JP2003211475A - 光学用成形体の製造方法 - Google Patents

光学用成形体の製造方法

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JP2003211475A JP2002014977A JP2002014977A JP2003211475A JP 2003211475 A JP2003211475 A JP 2003211475A JP 2002014977 A JP2002014977 A JP 2002014977A JP 2002014977 A JP2002014977 A JP 2002014977A JP 2003211475 A JP2003211475 A JP 2003211475A
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Haruhiko Takahashi
治彦 高橋
Mitsuru Tada
充 多田
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型且つ薄型であっても、光線透過性、低複
屈折性、機械的強度、及び微細凹凸の転写性に優れ、精
密光学部品や非接触式光学情報記録媒体基板として好適
な光学用成形体を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも一方の金型のキャビティ面
に、高さ又は深さが50μ未満である微細凹凸が形成さ
れ、距離を置いて設けられた上金型及び下金型からなる
プレス成形機の下金型に、溶融したハロゲン不含有熱可
塑性樹脂を供給し、該溶融樹脂の温度が該樹脂のガラス
転移温度(Tg)に対し、(Tg+10℃)以上(Tg
+150℃)未満の温度範囲にある間にプレスする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に微細な凹凸
を有する光学用成形体の製造方法に関し、さらに詳しく
は、薄型・大型で、光線透過性、低複屈折性、及び機械
的強度に優れ、光記録媒体や液晶ディスプレイ装置用部
品等として好適な光学用成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】TN型、STN型、及びTFT型などの
種々のタイプの液晶表示装置が、その軽量薄型性や低消
費電力性等に注目されてパソコンやTVなどの種々のデ
ィスプレイ装置に応用されている。液晶表示装置は、液
晶セル基板、配向板、拡散板、集光板、導光板などの熱
可塑性樹脂を成形した多くの光学用成形体で構成される
が、近年液晶表示装置の薄型且つ大型化が進む中でそれ
らを構成する光学用成形体も薄型、且つ大型のものが成
形できる技術が望まれている。
【0003】しかしながら、拡散板、集光板及び導光板
などの、片面または両面に微細な凹凸を有する光学用成
形体を薄型で且つ大型化するには多くの問題点があっ
た。拡散板は、視野角拡大のために片面または両面に微
細な凹凸面を有しており、その製造方法は、例えば特開
平8−313708号公報や特開平9−258013号
公報に開示されている。特開平8−313708号公報
によれば、溶融した環状オレフィン系樹脂を、表面にプ
リズム形状を有する冷却ロールと、ニップルロールで挟
んで押し出し冷却することにより片面に凹凸形状を形成
しているが、この方法では、微細な凹凸面を安定して転
写し難い。また、特開平9−258013号公報によれ
ば、ポリカーボネートフィルム表面にアクリル樹脂とシ
リカ粒子との含有液を塗布して光を拡散する凹凸面を形
成して拡散板を得ているが、この方法では、大型の拡散
板面上に均一な凹凸面を形成するのが困難である。
【0004】集光板は、輝度を向上させるために片面ま
たは両面に微細な凹凸を有しており、その製造方法は、
例えば、特開平9―323354号公報に開示されてい
る。同公報によれば、ポリアクリレートなどの熱可塑性
樹脂フィルムを凹凸を有するロール金型にプレスして凹
凸面を転写して集光板を製造しているが、この方法で薄
型で且つ大型の成形体を製造すると、集光板に残留応力
が生じて形状の経時変化が生じる。
【0005】導光板は、片面または両面に(反射機能や
集光機能を有する)微細な凹凸を有するものが用いられ
るようになってきており、その製造方法は、例えば、特
開平10−27512号公報に開示されている。同公報
によれば、上下面の少なくとも一方に微細な凹凸面を有
するキャビティ内にポリメチルメタクリレート等の熱可
塑性樹脂を溶融して注入ゲートを通して充填し射出成形
する方法が開示されている。しかしながらこの方法で
は、薄く大型のキャビティー内に溶融樹脂を均一に流入
させるのが困難で、成形品に残留応力が生じて複屈折値
が増大し、また、流動性を向上させるように樹脂の粘度
を下げる目的で分子量を小さくすると、成形体の機械的
強度が低下するという問題が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光線
透過性、低複屈折性、及び機械的強度特性に優れ、しか
も少なくとも一面に微細な凹凸を有し薄く且つ大型の光
学用成形体を効率よく製造する方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、少なくとも
一方に微細な凹凸を有する上下2枚の金型の、下金型の
キャビティー上に溶融した熱可塑性樹脂を供給し、該溶
融樹脂がそのガラス転移温度に対して所定の温度範囲に
あるうちにプレス成形することにより、金型キャビティ
ーの微細凹凸の転写性に優れ、残留応力も低減されるた
めに複屈折値が小さく、樹脂の劣化等もないために光線
透過性や機械的強度に優れる、大型・薄型の成形体が得
られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づ
いて完成するに至ったものである。
【0008】かくして本発明によれば、(1)少なくと
も一方の金型のキャビティ面に、高さ又は深さが50μ
未満である微細凹凸が形成され、距離を置いて設けられ
た上金型及び下金型からなるプレス成形機の下金型に、
溶融したハロゲン不含有熱可塑性樹脂を供給し、該溶融
樹脂の温度が該樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、
(Tg+10℃)以上(Tg+150℃)未満の温度範
囲にある間にプレスすることを特徴とする光学用成形体
の製造方法、(2)プレス工程において、金型閉塞速度
を1回以上変化させることを特徴とする(1)記載の方
法、(3)光学用成形体が光ディスク基板である(1)
又は(2)記載の製造方法、(4)光学用成形体が液晶
表示装置用導光板である(1)乃至(3)記載の製造方
法、がそれぞれ提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光学用成形体の製造方法
は、少なくとも一方の金型のキャビティ面に微細凹凸が
形成された、距離を置いて設けられた上金型及び下金型
からなるプレス成形機を用いる。上金型と下金型とを閉
塞させることにより一定形状の空間であるキャビティが
形成される。本発明においては、微細凹凸形状が、少な
くとも一方の金型のキャビティ面に形成されており、そ
れは上金型、下金型のいずれでもよい。
【0010】微細凹凸形状は、使用目的に応じて適宜選
択できるが、本発明に用いる金型の微細凹凸は、それを
転写した光学用成形体が、非接触式光学式記録媒体用と
して、従来のレコードよりも高密度の情報の記録や再生
が可能な、また、液晶表示装置用に用いられる精密光学
部品として使用できる程度の微細形状を有しているもの
が好ましく、具体的には、凹凸の高さ又は深さが50μ
m未満であり、凹凸の幅、及び凹凸の間隔も、好ましく
は50μm未満である。
【0011】より具体的には、成形体を光ディスクなど
の非接触式光学式記録媒体に用いる場合には、例えば、
連続した溝(グルーブ)又は不連続の窪みや溝(ピッ
ト)などが成形体に転写できる凹凸形状が好ましい。こ
のような凹凸形状は、その高さ又は深さが、好ましくは
10μm以下、より好ましくは5μm以下であり、さら
に好ましくは2μm以下であり、グルーブやピットの幅
が、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以
下であり、さらに好ましくは2μm以下であり、溝の間
隔が、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm
以下であり、さらに好ましくは2μm以下である。
【0012】また、導光板ではクレーター、溝(V溝、
U溝など)、突起等が成形体表面に転写できる凹凸形状
が好ましい。なお、成形体表面のクレーターとはある一
部分の窪みを意味し、溝とは連続した線上の窪みであ
る。特にその配置方法に制限はなく、そのピッチ間隔に
おいて一定に配置されておればその機能は達成される
が、好ましくはピッチ間隔が成形体の使用状態を考え光
源から遠ざかるに従ってその密度が次第に疎から密の状
態へ変化するようにパターン化されているのが好まし
い。
【0013】集光板では少なくとも片面に、微小なプリ
ズム形状の繰り返し形状を転写できる凹凸形状が好まし
い。
【0014】距離を置いて設けられた上金型及び下金型
の構造としては、格別な限定はなく、例えば、平押し
型、押込型、半押込型、割型などの各種のものを用いる
ことができるが、精度の高い成形品が製造できること、
バリ取りが容易であること、多数個取りが容易であるな
どの理由から、半押込型または割型を使用することが好
ましい。本発明に使用される金型の材質としては、格別
な限定はなく合成樹脂や金属などを用いることができる
が、上記凹凸形状の加工性及び形状安定性に優れ、しか
も耐磨耗性、鏡面仕上げ性、耐食性、及び熱伝導性等の
観点から金属金型が用いられる。具体的な金属として
は、例えば、機械構造用鋼、合金工具鋼、ステンレス
鋼、銅系合金、アルミニウム合金などが挙げられるが、
強度、耐食性、耐磨耗性、鏡面仕上げ性などの観点か
ら、ステンレス鋼が好ましい。本発明で使用する金型
は、射出成形法で使用する金型ほどの耐圧性が要求され
ないので、金型全体の大きさを変えずにキャビティ部分
を大型化することができる。これによって、製造装置全
体を大型化することなく、大型の光学用成形体を製造す
ることが可能となる。本発明に使用される金型は、スチ
ーム、高温圧縮水、あるいは冷却水等を流通させること
のできる通媒孔が設けられていてもよい。その通媒孔に
より金型の昇温または降温を強制的に行うことができ
る。本発明においては、溶融樹脂塊を供給する金型を予
備加熱しておくことが光線透過性及び低複屈折性に優れ
た成形体を得る上で好適であり、また、プレス成形後に
冷却速度を上げることにより成形体の色調に優れ好適で
ある。
【0015】本発明には、金型の微細凹凸を精密転写で
き、例えば繰り返し成形を行っても凹凸面を腐食等させ
ないために、繰り返し単位鎖中にハロゲン原子を含有し
ない熱可塑性樹脂、すなわち、ハロゲン不含有熱可塑性
樹脂を用いる。具体的には、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリアリレート、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリ
エステルサルホン、脂環式構造含有重合体樹脂などが挙
げられ、これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアク
リレート、脂環式構造含有重合体樹脂などが好ましく、
環式構造含有重合体樹脂が特に好ましい。脂環式構造含
有重合体樹脂は、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を
有するもので、機械的強度、耐熱性などの観点から、主
鎖に脂環式構造を含有するものであることがさらに好ま
しい。ここでいう脂環式構造としては、機械強度、耐熱
性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましく、脂
環式構造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好
ましくは5〜20個の範囲である。脂環式構造を有する
繰り返し単位の割合は、透明性および耐熱性の観点か
ら、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上で
ある。
【0016】こうした脂環式構造含有重合体樹脂の具体
例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環
の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重
合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及びこれ
らの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノ
ルボルネン系重合体水素添加物及びビニル脂環式炭化水
素系重合体などが好ましい。
【0017】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系モノマーの開
環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマー
の付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物
の付加共重合体などが挙げられる。
【0018】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、シクロヘキセ
ン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状
オレフィン系単量体の付加重合体を挙げることができ
る。
【0019】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、シクロペンタジエ
ン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体
を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその
水素添加物などを挙げることができる。
【0020】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、ビニルシクロ
ヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭
化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、スチレ
ン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の
重合体の芳香環部分の水素添加物などを挙げることがで
きる。また、これらビニル脂環式炭化水素系重合体の立
体配置については、アタクティック、アイソタクティッ
ク、シンジオタクティックの何れでもよく、例えば、ダ
イアッド表示によるシンジオタクティシティーで、0〜
100%の何れのものも用いることができる。
【0021】本発明で使用される熱可塑性樹脂の分子量
は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測
定した重量平均分子量(Mw)が、好ましくは15,0
00〜500,000、より好ましくは20,000〜
300,000、最も好ましくは25,000〜20
0,000の範囲であるときに、機械的強度、低複屈折
性、及び転写性等に優れる。分子量分布(Mw/Mn。
Mnは本発明で使用される熱可塑性樹脂の分数平均子
量)は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、最
も好ましくは2.5以下である。本発明で使用される熱
可塑性樹脂のメルトフローレートは、280℃、荷重
2.16kgfにおいて、好ましくは5〜250g/1
0分、より好ましくは10〜230g/10分である。
本発明で使用される熱可塑性樹脂のガラス転移温度(T
g)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好
ましくは50〜300℃、より好ましくは60〜200
℃、最も好ましくは70〜180℃である。これらの熱
可塑性樹脂は、それぞれ単独であるいは混合して使用す
ることができる。
【0022】本発明に使用される熱可塑性樹脂には、本
発明の目的を損なわない範囲で、従来公知の耐熱安定
剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロ
ッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成
油、ワックスなどのその他の成分が配合されていてもよ
い。たとえば、任意成分として配合される安定剤として
は、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オ
キザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ―トなどのフェ
