JP2003232925A - 光学フィルム及び偏光板 - Google Patents

光学フィルム及び偏光板

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JP2003232925A
JP2003232925A JP2002032798A JP2002032798A JP2003232925A JP 2003232925 A JP2003232925 A JP 2003232925A JP 2002032798 A JP2002032798 A JP 2002032798A JP 2002032798 A JP2002032798 A JP 2002032798A JP 2003232925 A JP2003232925 A JP 2003232925A
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Kentaro Ogino
健太郎 荻野
Seiji Nozato
省二 野里
Hironori Tabata
博則 田畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性に優れ、かつ厚み精度に優れた非晶
性熱可塑性樹脂の溶融押出により得られる光学フィルム
を提供する。 【解決手段】 非晶性熱可塑性樹脂を用いて溶融押出さ
れた厚みが100μm未満の光学フィルムであって、法
線方向のレターデーション値R(0)が3nm以下、か
つ長さ方向に対する光軸ずれが±10°以下であり、厚
み精度が以下の(a)または(b)であることを特徴と
する光学フィルム。 (a)平均厚みが60μm以上の場合には、全幅の厚み
精度が平均厚みの10%以下であり、幅方向の長さ2c
mあたりの厚み精度が平均厚みの5%以下であり、幅方
向における厚みの曲線における隣り合う山と谷との間の
落差が平均厚みの7%以下である。 (b)平均厚みが60μm未満の場合、全幅の厚み精度
が6μm以下、幅方向の長さ2cmあたりの厚み精度が
3μm以下であり、幅方向における厚みの曲線における
隣り合う山と谷との落差が4μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用途やディス
プレイ分野などに用いられる光学フィルムに関し、より
詳細には、熱可塑性樹脂の溶融押出成形により得られ、
光学特性(残留位相差、光軸ずれ)に優れており、厚み
精度に優れた光学フィルム及び該光学フィルムを用いた
偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学用途やディスプレイ分野で
は、透明性に優れており、残留位相差が小さく、
光軸が整っており、さらに厚み精度に優れた光学フィ
ルムが求められている。中でも、残留歪みの大きさであ
る残留位相差と、歪みの方向である光軸が特に重要であ
り、残留位相差は3nm以下であり、かつ光軸ずれは±
10°以下であることが強く求められている。
【0003】ところが、熱可塑性樹脂の溶融押出により
光学フィルムを製造した場合、成膜時の変形が均一でな
いため、厚み精度が悪化するという問題があった。その
ため、フィルムに蓄えられる応力の大きさが幅方向でば
らつくために、残留位相差が均一にならない問題があっ
た。また、特に狭い範囲での厚み精度が悪い場合や、厚
みが一定の範囲で厚くなったり薄くなったりすると残留
位相差だけでなく、残留応力の方向である光軸がばらつ
くという問題も生じた。光軸のばらつきは、フィルムを
光ディスク基板や液晶ディスプレイに用いた場合に大き
な問題となる。また、フィルムの厚み精度が低い場合、
光学フィルムを偏光子等に貼り付けた際に、厚みむらの
大きい部分において局所的に密着むらが生じるという問
題もあった。
【0004】従来、光軸を整える方法として、フィルム
を成膜した後、フィルムを構成している熱可塑性樹脂の
ガラス転移点Tg以上に加熱して延伸したり、エアーチ
ャンバー、タッチロールまたは全面ピニングなどにより
フィルムを冷却ロールに圧接する方法が一般的に用いら
れている。しかしながら、これらの方法を用いた場合、
延伸によって位相差が発生したりフィルムがロール等に
接触する部分において応力がさらに加えられることにな
って、残留位相差がさらに大きくなりがちであった。従
って、残留位相差が低いことが求められる製品に、この
ような方法で処理されたフィルムを用いることはできな
かった。また、フィルム全面に冷却ロールを圧接した場
合、フィルムの透明性が損なわれるおそれもあった。
【0005】他方、光学フィルムに用いられる樹脂とし
ては、主として非晶性熱可塑性樹脂が用いられるが、中
でも、ノルボルネン系樹脂は、耐熱性及び透明性に優れ
ており、固有複屈折率が低く、光弾性係数が低いという
利点を有する。従って、ノルボルネン系樹脂からなるフ
