JP2003226931A - アレスト性に優れた直接焼入れ型高張力厚鋼板 - Google Patents

アレスト性に優れた直接焼入れ型高張力厚鋼板

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Kazunari Tokuno
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鋼板母材の脆性き裂伝播停止特性
が要求される溶接構造物に用いられる引張強さ950N
/mm2 級の高張力厚鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.07〜0.2%、S
i:0.01〜0.30%、Mn:0.4〜1.5%、
Ni:1〜3.5%、Cr:0.1〜1%、Mo:0.
1〜1%、V:0.01〜0.10%、Al:0.01
〜0.10%、B:0.0003〜0.0030%、
N:0.0010〜0.0070%を含有し、圧延方向
の1/4t部における引張強さが圧延方向の1/2t部
よりも(0.5t)MPa以上高く、圧延方向と板幅方
向および1/4t部と1/2t部における4種類の引張
強さのうち圧延方向の1/4t部における引張強さが最
も高いことを特徴とする、アレスト性に優れた直接焼入
れ型高張力厚鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高張力鋼、特に鋼
板母材の脆性き裂伝播停止特性(アレスト性)が要求さ
れる溶接構造物用の高張力厚鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶接接構造物の大型化に伴い、これらに
使用される鋼板に対しても高強度化が要求されてきてお
り、揚水型水力発電所に使用される水圧鉄管(ペンスト
ック)においても、1999年にスイスのClueso
n−Dixence水力発電所にて世界で初めて950
N/mm2 鋼が採用された。しかし、2000年11月
13日に発生したClueson−Dixenceでの
水圧鉄管破壊事故が契機となり、950N/mm2 鋼に
おいても溶接部からの脆性き裂発生特性に加えて、鋼板
母材の脆性き裂伝播停止特性(アレスト性)の重要性
が、今改めて注目を浴びている。
【0003】板厚25〜100mm未満の950N/m
2 鋼については、既に幾つかの発明がある。例えば、
特開昭59−100214号公報には、鋼板圧延後に板
厚に応じた適切な水量密度で速やかに一斉冷却し、次い
で焼戻しをすることにより、長手方向および板厚方向の
材質が均一であることを特徴とする、厚肉高張力鋼の製
造方法が開示されている。特開昭63−266023号
公報には、未再結晶域で圧延後150秒以内に直接焼入
れ、焼戻しを省略することにより低降伏比となることを
特徴とする、直接焼入れ法による降伏比90%以下の高
靭性低降伏比高張力鋼板の製造方法が開示されている。
特開平2−133521号公報には、Nb添加と2回焼
入れによる相乗効果を活用することにより、引張強度9
7kgf/mm2 以上並びに衝撃遷移温度:−60℃以
下の性能を有することを特徴とする、靭性に優れた調質
型高張力鋼板の製造方法が開示されている。これらの発
明によれば950N/mm2 鋼が製造可能であるが、い
ずれもアレスト性についての記載はなく、これらの鋼板
がどのようなアレスト性を有するかは不明である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、炭素
当量式が板厚50mm以下ではCeq≦0.59、Pc
m≦0.29、板厚50mm超ではCeq≦0.62、
Pcm≦0.33を満足し、降伏応力885N/mm2
以上、引張強さ950〜1130N/mm2 、シャルピ
ー衝撃エネルギー47J以上(試験温度は板厚50mm
以下は−55℃、板厚50mm超は−60℃)、温度勾
配型ESSO試験における0℃でのアレスト靭性値(K
ca値)が300N/mm2 ・m1/2 以上、好ましくは
400N/mm2 ・m1/2 以上の性能を有し、板厚25
〜100mm未満のアレスト性に優れた直接焼入れ型高
張力厚鋼板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般に、脆性き裂伝播停
止特性はアレスト靭性値(Kca, Crack Arrest Toughne
ss) により評価することができ、アレスト靭性値は母材
靭性と相関があることが知られている(WES3003
−1990解説)。しかし、同じ母材靭性でもアレスト
靭性値にはバラツキが見られ、アレスト性には母材靭性
以外の支配因子も影響しているものと推定されるが、こ
れについての知見はほとんどない。そこで、本発明者ら
は、温度勾配型ESSO試験によって測定される脆性き
裂伝播停止特性と引張特性との関係に着目して、かかる
目的を達成すべく種々の検討を行った。
【0006】引張特性を評価するための試験片の採取方
向と板厚位置については、950N/mm2 鋼はJIS
規格品ではないため、これよりも引張強さが低いJIS
