JP2003211066A - 塗布方法 - Google Patents

塗布方法

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JP2003211066A
JP2003211066A JP2002015717A JP2002015717A JP2003211066A JP 2003211066 A JP2003211066 A JP 2003211066A JP 2002015717 A JP2002015717 A JP 2002015717A JP 2002015717 A JP2002015717 A JP 2002015717A JP 2003211066 A JP2003211066 A JP 2003211066A
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web
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head
coating liquid
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JP2002015717A
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Shinsuke Takahashi
伸輔 高橋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続走行するウェブに各種液状組成物を塗布し
て長尺で広幅な塗布膜面を形成する方法において、簡易
な構成の設備で、安定して塗布の開始ができ、その後も
欠点が発生しにくい塗布膜が形成できる塗布方法を提供
する。 【解決手段】複数本のウェブ案内ローラ22によって形
成されるウェブ走行路に沿って長尺のウェブ12を連続
的に走行させながら、ウェブ案内ローラ間に張架されて
いるウェブ12の一方の表面に塗布液20を塗布手段1
4により塗布する塗布方法。塗布手段14は、ウェブ1
2と塗布ヘッド16先端との間に所定の距離が設けら
れ、塗布ヘッドより塗布液20が供給されウェブの表面
に塗布層が形成され、その直後に棒状部材18により余
剰の塗布液が掻き落とされて所期の厚さの塗布層24が
形成される構成であって、塗布開始時において、ウェブ
12と塗布ヘッド16先端との距離を前記所定の距離よ
り一時的に減少させることによってウェブと塗布液とを
接触させ、これにより塗布を開始させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、塗布膜の塗布方法
に係り、特に、連続走行するウェブ(帯状可撓性支持
体)に各種液状組成物を塗布して長尺で広幅な塗布膜面
を形成する塗布方法に関する。 【0002】この技術は、磁気記録テープ、写真用フィ
ルム、写真用印画紙、光学補償シート等の光学的機能性
フイルムシート、感光材料用のフイルムの溶剤下塗り、
熱現像感光材料、ナノ粒子等の微細構造粒子を含む機能
性フイルム、接着テープ、感圧記録紙、オフセット版
材、電池、等の製造、等に使用される。 【0003】 【従来の技術】連続走行するウェブに各種液状組成物を
塗布して長尺で広幅な塗布膜を形成する塗布方法につい
ては、各種の方法が使用されている。このうち、ロッド
コータ(原崎勇次著、『コーティング方式』、P2、P
51〜56、槇書店、1979年、参照)は、ロッド
(棒状部材)を使用して塗布液の平滑化と計量を行う塗
布方法である。 【0004】具体的な適用例については、たとえば、本
願出願人により特開平6−296922号の開示があ
る。この開示における従来例の塗布方法は、図6に示さ
れるような構成の塗布装置1となっている。同図は、従
来の塗布方法において塗布が安定して実施されている態
様を示す概念図である。 【0005】同図において、塗布装置1は、ガイドロー
ラ(ウェブ案内ローラ)22A、22B間に張架されて
いる連続的に走行するウェブ12の一方の表面に塗布液
3を塗布手段2により塗布する構成となっている。同装
置において、ウェブ12と塗布手段2の塗布ヘッド4先
端との間に所定の距離が設けられている。塗布ヘッド4
より塗布液3が供給され、ウェブ12の表面に塗布層が
形成され、その直後に棒状部材5により余剰の塗布液3