ィルムは光学フィルムとして好適である。よって、ノル
ボルネン系樹脂からなる光学フィルムにおいて、残留位
相差を低減し、光軸ずれの抑制を図り、さらに厚み精度
に優れたものが強く求められている。しかしながら、従
来、溶融押出法により製造されたノルボルネン系樹脂フ
ィルムでは、このような特性を満足することはできなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の現状に鑑み、光学特性に優れ、かつ厚み
精度に優れた非晶性熱可塑性樹脂の溶融押出により得ら
れる光学フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶性熱可塑
性樹脂を用いて溶融押出された厚みが100μm未満の
光学フィルムであって、法線方向のレターデーション値
R(0)が3nm以下、かつ長さ方向に対する光軸ずれ
が±10°以下であり、厚み精度が以下のように構成さ
れていることを特徴とする。
【0008】(a)平均厚みが60μm以上の場合に
は、全幅の厚み精度が平均厚みの10%以下であり、幅
方向の長さ2cmあたりの厚み精度が平均厚みの5%以
下であり、幅方向における厚みの曲線における隣り合う
山と谷との間の落差が平均厚みの7%以下である。
【0009】(b)平均厚みが60μm未満の場合、全
幅の厚み精度が6μm以下、幅方向の長さ2cmあたり
の厚み精度が3μm以下であり、幅方向における厚みの
曲線における隣り合う山と谷との落差が4μm以下であ
る。本発明のある特定の局面では、上記非晶性熱可塑性
樹脂として、ノルボルネン系樹脂が用いられる。非晶性
熱可塑性樹脂としてノルボルネン系樹脂を用いた場合に
は、耐熱性及び透明性に優れ、固有複屈折率が低く、か
つ光弾性係数が低いノルボルネン系樹脂を用いているた
め、残留位相差をより一層小さくすることができ、かつ
光軸ずれのばらつきを少なくすることが可能となる。
【0010】また、本発明に係る光学フィルムの用途は
特に限定されないが、本発明のある特定の局面では、偏
光子を保護するための保護フィルムとして用いられる。
本発明に係る偏光板は、本発明に従って構成された光学
フィルムが偏光子の少なくとも片面に積層されているこ
とを特徴とする。
【0011】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて、フィルム全幅の厚み精度とは、幅方向における
厚み最大値から厚み最小値を差し引いた値をいうものと
する。また、本発明に係る光学フィルムは、上記(a)
または(b)で示される厚み精度を有するが、この場
合、光学フィルムの幅方向両端には、上記厚み精度を満
足しない領域がさらに付加されていてもよい。すなわ
ち、溶融押出に際しダイから押し出されたフィルムにお
いて、幅方向端部から幅方向10%の領域において、
(a)または(b)が満たされておらず、端部間の部分
が上記(a)または(b)で示される厚み精度を満たし
ておればよく、この厚み精度を満たしていない両端部分
を除去することにより、光学フィルムとして用いること
ができる。
【0012】また、幅方向の長さ2cmあたりの厚み精
度とは、幅方向寸法において任意の2cmの部分を取り
出した際のその中における厚み最大値から厚み最小値を
差し引いた値をいうものとする。
【0013】幅方向における厚みの曲線における山と谷
との落差とは、図1に示す幅方向の厚み曲線における落
差をいうものとする。なお、ここで、隣り合う山と谷
は、落差が1μm未満の微小な振幅を除外し、かつ幅方
向において20mm以上離れたものをいうものとする。
【0014】本発明に係る光学フィルムは、非晶性熱可
塑性樹脂の溶融押出により得られる。この具体的な方法
は特に限定されないが、例えば下記の製造方法に従って
得ることができる。
【0015】溶融押出機に非晶性熱可塑性樹脂を供給
し、溶融押出機に取付けられたダイから押し出すことに
より、本発明に係る光学フィルムを得ることができる。
この場合、厚み精度を揃えるには、ダイ出口のクリアラ
ンスが均一であることが望ましい。もっとも、ダイ出口
のクリアランスのばらつきは、フィルムの厚み精度のば
らつきに対し、1/10以下であれば、本発明の厚み精
度を有する光学フィルムを得ることができる。
【0016】また、エアーギャップの長さは、樹脂の粘
度や最終厚みによって異なるが、通常30〜100mm
とすればよい。更に、ダイのリップクリアランスをA、
フィルムの最終厚みをBとすると、A/Bの値は特に限
定されないが、20以下であればよい。
【0017】残留位相差を低減する方法についても特に
限定されないが、例えば、非晶性熱可塑性樹脂のガラス
転移温度Tgとした場合、ダイから押し出された非晶性
熱可塑性樹脂からなるフィルムが冷却ロールに密着され
る際に、冷却ロールとフィルムとの接点直前におけるフ
