JP2003210486A - 医療用針回収具、針刺し体および針刺し保持筐体 - Google Patents

医療用針回収具、針刺し体および針刺し保持筐体

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JP2003210486A
JP2003210486A JP2002014847A JP2002014847A JP2003210486A JP 2003210486 A JP2003210486 A JP 2003210486A JP 2002014847 A JP2002014847 A JP 2002014847A JP 2002014847 A JP2002014847 A JP 2002014847A JP 2003210486 A JP2003210486 A JP 2003210486A
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needle
medical
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needle stick
medical needle
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JP2002014847A
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Reiko Hattori
玲子 服部
Yuriko Imai
百合子 今井
Masako Sakaki
正子 榊
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 針刺し事故防止および医療事故(体内放置事
故)防止のために適した医療用針回収具、針刺し体およ
び針刺し保持筐体を提供すること。 【解決手段】 縫合針Xを刺す肉厚の軟質部材と,前記
軟質部材の針刺し面を覆う肉薄の弾性部材とを有する針
刺し体14と、前記針刺し体14を保持する保持部11
と,作業員が把持するための把持部12とを有する針刺
し保持筐体と、を備え、前記針刺し体14に縫合針Xを
刺した場合には、その縫合針Xが弾性部材を突き破って
軟質部材に刺さることによって、縫合針Xを固定して回
収する医療用針回収具10を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用針回収
具、針刺し体および針刺し保持筐体に関し、さらに詳し
くは、外科手術で傷口を縫合するのに用いた縫合針や注
射針などの使用済みの医療用針を安全に回収するのに有
用な医療用針回収具と、外科手術で傷口を縫合するのに
用いた縫合針や注射針などの使用済みの医療用針を刺す
針刺し体と、この針刺し体を保持する針刺し保持筐体に
関する。
【0002】
【従来の技術】医療機関では、外科手術の際に縫合針や
メスやガーゼなどの医療器材を計数して、使用数分だけ
残っていることを確認することによって、患者の体内に
医療器材を置き忘れてしまうという医療事故を未然に防
止するとともに早期に発見するように務めている。
【0003】特に、医療器材の中でも縫合針は、小さく
細いため、患者の臓器の縫合に使用して体内に置き忘れ
てしまいやすく、注意深く正確に計数する必要がある。
そのため、手術に使用された縫合針を整然と回収して数
えやすくした縫合針カウンターが考えられている(特開
2001−276090)。この縫合針カウンターは、
二枚の板部材と、前記板部材の間に挟まれる軟質部材と
で構成され、前記板部材の間から見える前記軟質部材の
面を針刺し面とした構造をしている。そのため、この縫
合針カウンターは、周面に沿って環状の針刺し面を有し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の医療用針回収具
では、前記軟質部材として発泡ポリエチレン樹脂や発泡
ウレタン樹脂や厚紙などの一種類の部材から構成されて
いた。これらの材料は、針が刺されると、針径の穴が空
くことになる。この穴では、針を保持するのに十分な力
が働かせることができず、針を脱落させてしまうことが
しばしばあった。このように針が脱落してしまうと、針
を無くしてしまって正確に計数することができないこと
になるため、外科手術の際の縫合針を体内に残してしま
うという医療事故を防止するのに障害となる。
【0005】また、従来の医療用針回収具では、針を刺
す際に、既に刺してある針に触れてしまうため、作業者
(看護師)の針刺し事故を防ぐことができない。また、
既に刺してある針に触れてしまうと、針を脱落させてし
まうこともあるため、上述したのと同様に、針を正確に
計数することができないことになるため、外科手術の際
の縫合針を体内に残してしまうという医療事故を防止す
るのに妨げになってしまう問題点がある。また、上述し
たように、医療用針が脱落してしまうと、感染の可能性
のある医療用針の先端が剥き出しになるため、作業者
(看護師)の針刺し事故のリスクが高くなってしまう問
題点がある。
【0006】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、針刺し事故防止および医療事故(体内
放置事故)防止のために適した医療用針回収具、針刺し
体および針刺し保持筐体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明に係る医療用針回収具は、医療用針を刺
す肉厚の軟質部材と,前記軟質部材の針刺し面を覆う肉
薄の弾性部材とを有する針刺し体と、前記針刺し体を保
