JP2003229508A - 高放熱性絶縁基板及びこれを用いたモジュール - Google Patents

高放熱性絶縁基板及びこれを用いたモジュール

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JP2003229508A
JP2003229508A JP2002013953A JP2002013953A JP2003229508A JP 2003229508 A JP2003229508 A JP 2003229508A JP 2002013953 A JP2002013953 A JP 2002013953A JP 2002013953 A JP2002013953 A JP 2002013953A JP 2003229508 A JP2003229508 A JP 2003229508A
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high heat
insulating
thermal conductivity
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Atsushi Fujiki
淳 藤木
Shoji Mitsuya
昭治 三屋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高放熱性を保持したまま、耐ハン
ダクラック性を実現することができる極めて有用な高放
熱性絶縁基板及びこれを用いたモジュールを提供するこ
とを目的する。 【構成】 本発明は、金属板上に絶縁層を積層し、該絶
縁層上に導体回路を設けてなる金属ベース基板におい
て、前記絶縁層は、3.0W/mK以上の熱伝導率を有
する高放熱性絶縁層であり、しかも前記絶縁層の398
Kにおける引張り貯蔵弾性率が1000MPa以下であ
るを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板上に絶縁層を
積層し、該絶縁層上に導体回路を設けてなる金属ベース
基板に関し、特に、放熱特性及び耐ハンダクラック性に
優れる高放熱性絶縁基板及びこれを用いたモジュールに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種電子部品を実装する回路基板
としては、アルミニウムなどの金属板上にセラミックス
等からなる絶縁層を設置し、該絶縁層上に銅箔等の導体
箔からなる導体回路を設けてなる金属ベース基板が用い
られている。
【0003】回路基板において、このような金属ベース
基板が用いられているのは、電子部品の多くが高発熱性
であることから、このような高発熱性電子部品から発生
する多量の熱を好適に放散することが必要とされるから
である。
【0004】又、車載用の電子機器におけるモジュール
等にあっては、その小型化・省スペース化のために、樹
脂モールドのない中空パッケージ構造とする必要がある
が、当該電子機器はエンジンルーム内に設置されること
が多く、このような中空パッケージ構造では、回路基板
が直接温度変化の厳しい条件下に暴露されることになる
ため、放熱特性に優れる回路基板が必要とされるのであ
る。
【0005】このため、最近では、前記金属ベース基板
の放熱特性を一層向上させるために、金属板上に設置す
る絶縁層として、高熱伝導性を有する無機フィラー(無
機充填剤)を樹脂組成物からなるバインダーに高充填さ
せた高放熱性絶縁層が開発されており、従来のセラミッ
クスを用いた絶縁層と比べて加工性にも優れていること
から、現在、このような高放熱性絶縁層を用いた構成の
金属ベース基板が主流となっている。
【0006】なお、このような金属ベース基板におい
て、各種電子部品を実装する場合にあっては、通常ハン
ダを介して当該金属ベース基板に設けた導体回路と各種
電子部品が接合、固定される。
【0007】しかしながら、金属ベース基板における金
属板と電子部品との熱膨張率の差は大きく、特に電子部
品としてセラミックチップ部品を用いた場合などにあっ
ては、この熱膨張率の差が著しく大きくなるため、実際
の使用環境において、激しい温度変化の繰り返しを受け
た際に、電子部品を接合、固定しているハンダ部分やそ
の近傍に亀裂や欠損等のクラックが発生することがあ
る。
【0008】その結果、熱の伝導経路が遮断され、電子
部品からの放熱が不十分となり、電子部品の温度上昇や
熱劣化を招き、機能の停止や電気的信頼性の低下等の電
子部品の特性低下といった問題が生ずるのである。
【0009】この問題を解決するため、特開平2000
−151048号に記載の発明には、金属板上に絶縁層
