JP2003215552A - 画像表示装置とそれを用いたビューファインダと投射型表示装置 - Google Patents

画像表示装置とそれを用いたビューファインダと投射型表示装置

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JP2003215552A
JP2003215552A JP2002319386A JP2002319386A JP2003215552A JP 2003215552 A JP2003215552 A JP 2003215552A JP 2002319386 A JP2002319386 A JP 2002319386A JP 2002319386 A JP2002319386 A JP 2002319386A JP 2003215552 A JP2003215552 A JP 2003215552A
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liquid crystal
display panel
crystal layer
electrode
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JP2002319386A
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Hiroshi Takahara
博司 高原
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表示パネルにおいて高コントラスト表示を実現
すること。 【解決手段】導光板11701をパネルの表面に接着層
11703で接着する。導光の穴は入射側の開口部11
704bを大きく、出射側の開口部11704aを狭く
する。又、開口部11704aは画素電極107より大
きくあるいは同等とする。膜103は光透過性を有し、
一面は前記複数の画素電極の対向する電極と接してお
り、他面は空間を有する部分を有する。これにより、光
変調層から出射する光あるいは光変調層に入射する光に
指向性が発生するため、高コントラスト表示を実現で
き、高輝度表示を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として高分子分散
液晶、TN液晶などを光変調手段として用いる表示パネ
ルおよび該表示パネルを用いた表示装置に関するもので
ある。また、これらの画像表示装置を用いた投射型表示
装置などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルはCRTに比較して軽
量、薄型などの数多くの特徴を有するため、研究開発が
盛んである。近年ではポケットテレビ、ビデオモニタあ
るいはビデオカメラのビューファインダの表示部として
用いられている。しかし、大画面化が困難であるなどの
問題点も多い。そこで、小型の液晶表示装置の表示画像
を投射レンズなどにより拡大投射し、大画面の表示画像
を得る投射型表示装置が注目をあつめ、各社から商品化
されている。現在、商品化されている投射型表示装置お
よびビューファインダには液晶の旋光特性を利用したツ
イストネマティック(以後、TNと呼ぶ)液晶表示パネ
ルが用いられている。
【0003】TN液晶を用いた液晶表示パネルは、偏光
板(偏光子)を用いて入射光を直線偏光にする必要があ
る。また、液晶表示パネルの出射側にも液晶表示装置で
変調された光を検出するため、偏光板(検光子)を配置
する必要がある。つまり、TN液晶表示パネルの前後に
は光を直線偏光にするための偏光子と、変調された光を
検出するための検光子の2枚の偏光板を配置する必要が
ある。液晶表示パネルの画素開口率を100%とし、偏
光子に入射する光量を100とすると、偏光子より出射
する光量は40%、液晶表示装置の透過率は80%、検
光子の透過率は80%であるから、全体としての透過率
は0.4×0.8×0.8=約25%となり、25%の
光しか有効に利用できない。したがって、TN液晶表示
パネルでは低輝度画像表示しか実現できない。
【0004】偏光板等で損失した光はほとんどが偏光板
に吸収されて熱に変換される。前記熱は偏光板自身およ
び輻射熱等により液晶表示パネルを加熱する。投射型表
示装置に用いる液晶表示パネルの場合、前記表示パネル
の偏光板に入射する光量は数万ルクス以上となる。した
がって、投射型表示装置のライトバルブとして偏光板を
用いるTN液晶表示パネルを用いた場合、偏光板および
表示パネル等は高温状態となり、短期間で著しい性能劣
化をひきおこす。
【0005】また、TN液晶表示パネルは配向膜を塗布
し、ラビング処理が必要である。ラビング処理等は工程
数を増加させ、製造コストの増大をひきおこす。また、
近年、投射型表示装置に用いる液晶表示パネルの画素数
は50万画素以上と大容量となり、画素サイズは微細化
の傾向にある。画素の微細化は信号線、薄膜トランジス
タ(以後、TFTと呼ぶ)等による凹凸を単位面積あた
り多数形成することになる。前記凹凸により良好にラビ
ング処理を行えなくなることは明らかである。また、画
素サイズの微細化は1つの画素に占めるTFTおよび信
号線の形成面積が大きくなり画素開口率を低減させる。
これらの画素開口率の低減は表示画像の低輝度化にとど
まらず、入射光開口部以外に照射された光により、さら
に液晶表示装置は加熱されることになりTN液晶表示パ
ネルの性能劣化を加速する。TN液晶表示パネルの重量
も問題である。TN液晶表示パネルは2枚のガラス板間
に液晶を狭持させている。液晶表示パネルをもちはこび
できるようにノートタイプにすると、前記ガラスの重量
は問題となる。ガラスは重たいからである。
【0006】また、TN液晶は、画素電極に印加した電
圧により液晶の配向状態を変化させ光変調を行う。TN
液晶表示装置の入射側と出射側にはそれぞれ偏光板が配
置され、前記偏光子と検光子の偏光軸は直交させてい
る。一般的に、TN液晶表示装置は電圧印加状態で黒表
示を行えるノーマリホワイトモード(NWモード)で使
用する。なお、逆に電圧印加状態で白表示(光透過状
態)となるモードをノーマリブラックモード(NBモー
ド)と呼ぶ。
【0007】NWモードの液晶表示装置の表示画像は色
再現性はよいが、課題として、画素周辺部からの光もれ
がある。これは液晶分子が、正規の方向に配向せず、逆
方向に配向することからおきる。この配向状態を逆チル
ド・ドメインと呼ぶ。これは画素電極とソース信号線間
等に発生する電界により液晶分子の立ち上がり方向が、
部分的に逆になることより生じる。液晶分子の立ち上が
り方向が逆になった部分は、電圧が印加されているにも
かかわらず、光はパネルの光出射面の検光子を通過す
る。つまり、光もれが生じる。正常な液晶の立ち上がり
方向であれば光もれは生じない。
【0008】光もれを防止する方法として、対向電極上
に形成するブラックマトリックス(BM)の幅を太くす
る方法があるが、これも画素閉口面積を低下させること
となり、表示輝度を低下させることから、有効な方法と
は言えない。
【0009】以下のようにTN液晶を用いる液晶表示装
置は、偏光板を用いる必要がある。また、画素周辺部に
光ぬけが発生しやすいため、BMを太くしなければなら
ない。したがって、光利用率が悪く、表示輝度は低い。
BMに照射された光は液晶表示装置を加熱することにな
り、パネル温度を上昇させ、パネルの寿命を短くする。
【0010】同様に、TN液晶表示装置をライトバルブ
として用いる投射型表示装置も、光利用率が悪く、投射
画像のスクリーン輝度は低い。そこで、偏光板を用いな
い高分子分散液晶表示パネル(以後、PD液晶表示パネ
ルと呼ぶ)を用いた投射型表示装置が提案されている。
一例として、特開平3−94225号公報に記載のもの
があげられる。投射型表示装置に用いるライトバルブと
してのPD液晶表示パネルは、入射光を散乱あるいは透
過させることにより光変調を行う。
【0011】PD液晶表示パネルの動作について、図6
(a),(b)を用いて簡単に説明する。図6(a),
(b)は、PD液晶表示パネルの動作の説明図である。
図6(a),(b)において、ポリマー602中には水
滴状の液晶(以後、水滴状液晶603と呼ぶ)が分散さ
れている。画素電極107にはTFT(図示せず)等が
接続され、TFTのオン、オフにより画素電極107に
電圧が印加されて、画素電極107上の液晶配向方向を
可変させて光を変調する。図6(a)に示すように電圧
を印加していない状態では、それぞれの水滴状液晶60
3中の液晶分子は不規則な方向に配向している。この状
態ではポリマー(樹脂成分)602と水滴状液晶(液晶
成分)603とに屈折率差が生じ、入射光は散乱する。
【0012】ここで、図6(b)に示すように、画素電
極107に電圧を印加すると液晶分子の方向がそろう。
液晶分子が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじ
めポリマー602の屈折率と合わせておくと、入射光は
散乱せずにアレイ基板101(または対向基板103)
より出射する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PD液晶表示
パネルでも次のような課題がある。それは、表示コント
ラストが低い点である。
【0014】即ち、図6でも示すように液晶層21が散
乱状態のとき黒表示、透明状態のとき白表示となる。し
たがって、散乱状態を十分高くしないとコントラストを
高くすることはできない。散乱状態を高くするには液晶
層108を厚くすればよい。しかし、液晶層108を厚
くすると、図6(b)のように光透過状態にするのに要
する電圧が高くなる。電圧を高くするにはTFT等の耐
電圧性を向上させる必要があり、この耐電圧性の向上に
は一定の限界がある。この様なことから、従来のPD液
晶表示パネルでは、表示コントラストを高くすることが
出来ないと言う課題があった。
【0015】本発明は、従来の装置のこの様な課題を考
慮し、表示コントラストを高く出来る、表示パネルと該
表示パネルを用いた画像表示装置などを提供することを
目的とする。
【0016】
【課題が解決するための手段】PD液晶表示パネルの表
示コントラストが低いという課題を解決するため、例え
ば、本発明の表示パネルは主として液晶層を厚くする。
また、液晶層にゲストホスト液晶等を含有させて光散乱
状態での光透過率を低下させる。液晶層を厚くすること
により画素電極等に印加する電圧が高くなるという課題
に対して、液晶層を2層に分けて各液晶層ごとに電圧を
印加する構成にすること、対向電極をストライプ状電極
にすること、画素電極を液晶層の中間部に配置すること
に等により解決する。
【0017】第1の実施の形態では対向電極をストライ
プ状電極にする。なお、このストライプ状とは単純マト
リックスのようなストライプ状の電極を主として意味す
るが、くびれがあってもよく、矩形のみに限定するもの
ではなく一部に円弧、だ円、多角形があってもよい。
【0018】ストライプ状電極はマトリックス状に配置
した画素電極行に相対する位置に配置されている。スト
ライプ状電極に印加する電圧は液晶の立ち上がり電圧
(液晶層が光通過しはじめる電圧)以下の電圧を印加す
る。行方向(H方向)画素電極は1フィールド(フレー
ム)ごとに正極性と負極性の映像信号電圧を交互に印加
する。ある行方向の画素電極に正極性の映像信号電圧が
印加される時には、前記画素電極行に相対するストライ
プ状電極には負極性の立ち上がり電圧以下の電圧を印加
する。前記画素電極行に負極性の映像信号電圧が印加さ
れる時には、前記ストライプ状電極には正極性の立ち上
がり電圧以下の電圧を印加する。前記ストライプ状電極
と画素電極行間の液晶層には前記画素電極に印加した映
像信号電圧の絶対値とストライプ状電極に印加した電圧
の絶対値が加えられた電圧(値)が印加される。
【0019】第2の実施の形態ではコントラストをさら
に向上させるために液晶層を2層にしている。第1の液
晶層は画素電極と対向電極間に狭持され、第2の液晶層
は前記対向電極とストライプ状電極間に狭持される。第
1の液晶層でマトリックス状に画像(表示画像)を表示
し、第2の液晶層では主として表示コントラストを制御
する。表示画像が全体として明るいときは第2の液晶層
は強く光透過状態とする。表示画像が全体として暗いと
きは、第2の液晶層は光散乱状態を強くする。明るい画
面では多少黒表示部が“浮いても”かまわない。全体と
してコントラスト感があるように認識されるからであ
る。
【0020】ストライプ状の電極はマトリックス状に配
置された画素の行方向または列方向に沿って配置され
る。行方向に沿ってストライプ状電極を配置した場合
は、行方向の画素ごとに各画素に印加される映像信号の
振幅値を演算する。演算とは加算、平均値、極大値、極
小値等である。前記ストライプ状電極には演算結果にも
とづき、電圧を印加する。たとえば加算値が大きい場合
は、表示画像が明るいことを意味するので大きな電圧を
印加し、第2の液晶層の光透過率を高くする。以上の動
作を一行ごとに行う。ストライプ状の電極が列方向に配
置されている場合は、演算は列方向に行う。
【0021】ストライプ状の電極を列方向に形成し、第
1のフィールド(フレーム)で偶数列を透過率状態、奇
数列を散乱状態にし、前記第1のフィールド(フレー
ム)の次の第2のフィールド(フレーム)で逆に偶数列
を散乱状態にし、奇数列を透過状態にする。さらに、観
察者の右眼に偶数列が左眼に奇数列が見えるように、表
示パネルの前面にプリズム等を配置する。すると、観察
者はフィールド(フレーム)ごとに右眼用の画像と左眼
用の画像とを切り換えて見られる。映像信号を立体視用
(3D)の信号とすることにより、観察者は立体画像を
楽しむことができる。
【0022】他の実施の形態では第1の液晶層と第2の
液晶層とを3つの基板間に狭持させる。第1の基板と第
2の基板間に第1の液晶層を狭持させ、第2の基板と第
3の基板間に第2の液晶層を狭持させる。また、ゲート
ドライブ回路は、シリコンチップを接続し、ソースドラ
イブ回路は高温ポリシリコンあるいは低温ポリシリコン
技術により、基板の画素電極等と同時に形成する。ポリ
シリコン技術では出力電圧はあまり高くできないが、シ
リコンチップでは高耐圧の回路を容易に作製できる。通
常、液晶表示パネルのゲート信号振幅はソース信号振幅
よりも高い(大きい)。ゲートドライブ回路をシリコン
チップで作製し、ガラスオンチップ技術、TAB技術等
で基板に接続することにより、全体として液晶表示パネ
ルを高電圧(画素に高い電圧を印加する)駆動を行うこ
とができる。
【0023】他の実施の形態では、画素電極がマトリッ
クス状に配置された基板(以後、アレイ基板と呼ぶ)を
2枚用い、前記2枚のアレイ基板間に液晶層を狭持させ
る。対向する画素電極には、互いに逆極性の電圧が印加
するようにする。したがって、狭持された液晶層は高い
電圧を印加できる。
【0024】第1のアレイ基板の第1の画素電極と、第
2のアレイ基板の第2の画素電極とに異なる信号を印加
すれば、階調特性を向上できる。1つのアレイ基板だけ
であれば128階調しか表示できなくとも、2つのアレ
イ基板に液晶層を狭持させれば、128×2=256階
調を表示できる。また、第1のアレイ基板と第2のアレ
イ基板とを略半画素ずらせて配置すれば、水平または垂
直方向の解像度を2倍にすることができる。
【0025】第1の液晶層と第2の液晶層間に対向電極
を配置し、前記対向電極を反射電極とする。すると、表
示パネルの裏面と表面の両面から別画像をみられる表示
パネルを提供することができる。
【0026】第1の液晶層と第2の液晶層を高分子分散
液晶で形成し、第1の液晶層と第2の液晶層において、
前記高分子分散液晶の水滴状液晶の平均粒子径またはポ
リマーネットワークの平均孔径を異ならせる。平均粒子
径および平均孔径と散乱特性とは、波長依存の関係があ
る。平均粒子径および平均孔径が小さければ短波長(青
色領域)での散乱特性が良好となり、逆に大きければ長
波長(赤色領域)での散乱特性が良好になる。1つの平
均粒子径および平均孔径で全可視光の波長帯域(青色〜
赤色)をカバーすることは困難である。しかし、第1の
液晶層と第2の液晶層との平均粒子径または平均孔径を
異ならして作製することにより、全可視光の波長帯域を
カバーすることが可能になる。これらは液晶投射型装置
(以後、液晶プロジェクタ)に応用すればその性能を十
分に引き出せる。このことは、他の本発明の表示パネル
についても同様である。
【0027】表示パネルの入射面および出射面にマイク
ロレンズアレイを配置すれば、光集光能力を高めること
ができる。アレイ基板には通常スイッチング素子(薄膜
トランジスタ、ダイオード、バリスタ等)、ソース・ゲ
ート信号線等が形成されている。そのため、画素電極が
占める一画素あたりの面積比率(以後、開口率と呼ぶ)
は、50%程度となる。表示パネルの入出射面にマイク
ロレンズアレイを配置し、その焦点近傍に画素電極を配
置すれば、スイッチング素子等で遮光することがない。
【0028】また、マイクロレンズのかわりに入射側の
開口部を出射側の開口部より大きくし、かつ、前記入射
側の開口部と出射側の開口部間に反射膜を形成した基板
を表示パネルに取りつけてもよい。前記基板の出射側の
開口部は画素電極の面積となるようにする。入射光は開
口部で集光(集約)されながら、前記画素電極に導入さ
れる。
【0029】第2のアレイ基板の裏面に第1の対向電極
を形成し、前記第1の対向電極に対応する第1のアレイ
基板を配置しても、表示コントラストを向上できる。こ
の実施の形態では順に、第1のアレイ基板、第1の液晶
層、第1の対向電極、第2のアレイ基板、第2の液晶
層、第2の対向電極の配置となる。第1のアレイ基板で
第1の液晶層を変調し、第2のアレイ基板で第2の液晶
層を変調する。入射光は第1および第2の液晶層で変調
されるから、表示コントラストは極めて良好となる。
【0030】第1のアレイ基板のゲート信号線と第2の
アレイ基板のゲート信号線とが直交するように配置すれ
ば、行方向走査と列方向走査とを同時に行える。もしく
は行方向走査と列方向走査とを瞬時に切りかえることが
できる。ビデオカメラのモニタ等に応用展開するとよ
い。ビデオカメラ等ではモニター部を横/縦方向に切り
換えて用いることが多いからである。
【0031】本発明の他の実施の形態では第1の基板に
共通電極を形成し、第2の基板に対向電極を形成し、画
素電極と前記共通電極間に第1の液晶層を形成し、画素
電極と対向電極間に第2の液晶層を配置する。共通電極
と対向電極には同一の電位にする。画素電極に電圧が印
加されると、第1の液晶層と第2の液晶層の両方に電界
が印加される。付加コンデンサは共通電極もしくはゲー
ト信号線をコンデンサの一方の電極として形成する。
【0032】ゲート信号線とソース信号線とが直交して
いれば、前記信号線の交点部は絶縁する必要がある。し
たがって交点部にコンデンサを形成したのと同様にな
り、ソース信号線のドライブ回路からみれば出力端に
は、ソース信号線の抵抗と前記コンデンサの容量とで比
較的大きな時定数の負荷が接続されていることになる。
そのため、ソースドライブ回路のドライブ能力を増大さ
せる必要がある。そこで本発明の他の実施の形態では、
ソース信号線とゲート信号線が平行となるように形成す
る。つまり、ソース信号線とゲート信号線との交点部を
なくす。ソース信号線の時定数を小さくすることによ
り、ソースドライブ回路の出力振幅電圧を大きくするこ
とが可能となり、画素電極に大きな電圧を印加できるよ
うになる。そのため、表示コントラストを向上できる。
【0033】本発明の他の実施の形態では、第1の基板
に第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素
子を形成している。前記第1のスイッチング素子には第
1の画素電極が、第2のスイッチング素子には第2の画
素電極が接続されている。一方対向電極は第2の基板に
形成される。また、第1の画素電極と第2の画素電極間
に第1の液晶層が、第2の画素電極と対向電極間に第2
の液晶層が配置される。第1の画素電極と第2の画素電
極には互いに逆極性の信号を印加し、したがって、第1
の液晶層には高い電圧を印加することができたら、液晶
層が厚くとも十分に光透過状態にできる。さらに、第2
の画素電極に電圧を印加されていることから、第2の液
晶層も駆動できる。
【0034】本発明の液晶表示パネルを映像モニター、
液晶プロジェクタの表示パネルとして用いることにより
高コントラストの映像表示を実現できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の表示パネルの一実施の形態について説明する。
【0036】なお、本実施の形態では説明を容易にする
ために光変調層は、高分子分散液晶等の液晶層として説
明するが、これに限定するものではなく、他に強誘電液
晶、ツイストネマティック(TN)液晶等の他の液晶材
料、PLZT等の無機材料からなるもの、エレクトロル
ミネッセンス(EL)、有機エレクトロルミネッセンス
(有機EL)等の材料・構成であってもよい。
【0037】図4は本実施の形態の表示パネルの斜視図
である。また、図3は、その等価回路図であり、図1お
よび図2は本実施の形態の表示パネルの断面図である。
ただし、説明に不要な箇所または部分は省略し、また、
説明を容易にするために誇張あるいは縮小等して図示し
た部分がある。以上のことは以下の明細書の図面に対し
ても同様である。また、特にことわりのない限り、同一
の番号を付した箇所は同一もしくは同様の機能、もしく
は構成を有する。したがって、ある番号を付した箇所に
ついて説明した内容は他の本明細書図面にも適用され
る。
【0038】アレイ基板101にはITOからなる画素
電極107ソース信号線(図示せず),ゲート信号線2
01、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ10
6(TFT)等が形成されている。
【0039】なお、薄膜トランジスタ106は低温ポリ
シリコン技術、アモルファスシリコン技術、高温ポリシ
リコン技術あるいはシリコンウェアに形成した単結晶技
術のいずれで作製したものでいずれでもよく、また、前
記TFTの他、リングダイオード、MIM等の2端子素
子、あるいはバリキャップ、サイリスタ、MOSトラン
ジスタ等であってもよい。また、一画素電極に対し、ス
イッチング素子106は1つずつ接続されているだけに
は限定されず、一画素電極107に2つ以上のスイッチ
ング素子が接続されていてもよく、複数画素電極に1つ
のスイッチング素子等が配置されていてもよい。
【0040】高分子分散液晶表示パネル601の動作に
ついて、図6(a),(b)を用いて簡単に述べる。図
6(a),(b)は高分子分散液晶表示パネル601の
動作の説明図である。画素電極107にはTFT(図示
せず)等が接続され、TFTのオン・オフにより画素電
極107に電圧が印加される。電圧により画素電極10
7上の水滴状液晶603の液晶配向方向を可変させて光
を変調する。図6(a)に示すように電圧を印加してい
ない状態(OFF)では、それぞれの水滴状液晶603
は不規則な方向に配向している。この状態ではポリマー
602と液晶とに屈折率差が生じ、入射光は散乱する。
図6(b)に示すように画素電極107に電圧を印加す
ると液晶の方向がそろう。液晶が一定方向に配向したと
きの屈折率をあらかじめポリマー10の屈折率と合わせ
ておくと、入射光は散乱せずに基板101側より出射す
る。なお、対向電極102にはコモン電圧が印加され
る。
【0041】また、対向ドライブ回路も低温ポリシリコ
ンあるいは高温ポリシリコン技術で基板101上に直接
形成されている。つまり、TFT106と同時に形成さ
れている。対向ドライブ回路は接続端子105を介して
ストライプ状電極102と接続されている。
【0042】ストライプ状電極102はストライプ状に
こだわるものではない。したがって、矩形状あるいはそ
の一部がくぼんでいたり、円弧状であってもよい。スト
ライプ状電極102はITOからなり、図2ではゲート
信号線に沿って、つまり画素の行方向に平行に形成され
ている。
【0043】ストライプ状電極上には液晶層108の変
質あるいはストライプ状電極102が機械的に外圧がか
かり破壊されることを防止するため保護膜103が形成
される。保護膜103とはタンタルオキサイド(Ta2
3)、SiO2、SiNx等の無機材料が例示される。
また、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコンゴムある
いはアクリル樹脂等の有機材料が例示される。前記保護
膜は透明性が高いものが好ましい。
【0044】アレイ基板101上にはマトリックス状に
画素電極107が形成されている。画素電極107には
それぞれスイッチング素子106が接続されている。T
FT106のドレイン端子は付加コンデンサ303およ
び画素電極107に接続され、画素電極107とストラ
イプ状電極102の間に液晶層108が狭持されてい
る。付加コンデンサ303の他方の電極は共通電極30
4である。共通電極304は画素電極107の下層に形
成される場合が多い。この構成を図17に示す。共通電
極304は全画素の付加コンデンサ303の一方に共通
の電極である。前記TFT106はゲート信号線G1
mおよびソース信号線S1〜Snの信号により動作す
る。ゲートドライブ回路302はゲート信号線201の
一端に接続され、TFT106を動作状態(以後、オン
と呼ぶ)および非動作状態(以後、オフと呼ぶ)させる
信号を出力する。一方、ソースドライブ回路301は映
像信号をサンプリングし、ソース信号線S1〜Snに出力
する。
【0045】C1〜Cmはストライプ状電極102であ
る。12の液晶層と接する面に形成されている。その平
面図を図9に示す。また、ストライプ状電極102は、
通常ITOで形成される。ストライプ状電極102は少
なくとも表示領域401の一端から他端までの長さがあ
り、その形成ピッチは画素ピッチと同一である。
【0046】ストライプ状電極102の一端には対向ド
ライブ回路104が接続されている。ITOは比較的抵
抗値が高いため、対向ドライブ回路104の接続点より
非接続端(画面の端)にいくにしたがい電圧降下が生じ
る可能性がある。この対策としては、図9(b)のごと
く金属薄膜901を形成すればよい。金属薄膜901は
クロムなどを用いる。開口部902は画素電極107と
対向する位置に位置し、金属薄膜901はTFT10
6、ゲート信号線201およびソース信号線上を遮光す
るように配置する。つまり、金属薄膜901はブラック
マトリックスの遮光効果とストライプ状電極の低抵抗化
の2つの効果をあわせもつ。
【0047】金属の遮光膜901は、ストライプ状電極
102を形成した後、前記ストライプ状電極102上に
金属膜を蒸着し、パターニングすることにより形成すれ
ばよい。また遮光膜901は導電ペーストたとえば銀ペ
ースト、金ペースト、銅ペーストでも形成することがで
きる。遮光膜901を形成した状態の断面図を、図15
に示す。
【0048】図1、図2は本発明の液晶表示パネルの断
面図である。画素電極107の対向する位置にストライ
プ状電極102が配置されている。ストライプ状電極1
02の形成間隔は可能なかぎり狭い方がよい。あまり広
いと画素の開口率を低下させる。TN液晶の場合は隣接
したストライプ状電極間の横電界のため、液晶分子が異
常配向して光ぬけが発生するが、高分子分散液晶(以
後、PD液晶と呼ぶ)の場合は入射光がより散乱するた
め問題が少ない。前記間隔間の対向する位置にゲート信
号線201が位置するようにされる。
【0049】図1に示す本発明の液晶表示パネルは液晶
層108上に直接、対向電極としてのストライプ状電極
102を形成している。従来の液晶表示パネルはガラス
基板(対向基板)に対して電極を形成し、前記対向基板
を液晶層108上に配置している。対向基板はガラスで
形成されているため、重量が大きい。したがって、ノー
トパソコン等の軽量化をしにくい。本発明は対向基板が
ない。そのため、大幅な軽量化が可能である。従来の液
晶表示パネルに比較して重量が約1/2となる。
【0050】アレイ基板101を観察者(操作者)の方
に向けて液晶表示装置を構成すれば、観察者が対向電極
102をふれることはなくなる。したがって対向基板が
なくとも液晶層108が機械的に破かいされることはな
い。つまり、本発明を用いてノートパソコン等を構成す
ることは、観察者の方にアレイ基板101を向けて装置
(ノートパソコン等)を作ればよいのである。
【0051】ストライプ状電極102と画素電極107
間にはPD液晶108が狭持されている。本発明の液晶
表示パネルに用いる液晶材料としてはネマティック液
晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶が好まし
く、単一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化
合物以外の物質も含んだ混合物であってもよい。
【0052】なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光
屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビ
フェニール系のネマティック液晶、または、経時変化に
安定なフッ素系、クロル系のネマティック液晶が好まし
く、中でもクロル系のネマティック液晶が散乱特性も良
好でかつ、経時変化も生じ難く最も好ましい。
【0053】高分子マトリックス材料としては透明なポ
リマーが好ましく、ポリマーとしては、製造工程の容易
さ、液晶相との分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用
いる。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が
例示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリ
ルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。中でもフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は
散乱特性が良好な光変調層108を作製でき、経時変化
も生じ難く好ましい。
【0054】また、前記液晶材料は、常光屈折率n0
1.49から1.54のものを用いることがこのまし
く、中でも、常光屈折率n0が1.50から1.53の
ものを用いることがこのましい。また、屈折率差△nが
0.15以上0.30以下のものとを用いることが好ま
しい。n0,△nが大きくなると耐熱、耐光性が悪くな
る。n0,△nが小さければ耐熱、耐光性はよくなる
が、散乱特性が低くなり、表示コントラストが十分でな
くなる。
【0055】以上のことから、光変調層108の構成材
料として、常光屈折率n0が1.50から1.53、か
つ、△nが0.20以上0.30以下のクロル系のネマ
ティック液晶を用い、樹脂材料としてフッ素基を有する
光硬化性アクリル樹脂を採用することが最も好ましい。
【0056】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。
【0057】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0058】また、重合を速やかに行う為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0059】なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶の常光屈折率noとは略一致するようにする。
液晶層に電界が印加された時に液晶分子が一方向に配向
して、液晶層の屈折率がnoとなる。したがって、樹脂
の屈折率npと一致し、液晶層は光透過状態となる。屈
折率npとnoとの差異が大きいと液晶層に電圧を印加し
ても完全に液晶層が透明状態とならず、表示輝度は低下
する。屈折率npとnoとの屈折率差は0.1以内が好ま
しく、さらには0.05以内が好ましい。
【0060】PD液晶層中の液晶材料の割合はここで規
定していないが、一般には30重量%〜90重量%程度
がよく、好ましくは60重量%〜90重量%程度がよ
い。30重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散乱
の効果が乏しい。また90重量%以上となると高分子と
液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割合
は小さくなり散乱特性は低下する。高分子分散液晶層1
08の構造は液晶分率によって変わり、だいたい50重
量%以下では液晶滴は独立した水滴(ドロップレット)
状として存在し、50重量%以上となると高分子と液晶
が互いに入り組んだ連続層となる。
【0061】水滴状液晶の平均粒子径または、ポリマー
ネットワークの平均孔径は、0.5μm以上3.0μm
以下にすることが好ましい。中でも、0.8μm以上2
μm以下が好ましい。PD液晶表示パネルが変調する光
が短波長(たとえば、青光)の場合は小さく、長波長
(たとえば、赤光)の場合は大きくする。水滴状液晶の
平均粒子径もしくはポリマー・ネットワークの平均孔径
が大きいと、透過状態にする電圧は低くなるが散乱特性
は低下する。小さいと、散乱特性は向上するが、透過状
態にする電圧は高くなる。
【0062】本発明の液晶表示パネルに高分子分散液晶
を用いる場合は、青色光を変調する液晶表示パネルの水
滴状液晶の平均粒子径もしくはポリマー・ネットワーク
の平均孔径を、赤色光を変調する液晶表示パネルのそれ
よりも小さくしている。また、赤色光を変調する液晶表
示パネルの液晶層108の膜厚を他の液晶表示パネルよ
りも厚くする。
【0063】本発明にいう高分子分散液晶とは、液晶が
水滴状に樹脂中に分散されたもの(図6参照)、樹脂が
スポンジ状(ポリマーネットワーク)となり、そのスポ
ンジ状間に液晶が充填されたもの等が該当し、他に三星
電子(株)が出願している特開平6−208126号公
報、特開平6−202085号公報、特開平6−347
818号公報に開示されているような樹脂が層状となっ
ているのも包含する。また、特公平3−52843号公
報のように液晶がカプセル状の収容媒体に封入されてい
るものも含む。さらには、液晶または樹脂24中に二色
性、多色性色素を含有されたものも含む。また、類似の
構成として、特開平6ー347765号公報もあり、こ
れらも高分子分散液晶を呼ぶ。したがって、高分子分散
液晶(PD液晶)とは光変調層に樹脂成分と液晶成分と
を所定の割合で含有するものをいい、樹脂と液晶成分と
が完全、あるいはほとんど相分離した構成をも含む。
【0064】液晶層108の膜厚は5〜20μmの範囲
が好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。
膜厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆
に厚いと極めて高電圧駆動を行わなければならなくな
る。
【0065】液晶層108の膜厚制御としては、黒色の
ガラスビーズ2802または黒色のガラスファイバー、
もしくは、黒色の樹脂ビーズまたは黒色の樹脂ファイバ
ーを用いる。特に、黒色のガラスビーズまたは黒色のガ
ラスファイバーは、非常に光吸収性が高く、かつ、硬質
のため液晶層108に散布する個数が少なくてすむので
好ましい。特に、黒色のガラスビーズはビーズ周辺部の
光ぬけが発生しないため好ましい。
【0066】以上の説明においてビーズ、ファイバーは
黒色としたが、本発明の液晶表示パネルを投射型表示装
置のライトバルブとして用いる場合はこれに限定される
ものではない。投射型表示装置は3枚の液晶表示パネル
をライトバルブとして用い、それぞれのライトバルブで
赤(R),緑(G),青(B)の3色の光を変調するも
のである。R光を変調する液晶表示装置に用いるビーズ
などは、R光を吸収させれば良い。つまり、変調する光
の色に対して、補色の関係にある色素を含有したビーズ
を用いればよい。たとえば、青色光に対しては、黄色で
ある。
【0067】液晶層108は、電圧無印加状態で入射光
を散乱(黒表示)する。透明のビーズを用いると黒表示
であっても、前記ビーズの箇所から光漏れが生じ、表示
コントラストを低下させる。本発明の液晶表示パネルの
ように、黒色もしくは補色のガラスビーズまたはガラス
ファイバーを用いれば光漏れは生じず、良好な表示コン
トラストを実現できる。
【0068】図15に示すように画素電極107とスト
ライプ状電極108のうち少なくとも一方に絶縁膜15
01を形成することは有効である。絶縁膜1501とし
てはTN液晶表示パネル等に用いられるポリイミド等の
配向膜、ポリビニールアルコール(PVA)等の有機
物、SiO2、SiNx、Ta23等の無機物が例示さ
れる。好ましくは、密着性等の観点からポリイミド等の
有機物がよい。
【0069】高分子分散液晶108は比較的、比抵抗が
低い。そのため画素電極107に印加された電荷を1フ
ィールド(フレーム)(1/30または1/60秒)の
時間のあいだ完全に保持できない場合がある。保持でき
ないと液晶層108が完全に透明状態とならず、表示輝
度が低下する。また、透明状態に保つのに高い電圧を必
要とする。
【0070】ポリイミド等の有機物からなる薄膜は比抵
抗が非常に高い。したがって、有機物からなる薄膜を電