G3128に記載の溶接構造用高降伏点鋼板に基づ
き、板幅方向の1/4t部から採取する方法が一般的で
ある。
【0007】しかし、ペンストックで脆性き裂が伝播し
得る方向は板幅方向と想定されることから、本発明者ら
は脆性き裂によって鋼板が引き裂かれる際の荷重負荷方
向である圧延方向の引張特性についても検討を行った。
これまでに950N/mm2鋼の圧延方向の引張特性に
ついて検討した例は少なく、わずかに特開平2−133
521号公報、特開平2−141528号公報に記載さ
れている程度である。また、板厚位置については、板厚
が25〜100mm未満と高強度材としては比較的厚い
ことから、板厚位置における引張特性の影響を確認する
ため、1/4t部に加え、1/2t部についても調査し
た。
【0008】検討の結果、圧延方向の1/4t部におけ
る引張強さが圧延方向の1/2t部よりも(0.5t)
MPa以上高く、圧延方向と板幅方向および1/4t部
と1/2t部における4種類の引張強さのうち圧延方向
の1/4t部における引張強さが最も高く、あるいはさ
らに圧延方向の1/4t部における降伏比が97.0%
よりも大きいことを特徴とする直接焼入れ型の950N
/mm2 鋼では、ESSO試験によるアレスト性が著し
く向上することを見出した。ここで、降伏比は引張強さ
に対する降伏応力の割合のことである。
【0009】図1に、従来材と本発明鋼のESSO試験
における脆性き裂の破面形態の模式図を示す。従来材で
は1/2t部と1/4t部の脆性き裂の長さはほぼ同じ
で脆性き裂はU字型であるが、本発明鋼では1/2t部
よりも1/4t部の方が脆性き裂の長さが短く脆性き裂
の形態はV字型になる。この結果から、本発明鋼では、
上記の引張特性を有する場合に、特に表面から1/4t
部で脆性き裂の進展が抑制されることによって、アレス
ト性が向上するものと推測される。
【0010】また、本発明鋼は未再結晶域にて圧延した
直後に直接焼入れをして製造するため、圧延方向の1/
4t部では、圧延で導入された加工歪により引張強度が
高くなり、加工歪によって生じた変形帯のため結晶粒径
が細粒化して、降伏比も上昇すると考えられる。以上述
べたように、板厚位置における引張強さの差や降伏比が
一定の条件を満足した鋼板では、特に板幅方向に伝播す
る脆性き裂に対して顕著なアレスト効果が現われること
を今回初めて知見したため、本発明を出願するに至った
ものである。
【0011】すなわち、本発明は、重量%で、C :
0.07〜0.20%、Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.40〜1.50%、Ni:1.0〜3.5
%、Cr:0.10〜1.0%、Mo:0.10〜1.
0%、V :0.01〜0.10%、Al:0.01〜
0.10%、B :0.0003〜0.0030%、N
:0.0010〜0.0070%を含有し、その他は
Feおよび不可避的不純物からなり、圧延方向の1/4
t部における引張強さが圧延方向の1/2t部よりも
(0.5t)MPa以上高く、圧延方向と板幅方向およ
び1/4t部と1/2t部における4種類の引張強さの
うち圧延方向の1/4t部における引張強さが最も高い
ことを特徴とする、アレスト性に優れた直接焼入れ型高
張力厚鋼板。
【0012】また、上記の発明において、さらにCu:
0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.030
%、Ti:0.005〜0.020%、Ca:0.00
1〜0.008%の1種または2種以上を含有するこ
と、あるいは、圧延方向の1/4t部における降伏比が
97.0%よりも大きいことも本発明の特徴とすること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、成分範囲を限定
する理由は次の通りである。なお、本明細書において、
特に断りがない限り、「%」は「重量%」を意味するも
のとする。Cは、焼入れ性の確保と析出物形成元素とし
て必要であり、最低0.07%の添加を必要とするが、
0.20%を超えると母材靭性や溶接性が低下するた
め、C量は0.07〜0.20%とした。
【0014】Siは、脱酸効果および固溶強化元素であ
り、その効果が期待できる量として最低0.01%は必
要であるが、0.30%を超えると溶接性を低下させ、
また溶接熱影響部に島状マルテンサイト組織を現出させ
て靭性を著しく低下させるため、Si量は0.01〜
0.30%とした。
【0015】Mnは、Sを固定して熱間圧延時の粒界割
れを防止する効果と焼入れ性を確保する効果があり、最
低0.40%は必要であるが、1.50%を超えると母
材靭性および溶接性を低下させるため、Mn量は0.4
0〜1.50%とした。
【0016】Niは、焼入れ性とマトリックスの靭性確
保のため不可欠な重要元素であり、最低1.0%は必要
であるが、3.5%を超えると経済性が大幅に低下する
ため、Ni量は1.0〜3.5%とした。
【0017】Crは、焼入れ性を確保する上で必須の元
素であり、最低0.10%添加する必要があるが、1.