持する保持部を有する針刺し保持筐体と、を備えること
を特徴とする。なお、前記軟質部材は、スポンジ状とす
るのが好ましい。
【0008】この構成によれば、針刺し保持筐体によっ
て保持された針刺し体に縫合針や注射針などの医療用針
を刺した場合には、その医療用針が弾性部材を突き破っ
て軟質部材に刺さることによって、医療用針回収具に医
療用針を固定して回収することができるようになる。
【0009】このように医療用針が固定されているとき
に、医療用針回収具から医療用針を抜く力が働いた場合
には、医療用針が針刺し体の軟質部材から次第に抜けて
いくとともに、弾性部材が医療用針の側面に引っ張られ
て引き抜き方向に伸びていくことになる。つまり、固定
されている医療用針に引き抜き方向に力が加わると、医
療用針は弾性部材によって引き抜き方向とは反対方向に
力を受けるため、医療用針の抜けを防止することができ
る。
【0010】したがって、この発明の医療用針回収具に
よれば、使用済みの医療用針を刺しておいても、針を無
くしてしまうことも無くなり、使用済みの医療用針を正
確に計数できるため、外科手術の際の縫合針を体内に残
してしまうという医療事故を防止することができる効果
を奏する。
【0011】たとえ作業者(看護師)が、医療用針回収
具に固定された医療用針に触れたとしても、医療用針の
引き抜き方向とは逆向きに弾性部材によって力が働くた
め、医療用針の脱落を防止でき、針刺し事故を防止する
こともできる効果を奏する。このため、この発明によれ
ば、針刺し事故防止および医療事故(体内放置事故)防
止のために適した医療用針回収具を提供できる。
【0012】また、この発明の医療用針回収具は、医療
用針を刺す肉厚のスポンジ部材と,前記スポンジ部材の
針刺し面を覆う肉薄の合成ゴム部材とを有する針刺し体
と、前記針刺し体を先端部に保持する把持部と、を備え
ることを特徴とする。
【0013】この構成によれば、針刺し体に縫合針や注
射針などの医療用針を刺した場合には、その医療用針が
合成ゴム部材を突き破ってスポンジ部材に刺さることに
よって、医療用針回収具に医療用針を固定して回収する
ことができるようになる。
【0014】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記弾性部材を、前記軟質部材の全体を覆う袋状として
もよい。この構成によれば、弾性部材の中に軟質部材を
入れ、糸や接着剤などの封止部材によって封止すること
によって、医療用針を刺す肉厚の軟質部材と前記軟質部
材の針刺し面を覆う肉薄の弾性部材とを有する針刺し体
を作ることができる。
【0015】また、軟質部材の全面を弾性部材で覆うた
め、針刺し保持筐体との間で軟質部材が静電気を発生さ
せる材質の場合でも、弾性部材として静電気を発生させ
ない材質にすれば、静電気に影響されることもない。た
とえば、針刺し保持筐体をプラスチックの材質で形成
し、軟質部材を発泡ウレタンの材質で形成した場合に
は、発泡ウレタンの小さな塊が静電気によって針刺し保
持筐体の表面に吸い付いてしまうこともある。このと
き、発泡ウレタンの小さな塊を針刺し保持筐体の表面か
ら取り除くのが容易ではない。
【0016】ところが、たとえば、発泡ウレタン等のス
ポンジの全面をラテックス材質の弾性部材で覆うことに
よって、発泡ウレタン等のスポンジにスポンジの粉や繊
維くず等のゴミが静電気によって付着するのを防止する
ことができるため、作業者(看護師)を静電気によって
不快にさせることもなく針回収作業を行わせることがで
きる。
【0017】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記弾性部材を、前記軟質部材の針刺し面毎に覆う平面
状としてもよい。この構成によれば、熱硬化性や紫外線
硬化性の樹脂を塗布することによって弾性部材を軟質部
材の表面に形成することができる。特に、針刺し面だけ
に弾性部材を形成することができるため、樹脂の量を少
なくすることができる。
【0018】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記弾性部材を、ラテックス材質とするのが好ましい。
上述したように、静電気の発生を防止することができ、
針の抜けを防止する弾性を十分有しているからである。
【0019】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記針刺し体に中空部を備え、前記針刺し保持筐体の前
記保持部を前記中空部に挿入する棒形状に成形するよう
にしてもよい。この構成によれば、針刺し保持筐体によ
って軸支された針刺し体に医療用針を刺して固定するこ
とができる。この場合は、針刺し体が弾性部材を有して
いるため、上述したように、針の抜けを防止することが
できる。
【0020】また、この発明に係る医療用針回収具は、
医療用針を刺す肉厚の軟質部材からなり、中空部を備え
た針刺し体と、前記中空部に挿入して前記針刺し体を保
持する棒形状の保持部を有する針刺し保持筐体と、を備
えることを特徴とする。この場合は、針刺し体が弾性部
材を有していないけれども、この構成によっても、針刺
し保持筐体によって軸支された針刺し体に医療用針を刺
して固定することができる。
【0021】また、この発明に係る医療用針回収具は、
さらに、前記針刺し保持筐体が、前記保持部から離れた
位置で把持させる把持部を有することを特徴とする。こ
の構成によれば、作業員(看護師)が把持部を掴んでも
その把持部は保持部から離れているため、医療用針を刺
