JP2003226268A - トラック部品およびその製造方法 - Google Patents

トラック部品およびその製造方法

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JP2003226268A
JP2003226268A JP2002030684A JP2002030684A JP2003226268A JP 2003226268 A JP2003226268 A JP 2003226268A JP 2002030684 A JP2002030684 A JP 2002030684A JP 2002030684 A JP2002030684 A JP 2002030684A JP 2003226268 A JP2003226268 A JP 2003226268A
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truck
resin composition
resin
hollow particles
fibers
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Toyokazu Mizuguchi
豊和 水口
Fumiaki Kishi
文昭 貴志
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】軽量で十分な剛性、強度を備え、しかも断熱性
に優れた冷蔵車、冷凍車として積載量を増加することが
できるコストメリットの高いトラック部品およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも片面が中空粒子を含む樹脂組成
物で覆われている構造体からなることを特徴とするトラ
ック部品。樹脂組成物に含まれる中空粒子がすくなくと
も珪藻土を含み、該中空粒子の添加量が1〜50重量%
であることを特徴とする。また樹脂組成物に含まれる中
空粒子の平均粒子径が6μm〜2mmであることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラック部品およ
びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
フォームコアの少なくとも片面を炭素繊維およびまたは
ガラス繊維で強化された樹脂で覆われてなるサンドイッ
チ構造体であって、該構造体の少なくとも片面に中空粒
子を含む樹脂組成物で覆われてなるトラック部品および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のトラック部品、特に貨物室の構造
として、例えば本体シャーシ上に金属フレーム材により
形成した骨材をベースとするフロアパネルを設置し、さ
らにフロアパネルの上に門形フレームを取り付けるとと
もに、前後の門形フレームの中央部をセンタービームで
連結し、貨物室の左右の側壁と天井部分を上方に跳ね上
げて回動できるようにした、ウイング構造の貨物室が知
られている。
【0003】このような構造により、貨物室への荷物の
出し入れが後ろ側だけでなく、左右からも可能となり、
作業性の向上を図ることができる。従来のトラック貨物
室は、フォームコアを中心にしてその周囲を布、金属
板、FRP板で覆ったサンドイッチ構成のウイングや荷
物を積載する床材などが一般的に採用されている。
【0004】また、トラック部品の中で冷蔵車や冷凍車
などは内面に断熱材(木材、発砲スチロール、ガラスマ
ット等)を多量に使用したものが一般的に用いられてい
る。さらに、トラック外装面に市販の断熱塗料(テンプ
コート)を塗布する方法などが採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、トラック生産業
界では従来の外寸で積載量向上および燃費向上のため、
車体の軽量化や壁面の薄肉化の検討を行っている。従来
のトラック部品は金属材料が主流であり、この方法では
貨物室の架装重量が嵩むので積載重量を向上させるには
限度がある。さらに、貨物室には貨物を積載するための
空間が必要であり、この空間を保持するための補強部材
にも強度向上のため材料の肉厚が増し、重量が嵩み、架
装重量が増すという問題があった。
【0006】さらに、鉄やアルミなどの金属材料では耐
候性、耐食性にも問題が生じる。また、冷凍車や冷蔵車
などは室内温度を保持するため貨物室の床や壁面に多量
の断熱材を用いるため、架装費用の増大や内法幅が小さ
くなり積載量が少なくなり、コストアップとなる問題が
ある。
【0007】最近、これらの問題を解決するため、FR
Pを用いた架装が行われつつある。例えば、特開平4−
166416号公報にはFRPを用いたトラック荷台用
ウイングパネルが提案されている。この方法は断熱層と
してバルサ木材を芯材として用いて周囲をチャンネル部
材に抱持されてウイングパネルが構成されている。しか
し、この提案においては芯材としてのバルサ材を使用し
ているため軽量効果は小さく、かつ成形体をチャンネル
材とリベットなどで接合するため、架装コストの上昇を
招くことになる。さらに、FRPを使用しているものの
そのFRP部材がパネルの主たる剛性部材とはなってお
らず、芯材としてのバルサ材や周囲のチャンネル部材で
パネルの剛性や強度の大部分を受け持つようになってい
る。
【0008】そのため、このFRP部材は軽量化の効果
は小さく表面保護が主目的である。さらに、トラックの
外装面に断熱塗料なるものを塗布する方法があるが、こ
の断熱塗料が高価で全面塗布すると、保冷効果向上と壁
厚みを薄くできるコストメリットを越えてしまうことに
なる。
【0009】本発明の課題は、軽量でかつ十分な剛性、
強度を備え、しかも加工性、組立性、保温性、価格が安
価で優れたトラック部品およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、 (1)少なくとも片面が中空粒子を含む樹脂組成物で覆
われている構造体からなることを特徴とするトラック部
品。
【0011】(2)前記樹脂組成物に含まれる中空粒子
が少なくとも珪藻土を含み、該中空粒子の添加量が1〜
50重量%であることを特徴とする前記(1)に記載の
トラック部品。
【0012】(3)前記樹脂組成物に含まれる中空粒子
の平均粒子径が6μm〜2mmであることを特徴とする
前記(1)または(2)に記載のトラック部品。
【0013】(4)前記トラック部品の熱伝導率が0.
