JP2003232047A - 擁壁構築方法とそれに用いる擁壁ブロック - Google Patents

擁壁構築方法とそれに用いる擁壁ブロック

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JP2003232047A JP2002030098A JP2002030098A JP2003232047A JP 2003232047 A JP2003232047 A JP 2003232047A JP 2002030098 A JP2002030098 A JP 2002030098A JP 2002030098 A JP2002030098 A JP 2002030098A JP 2003232047 A JP2003232047 A JP 2003232047A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地山の保護が可能であり、足場の構築の必要
性もなく、高能率、安価に施工できる擁壁構築方法とそ
れに適したブロックを提供する。 【解決手段】 法面上部の横方向に連結した上段ブロッ
ク群間の下方一部の地山を掘削して掘削法面部分と未掘
削地山部分とし、該掘削法面部分に配置した下段ブロッ
ク群と上段ブロック群の一部とを上下に一体化させ、次
に下段ブロック群の横方向で上段ブロック群の下方に残
る未掘削地山部分を掘削して形成した掘削法面部分へ他
の下段ブロック群を配置し上下及び左右を一体化する一
連の工程を上下方向と左右方向に複数回繰り返しながら
擁壁を上方から下方へと構築する擁壁構築方法と、前面
版へ梁部12を介し傾斜して設けた控版8とにより上方に
コンクリート打設口5を有するコンクリート打設間隙11
を形成すると共に控版背部に胴込部10を形成してなる擁
壁ブロック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常の積み方式と
は逆に上方から下方へコンクリートブロック(以下ブロ
ックと略記)を配置して法面に擁壁を構築する方法及び
その方法に適した擁壁ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】法面に擁壁を構築する場合、従来は土台
の上にブロックを積む施工方法が一般的であった。しか
し、下から順に上へブロックを積む通常の擁壁施工法の
場合、地山を大幅に掘削する必要があり、過堀りの問題
があることと、施工中に足場が必要であるという難点を
有している。また、施工中に土砂の崩壊事故を生起する
といった危険を伴う。
【0003】この欠点を補うために、法面の上方から下
方へコンクリート板を用いて擁壁を構築する方法とし
て、図21に示す工法がある。この工法は、切り土法面21
の補強にコンクリート板22を配置する場合に、上段のコ
ンクリート板を地山に向けて打ち込んだ補強材(鋼棒、
長尺ボルト等)23により固定した後、その下方を掘削し
(a)、掘削された部分に下段のコンクリート板を配置し
(b)、下段のコンクリート板を地山へ向けて打ち込んだ
補強材23により固定する一連の工程によって、上方から
下方へ擁壁を構築していく方法である(例えば特開平7-3
4464号)。この施工法は余分な切り土や埋め戻しを必要
としないので、土工量が低減でき、また、大幅に掘削土
量が削減できるので地山を傷めず、森林維持と自然環境
の保護が可能となる等の特徴がある。
【0004】しかし、従来のこの施工方法は上段のプレ
キャスト板を配置した後に、下段の掘削に先だって上段
のプレキャスト板を地山の有効部へ長尺の補強材23で固
定する必要がある。図21(a)〜(f)によっても明らかであ
るが、この作業は大変であるし、危険を伴う。そのう
え、図21(e)にみられるように、補強材23の頭部をトル
クレンチ等により定着し、その後に補強材23の頭部を隠
すキャップを装着して仕上げる煩雑な作業が必要とな
る。そのため、全体の工費も一般工法に比べ割高とな
り、工法普及の妨げにもなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ブロックを用
いて擁壁を構築する際に、掘削土量を削減して地山の保
護が可能であり、足場の構築の必要性もなく、かつ高能
率、安価に施工できる擁壁構築方法を検討した。更に、
