JP2003232920A - 光学フィルム及びその製造方法 - Google Patents

光学フィルム及びその製造方法

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JP2003232920A
JP2003232920A JP2002030824A JP2002030824A JP2003232920A JP 2003232920 A JP2003232920 A JP 2003232920A JP 2002030824 A JP2002030824 A JP 2002030824A JP 2002030824 A JP2002030824 A JP 2002030824A JP 2003232920 A JP2003232920 A JP 2003232920A
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cellulose ester
optical film
layer
metal oxide
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Takashi Murakami
隆 村上
Koichi Saito
浩一 齋藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿での耐久性に優れ、カール及びヘイ
ズが少ない光学フィルム及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 60℃の温水に浸漬したときの弾性率が
2800〜4000MPaで、かつ、40℃、90%R
Hでの透湿度が20〜850g/m2・24hであるセ
ルロースエステルフィルム上に、直接または他の層を介
して金属酸化物層を有することを特徴とする光学フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースエステ
ルフィルム上に金属酸化物層を有する光学フィルム及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノートパソコン、携帯電話等のフ
ルカラー化あるいはディスプレイの高精細化等に伴って
反射防止機能、帯電防止機能等の付与された高機能の光
学フィルムが求められている。そのため、例えば、セル
ロースエステルフィルム上に直接あるいは他の層を介し
て金属酸化物等の機能層を設けた光学フィルムが開発さ
れている。本発明において光学フィルムとは、液晶ディ
スプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレ
イ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことで
あり、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野
角拡大フィルム、光学補償フィルム、防眩フィルム、反
射防止フィルム、色補正フィルター、色分解フィルム、
紫外線または赤外線カットフィルム、帯電防止フィルム
あるいは導電性フィルム等を含む。
【0003】これらの光学フィルムでは、保存中あるい
は経時変化でクラックが発生したり、層間の密着性が劣
化するといった問題がありその改善が求められていた。
この対策として、例えば、特開平11−198285
号、特開2001−55402、特開2001−100
039では、弾性率が高いもしくは特定の範囲にあるセ
ルロースエステルフィルムを提案しているが、耐久性が
十分とは言えず、さらなる改善が求められていた。ま
た、プラズマCVDでセルロースエステルフィルムを処
理した場合、フィルムに強いカールが発生し、その改善
が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
高湿での耐久性に優れ、カール及びヘイズが少ない光学
フィルム及びその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記手段により達成される。
【0006】1.60℃の温水に浸漬したときの弾性率
が2800〜4000MPaで、かつ、40℃、90%
RHでの透湿度が20〜850g/m2・24hである
セルロースエステルフィルム上に、直接または他の層を
介して金属酸化物層を有することを特徴とする光学フィ
ルム。
【0007】2.セルロースエステルフィルムが、分子
内に芳香環またはシクロアルキル環を有する多価アルコ
ールエステル、または分子内に芳香環またはシクロアル
キル環を有するグリコレート系可塑剤を含有することを
特徴とする上記1に記載の光学フィルム。
【0008】3.セルロースエステルフィルム上に紫外
線硬化樹脂層を有し、その上に直接または他の層を介し
て金属酸化物層を有することを特徴とする上記1または
2に記載の光学フィルム。
【0009】4.紫外線硬化樹脂層がウレタンアクリレ
ート系樹脂を含有することを特徴とする上記3に記載の
光学フィルム。
【0010】5.紫外線硬化樹脂層が微粒子を含有する
ことを特徴とする上記3または4に記載の光学フィル
ム。
【0011】6.金属酸化物層がプラズマCVDによっ
て形成されることを特徴とする上記1〜5項のいずれか
1項に記載の光学フィルム。
【0012】7.上記1〜6のいずれか1項に記載の光
学フィルムを用いることを特徴とする反射防止フィル
ム。
【0013】8.上記1〜6のいずれか1項に記載の光
学フィルムを用いることを特徴とする偏光板用保護フィ
ルム。
【0014】9.上記1〜6のいずれか1項に記載の光
学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
【0015】10.60℃の温水に浸漬したときの弾性
率が2800〜4000MPaで、かつ、40℃、90
%RHでの透湿度が20〜850g/m2・24hであ
るセルロースエステルフィルム上に、直接または他の層
を介して、プラズマCVDにより金属酸化物層を形成す
ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【0016】11.セルロースエステルフィルム上に、
微粒子を含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化樹
脂層を有し、その上に金属酸化物層を形成することを特
徴とする上記10に記載の光学フィルムの製造方法。
【0017】以下本発明について詳細に説明する。本発
明者は鋭意検討を重ねた結果、60℃の温水に浸漬した
ときの弾性率が2800〜4000MPaで、かつ、4
0℃、90%RHでの透湿度が20〜850g/m2
24hであるセルロースエステルフィルムを用いて、こ
の上に直接または他の層を介して金属酸化物層を形成す
ることによって得られた光学フィルムは、金属酸化物層
のクラックが著しく低減され、密着性にも優れているこ
とを見出した。特に金属酸化物層を形成するときに生じ
ていた強いカールを減少させることができた。また、本
発明の光学フィルムはロール状での保管においても巻き
形状の劣化が著しく減少するという効果も確認された。
また、この光学フィルムを用いた偏光板は貼合の際に泡
等の巻き込みが減少し、歩留まりが改善された。
【0018】特にセルロースエステルフィルム上に金属
酸化物微粒子または金属ハロゲン化物微粒子と有機物微
粒子等の微粒子を有するウレタンアクリレート系紫外線
硬化樹脂層を設け、更にこの上に金属酸化物層を形成し
たものは、カールが著しく低減された。更に偏光板作製
時の泡故障も著しく改善された。
【0019】以上の問題は、特に膜厚60μm以下の薄
膜光学フィルムで問題であったが、本発明によって著し
く改善することができた。
【0020】本発明において、60℃の温水に浸漬した
ときの弾性率(以下吸水弾性率とすることがある)と
は、フィルムを60℃の温水に30分浸漬して十分に吸
水させ、温水から取り出した後、1分以内に23℃、5
5%RHの環境下でJIS K7127に記載の方法に
従って測定した弾性率を指す。この時の試験片の形状は
1号形試験片で、試験速度は100mm/分である。
【0021】耐久性が要求される高温高湿の水を含んだ
状態ではフィルムは柔らかくなることが多く、通常、吸
水弾性率はドライの状態の弾性率(以下乾燥弾性率とす
ることがある)よりも小さい値になることが多い。
【0022】また、常温常湿のドライの状態で測定した
乾燥弾性率は必ずしも吸水弾性率と相関しない。これ
は、吸水性の影響等が考えられる。例えば、一般的に吸
水性の大きなフィルムは乾燥時の弾性率は大きいが、水
に浸すと急激に弾性率が低下する現象が見られる。ま
た、同じ吸水率であっても吸水時の弾性率の低下に差が
出ることがあるが、これは水の配位の仕方等の影響であ
ると考えられる。このため、乾燥弾性率では高温高湿に
おけるフィルムの物性を表すことができず、これを制御
するだけでは十分な耐久性を得ることはできなかった。
【0023】本発明の吸水弾性率は2800〜4000
MPaであるが、2900〜3800MPaであること
がより好ましい。
【0024】吸水弾性率を目的の範囲にする方法は特に
限定されないが、例えば、セルロースエステルの分子量
をコントロールする方法、フィルムを架橋する方法、フ
ィルムの吸水率を制御する方法、フィルムの延伸倍率を
制御する方法、可塑剤の添加量を調節する方法、フィル
ム製膜時の乾燥温度を制御してフィルムの結晶化をコン
トロールする方法等が挙げられる。
【0025】セルロースエステルフィルムの分子量が大
きいと吸水弾性率が大きくなるが、分子量を挙げすぎる
とセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎる
ため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は
数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000
のものが好ましく、100,000〜200,000の
ものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロースエ
ステルはMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましく
は1.4〜2.3である。
【0026】セルロースエステルの平均分子量及び分子
量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定でき
るので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均
分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができ
る。
【0027】測定条件は以下の通りである。 溶媒: メチレンクロライド カラム: Shodex K806,K805,K8
03G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した) カラム温度:25℃ 試料濃度: 0.1質量% 検出器: RI Model 504(GLサイエン
ス社製) ポンプ: L6000(日立製作所(株)製) 流量: 1.0ml/min 校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standar
d ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=10000
00〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用し
た。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好まし
い。
【0028】セルロースエステルを架橋すると吸水弾性
率が大きくなるが、架橋しすぎるとセルロースエステル
が硬くなりすぎて脆くなる。セルロースエステルを架橋
する手段は特に限定されないが、イソシアネート系架橋
剤を好ましく用いることができる。好ましいイソシアネ
ート系架橋剤として例えば、2,4−トリレンジイソシ
アネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート
等の芳香環を有するイソシアネート、n−ブチルジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪
族系のイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MD
I等の芳香環に水素添加したイソシアネート等を挙げる
ことができる。またこれらのイソシアネート化合物と活
性水素基含有化合物とを反応させたポリイソシアネート
を用いてもよい。TDI、MDI等の芳香環を有するイ
ソシアネートを用いると少量で吸水弾性率が向上し、ま
た透湿性も向上するが、添加量を増やすと耐光性が劣化
し、引裂強度が悪くなる。脂肪族系のイソシアネートや
芳香環に水素添加したイソシアネートを用いると芳香環
を有するイソシアネートに比べて耐光性が向上し、また
脂肪族系のイソシアネートでは引裂強度の低下も抑えら
れる。
【0029】フィルムを延伸すると弾性率が大きくなる
が、フィルム単体の伸縮率が大きくなる。フィルムを延
伸する手段は特に制限はないが、例えば流延方向(以下
MD方向とする)に延伸する場合にはフィルムを加熱、
または溶剤を含ませた状態で流延方向に張力をかけて搬
送する方法や、フィルムをキャストしたベルトまたはド
ラムから剥離するときの張力を大きくする方法、周速の
異なるロールを用いて搬送し張力を付与する方法等が挙
げられる。幅方向(以下TD方向とする)に延伸する方
法としては、フィルムを加熱、または溶剤を含ませた状
態でTD方向にテンターで延伸する方法が挙げられる。
【0030】可塑剤の添加量を減らすと弾性率は大きく
なるが、透湿量が劣化する。フィルムが結晶化すると弾
性率が大きくなる。フィルムを結晶化させる方法として
は特に制限はないが、例えば、フィルムに結晶化温度以
上の熱をかける方法がある。フィルムが溶剤を含んでい
る状態では乾燥している状態よりも結晶化温度が低くな
っているため、より低い温度で結晶化させることができ
る。フィルムの結晶化温度は示差走査熱量計を用いて測
定することができる。結晶化が進みすぎると、フィルム
が硬くなり過ぎるため引裂強度が劣化する。
【0031】結晶化度とは、X線回折測定で検出された
