JP2003211422A - 3次元セラミック構造体の製造方法 - Google Patents

3次元セラミック構造体の製造方法

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JP2003211422A
JP2003211422A JP2002011725A JP2002011725A JP2003211422A JP 2003211422 A JP2003211422 A JP 2003211422A JP 2002011725 A JP2002011725 A JP 2002011725A JP 2002011725 A JP2002011725 A JP 2002011725A JP 2003211422 A JP2003211422 A JP 2003211422A
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dimensional
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ceramic structure
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green compact
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JP2002011725A
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Takuji Nakagawa
卓二 中川
Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体形状を有する3次元セラミック構造体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 金属元素を含有する感光性のゾルゲル溶
液5の液面に、レーザ光発生装置21からレーザ光のよ
うな電磁波を照射してゲル化させることと、ゲル化され
たゲル化物をゾルゲル溶液5の液面から所定の深さの位
置に移動させることとを繰り返し、また、適当な段階で
ゾルゲル溶液5の未照射部分の溶解除去を行なって、層
状に3次元未焼結成形体4を作製し、次いで、3次元未
焼結成形体4を焼成することによって、目的とする3次
元セラミック構造体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、立体形状を有す
る3次元セラミック構造体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】立体形状を有する3次元セラミック構造
体を製造する方法には、大きく分けて、次の2種類の典
型的な方法がある。
【0003】第1の方法は、焼成後のセラミック焼結体
を外方から加工して、所望の形状とされた3次元セラミ
ック構造体を得る方法である。この方法において、セラ
ミック焼結体を外方から加工するため、たとえば、ドリ
ル等を用いて機械的に切削する方法が適用されたり、化
学的にエッチングする方法が適用されたり、レーザ光や
イオンビームで穴を形成する方法が適用されたりするこ
とができる。
【0004】第2の方法は、セラミック粉体またはセラ
ミック粉体と樹脂との混合物から予め所望の立体形状を
有する生の成形体を成形し、その後、この生の成形体を
焼成する方法である。この第2の方法において、所望の
立体形状を有する生の成形体を得るため、型を用い、こ
の型の中にセラミック粉体またはセラミック粉体と樹脂
との混合物を入れて成形する方法が適用されたり、パン
チング等によって所望の立体形状を有する生の成形体を
作製する方法が適用されたりすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1および第2の方法のいずれにも、解決されるべき
課題がある。
【0006】まず、第1の方法において、ドリル等を用
いて機械的に切削する方法が適用される場合には、チッ
ピングやクラックが発生しやすく、また、加工可能なセ
ラミック焼結体の材料が限定される。
【0007】機械的に切削するため、サンドブラストに
よる加工方法が適用されることもある。この場合には、
加工されるべきセラミック焼結体をレジストによって被
覆し、加工部分においてのみ、レジストを除去した後、
サンドブラストによって穴等を設けることが行なわれ