す針刺し体に手がかかることもなく、既に針刺し体に医
療用針が刺してある場合でも医療用針が手に触れること
もない。したがって、作業員(看護師)が使用済み医療
用針に触れることもないため、抜けを防止するととも
に、針刺し事故を軽減することができる。
【0022】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記把持部を、手の挿入可能な筒形状としたことを特徴
とする。この構成によれば、作業員(看護師)の手を把
持部が覆うようになり、作業員(看護師)が使用済み医
療用針に触れることもないため、しっかりと医療用針回
収具を掴ませるとともに抜けを防止し、針刺し事故を軽
減することができる。
【0023】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記保持部を、前記針刺し保持筐体を挿入する開口を有
する筒形状とし、前記把持部を、前記保持部とともに一
体に成形した筒形状としたことを特徴とする。この構成
によれば、筒形状の容器としての針刺し保持筐体の開口
に針刺し体を挿入して固定することによって、針刺し体
に医療用針を刺していくことができる。したがって、医
療用針を刺す部分が作業員(看護師)の手に触れないよ
うに筒によって覆われているため、安全に作業をするこ
とができる。特に、この構成では、医療用針を刺したと
きに、先端が針刺し体の反対側から突出したとしても、
筒形状の内部に入っているため、先端が作業者(看護
師)の手に触れることもなく安全である。
【0024】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記軟質部材を、発泡性ウレタン樹脂または発泡性ポリ
エチレン樹脂としたことを特徴とする。この構成によれ
ば、医療用針を容易に刺すことができる。また、針刺し
保持筐体の形状に合わせた形状に容易に成形することが
できる。
【0025】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記保持部を、前記針刺し体を嵌め込む開放口を設けた
器形状とすることを特徴とする。この構成によれば、針
刺し体を開放口に嵌めて組み立てることができるため、
使用済みの医療用針を刺した汚染された針刺し体を廃棄
して針刺し保持筐体を再度使用することができる。
【0026】針刺し体は、使用すると医療用針による穴
があくため再度使用すると針抜けの可能性があり消毒も
難しいため、容易に消毒を行えて半永久的に使用できる
針刺し保持筐体のみを再利用するのが経済的にも望まし
いからである。
【0027】また、この発明に係る医療用針回収具は、
前記保持部の前記開放口に相対向する面に、前記開放口
よりも狭い押出し穴を開けた器形状とすることを特徴と
する。この構成によれば、使用済みの医療用針を刺した
汚染された針刺し体を廃棄する際に、押出し穴から針刺
し体を押して開放口から容易に取り出せるようになる。
【0028】つぎの発明に係る針刺し体は、医療用針を
刺す肉厚の軟質部材と、前記軟質部材の針刺し面を覆う
肉薄の弾性部材と、を備えることを特徴とする。この構
成によれば、縫合針や注射針などの医療用針を刺した場
合には、その医療用針が弾性部材を突き破って軟質部材
に刺さることによって、医療用針回収具に医療用針を固
定することになる。
【0029】このように医療用針が固定されているとき
に、針刺し体から医療用針を抜く力が働いた場合には、
医療用針が針刺し体の軟質部材から次第に抜けていくと
ともに、弾性部材が医療用針の側面に引っ張られて引き
抜き方向に伸びていくことになる。つまり、固定されて
いる医療用針に引き抜き方向に力が加わると、医療用針
は弾性部材によって引き抜き方向とは反対方向に力を受
けるため、医療用針の抜けを防止することができる。
【0030】したがって、この発明の針刺し体によれ
ば、使用済みの医療用針を刺しておいても、針を無くし
てしまうことも無くなり、使用済みの医療用針を正確に
計数できるため、外科手術の際の縫合針を体内に残して
しまうという医療事故を防止することができる効果を奏
する。
【0031】たとえ作業者(看護師)が、針刺し体に刺
された医療用針に触れたとしても、医療用針の引き抜き
方向とは逆向きに弾性部材によって力が働くため、医療
用針の脱落を防止でき、針刺し事故を防止することもで
きる効果を奏する。このため、この発明によれば、針刺
し事故防止および医療事故(体内放置事故)防止のため
に適した針刺し体を提供できる。
【0032】また、この発明の針刺し体は、前記弾性部
材を、前記軟質部材の全体を覆う袋状としてもよい。こ
の構成によれば、弾性部材の中に軟質部材を入れ、糸や
接着剤などの封止部材によって封止することによって、
医療用針を刺す肉厚の軟質部材と前記軟質部材の針刺し
面を覆う肉薄の弾性部材とを有する針刺し体を作ること
ができる。
【0033】また、この発明の針刺し体は、前記弾性部
材を、前記軟質部材の針刺し面毎に覆う平面状としても
よい。この構成によれば、熱硬化性や紫外線硬化性の樹
脂を塗布することによって弾性部材を軟質部材の表面に
形成することができる。特に、針刺し面だけに弾性部材
を形成することができるため、樹脂の量を少なくするこ
とができる。
【0034】また、この発明の針刺し体は、前記弾性部
材を、ラテックス材質とするのが好ましい。針の抜けを
防止する弾性を十分有しているからである。
【0035】また、この発明の針刺し体は、前記軟質部
材を、発泡性ウレタン樹脂または発泡性ポリエチレン樹
脂としてもよい。
【0036】つぎの発明に係る針刺し保持筐体は、医療
