JP2003217801A - セラミックヒータおよび支持ピン - Google Patents

セラミックヒータおよび支持ピン

Info

Publication number
JP2003217801A
JP2003217801A JP2002293687A JP2002293687A JP2003217801A JP 2003217801 A JP2003217801 A JP 2003217801A JP 2002293687 A JP2002293687 A JP 2002293687A JP 2002293687 A JP2002293687 A JP 2002293687A JP 2003217801 A JP2003217801 A JP 2003217801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic substrate
ceramic
support pin
heating
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002293687A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2002293687A priority Critical patent/JP2003217801A/ja
Publication of JP2003217801A publication Critical patent/JP2003217801A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハとセラミック基板の加熱面との
距離を常に一定にすることができ、半導体ウエハを均一
な温度で加熱することができ、また半導体ウエハの汚染
も防止することができ、支持ピンの脱落などがないセラ
ミックヒータを提供すること。 【解決手段】 その表面または内部に発熱体が形成され
たセラミック基板を有するセラミックヒータにおいて、
前記半導体ウエハを前記セラミック基板の表面から離間
して保持し、加熱することができるように構成されてい
ることを特徴とするセラミックヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、シリコンウ
エハ等の加熱に用いられるセラミックヒータ(半導体ウ
エハ加熱装置)および該セラミックヒータ(半導体ウエ
ハ加熱装置)を構成するセラミック基板に使用される支
持ピンに関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ス
テンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用い
たヒータが用いられてきた。しかしながら、金属製のヒ
ータでは温度制御特性が悪く、また厚みも厚くなるため
重く嵩張るという問題があり、腐食性ガスに対する耐蝕
性も悪いという問題を抱えていた。
【0003】これに対し、特開平11−40330号公
報等では、金属製のものに代えて、窒化アルミニウムな
どのセラミックを使用したヒータが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなヒータは、セラミック基板に半導体ウエハ等の被加
熱物を接触した状態で載置させるものであり、セラミッ
ク基板表面の温度分布が半導体ウエハに反映されてしま
い、半導体ウエハ等を均一に加熱することができなかっ
た。また、半導体ウエハ等を均一に加熱するため、セラ
ミック基板の表面温度を均一にしようとすると、非常に
複雑な制御が必要となり、温度の制御は容易ではない。
【0005】本発明の目的は、上述した従来技術が抱え
ている問題点を解決することにあり、特に100℃以上
の温度領域で半導体ウエハ等の被加熱物の全体を均一に
加熱することができるセラミックヒータおよび該セラミ
ックヒータに使用され、被加熱物を支持する支持ピンを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体ウエハ
等の被加熱物を加熱するために用いるセラミックヒータ
(加熱装置)である。第一の本発明は、その表面または
内部に発熱体が形成されたセラミック基板を有するセラ
ミックヒータにおいて、半導体ウエハ等の被加熱物を上
記セラミック基板の表面から離間して保持し、加熱する
ことができるように構成されていることを特徴とするセ
ラミックヒータ(半導体ウエハ加熱装置)である。
【0007】第二の本発明は、その表面または内部に発
熱体が形成されたセラミック基板を有するセラミックヒ
ータにおいて、上記セラミック基板の発熱体が形成され
ていない面、または、上記セラミック基板の一面を加熱
面とし、半導体ウエハ等の被加熱物を上記加熱面から離
間して保持し、加熱することができるように構成されて
いることを特徴とするセラミックヒータである。
【0008】上記セラミックヒータにおいて、上記セラ
ミック基板には、半導体ウエハ等の被加熱物を保持する
ための支持ピンを挿通させる貫通孔が形成されてなるこ
とが望ましく、上記半導体ウエハを上記セラミック基板
の表面または加熱面から5〜5000μm離間して加熱
することが望ましい。
【0009】また、上記セラミックヒータにおいて、上
記セラミック基板の表面には、凸状体が形成されてなる
ことが望ましく、そのためには、上記セラミック基板に
貫通孔が形成され、上記貫通孔に支持ピンが挿入、固定
されることにより上記セラミック基板の表面に凸状体が
形成されているか、または、上記セラミック基板の加熱
面に凹部が形成され、上記凹部に支持ピンが挿入、固定
されることにより上記セラミック基板の表面に凸状体ま
たは凸状部が形成されていることが望ましい。凸状体
は、被加熱物と点接触となるような尖頭状か球状が好ま
しい。また、支持ピンの先端も尖頭状または半球状が好
ましい。
【0010】第三の本発明は、先端部分に形成された接
触部と、上記接触部の下に形成された上記接触部よりも
大きな直径の嵌合部と、該嵌合部の下に形成された上記
嵌合部よりも直径の小さな柱状体と、該柱状体の下端に
形成されたその直径が柱状体よりも大きい固定部とが一
体的に形成されてなることを特徴とする支持ピンであ
る。
【0011】第四の本発明は、柱状体に該柱状体の直径
よりも大きな固定部が一体的に形成されてなることを特
徴とする支持ピンである。上記第四の本発明に係る支持
ピンにおいて、上記柱状体の先端は尖塔状または半球状
であることが望ましい。
【0012】第五の本発明は、その表面または内部に発
熱体が形成されたセラミック基板を有し、半導体ウエハ
等の被加熱物を上記セラミック基板の表面から離間して
保持し、加熱するように構成されたセラミックヒータで
あって、上記セラミック基板には、互いに直径の異なる
連通した貫通孔が形成されるとともに、上記貫通孔に請
求項8に記載の支持ピンが挿入され、上記貫通孔の相対
的に直径の大きな部分に上記支持ピンの嵌合部が挿入さ
れて嵌合され、上記支持ピンの固定部と上記セラミック
基板の底面との間に固定用金具が嵌め込まれてなること
を特徴とするセラミックヒータである。
【0013】第六の本発明は、その表面または内部に発
熱体が形成されたセラミック基板を有し、半導体ウエハ
を上記セラミック基板の表面から離間して保持し、加熱
するように構成されたセラミックヒータであって、上記
セラミック基板の加熱面側に凹部が形成され、上記凹部
に請求項9に記載の支持ピンが挿入されるととともに、