2〜2.1kcal/m・h・℃であることを特徴とす
る前記(1)〜(3)のいずれかに記載のトラック部
品。
【0014】(5)フォームコアを含むFRP製サンド
イッチ構造体からなり、該サンドイッチ構造体の少なく
とも片面が中空粒子を含む樹脂組成物で覆われてなるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかのトラッ
ク部品。
【0015】(6)FRPを構成する繊維が炭素繊維、
ガラス繊維、セラミック繊維、ボロン繊維の短繊維、長
繊維、織物、および編み物から選ばれる少なくとも1種
の無機繊維であることを特徴とする前記(1)〜(5)
のいずれかに記載のトラック部品。
【0016】(7)前記トラック部品が、箱型のトラッ
ク貨物室であることを特徴とする前記(1)〜(6)の
いずれかに記載のトラック部品。
【0017】(8)前記トラック部品が、ウイングであ
ることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記
載のトラック部品。
【0018】(9)前記トラック部品が、床材であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の
トラック部品。
【0019】(10)前記トラック部品が、キャブであ
ることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記
載のトラック部品。
【0020】(11)前記前記(1)〜(10)のいず
れかに記載のトラック部品を有することを特徴とするト
ラック。
【0021】(12)前記トラックが、冷蔵車およびま
たは冷凍車であることを特徴とする前記(11)に記載
のトラック。
【0022】(13)金型の上に中空粒子を含む樹脂組
成物を塗布または吹き付けて硬化させ、その上に炭素繊
維および/またはガラス繊維を積層し、その上にフォー
ムコアを配置し、さらにその上に炭素繊維および/また
はガラス繊維を積層して、全体をフィルムで覆い金型と
フィルムの間をシール材でシールした後、フィルム内部
を90MPa以上の真空にし、樹脂を注入して繊維を含
浸させた後、硬化させることを特徴とするトラック部品
の製造方法。
【0023】(14)金型の上に中空粒子を含む樹脂組
成物を塗布または吹き付けて硬化させ、その上に樹脂を
含浸させた炭素繊維および/またはガラス繊維を積層
し、その上にフォームコアを配置し、さらにその上に樹
脂を含浸させた炭素繊維および/またはガラス繊維を積
層し、その上を積層体全体をフィルムで覆い金型とフィ
ルム端部との間をシール材でシールした後、フィルム内
部を90MPa以上の真空にし、30℃〜180℃の温
度で樹脂を硬化させることを特徴とするトラック部品の
製造方法。
【0024】(15)金型の上に中空粒子を含む樹脂組
成物を塗布または吹き付けて硬化させ、その上に炭素繊
維および/またはガラス繊維を積層しながら樹脂を刷毛
またはローラーで塗布し、その上にフォームコアを配置
し、さらにその上に炭素繊維および/またはガラス繊維
を積層しながら樹脂を刷毛またはローラーで塗布して含
浸させた後、樹脂を硬化させることを特徴とするトラッ
ク部品の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題である、軽量
でかつ十分な剛性、強度を備え、しかも加工性、組立
性、保温性に優れたトラック部品について鋭意検討し、
中空粒子を含む樹脂組成物が構造体の少なくとも片面を
覆ってなるトラック部品によって、かかる課題を一挙に
解決できることを究明したものである。特に本発明のト
ラック部品は断熱効果が大きいことから冷蔵、冷凍トラ
ックの部品として好ましく適用できる。
【0026】以下、断熱性に優れた中空粒子を含む樹脂
組成物が構造体の少なくとも片面を覆ってなるトラック
部品およびその製造方法についてさらに詳しく説明す
る。
【0027】本発明のトラック部品は、構造体の少なく
とも片面が中空粒子を含む樹脂組成物で覆われてなるも
のである。該樹脂組成物に含まれる中空粒子は少なくと