回折ピーク強度からブラッグ角2Θ=14°の回折強度
を引いた値の和である。走査範囲は2Θ=5〜35°で
測定する。結晶化度は2500〜9000が好ましく、
3000〜8000がより好ましく、3500〜750
0が最も好ましい。
【0032】本発明に用いられるセルロースエステル
は、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ま
しい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂
肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例え
ば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネー
ト、セルロースブチレート等や、特開平10−4580
4号、同08−231761号、米国特許第2,31
9,052号等に記載されているようなセルロースアセ
テートプロピオネート、セルロースアセテートブチレー
ト等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。上記
記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低
級脂肪酸エステルは、セルローストリアセテート、セル
ロースアセテートプロピオネートである。これらのセル
ロースエステルは単独あるいは混合して用いることがで
きる。
【0033】セルローストリアセテートの場合には、平
均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが
好ましく用いられ、更に好ましくは58.0〜62.5
%である。
【0034】セルローストリアセテート以外で好ましい
セルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基を
置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロ
ピオニル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び
(II)を同時に満たすセルロースエステルである。
【0035】 式(I) 2.6≦X+Y≦3.0 式(II) 0≦X≦2.5 中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセル
ロースアセテートプロピオネートが好ましい。アシル基
で置換されていない部分は通常水酸基として存在してい
るものである。これらは公知の方法で合成することがで
きる。
【0036】セルロースエステルは綿花リンター、木材
パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエ
ステルを単独あるいは混合して用いることができる。特
に綿花リンター(以下、単にリンターとすることがあ
る)から合成されたセルロースエステルを単独あるいは
混合して用いることが好ましい。
【0037】本発明に用いることのできる可塑剤として
は、例えば多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレ
ート系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エス
テル系可塑剤等を用いることができが、特に好ましくは
多価アルコール系可塑剤、グリコレート系可塑剤であ
る。また、リン酸エステル系可塑剤の添加量はフィルム
に対して6質量%以下とすることが好ましい。
【0038】多価アルコールエステルは2価以上の脂肪
族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりな
り、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有するこ
とが好ましい。
【0039】本発明に用いられる多価アルコールは次の
一般式(1)で表される。 一般式(1) R1−(OH)n (ただし、R1はn価の有機基、nは2以上の正の整
数、OH基はアルコール性、及び/またはフェノール性
水酸基を表す) 好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のよ
うなものをあげることができるが、本発明はこれらに限
定されるものではない。アドニトール、アラビトール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−
ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチト
ール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5
−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等
を挙げることができる。特に、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメ
チロールプロパン、キシリトールが好ましい。
【0040】本発明の多価アルコールエステルに用いら
れるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の
脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族
モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカ
ルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保
留性を向上させる点で好ましい。
【0041】好ましいモノカルボン酸の例としては以下
のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0042】脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1
〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用い
ることができる。炭素数は1〜20であることが更に好
ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含
有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好
ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いるこ
とも好ましい。
【0043】好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナ
ント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−
エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン
酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パ
ルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカ
ン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチ
ン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラク
セル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、
ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等
の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
【0044】好ましい脂環族モノカルボン酸の例として
は、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導
体を挙げることができる。
【0045】好ましい芳香族モノカルボン酸の例として
は、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環に
アルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナ
フタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼ
ン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそ
れらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好
ましい。
【0046】多価アルコールエステルの分子量は特に制
限はないが、300〜1500であることが好ましく、
350〜750であることが更に好ましい。分子量が大
きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロ
ースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
【0047】多価アルコールエステルに用いられるカル
ボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であっても
よい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステ
ル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよ
い。
【0048】以下に、多価アルコールエステルの具体的
化合物を示す。
【0049】
【化1】
【0050】
【化2】
【0051】
【化3】
【0052】
【化4】
【0053】グリコレート系可塑剤は特に限定されない
が、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有するグ
リコレート系可塑剤を好ましく用いることができる。好
ましいグリコレート系可塑剤としては、例えばブチルフ
タリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリ
コレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を用い
ることができる。
【0054】リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジル
ジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェ
ート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸
エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキ
シエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等を用い
ることができる。
【0055】これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混
合して用いることができる。可塑剤の使用量は、セルロ
ースエステルに対して4〜20質量%が好ましく、6〜
16質量%が更に好ましく、特に好ましくは8〜13質
量%である。可塑剤の添加量が多すぎるとフィルムが柔
らかくなりすぎるため吸水弾性率が低下し、添加量が少
なすぎるとフィルムの透湿性が低下する。
【0056】本発明に用いられるセルロースエステルフ
ィルムの透湿度は、40℃、90%RHで850g/m
2・24h以下であり、好ましくは20〜800g/m2
・24hであり、20〜750g/m2・24hである
ことが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に
記載の方法に従い測定することができる。
【0057】本発明のセルロースエステルフィルムに
は、必要に応じて紫外線吸収剤、染料、マット剤等の添
加剤を添加してもよい。
【0058】紫外線吸収剤は液晶の劣化防止の観点か
ら、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ
良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可
視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明
においては、特に波長370nmでの透過率が10%以
下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更
に好ましくは2%以下である。
【0059】本発明においては、分子内に芳香族環を2
つ以上有する紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0060】本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限
定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化
合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系
化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、
無機粉体等が挙げられる。好ましく用いられる紫外線吸
収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ
効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がよ
り少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ま
しい。本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例とし
て、例えばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
のTINUVIN109、TINUVIN171、TI
NUVIN326、TINUVIN327、TINUV