固定用ばねが、上記柱状体を囲んだ状態で上記凹部の壁
面に当接するように嵌め込まれてなることを特徴とする
セラミックヒータである。
【0014】上記セラミックヒータにおいて、上記セラ
ミック基板の内部には、静電電極が設けられてなること
が望ましい。
【0015】上記した本発明のセラミックヒータにおい
ては、いずれも、セラミック基板の表面(加熱面)から
離間して半導体ウエハを保持して加熱するように構成さ
れていることを特徴とする点で共通する。従って、これ
らの点について、まず、説明し、続いて、適宜、上記し
た第一〜第六の本発明を説明する。
【0016】以下の説明では、被加熱物を半導体ウエハ
とし、この半導体ウエハを使用した半導体ウエハ加熱装
置を例にとって説明する。本発明のセラミックヒータ
(半導体ウエハ加熱装置)では、セラミック基板と非接
触の状態で半導体ウエハの加熱を行う。このように半導
体ウエハとセラミック基板とを非接触の状態とすること
で、セラミック基板表面の温度分布の影響を半導体ウエ
ハが受けないようにすることができ、半導体ウエハ全体
の温度を均一にすることができるのである。加熱の際に
は、セラミック基板の熱は、空気の対流や輻射により半
導体ウエハに伝達される。また、セラミック基板と半導
体ウエハとは接触しないため、セラミック基板に含まれ
るNa、B、Yなどの不純物元素や焼結助剤が半導体ウ
エハを汚染しないという効果も有する。
【0017】表面に導体層が形成されたセラミック基板
を用いる場合には、セラミック基板の発熱体が形成され
ていない面(発熱体形成面の反対側面)を加熱面とす
る。発熱体が形成されていると発熱体パターンに相似し
た温度分布が半導体ウエハに発生してしまうからであ
る。また、発熱体が内部に形成されている場合には、発
熱体から遠い方を加熱面とすることが望ましい。セラミ
ック基板中を熱が伝搬するに従い、温度が均一化するか
らである。
【0018】セラミック基板の表面(加熱面)から離間
した状態で半導体ウエハを加熱するための方法は特に限
定されないが、第二の本発明で記載しているように、上
記セラミック基板には、半導体ウエハを保持するための
凸状体または凸状部が形成されていることが望ましい。
【0019】この凸状体または凸状部で半導体ウエハを
支持し、加熱面から離間させて加熱することができるか
らである。この場合、図8、9に示したように、セラミ
ック基板81、91の表面に凸状部81d、82dを形
成し、この凸状部81d、82dで半導体ウエハを保持
する方法、図5、7に示したように、セラミック基板1
に貫通孔41を形成し、この貫通孔41に支持ピン20
を挿通し、この支持ピン20により半導体ウエハを保持
する方法、図6に示したように、セラクミック基板1に
凹部42を形成し、ここに支持ピン30を固定して半導
体ウエハを保持し、加熱する方法等が挙げられる。
【0020】凸状体は尖塔状7(図4〜7参照)または
球状もしくは半球状(図10参照)の部分を有するもの
が好ましい。被加熱物と点接触の状態にすることができ
るからである。図10に示したように、凸状体は、球状
であってもよい、この球状体をセラミック基板の凹部に
埋設することにより、半導体ウエハとの接触を点接触と
することができるからである。図10(a)は、半球状
の部分を有する凸状体50を示す断面図であり、(b)
は、球状の凸状体60を示す断面図である。
【0021】セラミック基板の加熱面に凸状部を設ける
場合は、図8に示すように円錐状または角錐状(3角
錐、4角錐等)の凸状部81dであってもよく、図9に
示すような突起が円環状に形成された凸状部91dであ
ってもよい。
【0022】支持ピンとしては、図2に示すように、シ
リコンウエハの受け渡しに用いるリフターピン7を利用
することができる他、図4の(a)(b)に示した支持
ピン20、30を使用することができる。図4(a)、
(b)は、この支持ピンの形状を模式的に示す正面図で
ある。(a)に示す支持ピン20は、先端に形成された
半導体ウエハと接触する接触部21と、接触部21の下
に形成された接触部21よりも大きな直径の嵌合部22
と、嵌合部22の下に形成された嵌合部22よりも直径
の小さな柱状体23と、柱状体23の下端に形成された
その直径が柱状体23よりも大きい固定部24とが一体
的に形成されてなるものである。そして、接触部21
は、尖塔板状もしくは尖塔柱状(先端が角錘でその下に
角柱が形成された形状、もしくは、先端が円錐でその下
に円柱が形成された形状)の尖塔部か、半球状もしくは
半球柱状の半球部であることが望ましい。
【0023】支持ピン20は、図5に示すように、セラ
ミック基板1に形成された、互いに直径の異なる連通し
た貫通孔41に挿入され、相対的に直径の大きな貫通孔
41aに嵌合部22が挿入されて嵌合され、一方、支持
ピン20の固定部24は、セラミック基板1の底面1b
から露出しており、この固定部24と底面1bとの間に
固定用のC字形状またはE字形状のスナップリングと呼
ばれる金具27が嵌め込まれて、固定されているため、
支持ピン20がセラミック基板1から脱落することはな
く、確実に固定される。
【0024】支持ピン20は、先端が尖塔状または半球
状であり、セラミック基板1の加熱面1aより上方に突
出しているため、このセラミック基板1の上に載置され
る半導体ウエハと点接触となり、半導体ウエハを汚染し
たり、半導体ウエハに特異点(接触部分の温度が高いホ
ットスポットや温度が低いクーリングスポット)ができ
ない。
【0025】また、図4(b)に示す支持ピン30は、
先端が尖頭状の柱状体31に柱状体31の直径よりも大
きな固定部32が一体的に形成されてなるものである。
【0026】この支持ピン30は、図6に示すように、
セラミック基板1に凹部42を設け、この凹部42に支
持ピン30を挿入した後、C字形状のばね37を柱状体
31を囲んだ状態で凹部81の壁面に当接するように嵌
め込んで固定する。C字形状のばね37は、図6(b)
に示すように外側に開こうとするため、凹部42に挿入
すると凹部42の内壁に当接して固着する。一方、支持
ピン30の固定部32はC字形状のばね37で押さえら
れるため、支持ピン30を凹部42内に確実に固定する
ことができるのである。
【0027】セラミック基板1の加熱面1aの反対側面
(底面)1bに抵抗発熱体2を形成する場合には、加熱
面1aに凹部42を設けるため、パターンの自由度を大
きくすることができ、また、この凹部42は、貫通孔で
はないため、ばねが外れて支持ピン30が脱落すること
はない。
【0028】なお、支持ピン30の柱状体の先端は尖塔
状または半球状であることが望ましい。これは支持ピン
Aと同じ理由による。C字形状の金具27やばね37
は、金属製、特にステンレス製、Ni合金等の錆びにく
いものが望ましい。また、支持ピン20、30は、セラ
ミック製が望ましく、アルミナ、シリカなどの酸化物セ
ラミックが熱伝導率が低く、クーリングスポットやホッ
トスポット等が発生しにくいため望ましい。このような
C字形状の金具27やバネ37を用いた固定方法は、接
着材などを用いた固定方法と異なり、物理的な固定方法
であり、これらの金具27やバネ37熱等での劣化がな
い。
【0029】貫通孔および凹部の直径は1〜100mm
が望ましく、2〜10mmがより望ましい。大きすぎる
とクーリングスポットが発生するからである。本発明で
は、半導体ウエハを上記セラミック基板の表面または加
熱面から5〜5000μm、特に5〜500μm離間す
