JP2003217853A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2003217853A
JP2003217853A JP2002010862A JP2002010862A JP2003217853A JP 2003217853 A JP2003217853 A JP 2003217853A JP 2002010862 A JP2002010862 A JP 2002010862A JP 2002010862 A JP2002010862 A JP 2002010862A JP 2003217853 A JP2003217853 A JP 2003217853A
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Japan
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light emitting
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carbon atoms
light
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JP2002010862A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Igarashi
達也 五十嵐
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーン度が低い環境下においても安定して
作製でき、また塗布法、インクジェット法、転写法、印
刷法等を用いても安定して作製できる、発光効率に優れ
た発光素子を提供する。 【解決手段】 一対の電極間に、発光層又は発光層を含
む複数の有機層を有し、発光層の膜厚が300nm以上であ
り、かつ10cd/m2の発光が得られる電圧が5V以下である
ことを特徴とする発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電気エネルギーを光
に変換して発光する発光素子に関し、特に表示素子、デ
ィスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録
光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリ
ア、光通信等に好適に使用できる発光素子に関する。 【0002】 【従来の技術】今日、種々の表示素子に関する研究開発
が活発に行われており、中でも有機電界発光(EL)素子
は低電圧で高輝度の発光が可能であるため注目されてい
る。例えば、有機化合物の蒸着により形成した有機薄膜
を有する発光素子が知られている(アプライド フィジ
ックス レターズ, 51巻, 913頁, 1987年)。この発光
素子は、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム
錯体(Alq)を電子輸送材料として用い、これをアミン
化合物からなる正孔輸送材料と積層することにより、従
来の単層型素子に比べて大幅に向上した発光特性を示
す。しかしながら、この発光素子の有機薄膜(有機層)
の膜厚は100nm程度と薄いため、クリーン度の低い環境
下で作製すると簡単にショートしてしまうという問題が
あった。また、蒸着法では比較的容易に100nm程度の平
滑な薄膜を作製できるが、塗布法、印刷法、転写法、イ
ンクジェット法等ではこのような薄膜を作製することは
非常に難しいという問題もあった。 【0003】上記問題を解決する手法として、有機層の
膜厚を厚くする方法がある。しかしながら、通常、有機
層を厚くすると駆動電圧及び消費電力が大きく上がり、
実用のデバイスとしては使えないものになってしまう。
アプライド フィジックスレターズ, 72巻, 2147頁, 19
98年では駆動電圧が低い厚膜発光素子が報告されている
が、膜厚が厚い部分は電荷注入・輸送層であり、肝心の
発光層は100nm以下と薄く、上記問題に対して根本的な
解決にはなっていなかった。また、低電圧駆動が可能な
発光素子として、チン ソリッド フィルム, 327巻, 6
63頁, 1998年、ジャーナル オブ アメリカン ケミカ
ル ソサイアティー, 118巻, 3922頁,1996年、同121巻,
3525頁, 1999年、同121巻, 4883頁, 1999年、月刊ディ
スプレイ, 3月号, 43頁, 2001年等に記載のイオン性化
合物を含有する素子が報告されているが、発光層の膜厚
はいずれも200nm以下であるため上記問題は解決できて
おらず、かつ発光効率が低いという問題もあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クリ
ーン度が低い環境下においても安定して作製でき、また
塗布法、インクジェット法、転写法、印刷法等を用いて
も安定して作製できる、発光効率に優れた発光素子を提
供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は下記手段によっ
て達成された。 1. 一対の電極間に、発光層又は発光層を含む複数の
有機層を有する発光素子において、前記発光層の膜厚が
300nm以上であり、かつ10cd/m2の発光が得られる電圧が
5V以下であることを特徴とする発光素子。 2. 上記1に記載の発光素子において、前記発光層が
遷移金属錯体を含有することを特徴とする発光素子。 3. 上記2に記載の発光素子において、前記発光層が
イオン性遷移金属錯体を含有することを特徴とする発光
素子。 4. 上記3に記載の発光素子において、前記イオン性
遷移金属錯体が下記一般式(1)で表される部分構造を有
することを特徴とする発光素子。 【化1】 一般式(1)中、M1は遷移金属イオンを表し、Q1及びQ2
それぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。 5. 上記1〜4のいずれかに記載の発光素子におい
て、2層以上の有機層を有することを特徴とする発光素
子。 6. 上記1〜5のいずれかに記載の発光素子におい
て、前記発光層又は前記複数の有機層のうち少なくとも
1層が、ポリエチレンジオキシチオフェン誘導体を含有
することを特徴とする発光素子。 7. 上記2〜6のいずれかに記載の発光素子におい
て、前記発光層がポリマー及び遷移金属錯体からなるこ
とを特徴とする発光素子。 8. 上記1〜7のいずれかに記載の発光素子におい
て、陰極がアルミニウムからなることを特徴とする発光
素子。 9. 上記1〜8のいずれかに記載の発光素子におい
て、前記発光層が塗布法、転写法、印刷法又はインクジ
ェット法によって形成された層であることを特徴とする
発光素子。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の発光素子は一対の電極間
に発光層又は発光層を含む複数の有機層を有し、発光層
の膜厚が300nm以上であり、かつ10cd/m2の発光が得られ
る電圧の最低値が5V以下であることを特徴とする。こ
こで発光層とは、発光する化合物を含有する層のことで
ある。 【0007】発光層の膜厚は好ましくは300nm〜1mmで
あり、より好ましくは500nm〜500μmであり、更に好ま
しくは800nm〜100μmであり、特に好ましくは1μm〜10
μmである。 【0008】本発明の発光素子を10cd/m2の輝度で発光