が掻き落とされて所期の厚さの塗布層6が形成される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の塗布装置1では、図7に示されるように、塗布開始
時において、定常状態で設定される供給量の塗布液3を
供給しただけでは、ウェブ12と塗布ヘッド4先端との
間に所定の距離があることより、塗布液3がウェブ12
と接触できず、塗布が開始できない。 【0007】その反面、一旦何らかのきっかけ、手段等
により塗布が開始されれば、いわゆるティーポット効果
によって、前述の図6に示されるように、安定した塗布
層6が形成される。 【0008】特開平6−296922号の開示は、この
問題点をも解決するものであり、そのために塗布装置の
上流側にバックエッジを設けてこの課題に対処してい
る。しかし、この構成では他の問題点を生じることが経
験的に確認された。 【0009】すなわち、図8に示されるように、同構成
では僅かの隙間T2が設けられているが、この隙間T2
の間に異物が巻き込まれた際に、スジ状の欠点を生じや
すい。また、バックエッジがウェブに接触する可能性が
あり、この場合にはウェブに傷を生じる。さらに、塗布
装置の上流側に塗布液がミスト状になって噴き出す懸念
もある。 【0010】一方、本願出願人により開示されている特
開2000−126670号の構成のように、エクスト
ルージョン型のヘッド部とロッド部を有する固定スタン
ドとを離して設け、上記課題に対応している例もある。
しかし、この構成では、塗布ヘッドが実質的に2台必要
となり、設備の複雑化、高コスト化を招いてしまう。 【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、連続走行するウェブ(帯状可撓性支持
体)に各種液状組成物を塗布して長尺で広幅な塗布膜面
を形成する方法において、簡易な構成の設備で、安定し
て塗布の開始ができ、その後も欠点が発生しにくい塗布
膜が形成できる塗布方法を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、複数本のウェブ案内ローラによって形成
されるウェブ走行路に沿って長尺のウェブを連続的に走
行させながら、前記ウェブ案内ローラ間に張架されてい
る前記ウェブの一方の表面に塗布液を塗布手段により塗
布する塗布方法において、前記塗布手段は、前記ウェブ
と塗布ヘッド先端との間に所定の距離が設けられ、塗布
ヘッドより塗布液が供給され前記ウェブの表面に塗布層
が形成され、その直後に棒状部材により余剰の塗布液が
掻き落とされて所期の厚さの塗布層が形成される構成で
あって、塗布開始時において、前記ウェブと前記塗布ヘ
ッド先端との距離を前記所定の距離より一時的に減少さ
せることによって前記ウェブと塗布液とを接触させ、こ
れにより塗布を開始させることを特徴とする。 【0013】本発明によれば、塗布開始時において、図
5に示されるような、ウェブ12と塗布ヘッド先端16
との距離Hを一時的に減少させることによってウェブと
塗布液とを接触させ、これにより安定して塗布を開始で
きる。また、簡易な構成の設備とすることができ、更
に、塗布開始後も欠点が発生しにくい塗布膜が安定的に
形成できる。 【0014】一時的に減少させるウェブと塗布ヘッド先
端との距離は、ウェブの走行速度、塗布液の組成、塗布
液の粘度等、各種の条件によっても異なるが、定常状態
(安定した塗布状態)におけるウェブと塗布ヘッド先端
との距離Hの50%以下が好ましく、40%以下がより
好ましい。したがって、定常状態におけるウェブと塗布
ヘッド先端との距離Hが200μmであった場合、上記
距離はそれぞれ、100μm、80μmとなる。ただ
し、上記距離を小さくし過ぎると、ウェブと塗布ヘッド
先端とが接触するので、下限の制約はある。 【0015】本発明において、前記塗布手段上流側のウ
ェブ案内ローラの位置を、塗布開始時に一時的に変える
ことにより前記ウェブと塗布液とを接触させることが好
ましい。このように、上流側のウェブ案内ローラの位置
を一時的に変えれば、ウェブと塗布ヘッド先端との距離
Hが減少するからである。このウェブ案内ローラの位置
を変える構成は比較的容易であり、また、繰り返し再現
性もよい。 【0016】また、本発明において、前記塗布手段上流
側の前記ウェブの他方の表面に気体を吹き付け、ウェブ
を前記塗布手段側に撓ませることによりウェブと塗布液