IN328等を好ましく用いることができるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0061】紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、2
種以上の混合物であってもよい。また、紫外線吸収剤と
しては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることがで
き、特に特開平6−148430号記載のポリマータイ
プの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
【0062】紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールや
メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒に紫外
線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直
接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有
機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエス
テル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してか
らドープに添加する。
【0063】紫外線吸収剤の使用量は、化合物の種類、
使用条件等により一様ではないが、セルロースエステル
フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、セル
ロースエステルフィルムに対して0.5〜4.0質量%
が好ましく、0.6g〜2.0質量%がさらに好まし
い。
【0064】本発明で用いられるセルロースエステルフ
ィルムには、色味調整のため染料を添加することもでき
る。例えば、フィルムの黄色味を抑えるために青色染料
を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノ
ン系染料が挙げられる。
【0065】アンスラキノン系染料は、アンスラキノン
の1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することが
できる。好ましい置換基としてはアニリノ基、ヒドロキ
シル基、アミノ基、ニトロ基、または水素原子が挙げら
れる。
【0066】本発明には必要に応じてマット剤として酸
化けい素等の微粒子を加えてもよい。マット剤微粒子は
有機物によって表面処理されていることが、フィルムの
ヘイズを低下できるため好ましい。
【0067】表面処理で好ましい有機物としては、ハロ
シラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン
等が挙げられる。微粒子の平均径が大きい方がマット効
果は大きく、平均径の小さい方は透明性に優れるため、
微粒子の一次粒子の平均径は5〜50nmが好ましく、
更に好ましくは7〜20nmである。
【0068】酸化けい素の微粒子としては特に限定され
ないが、例えば日本アエロジル(株)製のAEROSI
L200、200V、300、R972、R972V、
R972CF、R974、R202、R805、R81
2、OX50、TT600等が挙げられ、好ましくはA
EROSIL 200、200V、R972、R972
V、R974、R202、R805、R812等が挙げ
られる。
【0069】各種添加剤はドープ液にバッチ添加しても
よいし、添加剤溶解液を別途用意してインライン添加し
てもよい。特にマット剤は濾過材への負荷を減らすため
に、一部または全量をインライン添加することが好まし
い。
【0070】添加剤溶解液をインライン添加する場合
は、ドープとの混合性をよくするため、少量のセルロー
スエステルを溶解するのが好ましい。好ましいセルロー
スエステルの量は、溶剤100質量部に対して1〜10
質量部で、より好ましくは、3〜5質量部である。
【0071】本発明においてインライン添加、混合を行
うためには、例えば、スタチックミキサー(東レエンジ
ニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi
−Mixer)等のインラインミキサー等が好ましく用
いられる。
【0072】次に、本発明のセルロースエステルフィル
ムの製造方法について説明する。本発明のセルロースエ
ステルフィルムの製造は、セルロースエステル及び添加
剤を溶剤に溶解させてドープ液を形成する工程、ドープ
液を支持体上に流延する工程、流延したドープ液を乾燥
する工程により行われる。
【0073】ドープ液中のセルロースエステルの濃度
は、濃い方が支持体に流延した後の乾燥負荷が低減でき
て好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃すぎると
濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを
両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、
更に好ましくは、15〜25質量%である。
【0074】本発明のドープ液で用いられる溶剤は、単
独でも併用でもよいが、セルロースエステルの良溶剤と
貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好まし
く、良溶剤が多い方がセルロースエステルの溶解性の点
で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲
は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が30〜
2質量%である。良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロ
ースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨
潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義してい
る。そのため、セルロースエステルの平均酢化度によっ
ては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤
として用いるときには、セルロースエステルの酢酸エス
テル(結合酢酸量55%)、セルロースアセテートプロ
ピオネートでは良溶剤になり、セルロースの酢酸エステ
ル(結合酢酸量60%)では貧溶剤となる。
【0075】本発明に用いられる良溶剤は特に限定され
ないが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物や
ジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル等が挙げられ
る。
【0076】また、本発明に用いられる貧溶剤は特に限
定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−
ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好
ましく用いられる。n−ブタノール、シクロヘキサノン
等沸点が80℃以上の溶剤を用いると乾燥工程での搬送
によって吸水弾性率を上げやすくなるため好ましい。
【0077】上記記載のドープ液を調製する時の、セル
ロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用
いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧に
おける沸点以上に加熱できる。溶剤の常圧での沸点以上
でかつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しな
がら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶
解物の発生を防止するため好ましい。また、セルロース
エステルを貧溶剤と混合して湿潤あるいは膨潤させた
後、さらに良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用
いられる。
【0078】加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する
方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法に
よって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好まし
く、例えばジャケットタイプのものは温度コントロール
が容易で好ましい。
【0079】溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセ
ルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱
温度が高すぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性
が悪くなる。好ましい加熱温度は45〜120℃であ
り、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃
が更に好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰し
ないように調整される。
【0080】次に、このセルロースエステル溶液を濾紙
等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、
不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好
ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると濾過材の目詰ま
りが発生しやすいという問題がある。このため絶対濾過
精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001
〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜
0.006mmの濾材がさらに好ましい。
【0081】濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材
を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン
(R)等のプラスチック製の濾材や、ステンレス等の金
属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
【0082】ドープ液の濾過は通常の方法で行うことが
できるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶
剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法
が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)
の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度は45〜12
0℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55
℃であることが更に好ましい。
【0083】濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6
MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下で
あることがより好ましく、1.0MPa以下であること
が更に好ましい。
【0084】流延(キャスト)工程における支持体は表
面を鏡面仕挙げしたステンレスの無端ベルトもしくはド
ラムが好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の表
面温度は0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方
が乾燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎ
ると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。好まし
い支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃がさらに
好ましい。支持体の温度を制御する方法は特に制限され
ないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水バッ
トを支持体に接触させる方法がある。温水バットを用い
る方が熱の伝達が効率的に行われるため、支持体の温度
が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる
場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う必要がある
場合がある。
【0085】セルロースエステルフィルムが良好な平面
性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量
は10〜120%が好ましく、更に好ましくは20〜4
0%または60〜120%であり、特に好ましくは、2
0〜30%または70〜115%である。
【0086】本発明においては、残留溶媒量は下記式で
定義される。 残留溶媒量=((加熱処理前質量−加熱処理後の質量)
/加熱処理後質量)×100(%) 尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、フィルム
を115℃で1時間の加熱処理を行うことをいう。
【0087】また、セルロースエステルフィルムの乾燥
工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾
燥し、残留溶媒量を1%以下にすることが好ましい、更
に好ましくは0.1%以下である。
【0088】フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方