極上に形成することにより電荷の保持率を向上できる。
そのため、高輝度表示および高コントラスト表示を実現
できる。
【0071】絶縁膜1502は液晶層108を電極(画
素電極107、ストライプ状電極102)とが剥離する
のを防止する効果もある。それは液晶層108を構成す
る材料の約半分近くは樹脂からなる有機物であるからで
ある。そのため、前記絶縁膜1501が接着層の役割を
はたす。
【0072】また、有機物からなる絶縁膜1501を形
成すれば、液晶層108のポリマーネットワークの孔径
あるいは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効
果もある。画素電極107等上に有機残留物がのこって
いても絶縁膜1501で被覆するためと考えられる。そ
の効果はポリイミドよりもPVAの方が良好である。こ
れはポリイミドよりもPVAの方がぬれ性が高いためと
考えられる。しかし、パネルに各種の絶縁膜1501を
作製して実施した信頼性(耐光性、耐熱性など)試験の
結果では、TN液晶の配向膜等に用いるポリイミドが、
経時変化がほとんど発生せず良好である。そのため本発
明では、ポリイミドを絶縁膜1501を用いている。
【0073】なお、有機物で絶縁膜1501を形成する
際、その膜厚は0.02μm以上の0.1μmの範囲が
好ましく、さらには0.03μm以上0.08μm以下
が好ましい。
【0074】図1に示すようにTFT106には遮光膜
109が形成されている。遮光膜109は主として、液
晶層108で散乱した光がTFT106の半導体層50
5に入射することを防止する。光が半導体層505に入
射すると、TFT106がオフ状態とならない、あるい
はTFT106のオフ抵抗が低下するホトコンダクタ現
象(以後、ホトコンと呼ぶ)が発生する。これはMIM
でも同様である。遮光膜109の形成材料としては、ア
クリル樹脂にカーボンを分散させたものが例示される。
また、各種原色顔料(赤、緑、青、シアン、マゼンダ、
イエローの色素)を最適に混合したもの、TFT106
上にSiO2などで絶縁薄膜を形成し、前記絶縁薄膜上
に遮光膜としての金属薄膜をパターニングして形成する
方法も例示される。また、アモルファスシリコンを厚く
蒸着し遮光膜とする方法もある。また、TFT106は
ゲートの下に半導体層を形成する逆スタッガ構造を採用
することが好ましい。
【0075】なお、PD液晶表示パネルでは、TFT1
06等のスイッチング素子はホトコンが発生しにくいよ
うにポリシリコン技術で形成することが好ましい。ポリ
シリコン技術とは通常のICを作製する半導体技術であ
る高温ポリシリコン技術、また近年開発が盛んなアモル
ファスシリコン膜を形成し、前記膜を結晶化させる低温
ポリシリコン技術を含む。特に、ドライブ回路を内蔵出
来、かつ、低価格でパネルを製造できる可能性のある低
温ポリシリコン技術でTFT106を形成することが好
ましい。前記技術で形成したTFT106はホトコンダ
クタ現象の発生が現在ポケットテレビなどで実用化され
ているアモルファスシリコン技術で形成したTFTに比
較してホトコンが格段に発生しにくい。そのため、散乱
−透過で光変調をおこなう高分子分散液晶表示パネルに
最適である。
【0076】遮光膜109を樹脂で形成する場合におい
て、樹脂に含有させる光吸収材料としては電気絶縁性が
高く、液晶層108に悪影響を与えない材料であれば何
でもよい。例えば、黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に
分散したものを用いても良いし、カラーフィルターの様
に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色しても
よい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフルオ
ラン系色素を発色させて用いることもし、緑色系色素と
赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることもで
きる。
【0077】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の液晶表示パネルを投射型表示装置のライトバル
ブとして用いる場合はこれに限定されるものではない。
R光を変調する液晶表示パネルの遮光膜109としては
R光を吸収させれば良い。つまり特定波長を吸収できる
ように、例えば、カラーフィルタ用の光吸収材料を望ま
しい光吸収特性が得られるように改良して用いれば良
い。基本的には前記した黒色吸収材料と同様に、色素を
用いて天然樹脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分散
した材料を用いることができる。色素の選択の範囲は黒
色色素よりもむしろ幅広く、アゾ染料、アントラキノン
染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料な
どから適切な1種、もしくはそれらのうち2種類以上の
組み合わせでも良い。また、光吸収膜の不純物の対策と
しては、色素(顔料)中のアルカリ金属を取り除くこと
により対策できる。
【0078】カーボン等の黒色色素は液晶層108に悪
影響を与える材料が多い。そのため、使用は好ましくな
い。そこで、前述のように特定波長を吸収できる色素を
光吸収薄膜の含有色素として採用することが好ましい。
【0079】なお、遮光膜109を樹脂材料とすること
により液晶層108との密着性が向上する。特に液晶層
108の樹脂材料と同様のアクリル系を採用することが
望ましい。
【0080】本発明の液晶表示パネルを投射型表示装置
のライトバルブとして用いる場合はアレイ基板101側
から光を入射させることが好ましい。液晶層108に入
射した光は散乱し、ハレーション等を引き起こし、また
熱となり液晶表示パネルを劣化させる恐れがある。液晶
表示パネルの開口率はパネルサイズと画素数にもよるが
通常50%程度である。アレイ基板101側から光を入
射させると開口率分の光しか液晶層108には入射せ
ず、他の光はゲート信号線201等で反射される。
【0081】しかし、アレイ基板101側から光を入射
させるとするとTFT106の半導体層に直接入射光が
入ることが考えられる。そこで、図5に示すようにTF
T106の下層に遮光膜506を形成する。作製方法と
しては、ガラス基板101にCr,Ta等の遮光膜とな
る金属材料を蒸着し、遮光膜506をバターニングす
る。その後SiO2,SiNx等の絶縁膜501bを蒸
着5000Å(オングストローム)以上する。この厚み
は厚い方がよい。寄生容量もへるからである。また、遮
光膜506の凹凸をなくし平滑性が良好となる。次にア
モルファスシリコン膜をデポし、脱水素処理をした後エ
キシマレーザを照射して前記アモルファスシリコンを結
晶化させる。後は結晶化膜を島化し、順次TFT、画素
電極等を形成していけばよい。
【0082】TFT106のソース端子はソース信号線
に、ドレイン端子は画素電極107に接続される。ま
た、半導体505上に絶縁層501aを形成し、その上
にゲート電極504を形成する。このゲート電極504
上に遮光膜504を形成するのである。
【0083】遮光膜506の膜厚はCrで1000A以
上にする。ただし、あまり厚くすると表面に凹凸ができ
TFT106の形成がうまくいかなくなる恐れがある。
したがって2000A以下にとどめるべきである。
【0084】画素電極の周辺部からの光ぬけの対策も必
要である。そのため、図123に示すように、画素電極
107の周辺部の下層に遮光膜506を形成する。丁
度、画素電極を囲い込むようにである。つまり、TFT
106下およびゲート信号線201、ソース信号線下に
遮光膜506を形成するのである。従来では遮光膜(ブ
ラックマトリックス(BM))は対向電極上に形成して
いた。このBMをアレイ基板101上に形成するのであ
る。
【0085】このようにアレイ基板101上に形成する
ことによりBMを形成した基板(対向電極基板)とアレ
イ基板101とを位置あわせして貼り合わす必要がなく
なる。そのため遮光膜の位置ずれが生じず、開口率が高
くなり、また、低コスト化が望める。この場合も絶縁層
501は厚い方がよい。ゲート信号線201、ソース信
号線と遮光膜506とがコンデンサの電極となり容量
(コンデンサ)ができるからである。絶縁膜501が厚
いほど容量は小さくなる。
【0086】図4に示すように、対向ドライブ回路10
4、ソースドライブ回路301、ゲートドライブ回路3
02は基板101にポリシリコン技術を用いて低コスト
化が望め、形成することが好ましい。しかし、図7に示
すようにゲートドライブ回路302としてシリコンチッ
プを用いる方法がある。ソースドライブ回路301は、
図8に示すようにポリシリコン技術で形成する。ただ
し、ソースドライブ回路301および対向ドライブ回路
101をシリコンチップで構成することを除外するもの
ではない。
【0087】ゲートドライブ回路302をシリコンチッ
プで形成することが望ましいのは、ゲート信号線201
に印加する電圧が比較的高いためである。現在の技術で
は高温ポリシリコン技術ではモビリティが150弱、低
温ポリシリコン技術ではモビリティが100程度と低い
ため出力電圧を高くすることに比較的困難性を伴う。ま
た、ゲート絶縁膜の特性が比較的低く、出力電圧をあげ
ると信頼性劣化をまねきやすい。その点結晶シリコン等
でドライブ回路を形成したものはモビリティも500程
度と高く、信頼性もすこぶる良好である。
【0088】液晶表示パネルの印加電圧はゲート信号線
に印加するオン電圧は、ソース信号線に印加する正極性
の電圧より3V程度高く、またオフ電圧はソース信号線
に印加する負極性の電圧より3V程度低い。そのため、
ソースドライブ回路の電源電圧のピークtoピーク電圧
よりもゲートドライブ回路の電源電圧は約5〜6(V)
高くなるのが通常である。
【0089】ソースドライブ回路の電源電圧は15
(V)〜18(V)であるので、ゲートドライブ回路の
電源電圧は20(V)以上となる。ポリシリコン技術で
形成したドライブ回路は20(V)以上とすることが現
状では比較的困難である。しかし、シリコンチップでは
容易である。そこで、ゲートドライブ回路302をシリ
コンチップ(半導体チップ)で作製し、図7に示すよう
に基板101に実装するのである。
【0090】実装の方法としてはTAB技術、ガラスオ
ンチップ(COG)技術を用いる。中でも省スペースの
点からCOG技術を用いることが好ましい。以下、本発
明で行っているCOG技術について説明をする。なお、
この場合の半導体チップをドライブICと呼ぶ。
【0091】ドライブIC302は各出力端子部にメッ
キ技術またはネイルヘッドボンデング技術を用いて5μ
mから100μmの高さの金(Au)からなる突起電極
702が形成される。なお、金の純度は99.9%以上
のものを用いる必要がある。不純物が含有すると腐食等
が生じることがある。前記突起電極702と端子電極7
05とは導電性接合層703(導電性接着剤)を介して
電気的に接続されている。導電性接合層703は接着剤
としてエポキシ系、フェノール系等を主剤とし、銀(A
g)、金(Au)、ニッケル(Ni)、カーボン
(C)、酸化すず(SnO2)などのフレークを混ぜた
物である。また接着剤としてアクリル系の紫外線硬化樹
脂等を用いることができる。
【0092】信号線の端子705と前記突起電極702
とを接続する際、位置あわせを行う必要があるため、信
号線の端子はITOで形成する。これは画素電極107
のITOと同時に形成する。また信号線の抵抗値を低抵
抗値化するために端子の周辺部には金属膜を形成してお
く。
【0093】なお、液晶層108の周辺部は封止樹脂
(シール剤)で封止する。シール剤はエポキシ系、光硬
化型のアクリル系があるがアクリル系が望ましい。ま
た、ドライブIC302にはシリコン樹脂、シリコンゴ
ムからなる保護樹脂を塗布しておく。保護樹脂は突起電
極702への水分への進入を防止するとともに、ドライ
ブIC302と基板101とを密着させる効果もある。
そのためにはドライブIC302と基板101間に保護
樹脂704を配置する必要がある。保護樹脂704は硬
化の際、体積が小さくなり、ドライブIC302と基板
101とを密着させる。また、図8に示すようにポリシ
リコン技術で回路を形成した場合も、前記回路上に保護
樹脂704を形成しておくことが好ましい。回路301
への水分の進入を防ぐとともに、機械的破かいを防止す
るためである。
【0094】図10は本発明の液晶表示パネルの駆動回
路のブロック図である。図10において、1001はビ
デオ信号を所定値まで増幅するアンプ、1002は正極
性と負極性のビデオ信号を作る位相分割回路である。な
お、正極性とは対向電極の電位(以後、コモン電圧と呼
ぶ)に対して高電位を、負極性とは低電位を言う。10
03はフィールド(フレーム)もしくは1水平走査(1
H)期間ごとに極性が反転した交流ビデオ信号を出力す
る出力切り換え回路、401は、図1等に示す液晶表示
パネルである。
【0095】以下、本発明の液晶表示パネルの駆動回路
の動作について説明する。まず、アンプ1001では、
ビデオ信号の振幅が液晶の電気光学時性に対応するよう
に利得調整が行われる。次に利得調整されたビデオ信号
は位相分割回路1002に入り、コモン電圧に対して正
極性と負極性の2つのビデオ信号が作られる。2つのビ
デオ信号は出力切り換え回路1003に入り、出力切り
換え回路1003は1H期間ごとに極性を反転したビデ
オ信号を出力する。このように信号の極性を反転させる
のは、液晶に交流電圧を印加するためである。液晶は直
流電圧が印加されると化学的分解し、劣化する。また、
表示画像に焼きつけが生じる。次に出力切り換え回路1
003から出力されたビデオ信号はソースドライブ回路
301に入力され、ソースドライブ回路301はドライ
ブ制御回路1004の制御信号(タイミング信号)によ
りゲートドライブ回路302および対向ドライブ回路1
04と同期をとって、液晶表示パネル401のソース信
号線にサンプリングされたビデオ信号を印加する。
【0096】図11は一画素に注目したときの信号波形
である。ただし、モデル的に描いている。実際の駆動方
法ではTFT106等の寄生容量等があり、図11とは
異なる。また、印加電圧等は概念的に例に上げて説明す
る。1101はストライプ状電極への印加波形、110
2はソース信号線への印加波形、1103はゲート信号
線への印加波形である。
【0097】対向ドライブ回路104は、+Vaおよび
−Vaの電位を出力する。また、第1のフィールドまた
はフレーム(1F)での出力電位はストライプ状電極C
2i(ただし、iは整数)に+VaをC2i-1に−Vaとなる
ように電圧を出力する。次のフィールド(フレーム)で
はストライプ状電極C2i-1に+Vaを、C2iに−Vaとな
るように電圧を出力する。これらの電位となるように駆
動するためには各ストライプ状電極102を一走査期間
(1H)ごとに書きかえていけばよい。つまり、ストラ
イプ状電極C2iが+Va電圧、C2i-1が−Va電圧の時、
対向信号線C1を+Vaに変化させ、1H後にC2を−Va
に変化させ、さらに1H後、C3を+Vaというふうに変
化させればよい。以上のように電圧を変化させていけば
1フィールド(フレーム)後には全ストライプ状電極1
02の電位は変化する。次のフィールド(フレーム)で
は再び、対向信号線C1に−Vaに変化させる。
【0098】なお、電圧Vaは液晶の立ち上がり電圧以
下である。液晶の立ち上がり電圧とは、TN液晶では液
晶の配向状態が変化し始める電圧を、高分子分散液晶で
は透過状態となり始める電圧をいう。したがって、立ち
上がり電圧以下の電圧が液晶層に印加されても入射光は
変調されない。つまり、Va電圧が液晶の立ち上がり電
圧以下であれば、画素電極が0(V)の時、液晶層10
8が透過状態となることはない。ただし、電圧Vaは厳
密に立ち上がり電圧以下とする必要はない。多少Va
りも高くとも画像表示には影響がない。画面が少し明る
くなる程度である。Vaを高くすることによりブライト
ネス調整を行うこともできる。
【0099】一方、ソースドライブ回路301も1Hご
とに信号の極性を変化させる。図11ではソース信号線
は−Vbと+Vbの電圧を出力する。ただし、これはラス
ター表示の時であって、液晶表示パネルに動画を表示す
る場合は、±Vbのように一定電圧の出力とならないこ
とは言うまでもない。1HごとにソースドライブICの
出力信号の極性を変化させる駆動方法は1H反転駆動と
呼ぶ。
【0100】1H反転駆動を模式的に示すと図12のよ
うになる。図12では一画素を四角で示し、前記画素に
正極性の電圧が書き込まれている状態を+で、負極性の
電圧が書き込まれている状態を−で示す。あるフィール
ド(フレーム)では電圧の書き込み状態を図12(a)
とすると、1フィールド(フレーム)後の電圧の書き込
み状態は、図12(b)で示される。
【0101】ゲートドライブ回路302はソース信号線
からの電圧を確実に画素電極に書き込めるように、最大
出力電圧よりも高い電圧(以後、オン電圧と呼ぶ)を出
力し、また、ソース信号線からの最小出力電圧でもTF
T106がオン状態とならないように低い電圧(以後、
オフ電圧と呼ぶ)を出力する。
【0102】TFT106がオンすると画素電極107
に−Vb電圧が書き込まれる。その際、ストライプ状電
極C1は+Va電圧に保持される。次のフィールド(フレ
ーム)では画素電極107に+Vb電圧が書き込まれ、
その際、ストライプ状電極C1は−Va電圧に保持され
る。以上の変化を1フィールド(フレーム)ごとに繰り
返す。したがって、画素にはVc=Va+Vbとなる電圧
が印加されることになる。ストライプ状電極C1の変化
は+Vaもしくは−Vaの2値である。TFT106に画
素に書き込まれる電圧は表示画像により変化する。
【0103】以上の駆動方法は対向電極をストライプ状
にすることにより高電圧を画素に印加できる。しかし、
TFT106の動作中心に考えれば従来の1H反転駆動
を行っているにすぎない。したがって、ソースドライブ
回路301およびゲートドライブ回路302も従来のも
のを用いることができ、また、TFT106の耐圧を向
上させる必要もない。このことはスイッチング素子がバ
リスタ、MIM等であっても同様に、または、多少変更
することにより適用できる。
【0104】たとえばVa=4(V)とし、ソースドラ
イブ回路302の最大の出力電圧を6(V)とすればV
c=4+6=10(V)の駆動が可能である。PD液晶
では膜厚が10μmでほぼ透過状態にできる電圧は6
(V)である。12μmでは散乱特性は低く、高表示コ
ントラストは望めない。10(V)を液晶層に印加でき
れば、液晶の膜厚は15μm近傍もしくは以上にするこ
とができ、散乱特性は飛躍的に向上する。したがって、
高表示コントラストを実現できる。本発明によれば、ア
レイ基板側は従来のものをそのまま用いることができ
る。製造コストもさほど高くなることはなく、また、T
FT106が電圧ストレスにより劣化することもない。
【0105】特に、PD液晶の場合、膜厚が厚くなると
立ちあがり電圧Vaも高くなる。したがって、ストライ
プ状電極102に印加する電圧も高くでき好都合であ
る。つまり、液晶層の膜厚を厚くしても、図1等の構成
を採用することにより、十分液晶層を完全透過状態にで
きる。TN液晶では膜厚は4〜5μmと変更することが
できない。したがって、ストライプ状電極の構造を採用
しても、あまり利点はでない。また、PD液晶108は
固体である。したがって対向基板も必要でなく、軽量化
を実現できる。
【0106】図13は、本発明の表示パネルの構成をさ
らに詳しく記載した説明図である。各ソース信号線Sj
(ただし、1≦j≦n)には、PチャンネルのMOSト
ランジスタとNチャンネルのMOSトランジスタからな
るアナログスイッチ1304が接続され、各アナログス
イッチ1304のソース端子にはビデオ信号線(SI
G)が接続されている。またアナログスイッチのゲート
端子はインバータ(INV)1303を介してまたは介
さずナンド(NAND)1302の出力に接続されてい
る。NAND1302の入力の一端子はアウトイネーブ
ル(OE)端子に接続され、他の一端子はシフトレジス
タ(SR)1301の出力と接続されている。
【0107】通常OE端子はLレベルにされており、S
R1301の出力がアナログスイッチ1304に伝達さ
れる。SRは順次、データをシフトし、データにある箇
所の出力のアナログスイッチ1304が閉じ、その時の
SIG信号がサンプルされてソース信号線Sjに出力さ
れる。TFT106はゲートドライブ回路302と同期
をとって画素電極107にソース信号線Sjのデータを
書き込む。他のアナログスイッチ1304はオープン状
態となっている。
【0108】OE端子がHレベルとなるとすべてのアナ
ログスイッチ1304が閉じ、その時のSIG信号がサ
ンプルされてソース信号線Sj(1≦j≦n)に出力さ
れる。つまりすべてのソース信号線に同一の映像データ
が書き込まれるのである。
【0109】SIG信号線に印加される信号は−H反転
駆動の時は−Hごとに信号極性が反転されて印加されて
いる。また1F(1フィールド)反転駆動の時は1Fご
とに信号極性が反転されて印加される。以下、説明を容
易にするために、1H反転駆動を例にあげて説明をす
る。
【0110】図14は1H反転駆動の時の説明図であ
る。SIG信号は1Hごとに極性が反転されている。O
E端子にはHS信号のHD同期信号の前後に所定期間H
レベルとなり、他の期間はLレベルとなっている。前記
Hレベルに同期してSIG信号には振幅Aの信号が重畳
される。前記信号の振幅Aは表示領域に表示する映像信
号(以後、表示映像信号と呼ぶ)の大きさ、振幅にもと
づいて決定される。表示映像信号の振幅値が大きい時は
振幅Aは大きくし、逆に小さい時は振幅Aは小さくす
る。
【0111】ブランキング期間に重畳された振幅Aが印
加された期間(時刻)に同期してOE端子はHレベルの
信号を出力する。つまり、図13で理解できるとおり、
この期間にすべてのアナログスイッチ1304はオン状
態となり、振幅Hの信号がすべてのソース信号線に書き
こまれるのである。
【0112】このように振幅Hの信号を書きこむのは、
表示映像信号を書き込む前にソース信号線をプリチャー
ジ(充電)させるためである。ソース信号線は容量をも
っており、一定の時定数がある。そこで、あらかじめ充
電することにより、ソース信号線への充電特性を改善す
る。特に表示映像信号前のa時の振幅Aはソース信号線
を充電させるのが主目的である。b時の振幅Aは表示画
面の書きはじめと書き終わりでの輝度傾斜を小さくする
のが主目的である。
【0113】次に他の駆動方法の実施の形態について説
明をする。図120は従来の課題の説明図である。図1
20(a)は従来の1H期間の表示領域のSIG信号の
波形である。説明を容易にするため、白ラスター表示を
例にあげて説明をしている。ノーマリブラックモード
(NBモード)の映像信号ではブランキング期間は黒レ
ベル(コモン電圧)の信号(つまり、A点)であり、表
示領域では白レベル(IRE100%、つまりB点)と
なる。しかし、SIG信号を出力するアンプ等は急激に
黒レベルから白レベルに変化させることは不可能であ
る。無限の帯域特性を必要とするからである。
【0114】そのため、図120(b)に示すように、
映像始まり時に急に黒レベルから白レベルに変化させよ
うとしても一定の立ちあがり時間(A→B)を必要とす
る。そのため、表示画面の映像始まり部は、白表示とな
らず灰色表示となってしまう。
【0115】この課題を解決するため、本発明では、図
121(b)に示すように、映像始まり前にSIG信号
線に白レベルの映像信号を出力する。つまりアンプの出
力帯域が狭くとも、図121(c)に示すようにC点で
あらかじめ白レベルの映像信号を出力することにより映
像始まりのA点では白レベルの電圧値に達しているので
ある。そのため、図120(c)で示すように左側の灰
色表示は発生しない。
【0116】C点で白レベルの信号を出力するか否か
は、図121(b)のh期間(映像始まり)の振幅値を
もとに決定される。これは、表示映像信号をA/D変換
し、メモリに格納しておき、前記h期間に相当するデジ
タルデータの大きさから決定をすればよい。
【0117】したがって、図122のように表示映像信
号の振幅値が小さい時(特にh期間の振幅値が小さい
時)はC時定で白レベルの信号をSIG信号として重畳
させる必要はない(図122(c)参照)。C点で出力
する振幅は、液晶の応答時間、SIG信号を出力するア
ンプの帯域をもとに決定すればよい。液晶の応答時間が
遅い時、アンプの帯域が狭いときは、C点で出力する振
幅を大きく、また/かつ、C点をできるだけ前(C点か
ら映像始まりの時間を長く)する必要がある。これは実
験等により決定すればよい。
【0118】図120から図122までの説明はNBモ
ードの場合である。ノーマリホワイト(NW)モードの
時はこの逆(白レベルと黒レベルとを反対)にして考え
ればよいから、説明を省略する。
【0119】以下、本発明の他の実施の形態の表示パネ
ルについて順次説明をする。図15は、図2の発明に加
えて、ストライプ状電極102間に遮光膜901を形成
している。この遮光膜の材料等については、図1の10
9および、図9(b)等で説明したので省略をする。ま
た、液晶層108と接する面には絶縁膜1501を形成
をする。
【0120】図16は、図2の発明に加えて保護膜10
3の上にさらに保護シート1602を配置しまたは形成
している。保護シート1602とはポリエステル、ポリ
プロピレン、塩化ビニール、ポリビニールアルコール
(PVA)などの有機フィルム、ガラス、セラミック等
の板が例示される。また、表示パネルが反射型の場合で
ストライプ状電極102が金属等の反射電極で構成され
ている場合は、保護シート1602とは金属板、金属薄
膜、黒色樹脂フィルムカーボンを含有するフィルム等で
もよい。
【0121】一方、隣接した画素電極107間には液晶
層108よりも低い比誘電率をもつ誘電体からなる誘電
体膜1601が形成されている。前記誘電体膜1601
は薄膜技術、厚膜技術いずれで形成してもよい。また、
ソース信号線、ゲート信号線201上にパターニングし
て形成する場合はもとより、前記信号線上に低誘電体膜
1601を全域にわたり形成し、前記低誘電体膜160
1上に画素電極107を形成する場合も含む。
【0122】低誘電体膜1601を形成するのはソース
信号線等からの電界あるいは、隣接画素間の電界により
液晶層108の液晶が異常配向するのを防止するためで
ある。その対策のために低誘電体膜1601を形成す
る。
【0123】低誘電体材料とはSiO2、SiNxなど
の無機材料、液晶層108のポリマー602、レジス
ト、PVAなどの有機材料が例示される。前記低誘電体
材料を図16のごとく薄膜もしくは厚膜状に形成するこ
とにより信号線201等と画素電極107間の電磁結合
を防止することができる。当然信号線201とストライ
プ状電極(対向電極)間の電磁結合も防止できるから、
低誘電体膜1601上の液晶層108は、ほぼ常時散乱
状態もしくは非動作状態となる。
【0124】なお、図16は低誘電体材料を膜状に形成
するとしたが、これに限定されるものではなく、柱状に
形成してもよい。
【0125】このように低誘電体からなる柱、低誘電体
膜1601を容易に形成できるのは、PD液晶表示パネ
ルは、TN液晶表示パネルのようにラビングという配向
処理が不要なためてある。低誘電体からなる柱、低誘電
体膜1601が形成されていればラビングという配向処
理は困難性をともなう。低誘電体からなる柱または低誘
電体膜1601にラビング布が引っかかってうまく基板
101の表面をうまくこすれない(ラビングできない)
ためである。
【0126】低誘電体膜1601は、着色してもよい。
着色すれば、液晶層108内で乱反射する光を吸収でき
画像品位は向上する。黒色の色素あるいは顔料を樹脂中
に分散したものを用いても良いし、カラーフィルターの
様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色して
もよい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフル
オラン系色素を発色させて用いることもし、緑色系色素
と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることも
できる。
【0127】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の液晶表示装置を投射型表示装置のライトバルブ
として用いる場合はこれに限定されるものではなく、R
光を変調する液晶表示パネルの低誘電体膜1601とし
てはR光を吸収させれば良い。したがって、色素を用い
て天然樹脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分散した
材料を用いることができる。たとえば、アゾ染料、アン
トラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメ
タン染料などから適切な1種、もしくはそれらのうち2
種類以上を組み合わせればよい。特に補色の関係にある
ものを用いることが好ましい。たとえば、入射光が青色
のとき、樹脂を黄色に着色させる。
【0128】なお、以上のことは他の本発明の表示パネ
ルにも適用される。先にも記述したように本発明に開示
されている技術的思想は、図面等に図示していなくて
も、当然に他の実施の形態に適用されるのである。たと
えば、図1では対向基板を有さず、図18では対向基板
110を有するが、図18で対向基板110を除去した
表示パネルも本発明の表示パネルの技術的思想に含ま
れ、また、図15の絶縁膜1501も他の実施の形態に
適用される。
【0129】図18は液晶層108を第1の液晶層10
8aと第2の液晶層108bにより構成したものであ
る。第1の液晶層108aは画素電極107と対向電極
1801間に狭持され、第2の液晶層108bは対向電
極1801とストライプ状電極102aに狭持される。
画素電極107は透過型(ITO等の透明電極で形成さ
れる)に限定するものではなく、Cr,Al,Ti等の
金属材料で形成された反射電極でもよい。このことは他
の実施の形態でも同様である。
【0130】第1の液晶層108aと第2の液晶層10
8bとは水滴状液晶の平均粒子径又はポリマーネットワ
ークの平均孔径を変化させてもよい。また、第1または
第2の液晶層にゲストホスト液晶を含有させてもよく、
また、ポリマーに染料等で着色をしてもよい。また、液
晶層108aと108bの膜厚を変化させてもよい。い
ずれにせよ、第1の液晶層108aと第2の液晶層10
8bとは同一でもよいが、一方を変更(異なら)しても
よい。また、液晶層108はPD液晶に限定するもので
はなく、第1の液晶層108aをPD液晶とし、第2の
液晶層108bをTN液晶としてもよい。また、ストラ
イプ状電極102aは対向基板110に形成されている
が、対向電極1801を対向基板110に形成し、対向
電極1801をストライプ状電極にしてもよい。
【0131】図18はゲート信号線201に平行方向で
の断面図であるが、図19はゲート信号線201に直交
する方向での断面図である。図19に示すように電極
(画素電極107、対向電極1801、ストライプ状電
極102)と液晶層108と接する箇所にはポリイミド
等の絶縁膜1501を形成することが好ましい。
【0132】各電極は、反射防止膜の構成を取ることが
好ましい。各電極がITOで形成される場合、ITOの
屈折率n2は1.9〜2.0である。一方、液晶層10
8の屈折率およびガラス基板のnxは1.5〜1.6で
ある。そのため、両者の屈折率差により光は反射する。
反射率は((nx−n2)/(nx+n2))2であらわさ
れるため、−界面で2%、ITOの両界面では4%とな
る。図19のように3つの電極があると4%×3=12
%の光が反射し、損失となる。その対策として各電極
は、図20に示す反射防止膜の構成を採用する。なお、
以下の構成は各電極が反射電極の場合も効果がある。反
射率が増大されるからである。
【0133】図20(a)は誘電体薄膜2002b(第
1の薄膜)、電極2001、誘電体薄膜2002a(第
2の薄膜)の3層構成である。電極2001の光学的膜
厚はλ/2(λは設計主波長)、誘電体薄膜2002は
それぞれλ/2である。なお、電極2001は、液晶層
108に電界を印加する電極として作用することは言う
までもない。
【0134】第1の薄膜2002bおよび第2の薄膜2
002aの屈折率は1.60以上1.80以下が望まし
い。一例としてSiO、Al23、Y23、MgO、C
eF 3、WO3、PbF2が例示される。
【0135】具体的な構成の一実施の形態を(表1)
に、また、その分光反射率を図21に示す。図21から
わかるように、(表1)の構成によると波長帯域幅20
0nm以上にわたり反射率0.1%以下の特性を実現で
き、極めて高い反射防止効果を得ることができる。な
お、本発明の各表において、散乱状態での液晶層21の
屈折率は1.6としているが、液晶材料およびポリマー
材料が変化すればこの値は変化する。散乱状態の液晶の
屈折率をnx、第1および第2の誘電体薄膜の屈折率を
1、ITO薄膜の屈折率をn2としたとき、nx<n1
2の条件を満足するようにすればよい。
【0136】
【表1】
【0137】第1の薄膜2002bおよび第2の薄膜2
002aの屈折率は1.60以上1.80以下が望まし
い。(表1)の実施の形態ではいずれもSiOを用いた
が、どちらか一方、または両方の薄膜を、他にAl
23、Y23、MgO、CeF3、WO3、PbF2のい
ずれかを用いても良い。
【0138】(表2)に第1の薄膜2002b、第2の
薄膜2002aをY23にした場合を示す。また、その
分光反射率を図22に示す。
【0139】
【表2】
【0140】図22の分光反射率は、図21の場合に比
較してB光およびR光で反射率が多少高くなる傾向があ
る。
【0141】同様に(表3)に第1の薄膜2002bを
SiOに、第2の薄膜2002aをY23した場合を示
す。また、その分光反射率を図23に示す。可視光領域
全般にわたり0.1%以下の極めてすぐれた反射防止効
果を実現している。
【0142】
【表3】
【0143】(表4)に第1の薄膜2002bをAl2
3に、第2の薄膜2002aをSiOにした場合を示
す。また、その分光反射率を図24に示す。R光および
B光の領域では反射率が0.5%を越え、適当とは言え
ない。
【0144】
【表4】
【0145】以上のように電極2001の両面に誘電体
薄膜2002bおよび2002aを3層に形成すること
により反射光防止効果をもたせることができる。ただ
し、図21から図24に示すように分光反射率は液晶層
108の屈折率が変化すると変化する。つまり液晶材料
等に左右されるので最適化設計が重要である。
【0146】液晶層108と各電極が直接接していると
液晶層108の劣化が進みやすい。これは電極中の不純
物等が液晶層108に溶出するためと考えられる。前述
の3層構成のように、電極と液晶層108との間に誘電
体薄膜2002を形成すると液晶層108の劣化するこ
とがなくなる。特に誘電体薄膜2002がAl23ある
いはY23の時に良好である。
【0147】誘電体薄膜2002がSiOの時はSiO
の屈折率が低下する傾向がみられる。これは液晶108
中に微量に含まれたH2O、O2等の酸素原子とSiOが
結びつき、SiOがSiO2に変化していくためと考え
られる。その意味では(表1)および(表4)の構成は
ふさわしくない。しかし、SiOは短期間でSiO2
変化することはなく、実用上は採用できる。
【0148】なお、第1および第2の誘電体薄膜の光学
的膜厚をλ/4、電極の光学的膜厚をλ/2としたが、
第1および第2の誘電体薄膜2002の光学的膜厚をλ
/4、電極2001の光学的膜厚をλ/4としてもよ
い。
【0149】さらに、反射防止膜の理論で述べれば、N
を1以上の奇数、Mを1以上の整数としたとき、第1お
よび第2の誘電体薄膜2002の光学的膜厚は(N・
λ)/4、ITO薄膜2001の光学的膜厚は(N・
λ)/4であればよい。もしくは、第1および第2の誘
電体薄膜2002の光学的膜厚は(N・λ)/4、IT
O薄膜2001の光学的膜厚は(M・λ)/2であれば
よい。
【0150】さらには、図20(b)に示すように第1
および第2の薄膜2002のうち一方は省略することが
できる。その場合は、多少反射防止としての性能は低下
するが、実用上は十分であることが多い。また、図20
(c)に示すように電極の光学的膜厚をλ/4、誘電体
薄膜の光学的膜厚をλ/4の2層構成としてもよい。
【0151】以上のように各電極2001の前後または
一方に誘電体薄膜を形成することにより光透過率は向上
し、高輝度表示でき、また、反射する光を防止できるか
ら、表示コントラストを大幅に向上できる。
【0152】なお、(表1)〜(表4)において、誘電
体薄膜は一方を液晶層に接し、その液晶層の屈折率を
1.60、他方をガラス基板としてその屈折率を1.5
2としている。しかし、図18等では電極1801は両
方を液晶層に接している。したがって、電極1801に
接して形成した誘電体薄膜は(表1)〜(表4)の状態
と異なることになる。しかし、この場合は、ガラス基板
を液晶に置き換えればよい。ガラス基板の屈折率は1.