ノ―ル系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウ
ムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレ―ト、
グリセリンジステアレ―ト、ペンタエリスリト―ルモノ
ステアレ―ト、ペンタエリスリト―ルジステアレ―ト、
ペンタエリスリト―ルトリステアレ―トなどの多価アル
コ―ル脂肪酸エステル;などを挙げることができる。こ
れらは単独で配合してもよく、組み合わせて配合しても
よい。たとえばテトラキス[メチレン−3−(3.5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
―ト]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステ
アレ―トとの組み合わせなどを例示できる。これらの安
定剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。これらの安定剤は、前記熱可塑性樹脂100重
量部に対して、通常0.01〜2重量部、好ましくは
0.05〜1重量部となるような量で用いることが望ま
しい。
【0023】本発明においては、溶融した上記熱可塑性
樹脂をプレス成形機の下金型キャビティ面上に供給す
る。熱可塑性樹脂を溶融する方法は、常法に従えばよ
く、例えば加熱シリンダーで加熱溶解させる。熱可塑性
樹脂を加熱溶融させるシリンダーの温度は、該熱可塑性
樹脂のガラス転移温度(Tg)に対して、通常Tg〜
(Tg+200℃)、好ましくは(Tg+5℃)〜(T
g+180℃)、より好ましくは(Tg+10℃)〜
(Tg+150℃)範囲である。シリンダー内の溶融樹
脂の滞留時間は、格別な限定はないが、通常1時間以下
に、好ましくは0.7時間以下、より好ましくは0.5時
間以下である。この場合、樹脂ヤケ等の熱劣化を防止で
き、光学成形体が光線透過率や機械的強度に優れる。
【0024】本発明においては、下金型キャビティ面上
に供給された溶融樹脂を、その温度が該溶融樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)に対し、(Tg+10℃)以上、
(Tg+150℃)未満、好ましくは(Tg+20℃)
以上、(Tg+140℃)未満、より好ましくは(Tg
+30℃)以上、(Tg+130℃)未満の温度範囲に
ある間にプレスすることを特徴とする。溶融樹脂の温度
が上記範囲にある間にプレスすることにより、得られる
光学成形体が、透明性、低複屈折性、機械的強度、及び
微細凹凸の転写性に優れたものとなる。また、この温度
範囲における溶融樹脂塊の粘度は、通常1,000〜1
00,000,000poise、好ましくは2,00
0〜50,000poiseの範囲である。溶融樹脂を
下金型上に供給する手段としては、格別な限定はなく、
例えば、上記溶融樹脂を製造するシリンダー等のノズル
から吐出させて行うことができる。溶融樹脂供給量は、
金型キャビティを充填するに足る量でよい。本発明にお
いては、溶融樹脂を供給される金型は予備加熱されてい
るのが好ましい。金型の予熱温度は、使用熱可塑性樹脂
に応じて適宜選択されるが、上下金型のキャビティ表面
温度が、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)に対
し、通常、Tg〜(Tg+200)℃、好ましくは(T
g+5℃)〜(Tg+180℃)、より好ましくは(T
g+10℃)〜(Tg+150℃)の範囲である。溶融
樹脂を供給する時の金型の温度が過度に低いと、樹脂流
動性が著しく低下し、微細凹凸の転写性が低下し、光学
成形体の複屈折値も増大し、金型温度が過度に高いと、
樹脂ヤケ等の原因となり好ましくない。
【0025】プレス工程 プレス工程においては、下金型キャビティ面上に供給さ
れた溶融樹脂の温度を上記範囲に保持しつつ、下金型と
上金型とを閉塞して光学用成形体を成形する。本発明に
おいて、金型を閉塞する速度は、得られる光学用成形体
の微細凹凸転写性、残留応力等を考慮しつつ適宜に制御
することができるが、閉塞速度は、好ましくは1mm/
秒〜250mm/秒、より好ましくは2mm/秒〜20
0mm/秒である。さらに本発明においては、プレス工
程の金型閉塞速度を1回以上変化させるのが好ましく、
第一段階と第二段階とに分けて不連続的に変化させるの
がより好ましい。この場合、第一段階の閉塞速度が、第
二段階の閉塞速度の好ましくは110%〜2500%、
より好ましくは120%〜1000%とすることによ
り、得られる成形体の表面転写性、反りが特に向上す
る。第二段階への切替えタイミングは特に規定はない
が、表面転写性と生産性のバランスから金型嵌合時のキ
ャビティークリアランスに対して101%〜200%の
クリアランス時に切り替えることが好ましく、102〜
150%のクリアランス時がより好ましい。また、キャ
ビティー形状によっては各段階の閉塞速度を上述範囲内
にて連続的に変化させても構わない。
【0026】プレス時のキャビティ内圧力は、通常10
〜150MPaで、保持時間は通常1秒〜5分程度であ
るが、成形体の大きさ、形状、転写精度等に応じて適宜
選択できる。本発明においては、また、プレス成形後に
冷却速度を上げることにより成形体の色調を好適にでき
る。成形後の冷却速度は、キャビティー内の樹脂温度を
該樹脂のガラス転移温度以下の温度まで冷却するまでの
時間で、通常2℃/秒以上、好ましくは2℃/秒以上で
且つ15℃/秒以下、好ましくは3℃/秒以上で且つ1
0℃/秒以下の範囲である。
【0027】光学用成形体 本発明の方法で製造される光学用成形体は、薄型で且つ
大型であり、しかも微細な凹凸形状を有することを特徴