も珪藻土を含み、その粒子の添加量は1〜50重量%で
あることが好ましい。
【0028】さらに、樹脂組成物に含まれる中空粒子は
天然石中空粒子および人工石中空粒子から選ばれる少な
くとも1種から構成される、断熱性を有するものが好ま
しく適用できる。天然石中空粒子としては、真珠岩、黒
曜石など火山噴出物(シラス)に含まれるガラス質分を
加熱、焼成して発泡せしめたシラスバルーンや海底に存
在する珪藻土中空粒子は、高い断熱性を有するため好ま
しく使用できる。また、人工石中空粒子の具体例として
は、セラミックやガラスなどの中空粒子が挙げらる。な
かでも珪藻土の中空粒子は安価かつ断熱性も良好で好ま
しく使用できる。中空粒子においても粒子の一部が開放
型であることが好ましく断熱効果が高い。これら天然石
中空粒子は、それぞれ単独で使用することもできるし、
両者を混合して使用することもできるが、樹脂内での均
一な分散性を確保するため、単独での使用が好ましい。
【0029】本発明の樹脂塑性物に含まれる中空粒子の
添加量は1〜50重量%が好ましい。粒子の添加量が1
重量%より少ないと断熱性能が低下するため、保冷効果
が低下して規定室内温度を確保することができなくな
る。また、粒子の添加量が50重量%を越えると樹脂と
の馴染みが悪くなるため、スプレー塗装による塗布成形
性が悪くなり、見栄えが劣るので好ましくない。より好
ましい添加量は5〜30重量%であると断熱効果が高
く、かつ成形性が良く外観が良好となる。
【0030】本発明の樹脂塑性物に含まれる中空粒子
は、その平均粒子径が6μm〜2mmのものが良い。中
空粒子径については、その平均粒子径が好ましくは10
μm〜1mm、より好ましくは30μm〜0.5mmの
ものが良い。平均粒子径が6μm未満であると、粒子を
均一に粉砕し難くなり、真珠岩や黒曜石などの場合は、
一様に発泡せしめることも困難となる。また、中空粒子
の単位体積当たりの空隙率が減少し、その熱伝導率が大
きくなり、断熱効果が減少する。中空粒子径が5mmを
越えると粒子が割れやすくなり、樹脂とともに塗布する
と表面均一性が低下し製品の外観品位が低下する。また
スプレー塗装時には粒子が割れて空隙率が減少し、その
熱伝導率が大きくなり、断熱効果が減少する。
【0031】本発明における樹脂塑性物に含まれる中空
粒子は、通常、後述する熱伝導率の測定方法において、
該粒子と不飽和ポリエステル樹脂とを均一に分散混合し
て得られる板状物の熱伝導率が0.2〜1.2kcal
/m・h・℃であることが好ましい。熱伝導率が1.2
kcal/m・h・℃を越えると中空粒子層の断熱性能
が不足がちであり、したがって、FRPの断熱性能が低
下し、トラックの冷蔵車、冷凍車などの保冷性を上げる
ため壁厚みが増加し積載量が低下してコスト的にマイナ
スとなる。また、熱伝導率を0.2kcal/m・h・
℃より小さくすると中空粒子を含む樹脂組成物の塗布量
が多くなり、成形時間が長くなる。さらに樹脂量および
中空粒子量が多くなるため、コストメリットが小さくな
る。したがって、かかる熱伝導率は小さいほど良いが、
好ましくは0.9kcal/m・h・℃〜0.5kca
l/m・h・℃であれば、FRPの断熱性能が向上し、
冷蔵車、冷凍車などの壁厚みが薄くすることが可能とな
り、積載量を増加できるため、運送効率が増加してコス
ト的にプラスとなる。
【0032】本発明の中空粒子を含む樹脂組成物を形成
する樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ビニル
エステル樹脂などの熱硬化性樹脂をマトリックスとする
ものであることが好ましく、中でもビニルエステル樹脂
や不飽和ポリエステル樹脂は中空粒子とともに塗布また
はスプレー塗装する際の樹脂として安価で塗布性能が良
く好ましく使用できる。より好ましくは最も安価で強度
のある不飽和ポリエステル樹脂が良い。
【0033】前記中空粒子の配合量については、熱硬化
性樹脂からなる樹脂100重量部当たり5〜100重量
部が良い。より好ましくは10〜80重量部が良い。さ
らに好ましくは15〜60重量部が良い。配合量が5重
