を介して塗装機１へ供給されることになる。
このとき、第１のピグＰＧ１が第２の三方弁６３に捕捉
され、かつ保持され、第１のピグＰＧ１の脇を塗料Ａが
通過する。

【００３６】次に、前色であるＡ色から次色であるＢ色
へ色替えする手順を説明する。まず最初に、図３および
図１０に示すように塗料Ａが塗料循環配管４１を循環し
ている状態で、ポンプＰを停止する。これにより塗料循
環配管４１内の塗料圧が低下するので、塗料配管６の開
閉弁６１および第１の三方弁６２はそのままの状態で、
第２の三方弁６３の方向を図１１に示す方向に切り替え
る。そして、同図に示すように切替弁７０を開いて押出
用エアーを供給するが、この際のエアーの供給圧によっ
て第２の三方弁６３に捕捉されていた第１のピグＰＧ１
が発射され、塗料配管６内を第１の三方弁６２に向かっ
て移動する。

【００３７】同図のように塗料配管６には、図の左側に
残留塗料Ａ、その右側に第１のピグＰＧ１、さらにその
右側に押出用エアーＡＲが充填されることになる、これ
により、第２の三方弁６３と第１の三方弁６２との間に
残留した塗料Ａは、第１のピグＰＧ１および押出用エア
ーＡＲによって塗料循環配管４１へ押し出され、回収さ
れることになる。

【００３８】続いて、第１のピグＰＧ１が第１の三方弁
６２に到着すると、ここで捕捉されその場所に保持され
るが、背後からの押出用エアーＡＲは第１のピグＰＧ１
の脇を通り過ぎて引き続き残留塗料Ａを塗料循環配管４
１へ押し戻す。ここで、開閉弁６１を閉じ、次の洗浄用
溶剤や洗浄エアーが塗料循環配管４１へ混入しないよう
にする。

【００３９】このように、残留塗料Ａを塗料循環配管４
１へ押し出す際に、第１のピグＰＧ１を介在させて残留
塗料Ａを押出用エアーＡＲで押し出せば、押出用エアー
ＡＲが残留塗料の間を抜けてしまうことが防止でき、大
部分の残留塗料Ａを塗料循環配管４１に回収することが
できる。

【００４０】図１１に示すように、第２の三方弁６３と
塗料循環配管４１との間に残留した塗料Ａを塗料循環配
管４１へ押し出すと、次に第１の三方弁６２および第２
の三方弁６３の方向を図１２に示すように切り替え、切
替弁６４を開けて配管６６から洗浄用溶剤を供給する。
この際の溶剤の供給圧により、第１の三方弁６２に捕捉
された第１のピグＰＧ１が発射され、塗料配管６内を第
２の三方弁６３に向かって移動する。続いて、第１のピ
グＰＧ１が第２の三方弁６３に到着すると、ここで捕捉
されその場に保持されるが、背後からの洗浄溶剤は第１
のピグＰＧ１の脇を通り過ぎる。これにより、第１の三
方弁６２とカラーチェンジバルブユニット２の切り替え
バルブ２２ａとの間の配管内が洗浄され、その洗浄液
は、切替バルブ２２ａに設けられたダンプバルブから、
または塗装機１から廃棄される。また、洗浄用溶剤が第
２の三方弁６３を通過する際に、当該第２の三方弁６３
に捕捉されている第１のピグＰＧ１も同時に洗浄される
ことになる。また、第１のピグＰＧ１が第１の三方弁６
２に捕捉、保持されたまま、洗浄用溶剤を供給して、当
該部分を洗浄する方法もある、ただしこの場合、第１の
ピグＰＧ１が第１の三方弁６２から第２の三方弁６３へ
移動するタイミングは、次に塗装されるＢ色が塗料循環
配管４１から塗料配管６に供給されるときである（図８
参照）。つまり、Ｂ色の圧送力によって第１の三方弁６
２に捕捉されている第１のピグＰＧ１を発射させ、第２
の三方弁６３に捕捉させる。

【００４１】次いで、切替弁６４を閉じるとともに切替
弁６５を開いて配管６６から洗浄エアーを供給する（図
１３参照）。これにより、第１の三方弁６２とカラーチ
ェンジバルブユニット２の切替バルブ２２ａとの間に供
給された洗浄用溶剤が押し出され、切替バルブ２２ａに
設けられたダンプバルブから、または塗装機１から廃棄
される。この洗浄用溶剤および洗浄エアーの供給を一回
または複数回繰り返すことで、第１の三方弁６２とカラ
ーチェンジバルブユニット２の切替バルブ２２ａとの間
の塗料配管６が洗浄され、色替え操作が完了する（図１
４参照）。

