JP2003234017A - 回路接続材料とその接続材料を用いた回路の接続方法 - Google Patents
回路接続材料とその接続材料を用いた回路の接続方法Info
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Abstract
でき、接続時に接着剤成分が十分に流動し良好な接続性
を有するフィルム状回路接続材料を提供する。 【解決手段】 カチオン重合性物質と分子量10,00
0以上80,000以下のポリマー類を含む組成物10
0重量部に対して特定構造のベンジル基を含有するスル
ホニウム塩を、0.05〜10重量部配合した接着成分
に、粒子径が1〜18μmである導電性粒子を0.05
〜20体積%分散し、接着成分の100℃における溶融
粘度が1〜1,000Pa・sであるフィルム状回路接
続材料。
Description
互いに接着するとともに、同じ回路基板上にある隣接回
路を短絡させることなく、2つの回路基板の互いに向き
合う導体間を電気的に導通させることのできるフィルム
状回路接続材料及びその接続材料を用いた接続方法に関
するものである。
に、2つの回路基板の互いに向き合う導体間を、回路を
短絡させることなく電気的に導通させることのできる、
回路接続材料としては、ウレタン系、ポリエステル系、
アクリル系などの熱可塑性物質や、エポキシ系、シリコ
ーン系などの熱硬化性物質を含む接着成分中に、導電性
粒子を分散させたものが知られている(例えば、特開昭
52−59889号、特開昭55−164007号参
照)。
熱硬化性物質を硬化させるための硬化剤又は触媒として
は、エポキシ樹脂に対してアニオン重合型硬化剤である
第3アミンやイミダゾール類が主として用いられる。第
3アミン類やイミダゾール類を配合したエポキシ樹脂は
160℃〜200℃程度の中温で、数10秒〜数時間程
度の加熱により硬化するために可使時間が比較的長い。
さらに、第3アミンやイミダゾール類をマイクロカプセ
ル化することにより可使時間が延長されることが知られ
ている(例えば、特開平4−314724号参照)。
ン重合型硬化剤がある。カチオン重合型硬化剤として
は、エネルギー線照射により樹脂を硬化させる感光性オ
ニウム塩、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩などが知られている。またエネルギー線照射
以外に、加熱によっても活性化してエポキシ樹脂を硬化
させるものとして、脂肪族スルホニウム塩が知られてい
る(例えば、特開昭57−102922号、特開昭58
−198532号参照)。
硬化剤とする接着成分を用いた回路接続材料で回路基板
上の導体間を電気的に導通させる際、接続時間を例え
ば、15秒に限定すると、140℃以下の加熱温度では
接続部の信頼性が不十分であった。そして140℃以上
とすると、ポリカーボネートのように軟化点が低い熱可
塑性材料を用いた基板に対しては、熱的ダメージを与え
るという問題があった。
00℃以下の接続温度では接続部の信頼性が不十分であ
り、接続温度を200℃以上とすると、回路基板の熱膨
張等により接続部のずれ等が生じるという問題があっ
た。
を電気的に導通させるには、接続部の厚みを、接続材料
中の導電性粒子の直径以下にする必要があり、用いた硬
化剤とカチオン重合性物質を含む組成物との反応性及び
該組成物の流動性の調節が重要となる。流動性が悪い
と、接続不良となる。
成分は、回路基板が、エネルギー線を透過しないので使
用できない。また、脂肪族スルホニウム塩を硬化剤とす
るものも、イミダゾール類などを硬化剤とするものと同
様の問題がある。
導体間を接続するとき、接続時間が10秒〜20秒と限
定した場合でも、耐熱性に劣る基板に対しても熱的ダメ
ージを与えることのないように、140℃以下の比較的
低温の加熱条件で硬化でき、さらに接続時間を短く限定
した、5秒でも接続部のずれ等が少なく、200℃以下
の比較的中温の加熱条件で硬化でき、室温で10時間以
上の可使時間を有し、接続時に接着剤成分が十分に流動
し良好な接続性を有するフィルム状回路接続材料を提供
することを目的とするものである。
路基板上の、互いに向き合う回路導体間を140℃以下
の加熱では60秒以内で、140〜200℃の加熱では
30秒以内で接続できかつ室温では不活性な接続材料に
ついて鋭意検討した結果、ベンジル基を有する芳香族ス
ルホニウム塩より選択された感熱性スルホニウム塩を用
いることにより上記目的が達成されることを見出し、本
発明を完成したものである。
0,000以上80,000以下のポリマー類を含む組
成物100重量部に対して化2で示されるベンジル基を