構築された擁壁の耐久性についても検討し、この施工法
に適したブロックを提供することとしたのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題について、法面
上部の横方向に上段ブロックを配置連結し、その下方一
部の地山を掘削して掘削法面部分に形成し、該掘削法面
部分に下段ブロックを配置し、上段ブロックと下段ブロ
ック間を一体化する擁壁構築方法について検討した。詳
しくは、法面上部の横方向に連結した上段ブロック群間
の下方一部の地山を掘削して掘削法面部分と未掘削地山
部分とし、該掘削法面部分に配置した下段ブロック群と
上段ブロック群の一部とを上下に一体化させ、次に下段
ブロック群の横方向で上段ブロック群の下方に残る未掘
削地山部分を掘削して形成した掘削法面部分へ他の下段
ブロック群を配置し上下及び左右を一体化する一連の工
程を上下方向と左右方向に複数回繰り返しながら擁壁を
上方から下方へと構築する擁壁構築方法である。
【0007】この擁壁構築方法において、最上段ブロッ
クは天端コンクリートで仕上げされた後、又は同時に一
体施工するのが好ましい。未掘削地山部分による支持力
を利用して天端構造物を構築することができる。また、
最下段ブロックの下方には擁壁全体を安定に支持するた
めの土台を現場打ちにより形成するとか、基礎ブロック
を使用することができる。
【0008】この擁壁構築方法によると、上段ブロック
下方の一部の未掘削地山部分を掘削して掘削法面部分を
形成する際に、掘削法面部分上の宙吊り上段ブロックが
地山で支持されたブロック群により形成された横梁によ
り支持されることとなる。そのためには、ブロック間の
コンクリートによる一体化も好ましいが、法面の横方向
に連結するブロック間に配筋を施すとより効果的であ
る。ブロック間に連なる配筋を有するように個々のブロ
ックへ配筋を施したものも好適である。
【0009】更に地山とブロック背部との間には必要に
応じて排水材とか、隙間処理材を用いるとよい。排水材
は擁壁背面の水を排水して背面圧を減少させる機能を有
するものであればよく、例えば、多孔質(ポーラス)コン
クリート等の多孔質無機粒子や、不織布、織布、金網等
の水が浸透する素材の中から選択して使用することがで
きる。隙間処理材はブロックを設計された勾配に合致さ
せる際に掘削後の法面との間に生じる隙間を埋めるため
のもので、強度と耐久性を備えたものであれば、無機粒
体(例えば砂利、砕石等)、有機粒体を問わず使用するこ
とができる。
【0010】ブロックの地盤支持を均等にするためや破
損防止、配置や位置決めを容易にするため、更には、安
定性、安全等を期すために、掘削法面部分に配置するブ
ロックの底面へ緩衝材、滑材、滑り防止材又は楔材を用
いるとよい。緩衝材としては、無機又は有機繊維不織
布、織布、金網やその他多孔質部材を使用することがで
きる。滑材は上段ブロックの下方へ下段ブロックを配置
する際に滑り抵抗を減少させて移動を容易にすることが
でき、金属板、プラスチック板、平行な複数の棒体、コ
ロ等を適宜使用する。配置や位置決めの正確さを期すた
めに楔材の使用もよい。更に、配置したブロックの移動
を防止したり、擁壁完成までの安全を確保するためにブ
ロックの底面と地山との間、又は完成された擁壁の安定
性を確保するためにブロック背面と地山との間に滑り防
止材を使用するのも好適である。
【0011】本発明の擁壁構築方法に用いる擁壁ブロッ
クは、前面版と、該前面版へ梁部を介し傾斜して設けた
控版とにより上方にコンクリート打設口を有するコンク
リート充填間隙を形成すると共に控版背部に胴込部を形
成してなる擁壁ブロックとした。より詳しくは、上部前
面版と、該上部前面版下部へ屈曲状態で形成した控版と
により上方を開口した胴込部を形成し、上部前面版の下
部で控版の前面へ下部前面版を設けてコンクリート充填
間隙を形成すると共に、該控版と下部前面版間の上方を
開口してコンクリート打設口としてなる擁壁ブロックが
好適である。上部前面版は擁壁勾配に略平行とし、控版
は上部前面版と逆勾配でくの字状屈曲状態で形成し、下
部前版が略垂直状態に形成してなる構造が好適である。
この擁壁ブロックには吊り作業を容易にするために、吊
り環を設けたり、吊り環を螺着するためのねじ穴を擁壁
ブロック上部に設ける等の吊り手段を設けると好まし
い。上部前面版の上部に重合突縁を形成すると、上段ブ