量部未満であると該層の熱伝導率が大きくなり、FRP
の断熱性が低下する。また、100重量部を越えると中
空粒子を含む樹脂組成物の塗布性能が低下して製品の外
観品位も低下する他、使用量が必要以上に多いため、コ
ストが高くなる。
【0034】中空粒子を含む樹脂組成物の塗布厚みは
0.2mm〜10mmが好ましい。塗布厚みが0.3m
mより小さいと単位面積当たりの中空粒子の数が少なく
なるため、断熱層が薄くなるため、断熱効果が小さくな
る。塗布厚みが10mmより大きいと断熱効果は大きい
が樹脂量が多くなるとFRPの重量が大きくなりFRP
の軽量化効果が小さくなりコスト的にマイナスとなる。
より好ましい塗布量は1mm〜5mmが好ましい。
【0035】本発明の中空粒子を含む樹脂組成物で覆わ
れてなる構造体を補強する基材は無機または有機繊維が
使用され、無機繊維としては、ガラス繊維、チラノ繊
維、炭素繊維、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイ
トライド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、鉱物繊維等
が挙げられる。有機繊維としては、アクリル繊維、アラ
ミド繊維、レーヨン繊維、ビニル繊維、フッソ繊維等が
挙げられる。これらの繊維は価格、性能を考慮して、そ
れぞれ単独または組み合わせて使用できる。なかでも好
ましい補強繊維としては、ガラス繊維が汎用的で耐熱性
が良く安価で好ましく使用できる。また、FRPの軽量
化を狙い炭素繊維を用いることが好ましい。これら補強
する繊維基材の形態としては、長繊維、短繊維、織物
(平織り、一方向織り)、不織布、編み物、組み物等が
挙げられ、何れでも良いが、好ましくは寸法安定性の面
から長繊維の織物が良い。これらの繊維はコスト、性能
を配慮して単独または複合で使用することができる。
【0036】構造体とは繊維強化プラスチック(FR
P)を示し、図のガラス繊維8および炭素繊維9で構成
されるものである。
【0037】本発明の構造体は少なくとも片面に中空粒
子を含む樹脂組成物で覆われてなるFRP製ウイングと
して用いることができる。ウイングパネルは中央にフォ
ームコアを配置し、その両端をFRP板で挟むサンドイ
ッチ構造体である。該構造体は横断面がL字形に構成さ
れ、天井部と側面部とからなっており、天井部の内面す
なわち貨物室側にウイングを開閉するための油圧シリン
ダーを取り付けるエンドスチフナが両端部に設置されて
いる。該構造体の少なくとも一面(内面または外面また
は両面)に中空粒子を含む樹脂組成物を配置して、断熱
性を向上させて、その分壁厚みを薄くでき貨物の積載量
を増加させることができ、輸送コストを低下させること
ができる。本発明のウイング構造体はFRPに限定され
るものではない。アルミ製、布製、木製、鉄製ウイング
等の少なくとも一面(内面または外面または両面)に中
空粒子を含む樹脂組成物を配置して、断熱性を向上さ
せ、その分壁厚みを薄くでき貨物の積載量を増加させる
ことができる。
【0038】フォームコアとしては、ウレタン発泡体、
アクリル発泡体、スチレン発泡体、フェノール発泡体等
をFRPに挟んだものや張り付けたものなどが挙げられ
る。
【0039】本発明の構造体は少なくとも片面に中空粒
子を含む樹脂組成物で覆われてなるFRP製床材として
用いることができる。床材は中央にフォームコアを配置
し、その両端をFRP板で挟むサンドイッチ構造体であ
る。さらに該床材は貨物室の床であり多種多様の荷物を
積載するため面圧強度を向上させるため20〜30ケ所
ガラス織物をリブとして車幅方向に配置している。床材
は上記に限定されるものではない。金属製、プラスチッ
ク製、木製床材等の少なくとも一面(内面または外面ま
たは両面)に中空粒子を含む樹脂組成物を配置して、断
熱性を向上させ、その分壁厚みを薄くでき貨物の積載量
を増加させることができる。
【0040】本発明の構造体は少なくとも片面に中空粒
子を含む樹脂組成物で覆われてなるトラック部品のキャ
ブとして用いることができる。トラックキャブは金属製