【００４２】ちなみに、カラーチェンジバルブユニット
２から塗装機１までの間の一般的な色替え操作について
付言する。たとえば現在、カラーチェンジバルブユニッ
ト２の切替バルブ２２ａから供給される塗料Ａが塗装さ
れており、次に塗装されるのが切替バルブ２２ｂから供
給される塗料Ｂであるとすると、まず上述した塗料配管
６に残存した塗料Ａの洗浄が終了したら、切替バルブ２
２ａを閉じたのち、切替バルブ２２ｅを開いてカラーチ
ェンジバルブユニット２以降に圧縮エアーを供給する。
これにより、カラーチェンジバルブユニット２から塗装
機１までの間に残留した塗料Ａが塗装機から押し出され
る。

【００４３】次いで、切替バルブ２２ｅを閉じるととも
に切替バルブ２２ｆを開いて、カラーチェンジバルブユ
ニット２以降に洗浄用溶剤を供給する。これにより、カ
ラーチェンジバルブユニット２から塗装機１までの間の
塗料通路の内壁に付着した塗料Ａを洗浄することができ
る。

【００４４】さらに、切替バルブ２２ｆを閉じて洗浄用
溶剤の供給を停止するとともに、再び切替バルブ２２ｅ
を開いてカラーチェンジバルブ２以降に圧縮エアーを供
給して、カラーチェンジバルブユニット２から塗装機１
までの間に残留した洗浄用溶剤を塗装機１から押し出
す。洗浄性をより高めるために、以上の操作を複数サイ
クル繰り返しても良いが、１サイクルで充分な洗浄性が
得られる場合には、切替バルブ２２ｅを閉じたのち、切
替バルブ２２ａを開いて次色である塗料Ｂをカラーチェ
ンジバルブユニット２に供給する。ただし、こうした色
替え操作は、図１２に示す洗浄用溶剤の廃棄経路を塗装
機とすれば省略することができる。

【００４５】図４に戻り、塗料循環配管４１の色替え操
作を説明する。塗料配管６の残留塗料Ａを回収するため
に一時的に停止していたポンプＰを再稼働させるととも
に、開閉弁５４を開いて第２のピグＰＧ２をピグステー
ションＰＳから塗料循環配管４２へ発射する。これと並
行して四方弁４５を切り替え、塗料Ａの吸引を止めて、
洗浄用溶剤の吸引を開始する。このタイミングは、第２
のピグＰＧ２がピグステーションＰＳから発射され、三
方弁４７に達したら、洗浄用溶剤が第２のピグＰＧ２の
後方に来るようにすることが望ましい。なお、四方弁４
５と三方弁４６との間に残留した塗料Ａは当該三方弁の
ドレイン配管から廃棄する。

【００４６】これにより、図４に示すように、第２のピ
グＰＧ２の前方には塗料Ａが充填され、第２のピグＰＧ
２の後方には塗料Ａと洗浄用溶剤との混合液が充填され
ることになるが、第２のピグＰＧ２の進行にともなって
塗料循環配管４１の内壁に付着した塗料Ａが掻き取られ
るので、第２のピグＰＧ２の後方に充填された洗浄用溶
剤によって塗料循環配管の洗浄時間が短縮される。

【００４７】ちなみに、図４に示すように第２のピグＰ
Ｇ２は、三方弁５２を介してピグステーションＰＳに戻
され、ここで塗料Ａが付着した第２のピグＰＧ２が洗浄
される。その際、配管５５，５６から洗浄用溶剤が供給
され配管５９から廃棄される。

【００４８】また、図４に示す状態において、第２のピ
グＰＧ２の前方に充填されている塗料Ａは洗浄用溶剤が
混入していないので塗料タンク４２Ａに回収されるが、
第２のピグＰＧ２の直後に充填された塗料Ａは洗浄用溶
剤が混入しているので、三方弁５０を介してドレイン配
管５１から廃棄し、その後に充填された塗料Ａの混入率
の少ない洗浄用溶剤はタンク４３に戻される。

【００４９】こうして、塗料循環配管４１には洗浄用溶
剤が循環し、図５に示すように配管内を洗浄する。この
洗浄用溶剤の循環を一定時間行ったら、開閉弁５４を開
いて第２のピグＰＧ２をピグステーションＰＳから塗料
循環配管４２へ発射する。これと並行して四方弁４５を
切り替え、洗浄用溶剤の吸引を止めて、塗料Ｂの吸引を
開始する。このタイミングについても、第２のピグＰＧ
２がピグステーションＰＳから発射され、三方弁４７に
達したときに、塗料Ｂが第２のピグＰＧ２の後方に来る
ようにすることが望ましい。なお、四方弁４５と三方弁
４６との間に残留した洗浄用溶剤は当該三方弁のドレイ
ン配管から廃棄する。

【００５０】これにより、図６に示すように、第２のピ
グＰＧ２の前方には洗浄用溶剤が充填され、第２のピグ
ＰＧ２の後方には洗浄用溶剤と塗料Ｂの混合液が充填さ
れることになるが、第２のピグＰＧ２から後方に離れる
にしたがって塗料Ｂのみの液体となる。