ロックとの隙間を覆うことができる。
【0012】また、コンクリート打設間隙に設けられた
前後方向の梁部に対して水抜き孔を設けると、擁壁背面
の水を排水して擁壁にかかる背面圧を減少させ得る。前
面版と下方が広くなるよう傾斜させて設けた控版間が、
強度的に問題を生じる場合には、前面版の上部又は底部
から控版に向けて補強版(底版)をコンクリート打設が可
能な程度の通過穴を形成した状態で設けることもでき
る。
【0013】上段ブロックと下段ブロックとは、上記コ
ンクリート充填間隙と胴込部とに打設一体化されたコン
クリートによって高強度に維持される。通常使用される
コンクリート以外に、軽量コンクリート、合成樹脂、合
成樹脂発泡体等の擁壁全体の一体固化を図ることができ
る材料を用いることも可能である。これらはコンクリー
ト打設口からの打設量を加減することにより控版と下部
前面版間の上方一部に植栽土の充填室を形成して緑化を
可能にすることもできる。その際に根腐れを防止するた
めに、植栽土の充填室下方に保水剤や排水可能な多孔質
コンクリート等の使用、又は下部前面版に排水孔を設け
るとよい。
【0014】本発明は他の一態様として、ブロックの上
部又は底部に上段ブロックと下段ブロック間の係合手段
を設けることも考えられる。係合手段としては、上段ブ
ロックに下段ブロックを吊る鈎状フック金具等がある。
鈎状フック金具の場合、上段ブロックに対して下段ブロ
ックを垂直方向へ回動させながら、かつ水平方向へ調整
して配置することもできる。また、下段ブロックの下方
の地山を更に掘削する作業における安全性を確保するこ
とができる。
【0015】また、上部前面版又は控版の背部へ背面梁
部を形成するのが好ましく、背面梁部の上方にはコンク
リートの横方向への流出防止版を形成すると共に、その
流出防止版の下段のものがブロックを積んだ時に下部前
面版下方に嵌まる嵌合い溝を設けるとよい。更に、前面
版上部又は前面版下部に型枠板挿入用切欠を設けて、挿
入した型枠板によりコンクリートの横方向への流出防止
を可能にしてもよい。更に、ブロックの縦方向に配筋を
設けたり、施工時にブロック間縦方向に配筋を施すこと
も、擁壁強度を高めるのに好ましいので、必要に応じて
実施することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1〜図6に本発明の擁壁構築方
法の施工の様子を示している。図7は完成された擁壁例
の正面図である。図1〜図5において(a)は施工断面図
であり、(b)は正面図である。この施工は、まず、1)図
1にみられるように天端部分となる地山を掘削する。2)
次に、図2に示すように、法面の横方向に最上段(天端)
の上段ブロック1aが地山2へ支持されるように順次配置
する。3)次いで、図3に示すように、上段ブロック1aの
背面部3にコンクリートを充填して天端コンクリート4
を形成する。施工場所によっては、天端コンクリート4
が上段ブロック1aの上部に予め一体化された構造であっ
てもよい。また、上段ブロック1aの側面に継手を設けて
もよい。
【0017】4)次に、天端コンクリート4を形成した後
に、図4に示すように上段ブロック1aの下部地山2を掘
削法面部分2aと未掘削地山部分2bが交互になるように掘
削する。コンクリートで一体化された上段ブロック群が
未掘削地山部分に支持されて横梁をなすので下部地山を
掘削しても落下しない。5)次いで、図5に示すように掘
削法面部分2aへ下段ブロック1bが地山へ支持されるよう
に配置する。6)更に、図6に示すように、上段ブロック
1a前方の開口部であるコンクリート打設口5よりコンク
リートを充填することで、下段ブロック1bと一体化す
る。各ブロック背面と掘削法面6間には必要時に隙間処
理材や排水材を使用する。
【0018】これで、前記4)〜6)を下方向と横方向に複
数回繰り返しながら擁壁を上方から下方へと構築する
と、いわゆる逆巻きブロック工法で、図7に一例を示す
ように擁壁を構築することができる。最下段ブロック1n
の前方のコンクリート打設口5よりコンクリートを充填
して擁壁全体を安定に支持するための土台24を形成して
いる。台形断面の基礎ブロックの使用も可能である。こ
の例では、いも目地となるように下段ブロックが配置さ
れているが、食い違いの目地(破り目地)を有するように