ることが望ましい。5μm未満では、セラミック基板の
温度分布の影響をうけて半導体ウエハの温度が不均一に
なり、5000μmを超えると、半導体ウエハの温度が
上昇しにくくなり、その結果、半導体ウエハの温度差が
大きくなる。
【0030】特に、半導体ウエハを上記セラミック基板
の表面または加熱面から20〜200μm離間すること
が最も望ましい。
【0031】本発明のセラミックヒータでは、図7に示
したように、セラミック基板1の内部に静電電極43が
形成されていてもよい。静電電極43でシリコンウエハ
9等の半導体ウエハを吸引することで半導体ウエハの反
りを一方向にし、加熱面1aと半導体ウエハとの距離の
ばらつきを小さくすることができる。その結果、半導体
ウエハの温度をより均一にすることが可能になる。
【0032】本発明のセラミック基板は、カーボンを含
有し、その含有量は、200〜5000ppmであるこ
とが望ましい。電極を隠蔽することができ、また黒体輻
射を利用しやすくなるからである。
【0033】本発明のセラミック基板は、直径150m
m以上が望ましく、直径200mm以上が最適である。
このような大きな直径を有する基板は、加熱面の温度が
不均一になりやすく、半導体ウエハに温度差が生じやす
いからである。
【0034】さらに、本発明のセラミック基板は、10
0℃以上、特に200℃以上で使用されることが望まし
い。加熱面の温度が不均一になりやすく、半導体ウエハ
に温度差が生じやすいからである。
【0035】本発明の半導体装置用セラミック基板を構
成するセラミック材料は特に限定されるものではなく、
例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物
セラミック等が挙げられる。
【0036】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タンステン等が挙げられる。
【0037】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0039】本発明においては、セラミック基板中に、
焼結助剤を含有することが望ましい。その焼結助剤とし
ては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、
希土類酸化物を使用することができ、これらの焼結助剤
のなかでは、特にCaO、Y23 、Na2 O、Li2
O、Rb2 Oが好ましい。これらの含有量としては、
0.1〜10重量%が望ましい。
【0040】また、上記セラミック基板は、明度がJI
S Z 8721の規定に基づく値でN4以下のもので
あることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻
射熱量、隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のN
は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を1
0とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色
の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割
し、N0〜N10の記号で表示したものである。そし
て、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較
して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0041】本発明のセラミック基板の表面または内部
に設ける発熱体としては、金属、導電性セラミックが望
ましい。上記金属としては、例えば、貴金属(金、銀、
白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、
ニッケルなどが好ましい。また、上記導電性セラミック
としては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物
などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0042】図1は、本発明のセラミックヒータを構成
するセラミック基板を示す平面図てあり、図2は、その
部分拡大断面図である。
【0043】セラミック基板1は、円板状に形成されて
おり、抵抗発熱体2は、セラミック基板1の加熱面1a
の全体の温度が均一になるように加熱するため、セラミ
ック基板1の底面に同心円状のパターンに形成されてい
る。また、抵抗発熱体2は、発熱体層4とその表面に形
成された金属被覆層5とからなる。
【0044】また、これら抵抗発熱体2は、互いに近い
二重の同心円同士が1組として、1本の線になるように
接続され、その両端に入出力の端子となる端子ピン3が
半田層6を介して接続されている。また、セラミック基
板1の中央に近い部分には、リフターピン7を挿入する
ための貫通孔8が形成され、さらに、底面には、測温素
子を挿入するための有底孔1cが形成されている。
【0045】また、図2に示したように、このリフター
ピン7は、その上にシリコンウエハ9を載置して上下さ
せることができるようになっており、これにより、シリ
コンウエハ9を図示しない搬送機に渡したり、搬送機か
らシリコンウエハ9を受け取ったりすることができる。
本発明では、このリフターピン7にシリコンウエハ9を
受け取った後、リフターピン7を下げ、シリコンウエハ
9をセラミック基板1の表面から5〜5000μm離間
させて保持し、加熱を行う。加熱は150℃以上で行う
ことが望ましい。。
【0046】図3は、抵抗発熱体が内部に埋設されたセ
ラミック基板を模式的に示す断面図である。この場合、
抵抗発熱体12は、通常、セラミック基板11の内部
で、その中心より底面に近い部分に形成されるが、中心
より加熱面11aに偏芯した位置に形成されていてもよ
い。また、抵抗発熱体12の端部の直下には、スルーホ
ール15が形成され、このスルーホール15の下に袋孔
16が形成されてスルーホール15が露出しており、露
出したスルーホール15に導電線(図示さず)等を接続
することにより、抵抗発熱体12に通電することができ
るようになっている。
【0047】次に、本発明にかかる上記セラミックヒー
タの製造方法の一例を説明する。 (1)まず、セラミック粉末、バインダ、焼結助剤等を
混合する。混合する粉末は、平均粒径で、0.1〜5μ
m程度の小さいものが好ましい。これは、微細なほど焼
結性が向上するが、余りにも微細であると、グリーンの
かさ密度が小さくなり、焼き縮みの幅が大きくなり寸法
精度に欠ける場合があるからである。また、窒化アルミ
ニウム基板等を製造する場合には、上記混合物に酸化イ
ットリウム(イットリア:Y23 )の如き焼結助剤を
添加してもよい。
【0048】(2)次に、得られた粉末混合物を成形型
に入れて成形体としたもの、または、上記グリーンシー
トの積層体(いずれも仮焼成したもの)を、アルゴン窒
素などの不活性雰囲気下に1700〜1900℃、80
〜200kg/cm2 の条件で加熱、加圧して焼結す
る。
【0049】セラミック基板は、基本的にセラミック粉
末の混合物からなる成形体やグリーンシート積層体を焼
成することにより製造することができるが、このセラミ
ック粉末の混合物を成形型に入れる際に、発熱体となる
金属板(箔)や金属線等を粉末混合物中に埋没したり、