52で液晶は1.60であり、その屈折率の差はわずか
である。そのため、ガラス基板を液晶としても図21等
の分光特性はほとんどかわらない。
【0153】また、電極の少なくとも一面に誘電体薄膜
を形成しなくとも、反射防止効果をもたせることができ
る。たとえば電極の光学的膜厚をλ/2とすればよい。
λは表示パネルに入射する光の中心的波長である。表示
パネルを投射型表示装置のライトバルブとして用いる場
合、λはR光を変調するパネルはR光の中心的波長を、
G光を変調するパネルはG光の中心的波長を、B光を変
調するパネルは、B光の中心的波長とする。つまり、入
射する光の波長に対して電極の光学的膜厚を最適値とす
るのである。この場合、分光特性はV字曲線となる。し
かし、ライトバルブ等の場合、それぞれのライトバルブ
が変調する光の帯域は狭いため、実用上は十分である。
V字曲線の底辺部が変調する光の帯域幅となるため、反
射光はほとんど発生しないからである。
【0154】表示パネルの光入射面と光出射面のうち、
少なくとも一方、好ましくは両方に図19に示すように
AIRコート1901を形成することが好ましい。反射
する光を防止し、表示パネルの光透過率を向上させるた
めである。
【0155】AIRコート1901は3層の構成あるい
は2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波
長帯域での反射を防止するために用いられ、これをマル
チコートと呼ぶものとする。2層の場合は特定の可視光
の波長帯域での反射を防止するために用いられ、これを
Vコートと呼ぶものとする。マルチコートとVコートは
液晶表示装置の用途に応じて使い分ける。通常Vコート
は投射型表示装置のライトバルブとして液晶表示装置を
用いる場合に採用され、マルチコートは液晶表示装置を
直視型パネルとして用いる時に採用される。
【0156】nを各薄膜の屈折率、d1を前記薄膜の物
理的膜厚、λを設計主波長としたとき、マルチコートの
場合は酸化アルミニウム(Al23)を光学的膜厚がn
d=λ/4、ジルコニウム(ZrO2)をnd1=λ/
2、フッ化マグネシウム(MgF2)をnd1=λ/4積
層して形成する。通常、λとして520nmもしくはそ
の近傍の値として薄膜は形成される。Vコートの場合は
一酸化シリコン(SiO)を光学的膜厚nd1=λ/4
とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1=λ/4、も
しくは酸化イットリウム(Y23)とフッ化マグネシウ
ム(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。な
お、SiOは青色側に吸収帯域があるため青色光を変調
する場合はY23を用いた方がよい。また、物質の安定
性からもY 23の方が安定しているため好ましい。
【0157】図18は対向基板110上にストライプ状
電極102を形成している。しかし、この対向基板11
0は表示パネルの軽量化のため、図1のように除去して
もよいことは言うまでもない。
【0158】第2の液晶層108bは主として画面の輝
度レベルを変化させることを行う。第1の液晶層108
aはマトリックス状に画像を表示することを行う。
【0159】図18の本発明の液晶表示パネルの等価回
路図を図25に示す。また、図26、図27は本発明の
表示パネルの説明図である。
【0160】以下、図26および図27を参照しなが
ら、本発明の表示パネルの動作について説明をする。映
像画像は暗い画像(夜の場面等)、明るい画像(晴天時
の海岸の場面等)がある。暗い画像と明るい画像を1つ
の表示パネルで表示しようとすると、階調特性の表示に
困難性がある。特に液晶表示パネルの場合、100階調
程度しか表示できない。暗い画像は、前記100階調の
うち下から50階調を用いて表示し、明るい画像は前記
100階調のうち上から50階調程度を用いて表示しよ
うとすると、暗い画面および明るい画面の双方で階調特
性が不足し、黒つぶれ、白つぶれの画像表示となってし
まう。したがって、1つの液晶表示パネルで暗い画面と
明るい画面の双方を良好に表示するためには基本的に階
調特性を100以上とする必要がある。PD液晶表示パ
ネルは高輝度表示できるため、明るい画像表示は良好で
あるが、暗い画像表示はにがてとする。
【0161】そこで、本発明では第2の液晶層108b
で表示輝度およびコントラストを取り、第1の液晶層1
08aでマトリックス状の画像を表示する。図25およ
び図26に示すように対向電極1801は液晶層108
a、108bの共通の電極として動作する。
【0162】今、説明を容易にするために、第2の液晶
層108bには0(V)〜V2(V)の電圧が印加され
るものとし、第1の液晶層108aには0(V)〜V1
(V)の電圧が印加されるものとして説明をする。また
液晶の光変調モードはNBモードとして説明をする。
【0163】対向電極1801とストライプ状電極10
2間に電圧が印加されると、印加電圧に応じて光透過率
が変化をする。同様に画素電極107と対向電極180
1間に電圧が印加されると印加電圧に応じて光透過率が
変化をする。第1の液晶層108aへの電圧を0(V)
からV1(V)に変化していくと、立ちあがり電圧V0
上で液晶層が光透過を開始し、図27に示す1点斜線に
示すようなT−Vカーブとなる。一方、第2の液晶層1
08bも、同様に印加電圧に応じて光透過率が変化す
る。第2の液晶層108bは電圧V2の印加により透過
率T1となる。2つの液晶層108aと108bによ
り、透過率はほぼ0からT2まで変化できることにな
る。
【0164】つまり、第1の液晶層108aではT2
1の変化、第2の液晶層108bではT1−0の変化を
実現できる。したがって、1つの液晶層よりも階調特性
を大幅に改善できる。たとえば液晶層108aで100
階調、液晶層108bで80階調を表現できるのであれ
ば本発明の表示パネルは100+80=180階調を実
現できるのである。ただし、第2の液晶層108bは一
行全体の透過率を変化させ、第1の液晶層108aは一
画素107ごとの透過率を変化させる。
【0165】図29は図25に示す表示パネルの駆動方
法および駆動回路の説明図である。ビデオ信号はA/D
変換回路2901によりデジタル信号にされ、前記デジ
タル信号はフレームメモリまたはラインメモリ2902
に順次格納される。フレームメモリに格納されたデータ
は1行ごとに演算する回路2903(1H期間演算回
路)で加算され、また平均値が求められる。さらに好ま
しくは、1H期間内の最大値、最小値、輝度分布(画素
透過率分布)が求められ、演算結果に反映される。理由
は1行の平均値が同一値でも、白黒のしま模様になる
と、ラスター信号のようにすべてが同一データの時と、
数画素のみがピーク輝度(透過率)をもち、他の画素の
輝度は低い場合とでは表示画像の見え方が全く異なるか
らである。最大値、最小値等を求め演算結果に反映させ
ることにより最も最適な演算結果を求めることができ
る。なお、ここでいう演算とは計算のみを意味するので
はなく、何らかのデータ処理を行う広い概念である。
【0166】1H期間演算回路2903の演算結果はD
/A変換回路2904aに転送され、D/A変換回路2
904aで電圧値に変換される。前記電圧値が演算を行
った該当の一行の画素に対応するストライプ状電極10
2に印加されるのである。
【0167】したがって、前記ストライプ状電極に印加
された電圧により、図27に示す透過率は0からT1
での値をとる。
【0168】一方、フレームメモリ2902のデータ
は、図10に示すような映像信号処理を行われる。これ
を、図29では映像信号処理回路2905としている。
映像信号処理回路2905からのデータはD/A変換回
路2904bでアナログデータとされ、ソースドライブ
IC(ソースドライブ回路)301に転送され、前記ア
ナログデータがソース信号線に出力されて各画素電極1
07に書き込まれる。そして各画素電極107は、図2
7に示す一点斜線から実線までのT−Vカーブを取るの
である。
【0169】また、水平同期信号HS、垂直同期信号V
Sはドライブ制御回路1004に入力され、PLL回路
(図示せず)等でタイミング信号が作られる。前記タイ
ミング信号はゲートドライブIC(ゲートドライブ回
路)302、対向ドライブIC(対向ドライブ回路)1
04およびソースドライブIC(ソースドライブ回路)
301に送られて、各回路は同期がとられて動作する。
【0170】以上のように一画素行ごと演算を行うこと
により階調特性が改善される。また画素電極107に印
加する電圧およびストライプ状電極102に印加する電
圧も6〜8(V)程度であり、現状のポリシリコン技術
等で十分対応することができる。回路の信頼性も十分と
なる。また、液晶層108aと108bと連続して見た
散乱特性(2つの液晶層を重ねたときの散乱特性)は非
常に良好であり、高コントラスト表示を実現できる。
【0171】第1の液晶層108aと第2の液晶層10
8bは両方ともPD液晶で形成することが好ましいが、
一方がTN液晶であってもよく、また、PLZT等であ
ってもよい。また好ましくはコントラストを向上させる
ために、一方の液晶層108にゲストホスト液晶を混入
させる。また、極たんに光透過率の減少をさけるため、
第2の液晶層108bの膜厚もしくは散乱特性は第1の
液晶層108aよりも薄く、または散乱特性を低く形成
することが好ましい。
【0172】以上の説明は一画素行方向に演算する方法
である。ストライプ状電極の構成としては、図30
(a)が該当する。他に、図30(b)に示すようにス
トライプ状電極102を一画素列方向に形成または配置
してもよい。この場合は、図29の1H期間演算回路2
903は1列方向に演算する回路に構成すればよい。な
お、一画素行または列ごとにストライプ状電極102を
配置または形成するとしたが、これに限定するものでは
なく、2行または2列またそれ以上の画素行または画素
列に対して1つのストライプ状電極102を配置しても
よいことは言うまでもない。この場合は複数画素行等ご
とに演算をしてストライプ状電極102に電圧を印加す
ればよい。
【0173】さらに発展させれば、ストライプ状電極1
02でなく、1つの電極にしてもよい。つまり第2の液
晶層108bは対向電極1801とベタ電極に狭持され
るように構成するのである。この場合、一画面すべての
画素に印加されるデータを演算し、もしくは所定の画素
に印加されるデータをピックUPして演算し、第2の液
晶層108bに印加する電圧値を定めればよい。
【0174】以上は演算してストライプ状電極102等
に印加する電圧を決定し、画像表示を行うものである。
しかし、画像では単に明るさの調整をしたい場合もあ
る。暗レベルが浮いても良く、画面を明るくしたい場合
である。たとえば明るい室で表示画像をみる場合であ
る。ここではこれをブライトネス調整と呼ぶ。この場合
は、演算を行わなくともストライプ状電極102に電圧
を印加して光透過率を高くすればよい。これらの技術的
思想も本発明に含まれる。
【0175】図28は、図25等に示す本発明の表示パ
ネルの製造方法の説明図である。まずアレイ基板101
には絶縁膜1501a等が塗布される。その後、剥離板
(シート)2801とアレイ基板間に未硬化の光硬化樹
脂と液晶とが混合された溶液(以後、混合溶液と呼ぶ)
が狭持される。狭持の方法として剥離板2801とアレ
イ基板間101をビーズ等を用いて所定間隔あけて保持
した後、前記間隔を真空にして、その後、前記真空状態
をやぶり前記間隔に混合溶液2803aを注入する方法
(真空注入法と呼ぶ)が例示される。また、ビーズ28
02と混合溶液2803とをアレイ基板101上に滴下
し、剥離板2801をかぶせて押圧し、所定の液晶層の
膜厚を得る方法(滴下法と呼ぶ)等も例示される。その
他混合溶液2803をスクリーン印刷する方法(印刷
法)も例示される。またスピンナーで混合溶液を塗布す
る方法(スピンナー法)もある。以上いずれの方法でも
よいが、真空注入するとモノマーが飛びだし、混合溶液
2803が変質する場合があるので本発明では滴下法を
採用している。
【0176】また剥離板はガラス(ソーダガラス、オパ
ールガラス等)などの板、ポリエステルなどのシートの
いずれでもよいが、離型性の良好なものでなければなら
ない。たとえばフッ素樹脂がコーティングされた板、シ
ートが例示される。他にシリコン樹脂フィルム、フッ素
樹脂フィルム、ポリエチレン・ポリプロピレンのごとき
オレフィン系樹脂フィルム等であっても良い。混合溶液
2803は滴下前に脱泡処理を行っておく。前記ビーズ
2802は直径5μm〜20μmのものを用い、好まし
くは8〜15μmのものを用いる。また、ビーズ280
2はあらかじめアレイ基板101上に散布しておいても
よい。所定時間放置した後、剥離板2801を前記混合
溶液上に重ねる。この際、空気がはいりこまないよう
に、アレイ基板101の一端より重ねる。その時の状態
を図28(a)に示す。次に剥離板2801上から加圧
し、剥離板2801とアレイ基板101の間隔がビーズ
2802の直径になるようにする。加圧の方法として
は、ローラーなどで基板端から加圧していく方法などが
あげられる。
【0177】つぎに剥離板2801側から紫外線を照射
する。混合溶液2803aは光硬化性樹脂のみ硬化し相
分離を起こして水滴状結晶またはポリマーネットワーク
が形成される。液晶と樹脂の混合比によって水滴状液晶
の状態は決定され、液晶が50重量%以下で高分子マト
リックス内に独立して存在する球状の液晶ドロップレッ
トとなり、それ以上になると液晶滴と液晶滴はつながっ
て連続相となり3次元の網目構造となる。またこの液晶
滴の平均粒子径、もしくは平均空隙間隔は高分子マトリ
クスを形成する際に照射する紫外線の強度によって決定
される。本発明では高分子分散液晶層15aは90W/
cm2(平方センチメートル)の強度のメタルハライド
ランプを用いて3m/分のベルトコンベア速度で照射し
て硬化させた。このようにして得られた高分子分散液晶
表示パネルの液晶滴の平均粒子径は約1.2μmであっ
た。
【0178】以上のように硬化後、剥離板2801を剥
離して取り除く。この際、フッ素樹脂等は離型性が良い
ため、剥離板2801の端に圧力をかけることにより容
易に剥離できる。次に、前記高分子分散液晶層108a
上に絶縁膜1501を形成し、次にこの上に光の透過性
を有する薄膜たとえばITO薄膜1801を形成する。
これが対向電極となる。この状態を図28(b)に示
す。なお、ITO薄膜はSnO2薄膜、導電性ペース
ト、金属薄膜などであってもよい。
【0179】次に前記対向電極1801上にビーズ28
02を含有する混合溶液2803bを滴下する。この状
態を図28(c)に示す。一方、ストライプ状電極10
2および前記ストライプ状電極102上に絶縁膜150
1dを形成した基板110を前記混合溶液2803b上
にかぶせる。また、前記基板110の周辺部には封止樹
脂を塗布しておく。その後、アレイ基板101と対向基
板110をはりあわせる。この際、相対する画素電極1
07とストライプ状電極102とは精度よく上下に重な
るようにはりあわせる。この状態を図28(d)に示
す。その後、50W/cm2(平方センチメートル)の
強度のメタルハライドランプを用い2m/分のベルトコ
ンベア速度で照射し、混合溶液2803bを硬化させ
る。このようにして得られた高分子分散液晶層108b
の水滴状液晶の平均粒径は約2.0μmであった。
【0180】なお、図28(a),(d)において上方
からのみ紫外線を照射するとしたがこれに限定するもの
ではない。たとえば、上方から100W/cm2(平方
センチメートル)の強度のメタルハライドランプを用い
下方から50W/cm2(平方センチメートル)のメタ
ルハライドランプにて30秒程度照射してもよい。ま
た、紫外線を発生させるランプは超高圧水銀等でもよ
く、樹脂成分が可視光でも硬化する時は可視光を発生さ
せるランプ、手段であればいずれでもよい。また、光発
生手段としてレーザ光なども採用できる。
【0181】図28等で示す実施の形態では単に離型手
段2801とパネル間に混合溶液2803を狭持させる
と説明したが、実際には以下に示すような方法で行うこ
とにより量産性が向上する。図109はその説明図であ
る。
【0182】アレイ基板101と離型フィルム2801
間にはビーズを含有する混合溶液が連続的に滴下され
る。透明離型フィルム2801は供給ローラ10903
から連続的に供給される。狭持された混合溶液2803
は圧延ローラ10902で押圧され、一定の均一な膜厚
となる。この際、圧延ローラ10902は超音波で振動
させる。超音波で振動させることにより基板101をよ
び離型フィルム2801に振動があたえられ、混合溶液
がより均一な膜厚となる。その後、均一となった混合溶
液に光照射手段10901で光を照射して液晶層108
を相分離させる。また、離型フィルム2801は巻き取
りローラ10904で順次回収をしていく。
【0183】なお、圧延ローラ10902で圧力をかけ
る際膜厚計等で混合溶液の膜厚をモニータしながら膜厚
制御を行えばよい。膜厚計は通常液晶の膜厚測定に用い
ている干渉膜厚計等を用いることができる。膜厚測定箇
所は表示領域の2〜3箇所同時に行えばより好ましい。
干渉膜厚計として、(株)オーク製作所製の液晶セルギ
ャップ測定装置(TFM−120AFT型)等が例示さ
れる。
【0184】混合溶液2803の膜厚が所定値よりも厚
い場合、超音波のパワーを強くする、また、圧力を強く
する方法をとる。逆に薄い場合は、超音波のパワーを弱
くするあるいは圧延ローラ10902の圧力を弱くす
る。これらは膜厚をモニターしながら行うことにより容
易に所望膜厚にすることができる。
【0185】所定の混合溶液が所定の膜厚として、前記
膜厚を固定させる。固定の方法として、線上又はスポッ
ト状の光を照射することにより行う。光照射手段として
のうちレーザとしては、YAGレーザ、アルゴンレー
ザ、白色レーザ、エキシマレーザが例示される。YAG
レーザの第2あるいはそれ以上の高調波の光を用いる方
法がある。YAGレーザの第2高調波の光は波長530
mmで、緑色光である。アルゴンレーザも波長が51
4.5mmである。また、白色レーザの青色光も用いる
ことができる。前記青色光の波長は441.6mmであ
る。白色レーザとは、小糸製作所が製造しているホロー
陰極型He−Cdレーザなどである。レーザ光の強度お
よび波長は使用する樹脂により大きく異なるので、実験
により定めなければならない。また、混合溶液に増感剤
を添加することにより容易に硬化するようになる。レー
ザは10μm以下の微細なスポット光を得ることがで
き、またエネルギー密度も高いので有効である。
【0186】水銀ランプから発生する光を集光し、アパ
ーチャおよびレンズを用いて照射する方法も有効であ
る。水銀ランプからの放射光は短波長つまり紫外線が多
く含まれ、光エネルギー強度は大きい。
【0187】当然のことながら、光源に超高圧水銀灯を
用いて、混合溶液に紫外線してもよい。混合溶液280
3紫外線を照射されると樹脂成分は硬化し、液晶成分と
樹脂成分は相分離する。重合させる時の温度管理は重要
である。加温はネマティック−アイソトロピック相転移
温度以上にする。通常40度前後もしくはそれ以上であ
る。紫外線は分光分布にもよるが20から30mW/c
2程度の強度で2秒から15秒間程度照射する。
【0188】これらの温度および紫外線の照射条件は液
晶重量比、相転移温度の相図を実験により描き定めてな
ければならない。条件が不適切な場合は液晶の粒径等が
経時的に変化し、散乱特性が低下する。
【0189】先の実施の形態は一基板の全面に光を照射
する方法であるが、図110のように行っていくこと方
法も例示される。つまり一行あるいは一画素列等、もし
くは複数画素行あるいは複数画素列単位で光を照射して
いく。
【0190】図110では一行ごとに光を照射してい
く。まずA部に光を照射し、次に略一行ずらせてB部に
光を照射する。このように行うのはA部とB部間に光が
照射される箇所が重なるからである。重なった部分は相
分離状態が適正でなく、液晶層の散乱特性が悪くなる。
この部分(重なり部分)を画素電極と画素電極間になる
ようにする。画素電極107間は画像表示に無効である
から散乱特性が少なくとも何ら問題はない。
【0191】以上のように一行(列)ごとに光を照射す
るには、図112のようなマスク11103を用いれば
よい。前記マスク11103はガラス基板上にCr等の
遮光膜11101が形成されたものである。遮光膜11
101の領域は光を透過させない。Aの範囲は透過す
る。したがってdの範囲にスリット状の紫外線を照射す
ることにより一画素行(列)もしくは複数画素行(列)
に紫外線を照射することができる。このマスクをC方向
に順次移動(もしくは基板101を移動)させることで
実現できる。
【0192】なお、図110では画素行(列)ごとに光
を照射するとしたが、一画素ごとに照射してもよいこと
は言うまでもない。その場合は、図111に示すような
一画素ごと(もしくはn×n画素)に開口部11102
が形成されたマスクを用いればよい。前記マスクをA、
B方向およびC方向に順次移動させつつ、紫外線を混合
溶液2803に照射していけばよい。
【0193】また、画素電極間と画素電極107上に照
射される光量を調整したい場合は、図113に示すマス
ク11301を用いればよい。Aの部分をBの部分に比
較的して紫外線の透過量を大きくするには、マスク11
301のBの部分により厚くCr等の遮光膜をつければ
よい。このマスクを用いればAの部分を透過する光量は
強くなり、Bの部分を透過する光量は弱くなる。
【0194】画素電極107上の散乱特性を適正にかつ
駆動可能な低電圧で動作させるには、Bの部分を透過す
る光量で適正に液晶層が相分離するように実験等で条件
だしをすればよい。その時Aの部分を透過する光量は強
いためAの部分下の液晶層の水滴状液晶の平均粒子径等
は小さくなる。そのため、透過状態となるのに要する電
圧は高くなる。つまり、Aの部分の液晶層はたえず散乱
状態となる。画素電極107間は本来透過状態となるこ
とは好ましくない。したがって、Aの部分のT−V特性
が悪くなることは好ましい。
【0195】マスク11301を用いれば、画素電極1
07間に樹脂成分を多くし、画素電極107上はほぼ液
晶成分のみという状態も作製できる。この説明を、図1
14に示す。マスク11301はBの部分をほぼ完全に
遮光する。Aの部分だけを紫外線が透過するようにす
る。Aの部分下に画素電極107間が位置するようにす
る。すると、紫外線は画素電極107間のみに照射さ
れ、この部分の樹脂が硬化する。適正な光条件にすれ
ば、硬化は少しずつ進行し、硬化部周辺の樹脂をとりこ
み、樹脂成分が凝集する。画素電極107上は液晶成分
のみが残ってくる。また、液晶成分は硬化した樹脂の壁
面に沿って配向する。
【0196】液晶層を相分離させるには2つの波長の異
なるレーザ光を照射する方法もある。その説明図を図1
15に示す。波長の異なるレーザ光11501と115
02を混合溶液に照射することにより干渉が生じる。つ
まり光の強弱が発生する。光が強い箇所は樹脂成分が多
くなり、弱い箇所は液晶成分が多くなる。液晶と樹脂と
は屈折率が異なることから、液晶層108は図に示すよ
うに層状となり、前記層は干渉膜として機能する。
【0197】以上のように本発明の表示装置は、単に液
晶層を水滴状あるいはポリマーネットワークとするだけ
でなく、図114、図115のような構成をも含んでい
る。
【0198】図109に示すように圧力ローラ1090
2で圧力をかけた後、光照射を行うまで少し時間がある
とせっかく圧力ローラ10902で圧力をかけて所定膜
厚となった混合液晶層2803は所定値からずれてしま
う場合がある。これを防止するためには、図116のよ
うにすればよい。
【0199】図116は圧力ローラ10902で圧力を
かけた直径、レーザヘッド11601からレーザ光11
602を照射して、均一膜厚が光照射されるので保持さ
れるよう仮留めを行うものである。レーザ光11602
は画素電極107間に照射する。またレーザ光でなくて
も水銀ランプからの光をビーム状にしぼったものを用い
てもよい。
【0200】ビーム11602を照射することにより、
混合溶液2803中の光硬化性樹脂成分が重合し、液晶
成分と樹脂成分とが相分離をおこす。しかし、光ビーム
11602の照射では良好な散乱特性が得られない。通
常光ビームのエネルギー密度が高いため液晶滴は非常に
小さくなり、電圧により変化する散乱特性のしきい値も
高くなる。印加電圧に対して応答しなくなることは好ま
しい。レーザ光を照射する部分は画像表示に寄与しない
箇所であるからである。つまり画素電極107間に照射
する。
【0201】ガラス基板101等からの圧力度合いを調
整しながら徐々に圧力を加え、測定膜厚が所定厚みにな
った箇所にレーザ光11602を照射し、樹脂を硬化さ
せて仮接着を行っていく。レーザ光11602等は所定
液晶膜厚が得られたところに照射していく。なおレーザ
光11602は信号線上などを線状に走査してもよい。
前光ビーム11602を照射すると樹脂が重合し、液晶
層が所定膜厚に保持される。
【0202】光ビーム11602は信号線上等を順次移
動させながら所定液晶膜厚に保たれるように照射され
る。したがって、本明細書においてスポット状に光を照
射するとは、円形のスポット光を照射するに限定される
のではなく、スポット光の連続照射による直線状に光を