下段ブロックを配置することもできる。また、目地の形
状も谷切り、2面切り、亀甲切り等任意なものにするこ
とができる。
【0019】この擁壁構築方法に用いる擁壁ブロックの
実施例を図8,図9に示す。この擁壁ブロック1は、擁
壁勾配に略平行に形成されている上部前面版7の下部へ
控版8を形成し、上方を開口した胴込部10を形成してい
る。また、上部前面版7の下部で控版8の前面へ下部前
面版9によりコンクリート打設間隙11を形成している。
更に、控版8と下部前面版9間の上方を開口してコンク
リート打設口5とした構造である。控版8と下部前面版
9間のコンクリート打設間隙11の中間に前後方向に梁部
12を形成して躯体をなしており、かつ、梁部12の両側に
打設されるコンクリートが左右に隣り合うブロック及び
下段ブロックとの一体化を可能にして擁壁の剛性を高め
る。胴込部10の中間にも前後方向に背面梁部13を形成し
て補強している。この例では背面梁部13に横方向の貫通
孔14を形成しており、法面の横方向に連結するブロック
間に配筋を施すとか、吊り作業に使用する。吊り作業を
容易にするためには、吊り環を設けたり、吊り環を螺着
するためのねじ穴等の適当な吊り手段を適当な位置に設
けてもよい。
【0020】上部前面版7の上部には前方への重合突縁
15を形成しており、上段ブロックとの隙間を覆うように
している。また、梁部の前後方向に対して水抜き孔16を
設けることによって、図10に施工後の要部断面を示すよ
うに、擁壁背面の水を排水して擁壁にかかる背面圧を減
少させるようにしている。なお、図11は正面図であり、
図12は平面図である。背面梁部13が掘削法面と接する部
分には排水材17を使用し、隙間がある部分には隙間処理
材18を用いた。排水材17は擁壁背面の水を排水して背面
圧を減少させる機能を有するもので、この例では多孔質
(ポーラス)コンクリートを使用した。例えば、不織布、
織布等の中から選択使用することができる。隙間処理材
18はブロックを設計された勾配に合致させる際に掘削後
の法面との間に生じる隙間を埋めるもので、強度と耐久
性を備えた鉱物を熱処理して得られた無機連続気泡体を
使用した。
【0021】掘削法面部分で上段ブロック1aの下へ下段
ブロック1bを配置する方法は、図13にみられるように、
下段ブロック1bを水平方向に移動させて所定の位置へ吊
りながら適所に配置するのも一つの方法である。下段ブ
ロック1bを水平方向に移動させるとき、滑り抵抗を減少
させて移動を容易にするために、金属板の移動抵抗減少
材を一時使用している。配置や位置決めの正確を期すた
めに楔材の使用等の使用も適宜行う。更に、配置したブ
ロックの移動を防止したり、擁壁完成までの安全を確保
するためにブロックの底面と地山との間、又は完成され
た擁壁の安定性を確保するためにブロック背面と地山と
の間に滑り防止材を使用するのも好適である。
【0022】図14〜図17は背面梁部13の上方から横方向
へコンクリートが流出するのを防止する手段を設けた本
発明の実施例である。図14〜図16は背面梁部13の上方へ
横方向流出防止版25を形成すると共に、下部前面版9の
下方に嵌合い溝26を設けている。下段ブロックの横方向
流出防止版25がブロックを積んだ時に上段ブロックの嵌
合い溝26に嵌まるようにして密な構造としている。ま
た、図17のように、上部前面版7と下部前面版9のそれ
ぞれに型枠板挿入用切欠27,28を設けて、挿入した型枠
板によりコンクリートの横方向への流出防止を可能にし
てもよい。型枠板挿入用切欠は上部前面版7又は下部前
面版9のいずれか一方に設けるだけでもよい。
【0023】これまで例示した擁壁ブロックの構造を簡
略化して、本発明の擁壁構築方法に用いることもできる
擁壁ブロックの他の構造例を図18に示す。この擁壁ブロ
ックは、前面版29と該前面版へ梁部12を介して下方が広
くなるよう傾斜させて設けた控版8とにより、上方にコ
ンクリート打設口5のある下方が広いコンクリート打設
間隙11を形成すると同時に控版の背部に下方を狭くした
胴込部10を形成した構造である。控版の背部に背面梁部
13を形成している。
【0024】本発明の擁壁構築方法の他の態様として、
図19にみられるような、下段ブロックを回動させながら
配置することも考えられる。そのために、上段ブロック
1aと下段ブロック1bとの間に係合手段19を設けている。