が主流で軽量化と室内断熱性を図るために該構造体を用
いることができるが、これに限定するものではない。キ
ャブはより軽量化と価格ダウンを図るためチョップド炭
素繊維を用いて熱可塑性樹脂とともに射出成形すること
ができる。その射出成形したFRPキャブの少なくとも
一面(内面または外面または両面)に中空粒子を含む樹
脂組成物を塗布して、断熱性を向上させて居住性も向上
させることができる。
【0041】本発明の構造体は少なくとも片面に中空粒
子を含む樹脂組成物で覆われてなるトラック部品を冷蔵
車または冷凍車として使用することができる。これら冷
蔵車や冷凍車に該構造体を使用することにより、壁面や
床面の断熱効果が向上し、その壁厚みや床厚みを小さく
でき、その分輸送量を増加することができる他、同じ厚
みであれば保温効果が高い分冷凍、冷蔵エネルギーを小
さく抑えることができる。さらに、両側面をウイング構
造とすることにより、荷物の積み卸しが簡単になり作業
者の労力軽減が図れ、作業効率も向上する。この構造体
は冷凍、冷蔵車に限定するものではない。従来のウイン
グトラック、コンテナ、列車、船、建築屋根材、建築壁
材、建築床材、電気冷蔵庫、携帯クーラーボックス等に
も好ましく使用できる。
【0042】本発明のトラック部品の製造方法について
図により説明する。図1は、本発明のトラック部品の一
例を示す。本発明のトラックには開閉可能なウイング1
とフロア3とキャビン2が架装されてなる。図2はその
部品の断面図であり、フォームコア5の両サイドにFR
P4が配置され、その上に中空粒子を含む樹脂組成物7
が配置された構造体である。図3はフォームコア5の中
に圧縮補強材6が配置され、コア両サイドにFRP4が
配置され、その上に中空粒子を含む樹脂組成物7が配置
された構造体である。また、図4はフォームコア5がF
RP4により包まれたリブ構造として配置され、FRP
4の片面に中空粒子を含む樹脂組成物7が配置されたも
のである。
【0043】圧縮補強材としては、木材、ハニカム材、
グレーチング材など圧縮力に対して耐久性のある材料な
どが挙げられる。図の例では木材を用いている。
【0044】図5は製造方法の一例を示し、金型16の
上に中空粒子を含む樹脂組成物7を塗布または吹き付け
て硬化させ、その上にガラス繊維マット8を積層し、そ
の上に炭素繊維織物9を積層し、その上にフォームコア
10を配置し、さらにその上に炭素繊維織物9を積層
し、その上にガラス繊維マット8を積層し、その上に樹
脂を表面に拡散させるための網状物11を配置したもの
である。網状物11の上には樹脂注入パイプ12が配置
され、積層物の両サイドには真空吸引パイプ14を配置
し、全体をフィルム13で覆い、その端部周囲をシール
材15で金型との間をシールし、下部両端の真空吸引パ
イプ14でフィルム13内部を90MPa以上の真空に
し、上部樹脂注入パイプ12から樹脂を注入して繊維基
材を含浸させながら下部両端の真空吸引パイプ14で余
分な樹脂を吸引し、硬化さることにより製造できる。金
型16の上に塗布または吹き付ける中空粒子を含む樹脂
組成物7はFRPを成形した後、FRPの少なくとも片
面に塗布または吹き付けることにより製造することもで
きる。
【0045】本発明のトラック部品のもう一つの製造方
法の一例を図6に示す。金型16の上に中空粒子を含む
樹脂組成物7を塗布または吹き付けて硬化させ、その上
に樹脂を含浸させたガラス繊維マット8を積層し、その
上に樹脂を含浸させた炭素繊維織物9を積層し、その上
にフォームコア10を配置し、さらにその上に樹脂を含
浸させた炭素繊維9を積層し、その上にガラス繊維マッ
ト8を積層し、その上を積層体全体をフィルム13で覆
い、金型16とフィルム端部との間をシール材15でシ
ールした後、フィルム13の内部を90MPa以上の真
空にし、30℃〜180℃の温度で樹脂を硬化させるこ
とにより製造できる。金型16の上に塗布または吹き付
ける中空粒子を含む樹脂組成物7はFRPを成形した
後、FRPの少なくとも片面に塗布または吹き付けるこ
とにより製造することもできる。
【0046】本発明のトラック部品のさらにもう一つの