式か、テンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する
方式が採られる。
【0089】支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多
いところで、テンター方式で幅保持または延伸を行うこ
とが、フィルムの平面性向上の点で好ましい。また、テ
ンターの延伸倍率を大きくすると幅方向の吸水弾性率が
大きくなる。好ましい延伸倍率は1.00〜1.15倍
であり、1.01〜1.12倍が更に好ましい。延伸倍
率1.00とは幅保持のことであり、残留溶剤量が多い
所では乾燥により収縮するため延伸と同様の効果を得る
ことができる。
【0090】フィルムを乾燥させる手段は特に制限な
く、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等
で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが
好ましい。
【0091】乾燥温度は40〜150℃で段階的に高く
していくことが好ましく、50〜140℃の範囲で行う
ことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。ま
た、フィルムの軟化点±20℃の範囲で10〜40分間
乾燥することが、吸水弾性率向上の点で好ましい。フィ
ルムの軟化点±20℃の乾燥中に搬送張力を制御するこ
とで、流延方向の吸水弾性率をコントロールすることが
できる。好ましい搬送張力の範囲は150〜350N/
mであり、200〜300N/mが更に好ましい。
【0092】セルロースエステルフィルムの膜厚は、特
に限定はされないが薄い方ができ上がった偏光板が薄く
なり、液晶ディスプレイの薄膜化が容易になるため好ま
しいが、薄すぎると透湿性や引き裂き強度等が劣化す
る。これらを両立するセルロースエステルフィルムの膜
厚は10〜65μmが好ましく、20〜60μmが更に
好ましく、35〜50μmが特に好ましい。
【0093】次に本発明に係る金属酸化物層について説
明する。本発明では、セルロースエステルフィルム上に
直接または紫外線硬化樹脂層等の他の層の上に金属酸化
物層を形成する。
【0094】これらの金属酸化物層は、低屈折率層、中
屈折率層、高屈折率層等の反射防止層として有用であ
り、あるいは導電性層や帯電防止層等として好ましく用
いられる。
【0095】金属酸化物層を形成する方法としては、塗
布により金属酸化物層を設けてもよいが、大気圧もしく
はその近傍の圧力下におけるプラズマCVDが好ましく
用いられる。
【0096】本発明に係る金属酸化物層の形成に用いら
れるプラズマCVD装置の一例を示すが、本発明はこれ
らに限定されない。
【0097】図1は、本発明に用いられるプラズマCV
D装置の一例を示す図である。回転電極110とそれに
対向して配置された複数の固定電極111を有し、図示
されていない元巻きロールまたは前工程からから搬送さ
れて来るフィルムFがガイドロール120、ニップロー
ル122を経て回転電極110に導かれ、フィルムFは
回転電極110に接した状態で回転電極110の回転と
同期しながら移送され、大気圧もしくはその近傍の圧力
下にある放電部150に反応ガス発生装置131で調製
された反応ガスGが給気管130から供給され、固定電
極111に対向しているフィルム面に薄膜が形成され
る。ここで、図1では省略されているが、前記給気菅1
30は前記固定電極111の各々の間に設けることが好
ましい。
【0098】回転電極110と固定電極には、プラズマ
放電を発生させるための電圧を印加できる電源180が
電力供給手段181、182を介して接続されている。
また、回転電極110、固定電極111、放電部150
はプラズマCVD容器190で覆われ、外界と遮断され
ている。処理された排ガスG′は処理室の下部にあるガ
ス排気口140から排出される。プラズマCVD処理さ
れたフィルムFはニップロール123及びガイドロール
121を経て次工程または図示してない巻き取りロール
へ搬送される。フィルムFがプラズマCVD容器の出入
り部分のニップロール122及び123のところに外界
との仕切板124及び125が設けられており、外界か
らニップロール122と共にフィルムFに同伴して来る
空気を遮断し、また出口においては、反応ガスGまたは
排ガスG′が外界に漏れないようになっている、なお、
図示してないが、必要に応じて、回転電極110及び固
定電極111は温度調節のための温度制御された媒体
(シリコンオイル等)を循環するようになっている。
【0099】このように、本発明においては、薄膜が形
成されるフィルムは回転電極上で移送しながらプラズマ
CVD処理されるのが好ましい。
【0100】回転電極がフィルムと接する表面は高い平
滑性が求められ、回転電極の表面の表面粗さがJIS
B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rma
x)が10μm以下であることが好ましく、より好まし
くは8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下で
ある。また、ほこり等の付着をできるだけ少なくするこ
とが好ましい。
【0101】本発明に用いられる電極の表面は固体誘電
体で被覆されていることが望ましく、特に金属等の導電
性母材に対し固体誘電体で被覆されていることが望まし
い。固体誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスティック、
ガラス、二酸化けい素、酸化アルミニウム(Al
23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン
(TiO2)等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複
酸化物等を挙げることができる。特に好ましくは、セラ
ミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラ
ミック被覆処理誘電体であることが望ましい。ここで、
金属等の導電性母材としては、銀、白金、ステンレス、
アルミニウム、鉄、チタン等の金属等を挙げることがで
きるが、特にステンレスまたはチタンが好ましい。ま
た、ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸
塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラ
ス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジ
ン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホ
ウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いら
れる。
【0102】本発明において、電極は、その裏面側(内
側)から、必要に応じて、加熱あるいは冷却することが
できるようになっている。電極がベルトの場合には、そ
の裏面より気体で冷却することもできるが、ロールを用
いた回転電極では内部に媒体を供給して電極表面の温度
及び基材フィルムの温度を制御することが好ましい。媒
体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用い
られる。フィルムの温度は処理条件によって異なるが、
室温〜200℃以下が好ましく、より好ましくは室温〜
120℃以下である。基材フィルムの温度ムラが生じな
いようにすることが必要である。
【0103】本発明において、電極間隙は、固体誘電体
の厚さ、印加電圧や周波数、プラズマを利用する目的等
を考慮して決定される。上記電極の一方に固体誘電体を
設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極
の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の
距離としては、いずれの場合も均一な放電プラズマを発
生させるという観点から0.5〜20mmが好ましく、
特に好ましくは1±0.5mmである。
【0104】本発明において、電極間隙の放電部には、
ガス発生装置で発生させた混合ガスを流量制御して、反
応ガス供給口よりプラズマ放電部に導入される。反応ガ
スの濃度や流量は適宜調整されるが、フィルムの搬送速
度に対して十分な速度で処理用ガスを電極間隙に供給す
ることが好ましい。放電部で供給した原料ガスのほとん
どが反応して薄膜形成に使われるように流量や放電条件
が設定するのが望ましい。
【0105】放電部に大気が混入したり、反応ガスが装
置外に漏れ出ることを防止するために、電極及び移送中
のフィルムは全体を囲んで外界から遮蔽することが好ま
しい。本発明において、放電部の気圧は大気圧もしくは
その近傍の圧力に維持される。ここで、大気圧近傍と
は、20〜200kPaの圧力を表すが、本発明に記載
の効果を好ましく得るためには、93〜110kPaの
圧力が好ましい。
【0106】本発明に有用なプラズマCVD装置では、
一方の電極は電源に接続して電圧を印加し、もう一方の
電極はアースに接地し放電プラズマを発生させることが
安定したプラズマを発生させるために好ましい。
【0107】本発明で用いる高周波電源より電極に印加
する電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.
5〜10kV程度で、印加する周波数は1kHz〜15
0MHzに調整し、波形はパルス波であってもサイン波
としてもよい。特に周波数を100kHzを超えて50
MHz以下とすることが好ましい放電部(放電空間)が
得られるため好ましい。
【0108】放電部における放電密度は1W/cm2
上であることが好ましく、特に1.2〜100W/cm
2であることが望ましい。
【0109】プラズマCVD部はパイレックス(R)ガ
ラス製の処理容器等で適宜囲まれていることが望まし
く、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能
である。例えば、アルミまたは、ステンレスのフレーム
の内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属
フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよ
い。また、放電部や回転電極の側面部、フィルム搬送部
等の側面を囲むことによって、反応ガスや排ガスを適切
に放電部に供給したり排気することもできる。
【0110】本発明に係る薄膜の形成方法に用いられる
反応ガスについて説明する。本発明の光学フィルムの製
造方法において、金属酸化物層等の薄膜を形成するため
の反応ガスは、特に希ガスを含むことが好ましい。つま
り、反応ガスは希ガスと後述の反応性ガスの混合ガスで
あることが好ましい。ここで、希ガスとは、周期表の第
18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることがで
きるが、本発明においては、中でもヘリウム、アルゴン
を好ましく用いることができ、特にアルゴンが好まし
い。反応ガス中の希ガスの濃度は90%以上であること
が安定したプラズマ放電を発生させるために好ましく、
90〜99.99体積%であることが望ましい。
【0111】希ガスは安定したプラズマ放電を発生させ
るために用いられ、プラズマ中で反応性ガスはイオン化
あるいはラジカル化され、フィルム表面に堆積あるいは
付着する等して薄膜が形成される。
【0112】本発明に有用な反応ガスは、様々な物質の
反応性ガスを添加したものを用いることによって、様々
な機能を持った金属酸化物層をフィルム上に形成するこ
とができる。
【0113】本発明に有用な反応性ガスとしての有機金
属化合物としては、特に限定されないが、Al、Ag、
As、Au、B、Bi、Sb、Ca、Cd、Cr、C
o、Cu、Fe、Ga、Ge、Hg、In、Li、M
g、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Pt、Rh、S
e、Si、Sn、Ti、Zr、Y、V、W、Zn等の金
属化合物を挙げることができる。
【0114】反射防止層の高屈折率層を形成するには、
チタン化合物が好ましく、テトラジメチルアミノチタン
等の有機アミノ金属化合物、モノチタン、ジチタン等の
金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化
チタン等の金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタ
ン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン等の金属アルコキシド等を用いることが好ましいが、
これらに限定されない。本発明において上記のけい素化
合物や有機金属化合物は、取り扱い上の観点から金属水
素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害
ガスの発生がなく、工程上の汚れ等も少ないことから、
金属アルコキシドが好ましく用いられる。本発明におい
て、反応性ガスとして有機金属化合物を用いる場合、プ
ラズマCVD処理によりフィルム上に均一な薄膜を形成
する観点から、反応ガス中の反応性ガスとしての有機金
属化合物の含有率は、0.01〜10体積%であること
が好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%であ
る。また、けい素化合物やチタン化合物を放電部へ導入
するには、両者は常温常圧で気体、液体または固体いず
れの状態であっても使用し得る。気体の場合は、そのま
ま放電部に導入できるが、液体や固体の場合は、加熱、
減圧、超音波照射等の気化手段により気化させて使用す
ることができる。けい素化合物やチタン化合物を加熱に
より気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシチタン等のように常温で液体で、且つ
沸点が200℃以下である金属アルコキシドが本発明の
金属酸化物層の形成に好適である。上記金属アルコキシ
ドは、有機溶媒によって希釈して使用しても良く、有機
溶媒としては、メタノール、エタノール、n−ヘキサン
等の有機溶媒またはこれらの混合有機溶媒を使用するこ
とができる。更に、反応ガス中に水素または酸素を0.
1〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を著し
く向上させることができる。
【0115】反応性ガスとして、フッ素含有有機化合
物、けい素化合物を用いて反射防止層の低屈折率層或い
は、防汚層を形成することもできる。またはTi、Z
r、In、Sn、Zn、Ge、Siあるいはその他の金
属を含有する有機金属化合物等を用いて、金属酸化物層
または金属窒化物層等を形成することができ、これらは
反射防止層の中屈折率層や高屈折率層としたり、あるい
は導電層や帯電防止層とすることもできる。さらに、フ
ッ素含有有機化合物で防汚層や低屈折率層を形成するこ
ともでき、けい素化合物でガスバリア層や低屈折率層を
形成することもできる。本発明は、高屈折率層あるいは
中屈折率層と低屈折率層を交互に多層を積層して形成さ
れる反射防止層の形成に特に好ましく用いられる。
【0116】本発明で形成される薄膜の膜厚としては、
1〜1000nmの範囲のものが好ましく得られる。
【0117】本発明においては、上記記載のようなフィ
ルム面に対して本発明に係わる金属酸化物層を設ける場
合、平均膜厚に対する膜厚偏差を±8%になるように設
けることができ、より好ましくは±5%以内とすること
ができ、特に±1%以内の均一な薄膜とすることができ
る。また、中心線平均粗さRaが0.1〜10nm程度
の均一な薄膜を得ることができる。
【0118】本発明に有用な反応性ガスに用いるフッ素
含有有機化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化
水素ガス等が好ましい。フッ素含有有機化合物として
は、四フッ化炭素、六フッ化炭素、四フッ化エチレン、
六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等のフッ化
炭素化合物;二フッ化メタン、四フッ化エタン、四フッ
化プロピレン、三フッ化プロピレン、八フッ化シクロブ
タン等のフッ化炭化水素化合物;更に、一塩化三フッ化
メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シクロ
ブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアル
コール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を挙
げることができる。これらは単独でも混合して用いても
よい。上記のフッ化炭化水素ガスとしては、二フッ化メ
タン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フッ化
プロピレン等を挙げることができる。更に、一塩化三フ
ッ化メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シ
クロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物や
アルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体
を用いることができるがこれらに限定されない。また、
これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有して
いてもよい。また、上記の化合物は混合して用いてもよ
い。本発明に有用な反応性ガスにフッ素含有有機化合物
を用いる場合、プラズマCVDによりフィルム上に均一
な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の反応性ガスと
してのフッ素含有有機化合物の含有率は、0.01〜1
0体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、
0.1〜5体積%である。
【0119】また、本発明に係わるフッ素含有有機化合
物が常温常圧で気体である場合は、反応性ガスの成分と
してそのまま使用できるので最も容易に本発明の方法を
遂行することができる。しかし、フッ素含有有機化合物
が常温常圧で液体または固体である場合には、気化手段
により、例えば加熱、減圧等により気化して使用すれば
よく、適切な有機溶媒に溶解して用いてもよい。また、
噴霧等により気化させてもよい。このようにして作製さ
れたフッ素を含む膜は、低屈折率層あるいは防眩層とし
て好ましく用いられる。
【0120】本発明に有用な反応性ガスとしてのけい素
化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチ
ルシラン等の有機金属化合物、モノシラン、ジシラン等
の金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シラン、四フ
ッ化けい素等の金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン等のアルコキシシラン、オルガノシラン等を用い
ることが好ましいがこれらに限定されない。また、これ
らは適宜組み合わせて用いることができる。あるいは別
の有機化合物を添加して膜の物性を変化あるいは制御す
ることもできる。本発明において、反応性ガスとしてけ
い素化合物を用いる場合、放電プラズマCVD処理によ
りフィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガ
ス中の反応性ガスとしてのけい素化合物の含有率は、
0.01〜10体積%であることが好ましいが、更に好
ましくは、0.1〜5体積%である。
【0121】電極に印加される電圧の値は適宜決定され
るが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、電源周
波数は1kHz〜150MHzに調整される。ここで電
圧の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイ
ン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON
/OFFを断続的に行う断続サイン波状のパルス発振モ
ードのどちらを採用してもよいが連続モードの方がより
緻密で良質な膜が得られる。また、特に電源周波数は1
00kHzを超えて150MHz以下とすることが緻密
な金属酸化物層を形成することができるため特に好まし
い。
【0122】本発明において、プラズマCVD装置を複
数設けることによってことによって、多層の薄膜を連続
的に設けることができ、金属酸化物層のピンホールの発
生も著しく低減され、均一な多層の積層体を形成するこ
とができる。
【0123】フィルム上に反射防止層を有する光学フィ
ルムを作製する場合、屈折率1.8〜2.4の高屈折率
層及び屈折率1.3〜1.5の低屈折率層をフィルム表
面に積層し、効率的に形成することができる。あるいは
屈折率1.6〜1.8程度の中屈折率層を有していても
よい。低屈折率層としては、含フッ素有機化合物を含む
ガスを用いたプラズマCVDにより形成された含フッ素
化合物層、あるいはアルコキシシラン等の有機けい素化
合物を用いたプラズマCVDにより形成された主に酸化
ケイ素を有する層が好ましく、高屈折率層としては、有
機金属化合物を含むガスを用いたプラズマCVDにより
形成された金属酸化物層、例えば酸化チタン、酸化ジル
コニウムのような層が好ましい。それぞれの薄膜につい
ては、これらに限定されるものではなく、層構成もこれ
らに限定されるものではない。例えば、最表面にフッ素
含有有機化合物ガス存在下で大気圧もしくはその近傍の
圧力下においてプラズマCVDを用いることにより防汚
層または低屈折率層を設けてもよい。
【0124】本発明の方法により多層の薄膜を積層する
ことにより各層のムラもなく、均一な光学フィルムを得
ることができる。
【0125】このように、本発明においては様々な機能
を有する薄膜を形成した光学フィルムを提供することが
できる。
【0126】帯電防止層または導電性層として、別途金
属酸化物微粒子や架橋カチオンポリマーのような導電性
樹脂微粒子を塗設した膜厚0.1〜2μm程度の層を設
けてもよく、あるいは大気圧もしくはその近傍の圧力下
でのプラズマCVDにより、主に酸化錫あるいは酸化亜
鉛等の金属酸化物を有する導電性物質の層を形成しても
よい。
【0127】本発明の光学フィルムは特に偏光板保護フ
ィルムとして有用であり、これを用いて公知の方法で偏
光板を作製することができる。これらの光学フィルムは
薄膜の均一性が高いため、各種表示装置に好ましく用い
ることができ、優れた表示性能を得ることができる。
【0128】本発明の光学フィルムは、エチレン性不飽
和二重結合を有するモノマーを1種以上含む成分を重合
させて形成した層を有していることが好ましい。
【0129】エチレン性不飽和二重結合を有するモノマ
ーを含む成分を重合させて形成した樹脂層としては、活
性線硬化樹脂または熱硬化樹脂を硬化させて形成された
層が用いられるが、好ましく用いられるのは活性線硬化
樹脂層である。
【0130】ここで、活性線硬化樹脂層とは紫外線や電
子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化す
る樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化樹脂と
しては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的
なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化す
る樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、例え
ば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線
硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型
エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオール
アクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂
等を挙げることができる。これらの内、紫外線硬化型ウ
レタンアクリレート系樹脂が好ましく用いられる。
【0131】紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂
としては、一般にポリエステルポリオールにイソシアネ
ートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得ら
れた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレー
トにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレー
トのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反
応させる容易に形成されるものを挙げることができ、特
開昭59−151110号に記載のものを用いることが
できる。
【0132】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレ
ート系のモノマーを反応させる容易に形成されるものを
挙げることができ、特開昭59−151112号に記載
のものを用いることができる。
【0133】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂
の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマー
とし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反
応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−
105738号に記載のものを用いることができる。
【0134】これらの光反応開始剤としては、具体的に
は、ベンゾイン及び誘導体、アセトフェノン、ベンゾフ
ェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケト
ン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及び
これらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に
使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤としても
使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応剤
の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることがで
きる。
【0135】樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二
重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニ
ル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができ
る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとし
て、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−
シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシ
ルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリルエステル等を挙げることができる。
【0136】本発明において使用し得る市販品として、
紫外線硬化樹脂としては、アデカオプトマーKR・BY