含有するスルホニウム塩を、0.05〜10重量部配合
した接着成分に、粒子径が1〜18μmである導電性粒
子を0.05〜20体積%分散し、接着成分の100℃
における溶融粘度が1〜1,000Pa・sであること
を特徴とするフィルム状回路接続材料である。
子供与性の基で、R1、R 2及びR3は、置換又は非置換
の基であり、互いに同じでも異なっていてもよく、Y−
は、非求核性陰イオンである。
始剤として推定されるベンジルカチオンを発生させるた
めに、電子吸引性の基、例えば、ニトロソ基、カルボニ
ル基、カルボキシル基、シアノ基、トリアルキルアンモ
ニウム基、フルオロメチル基などが好ましく、R2及び
R3としては、電子供与性の基、例えば、アミノ基、水
酸基、メチル基などが好ましい。Y−は、非求核性陰イ
オンであればよく、例えば、ヘキサフルオロアルセネー
ト(AsF6 )、ヘキサクロロアンチモネート(SbC
l 6 )、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 )、テト
ラフルオロボレート(BF 4 )が挙げられる。
温度で活性化し、カチオン重合を引き起こすことがで
き、かつ室温(25℃)においてカチオン重合性物質の
存在下で、10時間以上経過後の反応性接着剤の粘度
が、初期粘度の2倍以下である。また、これらのスルホ
ニウム塩は必要に応じて溶解可能な各種溶媒(例えば酢
酸エチル)に溶解して使用できる。スルホニウム塩の配
合量は、接着成分100重量部に対して0.05〜10
重量部とする。接着成分100重量部に対して、1.5
〜5重量部とするのが特に好ましい。配合量が多いと、
電食の原因となりやすく、また、硬化反応が爆発的に進
行するので望ましくない。
は、加熱加圧又は単なる加圧により変形するものが好ま
しい。導電性粒子が変形することにより、接続時に回路
との接触面積が増加し、接続信頼性が向上し、回路の厚
みや平坦性のばらつき、回路が突起したものとそうでな
いものが混在しているときでも、良好な接続が行える。
この変形は、導電性粒子自体が変形するもの、導電性粒
子が凝集体を形成していて、接続時に凝集状態を変える
ものいずれでもよい。
Cu、Sb、Sn、はんだなどの金属粒子や、カーボン
など導電性を有する物質の粒子、これらの粒子又は非導
電性のガラス、セラミックス、プラスチック粒子を核と
して表面に他の導電性材料を被覆したものがある。更
に、導電性粒子を核とし、この核の表面を絶縁層で被覆
し、加圧したときに内部の核が絶縁層を破って接触する
ようにしたものも有効である。このような導電性粒子を
用いると、加圧方向に直角方向の絶縁性が確保され、回
路間の狭い細線回路の接続に極めて有効である。導電性
粒子の粒径は、回路中で隣接する線間距離よりも小さく
ないと、隣接回路間を短絡させる。また、接続時の加圧
により変形して、横に拡がることも考慮して、導電性粒
子の粒径は1〜18μmであるのが好ましい。必要によ
り、絶縁粒子を、導電性粒子間の接触を妨げない程度に
併用してもよい。
向にのみ導電性を生ずる程度とするのが好ましい。回路
中で、隣接する線間距離や導電性粒子の径によって異な
るが、接着成分に対して、0.05〜20体積%の範
囲、好ましくは、0.1〜15体積%、より好ましく
は、0.2〜10体積%とする。20体積%をこえる
と、透明性が悪化し、接続する回路の位置合わせが困難
となる。0.05体積%より少ないと導電性を得られな
い。
1〜1,000Pa・s、特に、10〜1,000Pa
・sである場合に、接着成分がよく流動して接続厚みが
導電性粒子の径よりも小さくなる。1,000Pa・s
以上であると、流動性が悪く接続厚みが導電性粒子の径
よりも厚くなり接続性が悪い。1〜10Pa・sの範囲
であるときには、初期に圧力を小さくし、接着成分があ
る程度硬化してから圧力を高めるなどの注意が必要とな
る。1Pa・s以下では、流動しすぎて成着成分が接続
部外に流れ出し、接続部分に保持されにくく、信頼性が
悪くなる。溶融粘度の調整については、後述する。
プセル化すると接着成分の貯蔵安定性がよくなる。カチ
オン重合性物質とスルホニウム塩とが貯蔵中に互いに接
触しないためである。マイクロカプセル化する方法は、
溶剤蒸発法、スプレードライ法、コアセルベーション
法、界面重合法、などとくに制限はない。マイクロカプ
セルの粒径は小さいほうがよく、スルホニウム塩は疎水
性であるので、界面重合法によるのが好ましい。
は、エポキシ樹脂、ポリビニルエーテル、ポリスチレン
などがあり、これらは、単独で用いてもよく、併用して
もよい。また、他のポリマーや重量平均分子量3000