させるために要する電圧は5V以下であり、好ましくは
0.1〜5Vであり、より好ましくは0.1〜4Vであり、特に
好ましくは0.1〜3Vである。 【0009】本発明の発光素子は、好ましくは有機層
中、より好ましくは発光層中に、遷移金属錯体を含有す
る。遷移金属錯体はりん光発光性であることが好まし
い。遷移金属錯体中の遷移金属イオンは特に限定されな
いが、イリジウムイオン、白金イオン、レニウムイオン
及びルテニウムイオンが好ましく、イリジウムイオン、
白金イオン及びルテニウムイオンがより好ましく、イリ
ジウムイオン及びルテニウムイオンが特に好ましい。 【0010】上記遷移金属錯体の配位子の例としては、
H.Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coo
rdination Compounds」, Springer-Verlag社(1987
年)、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」, 裳
華房社(1982年)等に記載の配位子が挙げられる。好ま
しい配位子としては、ハロゲン配位子(塩素配位子、フ
ッ素配位子等)、含窒素ヘテロ環配位子(ビピリジル配
位子、フェナントロリン配位子、フェニルピリジン配位
子、ピラゾリルピリジン配位子、ベンズイミダゾリルピ
リジン配位子等)、ジケトン配位子、ニトリル配位子、
CO配位子、イソニトリル配位子、リン配位子(ホスフィ
ン誘導体配位子、亜リン酸エステル誘導体配位子、ホス
フィニン誘導体配位子等)、及びカルボン酸配位子(酢
酸配位子等)が挙げられる。中でも、2座の含窒素ヘテ
ロ環配位子がより好ましく、ビピリジル配位子が特に好
ましい。 【0011】遷移金属錯体はイオン性遷移金属錯体であ
ることが好ましい。イオン性遷移金属錯体とは、配位子
を有する遷移金属イオンと対イオンからなる化合物のこ
とである。対イオンは特に限定されず、好ましくはアル
カリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイ
オン、パークロレートイオン、PF6イオン、アンモニウ
ムイオン(テトラメチルアンモニウムイオン等)、ボレ
ートイオン又はホスホニウムイオンであり、より好まし
くはパークロレートイオン又はPF6イオンであり、特に
好ましくはパークロレートイオンである。 【0012】本発明で用いる遷移金属錯体は、下記一般
式(1)で表される部分構造を有することが好ましい。 【化2】 【0013】一般式(1)中、M1は遷移金属イオンを表
し、好ましくはイリジウムイオン、白金イオン、レニウ
ムイオン又はルテニウムイオンであり、より好ましくは
イリジウムイオン、白金イオン又はルテニウムイオンで
あり、特に好ましくはイリジウムイオン又はルテニウム
イオンである。 【0014】一般式(1)中、Q1及びQ2はそれぞれ含窒素
ヘテロ環を形成する原子群を表す。Q 1とQ2は互いに結合
して縮合環(フェナントロリン環等)を形成してもよ
い。Q1及びQ2が形成する含窒素ヘテロ環の例としては、
ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、
キノキサリン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、シン
ノリン環、プテリジン環、フェナントリジン環、ベンズ
アゾール環(ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール
環、ベンズイミダゾール環等)、ピラゾール環、イミダ
ゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾー
ル環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環等が挙げ
られる。中でも、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン
環、キノリン環、ベンズアゾール環及びイミダゾール環
が好ましく、ピリジン環がより好ましい。Q1及びQ2が形
成する含窒素ヘテロ環は置換基を有していてもよい。 【0015】Q1及びQ2は置換基を有していてもよく、そ
の例としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、
より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1
〜10であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、t-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ヘキサ
デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2
〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭
素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2-ブテ
ニル基、3-ペンテニル基等)、アルキニル基(好ましく
は炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好
ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、
3-ペンチニル基等)、アリール基(好ましくは炭素数6
〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭
素数6〜12であり、例えばフェニル基、p-メチルフェニ
ル基、ナフチル基、アントラニル基等)、アミノ基(好
ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、
特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリ
ルアミノ基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜
30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素
数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブト
キシ基、2-エチルヘキシロキシ基等)、アリールオキシ
基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6
〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェ
ニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ
基等)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、
より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1
〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジルオキシ
基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシ基等)、シリ
ルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは
炭素数6〜30であり、例えばトリフェニルシリルオキシ
基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基、トリイソプロピ
ルシリルオキシ基等)、アシル基(好ましくは炭素数1
〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、
ホルミル基、ピバロイル基等)、アルコキシカルボニル
基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2
〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリー
ルオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より
好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12
であり、例えばフェニルオキシカルボニル基等)、アシ
ルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは
炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例
えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アシルア
ミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素
数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば
アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルコキ
シカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より
好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12
であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基等)、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜
30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素
数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミ
ノ基等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜
30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素
数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベ
ンゼンスルホニルアミノ基等)、スルファモイル基(好
ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、
特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモ
イル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、フェニルスルファモイル基等)、カルバモイル
基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカル
バモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモ
イル基、フェニルカルバモイル基等)、アルキルチオ基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜
20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチル
チオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(好ましく
は炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好
ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基
等)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より
好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12
であり、例えばピリジルチオ基、2-ベンズイミゾリルチ
オ基、2-ベンズオキサゾリルチオ基、2-ベンズチアゾリ
ルチオ基等)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素
数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基等)、スル
フィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは
炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例
えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基
等)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ま
しくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウ
レイド基等)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜
30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素
数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェ
ニルリン酸アミド基等)、ヒドロキシ基、メルカプト
基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、スルホ基、カルボキ
シル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、
ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素
数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ
原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含み、脂
肪族ヘテロ環基であってもヘテロアリール基であっても
よく、例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル
基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ
基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベ
ンゾチアゾリル基等)、シリル基(好ましくは炭素数3
〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭
素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は
更に置換されていてもよい。また置換基を2つ以上有す
る場合は、それらは同じでも異なっていてもよく、互い
に連結して環を形成していてもよい。また置換基上の原
子が金属原子と結合して、いわゆるキレート錯体を形成
してもよい。 【0016】一般式(1)で表される部分構造を有する遷
移金属錯体の好ましい形態として、下記一般式(2)で表
されるイオン性遷移金属錯体が挙げられる。 【化3】【0017】一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25
R26、R27及びR28はそれぞれ水素原子又は置換基を表
し、該置換基の例としては、Q1及びQ2上の置換基の例と
同様のものがが挙げられる。R21、R22、R23、R24
R25、R26、R27及びR28は、それぞれ好ましくは水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はハロゲ
ン原子であり、より好ましくは水素原子又はアルキル基
である。R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR
28は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R
24とR 25は結合してフェナントロリン環を形成すること
も好ましい。 【0018】一般式(2)中、X21は対イオンを表し、好ま
しくはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
ハロゲンイオン、パークロレートイオン、PF6イオン、
アンモニウムイオン(テトラメチルアンモニウムイオン
等)、ボレートイオン又はホスホニウムイオンであり、
より好ましくはパークロレートイオン又はPF6イオンで
あり、特に好ましくはパークロレートイオンである。 【0019】本発明で用いる遷移金属錯体は低分子化合
物であるのが好ましいが、オリゴマー化合物やポリマー
化合物であってもよい。オリゴマー化合物又はポリマー
化合物である場合、質量平均分子量(ポリスチレン換
算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000
〜1000000、特に好ましくは3000〜100000である。ポリ
マー化合物の場合、遷移金属錯体はポリマー主鎖中に含
まれても側鎖に含まれてもよく、またホモポリマー化合
物であっても共重合体であってもよい。 【0020】本発明で使用できる遷移金属錯体の具体例
としては、H.Yersin著「Photochemistry and Photophys
ics of Coordination Compounds」, Springer-Verlag社
(1987年)に記載の化合物や以下に示す化合物が挙げら
れるが、本発明はそれらに限定されるものではない。 【0021】 【化4】【0022】 【化5】【0023】 【化6】【0024】 【化7】【0025】 【化8】 【0026】遷移金属錯体を含有する層は、遷移金属錯
体のみからなる層であってもよいし、遷移金属錯体をポ
リマーバインダー(ポリエチレンオキサイド、ポリエチ
レンスルホン酸、ポリカーボネート、ポリエステル等)
に分散してなる層であってもよい。この層は更にイオン
性化合物(アルカリ金属又はアルカリ土類金属のパーク
ロレート塩やPF6塩等)を含有してもよい。 【0027】本発明の発光素子は、一対の電極(陽極及
び陰極)間に、発光層又は発光層を含む複数の有機層を
有する。本発明の発光素子のシステム、駆動方法、利用
形態等は特に問わない。代表的な発光素子として、有機
EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることがで
きる。 【0028】本発明の発光素子は、発光層に加えて正孔
注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層
等を有してよく、これらの各層はそれぞれ他の機能を備
えたものであってもよい。また有機層のうち1層は導電
性高分子層であることが好ましい。導電性高分子層をな
す材料はイオン伝導性化合物であっても電子伝導性化合
物であってもよく特に限定されず、例えばポリアニリン
誘導体、ポリチオフェン誘導体等が使用できる。導電性
高分子層はポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチ
レンスルホン酸ドープ体からなるのが好ましい。 【0029】有機層の形成方法は特に限定されず、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、分子積
層法、コーティング法(塗布法)、インクジェット法、
印刷法、転写法等の方法が使用可能である。中でも、素
子の特性及び製造面から塗布法、転写法、印刷法及びイ
ンクジェット法が好ましい。 【0030】塗布法としては、ディッピング法、スピン
コーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロ
ールコート法、ドクターブレード法等が利用できる。 【0031】転写法としては、例えば特開2001-196168
号、特開2001-196169号、WO00/41893、特開平9-167684
号、特開2000-195665号、特開2000-77182号、特開2000-
150150号、特開2001-196166号、特開平9-133915号、特
開平9-306667号、特開平8-64133号、特願20001-58834
号、特願2001-58835号、特願2001-89663号、特願2001-3
34858号等に記載の手法が利用できる。 【0032】印刷法としては、例えば特開2001-52872
号、特開2001-76874号、特開2001-93668号、特開2001-1
55858号、特開2001-155861号等に記載のスクリーン印刷
法、オフセット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法等
が利用できる。 【0033】インクジェット法としては、例えば特開平
11-274506号、特開平11-339957号、WO99/10862、WO99/4
8339、特開2000-106278号、特開2000-123975号、特開20
00-156291号、特開2000-208254号、特開2000-323276
号、特開2000-353594号、特開2001-60493号、特開2001-
126867号、特開2001-276726号、特開2001-279134号、特
開2001-286818号、特開2001-288416号、特開2001-29158
3号、特開2001-291584号、特開2001-313172号等に記載
の手法を用いることができる。 【0034】本発明の発光素子は、発光層を含めて2層
以上の有機層を有することが好ましい。以下、各層につ
いて詳述する。 【0035】(A)陽極 陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層等に正孔を供給
するものである。陽極を形成する材料としては、金属、
合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物
等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上