シリーズ:KR−400、KR−410、KR−55
0、KR−566、KR−567、BY−320B(旭
電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A
−101−WS、C−302、C−401−N、C−5
01、M−101、M−102、T−102、D−10
2、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P
20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)
製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X
−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−
20、DP−30、P1000、P1100、P120
0、P1300、P1400、P1500、P160
0、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7
033、KRM7039、KRM7130、KRM71
31、UVECRYL29201、UVECRYL29
202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5
015、RC−5016、RC−5020、RC−50
31、RC−5100、RC−5102、RC−512
0、RC−5122、RC−5152、RC−517
1、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化
学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ
(中国塗料(株)製);サンラッドH−601(三洋化
成工業(株)製);SP−1509、SP−1507
(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・
ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−
8030、M−8060(東亞合成(株)製)等を適宜
選択して利用できる。
【0137】また、具体例としては、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げる
ことができる。
【0138】これらの活性線硬化樹脂層は公知の方法で
塗設することができる。紫外線硬化性樹脂を光硬化反応
により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外
線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例え
ば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノ
ンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれ
のランプによって異なるが、照射光量は20〜1000
0mJ/cm2程度あればよく、好ましくは、50〜2
000mJ/cm2である。近紫外線領域〜可視光線領
域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いる
ことによって効率よく形成することができる。
【0139】紫外線硬化樹脂層組成物塗布液の有機溶媒
としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン
類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の有機
溶媒の中から適宜選択し、あるいはこれらを混合し利用
できる。プロピレングリコールモノアルキルエーテル
(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピ
レングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(ア
ルキル基の炭素原子数として1〜4)等を5質量%以
上、より好ましくは5〜80質量%以上含有する上記有
機溶媒を用いるのが好ましい。
【0140】紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法
としては、前述のものを用いることができる。塗布量は
ウェット膜厚として0.1〜30μmが適当で、好まし
くは、0.5〜15μmである。
【0141】紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥中また
は後に、紫外線を照射するのがよく、照射時間としては
0.5秒〜5分程度がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効
率または作業効率の観点から3秒〜2分がより好まし
い。
【0142】こうして得た硬化樹脂層に、ブロッキング
を防止するために、また対擦り傷性等を高めるために、
あるいは防眩性を持たせるため無機化合物あるいは有機
化合物の微粒子を加えることもでき、それらの種類とし
ては、前述のマット剤の微粒子とほぼ同様である。これ
らの微粒子粉末の平均粒径としては、0.005μm〜
5μmが好ましく0.01〜1μmであることが特に好
ましい。紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割合
は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質
量部となるように配合することが望ましい。
【0143】紫外線硬化樹脂層は、JIS B 060
1で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)が1nm〜
50nmのクリアハードコート層であっても、Raが
0.1μm〜1μm程度の防眩層であってもよい。
【0144】本発明の光学フィルムは偏光板保護フィル
ムとして好ましく用いられる。また、本発明の偏光板
は、一般的な方法で作製することができる。例えば、ポ
リビニルアルコールフィルムを圧延配向し、ヨウ素また
は二色性染料を吸着させて偏光膜を作製し、偏光膜の両
面にアルカリ鹸化処理したセルロースエステルフィルム
を、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて
貼り合わせる方法がある。通常、偏光膜の延伸方向と偏
光板保護フィルムの流延方向(MD方向)が一致するよ
うに貼り合わせる。アルカリ鹸化処理とは、水系接着剤
の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロー
スエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処
理のことをいう。
【0145】偏光膜は一軸方向(通常は長手方向)に延
伸されているため、偏光板を高温高湿の環境下に置くと
延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向
(通常は幅方向)には伸びる。偏光板保護フィルムの膜
厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は大きくなり、特に偏
光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸
方向は偏光板保護フィルムの流延方向(MD方向)と貼
り合わせるため、偏光板保護フィルムを薄膜化する場合
は、特に流延方向の伸縮率を抑えることが重要である。
【0146】本発明の光学フィルムは、高い透湿性、寸
法安定性等から偏光板用保護フィルム以外にも、位相差
板、反射板、視野角拡大フィルム、防眩フィルム、反射
防止フィルム、帯電防止フィルム等の液晶表示用部材に
使用することができる。
【0147】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0148】 実施例1 《セルロースエステルフィルムの作製》 (酸化けい素分散液の調製) アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均粒径16n m) 1kg エタノール 9kg 以上をディゾルバで40分間撹拌混合した後、マントン
ゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化けい
素分散液を調製した。
【0149】 (添加液Aの調製) メチレンクロライド 100kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.90、Mw/Mn=2.3) 5kg 2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン 5kg 2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン 5kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液を撹拌しながら加えて、さらに50分間撹拌した後、
濾過し、添加液Aを調製した。
【0150】 (セルロースエステル溶液Aの調製) メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.90、Mw/Mn=2.3) 100kg 化合物21 6kg エチルフタリルエチルグリコレート 6kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を順に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混
合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱
泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過し、セルロースエステル溶
液Aを得た。
【0151】(ドープAの調製)セルロースエステル溶
液Aに添加液Aを各々別の配管で送液し、100kgの
セルロースエステル溶液Aに添加液Aを2.5kgの割
合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混
合機Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、濾過
し、ドープAを調製した。
【0152】(セルロースエステルフィルム1の作製)
33℃に温度調整したドープAをダイスに送液して、ダ
イスリットからエンドレスステンレスベルト上に均一に
流延した。エンドレスステンレスベルトの流延部は裏面
から35℃の温水で加熱した。流延後、支持体上のドー
プ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブということ
にする)に44℃の温風をあてて乾燥させ、流延から9
0秒後に剥離残留溶媒量を80質量%として剥離し、多
数のロールで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエン
ドレスステンレスベルトの温度は10℃とした。剥離さ
れたウェブは、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1
分間搬送させた後、第2乾燥ゾーン入り口にて80℃と
してテンターでウェブ端部を把持し、90℃で幅手方向
に1.1倍に延伸した。延伸後、その幅を維持したまま
数秒間保持した後、幅保持を解放し、更に125℃に設
定された第3乾燥ゾーンで20分間搬送させて、乾燥を
行い、膜厚50μmのセルロースエステルフィルム1を
得た。
【0153】(セルロースエステルフィルム2〜15の
作製)セルロースエステルフィルム1の作製において、
流延剥離時間(sec)、剥離残留溶媒量(質量%)、
テンターで延伸する際の温度(℃)、テンターで延伸す
る際の残留溶媒量(質量%)、TD(幅手)方向延伸倍
率、MD(長手)方向延伸倍率を表1に示すように換え
て、セルロースエステルフィルム2、3を作製した。同
様にして以下のようにドープB〜Eを調製し、これらを
用いてセルロースエステルフィルム4〜15を作製し
た。
【0154】 (添加液Bの調製) メチレンクロライド 100kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.90、Mw/Mn=2.3) 5kg 5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル )−2H−ベンゾトリアゾール 7kg (2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル )−4−メチルフェノール 7kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液を撹拌しながら加えて、さらに50分間撹拌した後、
濾過し、添加液Bを調製した。
【0155】 (セルロースエステル溶液Bの調製) メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.90、Mw/Mn=2.3) 100kg 化合物16 6kg エチルフタリルエチルグリコレート 6kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を順に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混
合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱
泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過し、セルロースエステル溶
液Bを得た。
【0156】(ドープBの調製)セルロースエステル溶