とする。光学成形体の形状は、格別限定はないが、通常
は平板形状である。「平板」とは、偏平な形状を有する
成形品であって、その主要面の最小幅(例えば、主要面
が四角形であるときはその短辺の長さ、また、主要面が
円形または楕円形のときは、直径または短径)Lと最大
厚さ(すなわち、主要面に垂直な方向の最大長さ)Tと
の比L/Tが2以上のものを示す。形状は、通常、正方
形、長方形、5角以上の多角形、真円形、長円形などか
ら選ばれる。光学用成形体の面積は、使用目的に応じて
適宜選択されるが、好ましくは200cm以上、より
好ましくは300〜10000cm、さらに好ましく
は400〜8000cmの範囲である。平板の厚さ
も、使用目的に応じて適宜選択されるが、3mm以下、
好ましくは0.01〜3mm、より好ましくは0.1〜
2.5mmの範囲である。光学用成形体の凹凸形状は、
前述の金型キャビティー面の微細凹凸面を転写した形状
であり、その転写率は、例えば金型凹部の高さに対し、
それを転写した成形体凸部の高さの比率で、好ましくは
90%以上、より好ましくは95%以上である。
【0028】本発明の方法で製造される光学用成形体の
光線透過率は、紫外・可視光分光機で測定される波長4
00nmでの値で好ましくは85%以上、より好ましく
は87%以上、最も好ましくは89%以上であり、複屈
折値は、複屈折測定装置(オーク社製、ADR−100
XY)を使用して測定される位相差で好ましくは30n
m以下、より好ましくは25nm以下、最も好ましくは
20nm以下であり、機械的強度は、デュポン強度で好
ましくは0.4J以上、より好ましくは0.7J以上、
最も好ましくは1.0J以上である。上記の、微細な凹
凸形状を有し薄型で大型の光学用成形体の具体例として
は、拡散板、プリズムシートなどの集光板、導光板、回
折格子、光ディスク用基板、ハードディスク用基板など
が挙げられる。
【0029】実施形態 以下に、図面を参照しつつ、本発明の光学用成形体の製
造方法の具体的な実施形態を説明する。 (第一実施形態)図1は、本発明の光学用成形体の製造
装置1の側面図である。第一実施形態においては、脂環
式構造含有樹脂を熱可塑性樹脂として使用し、光ディス
ク基板を製造する場合を例に挙げて説明する。
【0030】本実施態様において樹脂溶融手段及び溶融
樹脂供給手段は、ホッパー10とシリンダ12、及びシ
リンダ12の先端に設けられたノズルとから構成され
る。上記の樹脂はホッパー10からシリンダ12へと送
られるが、ホッパー10の底部には、例えば、シャッタ
ーが設けられており、シリンダ12内に窒素ガスを送り
込んだ後にシリンダ12を密閉してシリンダ中の樹脂組
成物を低酸素濃度雰囲気下で溶融樹脂とすることができ
るようになっている。そして、シリンダ12に送られた
樹脂組成物は、所定の温度で溶融され、水飴状の溶融樹
脂となる。次いで、一定量が計量されてノズルから吐出
され、後述する溶融樹脂供給装置により金型内に供給さ
れる。上記樹脂溶融手段に用いる装置としては、例えば
加熱シリンダーとその内部にスクリューを備えた可塑化
装置を挙げることができる。このような装置を用いるこ
とにより、均一に加熱溶融することが可能となる。溶融
樹脂の計量については、例えば溶融樹脂を受ける容体に
取り付けられた重量センサーによるフィードバック管理
や、シリンダー内で必要な溶融樹脂量を計量し、低速で
ノズルから吐出しながら、溶融樹脂を供給する方法など
を例示することができる。
【0031】本態様の製造装置1においては、溶融した
樹脂組成物の溶融樹脂は金型14および16のキャビテ
ィ20内に供給される。具体的には、例えば、図1に示
す溶融樹脂用アーム18を用いて供給される。該アーム
18は、容体18a及び、該容体18aを金型14およ
び16のキャビティ20内の所定の位置に配置するため
のアーム18bとからなる。容体18aは、一定量の溶
融樹脂を入れられるように、皿状、椀状、カップ状など
の形状であるのが好ましい。
【0032】なお、溶融樹脂を金型キャビティ内に供給
するための手段は、上記のような容体付アームに限られ
ず、溶融樹脂を挟みこんで保持するクランプ型のもので
あってもよく、また、容体に変えて、トレイを用いても
よく、この場合、前述の溶融樹脂吐出ノズルからトレイ
上に一旦溶融樹脂を吐出させ、該トレイを金型キャビテ
ィ内に移動させて溶融樹脂をキャビティ内に置くことが
できる。また、上記ノズル自体を樹脂の供給手段とする
こともできる。例えば、(1)ノズルを金型キャビティ
内に移動させて溶融樹脂を直接キャビティ内に吐出させ
て供給した後、該ノズルを金型外に移動させる方法や、
(2)ノズル吐出口を金型上に配置し、キャビティ内に
溶融樹脂を供給した後、該金型をスライドさせて、他方
の金型の真下に速やかに移動させるというような方法と
することができる。
【0033】容体18aとこれを支持するアーム18b
により金型キャビティ内に溶融樹脂を供給する場合、溶
融樹脂が入れられた容体18aがアーム18bを伸ばす
ことにより、上金型14と下金型16との間に挿入さ
れ、金型キャビティ20内の任意の位置で停止し、速や
かに容体18aの天地を逆にするように回転して、容体
18a内の溶融樹脂を下金型16のキャビティ20内に
供給する。溶融樹脂の供給が終了すると、アーム18b
は再び回転して容体18aをシリンダ12から送られた
溶融樹脂を受け取ることができる状態に復帰させ、アー
ム18bを縮めて上金型14と下金型16との間から容
体18aを引き出すことができるように構成されてい
る。
【0034】上記のアームやクランプ、及びトレイなど
の溶融樹脂供給手段は、溶融樹脂の温度が必要以上に低
下しないように温度を維持する必要があるため、溶融樹
脂と接触する部分に断熱性の素材を用いたり、ヒーター