照射すること、あるいは矩形のスポット光を照射するこ
とも含まれると理解すべきである。
【0203】レーザ光の照射後、加圧を取りのぞいて
も、硬化した樹脂は固体であるので、再び混合溶液28
03の膜厚はほとんど変化することはない。これは高分
子分散液晶表示パネル特有の事項である。たとえば、T
N液晶は液体のため、本発明のように加圧して液晶層の
膜厚を規定値にしても、加圧を取り除けばもとの状態に
もどってしまう。本発明の製造方法は前記高分子分散液
晶の性質を利用している。その後に超高圧水銀灯109
01等を用いて、混合溶液2803に紫外線光を照射す
る。混合溶液は紫外線を照射されると樹脂成分は硬化
し、液晶成分と樹脂成分は相分離する。
【0204】以上に説明したことは、他の本発明の表示
パネルの製造方法、表示パネルの表示装置にも適時適用
される。
【0205】図31は本発明の他の実施の形態における
表示パネルの断面図である。基板構成は図25と同じで
ある。ただし、ストライプ状電極102は、図30
(b)に示すように列方向に形成している。
【0206】パネルの光出射側にはプリズム板3101
が配置または接着されている。プリズム板3101は対
向基板110とシリコンゲル、シリコン樹脂、エポキシ
樹脂等を用いてプリズム板3101と対向基板101間
で光の反射が生じないように接着されることが好まし
い。
【0207】偶数番目に位置するすべてのストライプ状
電極が同時に電圧が印加されるように構成され、また奇
数番目に位置するすべてのストライプ状電極が同時に電
圧が印加されるように構成されている。かつ、偶数番目
のストライプ状電極に対応する液晶層は第1のフィール
ド(フレーム)で透過状態となりその時は奇数番目のス
トライプ状電極のそれは散乱状態となっている。第1の
フィールド(フレーム)の次の第2のフィールド(フレ
ーム)では逆に偶数番目のストライプ状電極に対応する
液晶層が散乱状態となり、その時は奇数番目のストライ
プ状電極に対応する液晶層は透過状態となる。つまり偶
数番目のストライプ状電極と奇数番目のストライプ状電
極に対応する液晶層とは1フィールド(フレーム)ごと
に交互に透過状態と散乱状態とをくりかえす。
【0208】図32は本発明の表示パネルの動作の説明
図である。ストライプ状電極1029に電圧が印加され
ることにより液晶層Aが光透過状態となり、ストライプ
状電極102bに電圧が印加されることにより液晶層B
が光透過状態となる。
【0209】液晶層Aが光透過状態となると画素107
aの画像がプリズム板3101の界面3201aを介し
て右眼3202にみえる。その時、液晶層Bは散乱状態
であるため、画素107bの画像は左眼3202bには
見えない。次のフィールド(フレーム)では液晶層Bが
光透過状態となるため、画素107aの画像がプリズム
板3101の界面3201bを介して左眼3202bに
見える。
【0210】以上のように1フィールド(フレーム)ご
とに交互に画像を左眼3202bと右眼3202aに見
えるようにする。この時、画素107aと107bに印
加する信号を立体視(3D)に対応するものとすること
により観察者は立体画像を見ることができる。
【0211】図25は第1の液晶層108aと第2の液
晶層108b間に対向電極1801を形成した構成であ
ったが、この構成は(図33)のようにしても実現する
ことができる。
【0212】図33は第1の液晶層108aと第2の液
晶層108b間にガラス又は樹脂からなる中間基板33
01を配置している。中間基板3301の両面には対向
電極1801aおよび1801bを形成もしくは配置し
ている。他の構成は、図25と同様または類似である。
また、当然のことながら、図34に示すように中間基板
3301の電極等と液晶層108が接する箇所には絶縁
膜1501を形成することが好ましく、また、隣接した
ストライプ状電極102間の電磁的結合を防止等するた
めにストライプ状電極間に低誘電体膜1601等を形成
もしくは配置してもよい。また、液晶層108aと10
8bの水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネットワ
ークの平均孔径は異ならしてもよく、一方の液晶層をT
N液晶、有機ELからなる光変調層、PLZTからなる
光変調層としてもよい。
【0213】図33、図34の構成では中間基板330
1の厚みは1mm以下とすべきである。厚みが厚いと視
差が発生する。しかしあまり薄いと、表示パネルを製造
する際に機械的にわれてしまうおそれが高くなる。その
ため中間基板の厚みは0.3mm以上にすることが好ま
しい。
【0214】図35は、図33,図34に示す本発明の
表示パネルの製造方法の説明図である。図35(a)に
示すように中間基板3301とアレイ基板101間にビ
ーズ2802aを散布し、所定間隔で保持する。次に前
記所定間隔に混合溶液2803aを真空注入法で注入す
る。その後、紫外線を上方から前記混合液晶に照射し、
混合溶液の樹脂成分を硬化させて、樹脂成分と液晶成分
とを相分離させる。
【0215】その後、図35(b)に示すように対向基
板110と中間基板3301間にビーズ2802bを散
布し、所定間隔で保持する。次に前記所定間隔に混合溶
液2803bを真空注入法で注入し、その後、紫外線を
上方から混合溶液2803bに照射して前記混合溶液2
803bを液晶成分と樹脂成分とに相分離させる。この
際紫外線照射強度は、図35(a)の場合と比較して強
くする。理由は第2の液晶層108bの平均粒子径、ま
たは平均孔径を小さくして表示コントラストを向上させ
るためと、第1の液晶層108aで未硬化の樹脂を完全
に硬化させ、信頼性を向上するためである。
【0216】なお、図35では第1の液晶層108aを
形成した後、第2の液晶層108bを形成するとしたが
これに限定するものではなく、第1の液晶層108aと
第2の液晶層108bとを同時に形成してもよい。その
場合は、アレイ基板101と中間基板3301間にビー
ズを散布し、また中間基板3301と対向基板110間
にビーズを散布して、アレイ基板101と中間基板33
01と対向基板110の3つの基板をはり合わせた後、
アレイ基板101と中間基板3301間及び中間基板3
301と対向基板110間に同時に真空注入法により混
合溶液を注入すればよい。注入後上方からもしくはアレ
イ基板101からの下方からと対向基板110の上方か
らの2方向から紫外線を照射し、第1および第2の液晶
層108を同時に相分離して形成すればよい。
【0217】図36は第1の液晶層108aはアクティ
ブマトリックス駆動にし、第2の液晶層108bは単純
マトリックス駆動に構成した表示パネルの断面図であ
る。つまり中間基板3301の片面には対向電極180
1aが形成され、他面には単純マトリックス駆動を行う
ためのストライプ状電極が形成されている。また対向基
板110にもストライプ状電極3601aと直交する方
向にストライプ状電極3601bが形成されている。こ
の構成は中間基板3301のない図18,図19にも適
用される。つまり中間基板3301を除去して第1の液
晶層108aと第2の液晶層108b間に対向電極18
01を配置すればよいからである。
【0218】図37は本発明の他の実施の形態である表
示パネルの構成図である。第1の液晶層108aと第1
のアレイ基板101aと対向電極1801間に狭持さ
れ、第2の液晶層108bは第2のアレイ基板101b
と対向電極1801間に狭持されている。図37の構成
の等価回路図を図38に示す。
【0219】図38でわかるようにTFT106aとT
FT106bとはそれぞれ別のドライブ回路(ゲートド
ライブ回路302、ソースドライブ回路301)に接続
されていることになる。したがって、液晶層108aと
108bとはそれぞれ独立に電圧を印加することができ
る。図39のように対向電極1801および画素電極1
07a、107bのすべてが透明電極の場合、入射光は
前記3つの電極を透過して出射する。また、図40のよ
うに対向電極1801であり、画素電極107aと10
7bのうちいずれかが透明電極で他方が反射電極の場合
は入射光は反射電極で反射されて出射光となる。また、
図41に示すように対向電極1801が反射電極であ
り、画素電極107aと107bがともに透明電極の場
合は、入射光Aは対向電極1801で反射されて反射光
Aとなり、入射光Bは同様に対向電極1801で反射さ
れて反射光Bとなる。以上の3つの構成を実現できる。
なお、これらの技術的思想は、図18,図25,図34
の表示パネル等においても適用することができる。
【0220】ここでは説明を容易にするため3つの電極
(対向電極1801、画素電極107a、107b)が
すべて透明電極であるとして説明をする。
【0221】図43,図44,図45は、図37に示す
本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。まず、
図43に示す駆動方法から説明をする。図43(a)で
はソースドライブ回路301aからの出力信号(映像信
号)はソース信号線202aで伝送され、TFT106
aを介して画素電極107aに供給される。またソース
ドライブ回路301bからの映像信号はソース信号線2
02bで伝送されTFT106bを介して画素電極10
7bに供給される。対向電極1801の電位はコモン電
圧として固定される。
【0222】映像信号が正極性と負極性とに振幅する場
合、前記コモン電圧は中間的な電位、つまり0(V)電
位である。しかし、TFT106等の突き抜け電圧、ソ
ース信号線202等間の容量等により0(V)よりは少
し負極性側となるのが通常である。その値は、1.0
(V)〜2.0(V)の場合が多い。
【0223】図43に示す駆動方法の場合、図43
(a)に示すように第1のフィールド(フレーム)では
画素電極107aに正極性の電圧が印加され、画素電極
107bに負極性の電圧が印加される。したがって、液
晶層108に生じる電界は矢印の方向となる。
【0224】画素電極107に電圧が書き込まれるとT
FT106はオフ状態となりオープン状態となる。第1
のフィールド(フレーム)の次の第2のフィールド(フ
レーム)では、図43(b)に示すように再びTFT1
06はオン状態となり、液晶層108には交流電圧を印
加するように、画素電極107aには負極性の電圧が、
画素電極107bには正極性の電圧が印加される。した
がって、液晶層108への電界は矢印の方向となる。
【0225】以上のように、図43(a)において図の
ように液晶層108aと液晶層108bの電界の方向を
一致させるのは(同様に、(図43(b))において、
図のように液晶層108aと液晶層108bの電界の方
向を一致させるのは)、液晶層の電界異方向性(配向
膜、絶縁膜をも含める)により発生するフリッカの発生
を抑制するためである。図43のように駆動することに
より、フリッカがめだちにくく、あるいはフリッカが発
生しなくなる。
【0226】図45は本発明の他の実施の形態における
駆動方法の説明図である。なお対向電極1801はスト
ライプ状電極と考えてもよい。つまり、図37において
対向電極1801はストライプ状電極に置き換えてもよ
いのである。
【0227】図45(a)では、対向電極1801(ス
トライプ状電極)は1Hごとに矩形信号を発生する駆動
回路4501に接続される。前記駆動回路4501の発
生する矩形信号はコモン電圧を中心として正極性と負極
性の信号を出力する。たとえば、図11の信号波形11
01のごとくである。
【0228】ここで説明を容易にするため前記矩形信号
は+2(V)、−2(V)のいずれかとする。またソー
ス駆動回路301が出力する正極性の映像信号は+6
(V)、負極性の映像信号は−6(V)であるとして説
明をする。
【0229】まず、図45(a)に示すように第1のフ
ィールド(フレーム)ではあるゲート信号線に接続され
たTFT106a、106bが閉じ、ソース駆動回路3
01aから+6(V)の映像信号が画素電極107aに
書き込まれる。その時、駆動回路4501は−2(V)
を出力する。一方、ソース駆動回路301bから、−6
(V)の映像信号が画素電極107bに書き込まれる。
したがって、液晶層108aには6(V)−(−2
(V))=8(V)の電圧が印加される。同様に液晶層
108bにも−6(V)+(−2(V))=−8(V)
の電圧が印加される。以上のようにすることにより、図
45の液晶層108は、図43の液晶層よりも高い電圧
が印加される(印加できる)ことになる。したがって、
液晶層108を厚くでき、表示コントラストを向上でき
る。
【0230】第1、第2のフィールド(フレーム)で
は、画素電極107aには−6(V)が、画素電極10
7bには−6(V)が印加される。その時、駆動回路4
501は−12(V)を出力する。以上のように駆動す
ることにより液晶層に絶対値8(V)の電圧を印加し、
かつ液晶層を交流駆動することができる。
【0231】なお、図43,図45において画素電極1
07aと107bに同一振幅の電圧を印加するとしたが
これに限定するものではなく、異なっていてもよいこと
は言うまでもない。たとえば画素電極107aに8
(V)、画素電極107bに−4(V)を印加するごと
くである。これは液晶層108aと108bの厚みが異
なっていれば、当然液晶層が透過状態となる印加電圧も
異なることから当然である。また、駆動回路4501が
出力する電圧は、図11でも説明したように、液晶の立
ち上がり電圧印加とすることが好ましい。
【0232】図44は本発明の他の実施の形態の駆動方
法の説明図である。なお、図44は表示パネルの駆動方
法は1フィールド(フレーム)ごとに極性を反転させる
1F反転駆動とする。
【0233】1F反転駆動の課題は白ラスター表示(理
想的には画面全体が同一透過率)の表示画面の上端と下
端で透過率(輝度)が異なる点である。図44(a)に
示すようにA走査方向(順方向、画面の上端→下端)に
走査する場合、図44(b)の実線に示すように画面の
下端部の透過率が低くなる。
【0234】一方、図44(a)のB走査方向(逆方
向、画面の下端→上端)に走査する場合、図44(a)
の点線で示すように画面の上端部で低くなる傾向があ
る。
【0235】画面の上部と下部に透過率(輝度)が異な
ると画像品位を低下させ、好ましくない。そこで、図3
8のゲート駆動回路302aはゲート信号線G11からG
1m方向に走査し、ゲート駆動回路302bはゲート信号
線G2mからG21方向に走査する。つまり、ゲート駆動回
路302aにより、図44(b)の実線の透過率分布と
なり、ゲート駆動回路302bにより、図44(a)の
点線の透過率分布が生じる。したがって、表示状態は実
線と点線を平均したものとなり(図44(b)の一点斜
線で示す)、画面の均一性を実現することができる。
【0236】アレイ基板101aをA走査方向に走査し
(画像を行単位で順次書き込み)、アレイ基板101b
をB走査方向に走査することにより1F反転駆動等で発
生する画面の上下駆動による輝度傾斜を防止または抑制
することができる。なお輝度傾斜は画素107の電荷保
持率が悪い場合にも発生する。この場合も輝度傾斜を補
正することができるであろう。
【0237】A走査方向に走査する場合において、アレ
イ基板101aに書き込む画像データAとB走査方向に
走査する場合においてアレイ基板101bに書き込む画
像データBとを異なったものとする方式もある。液晶表
示パネルのドライブ回路301の階調特性が悪い場合等
(たとえば6bitの64階調しか出力できない場合
等)、ドライブ回路301aで64階調表示を実現し、
ドライブ回路301bで64階調表示をすれば、液晶表
示パネルは2倍の(64+64=)128階調表示を実
現することができる。
【0238】なお、以上の実施の形態はゲートドライブ
回路302の走査方法を考慮する駆動方法であった。他
に、ソースドライブ回路301aと301bの走査方向
を考慮する方式もある。表示パネルが点順次駆動である
場合等である。点順次駆動とは、各ソース信号線に出力
された映像信号ごとにラッチをしていく方法である。現
在の高温ポリシリコン技術で作製された液晶表示パネル
はほとんどこの方式である。この場合、表示画面の左右
で輝度傾斜(透過率分布)が発生する場合がある。
【0239】たとえば、図44(a)においてC走査方
向に走査している場合、左端の画素列は画素電極107
への書き込み時間が長く、右端の画素列は短くなる。こ
れは右端まで走査するとブランキング期間をわずかな時
間をおいて、次の画素行のゲート信号線にオン電圧が印
加され、現在の画素行にはオフ電圧が印加されてしまう
からである。
【0240】ソース信号線の時定数が大きい場合等に右
端の画素列は書き込み時間が正規よりもたりなくなり透
過率が左端より低くなってしまう。そのため左端から右
端にかけて透過率の分布が生じる。
【0241】この対策のためアレイ基板101aのソー
スドライブ回路301aをC走査方向に走査し、アレイ
基板101bのソースドライブ回路301bをD方向に
走査すれば、透過率の分布は平均化されて抑制すること
ができる。
【0242】以上はアレイ基板101aと101bとの
走査方向を変化させる方法であるが、当然ながらソース
ドライブ回路301aをC走査方向に、ソースドライブ
回路301bをE走査方向に走査することを除外するも
のではない。このことはゲートドライブ回路302に対
しても同様である。また、C走査の開始時刻とE走査の
開始時刻をずらせる方法も効果がある。同時刻にすると
画面に縦筋状のつぎ目が表示されることがあるからであ
る。走査時間をずらせることにより、前記縦筋の発生を
抑制することができる。このことはゲートドライブ回路
302aと302bについても適用される。この場合は
縦筋の抑制効果ではないが、画像品位が向上することが
多い。
【0243】以上のことは高温ポリシリコン、低温ポリ
シリコン技術で作製されたパネルだけでなく、アモルフ
ァスシリコン技術で作製された表示パネルにも当然適用
されうる技術的思想である。また他にPLZTを光変調
層に用いた表示パネル、有機ELを用いた表示パネル等
ドットマトリックス型表示パネルに適用されうる技術的
思想である。
【0244】以下、図37等に示す表示パネルの製造方
法について説明をする。図42はその製造方法の説明図
である。以下、図面を参照しながら本発明の製造方法に
ついて説明をする。
【0245】まず、図42(a)に示すようにアレイ基
板101aに黒色ビーズ2802を含有する混合溶液2
803aを塗布する。次に、図42(b)に示すように
前記混合溶液2803a上にフィルム等の離型手段28
01をかぶせる。なお、混合溶液2803aの塗布は滴
下法あるいはスピンナー、ロールクォーターで塗布して
もよい。
【0246】図42(a)の塗布後、あるいは、図42
(b)の状態でアレイ基板101に超音波をかけること
は効果がある。超音波により混合溶液2803aが均一
の膜厚になる。この効果により離型手段をかぶせなくと
も均一になる場合は離型手段2801が必要ないことは
言うまでもない。
【0247】図42(b)のごとく、離型手段2801
上から押圧し、液晶層を均一にした後、紫外線を照射
し、混合液晶層2803aを相分離させる。その後、離
型手段2801をはがすと、図42(c)となる。な
お、液晶層108aと108bの膜厚は変化させてもよ
い。変化はビーズ径等により変化できる。また、液晶層
108aと108bとの平均粒子径、平均孔径は変化さ
せてもよく、また、一方の液晶層にゲストホスト液晶を
含有させてもよい。一方の樹脂等に着色を行ってもよ
い。以上の方法をアレイ基板101bに対しても行う。
つまりアレイ基板101a上に液晶層108aを形成
し、アレイ基板101b上に液晶層108bを形成す
る。また、アレイ基板101aの液晶層108aとアレ
イ基板101bの液晶層108bのうち少なくとも一方
に対向電極1801もしくはストライプ状電極を形成す
る。
【0248】次に、図42(d)に示すように液晶層1
08aと108b間に光硬化樹脂4201を塗布する。
塗布はスピンナー、ロールクォーターでぬっても、ま
た、滴下法のいずれであってもよい。光硬化樹脂は混合
溶液2803に用いたものと同じものまたは類似のもの
を用いることが好ましい。接着性が向上するからであ
る。また、熱に対する収縮率も同一となる。その後、ア
レイ基板101aと101bとをはりあわせ、紫外線を
照射してパネルは完成する。
【0249】なお、光硬化樹脂4201は熱硬化樹脂で
あってもよい。この場合は紫外線の照射のかわりに加熱
をして硬化させればよい。その他エポキシ樹脂、シリコ
ーン接着剤、シリコーンゲル、エポキシ接着剤等でもよ
く、熱可塑系の樹脂、粘着剤であってでもよい。さらに
は、接着樹脂4201を用いず単に液晶層108aと1
08bとを密着させ、前記液晶層間の空気をおいだした
状態でもよい。これは液晶層108aと108bとを密
着させた後、真空室に入れ、両液晶層間の空気を完全に
おいだして、その後、液晶層の周辺にシール樹脂を塗布
すれば容易に実現することができる。
【0250】なお、図37では画素電極108aに対向
する位置に画素電極108bを配置した構成であった
が、これに限定するものではなく、図46に示すよう
に、画素位置をずらせてもよい。たとえばアレイ基板1
01aと101bとを約半画素ピッチずらせて配置もし
くは形成してもよい。
【0251】以上のように画素ピッチをずらせて配置す
ることにより、表示画面の解像度を向上させることがで
きる。みかけ上水平もしくは垂直方向の画素数が2倍と
なったようになるからである。もちろん、この場合ソー
スドライブ回路301aと301bに供給する映像信号
は半ドットずらせたものとする必要はある。
【0252】図37は液晶層108aと108b間に対
向電極1801を形成した構成であった。この対向電極
1801を取り除き、図47の構成としてもよい。その
等価回路図を図48に示す。画素電極107aと画素電
極107bに印加する信号の極性を反対極性とすること
により、液晶層108に大きな電圧を印加することがで
きる。もちろん先に説明した階調表示を2倍にできる効
果も実現できる。
【0253】なお、液晶層108はPD液晶の他にTN
液晶、STN液晶、強誘電液晶等の他の液晶層であって
もよく、PLZT、EL、有機EL等であってもよい。
たとえば、TN液晶の場合は、図49に示すように液晶
層108と接する面に配向膜4901を形成すればよ
い。また、PLZTは固体であり、ELはエレクトロル
ミネッセンス用の物質を誘電率の高い絶縁物質に混合し
て薄膜状に形成したものであり固体である。したがっ
て、本明細書に開示した本発明の表示パネルの構成は容
易に実現できることは明らかである。したがって、本発
明の表示パネルおよびそれを用いた表示装置は光変調層
をPD液晶に限定するものではない。 また、本発明の
実施の形態において説明を容易にするためのスイッチン
グ素子がマトリックス状に配置または形成されたアクテ
ィブマトリックス型表示パネルとして説明したがこれに
限定するものではない。たとえば、ストライプ状の電極
の交点を画素とする単純マトリックス表示パネルも画素
がマトリックス状に配置されているから本発明の範ちゅ
うである。また、光書き込み型表示パネル、熱書き込み
型表示パネル、レーザー書き込み型表示パネルにも、本
発明の構成を適用できるから、本発明の技術的思想の範
ちゅう(技術的範囲)であることは明らかである。この
事項はいままでに説明した表示パネルおよび表示装置、
以降説明する表示パネルおよび表示装置に適用される。
【0254】また、図50のように対向電極1801が
なく、かつアレイ基板101aと101b間に2種類の
液晶層108aと108bを形成する構成でもよい。た
とえば液晶層108a液晶層108bとは水滴状液晶の
平均粒子径、ポリマーネットワークの平均孔径が異なる
構成、一方にゲストホスト液晶を含有する構成、一方の
樹脂成分に着色された構成、一方がPD液晶で他方がT
N液晶である構成が例示される。
【0255】光変層108aと108bとを異ならせる
ことにより、広い帯域の範囲の光を良好に光変調するこ
とができ、表示コントラストも向上させることができ
る。
【0256】図51では、基板101等にマイクロレン
ズ5102等を形成もしくは配置している。アレイ基板
101をマイクロレンズアレイ5101としている。ア
レイ基板5101bのマイクロレンズ5102bは入射
光を集光しアレイ基板5101aのマイクロレンズ51
02aに入射して、アレイ基板5101aから出射す
る。
【0257】アレイ基板にはTFT、信号線等が形成さ
れるため、画素の開口率は低くなる。マイクロレンズ5
102がなければ開口でない箇所に入射した入射光11
705は吸収または反射されてしまう。しかし、マイク
ロレンズ5102が配置されていると入射光11705
はマイクロレンズ5102bにより集光され、集光され
た光は画素電極107の開口部を通過し、マイクロレン
ズ5102aにより再び平行光に変換される。
【0258】特にPD液晶表示パネルを投射型表示装置
のライトバルブとして用いる場合、入射する光の広がり
はF5以上F10以下と極めて広がりが小さい。つまり
平行光に近い。そのためマイクロレンズで集光しやす
く、また集光した光は再び平行光にもどしやすいという
特徴がある。
【0259】マイクロレンズ5102の屈折率とマイク
ロレンズアレイの屈折率差は0.2以内が好ましい。さ
らには0.15以内が好ましい。アレイの屈折率は1.