用針を刺す針刺し体を保持する保持部と、前記保持部か
ら離れた位置で把持させる把持部と、を有することを特
徴とする。この構成によれば、作業員(看護師)が把持
部を掴んでもその把持部は保持部から離れているため、
医療用針を刺す針刺し体に手がかかることもなく、既に
針刺し体に医療用針が刺してある場合でも医療用針が手
に触れることもない。したがって、作業員(看護師)が
使用済み医療用針に触れることもないため、抜けを防止
するとともに、針刺し事故を軽減することができる。
【0037】また、この発明に係る針刺し保持筐体は、
前記保持部を、前記針刺し体を嵌め込む開放口を開けた
器形状としてもよい。この構成によれば、針刺し体を開
放口に嵌めて組み立てることができるため、使用済みの
医療用針を刺した汚染された針刺し体を廃棄して針刺し
保持筐体を再度使用することができる。
【0038】また、この発明に係る針刺し保持筐体は、
前記保持部の前記開放口に相対向する面に、前記開放口
よりも狭い押出し穴を開けた器形状とすることを特徴と
する。この構成によれば、使用済みの医療用針を刺した
汚染された針刺し体を廃棄する際に、押出し穴から針刺
し体を押して開放口から容易に取り出せるようになる。
【0039】また、この発明に係る針刺し保持筐体は、
前記把持部を、手の挿入可能な筒形状としてもよい。こ
の構成によれば、作業員(看護師)の手を把持部が覆う
ようになり、作業員(看護師)が使用済み医療用針に触
れることもないため、針刺し事故を軽減することができ
る。
【0040】また、この発明に係る針刺し保持筐体は、
前記保持部を、前記針刺し保持筐体を挿入する開口を有
する筒形状とし、前記把持部を、前記保持部とともに一
体に成形した筒形状としてもよい。この構成によれば、
筒形状の容器としての針刺し保持筐体の開口に針刺し体
を挿入して固定することによって、針刺し体に医療用針
を刺していくことができる。
【0041】したがって、医療用針を刺す部分が作業員
(看護師)の手に触れないように筒によって覆われてい
るため、安全に作業をすることができる。特に、この構
成では、医療用針を刺したときに、先端が針刺し体の反
対側から突出したとしても、筒形状の内部に入っている
ため、先端が作業者(看護師)の手に触れることもなく
安全である。
【0042】また、この発明に係る針刺し保持筐体は、
前記針刺し体に備えた中空部に挿入する棒形状の保持部
を有することを特徴とする。この構成によれば、軸支し
た針刺し体に医療用針を刺して固定することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0044】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1の医療用針回収具の正面図である。図2は、こ
の発明の実施の形態1の医療用針回収具の斜視図であ
る。10は医療用針回収具である。この医療用針回収具
10は、医療用針を刺す針刺し体と、この針刺し体を保
持する針刺し保持筐体とからなっている。前記針刺し保
持筐体は、針刺し面側を開口させ裏面を閉じた器形状の
保持部11と、看護師などの作業者が把持する把持部1
2とに分かれている。ここでは、保持部11と把持部1
2とは、プラスチックを一体成形した場合を示している
が、これに限らない。たとえば、金属によって成形して
もよい。また、保持部11と把持部12とを別々に成形
し、プラスチック樹脂の場合には接着剤によって接着し
てもよく、さらに、金属の場合には溶接してもよい。
【0045】なお、前記保持部11の裏面側には、前記
穴13をあけてある。この穴13は、針刺し体14を挿
入してある状態から取り出すときに、裏面側から針刺し
体14を押し出す場合に使用する。前記針刺し体14
は、前記保持部11の内壁面と接触し、摩擦力によって
保持部11内に取り付けられる。このため、針刺し体1
4の形状は、保持部11の内壁形状に合わせた形状であ
ることが好ましく、ここでは、直方体形状に成形してあ
る。
【0046】図3は、この発明の実施の形態1の医療用
針回収具の機能を説明する斜視図である。この医療用針
回収具10では、看護師などの作業者が把持部12を握
り、保持部11の開口にはめ込まれた針刺し体14に対
して、縫合針Xを刺していく。ここでは、縫合針Xの場
合を示したが、注射針、留置針その他の医療用針であっ
ても同様に刺すことができる。
【0047】次に、前記針刺し体14について説明す
る。図4は、この発明の実施の形態1の針刺し体の正面
図である。図5は、この発明の実施の形態1の針刺し体
の断面図である。この針刺し体14は、医療用針を刺す
肉厚の軟質部材15と、この軟質部材15の針刺し面を
覆う袋状の肉薄の弾性部材16とを有している。軟質部
材15は、発泡性ウレタン樹脂や発泡性ポリエチレン樹
脂などによって成形する。ここでは、発泡性ウレタン樹
脂によって成形した場合とする。また、この軟質部材1
5は、スポンジ状に形成するのが好ましい。
【0048】前記弾性部材16は、ラテックス材質によ
って成形するのが好ましい。ラテックスは、3割程度の
ゴム質を含むゴム植物の樹液であり、天然ゴムの原料と
なるものである。なお、弾性部材16としては、ゴム弾
性を有するものであれば、ラテックス材質によるもので
なくてもよく、針を刺しやすく弾性を有する合成ゴムで
もよい。前記針刺し体14は、弾性部材16の中に軟質
部材15を入れ、紐体14aによって弾性部材16の開
放端を縛った構造になっている。なお、前記弾性部材1
6の封止構造としては、紐体14aによって縛る構造に
