JP2003220635A - 射出成形装置および射出成形方法 - Google Patents

射出成形装置および射出成形方法

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JP2003220635A
JP2003220635A JP2002021335A JP2002021335A JP2003220635A JP 2003220635 A JP2003220635 A JP 2003220635A JP 2002021335 A JP2002021335 A JP 2002021335A JP 2002021335 A JP2002021335 A JP 2002021335A JP 2003220635 A JP2003220635 A JP 2003220635A
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molding
mold
product
recess
runner
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JP2002021335A
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Yoshiji Suzuki
宣二 鈴木
Kazuichi Nakazato
和市 中里
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Yamaha Fine Technologies Co Ltd
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Yamaha Fine Technologies Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料充填時には材料の温度を高めに保持して
流動性を維持でき、材料充填後は材料を急速に冷却固化
でき、さらに成形サイクルを短縮化できる射出成形装置
および射出成形方法を提供すること。 【解決手段】 射出成形装置10の金型11内における
成形品成形用凹部の近傍に冷却水路18aを設け、ラン
ナー成形用凹部16bの近傍に高温油路21を設けた。
また、加熱部をプレートヒーター32で構成した。金型
11における製品成形用凹部16c形成された部分とラ
ンナー成形用凹部16bが形成された部分との間に断熱
材層20を設けた。また、金型11におけるランナー成
形用凹部16bの近傍部分を高熱伝導性の材料で構成し
た。射出成形方法において、型締め工程、充填工程およ
び取り出し工程のうちの少なくとも型締め工程の際に、
金型11におけるランナー成形用凹部16bの近傍を加
熱する加熱工程を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型を用いて成形
品を射出成形する射出成形装置および射出成形方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶融した樹脂材料や金属材料
からなる成形用材料を、金型を備えた射出成形機で射出
成形する際には、成形用材料を成形品成形用凹部内に充
填しやすくしたり短時間で固化させたりするために金型
を加熱したり冷却したりする手段が利用されている。こ
のような射出成形の工程においては、金型の温度を成形
用材料の流動性を保持できる温度に加熱したのちに成形
用材料の充填が行われる。そして、金型の成形品成形用
凹部内に成形用材料が充填されると、成形用材料の熱は
金型に吸収されて、金型の温度が上昇する一方、成形用
材料の温度は低下する。
【0003】この際、さらに成形用材料の温度を低下さ
せて成形用材料を固化させるために、金型における成形
品形成用凹部の近傍を冷却することが行われる。そし
て、成形用材料が固化して成形品になったのちに金型を
開いて成形品を取り出し、再度、金型を閉じて、成形用
材料の充填を行うといったように、金型は成形材料の熱
吸収により温度上昇し成形用材料を固化させるために冷
却されるといった温度の上昇・下降を繰り返す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
射出成形装置および射出成形方法では、金型の冷却を行
って成形品を取り出したのちに、そのままつぎの射出成
形が行われるため、金型の温度は低めに保持される。こ