50〜1.55であるから、マイクロレンズの屈折率は
1.60〜1.65以内が好ましい。あまり屈折率の差
が大きいと、マイクロレンズの集光角度が大きすぎて逆
に集光効率が低下する。これはマイクロレンズ5102
の直径が50μm〜200μmの大きさであるのに比較
してアレイ基板(5101,101)の厚みが1mm程
度と厚いためである。
【0260】マイクロレンズ5102は、図51ではイ
オン交換による浸透法で形成したかのように図示したが
これに限定するものではなく、スタンパを用いて凸状に
形成したものでもよい。
【0261】光を集光し光利用率を向上させる構成は、
図117の構成も考えられる。図117の構成は導光板
11701をパネルの表面に接着層11703で接着し
たものである。ただし、接着層11703は導光板11
701とアレイ基板101との位置関係を固定(たとえ
ば機械的に)できるのであれば必要がない。 接着層1
1703としてシリコンゲル、シリコン接着剤、エポキ
シ接着剤、UV硬化樹脂、粘着剤、熱可塑樹脂等が例示
される。接着剤は導光板11701とアレイ基板101
との熱応力、伸縮率を考慮して選定する。
【0262】導光板11701には表面に反射板117
02が形成されている。反射板11702の材料として
Alが望ましく、他にAu、Ag、Ti、Cr等も用い
ることができる。なお、Al、Ag等は表面が酸化され
やすいため、表面にSiO2などの保護膜を形成するこ
とが望ましい。
【0263】反射膜11702はスパッタ等の蒸着によ
る方法、電解メッキ、無電解メッキ技術により形成する
方法が例示される。導光板はコスト、加工性の面から、
アクリル、ポリカーボネード、エンジニアプラスチッ
ク、PVA等の樹脂から形成することが好ましい。これ
らの樹脂は金型による成型技術に容易に導光のための穴
形成を行うことができる。導光の穴は入射側の開口部1
1704bを大きく、出射側の開口部11704aを狭
くする。また、開口部11704aは画素電極107よ
り大きくあるいは同等とする。
【0264】導光による穴形成を行った基板の表面に反
射膜11702が形成される。最も簡易な方法は非電解
メッキ技術で形成することである。ただし剥離に弱いの
が難点である。反射膜は界面11706にも形成するこ
とが好ましい。
【0265】図118は、導光板11701の開口部1
1704b側からみた平面図である。開口部11704
aを画素電極107の大きさとする。図118の開口部
11704bは方形であるが、図119に示すように開
口部11704bは円形であってもよい。
【0266】図117に示すように入射光11705は
反射膜11702で反射され反射光11705aとなり
画素電極107を通過する。つまり、表示に有効な光と
なる。反射膜11702がなければ入射光11705は
光11705bとなりTFT106に入射して吸収また
は反射され、画素電極107を通過することがない。そ
のため、光利用効率は低下する。
【0267】以上のように光は開口部11704bから
開口部11704aに向かって集光され画素電極107
に導かれる。そのため、光利用効率を高くできるのであ
る。
【0268】図117の反射面11706bは三角錐状
であるが、図124に示すように反射面11706bは
円弧状にしてもよい。また、導光板11701自身を反
射材料で形成してもよい。たとえば、Alの板に開口部
11704を形成することが例示される。また、開口部
11704を透明樹脂等で埋める構成も例示される。樹
脂12402等はシリコンゲル、UV硬化樹脂等が例示
され、また、エチレングリコール等の液体でもよい。こ
の場合、液体が漏れないように導光板の光入射面にカバ
ーガラス等を重ねて封止すればよい。
【0269】図37は、2枚のアレイ基板101aと1
01bとをはり合わせる構成である。アレイ基板を2枚
用いる構成は、図52のようにしてもよい。図52の構
成はアレイ基板101bの裏面に対向電極1801aを
形成し、前記対向電極1801aと画素電極107a間
に第1の液晶層108aを狭持させ、対向電極1801
bと画素電極107b間に第2の液晶層108bを狭持
させた構成である。
【0270】アレイ基板101bが厚いと視差が生じる
ため、厚みは0.8mm以下にする必要がある。しかし
0.3mm以下とするとハンドリングが極めて悪くな
る。少しの圧力等がかかるとわれてしまうのである。ま
た画素電極107の形成のためアレイ基板がそってしま
うという課題も発生する。以上のことからアレイ基板1
01bは0.3mm以上0.8mm以下にすべきであ
る。
【0271】製造方法としては対向基板110とアレイ
基板101b間に液晶層101bを狭持させてパネル化
する。その後アレイ基板101bの裏面に対向電極18
01a又はストライプ状電極を形成する。そのアレイ基
板101bとアレイ基板101a間に液晶層108aを
狭持させればよい。他の光変調層に関する事項等は以前
に説明しているので説明を省略する。
【0272】図53の構成は、アレイ基板101bのゲ
ート信号線とアレイ基板101aのゲート信号線とが互
いに直交するようにした構成である。観察者から見ると
アレイ基板101aは左右方向に画像が表示され、アレ
イ基板101bは上下方向に画像が表示されるようにみ
える。等価回路図を図55に示す。ドライブ回路301
a、302aが動作している時はドライブ回路301
b、302bは非動作状態とし、逆にドライブ回路30
1b、302bが動作状態の時は、ドライブ回路301
a、302aを非動作状態とする。
【0273】図53の表示パネルの利点は画面の左右表
示と上下表示とを瞬時に切り換えられる点である。図5
4はビデオカメラ等に取りつけるモニタであり、このモ
ニタに本発明の表示パネルを用いる。表示画面401に
は“F”の字が表示されている。
【0274】図54(a)は、画面を横長にして表示し
ている時であり、図54(b)は、縦長にして表示して
いる時である。ビデオカメラ等では、図54(a)の横
長表示と縦長表示とを適時切り換えて用いる用途が多
い。
【0275】本発明の表示パネルは、図54(a)の横
長の時はドライブ回路301b、302bを用いてTF
T101bを動作させて、順次画素に信号を書き込んで
画像を表示する。図54(b)の縦長の時はドライブ回
路301a、302aを用いてTFT101aを動作さ
せて、順次画素に信号を書き込んで画像を表示する。入
力する映像信号は一つであっても動作させるドライブ回
路を切り換えることにより、横長表示縦長表示に瞬時に
対応することができる。
【0276】図56は、駆動方法および駆動回路の説明
図である。入力ビデオ信号はA/D変換回路2901で
デジタルデータとされ、H方向反転メモリ2902a、
V方向反転メモリ2902bに格納される。
【0277】H方向反転メモリ2902aは横長画面に
対応するように記憶するメモリであり、V方向反転メモ
リ2902bは縦長画面に対応するように記憶するメモ
リである。V方向反転メモリ2902bの出力は切り換
え回路5602のSW2により出力され、極性反転回路
(正極性映像データと負極性映像データを作成する回
路)に入力され、その出力はYドライブ回路302aに
入力される。一方、H方向反転メモリ2902aの出力
は、切り換え回路5602のSW1により出力され、同
様に極性反転回路に入力され、Yドライブ回路302b
に入力される。
【0278】ビデオ信号は同期信号分離5601により
同期分離され、HD同期信号とVD同期信号が取り出さ
れ、前記同期信号により制御回路1004はYドライブ
回路302とXドライブ回路301のタイミング信号を
供給する。
【0279】先にも説明したように、ドライブ回路30
2a、301aが動作している時はドライブ回路302
b、301bは非動作状態にする。ただし、この非動作
状態というのはNWモードの場合は光透過率が高くなる
ので問題がないが、NBモードの時は光透過率が低くな
るので説明に適さない。NBモードのときは画面を白ラ
スター表示にする。つまり光透過率を高くする方向にす
る。したがって、非動作状態というのは画像を表示せず
液晶層の光透過率を高くするということを意味する。
【0280】図57は、本発明の他の実施の形態におけ
る本発明の表示パネルの断面図である。画素電極107
と共通電極5701間に第1の液晶層108aが狭持さ
れ、画素電極107と対向電極(又は、ストライプ状電
極)1801間に第2の液晶層が狭持されている。TF
T106には遮光膜109が形成されてホトコンの発生
を防止している。また、液晶層108aと108bの組
成、構成を変化させてもよいことは言うまでもない。
【0281】図59は、図59の表示パネルの等価回路
図である。図59からわかるように画素電極107を共
通の電極として液晶層108aと108bが配置されて
いる。なお、画素電極107は接続部5702でTFT
106のドレイン端子に接続されている。
【0282】図58は、アレイ基板101の平面図であ
る。ただし、理解を容易にするため、画素電極107は
取り除いたところを示している。共通電極5701は全
画素107に共通の電極である。本来は上下左右の共通
電極と画素電極ごとに接続を取ることが好ましいが、パ
ターン上困難である場合が多い。そのため、図58に示
すように絶縁膜501でソース信号線と絶縁をたもち、
左右方向に接続し、両端で上下方向の共通電極5701
と電気的接続を取る構成が多い。また同様にゲート信号
線201とソース信号線202の交点も絶縁膜501で
絶縁する。対向電極1801はITOのベタ電極であ
る。
【0283】液晶層108aと液晶層108bをPD液
晶で形成する場合、水滴状液晶の平均粒子径又はポリマ
ーネットワークの平均孔径を異ならせることが好まし
く、また、一方の液晶にゲストホスト液晶を含有させる
こと、樹脂に着色を行うこと、PD液晶だけでなくTN
液晶等でもよいなどは先に説明しているので説明を省略
する。また各電極に誘電体薄膜を積層して、反射防止効
果をもたせること、空気との界面にAIRコートを形成
すること等、以前の他の実施の形態で説明した内容が適
用されることは言うまでもない。
【0284】図60は、図59の表示パネルの駆動方法
を説明する説明図である。まず、図60(a)に示す駆
動方法について説明をする。第1のフィールド(フレー
ム)でソースドライブ回路301は正極性の映像信号を
出力し、前記映像信号はソース信号線202、TFT1
06を通り画素電極107に書き込まれる。一方、対向
電極1801および共通電極5701はコモン電圧に接
続されている。
【0285】正極性の映像信号が画素電極107に書き
込まれることにより液晶層108aと108bには実線
で示す電界が生じる。
【0286】第1のフィールド(フレーム)の次の第2
のフィールド(フレーム)ではドライブ回路301は負
極性の映像信号を出力し、前記映像信号が画素電極10
7に書き込まれる。したがって、液晶層108a、10
8bには点線で示す電界が生じる。以上のように画素は
フィールド(フレーム)ごとに信号極性が異なった電圧
が書き込まれ、液晶層は交流駆動が行われる。
【0287】なお、対抗電極1801、共通電極570
1をストライプ状電極におきかえる(現状でも共通電極
5701はストライプ状電極となっている)ことにより
液晶層により高い電圧を印加できるようになるから高コ
ントラスト表示を実現することができる。図60(b)
では、共通電極5701および対向電極1801(スト
ライプ状電極)は駆動回路4501に接続されている。
駆動回路4501は、図11の1101に示すような矩
形波形を出力する。ここで説明を容易にするためソース
ドライブ回路301は+6(V)、−6(V)を交互に
出力するものとし、駆動回路4501は−2(V)、+
2(V)を交互に出力するものとする。
【0288】ソースドライブ回路301から画素電極1
07に+6(V)が書き込まれている時は、駆動回路4
501は−2(V)を出力する。したがって液晶層10
8bおよび108aには絶対値8(V)の電圧が印加さ
れる。次のフィールド(フレーム)では画素電極107
には−6(V)が書き込まれる。この時、駆動回路45
01は+2(V)を出力する。この時も液晶層108
a、108bには絶対値8(V)の電圧が印加される。
【0289】以上のように共通電極5701および対向
電極1801(ストライプ状電極)の電位を1Hごとに
変化させ画素電極107に電圧を印加することにより液
晶層には高い電圧を容易に印加することができる。した
がって、高コントラスト表示を実現できる。
【0290】なお、上記説明では共通電極5701と対
向電極1801に印加する電圧を同一にすると説明した
が、これに限定されるものではない。たとえば共通電極
5701に+−2(V)、対向電極1801に+−4
(V)を印加してもよい。つまり、対向電極1801等
に印加する電圧値は液晶層の立ちあがり電圧に考慮して
決定すればよい。液晶層108が比較的厚く、立ちあが
り電圧が高い時は、対向電極等には高い電圧を印加する
ことができる。ただし、コントラスト比増大のため、印
加電圧は立ち上がり電圧値以下とすることが好ましい。
液晶層108の膜厚が比較的薄い場合は当然、対向電極
等に印加する電圧は低くなるであろう。
【0291】なお、画素電極107はITO等の透明電
極に限定されるものではない。たとえば金属等の反射電
極であってもよい。反射電極の場合は反射面をAl等で
形成することが望ましい。またAl等の密着性を向上す
るため、Ti、Cr等を積層させて密着度を向上させ
る。
【0292】以下、図61を参照しながら、図57に示
す本発明の表示パネルの製造方法について順次説明す
る。図61(a)では、アレイ基板101上に混合溶液
2803aを塗布し、離型手段2801(剥離手段)を
前記混合溶液2803aを狭持させる。塗布の方法とし
てはスピンナーによる方法、ロールクォーターによる方
法、滴下法による方法等が例示される。また、スピンナ
ー等により均一に塗布できる場合は離型手段2801は
用いる必要はないことは明らかである。
【0293】次にアレイ基板101の裏面から紫外線を
照射する。ただし液晶成分は370nm〜390nmの
波長を吸収しやすく、前記波長により変質する恐れがあ
るので前記370nm以上の紫外線は極力カットすべき
である。カットはUV(紫外線)カットフィルタで容易
に行うことができる。
【0294】アレイの裏面から紫外線を照射すると前記
紫外線は混合溶液の樹脂成分を硬化させ、結晶成分と樹
脂成分とを相分離させる。しかし、TFT106、ゲー
ト・ソース信号線(図示せず)の形成部に入射した紫外
光は遮光され、混合溶液2803aに照射されない。し
たがって、前記TFT106上の混合溶液2803の樹
脂成分は硬化しない。
【0295】また、共通電極5701はITOでできて
いるため、紫外線を透過しにくい。そのため、図61
(b)に示す共通電極5701上(Bで示す)の混合溶
液と共通電極5701が形成されていないところ(Aで
示す)上の混合溶液とは紫外線の照射量は異なってく
る。
【0296】通常水滴状液晶の平均粒子径又はポリマー
ネットワークの平均孔径は単位時間あたりの紫外線の照
射量が多いほど小さくなる。逆に弱いほど相対的に大き
くなる。この平均粒子径又は平均孔径と印加電圧により
配向状態の変化とは相関がある。通常、小さいほど印加
電圧には応答しにくくなる。一方小さくなるほど散乱特
性は強くなる。液晶表示パネルの光変調層としてPD液
晶を用いる場合は、一定値以下の電圧で液晶層を透過状
態にする必要があり、同時に一定値以下で最も散乱特性
を高くする必要がある。この条件はプロセス条件(紫外
線を照射する強度。またそのときの混合溶液の温度、液
晶成分と樹脂成分との含有比率、液晶層の膜厚等)をふ
り、設定をする。
【0297】したがって、図61(a)で照射する紫外
線強度等は、共通電極5701上(Bの範囲)の液晶層
が可能な印加電圧の範囲で最も散乱特性を高くできるよ
うにする。一方A上の液晶層は適値よりも強い紫外線が
照射されるため水滴状液晶の平均粒子径又はポリマーネ
ットワークの平均孔径は適値よりも小さくなる。しか
し、これは幸いする。Aの範囲の液晶層は画像表示に有
効な範囲でないため、画素電極107あるいは共通電極
5701に印加された電圧により配向状態の変化をおこ
してほしくない。平均粒子径又は平均孔径が小さけれ
ば、配向状態の変化をしにくくなり、たえず黒表示部と
なる。
【0298】紫外線を照射後、未硬化の混合溶液280
3を洗いながす。洗浄は純氷、アルコール類等を用いて
行う。この洗浄によりTFT106のドレイン端子等上
の混合溶液は洗い流される。次に液晶層108a上に画
素電極107を形成する。画素電極107を形成する方
法は容易である。従来から樹脂であるカラーフィルタに
ITO等を形成するプロセスはよく行われているからで
ある。この画素電極108aの形成と同時にTFT10
6のドレイン端子と前記画素電極107と接続をとる。
【0299】液晶層108aが厚い場合等は画素電極1
07とTFT106のドレイン端子間に段差が生じ、段
切れが生じる場合がある。それを防止するためにはドレ
イン端子上にあらかじめ金属あるいは、導電ペーストな
どの導電材料を積層し、その上に画素電極107を形成
すればよい。
【0300】また、画素電極の前面または後面に誘電体
薄膜を形成し、図20に示すように反射防止構成とする
ためには以下のようにすればよい。図61(b)の状態
で所定光学膜厚の誘電体薄膜を形成する。その後、TF
T106のドレイン端子上の前記誘電体薄膜を除去する
ため、レジストを塗布し、パターニングを行う。その
後、画素電極107を形成する。なお前記誘電体薄膜は
画素電極107と液晶層108aとの密着度を向上させ
る効果もある。この効果を主とする場合は、前記誘電体
薄膜は所定の光学的膜厚とする必要がないことは言うま
でもない。さらに反射防止構成を3層構成とする場合
は、図61(c)に示す画素電極107上に第2の誘電
体薄膜を形成すればよい。
【0301】次に対向電極1801(又はストライプ状
電極)を形成した対向基板110と画素電極107間に
混合溶液2803bを狭持させる。方法としては真空注
入法又は滴下法のいずれかであってもよい。その後、対
向基板110側から紫外線を照射する。対向基板110
の対向電極1801には何ら遮光物は形成されていな
い。そのため混合液晶2803bには均一に紫外線が照
射される。そのため、平均粒子径、または、平均孔径は
極めて均一となる。
【0302】アレイ基板101側から紫外線を照射する
とTFT106等で遮光されるため液晶層2803bは
均質とはならない。ただし、液晶層未硬化の樹脂成分を
完全に硬化させるため、対向基板110側から紫外線を
照射した後、アレイ基板101側からも紫外線を照射す
ることは好ましい。未硬化の樹脂成分があると経時的に
液晶層が変化をし、少しずつT−V特性が変化し、ホワ
イトバランスがずれてくるからである。
【0303】図1,図18,図59等に示す表示パネル
はゲート信号線201とソース信号線201とが直交す
る構成であった。しかしゲート信号線とソース信号線と
が直交すると交点部に絶縁膜501を形成する必要が生
じる。前記交点部はコンデンサとなりソース信号線の時
定数を増加させることになる。また交点部の絶縁膜に穴
が生じると、クロスシュートとなり、アレイ基板(表示
パネル)を不良品としてしまう。
【0304】図62は、前記課題を解決する本発明の表
示パネルの説明図である。図62は、アレイ基板101
の平面図を示している。ただし、図58と同様に画素電
極107は除去した状態を示している。図62で明らか
なようにソース信号線202とゲート信号線201は平
行に形成されている。また、共通電極5701も信号線
と平行に形成されている。ただし、共通電極5701は
ゲート・ソース信号線と垂直方向に形成してもよい。こ
の場合は、前記信号線と共通電極5701と重なる箇所
には絶縁膜501を形成する必要があることは言うまで
もない。
【0305】図63は、図62の表示パネルの等価回路
図である。ただし、表現の便宜上、共通電極5701は
ゲート信号線201等と直交するように描いている。
【0306】図64,図65は、図62に示すアレイ基
板を用いて表示パネルを構成したときの断面図である。
図64は、信号線と直交かつTFT106部での断面図
であり、図65は信号線と直交かつTFTのない箇所で
の断面図である。図65に示すように信号線上には低誘
電体膜109を形成することが好ましい。通常ゲート信
号線201はほとんどの時間、オフ電圧が印加され電位
が固定されている。そのためソース信号線202とゲー
ト信号線201間に横電界(DC電圧)印加され、液晶
層108の異常配向を発生させやすい。図65のように
低誘電体膜109を形成し、さらには前記膜109中に
カーボン等の光遮光物質を含有させれば、ゲート信号線
201とソース信号線202間等から光漏れが生じず、
良好な表示コントラストを実現できる。
【0307】図66は、ドレイン端子502と共通電極
5701間に付加容量(付加コンデンサ)を形成した構
成図である。図67は、図66のCC’線での断面図で
ある。共通電極5701とドレイン端子502間に絶縁
膜501を形成し、付加容量を形成していることがわか
る。図68は、図68に示す表示パネルの等価回路図で
ある。
【0308】図57,図64等に示す表示パネルは液晶
層108aと108b間に画素電極107を形成し、前
記画素電極107と対向電極1801、共通電極570
1間に電界を発生させ、光変調を行うものであった。そ
れと比較して、図69に示す表示パネルは2つの画素電
極107a、107bと2つのTFT106a、106
bおよび対向電極1801(又はストライプ状電極)を
具備するものである。
【0309】画素電極107aはTFT106aと接続
され、画素電極106bは画素電極107bと接続され
ている。液晶層108bは画素電極107bと対向電極
1801間に印加される電界により変調される。また、
液晶層108aは画素電極107aと107b間に印加
される電界により変調される。液晶層108bの膜厚:
液晶層108aの膜厚=1:2とほぼなるようにしてい
る。
【0310】駆動方法としては画素電極107aに印加
される信号の極性と画素電極107bに印加される信号
の極性とは反対極性となるようにしている。たとえば画
素電極107aに+6(V)が印加される時は画素電極
107bには−6(V)が印加される。したがって、液
晶層108には+6−(−6)=12(V)の電圧が印
加される。その時液晶層108bには6−0=6(V)
が印加される。つまり液晶層108aに印加される電
圧:液晶層108bに印加される電圧=2:1となって
いる。そのため、液晶層108aの膜厚が液晶層108
bと比較して2倍の膜厚としているのである。なお、こ
れは液晶層108aと108bとの組成、構成が同一の
場合であって、異なる場合はこの限りでない。
【0311】図69の表示パネルはPD液晶膜厚を厚く
できる分だけ表示コントラストを向上でき、高品位画像
を表示することができる。
【0312】図70は、共通電極5701と対向電極1
801とを接続ホール5702bで接続したものであ
る。共通電極5701は画素ごとに対向電極1801と
接続している。他の点は、図57に示す表示パネルと同
様であるので説明を省略する。図70のように構成する
ことにより、対向電極1801と共通電極5701とを
両時に給電することができる。また低インピーダンスの
対向電極1801から画素ごとに共通電極5701に供
給するため、全画素の共通電極の電位が同一となり高品
位表示を実現することができる。
【0313】図71は、図57,図64,図70等の構
成を発展させたものである。TFT106の画素電極は
第1の液晶層108aと第2の液晶層108b間、第4
の液晶層108dと第3の液晶層108c間に形成さ
れ、対向電極1801aは保護膜103と第4の108
d間、対向電極1801bは第2の液晶層108bと第
3の液晶層108c間に配置され、かつ、第1の対向電
極1801aと第2の対向電極1801bとは接続部5
702bで電気的に接続されている。同様に第2の画素
電極107bと第1の画素電極107aは接続部570
2aで電気的に接続されている。
【0314】図71に示す表示パネルは液晶層108を
4層有するため、表示コントラストは極めて高い。その
ため高品位画像表示を実現できる。
【0315】図72は、本発明のパネルを用いた表示装
置の説明図である。表示パネル7201は、本発明の表
示パネルのうちいずれであってもかまわない。
【0316】図72において、導光板7204の端に棒
状の蛍光管7205が配置されている。蛍光管のまわり
は反射シート7206で囲まれている。反射シート72
06としては3M社のシルバーラックス、Ag蒸着シー
ト、Alシート等が例示される。また蛍光管7205の
直径d1は光導板7204の厚みd2はd1:d2=1:
1.2〜1.8にする。最も好ましくはd1はd2×(2
/3)前後とすることがよい。蛍光管の直径d1は2.
5mm〜4.0mmのものを用いるとよい。
【0317】蛍光管7205から放射された光は導光板
7204中を反射して伝達される。導光板の表面には拡
散剤(図示せず)が適せつに塗布されている。前記拡散
剤に入射した光は散乱され、プリズムシート7203に
入射する。
【0318】プリズムシート7203は表面に三角状の
凹凸が形成された板であり、このプリズムシートに入射
された光は狭指向性の光に変換される。プリズムシート
7203は通常2枚重ねて用いられることが多い。
【0319】プリズムシートから出射された光は偏光板
7202aに入射して偏光となり、前記偏光は本発明の
表示パネル7201に入射する。本発明の表示パネルと
は先に説明したいずれの表示パネルでもよい。また表示
パネル7201の出射側には偏光板7202bが配置さ
れる。
【0320】偏光板7202aと偏光板7202bと
は、図72のように直視型の表示パネルの場合は直交ニ
コルの関係となるように配置されることが好ましい。視
角が大きくなるからである。しかし、投射型表示装置に
用いる場合は、平行ニコルの関係に配置することが好ま
しい。スクリーン輝度を高くするためである。なお、本
発明の表示パネルの前後(入射側及び出射側)に偏光板
7202を配置または形成するとしたが、これは表示コ
ントラストを高くするためであり、多少表示コントラス
トが低くとも許容される場合は偏光板を配置しなくとも
よい。これは投射型表示装置の場合も同様である。
【0321】図72の表示装置は、A方向から表示画像
を観察する構成である。他に、図73のようにアレイ基
板を導光板とする方式も考えられる。液晶層108aは
導光板101aと対向基板110a間に狭持され、液晶
層108bは導光板101aと対向基板110b間に狭
持される。表示画像はA方向及びB方向から見ることが
できる。なお、対向基板を導光板としてもよい。導光板
の両面に対向電極1801(又はストライプ状電極)が
形成され、対向電極と第1のアレイ基板間に液晶層10
8aが狭持され、また他方の対向電極と第2のアレイ基
板間に液晶層108bが狭持される。この場合の方が、
導光板に対向電極を形成するだけでよいので表示装置を
構成しやすい。なお、導光板を対向電極基板もしくはア
レイ基板とするとしたがこれに限定するものではなく、
導光板7204に第1の対向基板(アレイ基板)を貼り
つけ(又は配置し)、また他面に第2の対向基板(アレ
イ基板)を貼りつける(又は配置する)構成でもよいこ
とは言うまでもない。この場合は、導光板7204と対
向基板(アレイ基板)間に偏光板(偏光フィルム)72
02を配置することができ、好ましい表示コントラスト
を高くできるからである。
【0322】図75,図76は、本発明の他の実施の形
態における表示パネルの構成図である。これまでに説明
した本発明の表示パネル7401からの光入射面と光出
射面7406のうち少なくとも一方には、反射光の発生
を極力小さくするために、AIRコート(図示せず)を
ほどこした透明部材7403(透明基板)を光結合層7
401を介して貼りつける。光結合層7401の材料と
してはエチレングリコール、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、シリコン接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ接着
剤等が例示される。これらは屈折率が1.40〜1.5
0以上であり、ソーダガラス等のガラス基板101の屈
折率1.52に近く、界面での不要な反射光が発生しに
くくなるからである。
【0323】留意すべき事項は、透明基板7403とア
レイ基板101等を光結合層7401で貼りつける際、
光結合層7401に空気が混入しないようにすることで
ある。空気が混入し、空気層ができると、その屈折率差
により画質異常が生じる。投射型表示装置の場合での画
質異常とは、入射光が屈折し、その箇所がスクリーンで
黒色となってしまう。空気の混入を防止するため、透明
基板7403と表示パネル7201を真空チャンバーに
入れ、真空注入法により透明基板7403と表示パネル
7201間に光結合層7401となる樹脂を注入すれば
よい。ちょうど、液晶表示パネルのギャップに液晶を注
入するのと同様にである。なお、このように光結合層7
401等を用いて光学的に反射光を生じにくいように結
合することをオプティカルカップリング(OC)するあ
るいはOCと呼ぶ。
【0324】もし、透明部材7403がなければ液晶層
108で散乱した光はアレイ基板101又は対向基板1
10と空気との界面で反射し、反射光となり、再び液晶
層108にもどり散乱する。これを2次散乱光と呼ぶ。
2次散乱光はPD液晶表示パネルの表示コントラストを
大幅に低下させる。
【0325】この2次散乱光の発生を防止するため、図
75,図76に示すように透明部材7403(透明基
板、凹レンズ等のレンズ等)を対向基板110、アレイ
基板101のうち少なくとも一方に取り付ける。透明部
材7403は光結合層7401によりオプティカルカッ
プリングして極力反射光を生じないようにする。
【0326】液晶層108で散乱した光7404は透明
部材7403の界面7406で反射し、反射光7405
となる。前記反射光7405は透明部材7403の画像
表示に有効な光が通過しない領域(以後、無効領域と呼
ぶ)、たとえば側面に形成された光吸収膜7402に入
射して吸収される。したがって2次散乱光は発生せず表
示コントラストを極めて高くすることができる。
【0327】光吸収膜7402として黒色塗料が例示さ
れる。その他遮光膜109の材料も用いることができ
る。また、無効領域の表面を研磨してあらわした構造で
あってもよい。これらも光吸収膜7402の概念に含ま
れると考えられるべきである。
【0328】図74に透明部材7403の効果を示す。
図74(a)に示すようにパネル7201に平行光線を
照射し、出射側から光変調層108の輝度を測定する。
輝度Bとは出射側基板の厚みtが、有効表示領域の対角
長に対して極めて薄く、かつ、光吸収膜7402がない
時に測定した輝度である。具体的にはd=50(mm)
に対して出射側基板の厚みが1(mm)(t=1)であ
る。
【0329】図74(b)は、縦軸を輝度比(Be/
B)とし、横軸を相対基板厚(t/d)としている。図
74(b)よりt/d=0.3で一定となり、t/d<
0.3の時、輝度比(Be/B)の低下割合が大きいこ
とがわかる。
【0330】輝度比が小さいことは表示コントラストが
高いことを示す。図74(b)によればt/d=0.2
5〜0.3以上でコントラスト向上効果は十分であり、
先のt/dの1/2であるt/d=0.15でも実用域
であることがわかる。したがって、基板の屈折率n=
1.52の時t/dは0.15以上が好ましく、さらに
は(t/d)は0.3以上が好ましい。したがって透明
基板の厚みtとパネルの対角長dの関係は次の(数1)
を満たせばよい。
【0331】
【数1】
【0332】なお透明基板7403はガラス基板に限定
するものではない。たとえば、アクリル,ポリカーポネ
ートなどの樹脂で構成してもよい。また透明基板740
3を凹レンズ7403bとすることにより、基板厚を薄
くすることができる。さらに凹レンズ7403bに正レ
ンズを7701を組み合わせれば、凹レンズ7403b
と正レンズ7701で正負の光学パワーをなくすことが
でき、見かけ上透明基板とみなせる。これらの構成展開
例を図77に示す。
【0333】以下図面を参照しながら本発明の投射型表
示装置について説明をする。図78は、本発明の投射型
表示装置の構成図である。7201は本発明の表示パネ
ルであり、たとえば、図37,図53の表示パネルで対
向電極1801を反射板としたもの。図52で対向電極
1801aを反射板としたもの。図57,図64,図6
7,図70で画素電極107を反射電極としたもの、図
69で画素電極107bを反射電極としたもの等が例示
される。
【0334】光源7801は内部に凹面鏡7801bお
よび光発生手段7801aとしてのメタルハライドラン
プ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等を配置してい
る。また光の出射側に紫外線(UV)および、赤外線
(IR)をカットするUVIRカットフィルタ7801
cが配置されている。凹面鏡7801bの曲率はランプ
7801aのアーク長および投射レンズ7806のF値
を考慮して適正値に設計する。光変調層108としてP
D液晶を用いるものをライトバルブとする場合、投射レ
ンズ7806のF値(Fナンバー)が大きいため、凹面
鏡はだ円面鏡で構成することが好ましい。
【0335】ランプ7801aから放射された光は偏光
ビームスプリッタ7802a(以後、PBSと呼ぶ)の
光分離面7803aでP偏光とS偏光に分離される。な
お、PBS7802aを透過する光をP偏光とし、光分
離面7803aで反射する光をS偏光とする。
【0336】P偏光はλ/2板7901で偏光面が90
度回転される。λ/2板とは(ポリビニィールアルコー
ル(PVA)、ポリカーボネート、ポリビニールサルホ
ン、ポリエステル等の樹脂シートを延伸することにより
一方向に分子を略配置させ、位相差をもたせてフィルム
又は板である。前記λ/2板7901を出射した光は、
PBS7902bの光分離面7803bで反射され表示
パネル7201の液晶層108aに入射する。ここでは
表示パネル7201は光変調層としてTN液晶等を用い
る。偏光方式の表示パネルであるとして説明する。な
お、PD液晶を用いた場合は、PBSと表示パネル72
01間に偏光板を配置すればよい。
【0337】PBS7802bから入射された光は、液
晶層108aで各画素電極等に印加された信号にもとづ
いて変調され、P偏光に変換される。前記P偏光はPB
S7802bの光分離面7803bを透過し、ミラー7
805aで反射されてる。ミラー7805aで反射され
た光は投射レンズ7806bでスクリーン7807bに
拡大投射される。
【0338】一方、PBS7802aの光分離面780
3cで反射され光はリレーレンズ7804を透過してミ
ラー7805bで反射されて進行方向を90度曲げられ
る。リレーレンズ7804を配置するのは、表示パネル
7201までのS偏光の経路とP偏光の経路とが異なっ
ているためである。
【0339】ミラー7805bで反射された光はPBS
7802cの光分離面7803cで反射され表示パネル
7021の液晶層108bに入射する。前記光は各画素
電極等に印加された電圧にもとづき、P偏光に変換さ
れ、変換されたP偏光はPBS7802cの光分離面7
803cを透過し、ミラー7805cで反射されて投射
レンズ7806aに入射する。投射レンズ7806aに
入射した光はスクリーン7807aに拡大投射される。
【0340】投射レンズ7806aはスクリーン780
7aに光を投射し、投射レンズ7806bはスクリーン
7807bに光を投射するとしたが、これに限定するも
のではなく、投射レンズ7806aと7806bで投射
する光を1つのスクリーンに重ねて投射してもよいこと
は言うまでもない。
【0341】以下、本発明の他の実施の形態について順
次説明をする。なお、以下も同様にライトバルブとして
用いる表示パネルは本発明の表示パネルを採用してい
る。
【0342】図79は、透過型の表示パネルをライトバ
ルブとして用いる投射型表示装置の構成図である。
【0343】発光ランプ7801aから放射された光は
UVIRカットフィルタ7801cでUV光およびIR
光がカットされる。前記光はPBS7802に入射す
る。PBS7802の光分離面7803で反射した光は
ミラー7805aで反射した後、λ/2板7901で偏
光軸を90度回転させた後、λ/2板7901から出射
される。また投射レンズ7806の入射側には偏光手段
(偏光板又はPBS)7902が配置され、前記偏光手
段7902の偏光軸(偏光方向)はλ/2板7901を
出射する偏光軸(偏光方向)と略一致させている。
【0344】PBS7802を出射した光はダイクロイ
ックミラー(DM)7903aおよび7903bでR、
G、Bの3原色光の光路に分離され、それぞれの光路に
配置された本発明のライトバルブ7201により変調さ
れる。変調された光はダイクロイックミラー7903c
および7903dで一つの光路に合成されて投射レンズ
7806によりスクリーン(図示せず)で拡大投射され
る。
【0345】以上のように本発明の投射型表示装置では
本発明のライトバルブを用い、かつ前記ライトバルブに
偏光を入射させることにより良好な表示コントラストを
実現できる。なお偏光板7902はなくても実用上十分
な表示コントラストは実現できることは言うまでもな
い。なぜならライトバルブ7201に入射する入射光が
偏光であれば良好な散乱特性を得ることができるからで
ある。
【0346】以下、本発明の投射型表示装置に共通する
仕様について記載する。なお、以下の値あるいは値の範
囲は、特に高分子分散液晶を光変調層とする液晶表示装
置をライトバルブとして用いる投射型表示装置として重
要な事項である。
【0347】本発明の投射型表示装置において、光利用
率の向上の観点から、パネル有効表示サイズ(パネルの
表示領域)を小さくなれば、照明光のFナンバーは大き
くする必要がある。パネル有効表示サイズdを大きくす
れば、照明光のFナンバーは小さくでき、結果として明
るい大画面表示を実現できる。しかし、パネル有効表示
サイズが大きくなると投射型表示装置のシステムサイズ
は大きくなり好ましくない。また、パネル有効表示サイ
ズが小さくなればパネルの表示領域に入射する単位面積
あたりの光束が増大し、パネルを加熱して好ましくな
い。
【0348】また、発光体輝度をランプ寿命を考慮して
1.2×108(nt)と一定とする。また、アーク長
とランプの消費電力はおよそ比例すると考えられる。メ
タルハライドランプの効率は80(1m/W)である。
50(W)のランプの全光束は4000(1m)、10
0(W)のランプの全光束は8000(1m)、150
(W)のランプの全光束は12000(1m)となる。
ランプのアーク長とランプ消費電力には相関があり、ア
ーク長とFナンバーとは相関がある。
【0349】投射型表示装置において投射画像の画面サ
イズが40インチ以上で、かつ実用域の視角および画像
の明るさを得るためには300〜400(1m)以上の
光束が必要である。したがって、仮に、ランプの光利用
率が4%程度とすると、100(W)以上のランプを用
いなければならない。
【0350】また、パネル有効表示サイズも小さいと十
分な表示輝度を得ることができない。パネル有効表示サ
イズはアーク長が3−4(mm)、照明光の有効F値を
7とすると、3.5インチ前後の大きさが必要である。
アーク長が5(mm)程度、パネル有効表示サイズが2
インチ強であれば、照明光の有効F値は5弱となる。こ
の場合、表示輝度は実用域となるが、良好な表示コント
ラスト(CR)は望めない。
【0351】以上のことを実験および検討した結果、ア
ーク長a(mm)とパネルの有効表示(画像表示範囲)
領域の対角長d(インチ)とは以下の関係を満足する必
要がある。また、アークの幅kは(数2)の関係を満足
させる。
【0352】
【数2】
【0353】なお、パネルの有効表示領域の対角長はシ
ステムサイズの点から5インチ以下でなければならな
い。また、光利用効率の点から1.0インチ以上でなけ
ればならない。中でも十分な光集光効率を得、かつコン
パクトにするためには好ましくは1.5インチ以上4.