の材料を用いる。具体例としては、金属(金、銀、クロ
ム、ニッケル等)、導電性金属酸化物(酸化スズ、酸化
亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)
等)、これら金属と導電性金属酸化物との混合物又は積
層物、無機導電性物質(ヨウ化銅、硫化銅等)、有機導
電性材料(ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロー
ル等)及びこれらとITOとの積層物等が挙げられる。陽
極は導電性金属酸化物からなるのが好ましく、生産性、
高導電性、透明性等の観点からITOが特に好ましい。 【0036】陽極の形成法は用いる材料に応じて適宜選
択すればよく、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパ
ッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲ
ル法等)、酸化インジウムスズ分散物の塗布等の方法を
用いることができる。陽極に洗浄等の処理を施すことに
より、発光素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高め
たりすることも可能である。例えばITOからなる陽極の
場合、UV-オゾン処理、プラズマ処理等が効果的であ
る。陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好ま
しい。陽極の膜厚は材料に応じて適宜選択可能である
が、通常10nm〜5μmが好ましく、50nm〜1μmがより好
ましく、100nm〜500nmが特に好ましい。 【0037】陽極は通常、ソーダライムガラス、無アル
カリガラス、透明樹脂等からなる基板上に形成する。ガ
ラス基板の場合、ガラスからの溶出イオンを低減するた
めには無アルカリガラスを用いるのが好ましい。ソーダ
ライムガラス基板を用いる場合は、予めその表面にシリ
カ等のバリアコートを形成するのが好ましい。基板の厚
さは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はな
いが、ガラス基板の場合は通常0.2mm以上、好ましくは
0.7mm以上とする。 【0038】(B)陰極 陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層等に電子を供給
するものである。陰極の材料としては、金属、合金、金
属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、これ
らの混合物等を用いることができ、電子注入層、電子輸
送層、発光層等の隣接する層との密着性やイオン化ポテ
ンシャル、安定性等を考慮して選択すればよい。具体例
としては、アルカリ金属(Li、Na、K等)及びそのフッ
化物や酸化物、アルカリ土類金属(Mg、Ca等)及びその
フッ化物や酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリ
ウム及びカリウムを含む合金及び混合金属、リチウム及
びアルミニウムを含む合金及び混合金属、マグネシウム
及び銀を含む合金及び混合金属、希土類金属(インジウ
ム、イッテリビウム等)、それらの混合物等が挙げられ
る。陰極は仕事関数が4eV以下の材料からなるのが好ま
しく、アルミニウム、リチウムとアルミニウムを含む合
金又は混合金属、或いはマグネシウムと銀を含む合金又
は混合金属からなるのがより好ましく、アルミニウムか
らなるのが特に好ましい。 【0039】陰極は、上記のような材料からなる単層構
造であっても、上記材料からなる層を含む積層構造であ
ってもよい。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、
アルミニウム/酸化リチウム等の積層構造が好ましい。
陰極は電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着
法、コーティング法、転写法等により形成することがで
きる。蒸着法の場合、材料を単独で蒸着することも、二
種以上の材料を同時に蒸着することもできる。合金電極
を形成する場合は、複数の金属を同時蒸着して形成する
ことが可能であり、また予め調整した合金を蒸着しても
よい。陰極のシート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好
ましい。陰極の膜厚は材料に応じて適宜選択可能である
が、通常10nm〜5μmとするのが好ましく、50nm〜1μm
とするのがより好ましく、100nm〜1μmとするのが特に
好ましい。 【0040】(C)正孔注入層及び正孔輸送層 正孔注入層及び正孔輸送層に用いる材料は、陽極から正
孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、及び陰極から
注入された電子を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。その具体例としては、カルバゾー
ル、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、
イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピ
ラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミ
ノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノ
ン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級
アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリ
ディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系
化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、アニリン系共重
合体、チオフェンオリゴマーやポリチオフェン等の導電
性高分子、有機シラン、カーボン、上記のような遷移金
属錯体、これらの誘導体等が挙げられる。 【0041】正孔注入層及び正孔輸送層は1種又は2種
以上の上記材料からなる単層構造であってもよいし、同
一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であって
もよい。正孔注入層及び正孔輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法、LB法、上記材料を溶媒中に溶解又は分
散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャ
スト法、ディップコート法等)、インクジェット法、印
刷法、転写法等が用いられる。コーティング法の場合、
上記材料を樹脂成分と共に溶解又は分散させて塗布液を
調製してもよく、該樹脂成分としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステ
ル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタ
ジエン、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、
ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセル
ロース、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メ
ラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、
エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が使用できる。正孔注入
層及び正孔輸送層の膜厚は特に限定されないが、通常1
nm〜5μmとするのが好ましい。 【0042】(D)発光層 発光素子に電界を印加すると、発光層において陽極、正
孔注入層又は正孔輸送層から注入された正孔と、陰極、
電子注入層又は電子輸送層から注入された電子とが再結
合し、光を発する。発光層をなす材料は、電界印加時に
陽極等から正孔を受け取る機能、陰極等から電子を受け
取る機能、電荷を移動させる機能、及び正孔と電子の再
結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成す
ることができるものであれば特に限定されない。発光層
の材料は一重項励起子及び三重項励起子のいずれから発
光するものであってもよく、例えばベンゾオキサゾー
ル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリル
ベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テト
ラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペ
リレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピ
ラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラ
セン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピ
リジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族
ジメチリディン化合物、金属錯体(8-キノリノール誘導
体の金属錯体、希土類錯体等)、高分子発光材料(ポリ
チオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン
等)、有機シラン、遷移金属錯体(イリジウムトリスフ
ェニルピリジン錯体、白金ポルフィリン錯体等)、これ
らの誘導体等が使用できる。中でも遷移金属錯体が特に
好ましい。 【0043】発光層は単一材料で形成されてもよいし、
複数の材料で形成されてもよい。また、発光層は一つで
あっても複数であってもよく、それぞれの層が異なる発
光色で発光して白色等を発光してもよい。単一の発光層
から白色を発光してもよい。発光層が複数の場合も、そ
れぞれの発光層は単一材料で形成されていてもよいし複
数の材料で形成されていてもよい。 【0044】発光層はポリマー及び遷移金属錯体で構成
されることが好ましい。このポリマーは特に限定されな
いが、例えばJ.Brandrup著「Polymer Handbook Third E
dition」, Wiley Interscience社刊等に記載のポリマー
が使用でき、ポリアルキレンオキサイド、ポリカーボネ
ート、ポリビニルホルマール、ポリビニルアルカナー
ル、ポリエステル及びポリスチレンが好ましく、ポリア
ルキレンオキサイドがより好ましく、ポリエチレンオキ
サイドが特に好ましい。 【0045】発光層の形成方法は特に限定されず、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、分子積
層法、塗布法(スピンコート法、キャスト法、ディップ
コート法等)、インクジェット法、印刷法、LB法、転写
法等が使用可能である。中でも塗布法、転写法、印刷法
及びインクジェット法が好ましい。 【0046】(E)電子注入層及び電子輸送層 電子注入層及び電子輸送層をなす材料は、陰極から電子
を注入する機能、電子を輸送する機能、並びに陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。具体例としては、トリアゾール、オ
キサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオ
レノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニ
ルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フ
ルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレ
ンやペリレン等の芳香環を有するテトラカルボン酸無水
物、フタロシアニン、金属錯体(8-キノリノール誘導体
の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾー
ルやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体等)、有
機シラン、遷移金属錯体、これらの誘導体等が挙げられ
る。 【0047】電子注入層及び電子輸送層は1種又は2種
以上の上記材料からなる単層構造であってもよいし、同
一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であって
もよい。電子注入層及び電子輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法、LB法、上記材料を溶媒中に溶解又は分
散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャ
スト法、ディップコート法等)、インクジェット法、印
刷法、転写法等が用いられる。コーティング法の場合、
上記材料を樹脂成分と共に溶解又は分散させて塗布液を
調製してもよい。該樹脂成分としては、前述した正孔注
入層及び正孔輸送層の場合と同様のものが使用できる。
電子注入層及び電子輸送層の膜厚は特に限定されず、通
常1nm〜5μmとするのが好ましい。 【0048】(F)保護層 保護層は水分、酸素等の素子劣化を促進するものが素子
内に入ることを抑止する機能を有する。保護層の材料と
しては、金属(In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni
等)、金属酸化物(MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、Ni
O、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等)、金属フッ化物
(MgF2、LiF、AlF3、CaF2等)、窒化物(SiNx、SiNxOy
等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ
ジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テト
ラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを
含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、
共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水