によって加熱されることが好ましい。また、溶融樹脂と
の剥離性を向上させるため、表面をフッ素樹脂製にした
り、窒化チタンなどでコーティングすることが好まし
い。容体18aとアーム18bとは一体成型されていて
もよく、別々に製造されたものが結合されていてもよ
い。また、溶融樹脂を上述した金型に充填するために、
アームはその付け根の部分で回転するように構成されて
いてもよく、その途中に設けられた継ぎ手の部分から先
が回転するように構成されていてもよい。
【0035】本実施態様の装置1で使用する金型は、図
2に示すような上金型14と、下金型16とを嵌合する
ことにより、一定形状の空間であるキャビティ20を形
成できるように形成されている。このキャビティ20の
形状は、光ディスク基板の形状に形成されている。下面
には複数の溝が同心円状に形成されている。溝の深さは
95〜105nm、溝と溝との間隔(ピッチ)は0.5
〜1μmである。
【0036】本実施形態の方法においては、上記金型に
設けられた通媒孔22に、スチームもしくは高温圧縮水
を流通させることによって金型の昇温を行い、主に温調
水を流通させて降温を行う。このような方法を用いるこ
とにより、昇温および降温を速やかに行うことができる
とともに、金型の温度分布のばらつきを低減し、温度制
御の精度を高めることができる。また、降温速度によっ
ては、温調水にかえて高温圧縮水を用いたり、温調水と
高温圧縮水とを併用して降温を行うこともできる。温調
水の温度は使用する成形体の形状、成形精度などに応じ
て任意に設定すればよい。
【0037】通媒孔の数は特に限定されないが、複数設
けられていると、昇温および降温を速やかに行うことが
できる。昇温の際には上記の通媒孔にスチームもしくは
高温圧縮水を通し同時に同方向に通すか、またはこれら
と電熱ヒーターなどによる加熱とを併用することが好ま
しく、降温に際してはスチームや高温圧縮水を通したの
とは逆方向に温調水を通すことが好ましい。また、加熱
と冷却に使用する通媒孔は、同一である必要はなく、熱
可塑性樹脂のTgや成形品の形状、厚みに応じて加熱あ
るいは冷却専用の通媒孔を設けてもよい。
【0038】金型を予熱する際には、上記方法により、
熱可塑性樹脂のTg〜(Tg+200℃)、好ましくは
(Tg+5℃)〜(Tg+180℃)、より好ましくは
(Tg+10〜(Tg+150℃)となるように加温し
ておく。加熱の速度は特に限定されないが、通常2℃/
秒以上、20℃/秒以下、好ましくは3℃/秒以上、1
0℃/秒以下の昇温速度で金型を加熱する。昇温速度が
大きいほど、成形サイクルタイムを短縮し、生産性を向
上させられる点で好ましいが、必要以上に昇温速度を大
きくしようとすると装置的負荷が過大となる。
【0039】金型14および16が所定の温度に達した
ところで、上述のようにして計量した一定量の溶融樹脂
を下金型16のキャビティ20内に供給する。金型キャ
ビティ内に供給された溶融樹脂温度がその熱可塑性樹脂
の(Tg+10℃)以上、好ましくは(Tg+30℃)
以上、(Tg+150℃)未満、好ましくは(Tg+1
00℃)未満に維持されているうちに、上金型14と下
金型16とを嵌合させてプレス成形する。本実施形態に
おいては、プレス工程は、第一段階の金型閉塞速度を1
00mm/秒〜300mm/秒、第二段階の金型閉塞速
度を1mm/秒〜200mm/秒とする。プレス時の圧
力は、成形品の大きさ、形状、成形精度によって適宜選
択されるが、通常はキャビティ内圧で、10〜120M
Pa程度である。この状態での保持時間については、通
常1秒〜5分程度である。
【0040】ついで、上金型14および下金型16双方
の通媒孔22を通しているスチームを止め、水に切り替
えて、スチームを流していたのとは逆方向に通して、上
下両方の金型を、熱可塑性樹脂のTg−20℃〜Tg−
80℃の範囲まで強制的に冷却する。
【0041】以上のようにすることにより、金型の昇温
および降温を速やかに行うことができるので、射出成形
と同等以上の高サイクルで導光板を製造することが可能
となる。
【0042】本発明に用いる製造装置においては、ま
た、上記の各手段のうちの少なくとも1つの手段を低酸
素濃度雰囲気下で行うことが好ましく、特に、樹脂溶融
工程を低酸素濃度雰囲気下で行うことによって、樹脂の
着色防止効果が高くなる。ここで、「低酸素濃度雰囲
気」とは、通常、酸素分圧で100hPa以下、好まし
くは50hPa以下、より好ましくは20hPa以下の
雰囲気をいう。低酸素濃度雰囲気とするには、装置を減
圧状態にするか、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性
ガス、およびこれらの混合ガスなどを使用して、装置内
の空気をこれらのガスで置換することで達成されるが、
コストの面から窒素ガスを使用することが好ましい。な
お、成形品中にボイドが発生することを防止するため、
樹脂原料中に含まれる水分や溶存空気を除去することが
好ましく、例えば原料ペレットを、(Tg−50)℃以
上、Tg以下の温度で、1時間以上の予備加熱をするこ
とが好ましい。予備加熱の際、雰囲気は空気中でも良い
が、酸化劣化を極力防止するため、窒素などの不活性ガ
スを使用したり、更には減圧により低酸素濃度雰囲気と
することも有効である。
【0043】本発明では、溶融樹脂の吐出口が金型のキ
ャビティ表面に直接設けられていない方が、成形体に吐
出口の後がゲート跡として残ることがなく好ましい。ま
た、本発明の製造方法ではプレスにより成形体を製造す
るため、前述したように、溶融樹脂の温度を、射出成形
の場合よりも低い温度に設定することができるため、樹
脂の熱劣化がなく、輝度に優れた成形品を得ることがで
きる。
【0044】プレス成形では溶融樹脂の流動配向がな
く、また高圧で成形する必要がないことから残留応力も