0%を超えて添加すると溶接性を著しく低下させるた
め、Cr量は0.10〜1.0%とした。
【0018】Moは、析出強化と固溶強化によるマトリ
ックス強化および焼入れ性確保の点から、最低0.10
%添加する必要があるが、1.0%を超えると溶接性と
熱間加工性を低下させるため、Mo量は0.10〜1.
0%とした。
【0019】Vは、焼入れ性向上と炭窒化物により析出
強化のため必須元素であり、最低0.01%必要である
が、0.10%超添加すると母材および継手靭性を著し
く低下させ、かつ溶接性も損なうため、V量は0.01
〜0.10%とした。
【0020】Alは、脱酸元素として重要であるばかり
でなく、Nと結合してAlNを形成し、オーステナイト
粒の粗大化を抑制する効果があるため、最低0.01%
添加する必要があるが、0.10%を超えると粗大Al
Nの析出を招き、靭性を著しく低下させるため、Al量
は0.01〜0.10%とした。
【0021】Bは、オーステナイト粒界に偏析してフェ
ライトの生成を抑制することによって焼入れ性を確保す
る重要な元素であるため、最低0.0003%必要であ
るが、0.0030%超添加すると溶接性と靭性が低下
するため、B量は0.0003〜0.0030%とし
た。
【0022】Nは、AlNを形成してオーステナイト粒
の粗大化を防止するのに必要であり、0.0010%以
上含有する必要があるが、固溶窒素および窒化物は靭性
に悪影響を及ぼすため、0.0070%以下に制御する
必要があるため、N量は0.0010〜0.0070%
とした。
【0023】また、必要に応じて添加することができる
下記元素について、成分範囲を限定する理由は次の通り
である。Cuは、析出強化による強度確保を目的とし
て、必要に応じて添加することができる元素であり、
0.05%以上添加する必要があるが、0.50%超添
加すると母材靭性および溶接性を低下させるため、Cu
量は0.05〜0.50%とした。
【0024】Nbは、微細析出物としてオーステナイト
に存在することにより、オーステナイト粒の細粒化効果
やマトリックスの析出強化が可能であり、必要に応じて
添加することができる元素である。最低0.005%添
加しないとその効果は現われないが、0.030%超添
加すると母材および継手靭性を低下させるため、Nb量
は0.005〜0.030%とした。
【0025】Tiは、高温でも安定な窒化物を形成し
て、溶接熱影響部の粗粒化を防止することで、溶接部の
靭性を向上させる効果があり、必要に応じて添加するこ
とができる元素である。この効果を得るためには最低
0.005%添加する必要があるが、0.020%超添
加すると窒化物により母材靭性が大きく低下するため、
Ti量は0.005〜0.020%とした。
【0026】Caは、非金属介在物の形態を球状化させ
ることで、母材靭性の向上や異方性の低減に効果があ
り、必要に応じて添加することができる元素である。こ
の効果を得るためには最低0.001%添加する必要が
あるが、0.008%超添加すると介在物の量が増加す
ることで母材靭性が大きく低下するため、Ca量は0.