5インチ以下にしなければならない。
【0354】投射レンズのFナンバー、広義には投射光
学系のFナンバーは、良好なコントラスト(CR)を得
るために5以上でなければならない。また、十分なスク
リーン輝度を得るために10以下でなければならない。
さらに前述のランプのアーク長を考慮すればFナンバー
は6以上10以下でなければならない。
【0355】また、照明光の光の広がり角(Fナンバ
ー)を投射レンズの集光角(Fナンバー)は略一致させ
なければ光利用率は低下する。これは、Fナンバーが大
きい方に制約を受けるからである。本発明の投射型表示
装置の照明光のFナンバーと投射レンズのFナンバーは
一致させている。
【0356】なお、以上の記載において、たとえばラン
プのアーク長が5mmとは、“実質的に5mm”である
ことを意味する。実質的に5mmとは、アーク長が8m
mであっても、前記アークから放射された光の内、投射
レンズが、アークの中央部の5mm付近から放射した光
しか集光できなければ、実質的にアーク長は5mmとな
る。同様にFナンバーとは有効Fナンバーを意味する。
たとえ物理的なFナンバーが4でも、光が投射レンズの
瞳の中央付近しか通過していなければ、当然Fナンバー
は4以上である。
【0357】図80は、本発明の他の実施の形態におけ
る投射型表示装置の構成図である発光ランプ7801a
から出射した光はPBS7802によりP偏光とS偏光
に分離される。今、仮に光分離面7803を通過する光
をP偏光、反射する光をS偏光とする。P偏光の光はR
フィルタ8001aによりR光のみがフィルタ8001
aを通過する。一方S偏光はリレーレンズ7804によ
り液晶表示パネル7201aと7201bまでの光路長
を調整され、ミラー7805aで反射されBフィルタ8
001bでB光のみがフィルタ8001bを通過する。
R光は液晶表示パネル7201aに、B光は液晶表示パ
ネル7201bに入射する。
【0358】液晶表示パネル7201で変調された光は
ミラー7805で反射され、反射型プリズム8002に
入射する。1例として反射型プリズムとは2等辺三角プ
リズムに反射ミラーが形成されたものである。プリズム
8002で反射さた光は偏光板7902に入射し投射レ
ンズ7801でスクリーン7807に拡大投射される。
【0359】液晶表示パネル7201aは赤色光を変調
し、その画像がスクリーン7807に投射される。一
方、液晶表示パネル7201bは青色光を変調し、その
画像がスクリーン7807に投射される。したがって、
スクリーン7807には赤と青の2色の画像が表示され
る。これを片眼が赤、他方が青色のフィルタを取り付け
られためがねでみれば立体表示を見ることができる。当
然のことながら液晶表示パネル7201aに入力する映
像信号と液晶表示パネル7201bに入力する映像信号
とはカメラ等で撮影する際に立体画像(3Dと呼ぶ)と
なるようにしておく必要はある。
【0360】フィルタ8001がなく、液晶表示パネル
7201にカラーフィルタが取り付けられ、λ/2板7
901、偏光板7902がないように構成する。その
際、右眼と左眼に偏光軸を90度異なるめがねをかける
ことによりカラー表示の3Dを観察することができる。
【0361】以上は液晶表示装置22に偏光を入射させ
るため、入射側等に偏光手段を配置する構成の投射型表
示装置の実施の形態であった。しかし、これらの偏光手
段がなくとも実用上は十分な画像表示を実現できること
は言うまでもない。以下その実施の形態について順次説
明する。
【0362】図81は、本発明の投射型表示装置の構成
図である。7903aはB光を反射させるダイクロイッ
クミラー(BDM)、7903bはG光を反射させるダ
イクロイックミラー(GDM)、7903cはR光を反
射させるダイクロイックミラー(RDM)である。な
お、BDM7903aからRDM7903cの配置は同
図の順序に限定するものではない。また、最後のRDM
7903cは全反射ミラーにおきかえてもよいことは言
うまでもない。
【0363】R光を変調する液晶表示パネル7903c
の液晶層の膜厚108を他のGおよびB光を変調する液
晶表示パネル7903a、7903bの液晶層の膜厚1
08に比較して厚めにして構成する。また、変調する光
の波長に応じては、液晶の水滴状液晶の平均粒子径また
はポリマーネットワークの平均孔径を変化させている。
変調の光の波長が長くなるほど前記平均粒子または平均
孔径は大きくする。これは光が長波長になるほど散乱特
性が低下しコントラストが低くなる傾向があるからであ
る。このことは先の実施の形態および後に示すに対して
も適用すべきである。8103はしぼりとしてのアパー
チャである。なお、アパーチャ8103は、投射型表示
装置の動作の説明上図示したものである。アパーチャ8
103は、投射光学系の集光角を規定するものであるか
ら、投射光学系の機能に含まれるものとして考えればよ
い。つまり投射光学系のF値が大きければアパーチャ8
103の穴径は小さいと考えることができる。高コント
ラスト表示を得るためには投射光学系のF値は大きいほ
どよい。しかし、大きくなると白表示の輝度は低下す
る。具体的にはアパーチャは用いず、投射レンズ780
6の機能にアパーチャの機能は含まれる。
【0364】図82は、図81をより具体的に表すため
に斜視図で図示したものである。8201はフィールド
レンズである。ただし、リレーレンズなどの説明に不要
な部品は省略している。また、図82に示した投射器
(光学ブロック)8301を用いた投射型表示装置のキ
ャビネット8302の構成を図83に示す。キャビネッ
ト8302の前側上部に透過型のスクリーン7807を
配置し、下部後方に投射器8301を配置し、下部前方
に平面ミラー501dを配置し、スクリーン7807の
後方に平面ミラー7805eを配置している。投射距離
(投射レンズからスクリーン7807中心までの光路
長)を短くし、投射器8301を小型にすることによ
り、キャビネット8302をコンパクトにすることがで
きる。
【0365】以下、本発明の投射型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。
【0366】光源7801から白色光が照射され、この
白色光のB光成分はBDM7903aにより反射され
る。このB光は液晶表示パネル7201aに入射する。
液晶表示パネル7201aは、各画素電極107に印加
された信号により入射した光の散乱と透過状態とを制御
し光を変調する。
【0367】散乱した光はアパーチャ8103aで遮光
され、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ8
103aを通過する。変調された光は投射レンズ780
6によりスクリーン7807に拡大投影される。以上の
ようにして、スクリーン7807には画像のB光成分が
表示される。同様に液晶表示パネル7201bはG光成
分の光を変調し、また、液晶表示パネル7201cはR
光成分の光を変調して、スクリーン7807上にはカラ
ー画像が表示される。
【0368】図81は、3つの液晶表示パネル7201
を用いる構成であったが、図84に示すように3つの表
示領域を有する1つの液晶表示パネルを用いれば投射型
表示装置の構成を簡略化できる。
【0369】図84の液晶表示パネルは1つのアレイ基
板101上に3つの表示領域(B、G、R)を有する。
つまりマトリックス状に画素電極107が形成された表
示領域を3つもつ。対向基板110は、図84に示すよ
うに3つの対向基板に分けても良いが、3つの表示領域
に対し一つの対向基板110でもよい。ゲートドライブ
回路302は表示領域Bの左側(302a)と、表示領
域Rの右側(302b)に形成もしくは配置される。ソ
ースドライブ色301はそれぞれの表示領域(R、G、
B)に対して個々に形成もしくは配置される。
【0370】ゲートドライブ回路302aは奇数番目の
ゲート信号線が接続され、偶数番目のゲート信号線はゲ
ートドライブ回路302bに接続される。このようにゲ
ート信号線を接続することによりゲート信号線への信号
の遅延等により生じる表示画像の左右輝度ムラを防止で
きる。これはゲート信号線に抵抗があるため一時刻でみ
たとき、ゲートドライブ回路302の出力近傍の電圧と
信号線端の電圧とが異なるために生じる。図84のよう
にすれば、R、B表示領域ではくし状に輝度ムラが生じ
るおそれはあるが、視覚的に認識されることはない。
【0371】図85は、図84の液晶表示装置をライト
バルブとして用いた投射型表示装置の構成図である。以
上の構成にすることにより、図84に示す表示領域間距
離hを短くすることができる。したがって投射器830
1を小型化できる。また3つの表示領域を同時に位置決
め調整できるため、ピント調整等を高速かつ容易に行え
る。
【0372】図81,図85は、3つの投射レンズ78
06によりスクリーン7807に拡大投影する方式であ
るが、一本の投射レンズ7806で拡大投射する方式も
ある。その構成図を図86に示す。
【0373】ここでは説明を容易にするため、7201
bをG光の映像を表示する液晶表示パネル、7201a
をR光の映像を表示する液晶表示パネル、7201cを
B光の映像を表示する液晶表示パネルとする。したがっ
て、各ダイクロイックミラー7903を透過および反射
する波長は、ダイクロイックミラー7903aはR光を
反射し、G光とB光を透過する。ダイクロイックミラー
7903bはG光を反射し、B光を透過させる。ダイク
ロイックミラー7903cはR光を透過し、G光を反射
させる。また、ダイクロイックミラー7903dはRお
よびG光を透過させ、B光を反射する。
【0374】光源7801aから出射された光は全反射
ミラー7805aにより反射され、光の方向を変化させ
られる。前記光はダイクロイックミラー7903a、7
903bによりR・G・B光の3原色の光路に分離さ
れ、R光はフィールドレンズ8201aに、G光はフィ
ールドレンズ8201bに、B光はフィールドレンズ8
201cに入射する。各フィールドレンズ8201は各
光を集光し、液晶表示パネル7201はそれぞれ映像信
号に対応して液晶層108の配向を変化させ、光を変調
する。このように変調されたR・G・B光はダイクロイ
ックミラー7903c、7903dにより合成され、投
射レンズ7806によりスクリーン7807に拡大投影
される。
【0375】なお、図86に示す構成を投射器8301
としてキャビネット8302に配置すれば、図83に示
すリア型の投射型表示装置を構成できる。
【0376】低温または高温ポリシリコン技術で作製し
た液晶表示パネルを3枚用いて、図86の構成の投射型
表示装置を構成する場合、1つの課題がある。1つの液
晶表示装置のソースドライブ回路302もしくはゲート
ドライブ回路301の走査方向を他の液晶表示装置に対
して反対方向にする必要があるからである。
【0377】たとえば、図86では、図78に示すよう
に液晶表示パネル7201bのゲートドライブ回路30
1の走査方向を他の液晶表示装置のゲートドライブ回路
301の走査方向に対して反対方向にする必要がある。
これはダイクロイックミラー(DM)7903により画
像が上下反転するためである。スクリーン上で3つの液
晶表示パネルの投射画像を重ねるためには1つの液晶表
示パネルの画像を反転させる必要がある。図86の構成
を縦展開構成と呼ぶ。一方、他の構成(横展開構成)で
は、液晶表示パネル7201bのソースドライブ回路3
02の走査方向を反対方向にする必要がある。
【0378】しかし、ポリシリコン液晶表示パネルは、
ドライブ回路を1つの基板内に画素TFTと同時に形成
する必要があるため、設計が複雑な左右反転回路もしく
は上下反転回路を有するドライブ回路を形成することは
困難、また形成するとパネル歩留まりが低下する。ま
た、トランジスタのモビリティが100程度と小さいた
め、複雑は回路構成では高クロック動作が困難である。
【0379】そこで、表示パネルに上下反転または/お
よび左右反転機能をつけず、あらかじめメモリで上下あ
るいは左右反転させて表示パネル7201bに供給す
る。これはフィールド(フレーム)メモリあるいはライ
ンメモリを用いることにより容易に実現できる。
【0380】以下、図87などに示す反射型の液晶表示
パネル等をライトバルブとして用いた投射型表示装置の
構成である。
【0381】投射レンズ7806は液晶表示パネル側の
第1レンズ群7806bとスクリーン側の第2レンズ群
7806aとで構成され、第1レンズ群7806aと第
2レンズ群7806bとの間には平面ミラー7805が
配置されている。液晶表示パネル7201の画面中心に
ある画素から出射する散乱光は、第1レンズ群7806
bを透過した後、約半分が平面ミラー7805に入射
し、残りが平面ミラー7805に入射せずに第2レンズ
群7806aに入射する。平面ミラー7805の反射面
の法線は投射レンズ7806の光軸8702に対して4
5°傾いている。光源7806からの光は平面ミラー7
805で反射されて第1レンズ群7806bを透過し、
液晶表示パネル7201入射する。液晶表示パネル72
01からの反射光は、第1レンズ群7806b、第2レ
ンズ群7806aの順に透過してスクリーンに到達す
る。投射レンズ7806の絞りの中心から出て液晶表示
パネル7201に向かう光線は、液晶層108にほぼ垂
直に入射するように、つまりテレセントリックとしてい
る。
【0382】ここでは説明を容易にするために、R光を
変調するパネルは液晶表示パネル7201a、G光を変
調するパネルは液晶表示パネル7201b、B光を変調
するパネルは液晶表示パネル7201cであるとして説
明する。
【0383】図87において、ダイクロイックミラー7
903は色合成系と色分離系を兼用している。光源78
01からの出射された白色光は平面ミラー7805によ
りおりまげられ、投射レンズ7806の第1群7806
bに入射する。UVIRカットフィルタ7801cの帯
域は半値の値で430nm〜690nmである。以後、
光の帯域を記述する際は半値で表現する。ダイクロイッ
クミラー7903aはR光を反射し、B光およびG光を
透過させる。R光はダイクロイックミラー7903cで
帯域制限され液晶表示パネル7201aに入射する。R
光の帯域は600〜690nmとする。一方、ダイクロ
イックミラー7903bはB光を反射し、G光を透過さ
せる。B光は液晶表示パネル7201bに、R光は液晶
表示パネル7903aに入射する。入射するB光の帯域
は430nm〜490nm、G光の帯域は510nm〜
570nmである。これらの光の帯域は本発明の他の投
射型表示装置についても同様である。各液晶表示パネル
7201はそれぞれの映像信号に応じて散乱状態の変化
として光学像が形成する。各液晶表示パネル7201で
形成された光学系はダイクロイックミラー7903で色
合成され、投射レンズ7806に入射し、スクリーン7
807上に拡大投射される。
【0384】また、液晶表示パネル7201に入射する
光は、対向電極1801から反射電極107(入射経
路)、反射電極107から対向電極1801(出射経
路)と、2回にわたり、液晶層108を通過することに
なる。したがって、見かけ上、透過型の液晶表示パネル
に比較して液晶膜厚が2倍に形成したのと同等になる。
そのため、透過型の液晶表示パネルに比較して、散乱性
能が向上し、高コントラスト表示を実現できる。
【0385】ダイクロイックミラー7903は、特定の
波長の光を反射(透過)させるフィルタとして機能す
る。たとえば、ダイクロイックミラー7903bは、光
源7801からの光が、液晶表示パネル7201bに入
射する際に、特定の波長の光を反射する。また、液晶表
示装置パネル7201bで反射した光が、投射レンズ7
807に入射する際に、特定の波長の光を反射する。
【0386】1つのダイクロイックミラー7903は、
液晶表示パネル7201に入射する際と、出射する際の
2回光を反射する。図87の構成では、1つのダイクロ
イックミラー7903で、2回、光の波長の帯域制限を
する。つまり、ダイクロイックミラー7903は2次の
フィルタとして機能している。図86のダイクロイック
ミラー7903に比較して、帯域制限をするカットオフ
特性が急峻となる。そのため、各液晶表示パネル720
1に入射する光の帯域にオーバーラップが生じない。し
たがって、色再現性が良好となり、高品位の画像表示を
実現できる。
【0387】また、ダイクロイックミラー7903を色
分離機能と色合成機能とを兼用することにより、投射型
表示装置のシステムサイズの小型化を実現している。
【0388】図87に示す本発明の反射方式の投射型表
示装置において光分離面に入射する光の入射方向と出射
方向に注意する必要がある。具体的には、図87は、図
88の如くする必要がある。つまり、図87は、図示お
よび説明を容易にするために表示したのにすぎない。以
下、図88のようにすべき理由について説明をする。
【0389】図87に示した構成の場合、光源7801
からの出射光とが液晶表示パネル7201上を照明する
照明光の光軸8701aと、液晶表示パネル7201に
よって反射され投射レンズ7806を経てスクリーン7
807に到達する投射光の光軸8701bは、ダイクロ
イックミラー7903に入射する角度が互いに異なる。
ダイクロイックミラー7903は一般に透明基板上に誘
電体多層膜を蒸着し、特定の波長帯域の光を透過、また
は反射するものが用いられる。このタイプのダイクロイ
ックミラーは、光線の入射角依存により分光性能がシフ
トするという特性を持ち、図87のように光軸8701
aと光軸8701bが異なる角度で入射する場合は、色
分離する分光特性と色合成する分光特性が互いに異なる
ため、所望の色純度の投射画像を得ることは困難であ
る。
【0390】図88の投射型表示装置の構成では、照明
光の光軸8701aと、液晶表示パネル7201によっ
て反射され、投射レンズ7806により投射される投射
光の光軸8701bとが、液晶表示パネル7201の中
心法線とダイクロイックミラー等の光分離面の中心法線
とを含む平面に対し対称にできる。したがって、光分離
面への入射角を互いに等しくすることができる。従っ
て、色分離後の分光性能と色合成後の分光性能が一致
し、スクリーン7807上に表示される投射画像は所望
の色純度を得ることができる。
【0391】このように、図88の投射型表示装置の利
点は明らかなように、自然光を利用した反射型の液晶表
示パネルを用いた場合の色純度が良好で、かつ色均一性
に優れた投射画像の表示を容易に実現できることであ
る。
【0392】ダイクロイックミラー7903a,790
3bはガラス基板に低屈折率層と高屈折率層とを交互に
積層した誘電体多層膜を蒸着したものであり、色分離合
成面はいずれも液晶表示パネル7201a,7201
b,7201cの光変調層108に対して45゜の角度
で配置されている。
【0393】ランプ7801aから出射した光はコール
ドミラー7805a、ミラー7805を経てダイクロイ
ックミラー7903a,7903bに順次入射する。ダ
イクロイックミラー7903a,7903bに入射した
光はR、G、Bの3原色光に分離され、それぞれ対応す
る3つの液晶表示パネル7201に入射し、その反射光
は再びダイクロイックミラー7903a,7903bに
入射する。R,G,Bの3原色光はダイクロイックミラ
ー7903a,7903bによって合成され、開口絞り
を透過した後、投射レンズ7806によってスクリーン
7807上に拡大投射される。
【0394】液晶表示パネル7201に入射した光のう
ち、散乱状態の画素に入射し、散乱光となって反射され
た光は投射レンズ7806の開口絞り、またはレンズ鏡
筒(図示せず)の内壁によってその大部分が遮光されて
黒表示となる。一方、非散乱状態の画素に入射し、正反
射されて進行する光は投射レンズ7806の開口絞り、
及び投射レンズ7806を構成するレンズ群を透過し、
白表示としてスクリーン7807に到達する。このよう
にして液晶表示パネル7201上で散乱モード、非散乱
モードとして変調された光学像がスクリーン上に投射画
像として表示される。
【0395】図88に示す構成では、光源7801から
出射する照明光の光軸8701aと液晶表示パネル72
01によって反射された投射光の光軸8701bとを含
む平面が、液晶表示装置パネル7201の中心法線とダ
イクロイックミラー7903a,7903bの中心法線
とを含む平面に対して垂直に配置されているので、光軸
8701aと光軸8701bを含む面はダイクロイック
ミラー7903a,7903bの色分離合成面と45゜
の角度をなしている。従って、照明光、投射光ともに同
じ入射角45゜でダイクロイックミラー7903a,7
903bに入射させることができる。
【0396】ダイクロイックミラー7903a,790
3bの分光透過率を図89(a),(b)に示す。図8
9(a)は、ダイクロイックミラー7903aへの光線
入射角が45゜の場合の分光透過率を示すもので、ダイ
クロイックミラー7903aはR光を反射し、G光、B
光を透過するタイプである。
【0397】本実施の形態の構成によれば、色分離の場
合の分光性能の、色合成した場合の分光性能が一致する
ため、図89(a),(b)に示した分光性能をそのま
ま投射画像に反映することができる。
【0398】比較のため、以下に、図87の従来例で示
した構成した場合について説明する。照明光の光軸87
01aが液晶表示パネル7201へ仮に5゜で入射する
ように構成すると照明光の光軸8701aと投射光の光
軸8701bは10゜の角度をなし、照明光のダイクロ
イックミラー7903a,7903bへの入射角は40
゜、投射光のダイクロイックミラー7903a,790
3bへの入射角は50゜となる。
【0399】入射角が40゜の場合と入射角が50゜の
場合の分光透過率を図90(a),(b)に示す。図9
0(a)は、ダイクロイックミラー7903a、図90
(b)は、ダイクロイックミラー7903bの分光透過
率を示したもので、図中の実線は光線の入射角が40゜
の場合、点線は光線の入射角が50゜の場合を示してい
る。
【0400】図90(a),(b)より、入射角依存に
よる波長シフトのため照明光の分光性能と投射光の分光
性能が大幅に異なり、光の利用効率を低下させずに所望
の色純度を得ることは困難であることがわかる。
【0401】同様に、投射光と照明光のダイクロイック
ミラー7903に入射する角度を考慮するという技術的
思想は本発明の他の反射型の投射型表示装置にそのまま
適用できる。このことはダイクロイックミラーをダイク
ロイックプリズムにおきかえても同様に適用できる。
【0402】図91は、ダイクロイックプリズム910
1を用いて色分離色合成を行う投射型表示装置の構成図
である。ダイクロイックプリズム9101には2つの光
分離面7803a、7803bを有しており、前記光分
離面7803で白色光をR・GおよびBの3原色光に分
離する。各液晶表示パネル7201は光結合層7401
を介してダイクロイックプリズム9101に取りつけら
れている。つまり、ダイクロイックプリズム9101に
は光結合層7401でオプティカルカップリング(O
C)されて貼り付けられている。プリズム9101の無
効領域(画像表示に有効な光が通過しない領域)には光
吸収膜7402が塗布されている。
【0403】図91において、液晶表示装置22cはR
光を変調し、光分離面7803aはR光を反射するとす
る。入射光は光分離面7803aで反射して液晶表示パ
ネル7201aの光変調層108aに入射する。光変調
層108aに入射した光は画素電極107に印加された
電圧の大きさに応じて散乱させる。散乱されなかった光
は再び光分離面7803aで反射して出射光となる。散
乱した光のそのほとんどがプリズム9101の無効領域
に形成された光吸収膜7402に入射して吸収される。
以上のようにして液晶層108で散乱された光のほとん
どは光吸収膜7402で散乱光は光入出射面9201か
ら出射され、出射光となり、投射レンズ7806で投射
されることはない。なお、液晶表示パネル7201c、
7201bでも動作は液晶表示パネル7201aと同様
であるので省略をする。
【0404】プリズム9101に液晶表示パネル720
1をオプティカルカップリングし、かつプリズム910
1の無効領域に光吸収膜7402を形成もしくは配置す
るという構成は、図93の構成にも適用することができ
る。
【0405】図93は、プリズム7101aに液晶表示
パネル7201aおよび7201bをオプティカルカッ
プリングし、三角プリズム9101cに液晶表示パネル
7201cをオプティカルカップリングした構成であ
る。ダイクロイックミラー7903は平面状であるの
で、筐体に位置決めすることがむつかしい。ダイクロイ
ックミラー7903の少しのかたむきでスクリーンに3
つのライトバルブ7201の光学像位置ずれが発生す
る。また経時変化(そり等)が発生しやすく3つの液晶
表示パネル7201の結像の位置ずれが発生しやすい。
図93の構成であれば経時変化に安定でかつ結像の位置
の調整がやりやすい。なお、液晶表示パネル7201で
散乱した光を光吸収膜7402で吸収し液晶層108へ
のもどり光をなくし、2次散乱光の発生を防止するとい
う効果は、図91と同様であるので説明を省略する。ま
た、液晶表示パネル7201とプリズム9101と一体
として構成し(光学部品として)すれば、液晶表示パネ
ル7201位置調整機構もいらず調整工程を大幅に短縮
できることは言うまでもない。
【0406】なお、図93及び、次に説明する図94の
照明系はリレーレンズ8101を用いて構成し、また凹
面鏡7801bはだ円面鏡を採用している。このように
することにより照明光のF値を大きくすることができ、
表示コントラストを向上できる。
【0407】図94は、L形のプリズム911に3つの
液晶表示パネル7201を取り付けた構成である。図9
4の構成と比較してプリズムが1つですみ、結像の調整
が容易であり、液晶表示パネル7201の位置調整が全
く不要となる。なお、光吸収膜7402の形成領域も広
範囲にできるので2次散乱光の発生も少なく、極めて良
好な表示コントラストを実現できる。
【0408】次にさらに投射型表示装置において高輝度
表示を維持しながら、表示コントラストを高くする方法
について説明する。図95は、前記方法を実現するため
の第1の実施の形態である。投射レンズ7806は、前
レンズ群9501aと後レンズ群9501bから構成さ
れる。出力部収束レンズ9507と後群レンズ9501
bは、絞り9506と絞り9508を互いに共役の関係
とするように機能する。
【0409】入力部収束レンズアレイ9504は、複数
の入力部収束レンズ9509を二次元状に配列して構成
する。その構成の一例を図96に示す。矩形の開口を有
する10個の入力部収束レンズ9509を正円の領域に
内接するように配列している。10個の入力部収束レン
ズ9509は、同一開口形状の平凸レンズであり、矩形
開口の長辺と短辺の比を4:3としている。また、液晶
表示パネルが、ハイディフィニッションテレビ(HDT
V),ワイドテレビ(WDTV)用のように横長の場合
は16:9とする。
【0410】同様に中央部収束レンズアレイ9505
は、複数の中央部収束レンズ9510を二次元状に配列
して構成する。入力部収束レンズ9509と同数で同一
開口を有する中央部収束レンズ9510を、入力部収束
レンズアレイ9504と同様に配列している。
【0411】投射型表示装置における照明の手順を説明
する。メタルハライドランプ7801aの発光体950
2から放射される光は、放物面鏡7801bにより反射
されて光軸8702とおよそ平行に進行し、入力部収束
レンズアレイ9504に入射する。放物面鏡7801b
から出射する光の断面形状は一般に正円となるので、入
力部収束レンズ9509の開口の総和がこれに内接する
ように入力部収束レンズアレイ9504を構成する。入
力部収束レンズアレイ9504を通過した光は、入力部
収束レンズ69509と同数の部分光束に分割され、各
部分光束は、PD液晶表示パネル7201の表示領域を
照明する。
【0412】入力部収束レンズ9509を通過した光
は、各々、対応する中央部収束レンズ9510の開口に
導かれて収斂される。中央部収束レンズ9510の各々
の開口上には、二次発光体、例えば9511A、951
1Bが形成される。中央部収束レンズアレイ9505上
に形成される複数の二次発光体9511の一例を、図9
7に模式的に示す。中央部収束レンズ9510は、各
々、対応する光をPD液晶表示パネル7201の表示領
域上に有効に伝達する。具体的に、対応する入力部収束
レンズ9509の主平面上の物体、例えば、9512
A、9512B、の実像9503をPD液晶表示パネル
7201の表示領域近傍に形成する。ただし、各々の中
央部収束レンズ9510は適当に偏心させており、複数
の像を重畳させて1つの実像9503を形成する。
【0413】以上の構成によれば、PD液晶表示パネル
7201の表示領域と入力部収束レンズ9509の各々
の開口とは、互いにおよそ共役の関係となる。従って、
入力部収束レンズ9509の開口をPD液晶表示パネル
7201の表示領域と相似形状とすれば、照明光の断面
と表示領域の形状を整合させて、光損失を抑制できる。
【0414】一般に、放物面鏡などの凹面鏡から出射す
る光には、比較的大きな明るさむらがある。明るさむら
の大きい光をそのまま伝達してPD液晶表示パネル72
01を照明すると、投射画像の明るさの均一性が低下す
る。明るさが比較的均一な領域のみを利用して照明する
と、利用できない光が増加するので光利用効率が低下す
る。これに対し、本発明の投射型表示装置は、高い光利
用効率を得ると共に、明るさの均一性の優れた投射画像
を得ることができる利点がある。その理由を以下に述べ
る。
【0415】入力部収束レンズアレイ9504は、明る
さむらの大きな光を複数の部分光束に分割する。各部分
光束の入力部収束レンズ9509の開口上における明る
さむらは、分割前の光束断面の明るさむらと比較して小
さい。中央部収束レンズ9505の各々は、明るさむら
の少ない部分光束を適当な大きさに拡大し、PD液晶表
示パネル7201の表示領域上に重畳させる。従って、
明るさの均一性の良好な照明を実現できる。
【0416】入力部収束レンズ9509の開口の総和を
入射する光束の断面に内接させるので、入力部収束レン
ズアレイ9504における光損失は少ない。また、中央
部収束レンズ9510の開口の各々を二次発光体951
1に対して十分な大きさとするので、中央部収束レンズ
アレイ9505における光損失は少ない。さらに、PD
液晶表示パネル7201に入射する光の断面を表示領域
の形状に整合させるので、PD液晶表示パネル7201
における光損失は少ない。従って、発光体9502から
放射される光の大部分は、放物面鏡7801bにより反
射され、入力部収束レンズアレイ9504、中央部収束
レンズアレイ9505、出力部収束レンズ9507、P
D液晶表示パネル7201、を通過して投射レンズ78
06に到達する。従って、投射レンズ7806における
光損失を抑制すれば、高い光利用効率を実現し、明る
く、明るさの均一性の優れた投射画像を得る。
【0417】ところで、中央部収束レンズアレイ950
5上には離散的に複数の二次発光体9511が形成され
るので、この場合の照明光の有効Fナンバーは、二次発
光体9511の面積の総和から等価的に換算される照射
角から定める必要がある。一方、PD液晶表示パネル7
201から光軸8702と最も角度を成して出射する光
の集光角は、この等価的な照射角よりも大きな値とな
る。従って、光損失を抑制するためには、投射レンズ7
806の有効Fナンバーを照明光の実効的な有効Fナン
バーよりも小さくする必要がある。これは、PD液晶表
示パネルの場合に、投射画像のコントラストを低下させ
るので問題がある。
【0418】これに対し、本実施の形態の投射型表示装
置は、絞り9506と絞り9508の働きにより、光損
失を増加させることなく照明光側と投射レンズ側の開口
をいずれも必要最小限の大きさにできるので、コントラ
ストの低下を抑制できる。具体的には、離散的に形成さ
れる二次発光体9511の有効領域に合わせて、照明光
側の絞り9506の開口を図98に示すような形状とす
る。破線は、図97の中央部収束レンズ9510の各々
の開口に対応する。また、投射レンズ側の絞り9508
の開口上には二次発光体9511の実像が形成されるの
で、絞り9508の開口形状も、絞り9506の開口形
状と同様にする。これにより、絞り9506を通過した
光は絞り9508を通過するので、高い光利用効率を実
現できる。同時に、投射レンズ7806は照明光が必要
とする必要最小限の開口を提供するので、コントラスト
の高い表示画像を実現できる。その結果、明るく高画質
の投射画像を提供できるので、非常に大きな効果を得る
ことができる。
【0419】本発明の投射型表示装置に用いる入力部収
束レンズアレイ9504、中央部収束レンズアレイ95
05、絞り9506、絞り9508は、以下のように構
成するとなお良い。図99は、この場合の中央部収束レ
ンズアレイ9505の構成を示す。一般に、二次発光体
9511の大きさは、光軸近傍に位置する入力部収束レ
ンズ9509の形成するものほど大きい。従って、中央
部収束レンズ9510の各々の開口は必ずしも同一であ
る必要はなく、二次発光体9511の各々に対して必要
十分な大きさとすればよい。開口を有効に異ならせた複
数の中央部収束レンズ9510を凝集して配列し、中央
部収束レンズアレイ9505を構成すれば、開口領域の
総和を小さくできる利点がある。中央部収束レンズアレ
イ9505と組み合わせる入力部収束レンズアレイは、
図98に示したものと同様に構成し、入力部収束レンズ
の各々を適当に偏心させ、対応する中央部収束レンズ9
510の開口中心に二次発光体9511を形成すればよ
い。
【0420】この場合、照明光側の絞り9506の代わ
りに、図100に示す開口形状の絞り9508を用いる
とよい。投射レンズ側の絞り9508についても同様で
ある。これにより、光損失を生じることなく、中央部収
束レンズアレイ9505の開口径を小さくでき、かつ、
投射レンズ7806のレンズ径を小さくできる利点があ
る。
【0421】本実施の形態の投射型表示装置は、以上述
べたように離散的に複数の二次発光体を形成してライト
バルブ7201を照明する場合により大きな効果を得
る。最大集光角の大きな投射レンズ7806を用いたと
しても、離散的に複数の開口を有する絞りを備えること
で、ライトバルブ192から出射する光に対して必要最
小限の開口を提供できる。その結果、明るくコントラス
トの高い投射画像を得ることができる。
【0422】なお、図95に示すPD液晶表示パネル7
201にモザイク状のカラーフィルタを取り付ければ、
1枚の液晶表示装置でカラー画像を表示できることは言
うまでもない。
【0423】図101は、図95の投射型表示装置を発
展させ、3枚の液晶表示パネル7201を用いてフルカ
ラー表示を行う投射型表示装置の構成図である。なお、
以下の実施の形態に関しては、主として第1の実施の形
態との差異を中心として説明する。
【0424】図101の投射型表示装置では、三原色に
対応した3枚のPD液晶表示パネル7201を用いてい
る。放物面鏡7801b、入力部収束レンズアレイ95
04、中央部収束レンズアレイ9505、出力部収束レ
ンズ9507は、図95に示したものと同様であり、ま
た、図95で説明したのと同様の手順により、PD液晶
表示パネル7201a、7201b、7201cの各表
示領域を照明する。ただし、ダイクロイックミラー79
03a、7903bおよび7903bの働きにより、照
明光は三原色の色光に分解され、それぞれ対応するPD
液晶表示パネル7201の表示領域上に導かれる。
【0425】PD液晶表示パネル7201は、各々の表
示領域上には外部から供給される映像信号に応じて、三
原色に対応した光学像が形成される。投射レンズ780
6は、前レンズ群9501a、後レンズ群9501bか
ら構成され、三原色の光学像をスクリーン7807上に
拡大投影する。
【0426】照明光側の絞り9506と投射レンズ側の
絞り9508は、図95に示したものと同様のものを、
同様の目的で用いる。絞り9508と絞り9506が互
いに共役の関係となるように、出力部収束レンズ950
7と後群レンズ9501bを適切に構成する。
【0427】なお、同様に、図86の構成の場合は、図
102の如く構成すればよい。動作は先の説明とほぼ同
様であるので省略をする。