の結果、成形される成形品にウェルド(成形用材料の流
れ出会い部分に生じる細い線)やひけ等の欠陥部分が生
じやすくなるという問題が生じている。また、これらの
欠陥発生を防止するために金型の冷却による温度降下を
少なくして金型温度を高めに保持すると成形用材料の固
化時間が長くなるため射出成形のサイクル時間が長くな
り生産性が低下するという問題が生じる。特に、ハイサ
イクル成形で高品質の成形品を得ようとすると、設計上
ランナーが太くなるために、短時間で成形用材料を固化
させることが困難である。
【0005】
【発明の概要】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、成形用材料の充填時には成
形用材料の温度を高めに保持して流動性を維持すること
ができ、成形用材料の充填後は成形用材料を急速に冷却
固化することができ、さらにその成形サイクル時間を短
縮化することのできる射出成形装置および射出成形方法
を提供することである。
【0006】上記の目的を達成するため、本発明にかか
る射出成形装置の構成上の特徴は、製品部を成形するた
めの製品成形用凹部と、射出口から製品成形用凹部に成
形用材料を供給するためのランナー成形用凹部とを含む
成形品を成形するための成形品成形用凹部が形成された
金型を備えた射出成形装置において、金型内における成
形品成形用凹部の近傍に冷却部を設け、ランナー成形用
凹部の近傍に加熱部を設けたことにある。
【0007】前記のように構成した本発明の射出成形装
置では、金型を冷却するための冷却部だけでなく金型に
おけるランナー成形用凹部の近傍を加熱するための加熱
部も設けている。この場合、冷却部を設ける部分は金型
の成形品成形用凹部を冷却できる所定位置であり、特
に、ランナー成形用凹部や製品成形用凹部の近傍が好ま
しい。また、加熱部を設ける部分は金型のランナー成形
用凹部の近傍にする。これによって、成形用材料を充填
するときには加熱部でランナー成形用凹部を加熱して成
形用材料の流動性を保持し欠陥の生じない充填が行える
ようになる。また、成形用材料の充填後は、冷却部で成
形品成形用凹部全体を冷却して素早く成形用材料を固化
することができる。したがって、成形される成形品に欠
陥が生じなくなり、成形時間の短縮化も図れる。
【0008】また、本発明による射出成形装置の加熱部
は、高温に加熱した流体を通すための高温流体路で構成
することができ、これによると、ランナー成形用凹部の
加熱を簡単かつ、短時間で行うことができる。この場
合、高温流体としては高温油が好適であるが、ガス等の
流体を使用することもできる。また、加熱部をヒーター
で構成することもでき、これによると、流体を保持する
ためのタンク等が不要になるため装置がより簡単にな
る。また、ヒーターとしては、面状のプレートヒーター
や線状のヒーターが使用でき、目的に応じて加熱方法を
変更することができる。
【0009】また、本発明による射出成形装置の他の構
成上の特徴は、製品部を成形するための製品成形用凹部
と、射出口から製品成形用凹部に成形用材料を供給する
ためのランナー成形用凹部とを含む成形品を成形するた
めの成形品成形用凹部が形成された金型を備えた射出成
形装置において、金型に、製品成形用凹部とランナー成
形用凹部との間での熱の伝達を遮断するための断熱層を
設けたことにある。
【0010】このように構成した本発明の射出成形装置
では、断熱層によって、金型における製品成形用凹部の
部分とランナー成形用凹部の部分との間で熱が伝わりに
くくなっている。したがって、ランナー成形用凹部の近
傍部分の温度を、成形用材料充填時には上昇させ、冷却
時には下降させることにより温度を大きく変動させて
も、製品成形用凹部の近傍部分の温度は、所定範囲の低
温に維持することができる。これによって、成形用材料
は高温状態に維持されたまま、ランナー成形用凹部を通
過して製品成形用凹部に供給されたのち、製品成形用凹
部内で急冷固化されるようになり、良好な材料充填およ
び製品部分の固化が可能になる。
【0011】また、本発明による射出成形装置のさらに
他の構成上の特徴は、請求項1ないし4に記載した射出
成形装置において、さらに、金型におけるランナー成形
用凹部の近傍部分を高熱伝導性の材料で構成したことに
ある。このように構成したため、金型におけるランナー
成形用凹部の近傍部分の温度は、加熱により上昇しやす
く、冷却により低下しやすくなる。この結果、射出成形