積層するグリーンシートのうちの1枚のグリーンシート
上に発熱体となる導体ペースト層を形成することによ
り、内部に抵抗発熱体を有するセラミック基板とするこ
とができる。
【0050】また、焼結体を製造した後、その表面(底
面)に導体ペースト層を形成し、焼成することによっ
て、底面に発熱体を形成することもできる。発熱体を作
製するための導体ペーストとしては特に限定されない
が、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラ
ミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤など
を含むものが好ましい。
【0051】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、薄膜状の電極等とした際に
は、充分に大きな導電性を有し、一方、図1に示したよ
うな線状(帯状)の抵抗発熱体とした場合には、発熱す
るに充分な抵抗値を有するからである。上記導電性セラ
ミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの
炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0052】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0053】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、発熱体とセラミック基板との密着性
を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるた
め有利である。
【0054】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0055】発熱体用の導体ペーストをセラミック基板
の表面に形成する際には、導体ペースト中に金属粒子の
ほかに金属酸化物を添加し、金属粒子および金属酸化物
を焼結させたものとすることが望ましい。このように、
金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、
セラミック基板と金属粒子とを密着させることができ
る。
【0056】金属酸化物を混合することにより、セラミ
ック基板と密着性が改善される理由は明確ではないが、
金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板の表面
は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成されて
おり、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一
体化し、金属粒子とセラミックとが密着するのではない
かと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラ
ミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物からなる
ので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0057】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。
【0058】これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大き
くすることなく、金属粒子とセラミック基板との密着性
を改善することができるからである。
【0059】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板
との密着性を改善することができる。
【0060】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して発熱体を
形成した際の面積抵抗率は、1〜10000mΩ/□が
好ましい。
【0061】面積抵抗率が10000mΩ/□を超える
と、印加電圧量に対して発熱量が小さくなりすぎて、表
面に発熱体を設けたセラミック基板では、その発熱量を
制御しにくいからである。
【0062】発熱体がセラミック基板の表面に形成され
る場合には、発熱体の表面部分に、金属被覆層が形成さ
れていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸化され
て抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する
金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
【0063】金属被覆層を形成する際に使用される金属
は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体
的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル
などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケル
が好ましい。なお、発熱体をセラミック基板の内部に形
成する場合には、発熱体表面が酸化されることがないた
め、被覆は不要である。
【0064】次に、抵抗発熱体が設けられたセラミック
基板に、支持ピンを挿入するための貫通孔や凹部を設
け、これに支持ピンを挿入し、外部端子等を接続し、さ
らに、必要に応じて、有底孔を設け、その内部に熱電対
を埋め込む。
【0065】このようにして得られたセラミック基板を
支持容器等に設置し、抵抗発熱体や測温素子からの配線
を制御装置に接続等することにより、半導体ウエハ加熱
装置(セラミックヒータ)の製造を終了する。そして、
こセラミック基板に形成された凸状体等により半導体ウ
エハとセラミック基板との間に5〜500μmの空間を
設けて保持し、150℃以上に加熱することにより、半
導体ウエハに種々の処理を施すことができる。
【0066】
【発明の実施の形態】
【実施例】(実施例1) セラミックヒータの製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、バイ
ンダを10重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気
中、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時
間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。こ
れを直径210mmの円板状に切出してセラミック基板
1とし、このセラミック基板1に直径10mmの貫通孔
8をドリル加工で3箇所設けた。
【0067】(2)次に、上記(1)で得たセラミック
基板1の底面1bに、スクリーン印刷にて導体ペースト
を印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心
円状のパターンとした。導体ペーストとしては、プリン
ト配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学
研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