係合手段19として、上段ブロック1aの底部前方に下段ブ
ロック1bを吊ることができる鈎状フック金具19aを垂直
方向へ回動可能に軸支して設け、下段ブロック1bの上部
前方へ前記フック金具19aを掛止可能に受け環19bを設け
ている。この場合、係合手段19の鈎状フック金具19aと
受け環19bを係合させた後、上段ブロック1aに対して下
段ブロック1bを垂直方向へ回動させながら、かつ水平方
向へ調整して配置することができる。下段ブロックの下
方の地山を更に掘削する作業の間の安全を確保する特徴
もある。
【0025】図20は本発明の擁壁構築方法によって構築
する擁壁を植生可能な多自然型とした例であって、前記
のように上方から下方へと配置される上段ブロック1aと
下段ブロック1bとをコンクリート打設間隙11と胴込部10
とにコンクリート打設によって一体化するに際し、コン
クリート打設口5からの打設量を加減することにより控
版8と下部前面版9間の上方一部に空間を残して、植栽
土等の充填室20を形成し緑化を可能にしている。植物の
根腐れを防止するために、植栽土の充填室20底部下方に
ポーラスコンクリートを使用すると共に下部前面版9に
水抜き孔を設けている。
【0026】
【発明の効果】本発明の擁壁構築方法によって、擁壁の
下方向と横方向にブロックを複数回繰り返しながら配置
して、擁壁を上方から下方へと構築する、いわゆる逆巻
きブロック工法を実施可能にした。従来の擁壁構築方法
に比べて掘削土量を削減し、地山の保護が可能であり、
足場の構築の必要性もない。高能率、安価に施工できる
擁壁構築方法となっている。更に、施工中の安全が確保
され、しかも、構築された擁壁の耐久性も良好となって
いる。
【0027】本発明の擁壁ブロックは、この擁壁構築方
法における擁壁の上方から下方へと配置される上段ブロ
ックと下段ブロックとをコンクリート打設によって一体
化するのに適しており、また、コンクリート打設で一体
化された上段ブロック群が未掘削地山部分に支持されて
横梁をなすので下部地山を掘削しても落下しない。更
に、掘削法面部分へ下段ブロックを配置した後に、後の
工程で更に下段ブロックの下方を掘削しても落ちない一
体化構造が可能である。加えて、上部前面版も下部前面
版も自然石や擬石模様を付すことができるので、前面の
コンクリート打設口からの打設構造でありながら、自然
石や擬石模様の擁壁とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擁壁構築方法における部分掘削の様子
を示す、(a)は施工断面図であり、(b)は正面図である。
【図2】上部より一段目の擁壁ブロックを配置した様子
を示す、(a)は施工断面図であり、(b)は正面図である。
【図3】天端コンクリートを形成した様子を示す、(a)
は施工断面図であり、(b)は正面図である。
【図4】ブロックの下部地山を掘削法面部分と未掘削地
山部分が交互になるように掘削した様子を示す、(a)は
施工断面図であり、(b)は正面図である。
【図5】掘削法面部分へ下段ブロックを配置した様子を
示す、(a)は施工断面図であり、(b)は正面図である。
【図6】上段ブロック前方のコンクリート打設口よりコ
ンクリートを充填することで、下段ブロックと一体化し
た様子を示す施工断面図である。
【図7】本発明の擁壁構築方法の施工の結果完成された
擁壁例の正面図である。
【図8】本発明の擁壁構築方法に用いる擁壁ブロック例
の正面斜視図である。
【図9】同擁壁ブロックの背面斜視図である。
【図10】同擁壁ブロックを用いて施工後の要部断面図
である。
【図11】同要部正面図である。
【図12】同要部平面図である。
【図13】下段ブロックを水平に移動させて配置する様
子を示す施工断面図である。
【図14】背面梁部の上方へ横方向流出防止版を形成し
た例の平面図である。
【図15】同正面図である。
【図16】図14,図15中A−A断面図である。
【図17】型枠板挿入用切欠を設けた例の正面斜視図で
ある。
【図18】簡略化した擁壁ブロックの背面斜視図であ
る。
【図19】下段ブロックを回動させながら配置する様子
を示す施工断面図である。
【図20】本発明の擁壁構築方法によって構築する擁壁
を植生可能な多自然型とした例の要部断面図である。
【図21】上方から下方へ擁壁を構築していく従来法の
施工断面図である。