る。しかしながら、この方法では、深さのある穴を設け
ることが困難であり、また、レジストによる被覆および
レジストの除去といった比較的面倒な工程が必要であ
る。
【0008】第1の方法において、化学的にエッチング
する方法が適用される場合には、一般に、エッチングレ
ジストの塗布、エッチングレジストのパターニング、お
よびエッチングの各工程が実施される。しかしながら、
この方法では、エッチング液およびエッチングレジスト
の各々の選択の幅が狭く、また、エッチングによって加
工できるセラミック材料についても限定される。また、
エッチングできる深さが穴の大きさによって制限され、
たとえば、深い穴を設けたり、高い突起物を設けたりす
るための加工が困難であり、また、壷状の穴を形成しに
くいという問題がある。さらに、エッチングレジストの
塗布、パターニング等の比較的煩雑な工程が必要であ
る。
【0009】第1の方法において、レーザ光やイオンビ
ームを用いて加工する方法が適用された場合であって
も、深さのある加工や面積の広い加工が比較的困難であ
る。
【0010】他方、第2の方法において、型を用いる方
法では、比較的複雑な立体形状を得ることが困難であ
り、パンチング等によって生の成形体を得る場合には、
複雑な立体形状を得ることがより困難である。
【0011】また、第2の方法では、一般に、比較的高
温での焼成が必要である。
【0012】さらに、第1および第2の方法のいずれで
あっても、骨組みのような空間のある複雑な立体構造を
得ることは困難である。
【0013】なお、特殊な方法として、たとえば、シン
クロトロン放射光からの高輝度、高透過性かつ高指向性
のX線を用いた露光によって、高アスペクト比(深さ/
穴径)のレジストパターンを作製し、そこに、(Pb,
Zr)TiO3 のスラリーを流し込んでキャスティング
し、その後、不要なレジストを除く工程を経て、3次元
セラミック構造体を得る方法がある。しかしながら、こ
の方法によっても、高アスペクト比の立体形状を有する
構造体の作製には限界があり、また、非常に複雑な工程
が必要であるという問題を有している。
【0014】他方、複雑な立体形状を有する3次元セラ
ミック構造体を製造するのに適した方法として、光造形
を用いた積層造形法がある。たとえば特開2000−3
41031号公報には、セラミックと光硬化性樹脂との
混合物から、この方法を用いて、3次元構造体を製造す
ることが記載されている。しかしながら、この方法によ
って得られた3次元構造体は、樹脂とセラミックとの複
合体からなり、セラミック本来の特性を発現させること
が困難である。
【0015】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な種々の問題を解決し得る、3次元セラミック構造体の
製造方法を提供しようとすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係る3次元セ
ラミック構造体の製造方法は、上述した技術的課題を解
決するため、金属元素を含有する感光性のゾルゲル溶液
に電磁波を照射してゲル化させ、3次元未焼結成形体を
作製する工程と、この3次元未焼結成形体を焼成する工
程とを備えることを特徴としている。
【0017】なお、この発明における3次元セラミック
構造体とは、あらゆる形状の構造体を指すものである。
具体的には、たとえば、角柱形状、角錐形状、球形状な
どの表面凹凸が比較的少ない形状の構造体、および、骨
組みのような空間のある形状、比較的高い複数の突起物
を近接して有する形状、深さのある穴を有する形状な
ど、表面が複雑な凹凸面を備えた形状の構造体、双方を
指す。
【0018】感光性のゾルゲル溶液は、金属の有機化合
物の溶液と感光性ゲル化反応促進剤とを含むことが好ま
しい。
【0019】3次元未焼結成形体を作製するにあたって
は、ゾルゲル溶液の液面近傍の液層を電磁波の照射によ
りゲル化する工程と、このゲル化する工程によってゲル
化されたゲル化物をゾルゲル溶液の液面から所定の深さ
の位置まで移動させる工程とが繰り返し実施され、それ
によって、層状に3次元未焼結成形体が作製されること
が好ましい。
【0020】好ましくは、上述のゲル化する工程と移動
させる工程とが少なくとも1回実施された後、ゾルゲル
溶液の未照射部分を溶解除去する工程が実施される。
【0021】この発明によって得られた3次元セラミッ
ク構造体を補強するため、この3次元セラミック構造体