【0068】この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からな
る金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、
銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のもので
あった。
【0069】(3)次に、導体ペーストを印刷した焼結
体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、発熱体92
を形成した。銀−鉛の発熱体4は、厚さが5μm、幅
2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。 (4)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム
24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/
l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無
電解ニッケルめっき浴に上記処理を終えたセラミック基
板1を浸漬し、銀−鉛の発熱層4の表面に厚さ1μmの
金属被覆層5(ニッケル層)を析出させ、抵抗発熱体2
とした。
【0070】(5)電源との接続を確保するための端子
を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半
田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層6の上にコバール製の端子ピン3を
載置して、420℃で加熱リフローし、端子ピン3を発
熱体2の表面に取り付けた。 (7)温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリ
イミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、この
セラミック基板(図1、2参照)を支持容器に設置した
後、配線の接続等を行うことによりセラミックヒータを
得た。
【0071】次に、セラミック基板1の貫通孔8に、リ
フターピン7を挿通し、このリフターピン7にシリコン
ウエハ9を載せ、リフターピン7をゆっくり下げてシリ
コンウエハとセラミック基板との距離を100μmとし
た。なお、抵抗発熱体2が形成されていない側を加熱面
1aとした。さらに、600℃までセラミック基板1の
温度を昇温し、シリコンウエハ9の最高温度と最低温度
をサーモビュア(日本データム社製 IR162012
−0012)で測定した。
【0072】シリコンウエハの最高温度は、600℃で
あり、最低温度は、595℃であり、最高温度と最低温
度との差は、5℃であった。また、ウエハのYによる汚
染を蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX210
0)を使用して確認したが、汚染はなかった。
【0073】(実施例2)発熱体を内部に有するセラミ
ックヒータ(図3)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量
部、分散剤0.5重量部、アクリルバインダ0.2重量
部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコ
ール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブ
レード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリ
ーンシートを得た。
【0074】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径5.0m
mのリフターピンを挿入する貫通孔8となる部分、外部
端子と接続するためのスルーホール15となる部分を設
けた。
【0075】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストA
をグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペー
スト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンと
した。
【0076】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステン
ペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)
に37枚、下側に13枚、130℃、80kg/cm2
の圧力で積層した。
【0077】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板
状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体
を有するセラミック基板11とした。
【0078】(5)次に、(4)で得られたセラミック
基板11を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを
載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対の
ための有底孔11c(直径:1.2mm、深さ:2.0
mm)を設けた。
【0079】(6)さらに、スルーホール用の貫通孔の
一部をえぐり取って袋孔16とし、この袋孔16にNi
−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフロー
してコバール製の外部端子(図示せず)を接続させた。
なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点
で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保すること
ができるからである。
【0080】(7)次に、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に埋め込み、このセラミック基板(図3参
照)を支持容器に設置した後、配線の接続等を行うこと
によりセラミックヒータを得た。 (8)次に、リフターピン7をセラミック基板11の貫
通孔8に挿通し、リフターピン7でシリコンウエハを支
持し、リフターピン7をゆっくりと下げ、シリコンウエ
ハとセラミック基板との距離を150μmとした。な
お、発熱体から遠い側を加熱面11aとした。
【0081】さらに、600℃までセラミック基板の温
度を昇温し、半導体ウエハの最高温度と最低温度をサー
モビュア(日本データム株式会社 IR162012−
0012)で測定した。ウエハの最高温度は、600℃
であり、最低温度は、595℃であり、最高温度と最低
温度との差は、5℃であった。また、ウエハのYによる
汚染を蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX21
00)を使用して確認したが、汚染はなかった。
【0082】(実施例3) 支持ピン20を備えたセラ
ミック基板の製造 基本的には実施例1と同様であるが、セラミック基板の
加熱面側の直径が5mm、その反対側の直径が3mmの
連通した貫通孔41を設け(図5参照)、ここに、図4