のサイクル時間を短縮化することができる。
【0012】また、本発明による射出成形方法の構成上
の特徴は、製品部を成形するための製品成形用凹部と、
射出口から製品成形用凹部に成形用材料を供給するため
のランナー成形用凹部とを含む成形品を成形するための
成形品成形用凹部が形成された金型を用いる射出成形方
法において、金型を閉じる型締め工程と、金型の成形品
成形用凹部内に成形用材料を充填する充填工程と、金型
を冷却して成形品成形用凹部内の成形用材料を固化させ
る冷却工程と、金型を開く型開き工程と、成形された成
形品を金型から取り出す取り出し工程と、型締め工程、
充填工程および取り出し工程のうちの少なくとも型締め
工程の際に、金型におけるランナー成形用凹部の近傍を
加熱する加熱工程とを備えたことにある。
【0013】この射出成形方法では、型締め工程、充填
工程および取り出し工程のうちの少なくとも型締め工程
の際に、金型におけるランナー成形用凹部の近傍を加熱
する加熱工程を設けている。したがって、成形用材料が
充填されるときにはランナー成形用凹部は加熱されて所
定温度に達するようになり、成形用材料の温度低下によ
る流動性の低下がなくなる。この場合、金型におけるラ
ンナー成形用凹部近傍の加熱を素早く行って、サイクル
時間を短縮するためには、取り出し工程の際も加熱を行
う。また、成形用材料の充填を良好に行うためには、充
填工程の際にも加熱を行う。
【0014】また、成形用材料の充填後は、冷却工程に
よって樹脂部位が冷却されるため成形用材料が急速に固
化される。このように、この射出成形方法では、金型を
冷却するだけでなく加熱も行うようになっており、その
冷却・加熱を行う金型の部分やタイミングも適正になる
ように設定している。したがって、良好な成形品が得ら
れる射出成形を短いサイクル時間で行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。本発明にかかる射出成形装置は樹脂
製品を成形するためのもので、図1は、その射出成形装
置の主要部の概略構成図を示している。この射出成形装
置10は、図1に縦断面図で示した金型11を備えてい
る。この金型11は、射出成形装置10の躯体側に固定
された固定側取付板12と、固定側取付板12に対して
図示の上下方向に移動可能に設けられた固定側型板13
と、固定側取付板12および固定側型板13に対して上
下方向に移動可能に設けられた可動型14の3個のプレ
ート部分からなるスリープレート型の金型で構成されて
いる。
【0016】固定側取付板12、固定側型板13および
可動型14のそれぞれ四隅には挿通穴(図示せず)が設
けられており、その挿通穴に射出成形装置10の躯体に
設けられた支持棒を挿通させることによって、金型11
は射出成形装置10の躯体に着脱自在に取り付けられて
いる。そして、駆動装置(図示せず)を駆動させること
により、固定側型板13および可動型14が支持棒に沿
って移動する。
【0017】固定側取付板12は、固定基板12aと、
固定基板12aの下面外周側に取り付けられた外枠部1
2bと、外枠部12bの枠内に取り付けられたランナー
ストリッパプレート12cとで構成されている。そし
て、固定側取付板12の中央部には上下に貫通した穴部
が設けられ、この穴部を介して固定基板12aの中央部
に、射出成形用の溶融樹脂材料を金型11内に射出する
ための射出ノズル15が取り付けられている。また、射
出ノズル15の下方における固定基板12aの下部側と
ランナーストリッパプレート12cの部分には、成形品
のスプルー部を成形するためのスプルー成形用穴部16
aが中心部に穿設されたスプルーブッシュ17が設けら
れている。
【0018】また、ランナーストリッパプレート12c
は、固定基板12aに設けられたサポートピン(図示せ
ず)の移動によって、固定基板12aに対して進退でき
るようになっており、その内部には冷却水を通すための
冷却水路18aが所定間隔を保って設けられている。こ
の冷却水路18aは、ランナーストリッパプレート12
cの下部中央側(成形品におけるランナー部を成形する
ためのランナー成形用凹部16bの近傍)に形成され、
内部に冷却水を通過させることによりランナーストリッ
パプレート12cの温度上昇を防止するとともに、ラン
ナー成形用凹部16bに充填された成形用材料の固化を
促進する。この冷却水は、温度調節機19のチラー19
aによって低温にされて冷却水路18a内に供給され