限らず、たとえば、接着剤によって接着するようにして
もよい。上述したように、針刺し体14は、ラテックス
材質の弾性部材16によって覆ったため、保持部11が
プラスチック樹脂によって成形した場合には、静電気の
発生を防止することができる。そのため、看護師などの
作業者は、静電気によって不快になることなく作業を行
うことができる。
【0049】図6は、この発明の実施の形態1の針刺し
体の変形例1の断面図である。この変形例1の針刺し体
は、針刺し面の部分を除き接着剤によって弾性部材17
を軟質部材15に接着するようにした構造である。この
変形例1の針刺し体は、前記針刺し体14の場合と同様
に、静電気の発生を防止することができる。また、この
変形例1の針刺し体は、後述するように、針抜け防止機
能を実現するために、接着されていない面が針刺し面と
して現れるように保持部11に取り付ける必要がある。
【0050】図7は、この発明の実施の形態1の針刺し
体の変形例2の断面図である。この変形例2の針刺し体
は、軟質部材18の表面に弾性部材19を貼付した構造
である。この変形例2の針刺し体は、前記変形例1の場
合と同様に、針刺し面の部分を除き接着剤によって接着
するのが好ましい。なお、弾性部材19は、熱硬化性や
紫外線硬化性の樹脂を塗布することによって、針刺し面
の部分にも塗布するようにしてもよい。但し、この場
合、針刺し面の部分に接着できないように油脂成分など
を予め塗布するなどしておくのが好ましい。また、針刺
し面の部分に紙しくなどして接着できないようにするの
が好ましい。
【0051】図8は、この発明の実施の形態1の針刺し
体の機能を説明する要部断面図である。この針刺し体1
4では、縫合針Xが弾性部材16を突き破って軟質部材
15に刺さると(a)、弾性部材16が元の状態にほぼ
復元して医療用針回収具に縫合針Xが固定される
(b)。そして、針刺し体14から縫合針Xを抜く力が
働いた場合には、縫合針Xが針刺し体14の軟質部材1
5から次第に抜けていくとともに、弾性部材16が縫合
針Xの側面に引っ張られて引き抜き方向に伸びていくこ
とになる。つまり、固定されている縫合針Xに引き抜き
方向に力が加わると、縫合針Xは弾性部材16によって
引き抜き方向とは反対方向に力を受けるため、縫合針X
の抜けを防止することができる。
【0052】したがって、上記実施の形態1の医療用針
回収具では、針刺し保持筐体によって保持された針刺し
体に縫合針を刺した場合には、その縫合針が弾性部材を
突き破って軟質部材に刺さることによって、医療用針を
固定して回収することができるようになる。このため、
上記実施の形態1の医療用針回収具によれば、使用済み
の縫合針を刺しておいても、縫合針を無くしてしまうこ
とも無くなり、使用済みの縫合針を正確に計数できるた
め、外科手術の際の縫合針を体内に残してしまうという
医療事故を防止することができる効果を奏する。
【0053】(実施の形態2)図9は、この発明の実施
の形態2の医療用針回収具の分解正面図である。20は
医療用針回収具である。この医療用針回収具20は、医
療用針を刺す針刺し体24と、この針刺し体24を保持
する保持部21と、作業者が把持する把持部22とから
なっている。なお、保持部21と把持部22とによって
針刺し保持筐体が構成される。
【0054】前記保持部21には、螺子穴25が設けて
ある。一方、前記把持部22には、前記螺子穴25に螺
合する螺子部26が取り付けてある。前記保持部21と
前記把持部22とは、前記螺子穴25に前記螺子部26
を螺合させることによって、着脱自在になっている。な
お、前記保持部21の裏面側には、前記保持部11の場
合と同様に、前記穴13をあけてある。この穴13は、
針刺し体24を挿入してある状態から取り出すときに、
裏面側から針刺し体24を押し出す場合に使用する。
【0055】図10は、この発明の実施の形態2の医療
用針回収具の変形例を説明する一部分解斜視図である。
この変形例では、保持部21側に前記螺子穴25の代わ
りにレール27を設け、把持部22側に前記螺子部26
の代わりにスライド部28を設けた構成である。なお、
レール27側には、図示しないストッパーを設け、図中
下方に向けてスライド部28がスライドしないようにす
るのが好ましい。針を刺しているときに、レール27に
対してスライド部28がスライドしないようにするため
である。
【0056】なお、上記実施の形態2の各部品の材質
は、上記実施の形態1と同様でよい。また、この実施の
形態2の医療用針回収具は、上記実施の形態1の医療用
針回収具と同様に、針刺しを行うことができる。上記実
施の形態2の医療用針回収具によれば、上記実施の形態
1と同様に、使用済みの縫合針を刺しておいても、縫合
針を無くしてしまうことも無くなり、使用済みの縫合針
を正確に計数できるため、外科手術の際の縫合針を体内
に残してしまうという医療事故を防止することができる
効果を奏するとともに、保持部と把持部とが着脱自在な
のでいずれかの部分が欠損した場合でもいずれかを取り
替えればよいため、資源を有効に利用することができ
る。
【0057】(実施の形態3)図11は、この発明の実
施の形態3の医療用針回収具の平面図である。30は医
療用針回収具である。この医療用針回収具30は、医療
用針を刺す針刺し体と、この針刺し体を保持する針刺し
保持筐体とからなっているのは、上記実施の形態1の医
療用針回収具10と同様である。しかし、この実施の形
態3の医療用針回収具30は、保持部31の形状が前記
保持部11の取り付け形状と異なる。上記実施の形態1
の医療用針回収具10は、I字形状に保持部11と把持