を介して導体箔を載置し、エッチングにより導体回路を
形成してなる金属ベース基板であって、前記絶縁層の3
00Kにおけるヤング率と熱膨張率の積が2×102
上2×106Pa/K以下であることを特徴とする技術
的手段を講じた金属ベース回路基板が開示されている。
【0010】即ち、特開平2000−151048号に
記載の発明は、絶縁層の低ヤング率化と共に低熱膨張率
化を達成し、特に、ヤング率と熱膨張率の積をコントロ
ールした樹脂組成物を単位絶縁層として用いることによ
り、耐ハンダクラック性に優れる金属ベース回路基板を
得ることができるという知見に基づき完成されたもので
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した如
く最近では、前記金属ベース基板の放熱特性を一層向上
させるために、金属板上に設置する絶縁層として、高熱
伝導性を有する無機充填剤を樹脂組成物からなるバイン
ダーに高充填させた高放熱性絶縁層が用いられているも
のが多く、特に熱伝導率が3.0W/mK以上の高放熱
性を達成する場合にあっては、一般に、無機充填剤の充
填量は80重量%以上必要となる場合がほとんどであ
る。
【0012】なお、ここにおいて、無機充填剤の個々の
比重が異なるため、一概に、この充填量(重量%)を体
積%に換算して比較することはできないが、一般的に
は、熱伝導率の高い無機充填剤を用いた場合にあっては
65体積%以上、熱伝導率の低い無機充填剤を用いた場
合にあっては80体積%以上の無機充填剤の充填量とし
なければ、熱伝導率が3.0W/mK以上の高放熱性を
達成することは困難となる。
【0013】そして、このように無機充填剤を高充填さ
せた絶縁層においては、無機充填剤の効果により熱膨張
係数は小さくなるが、それに反比例して弾性率が大きく
なってしまうため、単純にはヤング率と熱膨張率の積を
小さくすることができないといった問題が発生する。
【0014】このため、前記特開平2001−1510
48号公報、[0016]には、無機充填剤の添加量に
ついて樹脂組成物中50〜80体積%が好ましいとの記
載があるにもかかわらず、実際問題として、熱伝導率が
3.0W/mK以上の高放熱性を達成するために、無機
充填剤を高充填させた場合にあっては、ヤング率と熱膨
張率の積をコントロールすることが困難となるのであ
る。
【0015】従って、特開平2001−151048号
公報に記載の発明において、熱伝導率が3.0W/mK
以上の高放熱性を達成するために無機充填剤を充填する
場合にあっては、熱伝導性の高い無機充填剤を限定して
選択し、できるだけ無機充填剤の充填量を少なくしなけ
ればならないといった事実上の制限が生じるのである。
【0016】本発明者はこのような技術的課題を解決す
るため、鋭意検討し、数々の試作、試験を繰り返してき
た結果、ついに本発明を完成するに至ったものである。
【0017】このような経緯を経て完成された本発明に
係る高放熱性絶縁基板は、金属ベース基板において、絶
縁層が3.0W/mK以上の熱伝導率を有する高放熱性
絶縁層である場合にあっては、単純にはヤング率と熱膨
張率の積を小さくすることができないことに鑑み、それ
よりも398Kでの絶縁層の引張り貯蔵弾性率を100
0MPa以下にすることにより、高放熱性を保持しなが
ら、ハンダクラックの発生率の極めて小さい高放熱性絶
縁基板になり得るとの知見に基づき完成されたものであ
る。
【0018】即ち、本発明は、金属板上に絶縁層を積層
し、該絶縁層上に導体回路を設けてなる金属ベース基板
において、前記絶縁層は、3.0W/mK以上の熱伝導
率を有する高放熱性絶縁層であり、しかも前記絶縁層の
398Kにおける引張り貯蔵弾性率が1000MPa以
下にすることにより、高放熱性を保持した状態で、耐ハ
ンダクラック性を実現することができる極めて有用な高
放熱性絶縁基板を提供することを目的する。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記したように、本発明
は、3.0W/mK以上の熱伝導率を有する高放熱性の
絶縁層を用いた高放熱性絶縁基板であり、又、この絶縁
層として、398Kにおける引張り貯蔵弾性率が100
0MPa以下である樹脂組成物層を用いることで著しく
ハンダクラック不良率が小さくなることを見い出し完成
されたものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明の高放熱性絶縁基板において、絶縁
層を構成する樹脂は、耐熱性,電気信頼性に優れた樹脂
であれば特に限定されるものではなく、公知の合成樹脂
を適宜用いることができるが、特に、耐熱性や寸法安定