001〜0.008%とした。
【0027】さらに、機械的特性について限定する理由
について示す。ここで引張試験片はJIS Z 220
1の4号試験片(丸棒)を使用するものとする。圧延方
向の1/4t部と1/2t部の引張強さの差は、従来の
950N/mm 2 鋼とは異なる本発明の根幹に関わる重
要な特徴の1つである。板厚が厚くなるほど直接焼入れ
時の1/4t部と1/2t部での冷却速度の差が広がる
のに伴い、引張強さの差も大きくなる傾向がある。図2
に、1/4t部と1/2t部の引張強さの差を板厚に対
する比率で表したものとアレスト靭性値(Kca)の関
係を示す。板厚が25〜100mmまでの範囲では、1
/4t部と1/2t部の引張強さの差が0.5t以上の
場合に、アレスト性の向上効果が現われるため、圧延方
向の1/4t部と1/2t部の引張強さの差は(0.5
t)MPa以上とした。
【0028】圧延方向と板幅方向および1/4t部と1
/2t部における4種類の引張強さの関係は、従来の9
50N/mm2 鋼とは異なる本発明の重要な特徴の1つ
である。図3に、本発明鋼の圧延方向と板幅方向および
1/4t部と1/2t部における4種類の引張強さの関
係についての模式図を示す。従来材は板幅方向の1/4
t部の引張強さが最も高く圧延方向の1/2t部の引張
強さが最も低い場合が多いが、本発明鋼では圧延方向の
1/4t部の引張強さが最も高い。本発明鋼が圧延方向
の1/4t部と1/2t部の引張強さの差を確保できる
理由は、このように圧延方向の1/4t部の引張強さが
最も高いことが影響しており、アレスト性向上効果が現
われる条件として、圧延方向の1/4t部における引張
強さが最も高いことを大きな特徴とする。
【0029】圧延方向の1/4t部における降伏比は、
本発明の重要な特徴の1つである。図4に、圧延方向の
1/4t部における降伏比とアレスト靭性値(Kca)
の関係を示す。400N/mm2 ・m1/2 以上の優れた
アレスト性を安定して得るためには、降伏比を97.0
%よりも大きくする必要がある。
【0030】また、製造方法について述べる。これまで
の試験結果から、スラブを再結晶域に加熱し、未再結晶
域にて圧延した後に直接焼入れをし、Ac1点未満の温度
で焼戻しを行った場合に、1/4t部と1/2t部の引
張強さの差が0.5t以上で、圧延方向の1/4t部の
引張強さが最も高い950N/mm2 鋼が得られるが、
再加熱焼入れの場合には上記の特徴を有する950N/
mm2 鋼は得ることは出来ないため、製造方法について
は直接焼入れ型に限定した。具体的な製造条件の例とし
ては、加熱温度900〜1040℃、仕上温度750〜
900℃、焼戻し温度550〜650℃である。
【0031】
【実施例】表1に、本発明鋼および比較鋼の取鍋におけ
る化学成分、炭素当量式、Ac1温度を示す。これらの
化学成分を有する鋼塊を900〜1040℃に加熱し
て、仕上温度750〜900℃で熱間圧延を行い、直接
焼入れあるいは再加熱焼入れ後に550〜650℃で焼
戻しを行い、板厚30〜95mmの950N/mm2
を製造した。
【0032】表2〜3に、スラブ加熱温度、仕上圧延開
始温度、焼入れ方法、焼戻し温度、板厚、引張試験結
果、衝撃試験結果、ESSO試験結果を示す。発明鋼A
およびBは、圧延方向の1/4t部における引張強さが
圧延方向の1/2t部よりも(0.5t)MPa以上高
く、圧延方向と板幅方向および1/4t部と1/2t部
における4種類の引張強さのうち圧延方向の1/4t部
における引張強さが最も高かった請求項1および2に相
当する鋼板で、Kca値が300N/mm2 ・m1/2
上の優れたアレスト性を示した。発明鋼C〜Fは、圧延
方向の1/4t部における引張強さが圧延方向の1/2
t部よりも(0.5t)MPa以上高く、圧延方向と板
幅方向および1/4t部と1/2t部における4種類の
引張強さのうち圧延方向の1/4t部における引張強さ
が最も高く、圧延方向の1/4t部における降伏比が9
7.0%よりも大きかった請求項3または4に相当する
鋼板で、Kca値が400N/mm2 ・m 1/2 以上の特
に優れたアレスト性を示した。比較鋼G〜Jは、いずれ
も化学成分が本発明の請求範囲外で、焼入れ方法は再加
熱焼入れであり、圧延方向の1/4t部における引張強
さが圧延方向の1/2t部よりも(0.5t)MPa以
下、圧延方向と板幅方向および1/4t部と1/2t部
における4種類の引張強さのうち最も高いのは板幅方向
の1/4t部で、圧延方向の1/4t部における降伏比
が97.0%以下であり、Kca値は300N/mm2
・m1/2 未満であった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、アレスト性に優れた9
50N/mm2 級の高張力厚鋼板を提供することが可能
であり、その意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ESSO試験片の脆性き裂の破面形態を示す
模式図である。
【図2】 1/4t部と1/2t部の引張強さの差とア