とを接触させることが好ましい。このような手段によっ
ても、ウェブと塗布ヘッド先端との距離Hが一時的に減
少するからである。この気体を吹き付ける気体吹き付け
手段は簡易な構成であり、また、塗布開始時以外の時に
は気体吹き付け手段を退避させ得るので装置レイアウト
上も好ましい。 【0017】また、本発明において、前記塗布手段上流
側の前記ウェブの一方の表面に気体を吹き付け、ウェブ
を振動させることによりウェブと塗布液とを接触させる
ことが好ましい。このような手段によっても、ウェブと
塗布ヘッド先端との距離Hが一時的に減少するからであ
る。上記と同様に、この気体を吹き付ける気体吹き付け
手段は簡易な構成であり、また、塗布開始時以外の時に
は気体吹き付け手段を退避させ得るので装置レイアウト
上も好ましい。 【0018】なお、本発明は、各種手段によってウェブ
と塗布ヘッド先端との距離Hを一時的に減少させること
を特徴としているが、これと実質的に同様の作用を奏す
る構成、たとえば、塗布ヘッドより供給される塗布液の
液量を、塗布開始時に瞬間的に増加させることによりウ
ェブと塗布液とを接触させることも本発明に含まれるも
のである。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係る塗布方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1〜図4は、それぞれ本発明の塗布方法の実施の各態
様を示す概念図である。 【0020】各図において、塗布装置10は、ガイドロ
ーラ(ウェブ案内ローラ)22A、22B間に張架され
ている連続的に走行するウェブ12の一方の表面(本構
成では、下面)に塗布液20を塗布手段14により塗布
する構成となっている。塗布装置10において、ウェブ
12と塗布手段14の塗布ヘッド16先端との間に所定
の距離H(図5参照)が設けられている。塗布ヘッド1
6より塗布液20が供給され、ウェブ12の表面に塗布
層が形成され、その直後に棒状部材18により余剰の塗
布液20が掻き落とされて所期の厚さの塗布層24が形
成される構成となっている。 【0021】エクストルージョン型の塗布手段14は、
スロット内に圧送された塗布液20を、塗布ヘッド16
の先端(出口)から、ガイドローラ22A、22Bに張
架されて矢印方向に一定の速度で走行するウェブ12に
連続的に吐出するようになっている。これにより、棒状
部材18の直前においてウェブ12の下面に過剰な塗布
液が塗布される。なお、塗布手段14としては、エクス
トルージョン型に限定されるものではなく、ウェブ12
に塗布液20を塗布する任意の塗布装置を使用すること
ができる。 【0022】棒状部材18は、走行方向にテンションが
付与されて連続走行するウェブ12の幅方向(紙面に垂
直方向)と平行に配設された円柱状の部材であり、塗布
手段14の塗布ヘッド16の先端の直後(下流)に配さ
れる。これにより、塗布ヘッド16によりウェブ12に
過剰に塗布された塗布液20の過剰分が、棒状部材18
により掻き落とされて所望の塗布液量に計量されるの
で、所期の厚さの塗布層24が形成される。 【0023】この場合、棒状部材18は、回転駆動源
(図示せず)を連結してウェブ12の走行方向とは逆方
向に低速回転するようになっている。なお、図示の例と
は異なり、ウェブ12に接触することによりウェブ12
の走行方向と同方向に回転するようにしてもよく、更に
は回転しないように構成したものを使用することもでき
る。 【0024】使用される棒状部材18としては、ロッド
表面がフラットなフラットロッド、ロッドにワイヤーを
密に巻回したワイヤーロッド、ロッド基材表面の周方向
に溝を刻設した溝刻ロッド等を使用することができる。
また、棒状部材18の直径は、1〜50mmで使用され
るものが多いが、特に限定されるものではない。 【0025】ウェブ12としては、一般に、その幅が
0.3〜5m、長さが45〜20000m、厚さが2〜
200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレン−2,6 −ナフタレート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースアセ
テートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等