【0428】PD液晶表示パネル7201の出射側には
透明接着剤を用い凹面を出射側に向けて平凹レンズ状7
403bを結合し、前記レンズ7403bの側面には黒
色塗料7402を塗布し、また凹レンズ7201の凹面
には反射防止膜を蒸着している。凹レンズ7403bは
アクリル樹脂を用い、成型加工により作成している。成
型加工は金型があれば、同一のレンズを作成できるの
で、量産性がよい。
【0429】凹レンズ7403bの出射側には、正レン
ズ7701bが近接して配置されている。正レンズ77
01bの凸面の曲率半径は、凹レンズ7403bの凹面
の曲率半径と等しい。両レンズの凸面の間に薄い空気間
隔を設けている。正レンズ7701bの両面は凹レンズ
7403bと同様に反射防止膜が蒸着されている。ま
た、投射レンズ7806は、凹レンズ7403b、正レ
ンズ7701bを組み合わせた状態で、液晶層108上
の光学像がスクリーン7807上に結像するようにして
いる。投射画像のフォーカス調整は投射レンズを光軸8
702に沿って移動することにより行う。
【0430】PD液晶表示パネル7201は、TN液晶
表示パネルほど光学特性の入射角依存性が強くないが、
入射光の入射角があまり大きい場合には、液晶層108
を通過するときの光路長が長くなるために散乱特性が変
化する。つまり、PD液晶表示パネル7201に入射す
る光線の入射角が場所により異なれば、投射画像の画質
が不均一となる。一方、凹レンズ7403bの凹面の曲
率半径を小さくしようとすると、PD液晶表示パネル7
201に収束角の大きな収束光を入射させるか、または
投射レンズ7806の有効径を大きくする必要がある。
前者はPD液晶表示パネル7201上の場所により画質
が均一でないために、投射画像の画質が不均一となり、
後者は投射レンズ7806が大型化しコスト高になると
いう問題がある。PD液晶表示パネル7201の散乱特
性の入射角依存性が大きい場合、図101および図10
2に示したように、凹レンズ7403bとに正レンズ7
701bを組み合わせれば、投射レンズ7806を大型
化することなく、PD液晶表示パネル7201に平行に
近い光を入射させることができるので、投射画像の画質
均一性を確保しやすい。
【0431】図101および図102は、透過型の液晶
表示パネル7201をライトバルブとして用いる構成で
あったが、図95の絞り9506等を用いて表示コント
ラストを向上させるという技術的思想は反射型の投射型
表示装置にも適用できる。その一例を、図103に示
す。
【0432】反射型の投射型表示装置では投射レンズ7
806の上位置に絞り9508を配置する。下位置は入
射光の経路だからである。その他の構成の説明は、図9
5および図101等で説明しているので説明は省略をす
る。
【0433】図104は、色分離色合成光学系にはプリ
ズム10001を用いた構成である。図104のプリズ
ムの構成は、業務用等のビデオカメラのCCD部に採用
されているものであるから説明を要さないであろう。図
104の3つのプリズム10001に液晶表示パネル7
201をオプティカルカップリングした構成である。な
お、液晶表示パネル7201とプリズム10001とは
光結合層7401で光学的に結合させ、プリズム100
01の無効面には光吸収膜7402を形成もしくは配置
する。この光吸収膜7401は先に説明したものと同様
のものであるので説明を省略する。
【0434】本発明の液晶表示パネルは投射型表示装置
のライトバルブとしてのみでなく、たとえばビデオカメ
ラに用いる表示装置(ビューファインダと呼ぶ)にも採
用できる。以下、本発明の液晶表示装置をビューファイ
ンダのライトバルブとして採用した実施の形態を説明す
る。
【0435】図105は、本発明のビューファインダの
外観図であり、図106,図105の断面図である。ボ
デー10507の内部には、集光レンズ10503およ
び液晶表示パネル7201が配置されている。また、接
眼リング10505の内部には接眼レンズ10506が
配置されている。10501は蛍光発光管であり、蛍光
発光管10501が放射する光は遮光板10502の中
央部の穴10510から出射される。ボデー1050
7、接眼リング10505等は不要光を吸収するため
に、内面を黒色あるいは暗色に塗装している。なお、蛍
光発光管10501は発光ダイオード(LED)、蛍光
発光素子(VFD)等を用いてもよい。あるいは、面発
生源等を用いることもできる。液晶表示パネル7201
の入出射面には偏光板7902を配置してもよい。
【0436】一例として、液晶表示パネル7201の表
示領域の対角長は約18mmであり、集光レンズ105
03は有効直径が20mm、焦点距離が15mmとす
る。集光レンズ10503は平凸レンズであり、平面を
発光素子10501側に向けている。なお、集光レンズ
10503、接眼レンズ10506はフレネルレンズに
置き換えてもよい。フレネルレンズにすればビューファ
インダの体積を小さくでき、また、軽量化できる。
【0437】発光素子10501から広い立体角に放射
された光は、集光レンズ10503により平行に近く、
指向性の狭い光に変換され、液晶表示パネル7201の
対向電極(図示せず)側から入射する。観察者は接眼カ
バー10508に眼を密着させて、液晶表示パネル72
01の表示画像を見ることになる。つまり、観察者の瞳
の位置はほぼ固定されている。液晶表示パネル7201
の全画素が光を直進させる場合を仮定した時、集光レン
ズ10503は発光素子10501から放射され、集光
レンズ10503の有効領域に入射する光が接眼レンズ
10506を透過した後にすべて観察者の瞳に入射する
ようにしている。このようにして観察者は、液晶表示パ
ネル7201の小さな表示画像を拡大して見ることがで
きる。つまり、拡大した虚像を見ることができる。
【0438】ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼カバー10508によりほぼ固定されるため、その背
後に配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として
蛍光管を用いたライトボックスを用いる従来のビューフ
ァインダでは、液晶表示パネル7201の表示領域とほ
ぼ同じ大きさの領域から、ある方向の微小立体角内に進
む光だけが利用され、他の方向に進む光は利用されな
い。つまり、光利用効率が非常に悪。
【0439】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
10503により平行に近い光に変換する。こうする
と、集光レンズ10503からの出射光は指向性が狭く
なる。観察者の視点が固定されておれば前述の狭い指向
性の光でもビューファインダの用途に十分となる。発光
体の大きさが小さければ、当然、消費電力も少ない。以
上のように、本発明のビューファインダは観察者が視点
を固定して表示画像を見ることを利用している。通常の
直視液晶表示パネルでは一定の視野角が必要であるが、
ビューファインダは所定方向から表示画像を良好に観察
できれば用途として十分である。なお、本発明のビュー
ファインダとビデオカメラとも取り付け金具10509
でビデオカメラに固定される。
【0440】液晶表示パネル7201にはカラーフィル
タ(図示せず)が取り付けられている。画素配置はいわ
ゆる正方配置である。なお、デルタ配置でもよい。カラ
ーフィルタはR、G、Bのいずれかの色を透過させる。
カラーフィルタの構成物により各色の膜厚を制御しても
よい。カラーフィルタの膜厚は、カラーフィルタの作製
時に調整して形成する。つまり、カラーフィルタの膜厚
をR、G、Bで変化させる。カラーフィルタの膜厚によ
り、各画素上の液晶の膜厚108はそれぞれのカラーフ
ィルタ色に応じて調整する事ができる。Rの画素は液晶
層の膜厚108を厚くする。PD液晶表示パネル720
1ではR光において散乱特性が悪いからである。
【0441】接眼リング710505のボデー1050
7への挿入度合いを調整することにより、観察者の視力
に合わせてピント調整を行うことができる。なお、接眼
カバー10508により観察者の眼の位置が固定される
ので、ビューファインダの使用中に視点位置がずれるこ
とはほとんどない。視点が固定されておれば、液晶表示
パネル7201への光の指向性が狭くても観察者は良好
な画像を見ることができる。さらに良好に見えるように
するには、発光素子10501からの光の放射方向を最
適な方向に移動させればよい。
【0442】図107は、本発明のビューファインダに
用いる発光素子10501の一実施の形態としての蛍光
発光管の断面図である。図107に示すように、蛍光発
光管は外観としては豆電球状の形状である。10701
はガラスからなるケースであり、直径は5mm〜20m
mである。10703はフィラメントである。直流4V
〜8V程度の電圧を印加することによりフィラメント1
0703は加熱される。10704はアノードであり、
印加電圧は直流15〜25V程度である。アノード電圧
により、フィラメント10703の加熱により放出され
た電子は加速される。ケース10701内には水銀分子
(図示せず)が封入されており、前記加速された電子は
水銀分子と衝突する事により紫外線を放出する。この紫
外線が蛍光体10702を励起し可視光が発生する。こ
のような発光素子としてミニパイロ電機社製の蛍光発光
管(ルナライト05シリーズ)がある。あるいは東北電
子(株)の直径2.4mmのものがある。
【0443】駆動はパルス駆動を行うことにより、放射
する光量を調整できる。パルスの周期は30ヘルツ以上
とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノードに印
加する電圧をパルス信号とすることにより、パルス幅に
比例して放射光量を可変できる。
【0444】なお、図107(b)で示すように、ケー
ス10701上に遮光膜10705を形成し、発光素子
からでる光の放射面積を小さくすれば、図106に示す
ような遮光板10510は必要でなくなる。
【0445】以上のように、本発明のビューファインダ
は発光素子10501の小さな発光体から広い立体角に
放射される光を、集光レンズ10503により効率良く
集光するので、蛍光管を用いた面光源のバックライトを
用いる場合に比較して、光源の消費電力を大幅に低減す
ることができる。
【0446】図105は、ビデオカメラ等に用いるビュ
ーファインダの構成図であったが、この技術的思想は表
示画面が大きなビデオモニターにも対応できる。図10
8はビデオモニタの断面図である。
【0447】集光レンズ10801としてフレネルレン
ズを用い、液晶表示パネル7201の出射面には透明部
材7403を貼り付けている。発光ランプ10501か
ら出射した光はミラー7805で反射されフレネルレン
ズ10801に入射する。入射した光は前記フレネルレ
ンズにより略平行光とされ液晶表示パネル7201に入
射する。
【0448】図108に示すように光路8702をおり
曲げるのはビデオモニタの奥ゆきを短くするためであ
る。またフレネルレンズを用いるのは平凸レンズであれ
ば重量が重たいので軽量化を図るためである。
【0449】本発明は液晶層108上にストライプ状電
極を形成することにより、液晶層108に大きな電圧を
印加できるように構成をしている。また、対向基板11
0を用いない構成では大幅な軽量化が可能である。ま
た、第1の液晶層108aと第2の液晶層108b間に
画素電極107を配置もしくは形成することにより液晶
層が厚くとも容易に低電圧で駆動できるようにしてい
る。また、2層の液晶層で諧調表示を行うため高コント
ラスト表示かつ、高諧調表示を行うことができ、高品位
表示を実現できる。
【0450】以上述べた様に、第1の発明は、行方向と
列方向に画素電極がマトリックス状に形成または配置さ
れた第1の基板と、前記行方向の画素電極に対向する位
置に形成または配置された実質上ストライプ状のストラ
イプ状信号線と、前記画素電極と前記ストライプ状信号
線間に狭持された光変調層と、前記ストライプ状信号線
と空気との界面に形成または配置された保護膜とを具備
する表示パネルである。
【0451】又、第2の発明は、行方向と列方向にマト
リックス状に形成された画素電極と、前記行方向の画素
電極に対向する位置に形成または配置された実質上スト
ライプ状の第1のストライプ状信号線と、前記画素電極
に信号を印加するスイッチング素子と、前記スイッチン
グ素子を動作および非動作にさせる信号を伝達する第1
の信号線とが形成された第1の基板と、前記列方向の画
素電極に対向する位置に形成または配置された実質上ス
トライプ状の第2のストライプ状信号線と、前記画素電
極と前記第1及び/又は第2のストライプ状信号線間に
狭持された光変調層と、前記第1及び第2のストライプ
状信号線に対し、第1の電極と前記第1の電極に隣接し
た第2の電極に異なる電位の電圧を印加し、かつ、前記
第1の電極と第2の電極の電位を可変できる駆動手段
と、前記第1及び/又は第2のストライプ状信号線と空
気との界面に形成または配置された保護膜とを具備する
表示パネルである。
【0452】又、第3の発明は、前記光変調層は高分子
分散液晶層であり、前記ストライプ状信号線の一端には
駆動手段が接続され、前記駆動手段は前記第1の基板に
直接形成されていることを特徴とする第1または第2の
発明の表示パネルである。
【0453】又、第4の発明は、マトリックス状に形成
された画素電極と、前記画素電極に信号を印加するスイ
ッチング素子が形成された第1の基板と、前記スイッチ
ング素子を非動作状態と動作状態とを制御する第1の信
号を伝達する第1の信号線と、前記第1の信号を発生す
る第1の駆動回路と、前記スイッチング素子を介して前
記画素電極に印加する映像信号を伝達する第2の信号線
と、前記映像信号を出力する第2の駆動回路とを具備
し、前記第1の駆動手段は前記第1の基板に直接形成さ
れており、前記第2の駆動手段は半導体チップからな
り、前記半導体チップが前記第2の信号線に接続されて
いることを特徴とする表示パネルである。
【0454】又、第5の発明は、マトリックス状に形成
された画素電極と、前記画素電極に信号を印加するトラ
ンジスタ素子と、前記トランジスタ素子を非動作状態と
動作状態にする第1の信号を伝達するゲート信号線と、
前記トランジスタ素子を介して前記画素電極に印加する
映像信号を伝達するソース信号線が形成された第1の基
板と、前記第1の信号を発生するゲートドライブ回路
と、前記映像信号を出力するソースドライブ駆動回路と
を具備し、前記ソースドライブ回路は高温ポリシリコン
技術または低温ポリシリコン技術で前記第1の基板に直
接形成されており、前記ゲートドライブ回路は半導体チ
ップからなり、前記半導体チップが前記第2の信号線に
接続されていることを特徴とする表示パネルである。
【0455】又、第6の発明は、前記半導体チップの端
子には突起電極が形成され、前記第2の信号線の端子と
導電性接合層を介して、前記半導体チップが前記第2の
信号線と接続されていることを特徴とする第5の発明の
表示パネルである。
【0456】又、第7の発明は、1水平期間または1垂
直期間にソース信号線に印加する映像信号の極性を反転
させ、前記期間の開始と終了時、所定の直流信号を前記
映像信号に重畳させることを特徴とする表示パネルの駆
動方法である。
【0457】又、第8の発明は、所定の直流信号は、前
記期間の映像信号の実質上平均値であることを特徴とす
る第7の発明の表示パネルの駆動方法である。
【0458】又、第9の発明は、マトリックス状に形成
された画素電極を有する第1の基板と、 第2の電極が
形成された第2の基板と、前記画素電極と前記第2の電
極間に配置された第3の電極と、前記画素電極と前記第
3の電極間に狭持された第1の光変調層と、前記第3の
電極と前記第2の電極間に狭持された第2の光変調層と
を具備し、前記第1の光変調層ではマトリックス状に画
像を表示し、前記第2の光変調層では光透過状態を変化
させることを特徴とする表示パネルである。
【0459】又、第10の発明は、行方向および列方向
にマトリックス状に形成された画素電極を有する第1の
基板と、複数のストライプ状の電極が形成された第2の
基板と、前記マトリックス状に形成された画素電極に対
応した共通の第3の電極と、前記画素電極と前記第3の
電極間に狭持された第1の高分子分散液晶層と、前記第
3の電極と前記ストライプ状の電極間に狭持された第2
の高分子分散液晶層とを具備し、前記ストライプ状の電
極は前記行方向または列方向の画素電極に対応して形成
されていることを特徴とする表示パネルである。
【0460】又、第11の発明は、マトリックス状に配
置された画素電極を有する第1の基板と、第2の電極が
形成された第2の基板と、前記マトリックス状に形成さ
れた画素電極に対応した共通の第3の電極と、前記画素
電極と前記第3の電極間に狭持された第1の高分子分散
液晶層と、前記第3の電極と前記第2の電極間に狭持さ
れた第2の高分子分散液晶層とを具備することを特徴と
する表示パネルである。
【0461】又、第12の発明は、第1の高分子分散液
晶層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーの平均孔
径が、第2の高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子
径またはポリマーの平均孔径と異なっていることを特徴
とする第10または第11の発明の表示パネルである。
【0462】又、第13の発明は、第1の高分子分散液
晶層と第2の高分子分散液晶層のうち一方に色素または
顔料が添加されていることを特徴とする第10または第
11の発明の表示パネルである。
【0463】又、第14の発明は、電極と高分子分散液
晶層との界面に、高分子分散液晶の比抵抗より高い抵抗
を有する絶縁膜が形成されていることを特量とする第1
0または第11の発明の表示パネルである。
【0464】又、第15の発明は、電極と高分子分散液
晶層との界面に、高分子分散液晶の比誘電率よりも高く
かつ前記電極の比誘電率よりも低い誘電体薄膜が形成さ
れていることを特量とする第10または第11の発明の
表示パネルである。
【0465】又、第16の発明は、マトリックス状に第
1の画素電極が形成された第1の基板と、ストライプ状
の電極が形成された第2の基板と、液晶と未硬化の樹脂
が混合された液晶溶液と、平滑性のある平滑手段を準備
し、第1の電極基板と前記平滑手段間に前記液晶溶液を
狭持させる第1の工程と、前記液晶溶液に光または熱を
与えることにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成
分と樹脂成分とを相分離させ液晶層とする第2の工程
と、前記液晶層から前記平滑手段を剥離する第3の工程
と、前記液晶層上に第3の電極を形成する第4の工程
と、前記第3の電極と前記第2の基板間に液晶溶液を狭
持させる第5の工程と、前記液晶溶液に光または熱を与
えることにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成分
と樹脂成分とを相分離させ液晶層とする第5の工程とを
行うことを特徴とする表示パネルの製造方法である。
【0466】又、第17の発明は、マトリックス状に第
1の画素電極が形成された第1の基板と、ストライプ状
の電極が形成された第2の基板と、液晶と未硬化の樹脂
が混合された液晶溶液と、平滑性のある平滑手段を準備
し、第1の電極基板と前記平滑手段間に前記液晶溶液を
狭持させる第1の工程と、前記液晶溶液に光または熱を
与えることにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成
分と樹脂成分とを相分離させ液晶層とする第2の工程
と、前記液晶層から前記平滑手段を剥離する第3の工程
と、前記液晶層上に絶縁膜を形成しかつ前記第1の絶縁
膜上に第3の電極を形成しかつ前記第3の電極上に第2
の絶縁膜を形成する第4の工程と、前記第2の絶縁膜と
前記第2の基板間に液晶溶液を狭持させる第5の工程
と、前記液晶溶液に光または熱を与えることにより液晶
溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成分と樹脂成分とを相分
離させ液晶層とする第5の工程とを行うことを特徴とす
る表示パネルの製造方法である。
【0467】又、第18の発明は、前記第2の工程での
液晶溶液に光または熱を与える強度と、前記第5の工程
での液晶溶液に光または熱を与える強度とを異ならせて
いることを特徴とする第16または第17の発明の表示
パネルの製造方法である。
【0468】又、第19の発明は、行方向および列方向
にマトリックス状に形成された画素電極と第1の電極間
に第1の液晶層と、前記第1の電極と複数のストライプ
状の電極間に第2の液晶層とを有し、前記ストライプ状
電極が前記行方向または列方向に形成された表示パネル
の駆動方法であって、前記行方向または列方向の画素電
極に印加する電圧値を演算し、前記演算結果から前記行
方向または列方向に対応する前記ストライプ状電極に印
加する電圧値を求めることを特徴とする表示パネルの駆
動方法である。
【0469】又、第20の発明は、行方向および列方向
にマトリックス状に形成された画素電極と第2の基板の
第1の電極間に第1の液晶層と、前記第2の基板におい
て前記第1の基板の反対面に形成された前記第2の電極
と複数のストライプ状の電極間に第2の液晶層とを有
し、前記ストライプ状電極が前記行方向または列方向に
形成された表示パネルの駆動方法であって、前記行方向
または列方向の画素電極に印加する電圧値を演算し、前
記演算結果から前記行方向または列方向に対応する前記
ストライプ状電極に印加する電圧値を求めることを特徴
とする表示パネルの駆動方法である。
【0470】又、第21の発明は、行方向および列方向
にマトリックス状に形成された画素電極と第2の基板の
第1の電極間に第1の液晶層と、前記第2の基板におい
て前記第1の基板の反対面に形成された前記第2の電極
と第3の基板の第3の電極間に第2の液晶層とを有する
表示パネルの駆動方法であって、1フレームまたは1フ
ィールド内における前記行方向および列方向の画素電極
に印加する電圧値を演算し、前記演算結果から前記第2
の液晶層に印加する電圧値を求めることを特徴とする表
示パネルの駆動方法である。
【0471】又、第22の発明は、表示パネルはノーマ
リブラックモードで画層を表示することを特徴とする第
19または第20または第21の発明の表示パネルの駆
動方法である。
【0472】又、第23の発明は、行方向および列方向
にマトリックス状に形成された画素電極を有する第1の
基板と、列方向に複数のストライプ状の電極が形成され
た第2の基板と、前記マトリックス状に形成された画素
電極に対応した共通の第3の電極と、前記画素電極と前
記第3の電極間に狭持された第1の液晶層と、前記第3
の電極と前記ストライプ状の電極間に狭持された第2の
高分子分散液晶層と、列方向の画素電極幅に実質上一致
するように形成または配置されたプリズムとを具備する
ことを特徴とする表示パネルである。
【0473】又、第24の発明は、行方向および列方向
にマトリックス状に形成された画素電極を有する第1の
基板と、列方向に複数のストライプ状の電極が形成され
た第2の基板と、第3の電極と第4の電極が形成された
第3の基板と、前記画素電極と前記第3の電極間に狭持
された第1の液晶層と、前記第4の電極と前記ストライ
プ状の電極間に狭持された第2の高分子分散液晶層と、
列方向の画素電極幅に実質上致するように形成または配
置されたプリズムとを具備することを特徴とする表示パ
ネルである。
【0474】又、第25の発明は、第1の液晶層と変調
する行方向および列方向にマトリックス状に形成された
画素電極と、第2の液晶層を変調する複数のストライプ
状の電極を有し、前記ストライプ状電極が前記は列方向
に形成された表示パネルの駆動方法であって、第1のフ
ィールドでは奇数番目に位置する前記ストライプ状の電
極に対応する第2の液晶層に電圧を印加し前記液晶層を
光透過状態にし、かつ偶数番目に位置する前記ストライ
プ状の電極に対応する第2の液晶層を光散乱状態とし、
第1のフィールドの次の第2のフィールドでは偶数番目
に位置する前記ストライプ状の電極に対応する第2の液
晶層に電圧を印加し前記液晶層を光透過状態にし、かつ
奇数番目に位置する前記ストライプ状の電極に対応する
第2の液晶層を光散乱状態とすることを特徴とする表示
パネルの駆動方法である。
【0475】又、第26の発明は、単純マトリックスモ
ードで変調する第1の液晶層と、アクティブマトリック
スモードで変調する第2の液晶層とを具備することを特
徴とする表示パネルである。
【0476】又、第27の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極を有する第1の基板と、マトリ
ックス状に配置された第2の画素電極を有する第2の基
板と、第3の電極と、前記第1の画素電極と前記第3の
電極間に狭持された第1の高分子分散液晶層と、前記第
3の電極と前記第2の画素電極間に狭持された第2の高
分子分散液晶層とを具備することを特徴とする表示パネ
ルである。
【0477】又、第28の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極を有する第1の基板と、マトリ
ックス状に配置された第2の画素電極を有する第2の基
板と、前記第1の画素電極と第2の画素電極間に狭持さ
れた第1の高分子分散液晶層と第2の高分子分散液晶層
とを具備することを特徴とする表示パネルである。
【0478】又、第29の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極を有する第1の基板と、マトリ
ックス状に配置された第2の画素電極を有する第2の基
板と、前記第1の画素電極と第2の画素電極間に狭持さ
れた高分子分散液晶層と、前記第1の基板に形成または
配置された第1のマイクロレンズアレイと、前記第2の
基板に形成または配置された第2のマイクロレンズアレ
イとを具備することを特徴とする表示パネルである。
【0479】又、第30の発明は、第1の画素電極位置
を第2の画素電極位置が実質上1/2画素ずれて配置さ
れていることを特徴とする第27または第28の発明の
表示パネルである。
【0480】又、第31の発明は、第1の高分子分散液
晶層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーの平均孔
径が、第2の高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子
径またはポリマーの平均孔径と異なっていることを特徴
とする第27または第28の発明の表示パネルである。
【0481】又、第32の発明は、第1の高分子分散液
晶層と第2の高分子分散液晶層のうち一方に色素または
顔料が添加されていることを特徴とする第27または第
28の発明の表示パネルである。
【0482】又、第33の発明は、電極と高分子分散液
晶層との界面に、高分子分散液晶の比抵抗より高い抵抗
を有する絶縁膜が形成されていることを特量とする第2
7または第28または第29の発明の表示パネルであ
る。
【0483】又、第34の発明は、第1の電極が形成さ
れた第1の基板と、第2の電極が形成された第2の基板
と、液晶と未硬化の樹脂が混合された液晶溶液と、未硬
化の樹脂溶液と、平滑性のある平滑手段を準備し、第1
の電極と前記第1の平滑手段間に前記液晶溶液を狭持さ
せるおよび第2の電極と前記第2の平滑手段間に前記液
晶溶液を狭持させる第1の工程と、第1の電極と前記第
1の平滑手段間の前記液晶溶液に光または熱を与えるこ
とにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ液晶成分と樹脂成
分とを相分離させ第1の液晶層とし、第2の電極と前記
第2の平滑手段間の前記液晶溶液に光または熱を与える
ことにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ液晶成分と樹脂
成分とを相分離させ第2の液晶層とする第2の工程と、
前記第1および第2の液晶層から前記平滑手段を剥離す
る第3の工程と、前記第1の液晶層と第2の液晶層間に
前記樹脂溶液を狭持させる第4の工程と、前記樹脂溶液
に光または熱を与えることにより前記樹脂を硬化させる
第5の工程とを行うことを特徴とする表示パネルの製造
方法である。
【0484】又、第35の発明は、第1の電極が形成さ
れた第1の基板と、第2の電極が形成された第2の基板
と、液晶と未硬化の樹脂が混合された液晶溶液と、未硬
化の樹脂溶液と、平滑性のある平滑手段を準備し、第1
の電極と前記第1の平滑手段間に前記液晶溶液を狭持さ
せるおよび第2の電極と前記第2の平滑手段間に前記液
晶溶液を狭持させる第1の工程と、第1の電極と前記第
1の平滑手段間の前記液晶溶液に光または熱を与えるこ
とにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ液晶成分と樹脂成
分とを相分離させ第1の液晶層とし、第2の電極と前記
第2の平滑手段間の前記液晶溶液に光または熱を与える
ことにより液晶溶液中の樹脂を硬化させ液晶成分と樹脂
成分とを相分離させ第2の液晶層とする第2の工程と、
前記第1および第2の液晶層から前記平滑手段を剥離す
る第3の工程と、前記第1の液晶層上に第3の電極を形
成する第4の工程と、前記第3の電極と第2の液晶層間
に前記樹脂溶液を狭持させる第5の工程と、前記樹脂溶
液に光または熱を与えることにより前記樹脂を硬化させ
る第6の工程とを行うことを特徴とする表示パネルの製
造方法である。
【0485】又、第36の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極を有する第1の基板と、マトリ
ックス状に配置された第2の画素電極を有する第2の基
板と、前記第1の画素電極と第2の画素電極間に狭持さ
れた高分子分散液晶層とを具備する表示パネルの駆動方
法であって、第1の基板の第1の画素電極には画面の上
端より下端に向けて順次電圧を印加し、第2の基板の第
2の画素電極には画面の下端より上端に向けて順次電圧
を印加することを特徴とする表示パネルの駆動方法であ
る。
【0486】又、第37の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極を有する第1の基板と、マトリ
ックス状に配置された第2の画素電極を有する第2の基
板と、第3の電極と、前記第1の画素電極と第3の電極
間に狭持された第1の液晶層と、前記第3の電極と第2
の画素電極間に狭持された第2の液晶層とを有する表示
パネルの駆動方法であって、前記第1の画素電極および
第2の画素電極には1行ごとに極性の異なる電圧を印加
し、前記第3の電極に印加する電圧の極性が正極性の
時、前記画素電極には負極性の電圧を印加し、前記第3
の電極に印加する電圧の極性が負極性の時、前記画素電
極には正極性の電圧を印加することを特徴とする表示パ
ネルの駆動方法である。
【0487】又、第38の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極と第1のソース信号線とを有す
る第1の基板と、マトリックス状に配置された第2の画
素電極と第2のソース信号線とを有する第2の基板と、
前記第1の画素電極と第2の画素電極間に狭持された液
晶層とを具備し、前記第1のソース信号線と前記第2の
ソース信号線とが実質上直交するように配置されている
ことを特徴とする表示パネルである。
【0488】又、第39の発明は、マトリックス状に配
置された画素電極を有する表示領域と、 映像データを
行方向に順次格納するH方向記憶手段と、映像データを
列方向に順次格納するV方向記憶手段と、前記H方向記
憶手段とV方向記憶手段のいずれかを選択する選択手段
と、前記選択手段からのデータをアナログデータに変換
して前記画素電極に順次印加する駆動手段とを具備する
ことを特徴をする表示装置である。
【0489】又、第40の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と、第1の共通電
極と、前記スイッチング素子に接続された画素電極とを
有する第1の基板と、第2の共通電極が形成された第2
の基板と、前記画素電極と前記第1の共通電極間に狭持
された第1の液晶層と、前記画素電極と前記第2の共通
電極間に狭持された第2の液晶層とを具備することを特
徴とする表示パネルである。
【0490】又、第41の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と、第1の共通電
極と、前記スイッチング素子に接続された画素電極とを
有する第1の基板と、第2の共通電極が形成された第2
の基板と、前記画素電極と前記第1の共通電極間に狭持
された第1の高分子分散液晶層と、前記画素電極と前記
第2の共通電極間に狭持された第2の高分子分散液晶層
とを具備することを特徴とする表示パネルである。
【0491】又、第42の発明は、前記第1の高分子分
散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーの平
均孔径が、第2の高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均
粒子径またはポリマーの平均孔径と異なっていることを
特徴とする第41の発明の表示パネルである。
【0492】又、第43の発明は、第1の高分子分散液
晶層と第2の高分子分散液晶層のうち一方に色素または
顔料が添加されていることを特徴とする第41の発明の
表示パネルである。
【0493】又、第44の発明は、電極と高分子分散液
晶層との界面に、高分子分散液晶の比抵抗より高い抵抗
を有する絶縁膜が形成されていることを特量とする第4
1の発明の表示パネルである。
【0494】又、第45の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と、第1の共通電
極と、前記スイッチング素子に接続された画素電極とを
有する第1の基板と、第2の共通電極が形成された第2
の基板と、前記画素電極と前記第1の共通電極間に狭持
された第1の液晶層と、前記画素電極と前記第2の共通
電極間に狭持された第2の液晶層とを有する表示パネル
の駆動方法であって、前記画素電極に1行ごとに極性の
異なる電圧を印加し、前記画素電極に印加する電圧の極
性が正極性の時、前記第1および第2の共通電極には負
極性の電圧を印加し、前記画素電極に印加する電圧の極
性が負極性の時、前記第1および第2の共通電極には正
極性の電圧を印加することを特徴とする表示パネルの駆
動方法である。
【0495】又、第46の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と第1の共通電極
が形成された第1の基板と、第2の共通電極が形成され
た第2の基板と、液晶と未硬化の樹脂が混合された液晶
溶液と、平滑性のある平滑手段を準備し、第1の共通電
極と前記平滑手段間に前記液晶溶液を狭持させる第1の
工程と、第1の基板の裏面から前記液晶溶液に光を照射
し、前記液晶溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成分と樹脂
成分とを相分離させ第1の液晶層とする第2の工程と、
前記第1の液晶層から前記平滑手段を剥離する第3の工
程と、前記第1の液晶層から未硬化の樹脂を除去する第
4の工程と、前記第1の液晶層上に前記スイッチング素
子と接続された画素電極を形成する第5の工程と、前記
画素電極と第2の共通電極間に前記液晶溶液を狭持させ
る第6の工程と、前記第2の基板側から光を照射し、前
記液晶溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成分と樹脂成分と
を相分離させ第2の液晶層とする第7の工程とを行うこ
とを特徴とする表示パネルの製造方法である。
【0496】又、第47の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と第1の共通電極
が形成された第1の基板と、第2の共通電極が形成され
た第2の基板と、液晶と未硬化の樹脂が混合された液晶
溶液と、平滑性のある平滑手段を準備し、前記第1の共