液Bに添加液Bを各々別の配管で送液し、100kgの
セルロースエステル溶液Bに添加液Bを2.5kgの割
合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混
合機Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、濾過
し、ドープBを調製した。
【0157】 (添加液Cの調製) メチレンクロライド 100kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.88、Mw/Mn=1.8) 5kg 2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン 7kg 2,4−ジベンジルオキシベンゾフェノン 7kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液を撹拌しながら加えて、さらに50分間撹拌した後、
濾過し、添加液Cを調製した。
【0158】 (セルロースエステル溶液Cの調製) メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.88、Mw/Mn=1.8) 100kg 化合物16 5kg ジシクロヘキシルフタレート 5kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を順に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混
合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱
泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過し、セルロースエステル溶
液Cを得た。
【0159】(ドープCの調製)セルロースエステル溶
液Cに添加液Cを各々別の配管で送液し、100kgの
セルロースエステル溶液Cに添加液Cを2.5kgの割
合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混
合機Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、濾過
し、ドープCを調製した。
【0160】 (添加液Dの調製) メチレンクロライド 100kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.88、Mw/Mn=1.8) 5kg 5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル )−2H−ベンゾトリアゾール 7kg (2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル )−4−メチルフェノール 7kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液を撹拌しながら加えて、さらに50分間撹拌した後、
濾過し、添加液Dを調製した。
【0161】 (セルロースエステル溶液Dの調製) メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.88、Mw/Mn=1.8) 100kg 化合物21 12kg ジシクロヘキシルフタレート 5kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を順に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混
合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱
泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過し、セルロースエステル溶
液Dを得た。
【0162】(ドープDの調製)セルロースエステル溶
液Dに添加液Dを各々別の配管で送液し、100kgの
セルロースエステル溶液Dに添加液Dを2.5kgの割
合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混
合機Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、濾過
し、ドープDを調製した。
【0163】 (添加液Eの調製) メチレンクロライド 100kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.88、Mw/Mn=1.8) 5kg 2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン 5kg 2,4−ジベンジルオキシベンゾフェノン 5kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液を撹拌しながら加えて、さらに50分間撹拌した後、
濾過し、添加液Eを調製した。
【0164】 (セルロースエステル溶液Eの調製) メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルロースアセテート(アセチル置換度2.88、Mw/Mn=1.8) 100kg トリフェニルホスフェート 12kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を順に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混
合した。溶液を流延する温度まで下げて一晩静置し、脱
泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過し、セルロースエステル溶
液Eを得た。
【0165】(ドープEの調製)セルロースエステル溶
液Eに添加液Eを各々別の配管で送液し、100kgの
セルロースエステル溶液Eに添加液Eを2.5kgの割
合で、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混
合機Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、濾過
し、ドープEを調製した。
【0166】(セルロースエステルフィルムの測定)得
られたセルロースエステルフィルム1〜15について下
記の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0167】(剥離残留溶媒量) 剥離残留溶媒量(%)=(M1−N1)/N1×100 ここで、M1はウェブの剥離時点での質量、N1はM1
を115℃で1時間乾燥させた後の質量である。
【0168】(残留溶媒量) 残留溶媒量(%)=(M2−N2)/N2×100 ここで、M2はウェブの任意の時点での質量、N2はM
2を115℃で1時間乾燥させた後の質量である。M2
がテンターで延伸される際のウエブであれば、テンター
延伸の際の残留溶媒量(%)が求められる。
【0169】(吸水弾性率)フィルムを60℃の温水に
30分間浸漬して十分に吸水させ、温水から取り出した
後、乾燥させないようにしながら1分以内にJIS K
7127に記載の方法に準じて吸水時の弾性率(吸水
弾性率)を測定した。
【0170】引っ張り試験器はオリエンテック(株)社
製テンシロンRTA−100を使用し、試験片の形状は
1号形試験片で、試験速度は100mm/分で行った。
また、弾性率解析開始点は2MPa、弾性率解析終了点
は60MPaで弾性率を計算した。
【0171】(透湿度)40℃、90%RHでJIS
Z 0208に記載の方法により測定し、面積1m2
たり24時間で蒸発する水分量(g)を求めた。
【0172】
【表1】
【0173】《光学フィルムの作製》得られたセルロー
スエステルフィルム1〜15に下記プラズマCVD処理
して酸化錫層を形成し、それぞれ光学フィルム1〜15
を作製した。
【0174】(プラズマCVD処理)プラズマCVD装
置のロール電極には、冷却水による冷却機能を有するス
テンレス製ジャケットロール母材を用いた。これにセラ
ミック溶射によりアルミナを1mm被覆し、その上にテ
トラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布
乾燥後、紫外線照射により硬化させて封孔処理を行い、
Rmaxが1μmの誘電体を有するロール電極を製作し
アース(接地)した。一方、対向電極としては、中空の
ステンレスパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件に
て被覆し、相対する電極群とし、必要な膜厚が各々得ら
れるように調整した。また、プラズマCVD装置の電源
は、日本電子製高周波電源を使用し、連続周波数を1
3.56MHzとし、3W/cm2の電力を供給した。
但し、ロール電極は、ドライブを用いてフィルムの搬送
に同期して回転させた。なお、電極間隙は1.0mm、
反応ガスの圧力を102kPaとして行った。
【0175】プラズマCVDに用いた反応ガスの組成を
以下に記す。 (酸化錫層形成用反応ガス) 不活性ガス(ヘリウム) 99.4体積% 反応ガス(酸素ガス) 0.3体積% 反応ガス(テトラブチル錫蒸気) 0.3体積% 酸化錫層は膜厚50nmであった。
【0176】《評価》得られた光学フィルムについて下
記の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0177】(白濁)光学フィルム試料を80℃、90
%RHの高温高湿雰囲気下で6時間処理した後、23
℃、55%RH雰囲気に18時間放置した。これを合計
30回繰り返して処理した後、金属酸化物層側を目視に
よって白濁の状態を観察した。評価は、白濁が全く認め
られないものを1とし、著しい白濁を起こしているもの
を5とし、その間のランクの状態を2〜4とした5段階
評価を行った。
【0178】(巻き形状)光学フィルム試料を埃付着防
止のためポリエチレンシートで包んだ後、35℃、80
%RHの倉庫で1ヶ月間保管し、1ヶ月経過後の巻きの
状態を目視で観察し、下記のようにランク評価した。
【0179】 ◎:ロールの表面に皺、変形等の変化は認められない ○:ロールの表面に僅かに皺が認められるが、変形は認
められない △:ロールの表面に弱い皺が認められ、一部に変形も認
められる ×:ロールの表面〜内部に強い皺、表面に強い変形が有
り、内部まで変形有り上記のランクについての実用性判
断は下記の通りである。
【0180】 ◎:切除することなく使用できる ○:数m切除して使用できる △:表面から数巻き分(数m〜数10m程度)を切除す
ることによって使用できる ×:は巻きの変形が認められなくなるまで、内部(10
0m以上)まで切除しなければ使用できない。
【0181】(密着性)上記クラック評価と同じ高温高
湿処理後の光学フィルム試料について、JISK 54
00に準拠した碁盤目試験を行った。具体的には塗布面
上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1m
m角の碁盤目を100個作った。この上にセロテープ
(R)を貼り付け、90度で素早く剥がし、剥がれずに
残った碁盤目の数をmとし、m/100として表した。
【0182】(カール)光学フィルム試料を巾手方向3
5mm、長手方向1mmに裁断し、25℃、55%RH
雰囲気下で3日間放置し、JIS−K7619−198
8のA法に準じてカール度の測定を行った。数値は曲率
半径(1/m)で示し、金属酸化物層形成面が内側とな
るようにカールしたものを+カールとして+を付けて表
示した。
【0183】(クラック)光学フィルム試料を23±2
℃、55±5%RHの環境下で12時間放置した後、8
0±3℃、90±2%RHの条件に12時間放置し、再
び23±2℃、55±5%RHで12時間放置、80±
3℃、90±2%RHで12時間放置と交互に繰り返し
10回行い、最後に23±2℃、55±5%RHの環境
下で12時間放置した後、試料を光学顕微鏡でクラック
の状態を観察し、下記の基準で評価した。
【0184】 A:クラックがほとんど認められない B:短いクラックが求められる C:全面に短いクラックが多数発生している D:全面に無数のクラックが認められる C、Dは実用に適さない。
【0185】
【表2】
【0186】実施例2 実施例1で作製したセルロースエステルフィルム1〜
3、5、8、11、14に、ワイヤーバーコータを用い
て下記の防眩層組成物1または防眩層組成物2を塗布
し、乾燥し、更にその上にプラズマCVD処理で金属酸
化物層を含む反射防止層1または反射防止層2を形成
し、表3に示すように光学フィルム21〜48を得た。
【0187】(防眩層組成物1)平均粒径0.5μmの
合成シリカ微粒子15部(質量部、以下同じ)、平均粒
径1.4μmの合成シリカ微粒子10部、紫外線硬化型
ウレタンアクリレート系樹脂(ユニディック17−80
6、大日本インキ(株)製)100部、コロネートL
(ポリイソシアネート化合物、日本ポリウレタン(株)
製)1部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバガ
イギー社製)3部を溶剤(酢酸エチル)にてホモジナイ
ザーにより混合して揮発分濃度50%の均質な分散液を
調製した。
【0188】 (防眩層組成物2) 合成シリカ粒子(平均粒径0.016μm) 5質量部 合成シリカ粒子(平均粒径1.8μm) 3質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部 ベンゾフェノン(光開始剤) 3質量部 上記記載の材料を酢酸エチル中で高速撹拌して固形分5
0質量%の混合分散液を調製した。
【0189】(プラズマCVD処理)実施例1に用いた
プラズマCVD処理装置を3または4基連続して設置し
てプラズマCVD処理を行い、下記構成の反射防止層1
または反射防止層2を形成した。
【0190】(反射防止層1の構成)酸化チタン層(屈
折率2.15、15nm)/酸化けい素層(屈折率1.