る。
【0019】固定側型板13は、金型11内で成形され
固化する成形品におけるランナー部および製品部を成形
するためのもので、外枠部13aと、外枠部13aの枠
内における上部側に取り付けられたキャビ取付板13b
と、外枠部13aの枠内における下部側に取り付けられ
たキャビティプレート13cを備えている。そして、キ
ャビ取付板13bと、キャビティプレート13cの間に
は断熱材層20が設けられている。
【0020】また、キャビ取付板13bの上面には、ス
プルーブッシュ17におけるスプルー成形用穴部16a
の下端から水平方向に延びるランナー成形用凹部16b
が形成され、その端部がキャビ取付板13bとキャビテ
ィプレート13cを貫通してキャビティプレート13c
の下面まで延びている。なお、断熱材層20におけるラ
ンナー成形用凹部16bの周囲部分は、端部をキャビ取
付板13bとキャビティプレート13cに覆われてラン
ナー成形用凹部16bの周面には露呈しないようになっ
ている。
【0021】また、キャビティプレート13cの下面に
おけるランナー成形用凹部16bの下端に対応する部分
には成形品の製品部を形成するための製品成形用凹部1
6cの上面部分が形成されている。そして、キャビ取付
板13bにおけるランナー成形用凹部16bと断熱材層
20で囲まれた部分に高温油を通すための高温油路21
が所定間隔を保って設けられ、キャビティプレート13
cの全体には冷却水路18bが所定間隔を保って設けら
れている。キャビ取付板13bに設けられた高温油路2
1とキャビティプレート13cに設けられた冷却水路1
8bの平面上の配置は、例えば、図2に示したように設
定することができ、高温油路21はランナー成形用凹部
16bの近傍に設けられ、冷却水路18bはキャビティ
プレート13cの全体にわたって設けられている。
【0022】高温油路21は、内部に高温油を通過させ
ることによりキャビ取付板13bの温度を上昇させラン
ナー成形用凹部16bに充填される成形材料の温度低下
を減少させて流動性を維持させる。また、冷却水路18
bは、内部に冷却水を通過させることによりキャビティ
プレート13cの温度上昇を防止するとともに、ランナ
ー成形用凹部16bの下部側および製品成形用凹部16
cに充填された成形用材料の固化を促進する。高温油
は、温度調節機19のヒーター19bによる加熱で高温
にされて高温油路21内に供給される。また、冷却水路
18bのうち、ランナー成形用凹部16b,16b間に
配設された冷却水路18bには、冷却水路18a内に供
給される冷却水と同様の冷却水がチラー19aから供給
され、キャビティプレート13cの両端側に配設された
冷却水路18bには、温度調節機22によって20℃〜
90℃にコントロールされた冷却水が供給される。
【0023】可動型14は、金型11の最下部に配置さ
れる可動基板14aと、可動基板14aの上面に取り付
けられた外枠部14bと、外枠部14bの枠内における
上部側に取り付けられた可動側板14cを備えている。
そして、外枠部14bの枠内における可動基板14aと
可動側板14cの間には、成形品の製品部を取り出すた
めの取り出し機構が設けられている。可動側板14c
は、上面がキャビティプレート13cの下面とで製品成
形用凹部16cを構成する成形面に形成されており、内
部には、冷却水を通過させるための冷却水路18cが所
定間隔を保って設けられている。また、冷却水路18c
は冷却水路18bと同様、可動側板14cの中央側に配
設された冷却水路18cには、チラー19aから冷却水
が供給され、可動側板14cの両端側に配設された冷却
水路18cには、温度調節機22から冷却水が供給され
る。
【0024】また、可動側板14cは、製品成形用凹部
16cを形成する上面部分から下面にかけて上下に貫通
する挿通穴が設けられ、この挿通穴に取り出し機構の一
部を構成するエジェクターピン23aが挿通している。
取り出し機構は、このエジェクターピン23aと、可動
基板14aの上面に設けられた底板24aと底板24a
の上面に設けられた枠部24bとからなる支持体と、こ
の支持体に支持され上下に移動可能になったカセット可
動側取付板23bとカセット可動側取付板23bの上面
に設けられたエジェクタープレート23cとで構成され
ている。エジェクタープレート23cの上方は、カセッ
ト可動側取付板23bおよびエジェクタープレート23
cを上下移動させるための空間部24cになっている。