通電極または前記平滑手段上に前記液晶溶液を滴下さ
せ、前記第1の共通電極と前記平滑手段間に前記液晶溶
液を狭持させる第1の工程と、第1の基板の裏面から前
記液晶溶液に光を照射し、前記液晶溶液中の樹脂を硬化
させ、液晶成分と樹脂成分とを相分離させ第1の液晶層
とする第2の工程と、前記第1の液晶層から前記平滑手
段を剥離する第3の工程と、前記第1の液晶層から未硬
化の樹脂を除去する第4の工程と、前記第1の液晶層上
に前記スイッチング素子と接続された画素電極を形成す
る第5の工程と、前記画素電極と第2の共通電極間を所
定間隔あけて保持し、前記間隔を実質上空状態にした
後、前記真空状態を破り前記間隔に前記液晶溶液を狭持
させる第6の工程と、前記第2の基板側から光を照射
し、前記液晶溶液中の樹脂を硬化させ、液晶成分と樹脂
成分とを相分離させ第2の液晶層とする第7の工程とを
行うことを特徴とする表示パネルの製造方法である。
【0497】又、第48の発明は、前記第2の工程での
液晶溶液に光または熱を与える強度と、前記第7の工程
での液晶溶液に光または熱を与える強度とを異ならせて
いることを特徴とする第46または第47の発明の表示
パネルの製造方法である。
【0498】又、第49の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と、ゲート信号線
と、ソース信号線とを具備し、前記ゲート信号線とソー
ス信号線とが実質上平行に形成されていることを特徴と
する表示パネルである。
【0499】又、第50の発明は、マトリックス状に配
置または形成されたスイッチング素子と、ゲート信号線
と、ソース信号線と、第1の共通電極とを有し、かつ前
記ゲート信号線とソース信号線とが実質上平行に形成さ
れている第1の基板と、第2の共通電極が形成された第
2の基板と、前記画素電極と前記第1の共通電極間に狭
持された第1の高分子分散液晶層と、前記画素電極と前
記第2の共通電極間に狭持された第2の高分子分散液晶
層とを具備することを特徴とする表示パネルである。
【0500】又、第51の発明は、前記第1の高分子分
散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーの平
均孔径が、第2の高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均
粒子径またはポリマーの平均孔径と異なっていることを
特徴とする第50の発明の表示パネルである。
【0501】又、第52の発明は、第1の高分子分散液
晶層と第2の高分子分散液晶層のうち一方に色素または
顔料が添加されていることを特徴とする第50の発明の
表示パネルである。
【0502】又、第53の発明は、電極と高分子分散液
晶層との界面に、高分子分散液晶の比抵抗より高い抵抗
を有する絶縁膜が形成されていることを特量とする第5
0の発明の表示パネルである。
【0503】又、第54の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極と、マトリックス状に配置され
た第2の画素電極と、共通電極と、前記第1の画素電極
と第2の画素電極間に形成された第1の高分子分散液晶
層と、前記第2の画素電極と前記共通電極間に形成され
た第2の高分子分散液晶層とを具備することを特徴とす
る表示パネルである。
【0504】又、第55の発明は、マトリックス状に配
置された第1の画素電極と、第1の共通電極と、第2の
共通電極と、前記第1の共通電極と第1の画素電極間に
形成された第1の高分子分散液晶層と、前記第2の共通
電極と前記第1の画素電極間に形成された第2の高分子
分散液晶層とを具備し、前記第1の共通電極と前記第2
の共通電極とが電気的に接続されていることを特徴とす
る表示パネルである。
【0505】又、第56の発明は、前記第1の高分子分
散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーの平
均孔径が、第2の高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均
粒子径またはポリマーの平均孔径と異なっていることを
特徴とする第54または第55の発明の表示パネルであ
る。
【0506】又、第57の発明は、第1の高分子分散液
晶層と第2の高分子分散液晶層のうち一方に色素または
顔料が添加されていることを特徴とする第54または第
55の発明の表示パネルである。
【0507】又、第58の発明は、電極と高分子分散液
晶層との界面に、高分子分散液晶の比抵抗より高い抵抗
を有する絶縁膜が形成されていることを特量とする第5
4または第55の発明の表示パネルである。
【0508】又、第59の発明は、光発生手段と、前記
光発生手段が放射する光を第1の光路と第2の光路に分
離する光分離手段と、第27の発明の表示パネルと、前
記第1の光路の光を前記表示パネルの第1の基板側から
入射させる第1の光学手段と、前記第2の光路の光を前
記表示パネルの第2の基板側から入射させる第2の光学
手段と、前記第1の基板側から出射した光を投射する第
1の投射手段と、前記第2の基板側から出射した光を投
射する第2の投射手段とを具備することを特徴とする投
射型表示装置である。
【0509】又、第60の発明は、光発生手段と、第4
0の発明の表示パネルと、前記表示パネルの光入射側と
光出射側のうち少なくとも一方に光結合層を介して接続
された透明部材と、前記光発生手段が放射する光を前記
表示パネルに導く光学手段と、前記表示パネルで変調し
た光を投射する投射手段とを具備することを特徴とする
投射型表示装置である。
【0510】又、第61の発明は、光発生手段と、第3
8の発明の表示パネルと、前記表示パネルの取り付け角
度を可変できる角度可変手段と、撮影手段とを具備する
ことを特徴とするビデオカメラである。
【0511】又、第62の発明は、光発生手段と、第4
0の発明の表示パネルと、前記光発生手段が放射する光
を実質上平行光にして前記表示パネルに入射させる光集
光手段と、前記表示パネルの表示画像を観察者に拡大し
て見えるようにする拡大手段とを具備することを特徴と
するビューファインダである。
【0512】又、第63の発明は、光発生手段と、第1
または4または9または10または11または23また
は27または29または38または40または49また
は54または55の発明の表示パネルとを具備すること
を特徴とする表示装置である。
【0513】又、第64の発明は、光発生手段と、第1
または4または9または10または11または23また
は27または29または38または40または49また
は54または55の発明の表示パネルと、前記光発生手
段と前記表示パネル間に配置された第1の偏光手段と、
前記表示パネルの光出射面に配置された第2の偏光手段
とを具備することを特徴とする表示装置である。
【0514】又、第65の発明は、光発生手段と、第1
または4または9または10または11または23また
は27または29または38または40または49また
は54または55の発明の表示パネルと、前記光発生手
段が放射する光を前記表示パネルに導く光学手段と、前
記表示パネルで変調した光を投射する投射手段とを具備
することを特徴とする投射型表示装置である。
【0515】又、第66の発明は、発光体を有する光発
生手段と、第1または4または9または10または11
または23または27または29または38または40
または49または54または55の発明の表示パネル
と、前記発光体の放射する光を集光かつ収斂せしめて二
次発光体を形成する二次発光体形成手段と、前記表示パ
ネルが形成する光学像を投射する投射手段と、前記表示
パネルの光入射側に配置される第1の絞り手段と、前記
表示パネルの光出射側に配置される第2の絞り手段とを
具備し、前記表示パネルは前記二次発光体の放射する光
により照明され、前記第1の絞り手段と前記第2の絞り
手段とは実質上共役の関係であり、前記第1の絞り手段
は主として前記二次発光体の有効領域を通過する光を選
択的に通過せしめる開口形状を有し、前記第2の絞り手
段は前記表示パネルの液晶層が光透過状態において、前
記第1の絞りを通過した光を選択的に通過せしめる開口
形状を有することを特徴とする投射型表示装置である。
【0516】又、第67の発明は、第1の絞り手段は二
次発光体の近傍に配置することを特徴とする第66の発
明の投射型表示装置である。
【0517】又、第68の発明は、二次発光体形成手段
は、離散的に位置する複数の二次発光体を形成し、第1
の絞り手段と第2の絞り手段のうち少なくとも一方は、
離散的に位置する複数の開口を有することを特徴とする
第66の発明の投射型表示装置である。
【0518】又、第69の発明は、投射手段のFナンバ
ーは、実質上5以上9以下であることを特徴とする第6
6の発明の投射型表示装置である。
【0519】又、第70の発明は、離型シートを供給す
るシート供給手段と、前記離型シートを収納するシート
収納手段と、前記離型シートと第1の基板間に未硬化の
樹脂と液晶とを混合した混合溶液を供給する溶液供給手
段と、前記混合溶液を狭持した前記離型シートと前記第
1の基板間に圧力を印加する圧力印加手段と、前記圧力
を印加された前記混合溶液に光を照射し、前記未硬化の
樹脂を硬化させて、前記樹脂と液晶とを相分離させる光
照射手段とを具備することを特徴とする液晶表示パネル
製造方法である。
【0520】又、第71の発明は、前記圧力手段は超音
波により振動させられていることを特徴とする第70の
発明の液晶表示パネル製造方法である。
【0521】又、第72の発明は、前記光照射手段は第
1のレーザ光発生手段と第2のレーザ光発生手段とを具
備し、前記第1のレーザ光の波長と第2のレーザ光の波
長とが異なっていることを特徴とする第70の発明の液
晶表示パネル製造方法である。
【0522】又、第73の発明は、前記光照射手段が出
射する光はマスクを介して前記混合溶液に照射されるこ
とを特徴とする第70の発明の液晶表示パネル製造装置
である。
【0523】又、第74の発明は、離型シートを供給す
るシート供給手段と、前記離型シートを順次収納してい
くシート収納手段と、前記離型シートと第1の基板間に
未硬化の樹脂と液晶とを混合した混合溶液を供給する溶
液供給手段と、前記混合溶液を狭持した前記離型シート
と前記第1の基板間に圧力を印加する圧力印加手段と、
前記混合溶液にスポット状に光を照射する第1の光照射
手段と、前記混合溶液に光を照射し、前記混合溶液の樹
脂成分と液晶成分とを相分離させる第2の光照射手段と
を具備することを特徴とする液晶表示パネル製造装置で
ある。
【0524】又、第75の発明は、第1の基板と、離型
手段と、未硬化の樹脂と液晶とを混合させた混合溶液と
を準備し、前記第1の基板と、前記離型手段間に前記混
合溶液を配置する第1の工程と、前記混合溶液を超音波
振動により所定膜厚にする第2の工程と、前記所定膜厚
にされた混合溶液に光を照射し、液晶成分と樹脂成分と
を相分離させる第3の工程とを行うことを特徴とする液
晶表示パネルの製造方法である。
【0525】又、第76の発明は、第2の工程後、第3
の工程前に画像表示に有効な光が透過しない領域に光を
照射し、前記混合溶液の樹脂成分を硬化させる工程を行
うことを特徴とする第75の発明の液晶表示パネルの製
造方法である。
【0526】又、第77の発明は、マトリックス状に配
置された画素電極を有する第1の基板と、第1の面と第
2の面とを有し、第1の面の開口面積よりも第2の面の
開口面積の方が小さく、前記開口は前記画素電極にそれ
ぞれ対応するように形成された第2の基板とを具備し、
前記第1の基板と第2の基板の第2の面とが近接するよ
うに配置されていることを特徴とする液晶表示パネルで
ある。
【0527】又、第78は、第1の面の開口から第2の
開口間に反射手段が形成または配置されていることを特
徴とする第77の発明の液晶表示パネルである。
【0528】又、第79の発明は、画像表示領域の開始
から所定期間内の映像信号の振幅値が第1の所定値以上
の時、前記開始前の映像信号に、第2の所定値以上の振
幅の映像信号を重畳することを特徴とする表示パネルの
駆動方法である。
【0529】又、第80の発明は、液晶表示パネルの駆
動回路において、画像表示領域の開始から所定期間内の
映像信号の振幅値を求める第1の演算手段と、前記演算
手段の演算結果が所定閾値以上のとき、前記画像表示領
域の開始前に前記液晶表示パネルのソース信号線に供給
する映像信号ラインに所定振幅以上の電圧を出力する信
号印加手段とを具備することを特徴とする液晶表示パネ
ル駆動回路である。
【0530】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、表示コントラストをより高く出来ると言う長所
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示パネルの断面図である。
【図2】本発明の液晶表示パネルの断面図である。
【図3】本発明の液晶表示パネルの等価回路図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルの斜視図である。
【図5】本発明の液晶表示パネルの一部説明図(スイッ
チング素子)である。
【図6】高分子分散液晶の説明図である。
【図7】本発明の液晶表示パネルの一部説明図(ドライ
ブ回路)である。
【図8】本発明の液晶表示パネルの一部説明図(ドライ
ブ回路)である。
【図9】本発明の液晶表示パネルの一部説明図(ストラ
イプ状電極)である。
【図10】本発明の液晶表示パネルの駆動回路の説明図
である。
【図11】本発明の液晶表示パネルの駆動方法の説明図
である。
【図12】本発明の液晶表示パネルの駆動方法の説明図
である。
【図13】本発明の液晶表示パネルのドライブ回路の説
明図である。
【図14】本発明の液晶表示パネルの駆動方法の説明図
である。
【図15】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図16】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図17】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図18】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図19】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図20】本発明の液晶表示パネルの電極構造の説明図
である。
【図21】図20の電極構造の特性図である。
【図22】図20の電極構造の特性図である。
【図23】図20の電極構造の特性図である。
【図24】図20の電極構造の特性図である。
【図25】本発明の液晶表示パネルの等価回路図であ
る。
【図26】本発明の液晶表示パネルの駆動方法の説明図
である。
【図27】本発明の液晶表示パネルの駆動方法の説明図
である。
【図28】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
【図29】本発明の液晶表示パネルの駆動回路の説明図
である。
【図30】本発明の液晶表示パネルの構造の説明図であ
る。
【図31】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図32】本発明の液晶表示装置の説明図である。
【図33】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図34】本発明の他の実施の形態における液晶表示装
置の断面図である。
【図35】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの製造方法の説明図である。
【図36】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図37】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図38】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図39】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図40】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図41】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図42】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの製造方法の説明図である。
【図43】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図44】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図45】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図46】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの説明図である。
【図47】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図48】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図49】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図50】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図51】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図52】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図53】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図54】本発明の映像モニターの説明図である。
【図55】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図56】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動回路の説明図である。
【図57】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図58】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルのアレイ基板の平面図である。
【図59】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図60】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの駆動方法の説明図である。
【図61】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの製造方法の説明図である。
【図62】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルのアレイ基板の平面図である。
【図63】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図64】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図65】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図66】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルのアレイ基板の平面図である。
【図67】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの断面図である。
【図68】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図69】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図70】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図71】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの等価回路図である。
【図72】本発明の液晶表示装置の構成図である。
【図73】本発明の他の実施の形態における液晶表示装
置の構成図である。
【図74】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの構成図および特性の説明図である。
【図75】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの構成図である。
【図76】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの構成図である。
【図77】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの構成図である。
【図78】本発明の投射型表示装置の構成図である。
【図79】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図80】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図81】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図82】図81の投射型表示装置の光学部品の説明図
である。
【図83】リア型の投射型表示装置の構成図である。
【図84】本発明の他の実施の形態における液晶表示パ
ネルの説明図である。
【図85】図84の液晶表示装置を本発明の投射型表示
装置のライトバルブとして用いた場合の構成図である。
【図86】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図87】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図88】図87の投射型表示装置の斜視図である。
【図89】本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図90】本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図91】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図92】本発明の投射型表示装置の光学部品の説明図
である。
【図93】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図94】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の構成図である。
【図95】本発明の他の実施の形態における投射型表示
装置の説明図である。
【図96】本発明の投射型表示装置の光学部品の説明図
である。
【図97】本発明の投射型表示装置の光学部品の説明図
である。
【図98】本発明の投射型表示装置の光学部品の説明図
である。
【図99】本発明の投射型表示装置の光学部品の説明図
である。
【図100】本発明の投射型表示装置の光学部品の説明
図である。
【図101】本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図102】本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図103】本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図104】本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図105】本発明のビューファインダの外観図であ
る。
【図106】本発明のビューファインダの断面図であ
る。
【図107】本発明のビューファインダに用いる発光ラ
ンプの断面図である。
【図108】本発明の他の実施の形態における表示装置
の構成図である。
【図109】本発明の液晶表示パネルの製造装置の説明
図である。
【図110】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの製造方法の説明図である。
【図111】本発明の液晶表示パネルの製造装置の説明
図である。
【図112】本発明の液晶表示パネルの製造装置の説明
図である。
【図113】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明
図である。
【図114】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明
図である。
【図115】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明
図である。
【図116】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの製造装置の説明図である。
【図117】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの断面図である。
【図118】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの説明図である。
【図119】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの説明図である。
【図120】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの駆動方法の説明図である。
【図121】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの駆動方法の説明図である。
【図122】本発明の他の実施の形態における液晶表示
パネルの駆動方法の説明図である。
【図123】本発明の液晶表示パネルの一部断面図であ
る。
【図124】本発明の液晶表示パネルの一部断面図であ
る。
【符号の説明】
101 アレイ基板 102 ストライプ状電極 103 保護膜(保護層) 104 対向ドライブ回路 105 配線(接続線) 106 スイッチング素子(TFT等) 107 画素電極 108 光変調層(液晶層) 109、901 遮光膜(樹脂ブラックマトリックス
(BM)) 110 対向基板 201 ゲート信号線 202 ソース信号線 301 ソースドライブ回路(ソースドライブIC) 302 ゲートドライブ回路(ゲートドライブIC) 303 付加コンデンサ(蓄積容量) 304 共通電極 401 表示領域(画像表示領域) 501 絶縁層 502 ドレイン電極 503 ソース電極 504 ゲート電極 505 半導体層 506 遮光膜(BM) 601 表示パネル 602 ポリマー(樹脂成分) 603 水滴状液晶(液晶成分) 701 封止樹脂(シール剤) 702 突起電極(バンプ) 703 導電性接合層(導電性接着剤) 703 保護樹脂 705 端子電極 1001 アンプ 1002 位相分割回路 1003 出力切り換え回路 1004 ドライブIC(ドライブ回路)制御回路 1101 ストライプ状電極への印加信号波形 1102 ソース信号線への印加信号波形 1103 ゲート信号線への印加信号波形 1301 ソフトレジスタ(SR) 1302 NAND(ナンド回路) 1303 INV(インバータ回路) 1304 アナログスイッチ 1501 絶縁膜(保護層) 1601 低誘電体膜 1602 保護シート(保護膜,保護基板) 1801 対向電極 2001 電極 2002 誘電体薄膜 2801 剥離板(シート,離型シート) 2802 ビーズ又はファイバー 2803 混合溶液(液晶成分+未硬化の樹脂成分) 2901 A/D回路 2902 フレームメモリ(フィールドメモリ) 2903 1H期間演算回路 2904 D/A回路 2905 映像信号処理回路 3101 三角プリズム(シート) 3201 界面 3202 眼 3301 中間基板(電極基板) 3601 ストライプ状電極 4201 接着樹脂 4901 配向膜 5101 マイクロレンズアレイ 5102 マイクロレンズ 5401 ホルダー 5402 回転軸 5601 同期信号分離回路 5602 切り換え回路 5603 極性反転回路 5701 共通電極 5702 接続部(接続端子) 7201 表示パネル 7202、7902 偏光板 7203 プリズム板(プリズムシート) 7204 拡散板(拡散シート) 7205 蛍光管 7206 反射板(反射シート) 7401 光結合層(光学的結合剤) 7402 光吸収膜 7403 透明部材(透明基板、レンズ) 7404 散乱光 7405 反射光 7406 界面 7801a 放電ランプ 7801b 凹面鏡 7801c UVIRカットフィルタ(UVIRカット
ミラー) 7802 偏光ビームスプリッタ(PBS) 7803 光分離面 7804 リレーレンズ 7805 ミラー 7806 投射レンズ 7807 スクリーン 7901 位相板(λ/2板) 7903 ダイクロイックミラー(色フィルタ(D
M)) 8001a Rフィルタ 8001b Bフィルタ 8002 反射プリズム 8101、8102 レンズ 8103 アパーチャ 8201 フィールドレンズ 8301 光学系ブロック 8302 キャビネット 8701a 入射光線 8701b 出射光線 8702 光軸 9101 ダイクロイックプリズム 9201 光入出射面 9501a 後群レンズ 9501b 前群レンズ 9502 発光体 9503 実像 9504 入力部収束レンズアレイ 9505 中央部収束レンズアレイ 9506、9508 絞り 9507 出力部収束レンズ 9509 入力部収束レンズ 9510 中央部収束レンズ 9511 2次発光体 10501 発光ランプ 10502 アパーチャ 10503 集光レンズ 10505 接眼リング 10506 接眼レンズ 10507 ボディ 10508 接眼ゴム 10509 取り付け金具 10510 穴(アパーチャ) 10701 ケース 10702 蛍光体 10703 フィラメント 10704 アノード 10705 遮光膜 10801 フレネルレンズ 10901 光照射手段 10902 圧延ローラ 10903 供給ローラ 10904 巻き取りローラ 11101 アパーチャ(マスク) 11102 開口部 10401 樹脂(樹脂成分) 11402 液晶(液晶成分) 11501、11502、11602 レーザ光 11601 レーザヘッド(レーザ出射口) 11701 導光板 11702 反射膜(反射部) 11703 接着層(接着剤) 11704 開口部 12401 反射体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1345 G02F 1/1345 2K103 1/1347 1/1347 1/1368 1/1368 G03B 21/00 G03B 21/00 E 21/14 21/14 A Fターム(参考) 2H088 EA14 EA15 GA02 GA03 GA04 GA10 GA13 HA13 HA14 HA20 HA21 HA24 HA28 HA30 MA02 MA06 2H089 HA04 HA27 QA16 TA09 TA13 TA16 TA17 TA18 TA20 UA05 2H091 FA05X FA14Z FA23Z FA26X FA26Z FA34Y FA41Z GA13 JA02 LA17 MA07 2H092 GA59 JA24 NA01 PA06 PA09 PA12 PA13 QA15 RA05 2H099 AA12 BA09 CA02 CA08 CA11 2K103 AA01 AA05 AA10 AB01 BA03 BB02 BC01 BC23 CA14 CA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス状に形成された画素電極
    と、 前記複数の画素電極に対向する電極と、 前記複数の画素電極に対向する電極と前記画素電極間に
    配置された光変調層と、 前記複数の画素電極に対向する電極上に配置された光透
    過性を有する膜と、 前記画素電極位置に対応するように、かつ、マトリック
    ス状に形成された導光部を具備し、 前記光透過性を有する膜は、一面は前記複数の画素電極
    の対向する電極と接しており、他面は空間を有する部分
    を有し、 前記導光部は、画素電極に近い方が遠い方よりも面積が
    狭いことを特徴とする画像表示パネル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像表示パネルと、 ゲートドライブ回路を具備し、 前記ゲートドライブ回路は、ポリシリコン技術で形成さ
    れていることを特徴とする画像表示装置。
  3. 【請求項3】 光発生手段と、 前記光発生手段から放射される光を変調する請求項1に
    記載の画像表示パネルと、前記画像表示パネルの表示画
    像を投射する投射レンズを具備することを特徴とする投
    射型表示装置。
  4. 【請求項4】 光発生手段と、 請求項1に記載の画像表示パネルと、 前記光発生手段が放射する光を集光して前記画像表示パ
    ネルを照明する集光手段と、 前記画像表示パネルの表示画像を拡大して観察者に見え
    るようにする拡大レンズを具備することを特徴とするビ
    ューファインダ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の画像表示パネルと、 前記画像表示パネルに照射する光を発生するための光発
    生手段と、 前記画像表示パネルの表示画像を拡大投影する投射レン
    ズを具備し、 前記画像表示パネルの有効表示領域の対角長をd(イン
    チ)、前記ランプのアーク長a(mm)としたとき、前
    記ランプのアーク幅k=a/dは、次式の関係を満足す
    ることを特徴とする投射型表示装置。 0.8 ≦ a/d ≦ 1.5
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の第1と第2と第3の画
    像表示パネルと、 前記画像表示パネルに照射する光を発生するための光発
    生手段と、 前記画像表示パネルの表示画像を拡大投影する投射レン
    ズと、 第1および第2の光合成面を有し、かつ実質上L字状の
    プリズムを具備し、 前記プリズムの第1面に前記第1の画像表示パネルが配
    置され、 前記プリズムの第2面に前記第2の画像表示パネルが配
    置され、 前記プリズムの第3面に前記第3の画像表示パネルが配
    置され、 前記第1の画像表示パネルを通過した第1の光と、前記
    第2の画像表示パネルを通過した第2の光は、前記第1
    の光合成面で第1の光路の光に合成され、 前記第3の画像表示パネルを通過した第3の光と、前記
    第1の光路の光は、前記第2の光合成面で第2の光路の
    光に合成され、 前記プリズムにおいて、画像表示に有効な光が通過しな
    い領域に光吸収部が形成または配置されていることを特
    徴とする投射型表示装置。
  7. 【請求項7】 光発生手段と、 画像表示パネルを具備し、 前記画像表示パネルは、 マトリックス状に画素電極が
    形成された第1の基板と、ストライプ状電極が形成され
    た第2の基板と、第1の液晶層と、第2の液晶層とを有
    し、前記画素電極に印加された信号により前記第1の液
    晶層が変調され、前記ストライプ状電極に印加された信
    号により前記第2の液晶層が変調され、 前記画像表示パネルのストライプ状電極は、前記画像表
    示パネルの画素列に対応するように配置されていること
    を特徴とする画像表示装置。
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