小さいので、機械的強度、寸法安定性及び光学的均一性
に優れた成形体を得ることができる。さらにまた、本発
明の製造方法によれば成形体の光学特性に対する樹脂の
流動性の影響が小さいことから、樹脂の溶融指数(以
下、「MI」と略すことがある。)の選択の幅が大きく
なる。本発明の製造方法によって、例えばPMMAにお
いて、従来のサイドゲートを用いた射出成形法では、流
動性、及び分解温度の問題から成形が困難であった成形
品も、成形が可能となる。ポリメチルメタクリレート
(PMMA)を使用する場合には、約130〜220℃
で溶融樹脂とし、約130〜220℃でプレスし、強制
冷却すればよい。
【0045】なお、光ディスク基板の成形中に生じたバ
リは、基板を取り出す前に、本発明の製造装置の金型内
に設けられた、エア、油圧、電気などで駆動するカッタ
ー等によって除去される。もちろん、打ち抜き機のよう
なバリ取り装置を別途用意し、成形後にカットすること
もできる。また、正確に樹脂計量を行なうことで成形時
のバリ発生を無くすことも可能である。上記方法により
バリが除去された光ディスク基板は、次いで、エア、イ
ジェクトピン、コア突き出しなどの手段によって金型か
ら取り出すことができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明について、製造例、実施例、及
び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明の
範囲はこれらの例に限定されるものではない。これらの
例において、[部]は、特に断りのない限り、重量基準
である。また、各種物性の測定法は、次のとおりであ
る。
【0047】(1)分子量 分子量は、シクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリ
イソプレン換算値として測定した。 (2)水素添加率 水素添加率は、H−NMRにより測定した。 (3)ガラス転移温度(Tg) ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC
法)により測定した。 (4)溶融樹脂の温度 赤外線式放射温度計を用いて、溶融樹脂の表面温度を測
定した。 (5)成形体の転写率 実施例の光ディスクの場合は、光ディスク基板上の、グ
ルーブで隔てられた凸部の高さ(h)を原子間力顕微鏡
(AFM)にて測定し、それに対応する金型キャビティ
の溝深さに対する前記(h)の比率(%)を計算して評
価した。 (6)エラーレート 得られた光ディスク基板に、公知のスパッタリング方法
により金属記録膜を形成し、上記転写率と、光ディスク
基板の複屈折値に影響するエラーレートを以下の方法に
より測定して評価した。DVDデコーダー(ケンウッド
ティー・エム・アイ製DR−3340)にてPIエラ
ーレートを測定した。250個/8ECC以下を◎、2
50〜280個/8ECCを○、280個/8ECC以
上を×とした。尚、PIエラーレートとは、DVDを再
生する際に、機器的に訂正することによりそのまま再生
が継続可能なエラーの訂正をどれだけ実行したかを示す
値であり、単位「8ECC」は、DVDトラックの一定
のエリアの範囲を示す。
【0048】[製造例1]窒素雰囲気下、8−エチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ド
デカ−3−エン(以下、ETDと略す)15部、トリシ
クロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン
(ジシクロペンタジエン、以下、DCPという)85部
を脱水したシクロヘキサン250部に溶解し、分子量調
節剤として1−ヘキセン1.2部を添加して、公知のメ
タセシス開環重合触媒で重合し、次いで公知の方法で水
素添加し、ETD/DCP開環共重合体水素添加物Aを
得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合比率を、重
合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマト
グラフィー法による)から計算したところ、ETD/D
CP=15/85でほぼ仕込組成に等しかった。このE
TD/DCP開環重合体水素添加物の、重量平均分子量
(Mw)は32,000、Mw/Mnは2.1、MFR
は52g/10分、水素添加率は99.9%、Tgは1
03℃であった。
【0049】得られた開環重合体水素添加物100部
に、老化防止剤(チバガイギー社製イルガノックス10
10)0.2部添加し、2軸混練機(東芝機械社製TE
M−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、ス
クリュー回転数250rpm、樹脂温度210℃、フィ
ードレート10kg/時間)で混練して押し出し、ペレ
ット化した。
【0050】[実施例1] (プレス成形用金型)ステンレス鋼(SUS420j
2)製で、内部に加熱、冷却用の通媒孔を有する、拡散
板用のプレス金型を作成した。この金型の嵌合時に形成
されるキャビティの形状は、厚みが0.6mm、大きさ
が130mmφであり、キャビティ片面には、DVD−
ROM用の、深さ100nm、ピッチ0.74μの溝が
同心円状に形成されている。
【0051】(プレス成形装置) (A)下部に窒素ガス導入口を設けたホッパーと加熱シ
リンダー、および加熱シリンダーの内部にスクリューを
備えた、樹脂溶融部と、(B)樹脂溶融装置から吐出さ
れる溶融樹脂を受け、重量センサーを備えた容器と、容
器を動かすアームとを備えた溶融樹脂供給部と、(C)
プレス用金型をセットして、これを嵌合、加圧可能なプ
レス部とを有するプレス成形装置に、前記拡散板用の金