のプラスチックフィルム、紙、ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10
のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙等
からなる可撓性帯状物又は該帯状物を基材としてその表
面に加工層を形成した帯状物が含まれる。 【0026】塗布液20としては、磁気テープの塗布液
のような非ニュートン流体にかぎらず、写真感光層の比
較的低粘度のゼラチン溶液をバインダとしてなるような
ニュートン流体であってもよい。 【0027】また、塗布液20に有機溶媒を使用する場
合には、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化
水素類、クロルベンゼン、オルトージクロルベンゼン等
の塩化芳香族炭化水素類、モノクロルメタン等のメタン
誘導体、モノクロルエタン等のエタン誘導体等を含む塩
化脂肪族炭化水素類、メタノール、イソプロピルアルコ
ール、イソブチルアルコール等のアルコール類、酢酸メ
チル、酢酸エチル等のエステル類、エチルエーテル、1,
4-ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のグリコールエーテル類、シクロヘキサン等の
脂環式炭化水素類、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水
素類、脂肪族又は芳香族炭化水素の混合物等が使用でき
る。 【0028】図1は、本発明の塗布方法の実施の態様を
示す概念図である。同図において、塗布手段14の上流
側のガイドローラ(ウェブ案内ローラ)22Aの位置
を、塗布開始時に一時的に変える(図では下方に移動さ
せる)ことにより、ウェブ12と塗布液20とを接触さ
せることができるようになっている。すなわち、図示の
ように、ガイドローラ22Aを下方に移動させれば、ウ
ェブ12と塗布ヘッド16先端との距離H(図5参照)
が減少し、ウェブ12と塗布液20とが接触しやすくな
る。 【0029】このような構成とするには、ガイドローラ
22Aに昇降手段を配すればよい。該昇降手段として
は、公知の各種の態様が使用できる。たとえば、ガイド
ローラ22Aの両端の軸受をウオームギヤ機構及びモー
タにより駆動して上下させる構成が採用できる。上記の
ような、ガイドローラ22Aに昇降手段を配する構成は
比較的容易である。また、動作の繰り返し再現性もよ
い。 【0030】同様に、ガイドローラ22Aの昇降手段と
して、油圧シリンダ機構、空圧シリンダ機構、等も使用
できる。このような直動機構を使用した構成も比較的容
易であり、また、動作の繰り返し再現性もよい。 【0031】ガイドローラ22Aを下方に移動させる移
動距離は、定常状態におけるウェブ12と塗布ヘッド1
6先端との距離H、及び、ガイドローラ22Aと棒状部
材18との距離等を考慮して適宜設定すればよい。 【0032】前記のように構成された、図1に示される
塗布装置10における塗布開始時の運転方法は次のとお
りである。図示しない駆動装置により、ウェブ走行路に
沿ってウェブ12を矢印方向に連続的に走行させる。同
時に、塗布手段14のスロット内に圧送された塗布液2
0を、塗布ヘッド16の先端(出口)から、ガイドロー
ラ22A、22Bに張架されて矢印方向に一定の速度で
走行するウェブ12に連続的に吐出する。この塗布開始
前の状態は、既述の図7に示される状態と同一である。 【0033】次に、前記の昇降手段により、図1のガイ
ドローラ22Aを一時的に(長くても数秒間)下方に移
動させる。この状態が図1に想像線(二点鎖線)で示さ
れる。これにより、ウェブ12と塗布ヘッド16先端と
の距離Hが減少し、ウェブ12と塗布液20とが接触す
る。一旦ウェブ12と塗布液20とが接触すれば、既述
のティーポット効果によって、前述の図6と同様に図1
に示されるように、安定した塗布層24が形成される。 【0034】その後、前記の昇降手段により、図1のガ
イドローラ22Aを元の運転位置(実線の位置)に復帰
させる。以降、安定的に連続して塗布層24が形成され
る。 【0035】図2は、本発明の塗布方法の他の実施の態
様を示す概念図である。なお、図1と同一、類似の部材
には、同様の符号を附しその説明を省略する。 【0036】同図において、塗布手段14の上流側のウ