性の点から熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、例え
ばエポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂,イミド変
性エポキシ樹脂,NBRゴム混合体,シリコーン樹脂又
はウレタン樹脂等から選ばれた少なくとも1種以上の熱
硬化性樹脂が好ましい。
【0021】又、これらの樹脂に配合されて絶縁層の熱
伝導性を向上させるために用いられる無機充填材として
は、電気絶縁性が良好な非金属製の無機質固体であれば
特に限定されるものではなく、具体的には、例えば金属
の酸化物、炭化物、窒化物又は炭酸塩等から選ばれた少
なくとも1種以上を適宜選択して用いることができるの
であり、又、その形状は充填性の面から球状(粒状)の
ものを単独もしくは併用して用いることが好ましい。
【0022】なお、前記金属としては、特に制限される
ものではないが、具体的には、例えば元素記号でいえ
ば、B、Al、Be、V、Fe、Y、Co、Cu、N
i、Si、Sn、Ti、Cr、Ce、Zr、Ca、Ta
及びNb等から選ばれた金属を挙げることができるが、
中でもアルミニウムの酸化物であるアルミナは球状の粒
子で高充填可能(最密充填)なものが、安価かつ容易に
入手できるなどの観点から特に好ましく、又、ホウ素の
窒化物である窒化ホウ素は誘電率が低い点において、特
に好ましい。
【0023】そして、本発明の高放熱性絶縁基板におけ
る絶縁層は、3.0W/mK以上の熱伝導率となるよ
う、前記樹脂に前記無機充填剤を配合し、絶縁層の熱伝
導性を向上させてなるものである。
【0024】ここで、絶縁層の熱伝導率を3.0W/m
K以上とする場合の無機充填剤の充填量は、用いられる
樹脂や無機充填剤の有する熱伝導性によって変わるた
め、構成成分の個々の熱伝導性に応じて適宜選択される
べきものであるが、一般には、無機充填剤の充填量を絶
縁層全体の80重量%以上にすることが好ましい。
【0025】この理由としては、無機充填剤の充填量を
絶縁層全体の80重量%未満にすると、熱伝導性の低い
無機充填剤を用いた場合において、絶縁層の熱伝導率を
3.0W/mK以上とすることが困難となる場合がある
ため好ましくないからである。
【0026】また、この絶縁層の厚さとしては、所望の
放熱特性を満足するものであれば特に限定されるもので
はないが、一般的には、生産性や放熱特性等を考慮し
て、10μm〜500μmが好ましく、更に、中空モジ
ュール用回路基板として用いる場合にあっては、実際の
使用上の環境下での熱放散性を考慮して10μm〜25
0μmがより好ましい。
【0027】そして、本発明は、前記樹脂に前記無機充
填剤を適宜選択して配合し、最終的な絶縁層の熱伝導率
を3.0W/mK以上とし、しかも前記絶縁層の398
Kにおける引張り貯蔵弾性率を1000MPa以下とす
る点、に最も大きな特徴を有するのであるが、前記絶縁
層の熱伝導率を測定する手段としては、例えば、公知の
熱伝導率測定装置等を用いて測定することができ、一
方、前記絶縁層の引張り貯蔵弾性率を測定する手段とし
ては、例えば、公知の動的粘弾性測定器等を用いて測定
することができる。
【0028】本発明において、熱伝導性率は、前記樹脂
組成物で2.0mm厚×φ50mmの絶縁層(ブロッ
ク)を作製し、熱伝導率測定装置(ホロメトリック社製
TCA 200LT−A)を用いて測定した値であ
り、又、398Kにおける引張り貯蔵弾性率は、動的粘
弾性測定器(セイコー電子工業社製 DMS6100)
を用い、絶縁層を測定周波数10Hz,昇温速度1℃/
分の条件下で測定した値である。
【0029】本発明の高放熱性絶縁基板は、前記絶縁層
上に導体回路を設けてなるものであり、当該導体回路を
構成する金属箔としては、良好な電気伝導性を有する金
属であれば特に限定されるものではないが、一般的に
は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、錫、ビ
スマス、モリブデン又はチタニウム等を好適に用いるこ
とができるのであり、又、これらの金属から選択された
2種以上からなる合金等を用いることが好ましい。
【0030】本発明において、前記金属箔の厚さとして
は特に限定されるものではないが、エッチングにてパタ
ーンニングを行う場合には8〜300μmの範囲とする
のが好ましい。尚、金属箔の厚さが8μm未満であると
電気抵抗が高くなって所要の電気特性が得られないので
好ましくない。
【0031】又、本発明の高放熱性絶縁層基板に用いら
れる金属基板としては、放熱性の良好な公知の金属材料