【符号の説明】
1 擁壁ブロック 1a 上段ブロック 1b 下段ブロック 1n 最下段ブロック 2 地山 2a 掘削法面部分 2b 未掘削地山部分 3 ブロックの背面部 4 天端コンクリート 5 コンクリート打設口 6 掘削法面 7 上部前面版 8 控版 9 下部前面版 10 胴込部 11 コンクリート打設間隙 12 梁部 13 背面梁部 14 貫通孔 15 重合突縁 16 水抜き孔 17 排水材 18 隙間処理材 19 係合手段 19a 鈎状フック金具 19b 受け環 20 植栽土等の充填室 24 土台 25 横方向流出防止版 26 嵌合い溝 27 型枠板挿入用切欠 28 型枠板挿入用切欠 29 前面版

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面上部の横方向に上段ブロックを配置
    連結し、その下方一部の地山を掘削して掘削法面部分に
    形成し、該掘削法面部分に下段ブロックを配置し、上段
    ブロックと下段ブロック間を一体化する擁壁構築方法。
  2. 【請求項2】 法面上部の横方向に連結した上段ブロッ
    ク群間の下方一部の地山を掘削して掘削法面部分と未掘
    削地山部分とし、該掘削法面部分に配置した下段ブロッ
    ク群と上段ブロック群の一部とを上下に一体化させ、次
    に下段ブロック群の横方向で上段ブロック群の下方に残
    る未掘削地山部分を掘削して形成した掘削法面部分へ他
    の下段ブロック群を配置し上下及び左右を一体化する一
    連の工程を上下方向と左右方向に複数回繰り返しながら
    擁壁を上方から下方へと構築する擁壁構築方法。
  3. 【請求項3】 地山とブロック背部との間に排水材を用
    いる請求項1又は2記載の擁壁構築方法。
  4. 【請求項4】 地山に対して隙間処理材を用いる請求項
    1又は2記載の擁壁構築方法。
  5. 【請求項5】 掘削法面部分に配置するブロックの底面
    へ緩衝材、滑材、滑り防止材又は楔材を用いる請求項1
    又は2記載の擁壁構築方法。
  6. 【請求項6】 法面の横方向に連結するブロック間に連
    なる配筋を有する請求項1又は2記載の擁壁構築方法。
  7. 【請求項7】 前面版と、該前面版へ梁部を介し傾斜し
    て設けた控版とにより上方にコンクリート打設口を有す
    るコンクリート充填間隙を形成すると共に控版背部に胴
    込部を形成してなる擁壁ブロック。
  8. 【請求項8】 上部前面版と、該上部前面版下部へ屈曲
    状態で形成した控版とにより上方を開口した胴込部を形
    成し、上部前面版の下部で控版の前面へ下部前面版を設
    けてコンクリート充填間隙を形成すると共に、該控版と
    下部前面版間の上方を開口してコンクリート打設口とし
    てなる擁壁ブロック。
  9. 【請求項9】 上部前面版が擁壁勾配に略平行であり、
    控版が上部前面版と逆勾配でくの字状屈曲状態で形成さ
    れており、下部前版が略垂直状態に形成されてなる請求
    項8記載の擁壁ブロック。
  10. 【請求項10】 上部前面版の上部に上段ブロックとの
    重合突縁を形成してなる請求項8又は9記載の擁壁ブロ
    ック。
  11. 【請求項11】 コンクリート打設間隙中間に前後方向
    の梁部を形成した請求項7乃至9のいずれか記載の擁壁
    ブロック。
  12. 【請求項12】 梁部に対して水抜き孔を設けた請求項
    11記載の擁壁ブロック。
  13. 【請求項13】 ブロックの上部又は底部に上段ブロッ
    クと下段ブロック間の係合手段を設けた請求項8又は9
    記載の擁壁ブロック。
  14. 【請求項14】 係合手段が上段ブロックに下段ブロッ
    クを吊る鈎状フック金具である請求項13記載の擁壁ブ
    ロック。
  15. 【請求項15】 背面梁部の上方へコンクリートの横方
    向流出防止版を形成すると共に下部前面版下方に嵌合い
    溝を設けた請求項11記載の擁壁ブロック。
  16. 【請求項16】 前面版上部又は前面版下部に型枠板挿
    入用切欠を設けた請求項8又は9記載の擁壁ブロック。
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