部12とを接続した形状であったが、この実施の形態3
の医療用針回収具30は、T字形状に保持部31と把持
部32とを接続した構造となっている。
【0058】前記保持部31には、その裏面側に保持部
11と同様に穴33を形成してある。また、保持部11
と同様に針刺し体34を取り付ける器形状になってい
る。なお、前記針刺し体34の構造は、前記針刺し体1
4の構造と同様である。また、保持部31と把持部32
とを着脱自在にしてもよい。この場合は、上記実施の形
態2の場合と同様に螺子穴と螺子部とで接続しても、ま
た、レールとスライド部とによって接続するようにして
もよい。このため、上記実施の形態3の医療用針回収具
によれば、上記実施の形態1と同様に、使用済みの縫合
針を刺しておいても、縫合針を無くしてしまうことも無
くなり、使用済みの縫合針を正確に計数できるため、外
科手術の際の縫合針を体内に残してしまうという医療事
故を防止することができる効果を奏する。
【0059】(実施の形態4)図12は、この発明の実
施の形態4の医療用針回収具の平面図である。40は医
療用針回収具である。この医療用針回収具40は、医療
用針を刺す2つの針刺し体44,46と、この2つの針
刺し体44,46を保持する保持部41と把持するため
の把持部42とからなる針刺し保持筐体と、を有してい
る。前記保持部41には、その裏面側に保持部11と同
様に穴43,45を形成してある。また、保持部11と
同様に針刺し体44を取り付ける器形状になっている。
なお、前記針刺し体44の構造は、前記針刺し体14の
構造と同様である。また、保持部41と把持部42とを
着脱自在にしてもよい。この場合は、上記実施の形態2
の場合と同様に螺子穴と螺子部とで接続しても、また、
レールとスライド部とによって接続するようにしてもよ
い。
【0060】このため、上記実施の形態4の医療用針回
収具によれば、上記実施の形態1と同様に、使用済みの
縫合針を刺しておいても、縫合針を無くしてしまうこと
も無くなり、使用済みの縫合針を正確に計数できるた
め、外科手術の際の縫合針を体内に残してしまうという
医療事故を防止することができる効果を奏する。
【0061】(実施の形態5)図13は、この発明の実
施の形態5の医療用針回収具の平面図である。50は医
療用針回収具である。この医療用針回収具50は、医療
用針を刺す針刺し体54と、この針刺し体54を保持す
る保持部51と把持するための把持部52とからなる針
刺し保持筐体と、を有している。前記保持部51には、
その裏面側に保持部11と同様に穴53を形成してあ
る。また、保持部11と同様に針刺し体54を取り付け
る器形状になっている。前記針刺し体54は、円柱形状
に形成してあるが、前記針刺し体14の断面構造と同様
である。また、保持部51と把持部52とを着脱自在に
してもよい。この場合は、上記実施の形態2の場合と同
様に螺子穴と螺子部とで接続しても、また、レールとス
ライド部とによって接続するようにしてもよい。
【0062】このため、上記実施の形態5の医療用針回
収具によれば、上記実施の形態1と同様に、使用済みの
縫合針を刺しておいても、縫合針を無くしてしまうこと
も無くなり、使用済みの縫合針を正確に計数できるた
め、外科手術の際の縫合針を体内に残してしまうという
医療事故を防止することができる効果を奏する。
【0063】(実施の形態6)図14は、この発明の実
施の形態6の医療用針回収具の側面図である。図15
は、この発明の実施の形態6の医療用針回収具の正面図
である。60は医療用針回収具である。この医療用針回
収具60は、医療用針を刺す針刺し体64と、この針刺
し体64を保持する保持部61と把持するための把持部
62とからなる針刺し保持筐体と、を有している。この
医療用針回収具60は、上記実施の形態4の医療用針回
収具40の場合と比べると、把持部62に対する保持部
61の向きが異なる。つまり、この実施の形態6の医療
用針回収具60は、針刺し面の裏面側に把持部62を取
り付けてある。
【0064】前記保持部61には、その裏面側に保持部
11と同様に穴63を形成してある。また、保持部11
と同様に針刺し体64を取り付ける器形状になってい
る。また、保持部61と把持部62とを着脱自在にして
もよい。この場合は、上記実施の形態2の場合と同様に
螺子穴と螺子部とで接続しても、また、レールとスライ
ド部とによって接続するようにしてもよい。
【0065】図16は、この発明の実施の形態6の医療
用針回収具の変形例1の正面図である。70は医療用針
回収具である。この医療用針回収具70は、医療用針を
刺す2つの針刺し体74と、この2つの針刺し体74,
76を保持する保持部71と把持するための把持部72
とからなる針刺し保持筐体と、を有している。この医療
用針回収具70は、上記実施の形態4の医療用針回収具
40の場合と比べると、把持部72に対する保持部71
の向きが異なる。つまり、この変形例1の医療用針回収
具70は、針刺し面の裏面側に把持部72を取り付けて
ある。
【0066】前記保持部71には、その裏面側に保持部
11と同様に穴73,75を形成してある。また、保持
部11と同様に針刺し体74,76を取り付ける器形状
になっている。また、保持部71と把持部72とを着脱
自在にしてもよい。この場合は、上記実施の形態2の場
合と同様に螺子穴と螺子部とで接続しても、また、レー
ルとスライド部とによって接続するようにしてもよい。
【0067】図17は、この発明の実施の形態6の医療
用針回収具の変形例2の正面図である。80は医療用針
回収具である。この医療用針回収具80は、医療用針を