【0025】エジェクタープレート23cには挿通穴が
設けられて、この挿通穴にエジェクターピン23aが挿
通し、エジェクターピン23aの下端部はカセット可動
側取付板23bの上面に固定されている。したがって、
駆動装置(図示せず)を駆動させてカセット可動側取付
板23bを上方に移動させると、カセット可動側取付板
23bの上昇によって、エジェクターピン23aとエジ
ェクタープレート23cも上昇し、エジェクターピン2
3aの上端部は、可動側板14cの上面から突出する。
【0026】なお、この射出成形装置10においては、
各駆動装置の駆動制御や温度調節機19,22の制御
は、射出成形装置10の躯体側に設けられた制御部25
によって行われる。また、金型11を構成する各プレー
トや枠体のうち、ランナーストリッパプレート12cと
キャビ取付板13bは銅合金やアルミニウム合金等の高
熱伝導合金で構成され、キャビティプレート13cは、
加工が容易で熱伝導もよいプレハードン鋼やステンレス
鋼等で構成されている。そして、その他の部分は機械構
造用炭素鋼で構成されている。また、断熱材層20を構
成する材料としては、耐熱性を有するセラミック、繊維
材料等、例えば、グラスウール、ロックウール等が使用
できる。
【0027】このように構成された射出成形装置10を
用い、例えば、ABS樹脂材料を成形用材料として成形
品を射出成形する場合は、温度調節機19の設定により
チラー19aとヒーター19bをオンオフに切り換える
とともに温度調節機22をオンオフに切り換えながら温
度設定を行い、図3に示したように、1サイクルを20
秒に設定して射出成形の各工程が行われる。図3におい
て、実線aは温度調節機19のヒーター19bの設定状
態を表しており、破線bは温度調節機19のチラー19
aと温度調節機22の設定状態を示している。そして、
射出成形の各工程に入る前に、金型11を、高温油路2
1に高温油を供給することによる加熱または溶融された
成形用材料を射出することによる昇温によって、成形用
材料の射出成形に適した熱変形温度に近い温度(70℃
〜110℃)に昇温する。
【0028】射出成形工程の初期においては、金型11
は型締めされて図1の状態になり、温度調節機19はヒ
ーター19bをオン状態に設定して、高温油路21に、
250℃〜300℃に加熱した高温油を供給する。ま
た、チラー19aはオフ状態に設定して、冷却水路18
aへの冷却水の供給は停止させる。そして、図4に符号
cで示した部分のように、金型11のランナーストリッ
パプレート12cおよびキャビ取付板13bにおけるラ
ンナー成形用凹部16bの近傍部分の温度が樹脂材料の
熱変形温度に近い状態(70℃〜110℃)に達する
と、温度が190℃〜250℃に設定された成形用材料
が金型11内に射出される。これによって、成形用材料
は、射出ノズル15からスプルー成形用穴部16aを通
って、ランナー成形用凹部16bおよび製品成形用凹部
16cに充填されていく。
【0029】そして、充填開始から1秒後に成形用材料
の充填が終了すると同時に、ヒーター19bをオフ状態
にして高温油路21への高温油の供給を停止させるとと
もに、チラー19aをオン状態にして冷却路18aに冷
却水を供給する。この場合、チラー19aから供給され
る冷却水の温度は、5℃〜20℃に設定される。また、
温度調節機22からは、20℃〜90℃に設定された冷
却水が、常時冷却水路18b,18cに供給される。そ
して、2秒間の保圧(射出終了後に射出圧力を保持して
材料の収縮分を補給する)と10秒間の冷却が行われ
る。この間に、金型11におけるランナーストリッパプ
レート12cの温度は20℃〜30℃(図4に符号dで
示した部分)に低下し成形用材料は冷却固化される。
【0030】そして、冷却時間が終了すると、チラー1
9aをオフ状態にして冷却路18aへの冷却水の供給を
停止し、金型11が型開きされる。この型開きは、可動
型14が移動して固定側型板13から離れるとともに、
固定側型板13が移動して固定側取付板12から離れる
ことによって行われる。この場合、成形品成形用凹部内
で成形された成形品の製品部は、ランナー部から切り離
されて、可動側板14cの製品成形用凹部16cに残っ
たまま可動型14とともに移動し、ランナー部はスプル
ー部とともに固定側型板13から離れて固定側取付板1
2側に残る。
【0031】そして、この型開き開始から2.5秒後に