レスト靭性値(Kca)の関係を示す図である。
【図3】 本発明鋼の圧延方向と板幅方向および1/4
t部と1/2t部における4種類の引張強さの関係を示
す図である。
【図4】 圧延方向の1/4t部における降伏比とアレ
スト靭性値(Kca)の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥島 基裕 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 徳納 一成 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.07〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.40〜1.50%、 Ni:1.0〜3.5%、 Cr:0.10〜1.0%、 Mo:0.10〜1.0%、 V :0.01〜0.10%、 Al:0.01〜0.10%、 B :0.0003〜0.0030%、 N :0.0010〜0.0070% を含有し、その他はFeおよび不可避的不純物からな
    り、圧延方向の1/4t部における引張強さが圧延方向
    の1/2t部よりも(0.5t)MPa以上高く、圧延
    方向と板幅方向および1/4t部と1/2t部における
    4種類の引張強さのうち圧延方向の1/4t部における
    引張強さが最も高いことを特徴とする、アレスト性に優
    れた直接焼入れ型高張力厚鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.07〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.40〜1.50%、 Ni:1.0〜3.5%、 Cr:0.10〜1.0%、 Mo:0.10〜1.0%、 V :0.01〜0.10%、 Al:0.01〜0.10%、 B :0.0003〜0.0030%、 N :0.0010〜0.0070% を含有し、 Cu:0.05〜0.50%、 Nb:0.005〜0.030%、 Ti:0.005〜0.020%、 Ca:0.001〜0.008% の1種または2種以上を含有し、その他はFeおよび不
    可避的不純物からなり、圧延方向の1/4t部における
    引張強さが圧延方向の1/2t部よりも(0.5t)M
    Pa以上高く、圧延方向と板幅方向および1/4t部と
    1/2t部における4種類の引張強さのうち圧延方向の
    1/4t部における引張強さが最も高いことを特徴とす
    る、アレスト性に優れた直接焼入れ型高張力厚鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.07〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.40〜1.50%、 Ni:1.0〜3.5%、 Cr:0.10〜1.0%、 Mo:0.10〜1.0%、 V :0.01〜0.10%、 Al:0.01〜0.10%、 B :0.0003〜0.0030%、 N :0.0010〜0.0070% を含有し、その他はFeおよび不可避的不純物からな
    り、圧延方向の1/4t部における引張強さが圧延方向
    の1/2t部よりも(0.5t)MPa以上高く、圧延
    方向と板幅方向および1/4t部と1/2t部における
    4種類の引張強さのうち圧延方向の1/4t部における
    引張強さが最も高く、圧延方向の1/4t部における降
    伏比が97.0%よりも大きいことを特徴とする、アレ
    スト性に優れた直接焼入れ型高張力厚鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、 C :0.07〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.40〜1.50%、 Ni:1.0〜3.5%、 Cr:0.10〜1.0%、 Mo:0.10〜1.0%、 V :0.01〜0.10%、 Al:0.01〜0.10%、 B :0.0003〜0.0030%、 N :0.0010〜0.0070% を含有し、 Cu:0.05〜0.50%、 Nb:0.005〜0.030%、 Ti:0.005〜0.020%、 Ca:0.001〜0.008% の1種または2種以上を含有し、その他はFeおよび不
    可避的不純物からなり、圧延方向の1/4t部における
    引張強さが圧延方向の1/2t部よりも(0.5t)M
    Pa以上高く、圧延方向と板幅方向および1/4t部と
    1/2t部における4種類の引張強さのうち圧延方向の
    1/4t部における引張強さが最も高く、圧延方向の1
    /4t部における降伏比が97.0%よりも大きいこと
    を特徴とする、アレスト性に優れた直接焼入れ型高張力
    厚鋼板。
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