を適宜選択して用いることができるが、一般的には、ア
ルミニウム、鉄、銅およびこれらの合金を用いることが
できる。
【0032】本発明において、前記金属基板の厚さとし
ては、所望の放熱特性を満足するものであれば特に限定
されるものではないが、一般的には、生産性や放熱特性
等を考慮して、0.5mm〜5.0mm程度の厚さとす
るのが好ましい。
【0033】なお、本発明の高放熱性絶縁基板におい
て、絶縁層上に導体回路を設ける方法としては、従来公
知の方法を好適に用いることができるのであり、具体的
には、例えば前記樹脂に前記無機充填剤を充填した絶縁
材料を、前記金属基板及び/又は前記金属箔の上に、一
層ないし複数層積層した後、加熱処理等により絶縁材料
を硬化させ、エッチング等の手段を用いて導体回路を形
成したり、或いは予め絶縁材料からなるシートを介して
前記金属基板と金属箔を張り合わせた後に、エッチング
等の手段を用いて導体回路を形成する方法等を採用する
ことができる。
【0034】ところで、本発明において、前記金属箔の
厚さが300μmを超え、エッチングが困難な導体が必
要な場合にはパターン状に打ち抜き加工したものを本発
明の樹脂を用いて接着させても良いのである。
【0035】本発明に係るモジュールは、前記本発明の
高放熱性絶縁基板を用いて形成したものであり、激しい
温度変化の繰り返しを受けた場合にあっても、電子部品
を接合、固定しているハンダ部分やその近傍に亀裂や欠
損等のクラックが発生することを防止することができる
結果、電気的信頼性の著しく高いモジュールとなるので
ある。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び構成は以上の通
りであり、次いで本発明に係る高放熱性絶縁基板の実施
例について詳述するが、本発明はこの実施例に限定され
るものではない。
【0037】実施例1 厚さ70μmの銅箔に、絶縁材料としての球状のアルミ
ナを90重量%含有するNBR含有エポキシ樹脂を80
μm塗布し、更に、厚さ2.0mmのアルミ板と熱接着
した。この接着は温度180℃、接着時間2時間、接着
圧力5.9MPaの条件下行われた。
【0038】次に、所定の導体回路(チップ抵抗パッ
ド)をエッチングにより銅箔部分に形成することによ
り、本発明の高放熱性絶縁基板を得た。
【0039】前述のように作製した高放熱性絶縁基板か
ら銅箔,アルミ板をそれぞれエッチング除去することに
より、実施例1の絶縁層を得た。
【0040】この実施例1における絶縁層において、そ
の熱伝導率は3.9W/mKであり、又、398Kにお
ける引張り貯蔵弾性率は350MPaであった。
【0041】実施例2 絶縁材料として非球状アルミナを86重量%含有するイ
ミド変性エポキシ樹脂を用いた以外は、実施例1と同様
にして、本発明の高放熱性絶縁基板を得た。
【0042】又、実施例1と同様にして実施例2の絶縁
層を得た。この実施例2における絶縁層において、その
熱伝導率は3.2W/mKであり、又、398Kにおけ
る引張り貯蔵弾性率は655MPaであった。
【0043】比較例 絶縁材料として非球状アルミナを86重量%含有するビ
スフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は、実施例
1と同様にして、比較例に係る絶縁基板を得た。
【0044】又、実施例1と同様にして比較例の絶縁層
を得た。この比較例における絶縁層において、その熱伝
導率は3.5W/mKであり、又、398Kにおける引
張り貯蔵弾性率は7000MPaであった。
【0045】なお、398Kにおける引張り貯蔵弾性率
は、動的粘弾性測定器(セイコー電子工業社製 DMS
6100)を用い、測定周波数10Hz,昇温速度1℃
/分の条件下で測定した。
【0046】又、熱伝導性率は、前記樹脂組成物で約
2.0mm厚×φ50mmの絶縁層(ブロック)を作製
し、熱伝導率測定装置(ホロメトリック社製 TCA
200LT−A)を用いて測定した値である。
【0047】次に、実施例1及び実施例2の高放熱性絶
縁基板及び比較例の絶縁基板におけるチップ抵抗実装パ
ッドを設けた金属回路板上に、チップサイズ5.0mm
×2.5mm,3.2mm×2.5mm、2.1mm×
2.5mmのチップ抵抗をそれぞれ10個づつPb−S
n共晶ハンダを用い実装し、実施例1・2及び比較例の
絶縁基板を用いたチップ抵抗実装基板をそれぞれ作成し
た。
【0048】以下、前記各チップ抵抗実装基板の構造を
図1に基づき更に詳しく説明する。図1は前記の実施例
1・2又は比較例の絶縁基板を用いて形成されたチップ
抵抗実装基板1の模式断面図であり、このチップ抵抗実
装基板1は、前記各絶縁基板2と、この各絶縁基板2上