【００５１】そして、図６に示すように三方弁５２に第
２のピグＰＧ２が達したら、第２のピグＰＧ２をピグス
テーションＰＳに戻し、洗浄する。このとき、第２のピ
グＰＧ２の前方に充填されていた洗浄用溶剤はタンク４
３に回収されるが、第２のピグＰＧ２の直後の塗料Ｂに
は洗浄用溶剤が混入しているので三方弁５０から一定時
間廃棄し、その後、四方弁４８を切り替えて塗料タンク
４２Ｂに戻す。

【００５２】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。

【００５３】図１に示す実施形態では塗料循環系４を１
つ設けたが、本発明はこれに限定されることなく２つ以
上設けて、生産タクトに対応することもできる。また、
本発明の塗料供給装置は、上塗り塗装に限定されず、中
塗り塗装にも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の塗料供給装置の実施形態を示す全体図
である。

【図２】図１のII部を示す拡大図である。

【図３】図１に示す塗料供給装置の操作を示す図（Ａ色
塗装時）である。

【図４】図１に示す塗料供給装置の操作を示す図（Ａ色
回収・洗浄液充填時）である。

【図５】図１に示す塗料供給装置の操作を示す図（洗浄
液充填時）である。

【図６】図１に示す塗料供給装置の操作を示す図（洗浄
液回収・Ｂ色充填時）である。

【図７】図１に示す塗料供給装置の操作を示す図（Ｂ色
塗装時）である。

【図８】色替え時における図２の操作を示す図（次色塗
料導入時）である。

【図９】色替え時における図２の操作を示す図（塗料導
入および塗装時）である。

【図１０】色替え時における図２の操作を示す図（塗装
完了時）である。

【図１１】色替え時における図２の操作を示す図（押出
用流体および第１ピグ導入時）である。

【図１２】色替え時における図２の操作を示す図（洗浄
液導入時）である。

【図１３】色替え時における図２の操作を示す図（洗浄
エアー導入時）である。

【図１４】色替え時における図２の操作を示す図（色替
え完了時）である。

【符号の説明】

１…塗装機 ２…カラーチェンジバルブユニット ２２ａ〜２２ｆ…切替バルブ ４…塗料循環系 ４１…塗料循環配管 ６…塗料配管 ６１…開閉弁 ６２…第１の三方弁（第１のピグ駆動手段） ６３…第２の三方弁（第１のピグ駆動手段） ＰＧ１…第１のピグ ＰＧ２…第２のピグ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】塗装機の上流側に設けられたカラーチェン
   ジバルブユニットの切替バルブに塗料循環配管が接続さ
   れた塗料供給装置であって、 前記切替バルブと前記塗料循環配管とを接続する塗料配
   管に、上流側から順に、前記塗料循環配管から供給され
   る塗料の通過を入切する開閉弁と、洗浄用流体が供給さ
   れる第１の方向切替弁と、押出用流体が供給される第２
   の方向切替弁とが設けられ、 さらに、少なくとも前記第１の方向切替弁と第２の方向
   切替弁との間の塗料配管内において、第１のピグを移動
   可能に発射および捕捉する第１のピグ駆動手段を有する
   塗料供給装置。
2. 【請求項２】前記第１のピグ駆動手段は、前記第１の方
   向切替弁および第２の方向切替弁のそれぞれに設けられ
   た、前記第１のピグを発射および捕捉可能なピグステー
   ションを含む請求項１記載の塗料供給装置。
3. 【請求項３】前色の塗装が終了すると、前記第２の方向
   切替弁に押出用流体を供給するとともに、前記第１のピ
   グ駆動手段により第２の方向切替弁側から第１の方向切
   替弁に向かって前記第１のピグを移動させ、前記第２の
   方向切替弁と前記塗料循環配管との間の塗料配管に残留
   する前色塗料を、前記第１のピグを介して前記塗料循環
   配管に押し出す請求項１または２記載の塗料供給装置。
4. 【請求項４】前記第１の方向切替弁は前記塗料循環配管
   の近傍に、前記第２の方向切替弁は前記切替バルブの近
   傍に、それぞれ設けられている請求項１〜３の何れかに
   記載の塗料供給装置。
5. 【請求項５】前記塗料循環配管に塗料を圧送するポンプ
   が設けられ、色替え時には前記ポンプを停止する請求項
   １〜４の何れかに記載の塗料供給装置。
6. 【請求項６】塗装時には、前記開閉弁が開き、前記第１
   の方向切替弁および第２の方向切替弁が前記塗料循環配
   管の塗料を前記切替バルブへ通過させる位置に切り替わ
   る請求項１〜５の何れかに記載の塗料供給装置。
7. 【請求項７】前記塗料循環配管は、第２のピグが挿入さ
   れている請求項１〜６の何れかに記載の塗料供給装置。