刺す円柱形状の針刺し体84と、この針刺し体84を保
持する保持部81と把持するための把持部82とからな
る針刺し保持筐体と、を有している。この医療用針回収
具80は、上記実施の形態5の医療用針回収具50の場
合と比べると、把持部82に対する保持部81の向きが
異なる。つまり、この変形例2の医療用針回収具80
は、針刺し面の裏面側に把持部82を取り付けてある。
【0068】前記保持部81には、その裏面側に保持部
11と同様に穴83を形成してある。また、保持部11
と同様に針刺し体84を取り付ける器形状になってい
る。また、保持部81と把持部82とを着脱自在にして
もよい。この場合は、上記実施の形態2の場合と同様に
螺子穴と螺子部とで接続しても、また、レールとスライ
ド部とによって接続するようにしてもよい。このため、
上記実施の形態6の医療用針回収具によれば、上記実施
の形態1と同様に、使用済みの縫合針を刺しておいて
も、縫合針を無くしてしまうことも無くなり、使用済み
の縫合針を正確に計数できるため、外科手術の際の縫合
針を体内に残してしまうという医療事故を防止すること
ができる効果を奏する。
【0069】(実施の形態7)図18は、この発明の実
施の形態7の医療用針回収具の斜視図である。90は医
療用針回収具である。この医療用針回収具90は、医療
用針を刺す針刺し体94と、この針刺し体94を保持す
る保持部91と把持するための把持部92とからなる針
刺し保持筐体とを有している。前記針刺し保持筐体は、
ここでは、保持部91と把持部92とをプラスチックに
よって一本の棒状に形成した場合を示すが、これに限ら
ない。たとえば、金属によって成形してもよい。また、
保持部91と把持部92とを別々に成形し、プラスチッ
ク樹脂の場合には接着剤によって接着してもよく、さら
に、金属の場合には溶接してもよい。
【0070】前記針刺し体94は、円柱形状に形成され
ており、その軸方向に中空部分を有している。その中空
部分が、棒状の保持部91を挿入させる。なお、針刺し
体94は、円柱形状に限らず、たとえば、直方体形状な
どでもよい。また、ここで、針刺し体94は、一種類の
発泡ウレタン樹脂等軟質部材で構成してもよい。しか
し、針落ち防止を考慮すると、針刺し体94は、上記各
実施の形態1〜6に示すように発泡ウレタン樹脂等の軟
質部材の周りに弾性部材を被覆したものが好ましい。
【0071】したがって、上記実施の形態7の医療用針
回収具90では、作業者が把持部92を握って、円筒形
状の針刺し体94に医療針を刺して使用済みの医療針を
固定して回収することになる。このため、上記実施の形
態7の医療用針回収具によれば、上記各実施の形態1〜
6と同様に、使用済みの縫合針を刺しておいても、縫合
針を無くしてしまうことも無くなり、使用済みの縫合針
を正確に計数できるため、外科手術の際の縫合針を体内
に残してしまうという医療事故を防止することができる
効果を奏する。
【0072】(実施の形態8)図19は、この発明の実
施の形態8の医療用針回収具の斜視図である。100は
医療用針回収具である。この医療用針回収具100は、
医療用針を刺す針刺し体104と、この針刺し体104
を保持する保持部101と把持するための把持部102
とからなる針刺し保持筐体とを有している。また、特
に、この実施の形態8では、台座部103が、保持部1
01と把持部102との間に設けてある。
【0073】前記針刺し保持筐体は、ここでは、保持部
101と把持部102と台座部103をプラスチックに
よって一体に成形した場合を示すが、これに限らない。
たとえば、金属によって成形してもよい。また、保持部
101と把持部102と台座部103とを別々に成形
し、プラスチック樹脂の場合には接着剤によって接着し
てもよく、さらに、金属の場合には溶接してもよい。前
記針刺し体104は、円柱形状に形成されており、その
軸方向に中空部分を有している。その中空部分が、棒状
の保持部101を挿入させる。すると、題材部103で
それ以上の挿入を規制するため、把持部102と保持部
101とが必ず所定の距離をおくことになる。そのた
め、作業者が把持部102を握っていても保持部101
に取り付けられた針刺し体104に刺された医療用針に
触れるのを防ぐことができる。
【0074】なお、針刺し体104は、円柱形状に限ら
ず、たとえば、直方体形状などでもよい。また、ここ
で、針刺し体104は、一種類の発泡ウレタン樹脂等軟
質部材で構成してもよい。しかし、針落ち防止を考慮す
ると、針刺し体104は、上記各実施の形態1〜6に示
すように発泡ウレタン樹脂等の軟質部材の周りに弾性部
材を被覆したものが好ましい。
【0075】したがって、上記実施の形態8の医療用針
回収具100では、作業者が把持部102を握って、円
筒形状の針刺し体104に医療針を刺して使用済みの医
療針を固定して回収することになる。このため、上記実
施の形態8の医療用針回収具によれば、上記各実施の形
態1〜6と同様に、使用済みの縫合針を刺しておいて
も、縫合針を無くしてしまうことも無くなり、使用済み
の縫合針を正確に計数できるため、外科手術の際の縫合
針を体内に残してしまうという医療事故を防止すること
ができる効果を奏する。
【0076】(実施の形態9)図20は、この発明の実
施の形態9の医療用針回収具の断面図である。110は
医療用針回収具である。この医療用針回収具110は、
医療用針を刺す針刺し体114と、この針刺し体114
を保持する保持部111と把持するための把持部112
とからなる略円錐形状の針刺し保持筐体とを有してい
る。