が有する空間部分に、3次元セラミック構造体とは異な
る材料を充填するようにしてもよい。たとえば、具体的
には、図3に示す3次元セラミック構造体であるフォト
ニックバンドギャップ結晶31が有する空間部分(凹
部)32に樹脂を充填させる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る製造方法
によって製造される3次元セラミック構造体の一例とし
ての圧電トランスデューサアレイ1を示す斜視図であ
る。
【0023】図1に示した圧電トランスデューサアレイ
1は、医療用超音波診断装置において用いられる。圧電
トランスデューサアレイ1は、たとえば、チタン酸ジル
コニウム酸鉛(PZT)から構成される。
【0024】圧電トランスデューサアレイ1は、多数の
柱状のトランスデューサ2を備え、これらが配列された
構造を有している。圧電トランスデューサアレイ1が与
える分解能は、個々のトランスデューサ2の大きさおよ
び配列ピッチに依存し、したがって、分解能を高めるた
め、トランスデューサ2をできるだけ小さくし、かつ、
できるだけ密度高く配列することが必要である。
【0025】このような圧電トランスデューサアレイ1
を製造するため、まず、圧電トランスデューサアレイ1
と同じ立体形状を有する3次元未焼結成形体が作製され
る。この3次元未焼結成形体を作製するため、図2に示
すような3次元未焼結成形体製造装置3が用いられる。
【0026】図2において、この3次元未焼結成形体製
造装置3によって製造された3次元未焼結成形体4が概
略的に図示されている。
【0027】3次元未焼結成形体製造装置3は、金属元
素を含有する感光性のゾルゲル溶液5を収容し、かつそ
の中で3次元未焼結成形体4を製造するための主要槽6
を備えている。主要槽6内には、その上で3次元未焼結
成形体4を製造するためのステージ7が配置される。ス
テージ7は、矢印8で示すように、所定の高さ分ごとに
徐々に低くされるように駆動される。
【0028】主要槽6の上方開口に沿って移動するよう
にスキージ9が設けられる。スキージ9は、ゾルゲル溶
液5の液面を調整するためのものである。スキージ9に
よる液面調整の結果、主要槽6から除かれたゾルゲル溶
液5は、主要槽6に隣接して設けられた余剰溶液貯留槽
10に貯留される。
【0029】また、主要槽6より下方の位置には、予備
槽11が設けられる。予備槽11は、ポンプ12を介在
させた導管13を介して主要槽6と連結され、この予備
槽11に収容されたゾルゲル溶液5は、ポンプ12を駆
動することにより、導管13を通って、主要槽6に供給
される。
【0030】また、予備槽11は、ゾルゲル溶液回収弁
14を介在させた導管15を介して、主要槽6に連結さ
れる。ゾルゲル溶液回収弁14を開くことにより、主要
槽6内のゾルゲル溶液5は、導管15を通って、予備槽
11に回収される。
【0031】また、前述した余剰溶液貯留槽10は、導
管16およびゾルゲル溶液回収弁25を介して導管15
に接続される。したがって、余剰溶液貯留槽10内のゾ
ルゲル溶液5も、ゾルゲル溶液回収弁14および25を
開くことにより、導管16および15を通って、予備槽
11に回収されることができる。
【0032】また、導管15には、現像液廃棄弁17を
介在させた導管18が接続される。この導管18は、主
要槽6において現像処理(未照射部分の溶解除去処理)
が実施されたとき、主要槽6に貯留した現像液を廃棄す
るために用いられる。
【0033】この3次元未焼結成形体製造装置3は、ま
た、主要槽6内のゾルゲル溶液5に対して、電磁波、よ
り具体的には、矢印19および20で示すようなレーザ
光を照射して、ゾルゲル溶液5をゲル化させるためのレ
ーザ光発生装置21を備えている。レーザ光発生装置2
1で発生されたレーザ光は、矢印19および20で示す
ように、ミラー22で反射され、かつレンズ23によっ
て焦点合わせされた後、主要槽6内のゾルゲル溶液5の
液面に照射される。
【0034】また、この3次元未焼結成形体製造装置3
は、ステージ7上の3次元未焼結成形体4に対して加熱
作用を及ぼすためのランプヒータ24を備えている。
【0035】次に、3次元未焼結成形体製造装置3を用
いての3次元未焼結成形体4の製造方法について説明す
る。
【0036】まず、感光性のゾルゲル溶液5が作製され
る。このゾルゲル溶液5は、好ましくは、金属の有機化
合物の溶液と感光性ゲル化反応促進剤とを含むことが好