成形品の取り出しが行われる。この成形品の取り出しの
うちの製品部の取り出しは、カセット可動側取付板23
bの駆動によってエジェクターピン23aの上端部が可
動側板14cにおける製品成形用凹部16cの表面から
突出することによって行われ、これによって製品部が可
動側板14cから取り出される。また、ランナーストリ
ッパプレート12cが固定基板12aから離れることに
よって、ランナー部分とスプルー部分がランナーストリ
ッパプレート12cから取り出される。
【0032】その製品部やランナー部等の成形品取り出
し開始と同時に、ヒーター19bをオン状態にして金型
11の加熱が開始される。そして、製品取り出し開始か
ら2秒後に型締めが行われて金型11におけるランナー
ストリッパプレート12cやキャビ取付板13bの温度
が樹脂材料の熱変形温度に近い状態(70℃〜110
℃)に昇温されると成形用材料の充填が行われ前述した
工程が繰り返される。なお、この射出成形工程が行われ
る間、キャビティプレート13cおよび可動側板14c
における製品成形用凹部16c近傍部分の温度は、成形
温度である20℃〜90℃の範囲に常時保持される。
【0033】このように、この射出成形装置10では、
金型11のランナーストリッパプレート12cとキャビ
取付板13bを高熱伝導材料で構成し、ランナーストリ
ッパプレート12cに冷却水路18aを設け、キャビ取
付板13bに高温油路21を設けている。このため、金
型11におけるランナーが成形されるランナー成形用凹
部16bの近傍部分を急速冷却・急速加熱ができるよう
になり、これによって、短時間によるサイクルが可能に
なる。
【0034】また、キャビ取付板13bとキャビティプ
レート13cの間には、断熱材層20が設けられて、キ
ャビ取付板13bとキャビティプレート13cの間で熱
が伝達されにくくなっている。したがって、金型11に
おけるランナー成形用凹部16bの近傍部分を急冷・急
加熱しても、製品成形用凹部16cの近傍部分は、製品
部分の成形固化に適した温度に常時保持することができ
る。これによって、金型11における製品成形用凹部1
6cの近傍部分は所定温度に保持したまま、ランナー成
形用凹部16bの近傍部分を急冷・急加熱することによ
り、好適なタイミングで各工程を実行することができる
ようになる。
【0035】また、高温油路21の変形例として、図5
に示した配置で高温油路26を構成することもできる。
この高温油路26は独立した2個の回路からなる高温油
路26a,26bで構成され、2個の高温油路26a,
26bが固定側型板27におけるキャビ取付板27aの
両側から互いに向き合って対称に設けられている。この
場合、高温油路26a,26bに供給される高温油は、
ともに、ヒーター19bによって加熱された高温油が高
温油路26a,26bの一方から供給され他方からヒー
ター19bに戻り設定温度に加熱されて再び供給される
といった巡回を繰り返す。この高温油路26によると高
温油路21よりも広い範囲で加熱が行える。
【0036】また、図6は、本発明の他の実施形態によ
る射出成形装置の主要部の概略を示している。この射出
成形装置30では、図7に示したように、金型のランナ
ーストリッパプレート31の下面における成形品成形用
凹部に対応する部分が高熱伝導合金からなる熱伝導部3
1aに形成され、ランナーストリッパプレート31内に
おける熱伝導部31aの上面にプレートヒーター32が
埋設されている。そして、プレートヒーター32の上方
に冷却水路33が所定間隔で設けられている。
【0037】プレートヒーター32は、図6に示すよう
に、左右対称に向き合って配設された幅広T字型のプレ
ート状に形成されている。このため、線に沿った部分で
なく面の上下部分に対応する金型の部分を加熱でき、効
果的な加熱が行える。それ以外の作用効果については、
図1に示した射出成形装置10と同様である。
【0038】なお、前記実施形態では、ABS樹脂材料
を成形するための射出成形装置10,30および射出方
法について記述しているが、この装置および方法が他の
樹脂材料の射出成形に用いることができることは言うま
でもない。これらの場合には、金型を構成する材質、加
熱や冷却の温度設定および切替えのタイミング等は、適
宜、使用する材料に合わせて変更する。また、高温流体
としては、油に限らず、設定温度まで昇温できる液体、
気体等の流体であれば使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による射出成形装置の主