にハンダ接合部3を介して接合、固定されたチップ抵抗
4とからなり、前記各絶縁基板2はアルミ板5上に絶縁
層6を介在させて積層、接着された金属箔(導体回路)
7からなるものである。従って、この場合、前記チップ
抵抗4は前記各絶縁基板2における金属箔(導体回路)
7上にハンダ接合部3を介して接合、固定されている。
【0049】前記各チップ抵抗実装基板を1サイクル−
40℃×30分〜+125℃×30分の気相条件下で所
定回数のヒートショック試験を行ない、マイクロスコー
プにて、ハンダ接合部分のクラックの有無を観察した。
その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】なお付言するに、実施例1・2の高放熱性
絶縁基板及び比較例の絶縁基板における300Kにおけ
るヤング率と熱膨張係数との積は、実施例1では2.4
×106Pa/Kであり、実施例2では2.8×105
a/Kであり、比較例では2.3×105Pa/Kであ
り、これにより熱伝導率が3.0W/mK以上の絶縁層
を用いた場合にあっては、ヤング率と熱膨張係数との積
を2×102以上2×106Pa/K以下にコントロール
しても、表1との結果から、耐ハンダクラック性と相関
性がないことが確認された。
【0052】
【発明の効果】本発明においては、金属板上に絶縁層を
積層し、該絶縁層上に導体回路を設けてなる金属ベース
基板において、前記絶縁層は、3.0W/mK以上の熱
伝導率を有する高放熱性絶縁層であり、しかも前記絶縁
層の398Kにおける引張り貯蔵弾性率が1000MP
a以下に構成されていることにより、温度変化の著しい
条件下でもハンダクラック性が発生し難い高信頼性のあ
る基板を得ることができる上、高放熱性の基板となり得
るのである。
【0053】即ち、金属板上に絶縁層を積層し、該絶縁
層上に導体回路を設けてなる金属ベース基板において、
前記絶縁層が3.0W/mK以上の熱伝導率を有する高
放熱性絶縁層であり、しかも前記絶縁層の398Kにお
ける引張り貯蔵弾性率を1000MPa以下とすること
により、高放熱性を保持しながら、ハンダクラックの発
生率が極めて小さくなるなどの効果を発現するのであ
る。
【0054】又、本発明に係る高放熱性絶縁基板におい
ては、金属ベース基板において、絶縁層が3.0W/m
K以上の熱伝導率を有する高放熱性絶縁層である場合に
あっては、単純にはヤング率と熱膨張率の積を小さくす
ることができないといった問題をも好適に解消すること
ができるなどの効果も奏するのである。
【0055】更に、本発明のモジュールは、前記本発明
の高放熱性絶縁基板を用いてなるものであり、激しい温
度変化の繰り返しを受けても、電子部品を接合・固定し
ているハンダ部分やその近傍に亀裂や欠損等のクラック
が発生することを防止することができるのであり、その
結果、電気的信頼性が著しく高くなるなどの効果を発現
するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各実施例又は比較例の絶縁基板を用い
て形成したチップ抵抗実装基板を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 チップ抵抗実装基板 2 絶縁基板 3 ハンダ接合部 4 チップ抵抗 5 アルミ板 6 絶縁層 7 金属箔(導体回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E315 AA03 BB02 BB03 BB04 BB15 BB16 BB18 CC01 GG01 GG07 GG16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板上に絶縁層を積層し、該絶縁層上
    に導体回路を設けてなる金属ベース基板において、前記
    絶縁層は、3.0W/mK以上の熱伝導率を有する高放
    熱性絶縁層であり、しかも前記絶縁層の398Kにおけ
    る引張り貯蔵弾性率が1000MPa以下であることを
    特徴とする高放性絶縁基板。
  2. 【請求項2】 絶縁層中に無機充填材が80重量%以上
    含有されている請求項1に記載の高放熱性絶縁基板。
  3. 【請求項3】 絶縁層が熱硬化性樹脂である請求項1又
    は2に記載の高放熱性絶縁基板。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の高放熱性絶縁基板を用いてなることを特徴とするモジ
    ュール。
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