ましい。一例として、酢酸鉛を2−メトキシエタノール
に溶解し、加熱して十分に脱水し、この溶液にジルコニ
ウム−n−ブトキシドおよびチタンイソプロピキシドを
加え、さらに、2−メトキシエタノールで希釈し、さら
に感光作用を生じさせるために、o−ニトロベンジルア
ルコールを加えることによって、感光性のゾルゲル溶液
5が得られる。
【0037】上述のゾルゲル溶液5は、主要槽6に導入
され、次いで、スキージ9によって、その液面が調整さ
れる。このとき、ゾルゲル溶液5の余剰分は、余剰溶液
貯留槽10に収容される。
【0038】次に、主要槽6内のゾルゲル溶液5の液面
に向かって、レーザ光発生装置21からのレーザ光が照
射される。ゾルゲル溶液5は、レーザ光の照射によって
ゲル化される。
【0039】上述したレーザ光の照射およびそれによる
ゾルゲル溶液5のゲル化は、得ようとする3次元未焼結
成形体4全体について一挙に行なわれるのではなく、3
次元未焼結成形体4を層状に分割した各部分について順
次実施される。
【0040】すなわち、この工程を開始する段階では、
ステージ7が、ゾルゲル溶液5の液面近傍に位置してい
る。たとえば、ステージ7は、このステージ7上に、厚
み1μm程度のゾルゲル溶液5の液層を形成するように
位置している。この状態で、レーザ光が照射され、上述
の液層部分においてゲル化が達成され、次いで、ステー
ジ7は、このゲル化物をゾルゲル溶液5の液面から所定
の深さの位置まで移動させるように、たとえば1μmだ
け矢印8で示すように下方へ移動され、再び、レーザ光
が照射され、ゾルゲル溶液5の特定の部分がゲル化され
る。
【0041】上述のようなレーザ光の照射によるゾルゲ
ル溶液5のゲル化と、ステージ7の矢印8方向への移動
とが繰り返され、それによって、層状にゲル化が達成さ
れ、目的とする3次元未焼結成形体4が層状に作製され
る。
【0042】また、上述した工程を実施した結果、得ら
れた3次元未焼結成形体4には、ゲル化されていない未
照射部分が残されている。この未照射部分は、溶解除去
されなければならない。
【0043】上述のように、未照射部分を溶解除去する
にあたっては、ゾルゲル溶液回収弁14が開かれ、主要
槽6内のゾルゲル溶液5が、導管15を通って、一旦、
予備槽11に回収される。このとき、余剰溶液貯留槽1
0に貯留されたゾルゲル溶液5も、導管16を通って、
予備槽11に回収される。
【0044】次に、現像液がステージ7に向かってシャ
ワリングされ、それによって、未照射部分が除去され
る。このように未照射部分を除去した現像液は、現像液
廃棄弁17を開くことによって、導管15および18を
通って、主要槽6から排出される。
【0045】上述のように、未照射部分の除去を終えた
後、ゲル化された部分は、ランプヒータ24によって、
たとえば100℃に加熱され、硬化される。
【0046】また、予備槽11に収容されたゾルゲル溶
液5は、ポンプ12を駆動することによって、導管13
を通って、再び、主要槽6に導入され、反応を進める。
【0047】前述したような未照射部分の除去は、レー
ザ光の照射による1層分のゲル化を終えるごとに実施し
ても、複数層のゲル化を終えるごとに実施しても、ある
いは、目的とする3次元未焼結成形体4が完成された後
に実施してもよい。
【0048】なお、3次元未焼結成形体4のように、比
較的高い複数個の突起物が互いに近接して配置されてい
る3次元未焼結成形体を得る場合や、深さのある穴を有
する3次元未焼結成形体を得る場合や、複雑な立体形状
を有する3次元未焼結成形体を得る場合には、このよう
な3次元未焼結成形体を作製する工程の途中で、未照射
部分の溶解除去を行ない、レーザ光の照射によるゲル化
と未照射部分の溶解除去とを繰り返すことが好ましい。
【0049】特に複雑な形状の場合、1層ごとに現像し
て、ランプヒータ24で反応を進め硬化して、形状が変
形することを防ぐことが望ましい。
【0050】一例として、図1に示した圧電トランスデ
ューサアレイ1を得るための3次元未焼結成形体4を製
造しようとする場合、ゾルゲル溶液5は、その液層の厚
みが1μmごとにゲル化され、ゲル化部分の厚みが10
μmに達するごとに、未照射部分の溶解除去が実施さ
れ、これを繰り返すことによって、3次元未焼結成形体
4におけるトランスデューサ2となるべき部分におい
て、たとえば100μmの高さが達成される。
【0051】以上のように、層状に3次元未焼結成形体