率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物
質等が使用できる。 【0049】保護層の形成方法は特に限定されず、真空
蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、
MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム
法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波
励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レー
ザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング
法、印刷法、転写法等が適用できる。 【0050】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。 【0051】比較例1 洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N'-ジフェ
ニル-N,N'-ジ(m-トリル)ベンジジン)を200nm蒸着し、
この上にAlq(トリスキノリナトアルミニウム錯体)を3
00nm蒸着した。次に得られた有機層上に発光面積が4mm
×5mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、
蒸着装置内でマグネシウム及び銀(マグネシウム:銀=
10:1(質量比))を50nm共蒸着し、更に銀を50nm蒸着
して、比較例1の発光素子を作製した。得られた発光素
子に、東陽テクニカ製「ソースメジャーユニット2400
型」を用いて直流定電圧を印加して発光させ、その発光
輝度をトプコン社製「輝度計BM-8」を用いて測定し、発
光波長を浜松フォトニクス社製「スペクトルアナライザ
ーPMA-11」を用いて測定した。その結果、5Vの電圧を
印加しても発光は全く得られなかった。 【0052】比較例2 40mgのポリ(N-ビニルカルバゾール)、12mgの2-(4-ビフ
ェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾ
ール(PBD)及び1mgのクマリン6を2.5mlのジクロロエ
タンに溶解し、得られた溶液を洗浄したITO基板上にス
ピンコート(1500rpm、20sec)して有機層を形成した。
得られた有機層の膜厚は98nmであった。次に得られた有
機層上に発光面積が4mm×5mmとなるようにパターニン
グしたマスクを設置し、蒸着装置内でマグネシウム及び
銀(マグネシウム:銀=10:1(質量比))を50nm共蒸
着し、更に銀を50nm蒸着して、比較例2の発光素子を作
製した。なお、この発光素子の作製工程はクリーン度ク
ラス3万の環境で行った。比較例2の発光素子を4個作
製したところ、そのうち1個はショートし、評価不可能
であった。 【0053】実施例1 バイエル社製のイオン性化合物「Baytron P」(PEDOT-P
SS溶液(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレ
ンスルホン酸ドープ体))を洗浄したITO基板上にスピ
ンコート(1000rpm、30sec)し、150℃で1.5時間真空乾
燥して膜厚70nmの層を形成した。この上に、100mgの下
記化合物A及び100mgのポリエチレンオキサイド(アルド
リッチ社製)を5mlのアセトニトリルに溶解して得た溶
液をマツボウ社製#10を用いてバーコートし、膜厚900nm
の有機層を得た。次に得られた有機層上に発光面積が4
mm×5mmとなるようにパターニングしたマスクを設置
し、蒸着装置内でアルミニウムを200nm蒸着して、実施
例1の発光素子を作製した。なお、この発光素子の作製
工程はクリーン度クラス3万の環境で行った。得られた
発光素子の発光輝度及び発光波長を比較例1と同様に測
定した結果、2.5Vの電圧で輝度10cd/m2以上の橙色発光
が得られ、外部量子効率は4.9%であった。また、実施
例1の発光素子を4個作製したものの、ショートした素
子は1個も無かった。 【0054】 【化9】 【0055】実施例2 有機層の膜厚を1600nmとしたこと以外は実施例1と同様
に、実施例2の発光素子を作製した。得られた発光素子
の発光輝度及び発光波長を比較例1と同様に測定した結
果、3Vの電圧で輝度10cd/m2以上の橙色発光が得られ、
外部量子効率は9.6%であった。また、実施例2の発光
素子を4個作製したものの、ショートした素子は1個も
無かった。同様に、本明細書の本文中に記載されている
他の化合物、本文中に記載の他の成膜法を用いても、同
様な効果を得ることができる。 【0056】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の発光素子
は薄膜を必要とせず、低電圧駆動が可能であり、従来の
発光素子に比べて大幅に向上した発光効率を示す。本発
明の発光素子はゴミ等が存在する環境下でも安定して作
製できる。また、塗布法、インクジェット法、転写法、
印刷法等を用いても安定した品質で作製できる。本発明
の発光素子は表示素子、ディスプレイ、バックライト、
電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光
源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に使用で
きる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一対の電極間に、発光層又は発光層を含
    む複数の有機層を有する発光素子において、前記発光層
    の膜厚が300nm以上であり、かつ10cd/m2の発光が得られ
    る電圧が5V以下であることを特徴とする発光素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006093685A (ja) * 2004-08-25 2006-04-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光素子およびそれを用いた発光装置
US7719183B2 (en) 2005-07-01 2010-05-18 Toppan Printing Co., Ltd. Manufacturing method of organic electroluminescent device and an organic electroluminescent device
US7755278B2 (en) 2004-08-25 2010-07-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element provided with organic conductive and inorganic hole transport layers between an electrode and organic emissive layer
CN104882294A (zh) * 2015-04-03 2015-09-02 安徽江威精密制造有限公司 一种高比表面积的多孔秸秆基电极材料及其制备方法

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