(a)に示す形状のアルミナ製の支持ピン20を嵌め込
んだ。この支持ピン20は、嵌合部22の直径が約5m
m、固定部24の直径が3mm、長さが約6.1mmで
あり、セラミック基板1の底面1bから固定部24が露
出するように構成されている。この固定部24とセラミ
ック基板の底面(加熱面の反対面)1bの間にステンレ
ス製のC字形状の金具27(図5(b)参照)を嵌め込
んで固定した。この支持ピン20はよりウエハ加熱面1
aから100μm突出していた。
【0083】(実施例4) 支持ピン30を備えたセラ
ミック基板の製造 基本的には実施例1と同様であるが、セラミック基板1
の加熱面側に、その直径が3mm、深さ2mmの凹部4
2を設け、ここに、図4(b)に示す形状のアルミナ製
の支持ピン30を嵌め込んだ。この支持ピン30は、柱
状部31の直径が約2mm、固定部32の直径が3m
m、長さが約3.1mmであった。さらに、この凹部4
2にC字形状のステンレス製のばね37を嵌め込んで、
支持ピン30を固定した。この支持ピン30はよりウエ
ハ加熱面1aから400μm突出していた。
【0084】(実施例5) 凸状部を有するセラミック
基板の製造 基本的には実施例1と同様であるが、加熱プレスによっ
て、表面に図8のような円錐状の凸状部81dを設け
た。凸状部81dは、その高さが約200μmであっ
た。
【0085】(実施例6) 静電チャック付きヒータの
製造 基本的には、実施例2と同様であるが、導電性ペースト
Aをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペ
ースト層を形成する際に、同心円の発熱体パターンの他
に、別のグリーンシート双極の静電電極パターンを印刷
した。
【0086】さらに、実施例3の場合と同様にセラミッ
ク基板1に貫通孔41を設け、支持ピン20を貫通孔4
1に挿入して金具27により固定し、図7に示した構造
のセラミック基板を得た。支持ピン20は、加熱面1a
から300μm突出するように調整した。
【0087】以上、実施例1〜6に係るセラミックヒー
タについて、ウエハの温度をサーモビュア(日本データ
ム株式会社 IR−162012−0012)により測
定し、最高温度と最低温度を求めた。さらに、ウエハの
Y汚染の有無を蛍光X線分析装置(Rigaku製 R
IX2100)を使用して確認した。その結果の下記の
表1に示した。
【0088】(比較例1)実施例1と同様であるが、シ
リコンウエハをセラミック基板に接触させ、同様の測定
を実施した。シリコンウエハの最高温度は、605℃で
あり、最低温度は、595℃であり、最高温度と最低温
度との差は、10℃であった。また、ウエハのYによる
汚染を蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX21
00)を使用して確認したところ、ウエハの裏面にYの
若干の拡散が見られた。
【0089】(試験例1)実施例1と同様であるが、シ
リコンウエハとセラミック基板の距離を3μmとし、同
様の測定を実施した。ウエハの最高温度は605℃であ
り、最低温度は595℃であり、最高温度と最低温度と
の差は、10℃であった。また、ウエハのYによる汚染
を蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX210
0)を使用して確認したところ、汚染はなかった。
【0090】(試験例2)実施例1と同様であるが、ウ
エハとセラミック基板の距離を510μmとし、同様の
測定を実施した。ウエハの最高温度は597℃であり、
最低温度は594℃であった。セラミック基板を600
℃に昇温させているが、ウエハ温度はやや低い。セラミ
ック基板をサーモビュアで観察すると、最高温度は、6
05℃であり、最低温度は、595℃であり、最高温度
と最低温度との差は、10℃であった。また、ウエハの
Yによる汚染を蛍光X線分析装置(Rigaku製 R
IX2100)を使用して確認したところ、汚染はなか
った。
【0091】(試験例3)実施例1と同様であるが、ウ
エハとセラミック基板の距離を資5100μmとし、同
様の測定を実施した。ウエハの最高温度は400℃であ
り、最低温度は410℃であり、最高温度と最低温度と
の差は、10℃であった。セラミック基板を600℃に
昇温させているにもかかわらず、充分にウエハの温度が
上がっていない。セラミック基板をサーモビュアで観察
すると、最高温度は、605℃であり、最低温度は、5
95℃であり、最高温度と最低温度との差は、10℃で
あった。また、ウエハのYによる汚染を蛍光X線分析装
置(Rigaku製 RIX2100)を使用して確認
したところ、汚染はなかった。以上、実施例および比較
例、試験例の結果を表1に記載する。
【0092】
【表1】
【0093】上記表1に示した結果より明らかなよう
に、比較例1では、セラミック基板の温度分布が、シリ
コンウエハの温度分布にそのまま反映されている。ま
た、試験例1でも、セラミック基板の表面の温度差が、
そのままシリコンウエハの温度差にも反映されてしまっ
ており、温度均一性が充分とは言えない。一方、試験例
2では、シリコンウエハの温度がセラミック基板よりも
若干低くなっている。また試験例3では、セラミック基
板表面に比べてシリコンウエハの温度が極端に低く、実
用的でない。
【0094】実施例3、4に係るセラミック基板では、
支持ピンを固定しているため、調整しなくとも常にシリ
コンウエハとセラミック基板の加熱面との距離を一定に
することができる。また、支持ピンは物理的に固定され
ており、熱で損傷、劣化しにくく、脱落なども発生しな
い。
【0095】実施例5に係るセラミック基板では、加熱
面の表面に円錐状の凸状部が形成されており、支持ピン
などを固定する手間がいらない。また、支持ピンを固定
しないので、金属のばねや固定金具を使用することがな
く、支持ピンの周囲に温度が極端に低くなるクーリング
スポットが発生しない。
【0096】さらに実施例6に係るセラミック基板で
は、静電チャックによりシリコンウエハを吸引してお
り、シリコンウエハの反り歪みを一方向にそろえること
ができ、シリコンウエハの温度差を殆どなくすことがで
きる。また、表1に示した実施例1〜6におけるシリコ
ンウエハのYによる汚染の測定結果より明らかなよう
に、シリコンウエハとセラミック基板を離間することよ
り、Yのシリコンウエハへの拡散を完全に防止すること
ができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るセラ
ミックヒータでは、半導体ウエハを均一な温度で加熱す
ることができ、また半導体ウエハの汚染も防止すること
ができる。また、本発明の支持ピンは、加熱しても脱落
などがなく、半導体ウエハとセラミック基板の加熱面と
の距離を常に一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータを構成するセラミッ
ク基板を模式的に示した平面図である。
【図2】図1に示したセラミック基板の部分拡大断面図
である。
【図3】本発明のセラミックヒータを構成するセラミッ
ク基板の別の一例を模式的に示した断面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明の支持ピンを模式的
に示す正面図である。
【図5】(a)は、本発明のセラミックヒータを構成す
るセラミック基板を模式的に示した部分拡大断面図であ
り、(b)は、固定用の金具を示す斜視図である。