要部を示す構成図である。
【図2】 図1に示した金型における高温油路と冷却水
路を平面図で示した射出成形装置の主要部の構成図であ
る。
【図3】 射出成形の加熱、冷却のサイクルを示す状態
図である。
【図4】 図3に示した加熱、冷却のサイクルに対応す
る金型温度を示すグラフである。
【図5】 高温油路の変形例を示した射出成形装置の主
要部の構成図である。
【図6】 本発明の他の実施形態による射出成形装置の
主要部を示す構成図である。
【図7】 図6に示したランナーストリッパプレートの
縦断面図である。
【符号の説明】
10,30…射出成形装置、11…金型、12…固定側
取付板、12c,31…ランナーストリッパプレート、
13,27…固定側型板、13b,27a…キャビ取付
板、13c…キャビティプレート、14…可動型、14
c…移動側型板、15…射出ノズル、16a…スプルー
成形用穴部、16b…ランナー成形用凹部、16c…製
品成形用凹部、18a,18b,18c,33…冷却水
路、19,22…温度調節機、19a…チラー、19b
…ヒーター、20…断熱材層、21,26…高温油路、
25…制御部、32…プレートヒーター。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品部を成形するための製品成形用凹部
    と、射出口から前記製品成形用凹部に成形用材料を供給
    するためのランナー成形用凹部とを含む成形品を成形す
    るための成形品成形用凹部が形成された金型を備えた射
    出成形装置において、 前記金型内における成形品成形用凹部の近傍に冷却部を
    設け、ランナー成形用凹部の近傍に加熱部を設けたこと
    を特徴とする射出成形装置。
  2. 【請求項2】前記加熱部を高温に加熱された流体を通す
    ための高温流体路で構成した請求項1に記載の射出成形
    装置。
  3. 【請求項3】前記加熱部をヒーターで構成した請求項1
    に記載の射出成形装置。
  4. 【請求項4】製品部を成形するための製品成形用凹部
    と、射出口から前記製品成形用凹部に成形用材料を供給
    するためのランナー成形用凹部とを含む成形品を成形す
    るための成形品成形用凹部が形成された金型を備えた射
    出成形装置において、 前記金型に、製品成形用凹部とランナー成形用凹部との
    間での熱の伝達を遮断するための断熱層を設けたことを
    特徴とする射出成形装置。
  5. 【請求項5】前記金型におけるランナー成形用凹部の近
    傍部分を高熱伝導性の材料で構成した請求項1ないし4
    のうちのいずれか一つに記載の射出成形装置。
  6. 【請求項6】製品部を成形するための製品成形用凹部
    と、射出口から前記製品成形用凹部に成形用材料を供給
    するためのランナー成形用凹部とを含む成形品を成形す
    るための成形品成形用凹部が形成された金型を用いる射
    出成形方法において、 前記金型を閉じる型締め工程と、 前記金型の成形品成形用凹部内に成形用材料を充填する
    充填工程と、 前記金型を冷却して前記成形品成形用凹部内の成形用材
    料を固化させる冷却工程と、 前記金型を開く型開き工程と、 成形された成形品を前記金型から取り出す取り出し工程
    と、 前記型締め工程、前記充填工程および前記取り出し工程
    のうちの少なくとも型締め工程の際に、前記金型におけ
    るランナー成形用凹部の近傍を加熱する加熱工程とを備
    えたことを特徴とする射出成形方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007283730A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd モールド射出成形金型
JP2016187880A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 日本電産サンキョー株式会社 射出成形用金型および射出成形方法
KR102317109B1 (ko) * 2020-10-16 2021-11-02 (주)이에스알산업 선택적 외부 배출 방식의 사출 성형 장치 및 방법

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