型を設置した。金型通媒孔には、スチームと温調水の配
管を、切り替えバルブを介して接続した。
【0052】(光ディスク基板の成形)製造例1のペレ
ットを、80℃、4時間で加熱予備乾燥を行った後、前
記プレス成形装置の樹脂溶融部のホッパーに供給した。
ホッパーには前記窒素ガス導入口より窒素ガスを流通さ
せ、窒素ガスはホッパー中の樹脂ペレットの隙間を抜け
てホッパー上方に向けて流通させ、さらに、加熱シリン
ダー内部にも導入されるようにした。金型は、予めスチ
ームを流通させて160℃に昇温した。その際、20℃
の金型が160℃に達するまでの時間は40秒であり、
平均昇温速度は3.5℃/秒であった。加熱シリンダー
内部に供給された樹脂を225℃で溶融させ、吐出口よ
り72gの溶融樹脂として溶融樹脂供給部の容器上に吐
出した。溶融樹脂は直ちに開かれた上下金型の間に移動
させ、アームの反転によって容器上から下金型キャビテ
ィ内に供給された。
【0053】キャビティ主面上に供給された溶融樹脂の
温度が100℃の状態で上下金型を嵌合させプレスを行
った。プレスは、第一段階で金型閉塞速度を200mm
/秒〜7mm/秒に連続的に変化させて行い、一旦金型
をストップした状態で1秒保持した後、再び第二段階で
50mm/秒〜7mm/秒に連続的に変化させて行っ
た。水で、最大型締力が20t以下であるように加圧し
ながら、金型を閉じた状態で10秒間保持した。次いで
金型の通媒孔にスチームに替えて20℃の温調水を流通
させ、金型を60℃まで降温させた時点で上下金型を開
き、成形された拡散板を取り出した。その際、60℃ま
での降温時間は約30秒で、平均降温速度は約3.3℃
/秒であった。次いで、金型の通媒孔に再びスチームを
流通させて160℃に昇温した。昇温に要した時間は約
30秒であった。ここで、前記プレス、降温、取り出し
の工程の間に形成された、次の溶融樹脂を再び金型に供
給し、プレスを行った。このようにして、連続的に拡散
板の成形を行った。連続成形の際のサイクルタイムは約
70秒であった。得られた光ディスクは厚さ0.6m
m、130mmφであり、片面に深さ約100nmの溝
が同心円状にピッチ0.74μmで形成されていた。
【0054】前述の方法により、光ディスク基板の溝転
写率を測定した後、記録層を形成してエラーレートを評
価した。結果を表1に記載する。
【0055】
【表1】
【0056】[実施例2]プレス時の溶融樹脂温度を1
80℃に変えた以外は、実施例同様に光ディスク基板を
成形して評価した。結果を表1に記載する。
【0057】[比較例1]プレス時の溶融樹脂温度を1
10℃に変えた以外は、実施例同様に光ディスク基板を
成形して評価した。結果を表1に記載する。
【0058】以上、実施例、比較例を比較すると、微細
凹凸を有する金型を用いて、溶融樹脂温度が本発明の方
法規定の範囲にある状態でプレス成形を行って得られた
光ディスク(実施例1、2)は、溝の転写性にも優れ、
複屈折値に起因するエラーレートが格段に小さいのに比
較し、溶融樹脂温度が本発明の方法規定の範囲外にある
状態でプレス成形を行って得られた光ディスク(比較例
1)は、溝の転写性が低下し、エラーレートも増大して
いる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、大型且つ薄型であって
も、光線透過性、低複屈折性、機械的強度、及び微細凹
凸の転写性に優れ、精密光学部品や非接触式光学情報記
録媒体基板として好適な光学用成形体を製造する方法が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プレス成形装置を表す図である。
【図2】 図2は、プレス圧縮用金型を表す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 プレス成形装置 10 ホッパー 12 シリンダ 12’ ノズル 14 上金型 16 下金型 18 アーム 20 キャビティ 22 熱媒または冷却用通媒孔 24 スタンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00 B29L 11:00 Fターム(参考) 4F202 AF01 AG01 AG05 AG19 AH79 AR06 AR12 CA09 CB01 CK11 CL02 CN01 CN21 4F204 AA12 AE01 AH73 AH79 AR06 FA01 FB01 FN11 FN15 5D121 AA02 DD04 DD20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の金型のキャビティ面
    に、高さ又は深さが50μ未満である微細凹凸が形成さ
    れ、距離を置いて設けられた上金型及び下金型からなる
    プレス成形機の下金型に、溶融したハロゲン不含有熱可
    塑性樹脂を供給し、該溶融樹脂の温度が該樹脂のガラス
    転移温度(Tg)に対し、(Tg+10℃)以上(Tg
    +150℃)未満の温度範囲にある間にプレスすること
    を特徴とする光学用成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 プレス工程において、金型閉塞速度を1
    回以上変化させることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 光学用成形体が光ディスク基板である請
    求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 光学用成形体が液晶表示装置用導光板で
    ある請求項1乃至3記載の製造方法。
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