4を作製し、かつ加熱硬化を終えたた後、この3次元未
焼結成形体4は、ステージ7から取り出され、たとえば
600℃の温度で60分間焼成されることにより、焼結
した圧電トランスデューサアレイ1が得られる。
【0052】なお、圧電トランスデューサアレイ1は、
割れやすくかつ脆いため、その取り扱いを容易にするた
め、図1において想像線で示すように、樹脂溶液を含浸
させ硬化させて形成された樹脂2aによって、各トラン
スデューサ2を固定することが好ましい。
【0053】図3は、この発明に係る製造方法によって
製造される3次元セラミック構造体の他の例としてのフ
ォトニックバンドギャップ結晶31を示す斜視図であ
る。
【0054】図3に示したフォトニックバンドギャップ
結晶31を製造する場合にも、図2に示した3次元未焼
結成形体製造装置3が用いられる。
【0055】より具体的には、ゾルゲル溶液5として、
バリウムブトキシドの2−メトキシエタノール溶液にチ
タンイソプロポキシドを加え、さらに、2−メトキシエ
タノールで希釈し、感光作用を生じさせるために、o−
ニトロベンジルアルコールを加えた、感光性のゾルゲル
溶液が用いられる。そして、図2に示した3次元未焼結
成形体製造装置3を用いて、ゾルゲル溶液5を層状にゲ
ル化させ、バリウムチタネートゲルを作製し、得られた
3次元未焼結成形体4(その形状は図3に示したフォト
ニックバンドギャップ結晶31に対応)を、たとえば6
50℃の温度で60分間焼成するにより、チタン酸バリ
ウムのフォトニックバンドギャップ結晶31が得られ
る。
【0056】このフォトニックバンドギャップ結晶31
は、ダイヤモンド構造を有していて、空気との間で誘電
率の大きな差を得ることができ、大きなフォトニックバ
ンドギャップを与えることができる。
【0057】このフォトニックバンドギャップ結晶31
においても、これを補強するため、その空間部分(凹
部)32に樹脂等のフォトニックバンドギャップ結晶3
1とは異なる材料を充填するようにしてもよい。
【0058】以上、この発明を、図示した実施形態に関
連して説明したが、この発明の範囲内において、その
他、種々の変形例が可能である。
【0059】たとえば、上述した実施形態では、この発
明に係る製造方法によって製造される3次元セラミック
構造体として、図1に示した圧電トランスデューサアレ
イ1および図3に示したフォトニックバンドギャップ結
晶31を例示したが、その他、種々の立体形状を有する
3次元セラミック構造体の製造に、この発明を適用する
ことができる。
【0060】また、3次元未焼結成形体を層状に作製す
る場合、各層の厚みは、目的とする立体形状に応じて、
適宜、変更することができる。この各層の厚みは、より
薄いほど、より複雑な立体形状に対応可能である。
【0061】また、3次元未焼結成形体を層状に作製す
る場合、各層の厚みは必ずしも同じでなくてもよい。た
とえば、同一断面形状の部分については、1回の照射に
よりゲル化させる部分の厚みを厚くし、この同一断面形
状の部分を一挙に作製し、より複雑な断面形状あるいは
互いに異なる種々の断面形状が入り乱れている部分につ
いては、1回の照射によりゲル化させる部分の厚みを薄
くして、所望の立体形状を有する3次元未焼結成形体を
得るようにしてもよい。
【0062】また、前述した実施形態では、ゾルゲル溶
液をゲル化させるために照射される電磁波として、レー
ザ光を用いたが、その他の光線、電子線、イオンビーム
またはX線を用いてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、目的
とする3次元セラミック構造体を得るために焼成される
3次元未焼結成形体を作製するため、金属元素を含有す
る感光性のゾルゲル溶液に電磁波を照射してゲル化させ
ることが行なわれるので、電磁波の照射態様を変えるだ
けで、任意の立体形状を有する3次元未焼結成形体を作
製することができ、したがって、任意の立体形状を有す
る3次元セラミック構造体を容易に作製することができ
る。
【0064】この発明において、3次元未焼結成形体を
作製するにあたって、ゾルゲル溶液の液面近傍の液層を
電磁波の照射によりゲル化する工程と、このゲル化する
工程によってゲル化されたゲル化物をゾルゲル溶液の液
面から所定の深さの位置まで移動させる工程とが繰り返
し実施され、それによって、層状に3次元未焼結成形体
が作製されるようにすると、複雑な立体形状を有する3