以下の固形樹脂と混合して用いることもできる。
樹脂がもっとも好適である。エポキシ樹脂は、1分子中
に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、例え
ば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA又はビスフ
ェノールFなどから誘導されるビスフェノール型エポキ
シ樹脂や、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエ
ステル、脂還式エポキシ樹脂などが挙げられる。
としては、ポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリウレタンなどや、塩化
ビニル、オレフィン、エチレン系アイオノマー、ポリア
ミド系などのポリマー類がある。フィルム形成性や溶融
時の流動性、樹脂相互の溶解性を考慮して、これらのポ
リマーの分子量は10,000以上80,000以下が
好ましい。また、水酸基(OH基)やカルボキシル基
(COOH基)などの極性基を有すると、エポキシ樹脂
との相溶性が向上し均一な外観や特性を有するフィルム
が得られ、かつ、エポキシ基との反応性を有するので好
ましい。
しては、ロジンやテルペンなどの天然物系樹脂、脂肪
族、脂環族、芳香族、クマロン・インデン・スチレン系
などの重合系樹脂、フェノール樹脂やキシレン樹脂など
の縮合系樹脂など、及び、これらの変性体や誘導体があ
る。重量平均分子量3000以下の固形樹脂は、粘着性
や接着性などの調整する必要がある場合に、単独で、又
は、混合して用いる。
で安定であり、かつカチオン重合性物質を110℃〜1
40℃では10〜60秒、130℃〜200℃では1〜
30秒の加熱で活性化して硬化する。さらに接着成分の
溶融粘度を100℃で1〜1,000Pa・sにするこ
とで、0.5〜5MPaの加圧により接着成分の好適な
流動が得られ、導電性粒子を介した回路導体間の接続が
得られる。したがって、粘着成分の常温での保存安定性
がよく、かつ基板材料に熱的なダメージを与えることな
く粘着硬化でき、回路の接続が得られる。
発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(油化シェル株式
会社、商品名エピコート828を使用)50g、平均分
子量25,000、水酸基含有量6%のフェノキシ樹脂
(ユニオンカーバイト株式会社、商品名PKHAを使
用)50gを、重量比でトルエン対酢酸エチル1対1の
混合溶剤に溶解して、固形分40%の溶液とした。
み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外
側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径10μ
m、比重2.0の導電性粒子を製造した。
ルホニウム塩を酢酸エチルに溶解して、50重量%溶液
とした。
キシフェニルジルベンジルメチルスルホニウム塩2とな
るように配合し、更に、導電性粒子を2体積%配合分散
させ、厚み80μmのフッ素樹脂フィルムに塗布し、室
温で送風乾燥して、厚み25μmのフィルム状回路接続
材料を得た。
に代えて、p−メトキシカルボニルオキシフェニルベン
ジルエチルスルホニウム塩を使用したほかは、実施例1
と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
に代えて、p−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスル
ホニウム塩を使用したほかは、実施例1と同様にしてフ
ィルム状回路接続材料を得た。
に代えて、p−ヒドロキシフェニル−p−ニトロベンジ
ルメチルスルホニウム塩を使用したほかは、実施例1と
同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
の配合量を0.2重量部としたほかは、実施例1と同様
にしてフィルム状回路接続材料を得た。
の配合量を10重量部としたほかは、実施例1と同様に
してフィルム状回路接続材料を得た。
エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社、商品名セロ
キサイド2021を使用)を使用したほかは、実施例1
と同様にしてフィルム状回路用接続材料を得た。
ェノールA型固形エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株
式会社、商品名エピコート1001を使用)を使用した
ほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路用接続材
料を得た。
ル樹脂(昭和高分子株式会社、商品名リポキシSD−1
509を使用、グリシジルアクリレート)を使用したほ
かは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を
得た。
同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
にしてフィルム状回路接続材料を得た。
ニッケル粒子に代えたほかは実施例1と同様にしてフィ
ルム状回路接続材料を得た。
ニッケル粒子を0.5体積%とし、粒径2μmのシリカ
粒子を0.5体積%加えたほかは実施例1同様にしてフ
ィルム状回路接続材料を得た。
8)を70gとし、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイ
ト株式会社、商品名PKHAを使用)の配合量を30g
としたほかは実施例1と同様にしてフィルム状回路接続
材料を得た。
10重量部、メタクリル酸メチル16重量部、スチレン
16重量部、エチレングリコールジメタクリレート8重
量部、アゾ化合物0.05重量部(和光純薬株式会社製
V−60、V−40各0.025重量部)をA成分と
し、水200重量部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム0.2重量部、ポリビニルアルコール0.12
5重量部をB成分とし、チッ素雰囲気の密封容器中60
℃で、4時間撹拌し、乾燥してスルホニウム塩をマイク
ロカプセル化した。以下実施例1と同様にしてフィルム
状回路接続材料を得た。
に代えて、p−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウ
ム塩(ベンジル基のないスルホニウム塩)を使用したほ
かは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を
得た。
に代えて、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール
を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回
路接続材料を得た。
フィルム状回路接続材料を得た。
同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
8)を20gとし、フェノキシ樹脂(PKHA)を80
gとしたほかは実施例1と同様にしてフィルム状回路接
続材料を得た。
1mg)秤りとり、密閉式アルミパン中で昇温速度10
℃/分でDSCを測定した。用いた分析計は、デュポン
社製TA2000である。
ポキシ樹脂(エピコート828)とフェノキシ樹脂(P
KHA)を溶剤に溶解せず250℃近辺で溶融し、均一
に混合した後、10g程度を分取し、徐々に冷却し、1
00℃での粘度を測定した。このとき硬化剤、導電性粒
子は配合しなかった。測定に用いた装置は(株)レスカ
製デジタル粘度計HU−8である。
料を用いてライン幅100μm、ピッチ200μm、厚
み35μmの銅回路を250本有するフレキシブル回路
板(FPC)と、全面に酸化インジウム(ITO)の薄
層を形成(表面抵抗40Ω/□)した、厚み0.5mm
のポリカーボネート板(ASTM D648、1.86
MPaでの熱変形温度140℃)とを、130℃、1.
5MPaで20秒間加熱加圧して幅3mmにわたり接続
した。このとき、あらかじめポリカーボネート板上に、
フィルム状回路用接続材料の接着剤面を貼り付け後、7
0℃、0.5MPa、5秒間加熱加圧して仮接続し、そ
の後フッ素樹脂フィルムを剥離してFPCと接着した。
また、ライン幅100μm、ピッチ200μm厚み35
μmの銅回路を250本有するFPCとITOの薄層形
成したガラス(表面抵抗20Ω/□)とを、160℃、
1.5MPaで10秒間加熱加圧して幅3mmにわたり
接続した。このとき上記と同様にITOガラス上に仮接
続を行った。
値を、初期と、85℃、85%RHの高温高湿下に50
0時間保持した後にマルチメータで測定した。
発しないように密封して、25℃に放置し、溶液粘度が
2倍になった時間を調べた。
メータによりあらかじめ測定しておき、フィルム状回路
接続材料により接続後厚みを測定し、接続厚みを算出し
た。
この結果から、以下のことがわかる。
は、100〜120℃であり、比較例1及び2のそれよ
りも10〜20℃低い。特に、実施例7の接着剤は、D
SCのピーク温度が、実施例1のそれよりも10℃低