ィルム温度をTg+80℃以上とすればよい。
【0018】また、冷却ロールとフィルムとの接点直前
におけるフィルム温度のばらつきは、幅方向で10℃以
内であることが望ましく、それによってフィルムの厚み
精度を高めることができる。
【0019】本発明に係る光学フィルムの製造に際し、
ダイから押し出された溶融樹脂を引き落とし、冷却ロー
ルに密着させて成膜する際の接点安定化方法は上記厚み
精度を満たす限り特に限定されず、静電ピニングなどの
端部に力を与えることができる通常の装置を用いること
ができる。
【0020】冷却ロールの温度は、用いられる熱可塑性
樹脂によっても異なるため、特に限定されないが、熱可
塑性樹脂のガラス転移点Tg〜Tg−100℃の範囲で
あることが好ましい。
【0021】本発明において用いられる非晶性熱可塑性
樹脂は、ほとんど結晶構造を取り得ない無定形状態を保
つ高分子であり、そのガラス転移点Tgは樹脂の種類や
構造によって異なるため特に限定されないが、100℃
以上のTgを有する非晶性熱可塑性樹脂が一般的に用い
られる。
【0022】上記非晶性熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリサルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ノルボルネ
ン系樹脂等が挙げられ、中でも、ノルボルネン系樹脂が
好適に用いられる。これらの非晶性熱可塑性樹脂は、単
独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよ
い。
【0023】上記ノルボルネン系樹脂としては、例え
ば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、
ノルボルネン系モノマーとオレフィンとの付加型重合、
ノルボルネン系モノマー同士の付加重合体並びにこれら
の誘導体等が挙げられる。これらのノルボルネン系樹脂
は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用され
てもよい。
【0024】上記ノルボルネン系モノマーとしては、例
えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(ノル
ボルネン)や、6−メチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
ト−2−エン、5、6−ジメチルビシクロ[2,2,
1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2,2,
1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2,2,
1]ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ[2,
2,1]ヘプト−2−エン、6−イソブチルビシクロ
[2,2,1]ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ
[2,2,1]ヘプト−2−エンなどのノルボルネン及
びその置換体が具体的に挙げられるが、これらに限られ
るものではなく、3環体以上のノルボルネン系モノマー
やその置換体も使用できる。
【0025】上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体
水素添加物としては、上記ノルボルネン系モノマーを公
知の方法で開環重合させた後、残留している二重結合が
水素添加されるものが広く用いられる。これは、ノルボ
ルネンの単独重合体であってもよく、ノルボルネンと他
の環状オレフィン系モノマーの共重合体であってもよ
い。
【0026】また、上記ノルボルネン系モノマーとオレ
フィンとの付加型重合体としては、ノルボルネン系モノ
マーとα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。上記
α−オレフィンとしては、炭素数2〜20、好ましくは
2〜10のα−オレフィン、例えば、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1
−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が
挙げられ、中でも、共重合性が高いことから、エチレン
が好ましく、他のα−オレフィンをノルボルネン系モノ
マーと共重合させる場合にも、エチレンが存在している
方法が共重合性を高められる。
【0027】本発明に係る光学フィルムは、様々な光学
用途に用いられるが、例えば、液晶表示装置の偏光板に
おいて、偏光子を保護するフィルムとして好適に用いら
れる。この場合、本発明の光学フィルムが偏光子の少な