ェブ12の上方には気体吹き付け手段30が設けられて
おり、気体32をウェブ12の上面に吹き付けてウェブ
12をガイドローラ22Aと棒状部材18との間で下方
に(塗布手段側に)撓ませることができるようになって
いる。 【0037】気体吹き付け手段30は、ウェブ12の幅
方向(紙面に垂直方向)で1箇所設ける構成であって
も、数ヶ所設ける構成であってもよい。また、気体吹き
付け手段30のウェブ12の幅方向における配設位置
は、特に制限されないが、一般的には、幅方向の中央部
が採用できる。気体32の種類は、特に限定されない
が、一般的にはフィルタを通過させた乾燥空気、窒素ガ
ス等が好適に使用できる。 【0038】吹き付ける気体32の流量、圧力は、定常
状態におけるウェブ12と塗布ヘッド16先端との距離
H、ガイドローラ22Aと棒状部材18との距離、及
び、ウェブ12の張力等を考慮して適宜設定すればよ
い。 【0039】以上のように構成された、図2に示される
塗布装置10における塗布開始時の運転方法は次のとお
りである。なお、塗布開始前の手順は、図1により説明
したものと同一である。 【0040】塗布開始時には、気体吹き付け手段30よ
り気体32をウェブ12の上面に吹き付けてウェブ12
を下方に(塗布手段側に)撓ませる。この状態が図2に
想像線(二点鎖線)で示される。これにより、ウェブ1
2と塗布ヘッド16先端との距離H(図5参照)が減少
し、ウェブ12と塗布液20とが接触する。一旦ウェブ
12と塗布液20とが接触すれば、既述のティーポット
効果によって、前述の図6と同様に図2に示されるよう
に、安定した塗布層24が形成される。 【0041】ウェブ12と塗布液20との接触箇所が、
ウェブ12の幅方向(紙面に垂直方向)で1箇所であっ
ても、ウェブ12が走行するに従って塗布箇所はウェブ
12の幅方向に拡がり、最終的には、ウェブ12の全幅
に塗布層24が形成される。 【0042】ウェブ12と塗布液20との接触箇所が形
成された後、気体吹き付け手段30による気体32の吹
き付けを停止させる。これにより、ウェブ12を元の位
置(実線の位置)に復帰させる。以降、安定的に連続し
て塗布層24が形成される。 【0043】気体吹き付け手段30は簡易な構成が採用
でき、また、塗布開始時以外の時には気体吹き付け手段
30をウェブ12近傍から退避させ得るので、装置レイ
アウト上も好ましい。 【0044】図3は、本発明の塗布方法の更に他の実施
の態様を示す概念図である。なお、図1、図2と同一、
類似の部材には、同様の符号を附しその説明を省略す
る。 【0045】同図において、塗布手段14の上流側のウ
ェブ12の下方には気体吹き付け手段34が設けられて
おり、気体36をウェブ12の下面に吹き付けてウェブ
12をガイドローラ22Aと棒状部材18との間で上方
に(塗布手段と反対側に)撓ませることができるように
なっている。 【0046】気体吹き付け手段34は、図2により説明
された気体吹き付け手段30に加え、気体吹き付け量又
は気体吹き付け圧を変化させ、脈動流等によりウェブ1
2を上下に振動させることができるようになっているこ
とが好ましい。このような脈動流等を発生させる手段と
しては、公知の各種手段が採用できるが、たとえば、配
管の途中にソレノイドでON−OFFできるバルブを設
け、制御手段によりソレノイドを駆動させればよい。 【0047】気体吹き付け手段34は、ウェブ12の幅
方向(紙面に垂直方向)で1箇所設ける構成であって
も、数ヶ所設ける構成であってもよい。また、気体吹き
付け手段34のウェブ12の幅方向における配設位置
は、特に制限されないが、一般的には、幅方向の中央部
が採用できる。気体36の種類は、特に限定されない
が、一般的にはフィルタを通過させた乾燥空気、窒素ガ
ス等が好適に使用できる。 【0048】吹き付ける気体36の流量、圧力は、図2
に示される構成と同様に、定常状態におけるウェブ12
と塗布ヘッド16先端との距離H、ガイドローラ22A
と棒状部材18との距離、及び、ウェブ12の張力等を
考慮して適宜設定すればよい。前記のように構成され
た、図3に示される塗布装置10における塗布開始時の
運転方法は次のとおりである。なお、塗布開始前の手順
は、図1により説明したものと同一である。 【0049】塗布開始時には、気体吹き付け手段34よ