く、接続抵抗の上昇も見られず、良好な接続が得られて
いる。また、各実施例について、初期の抵抗値は、比較
例1及び2のそれよりも著しく低く、高温高湿下に保持
した後の接続抵抗の上昇も見られないか、小さい値であ
る。比較例1,2は反応不足であったためと考える。実
施例8の接続材料は、DSCのピーク温度が120℃と
高く、接続抵抗の上昇も若干大きくなっている。この理
由は、固形エポキシ樹脂を用いたので、反応性が若干低
下したためと考えられる。比較例3は導電性粒子がない
ので、初期の抵抗も高く、接続抵抗の上昇も著しい。比
較例4は導電性粒子が20μmと大きいため、2体積%
では接続部の導電性粒子数が少なくなったため、若干高
い抵抗値となった。導電性粒子として、平均単粒径2μ
mで凝集径10μmのニッケル粒子を用いた実施例10
のフィルム状接続材料も、実施例1のフィルム状接続材
料と同様に、良好な接続がえられている。ニッケル粒子
と粒径2μmのシリカ粒子を体積比で1対1で混合した
ものを配合した実施例11の接着剤も、実施例1と同様
に良好な接続が得られ、特に、ニッケル粒子の間にシリ
カ粒子が存在して、隣接回路との絶縁性を良好にしてい
ることがわかった。実施例1及び実施例15のフィルム
状接続材料は、100℃の溶融粘度が1〜1,000P
a・sの範囲内にあり、接続厚みも導電性粒子の粒径以
下になっているが、比較例5のフィルム状接続材料は、
溶融粘度が高く、接着成分が十分に流動する前に硬化し
てしまい、接続厚みが導電性粒子の粒径よりも大きくな
った。そのため、接続抵抗は大きくなり、上昇も著しか
った。実施例1、5、6及び16の接着剤溶液につい
て、25℃で長期間放置したところ、実施例1の溶液は
3ヵ月後に、実施例5の溶液は6ヵ月後に、実施例6の
溶液は1か月後に、それぞれ、粘度が2倍になった。実
施例16はマイクロカプセル化することにより保存性が
のびて3ヵ月から6ヵ月となっている。
ダメージをうけやすい基板に、熱的ダメージを与えない
比較的低温域でも互いに向き合う回路導体間の接続可能
であり、また、中温域では短時間で確実な接続ができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 カチオン重合性物質と分子量10,00
0以上80,000以下のポリマー類を含む組成物10
0重量部に対して化1で示されるベンジル基を含有する
スルホニウム塩を、0.05〜10重量部配合した接着
成分に、粒子径が1〜18μmである導電性粒子を0.
05〜20体積%分散し、接着成分の100℃における
溶融粘度が1〜1,000Pa・sであることを特徴と
するフィルム状回路接続材料。 【化1】 化1中、R1が電子吸引性の基であり、R2及びR3が電
子供与性の基で、R1、R 2及びR3は、置換又は非置換
の基であり、互いに同じでも異なっていてもよく、Y−
は、非求核性陰イオンである。 - 【請求項2】 ポリマー類が、ポリビニルアセタール、
フェノキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリウ
レタン、ポリアミドのうちいずれかである請求項1に記
載のフィルム状回路接続材料。 - 【請求項3】 導電性粒子が、導電性を示す物質の粒子
や非導電性物質の表面を導電性材料で被覆した粒子又は
導電性粒子の表面を絶縁物質で被覆した粒子のうちから
選択されたものであることを特徴とする請求項1または
請求項2に記載のフィルム状回路接続材料。 - 【請求項4】 ベンジル基を含有するスルホニウム塩を
マイクロカプセル化したことを特徴とする請求項1ない
し請求項3のいずれかに記載のフィルム状回路接続材
料。 - 【請求項5】 カチオン重合性物質と分子量10,00
0以上80,000以下のポリマー類を含む組成物10
0重量部に対して化1で示されるベンジル基を含有する
スルホニウム塩を、0.05〜10重量部配合した接着
成分に、粒子径が1〜18μmである導電性粒子を0.
05〜20体積%分散し、接着成分の100℃における
溶融粘度が1〜1,000Pa・sであるフィルム状回
路接続材料を、互いに向き合う2つの回路導体間に挾
み、それぞれの回路導体を有する配線板の裏から加熱、
加圧して積層一体化することを特徴とする回路の接続方
法。 - 【請求項6】 加熱、加圧する条件が温度110〜14
0℃、圧力0.5MPa〜5MPa、時間10〜60秒
の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の回路の
接続方法。
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