くとも片面に積層されることにより、偏光板が構成され
る。本発明の光学フィルムが一方にのみ用いられる場
合、他面には従来公知の保護フィルムが使用されてよい
が、この場合、本発明の光学フィルムが液晶セル側に配
置されることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学フィルム
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0029】実施例及び比較例では、下記の押出機、T
ダイ及び冷却ロールを有する装置を用い、光学フィルム
を製造した。 (1)押出機…単軸押出機の径100mm、L/D比=
32、押出温度は270〜320℃の間で調整した。 (2)Tダイ…幅1700mmのコートハンガータイ
プ、リップクリアランス800μm。 (3)冷却ロール…両端に静電ピニングを取り付けたも
のを用い、ロールの温度は140℃とした。
【0030】[実施例1]熱可塑性ノルボルネン系樹脂
(日本ゼオン社製、商品名:ゼオノア1600、Tg=
168℃)を110℃、3時間の条件で予備乾燥したも
のを用意した。この熱可塑性ノルボルネン系樹脂を、金
型温度310℃及びエアーギャップ70mmの条件で押
し出し、冷却ロールで冷却することにより光学フィルム
を得た。フィルムと冷却ロールの接点直前のフィルム温
度は250℃であった。上記のようにして、幅1500
mm及び厚み40μmの光学フィルムを得、幅方向両端
を除く幅1200mmのフィルムについて下記の要領で
残留位相差、光軸ずれ及び厚み精度を評価した。また上
記光学フィルムを偏光子に貼り付ける接着テストを下記
の要領で行い、評価した。
【0031】(a)法線方向のレターデーション値、光
軸ずれ及び厚み精度…王子計測機器社製、商品名「KO
BRA−21ADH」を用い、測定波長を590nmで
測定した。法線方向のレターデーション値、光軸ずれ及
び厚み精度の測定に際しては、幅方向両端において、そ
れぞれ上記のように幅方向寸法の10%を切除した後
に、幅方向に沿って5mmピッチで各点において測定を
行った。なお、光軸ずれは光軸の平均方向を0°として
示し、厚みの測定は接触式厚み計であるMahr社製、
商品名ミリトロンを用い、R30mmの超硬球面測定子
を用いて測定圧力0.2Nで測定した。
【0032】(b)接着テスト 光学フィルムの偏光子接着面側にコロナ処理を施した
後、水性ウレタン接着剤(東洋モートン社製、品番EL
−436)の主剤及び硬化剤(混合比は主剤:硬化剤=
10:3)を固形分が10重量%となるように水で希釈
したものをワイヤーバー#8で塗布し、偏光子に貼り合
わせ、貼り合わせ状態を目視により確認した。
【0033】実施例1で得られた光学フィルムでは、法
線方向のレターデーション値は最大で2.8nmであ
り、光軸ずれは±9°であった。また、そのときの厚み
精度は5.3μmであり、隣り合う山と谷との厚みの落
差は最大で3.8μmであった。また、2cmあたりの
厚み精度も最大で2.41μmであった。
【0034】上記接着テストでは、幅方向全域に渡り光
学フィルムが偏光子に確実に密着されていることが確認
された。
【0035】[実施例2]ポリサルホン(帝人アコモエ
ンジニアリングプラスチックス社製、商品名「UDEL
3500」、Tg=193℃)を110℃で3時間予備
乾燥したものを用い、金型温度320℃、エアーギャッ
プ70mmとし、押出機から上記樹脂を押し出し、冷却
ロールで冷却し、光学フィルムを得た。なお、フィルム
と冷却ロールとの接点直前のフィルム温度は278℃で
あった。上記のようにして得られた幅1500mm、厚
み80μmのフィルムから、幅方向両端の10%部分を
除去し、幅1200mmの光学フィルムについて、実施
例1と同様にして評価した。
【0036】その結果、法線方向のレターデーション値
は平均2.90nm、光軸ずれは±7°であった。ま
た、このときの厚み精度は7.5μmであり、隣り合う
山と谷との厚みの落差は最大で4.8μmであり、2c
mあたりの厚み精度は最大で2.9μmでもあった。
【0037】また、偏光子との接着テストでは、幅方向
全域に渡り問題なく光学フィルムが偏光子に密着してい
ることが確認された。
【0038】(比較例1)実施例1で用いた樹脂を用
い、金型温度310℃及びエアーギャップ70mmで、
あえて金型温度を幅方向で変化させ、厚み約40μmの
厚み精度の悪いフィルムを押し出した。フィルムと冷却
ロールとの接点直前のフィルム温度は250℃であっ
た。
【0039】上記のようにして得られた光学フィルムを
実施例1と同様にして評価したところ、法線方向のレタ
ーデーション値は平均2.8nmであり、光軸ずれは±
19°であった。また、このときの厚み精度は6.9μ
mであり、隣り合う山と谷との厚みの落差は最大で5.