【図6】(a)は、本発明のセラミックヒータを構成す
るセラミック基板を模式的に示した部分拡大断面図であ
り、(b)は、支持ピンをセラミック基板の凹部に嵌め
込む様子を模式的に示した斜視図である。
【図7】本発明のセラミックヒータ(静電チャック)を
構成するセラミック基板を模式的に示した部分拡大断面
図である。
【図8】本発明のセラミックヒータを構成するセラミッ
ク基板を模式的に示した断面図である。
【図9】本発明のセラミックヒータを構成するセラミッ
ク基板を模式的に示した一部切り欠き斜視図である。
【図10】(a)は、セラミック基板の凹部に配置され
た半球状の部分を有する凸状体を示す断面図であり、
(b)は、球状の凸状体を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11、81、91 セラミック基板 1c、11c 有底孔 1a、11a 加熱面 1b、11b 底面 2、12 抵抗発熱体 3 端子ピン 4 発熱体層 5 金属被覆層 6 半田層 7 リフターピン 8 貫通孔 9 シリコンウエハ 13 測温素子 15 スルーホール 16 袋孔 20、30 支持ピン 21 接触部(尖塔部) 22 嵌合部 23 柱状部 24 固定部 27 金具 31 柱状体 32 固定部 37 ばね 41 貫通孔 42 凹部 43 静電電極 81d、91d 凸状部
フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA03 AA04 AA06 AA08 AA10 AA21 AA30 BB06 BB14 BC03 BC12 EA01 FA16 HA04 HA10 JA10 3K092 PP09 QA05 QB02 QB03 QB04 QB08 QB18 QB44 QB61 RF03 RF11 RF17 RF22 UA05 VV22 5F031 CA02 HA02 HA08 HA16 HA33 HA37 MA28 MA32 MA33 PA11 PA26

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その表面または内部に発熱体が形成され
    たセラミック基板を有するセラミックヒータにおいて、
    被加熱物を前記セラミック基板の表面から離間して保持
    し、加熱することができるように構成されていることを
    特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 その表面または内部に発熱体が形成され
    たセラミック基板を有するセラミックヒータにおいて、
    前記セラミック基板の発熱体が形成されていない面、ま
    たは、前記セラミック基板の一面を加熱面とし、被加熱
    物を前記加熱面から離間して保持し、加熱することがで
    きるように構成されていることを特徴とするセラミック
    ヒータ。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板には、被加熱物を保
    持するための支持ピンを挿通させる貫通孔が形成されて
    なる請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記被加熱物を前記セラミック基板の表
    面または加熱面から5〜5000μm離間する請求項1
    〜3のいずれか1に記載のセラミックヒータ。
  5. 【請求項5】 前記セラミック基板の表面には、凸状体
    または凸状部が形成されてなる請求項1または2に記載
    のセラミックヒータ。
  6. 【請求項6】 前記セラミック基板には貫通孔が形成さ
    れ、前記貫通孔に支持ピンが挿入、固定されることによ
    り前記セラミック基板の表面に凸状体が形成されてなる
    請求項5に記載のセラミックヒータ。
  7. 【請求項7】 前記セラミック基板の加熱面には凹部が
    形成され、前記凹部に支持ピンが挿入、固定されること
    により前記セラミック基板の表面に凸状体が形成されて
    なる請求項5に記載のセラミックヒータ。
  8. 【請求項8】 先端部分に形成された接触部と、前記接
    触部の下に形成された前記接触部よりも大きな直径の嵌
    合部と、該嵌合部の下に形成された前記嵌合部よりも直
    径の小さな柱状体と、該柱状体の下端に形成されたその
    直径が柱状体よりも大きい固定部とが一体的に形成され
    てなることを特徴とする支持ピン。
  9. 【請求項9】 柱状体に該柱状体の直径よりも大きな固
    定部が一体的に形成されてなることを特徴とする支持ピ
    ン。
  10. 【請求項10】 前記柱状体の先端は尖塔状または半球
    状である請求項9に記載の支持ピン。
  11. 【請求項11】 その表面または内部に発熱体が形成さ
    れたセラミック基板を有し、被加熱物を前記セラミック
    基板の表面から離間して保持し、加熱するように構成さ
    れたセラミックヒータであって、前記セラミック基板に
    は、互いに直径の異なる連通した貫通孔が形成されると
    ともに、前記貫通孔に請求項8に記載の支持ピンが挿入
    され、前記貫通孔の相対的に直径の大きな部分に前記支
    持ピンの嵌合部が挿入されて嵌合され、前記支持ピンの
    固定部と前記セラミック基板の底面との間に固定用金具
    が嵌め込まれてなることを特徴とするセラミックヒー
    タ。
  12. 【請求項12】 その表面または内部に発熱体が形成さ
    れたセラミック基板を有し、被加熱物を前記セラミック
    基板の表面から離間して保持し、加熱するように構成さ
    れたセラミックヒータであって、前記セラミック基板の
    加熱面側に凹部が形成され、前記凹部に請求項9に記載
    の支持ピンが挿入されるととともに、固定用ばねが、前
    記柱状体を囲んだ状態で前記凹部の壁面に当接するよう
    に嵌め込まれてなることを特徴とするセラミックヒー
    タ。
  13. 【請求項13】 前記セラミック基板の内部には、静電
    電極が設けられてなる請求項1〜7および請求項11、
    12のいずれか1に記載のセラミックヒータ。
JP2002293687A 1999-12-14 2002-10-07 セラミックヒータおよび支持ピン Pending JP2003217801A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002293687A JP2003217801A (ja) 1999-12-14 2002-10-07 セラミックヒータおよび支持ピン

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35510899 1999-12-14
JP11-355108 1999-12-14
JP2002293687A JP2003217801A (ja) 1999-12-14 2002-10-07 セラミックヒータおよび支持ピン

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000101563A Division JP2001237053A (ja) 1999-12-14 2000-04-03 半導体製造・検査装置用セラミックヒータおよび支持ピン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003217801A true JP2003217801A (ja) 2003-07-31