り脈動等する気体36をウェブ12の下面に吹き付けて
ウェブ12を上下に振動させる。この状態が図3に想像
線(二点鎖線)で示される。これにより、ウェブ12と
塗布ヘッド16先端との距離H(図5参照)が瞬間的に
減少し、ウェブ12と塗布液20とが接触する。一旦ウ
ェブ12と塗布液20とが接触すれば、既述のティーポ
ット効果によって、前述の図6と同様に図3に示される
ように、安定した塗布層24が形成される。 【0050】ウェブ12と塗布液20との接触箇所が、
ウェブ12の幅方向(紙面に垂直方向)で1箇所であっ
ても、ウェブ12が走行するに従って塗布箇所はウェブ
12の幅方向に拡がり、最終的には、ウェブ12の全幅
に塗布層24が形成される。 【0051】ウェブ12と塗布液20との接触箇所が形
成された後、気体吹き付け手段34による気体36の吹
き付けを停止させる。これにより、ウェブ12を元の位
置(実線の位置)に復帰させる。以降、安定的に連続し
て塗布層24が形成される。 【0052】気体吹き付け手段34は、前述の気体吹き
付け手段30と同様に簡易な構成が採用でき、また、塗
布開始時以外の時には気体吹き付け手段34をウェブ1
2近傍から退避させ得るので、装置レイアウト上も好ま
しい。 【0053】図4は、本発明の塗布方法の更に他の実施
の態様を示す概念図である。なお、図1〜図3と同一、
類似の部材には、同様の符号を附しその説明を省略す
る。 【0054】同図において、塗布手段14のスロット内
に塗布液20を圧送する塗布液供給手段40が示されて
いる。塗布液供給手段40は、塗布液槽42、塗布液2
0を圧送するポンプ44、塗布液槽42からポンプ44
を経て塗布手段14まで塗布液20を圧送するための配
管46、配管46の中途から分岐され塗布液槽42に戻
されるバイパス配管48、及び、バイパス配管48中に
設けられるバイパスバルブ50とにより構成される。 【0055】図示の塗布液供給手段40では、通常の運
転時にはバイパス配管48により常に一定量の塗布液2
0が塗布液槽42に戻されるように設定される。この場
合、バイパスバルブ50は開状態にある。そして、塗布
開始時には、バイパスバルブ50を瞬間的に閉状態にす
ることにより、配管46内の圧力を瞬間的に高くするこ
とができる。これにより、塗布ヘッド16より供給され
る塗布液20の液量を瞬間的に増加させることができ
る。 【0056】配管46内の圧力は、塗布液20の粘度、
流量、配管46の内径等により異なるが、たとえば、定
常状態で略0MPaであった圧力を、塗布開始時に0.
01MPa以上に、好ましくは0.02MPa以上にす
ればよい。 【0057】前記のように構成された、図4に示される
塗布装置10における塗布開始時の運転方法は次のとお
りである。なお、塗布開始前の手順は、図1により説明
したものと同一である。 【0058】塗布開始時には、バイパスバルブ50を瞬
間的に閉状態にする。これにより、塗布ヘッド16より
供給される塗布液20の液量を瞬間的に増加させること
ができ、その結果、ウェブ12と塗布液20とを接触さ
せることができる。一旦ウェブ12と塗布液20とが接
触すれば、既述のティーポット効果によって、前述の図
6と同様に図4に示されるように、安定した塗布層24
が形成される。 【0059】ウェブ12と塗布液20との接触箇所が形
成された後、バイパスバルブ50を開状態に戻す。これ
により、塗布ヘッド16への塗布液20の供給量は定常
状態(通常の運転時の状態)に戻る。以降、安定的に連
続して塗布層24が形成される。 【0060】以上、本発明に係る塗布方法の実施形態の
例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限
定されるものではなく、各種の態様が採り得る。たとえ
ば、図4の構成において、バイパス配管48中にバイパ
スバルブ50を設けてあるが、これに代えて、配管46
とバイパス配管48とを三方弁を介して連結し、三方弁
を切り換えることにより塗布液20の液量を瞬間的に増
加させる構成も採り得る。 【0061】同様に、図3の構成において、塗布手段1
4の上流側のウェブ12の下方に気体吹き付け手段34
が設けられているが、ウェブ12の上下双方にそれぞれ
気体吹き付け手段34を設ける構成であってもよい。 【0062】 【実施例】本発明の塗布方法の実施の各態様及び従来の