2μm、また幅方向2cmあたりの厚み精度は最大で4
μmであった。
【0040】偏光子との接着テストでは、厚み落差が大
きい部分において光学フィルムが偏光子に密着していな
い部分が認められた。
【0041】(比較例2)市販のノルボルネン系樹脂押
出フィルム(日本ゼオン社製、品番:ZF−16−75
ロット:0069)を実施例1と同様にして評価した
ところ、法線方向のレターデーション値は3.2nmで
あり、光軸ずれは±34°であった。また、厚みを測定
したところ、図2に示す結果が得られた。すなわち、平
均厚み75μmに対し、厚み精度は8.55μmであ
り、幅方向において隣り合う山と谷の厚みの落差は最大
で7.0μmであった。また、幅方向において2cmあ
たりの厚み精度は最大で4.33μmであった。
【0042】偏光子との接着テストを実施例1と同様に
して行ったところ、厚み落差が大きい部分において光学
フィルムが偏光子に密着していない部分が認められた。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る光学フィルムでは、法線方
向のレターデーション値R(0)が3nm以下であり、
残留位相差が小さく、長さ方向に対する光軸ずれが±1
0°以下であり、厚みが100μm未満であり、厚み精
度が上述した(a)または(b)を満たすように構成さ
れているので、残留位相差が小さく、光軸ずれが少な
く、かつ厚み精度に優れている。従って、例えば偏光子
を保護するための保護フィルムとして用いた場合、光学
特性に優れた偏光板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】幅方向における厚みの曲線で現れる山と谷とを
説明するための図。
【図2】比較例2で得られた光学フィルムの幅方向にお
ける厚み曲線を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65:00 C08L 65:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BB22 BB51 BC09 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 GA16 LA18 4F071 AA02 AA21 AA39 AA69 AF11 AF29 BA01 BB06 BC01 BC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性熱可塑性樹脂を用いて溶融押出さ
    れた厚みが100μm未満の光学フィルムであって、 法線方向のレターデーション値R(0)が3nm以下、
    かつ長さ方向に対する光軸ずれが±10°以下であり、
    厚み精度が以下の(a)または(b)であることを特徴
    とする光学フィルム。 (a)平均厚みが60μm以上の場合には、全幅の厚み
    精度が平均厚みの10%以下であり、幅方向の長さ2c
    mあたりの厚み精度が平均厚みの5%以下であり、幅方
    向における厚みの曲線における隣り合う山と谷との間の
    落差が平均厚みの7%以下である。 (b)平均厚みが60μm未満の場合、全幅の厚み精度
    が6μm以下、幅方向の長さ2cmあたりの厚み精度が
    3μm以下であり、幅方向における厚みの曲線における
    隣り合う山と谷との落差が4μm以下である。
  2. 【請求項2】 前記非晶性熱可塑性樹脂がノルボルネン
    系樹脂である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 【請求項3】 偏光子を保護するための保護フィルムで
    ある請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の光学フィルム
    が偏光子の少なくとも片面に積層されている偏光板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008107534A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Jsr Corp 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、位相差フィルム、偏光板および液晶パネル
WO2011034159A1 (ja) * 2009-09-18 2011-03-24 積水化学工業株式会社 セパレータ及び積層体
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