46、33nm)/酸化チタン層(屈折率2.15、1
19nm)/酸化けい素層(屈折率1.46、86n
m) (反射防止層2の構成)酸化錫層(屈折率1.80、6
0nm)/酸化チタン層(屈折率2.15、90nm)
/有機フッ素層(屈折率1.42、90nm) プラズマCVD処理に用いた反応ガスの組成を以下に記
す。
【0191】 (酸化チタン層形成用反応ガス) 不活性ガス(ヘリウム) 99.4体積% 反応ガス(酸素ガス) 0.3体積% 反応ガス(テトライソプロポキシチタン蒸気) 0.3体積% (酸化けい素層形成用反応ガス) 不活性ガス(ヘリウム) 99.4体積% 反応ガス(酸素ガス) 0.3体積% 反応ガス(テトラエトキシシラン蒸気) 0.3体積% (酸化錫層形成用反応ガス) 不活性ガス(ヘリウム) 99.4体積% 反応ガス(酸素ガス) 0.3体積% 反応ガス(テトラブチル錫蒸気) 0.3体積% (有機フッ素層形成用反応ガス) 不活性ガス(ヘリウム) 99.4体積% 反応ガス(水素ガス) 0.3体積% 反応ガス(6フッ化メタン) 0.3体積% 得られた光学フィルム21〜48について実施例1と同
様に評価を行った。さらに下記のようにして反射率及び
反射光むらを測定した。その結果を表3に示す。
【0192】(反射率)分光光度計(日立製作所製U−
4000型)を用い、光学フィルム試料の反射防止層の
裏面を粗面化した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処
理を行い、裏面での光の反射を防止して5度の正反射の
条件にて450〜650nmにおける各反射率を測定
し、その平均反射率を求めた。
【0193】(反射光むら)光学フィルム試料を用い
て、偏光板、液晶表示装置を以下のように作製し、目視
で反射光むらを評価した。
【0194】〔偏光板の作製〕 〈偏光膜の作製〉厚さ、120μmのポリビニルアルコ
ールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5
倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム
5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次
いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100g
からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥
し偏光膜を得た。
【0195】次いで、下記工程1〜5に従って偏光膜と
光学フィルム、セルロースエステルフィルムを貼り合わ
せて偏光板を作製した。セルロースエステルフィルムは
各々の光学フィルムの支持体として使用されているもの
を用いてそれぞれ偏光板とした。
【0196】〈偏光板の作製〉 工程1:光学フィルムに用いられているセルロースエス
テルフィルム(反射防止層及び防眩層なし)を、60℃
の2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬
し、次いで水洗し乾燥して鹸化したセルロースエステル
フィルムを得た。
【0197】一方、光学フィルムの反射防止層の面を剥
離性のポリエステルフィルムを貼り付けてアルカリから
保護しながら上記鹸化処理を行った。
【0198】工程2:前記偏光膜を固形分2質量%のポ
リビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
【0199】工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の
接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理したセルロ
ースエステルフィルムの上にのせて、更に光学フィルム
の反射防止層が外側になるように積層し、配置した。
【0200】工程4:ハンドローラーで工程3で積層し
た光学フィルムと偏光膜とセルロースエステルフィルム
試料との積層物の端から過剰の接着剤及び気泡を取り除
き貼り合わせた。ハンドローラーの圧力は20〜30N
/cm2、ローラースピードは約2m/分とした。
【0201】工程5:80℃の乾燥機中に工程4で作製
した偏光膜とセルロースエステルフィルムと光学フィル
ムとを貼り合わせた試料を2分間乾燥し、偏光板を作製
した。
【0202】〈液晶パネルの作製及び目視評価〉18.
1型TFT型カラー液晶ディスプレーLL−T1811
W(シャープ(株)製)の偏光板を剥がし、液晶セルを
挟むようにして、作製した偏光板2枚を偏光板の偏光軸
がもとと変わらない様に互いに直交するように貼りつ
け、18.1型TFTカラー液晶ディスプレーを作製し
た。画面を黒表示として、表面の反射光むらを目視で評
価した。
【0203】 ◎:反射光の色むらはわからず、黒がしまって見える ○:わずかに反射光の色むらが認識される △:反射光の色むらが認識されるが実用上問題ないレベ
ル ×:反射光の色むらがかなり気になる。
【0204】
【表3】
【0205】
【発明の効果】本発明により、高温高湿での耐久性に優
れ、カール及びヘイズが少ない光学フィルム及びその製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるプラズマCVD装置の一例
を示す図である。
【符号の説明】
F 基材フィルム G 反応ガス G′ 排ガス 110 回転電極 111 固定電極 140 ガス排気口 150 放電部 180 電源 181、182 電力供給手段 120、121 ガイドロール 122、123 ニップロール 124、125 仕切板 130 給気管 131 反応ガス発生装置 190 プラズマ放電処理容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G02F 1/1335 500 5/02 510 G02F 1/1335 500 G02B 1/10 A 510 Z Fターム(参考) 2H042 BA02 BA13 BA15 BA20 2H049 BA02 BA25 BA27 BB17 BB33 BB43 BC10 2H091 FA08X FA08Z FA37X FB02 FB06 FB12 GA16 LA02 LA04 LA12 2K009 AA02 BB28 CC03 DD04 EE03 4F100 AA17B AJ06A AK25C AK51C AL06C AT00A BA03 BA07 CA23C EJ61B GB41 JB07 JB14C JJ03 JL04 JN06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60℃の温水に浸漬したときの弾性率が
    2800〜4000MPaで、かつ、40℃、90%R
    Hでの透湿度が20〜850g/m2・24hであるセ
    ルロースエステルフィルム上に、直接または他の層を介
    して金属酸化物層を有することを特徴とする光学フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 セルロースエステルフィルムが、分子内
    に芳香環またはシクロアルキル環を有する多価アルコー
    ルエステル、または分子内に芳香環またはシクロアルキ
    ル環を有するグリコレート系可塑剤を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 【請求項3】 セルロースエステルフィルム上に紫外線
    硬化樹脂層を有し、その上に直接または他の層を介して
    金属酸化物層を有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の光学フィルム。
  4. 【請求項4】 紫外線硬化樹脂層がウレタンアクリレー
    ト系樹脂を含有することを特徴とする請求項3に記載の
    光学フィルム。
  5. 【請求項5】 紫外線硬化樹脂層が微粒子を含有するこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の光学フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 金属酸化物層がプラズマCVDによって
    形成されることを特徴とする請求項1〜5項のいずれか
    1項に記載の光学フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    学フィルムを用いることを特徴とする反射防止フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    学フィルムを用いることを特徴とする偏光板用保護フィ
    ルム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 60℃の温水に浸漬したときの弾性率
    が2800〜4000MPaで、かつ、40℃、90%
    RHでの透湿度が20〜850g/m2・24hである
    セルロースエステルフィルム上に、直接または他の層を
    介して、プラズマCVDにより金属酸化物層を形成する
    ことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 セルロースエステルフィルム上に、微
    粒子を含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂
    層を有し、その上に金属酸化物層を形成することを特徴
    とする請求項10に記載の光学フィルムの製造方法。
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