塗布方法との比較を行った。ウェブ12として、550
mm幅、厚さ9μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)を使用した。塗布液20として、高分子バインダ
ーを2重量部、メチルエチルケトンを200重量部、シ
クロヘキサンを800重量部、混合したものを使用し
た。 【0063】ウェブ12の走行速度を300m/分、塗
布液20の供給量を2000ml/分とし、同一条件で
塗布開始動作を10回繰り返して行い評価した。 【0064】評価項目として、塗布が安定化するまでの
安定化時間、目視観察による塗布開始時の態様、及び、
塗布膜、塗り付き状況等の評価(○、△、×で表示)を
採用した。結果を表1に示す。表1の「構成」は、図1
〜図4が本発明の塗布方法の実施の各態様(実施例)で
あり、図7が従来の塗布方法(比較例)である。 【0065】 【表1】 表中の図1〜図4の構成では、いずれも2秒以内に塗布
が安定化し、また、塗布膜、塗り付き状況等の評価も良
好であった。これに反し、図7の比較例では、塗布が安
定化しにくく、また、塗布膜、塗り付き状況等の評価も
不良であった。 【0066】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明の塗布方
法によれば、塗布開始時において、ウェブと塗布ヘッド
先端との距離を一時的に減少させることによってウェブ
と塗布液とを接触させ、これにより安定して塗布を開始
できる。また、簡易な構成の設備とすることができ、更
に、塗布開始後も欠点が発生しにくい塗布膜が安定的に
形成できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の塗布方法の実施の態様を示す概念図 【図2】本発明の塗布方法の他の実施の態様を示す概念
図 【図3】本発明の塗布方法の更に他の実施の態様を示す
概念図 【図4】本発明の塗布方法の更に他の実施の態様を示す
概念図 【図5】ウェブと塗布ヘッド先端との距離Hを示す概念
図 【図6】従来の塗布方法において塗布が安定して実施さ
れている態様を示す概念図 【図7】従来の塗布方法の実施の態様を示す概念図 【図8】従来の塗布方法の他の実施の態様を示す概念図 【符号の説明】 10…塗布装置、12…ウェブ(帯状可撓性支持体)、
14…塗布手段、16…塗布ヘッド、18…棒状部材、
20…塗布液、22…ガイドローラ(ウェブ案内ロー
ラ)、24…塗布層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC02 AC53 AC80 AC84 AC92 AC93 DA04 DB18 DB38 DB48 DB53 DB63 DC19 DC27 DC28 DC38 EA05 4F041 AA12 AB01 BA57 CA02 CA23 CA28 4F042 AA22 AB00 BA08 BA25 CB02 CC02 CC09 CC30 DD06 DF28 DF34

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】複数本のウェブ案内ローラによって形成さ
    れるウェブ走行路に沿って長尺のウェブを連続的に走行
    させながら、前記ウェブ案内ローラ間に張架されている
    前記ウェブの一方の表面に塗布液を塗布手段により塗布
    する塗布方法において、 前記塗布手段は、前記ウェブと塗布ヘッド先端との間に
    所定の距離が設けられ、塗布ヘッドより塗布液が供給さ
    れ前記ウェブの表面に塗布層が形成され、その直後に棒
    状部材により余剰の塗布液が掻き落とされて所期の厚さ
    の塗布層が形成される構成であって、 塗布開始時において、前記ウェブと前記塗布ヘッド先端
    との距離を前記所定の距離より一時的に減少させること
    によって前記ウェブと塗布液とを接触させ、これにより
    塗布を開始させることを特徴とする塗布方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103958071A (zh) * 2011-09-29 2014-07-30 佛克有限及两合公司 制造用于可抽烟物品群组的包装件的方法和设备

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