次元未焼結成形体を作製することができ、目的とする3
次元セラミック構造体の立体形状の一層の複雑化にも十
分対応することができる。
【0065】上述のゲル化する工程と移動させる工程と
が少なくとも1回実施された後、ゾルゲル溶液の未照射
部分の溶解除去する工程が実施されると、比較的高い複
数個の突起物が互いに近接して配置されている3次元未
焼結成形体を得る場合や、深さのある穴を有する3次元
未焼結成形体を得る場合や、複雑な立体形状を有する3
次元未焼結成形体を得る場合であっても、1層ごとに現
像して硬化を進めて形状の安定性を確保することがで
き、、所望の立体形状を有する3次元未焼結成形体ない
しは3次元セラミック構造体を確実に作製することがで
きる。
【0066】この発明において、得られた3次元セラミ
ック構造体が有する空間部分に、3次元セラミック構造
体とは異なる、たとえば樹脂のような材料を充填するよ
うにすれば、3次元セラミック構造体の強度を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る製造方法によって製造される3
次元セラミック構造体の一例としての圧電トランスデュ
ーサアレイ1を示す斜視図である。
【図2】図1に示した圧電トランスデューサアレイ1に
相当する立体形状を有する3次元未焼結成形体4を製造
するために用いられる3次元未焼結成形体製造装置3の
構成を図解的に示す正面図である。
【図3】この発明に係る製造方法によって製造される3
次元セラミック構造体の他の例としてのフォトニックバ
ンドギャップ結晶31を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電トランスデューサアレイ(3次元セラミック構
造体) 2 トランスデューサ 2a 樹脂 3 3次元未焼結成形体製造装置 4 3次元未焼結成形体 5 ゾルゲル溶液 6 主要槽 7 ステージ 21 レーザ光発生装置 31 フォトニックバンドギャップ結晶(3次元セラミ
ック構造体) 32 空間部分
フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA16 AA17 AA40 BA09 CA07 GA10 GA17 GA19 4G055 AA08 AB00 AC09 BA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属元素を含有する感光性のゾルゲル溶
    液に電磁波を照射してゲル化させ、3次元未焼結成形体
    を作製する工程と、 前記3次元未焼結成形体を焼成する工程とを備える、3
    次元セラミック構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記感光性のゾルゲル溶液は、金属の有
    機化合物の溶液と感光性ゲル化反応促進剤とを含む、請
    求項1に記載の3次元セラミック構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記3次元未焼結成形体を作製する工程
    は、前記ゾルゲル溶液の液面近傍の液層を前記電磁波の
    照射によりゲル化する工程と、前記ゲル化する工程によ
    ってゲル化されたゲル化物を前記ゾルゲル溶液の液面か
    ら所定の深さの位置まで移動させる工程とを備え、前記
    ゲル化する工程と前記移動させる工程とが繰り返され、
    それによって、層状に前記3次元未焼結成形体が作製さ
    れる、請求項1または2に記載の3次元セラミック構造
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ゲル化する工程と前記移動させる工
    程とが少なくとも1回実施された後、前記ゾルゲル溶液
    の未照射部分を溶解除去する工程が実施される、請求項
    3に記載の3次元セラミック構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記3次元セラミック構造体が有する空
    間部分に、前記3次元セラミック構造体とは異なる材料
    を充填する工程をさらに備える、請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の3次元セラミック構造体の製造方法。
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