Family

ID=27666147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002293687A Pending JP2003217801A (ja) 1999-12-14 2002-10-07 セラミックヒータおよび支持ピン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003217801A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008516462A (ja) * 2004-10-13 2008-05-15 ラム リサーチ コーポレーション 半導体処理の均一性を改善するための熱伝達システム
WO2009155508A2 (en) * 2008-06-20 2009-12-23 Varian Semiconductor Equipment Associates A platen for reducing particle contamination on a substrate and a method thereof
CN108426455A (zh) * 2018-03-28 2018-08-21 景德镇陶瓷大学 一种陶瓷膜支撑体煅烧用垫脚以及控制陶瓷膜支撑体形变的方法
US10658207B2 (en) 2008-06-20 2020-05-19 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Platen for reducing particle contamination on a substrate and a method thereof

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008516462A (ja) * 2004-10-13 2008-05-15 ラム リサーチ コーポレーション 半導体処理の均一性を改善するための熱伝達システム
WO2009155508A2 (en) * 2008-06-20 2009-12-23 Varian Semiconductor Equipment Associates A platen for reducing particle contamination on a substrate and a method thereof
WO2009155508A3 (en) * 2008-06-20 2010-03-25 Varian Semiconductor Equipment Associates A platen for reducing particle contamination on a substrate and a method thereof
US8681472B2 (en) 2008-06-20 2014-03-25 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Platen ground pin for connecting substrate to ground
US10658207B2 (en) 2008-06-20 2020-05-19 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Platen for reducing particle contamination on a substrate and a method thereof
CN108426455A (zh) * 2018-03-28 2018-08-21 景德镇陶瓷大学 一种陶瓷膜支撑体煅烧用垫脚以及控制陶瓷膜支撑体形变的方法
CN108426455B (zh) * 2018-03-28 2023-11-24 景德镇陶瓷大学 一种陶瓷膜支撑体煅烧用垫脚以及控制陶瓷膜支撑体形变的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6809299B2 (en) Hot plate for semiconductor manufacture and testing
JP2002076102A (ja) セラミック基板
US20040175549A1 (en) Ceramic connection body, method of connecting the ceramic bodies, and ceramic structural body
JP2001244320A (ja) セラミック基板およびその製造方法
JP2002008828A (ja) 半導体製造・検査装置用ホットプレート
JP2001237053A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミックヒータおよび支持ピン
JP3565496B2 (ja) セラミックヒータ、静電チャックおよびウエハプローバ
JP2002160974A (ja) 窒化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体の製造方法、セラミック基板およびセラミック基板の製造方法
JP2003217801A (ja) セラミックヒータおよび支持ピン
JP2001257200A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP2001342079A (ja) セラミック接合体
JP2002246160A (ja) ホットプレートユニット
JP2001319964A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2001345370A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2004253799A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2001358205A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2002170870A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板および静電チャック
JP2001332560A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2001338747A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ
JP2001308163A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP2002252270A (ja) ホットプレートユニット
JP2003168724A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板およびその製造方法
JP2002164157A (ja) ホットプレートユニット
JP2004253810A (ja) セラミック基板
TW526673B (en) Ceramic heater and supporting pin for semiconductor manufacturing and testing device