製造方法の一例は、図示しないが、金型の上に中空粒子
を含む樹脂組成物を塗布または吹き付けて硬化させ、そ
の上に炭素繊維およびまたはガラス繊維を積層しながら
樹脂を刷毛またはローラーで塗布し、その上にフォーム
コアを配置し、さらにその上に炭素繊維およびまたはガ
ラス繊維を積層しながら樹脂を刷毛またはローラーで塗
布して含浸させた後、樹脂を硬化させることにより製造
できる。金型の上に塗布または吹き付ける中空粒子を含
む樹脂組成物はFRPを成形した後、FRPの少なくと
も片面に塗布または吹き付けることにより製造すること
もできる。 (中空粒子層の熱伝導率)中空粒子を不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部に対して20重量部を混練機を用い
て均一に混合・分散させ、型枠上に塗布して板状材(A
板)を得た。これと中空粒子が添加されていない同樹脂
だけの板状材(B板)を隙間が無いように張り合わせ2
層構造とした。次に、B板側から900Wのヒーターで
10cm離れた位置から加熱し、5分後のB板の表面温
度To、接着界面温度T1、A板側の表面温度T2、を
熱電対によって測定し、得られた値から次式によって求
めた。
【0047】熱伝導率λ=λo×(L1/Lo)×(T
o−T1)/(T1−T2) なお、λo:B板の熱伝導率、Lo:B板の厚み、L
1:A板の厚みである。 (中空粒子の平均粒子径)網篩試験法により測定した。
直径が150mm〜200mmで深さが60mmの目開
き特定された標準網篩(JIS Z8801参照)を用
いて、試料を50g篩に入れ、1分間に150回の頻度
で篩を叩きながら篩目を通過させた。このとき、25回
叩くごとに篩を1/6回転させた。次いで1段階粗い目
開きの標準篩を用いて同じ試料について再度上記の篩作
業を行った。こうして1段階粗い目開きの標準篩を通過
した粒子の径が、例えば10〜100μmの範囲にあっ
た場合に中空粒子の平均粒子径は10〜100μmの範
囲にあるとした。
【0048】
【発明の効果】本発明のトラック部品である構造体は少
なくとも片面が中空粒子を含む樹脂組成物で覆われてな
るトラック部品であり、中空粒子を含む樹脂組成物の断
熱効果によりトラック部品であるウイングおよび床材の
厚みを薄くすることができるため、軽量化でき容積が大
きくなる分積載量が多くなり、輸送コストを低減でき
る。その他、同じ厚みであれば断熱効果が大きい分、冷
蔵車、冷凍車では冷却エネルギーを小さくすることがで
きエネルギーコスダウンの大きいFRP構造体を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るトラックの斜視図で
ある。
【図2】本発明のトラック用ウイングパネルの一例を示
す断面図である。
【図3】本発明のトラック用フロアパネルの一例を示す
断面図である。
【図4】本発明のトラック用フロアパネルの一例を示す
断面図である。
【図5】本発明のトラック部品の製造方法の一例を示す
断面図である。
【図6】本発明のトラック部品の製造方法の他の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1:ウイングパネル 2:キヤビン 3:フロアパネル 4:繊維強化プラスチック(FRP) 5:フォームコア 6:木材 7:中空粒子を含む樹脂組成物 8:ガラス繊維 9:炭素繊維 10:フォームコア 11:プラスチック製ネット 12:樹脂注入パイプ 13:バギングフィルム 14:真空吸引パイプ 15:シール材 16:成形用型枠

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面が中空粒子を含む樹脂組成
    物で覆われている構造体からなることを特徴とするトラ
    ック部品。
  2. 【請求項2】前記樹脂組成物に含まれる中空粒子が少な
    くとも珪藻土を含み、該中空粒子の添加量が1〜50重
    量%であることを特徴とする請求項1に記載のトラック
    部品。
  3. 【請求項3】前記樹脂組成物に含まれる中空粒子の平均
    粒子径が6μm〜2mmであることを特徴とする請求項
    1または2に記載のトラック部品。
  4. 【請求項4】前記トラック部品の熱伝導率が0.2〜
    2.1kcal/m・h・℃であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のトラック部品。
  5. 【請求項5】フォームコアを含むFRP製サンドイッチ
    構造体からなり、該サンドイッチ構造体の少なくとも片
    面が中空粒子を含む樹脂組成物で覆われてなることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかのトラック部品。
  6. 【請求項6】FRPを構成する繊維が炭素繊維、ガラス
    繊維、セラミック繊維、ボロン繊維の短繊維、長繊維、
    織物、および編み物から選ばれる少なくとも1種の無機
    繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のトラック部品。
  7. 【請求項7】前記トラック部品が、箱型のトラック貨物
    室であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のトラック部品。
  8. 【請求項8】前記トラック部品が、ウイングであること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトラック
    部品。
  9. 【請求項9】前記トラック部品が、床材であることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトラック部
    品。
  10. 【請求項10】前記トラック部品が、キャブであること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトラック
    部品。
  11. 【請求項11】前記請求項1〜10のいずれかに記載の
    トラック部品を有することを特徴とするトラック。
  12. 【請求項12】前記トラックが、冷蔵車およびまたは冷
    凍車であることを特徴とする請求項11に記載のトラッ
    ク。
  13. 【請求項13】金型の上に中空粒子を含む樹脂組成物を
    塗布または吹き付けて硬化させ、その上に炭素繊維およ
    び/またはガラス繊維を積層し、その上にフォームコア
    を配置し、さらにその上に炭素繊維および/またはガラ
    ス繊維を積層して、全体をフィルムで覆い金型とフィル
    ムの間をシール材でシールした後、フィルム内部を90
    MPa以上の真空にし、樹脂を注入して繊維を含浸させ
    た後、硬化させることを特徴とするトラック部品の製造
    方法。
  14. 【請求項14】金型の上に中空粒子を含む樹脂組成物を
    塗布または吹き付けて硬化させ、その上に樹脂を含浸さ
    せた炭素繊維および/またはガラス繊維を積層し、その
    上にフォームコアを配置し、さらにその上に樹脂を含浸
    させた炭素繊維および/またはガラス繊維を積層し、そ
    の上を積層体全体をフィルムで覆い金型とフィルム端部
    との間をシール材でシールした後、フィルム内部を90
    MPa以上の真空にし、30℃〜180℃の温度で樹脂
    を硬化させることを特徴とするトラック部品の製造方
    法。
  15. 【請求項15】金型の上に中空粒子を含む樹脂組成物を
    塗布または吹き付けて硬化させ、その上に炭素繊維およ
    び/またはガラス繊維を積層しながら樹脂を刷毛または
    ローラーで塗布し、その上にフォームコアを配置し、さ
    らにその上に炭素繊維および/またはガラス繊維を積層
    しながら樹脂を刷毛またはローラーで塗布して含浸させ
    た後、樹脂を硬化させることを特徴とするトラック部品
    の製造方法。
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