【0077】但し、保持部111が開き角の広い円錐台
形状とし、把持部112が開き角の狭い円錐台形状また
は円錐形状にしてある。把持部112の開き角を狭くし
ているのは、握りやすくするためである。この構成によ
れば、筒形状の容器としての針刺し保持筐体の開口に針
刺し体を挿入して固定することによって、針刺し体に医
療用針を刺していくことができる。
【0078】また、前記針刺し体114は、前記針刺し
体14の場合と同様に、軟質部材115の周りに弾性部
材116を被覆した構造としてある。軟質部材115は
前記軟質部材15と同様の材質で成形すればよい。ま
た、弾性部材116は前記弾性部材16と同様の材質で
成形すればよい。また、弾性部材116を軟質部材11
5に覆わせる構造も、上記実施の形態と同様に、袋状の
弾性部材116に軟質部材116を挿入する構造または
針挿入面毎に接着剤などによって取り付ける構造とすれ
ばよい。したがって、上記実施の形態9の医療用針回収
具110では、作業者が把持部112を握って、円筒形
状の針刺し体114に医療針を刺して使用済みの医療針
を固定して回収することになる。
【0079】このため、上記実施の形態9の医療用針回
収具によれば、上記各実施の形態1〜7と同様に、使用
済みの縫合針を刺しておいても、縫合針を無くしてしま
うことも無くなり、使用済みの縫合針を正確に計数でき
るため、外科手術の際の縫合針を体内に残してしまうと
いう医療事故を防止することができる効果を奏する。ま
た、医療用針を刺す部分が作業員(看護師)の手に触れ
ないように筒によって覆われているため、安全に作業を
することができる効果を奏する。特に、医療用針を刺し
たときに、先端が針刺し体の反対側から突出したとして
も、筒形状の内部に入っているため、先端が作業者(看
護師)の手に触れることもなく安全であり、湾曲のない
長い針を回収するのに適したものとなる。
【0080】(実施の形態10)図21は、この発明の
実施の形態10の医療用針回収具の側面図である。図2
2は、この発明の実施の形態10の医療用針回収具を説
明する斜視図である。120は医療用針回収具である。
この医療用針回収具120は、医療用針を刺す針刺し体
124と、この針刺し体124を保持する保持部121
と把持するための把持部122とからなる略円錐形状の
針刺し保持筐体とを有している。
【0081】なお、ここでは、保持部121の構造は、
図12で説明した保持部41の構造と同一であって、2
つの針刺し体124を備えているが、これに限らず、上
記各実施の形態で説明した各保持部の構造にしてもよ
い。一方、前記把持部122は、筒形状の穴123を備
えてある。図22に示すように、この穴123に手を挿
入して、作業員が手に医療用針回収具120を持つよう
になっている。
【0082】上記構造の医療用針回収具120では、作
業員(看護師)の手を把持部が覆うようになり、作業員
(看護師)が使用済み医療用針に触れることもないた
め、しっかりと作業員に掴ませることによって針抜けを
防止し、針刺し事故を軽減することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の医療用
針回収具によれば、針刺し保持筐体によって保持された
針刺し体に縫合針や注射針などの医療用針を刺した場合
には、その医療用針が弾性部材を突き破って軟質部材に
刺さることによって、医療用針を固定して回収すること
ができるようになる。
【0084】つぎの発明に係る針刺し体によれば、縫合
針や注射針などの医療用針を刺した場合には、その医療
用針が弾性部材を突き破って軟質部材に刺さることによ
って、医療用針回収具に医療用針を固定することにな
る。
【0085】したがって、医療用針が固定されていると
きに、針刺し体から医療用針を抜く力が働いた場合に
は、医療用針が針刺し体の軟質部材から次第に抜けてい
くとともに、弾性部材が医療用針の側面に引っ張られて
引き抜き方向に伸びていくことになる。つまり、固定さ
れている医療用針に引き抜き方向に力が加わると、医療
用針は弾性部材によって引き抜き方向とは反対方向に力
を受けるため、医療用針の抜けを防止することができ
る。
【0086】このため、使用済みの医療用針を刺してお
いても、針を無くしてしまうことも無くなり、使用済み
の医療用針を正確に計数できるため、外科手術の際の縫
合針を体内に残してしまうという医療事故を防止するこ
とができる効果を奏する。
【0087】たとえ作業者(看護師)が、医療用針回収
具に固定された医療用針に触れたとしても、医療用針の
引き抜き方向とは逆向きに弾性部材によって力が働くた
め、医療用針の脱落を防止でき、針刺し事故を防止する
こともできる効果を奏する。
【0088】また、つぎの発明の医療用針回収具によれ
ば、医療用針を刺す肉厚のスポンジ部材と,前記スポン
ジ部材の針刺し面を覆う肉薄の合成ゴム部材とを有する
針刺し体と、前記針刺し体を先端部に保持する把持部
と、を備えるようにしたため、針刺し体に縫合針や注射
針などの医療用針を刺した場合には、その医療用針が合
成ゴム部材を突き破ってスポンジ部材に刺さることによ
って、医療用針を固定して回収することができるように
なる。
【0089】つぎの発明の針刺し保持筐体によれば、作
業員(看護師)が把持部を掴んでもその把持部は保持部
から離れているため、医療用針を刺す針刺し体に手がか
かることもなく、既に針刺し体に医療用針が刺してある
場合でも医療用針が手に触れることもなくなる。したが
って、作業員(看護師)が使用済み医療用針に触れるこ
ともないため、抜けを防止するとともに、針刺し事故を
軽減することができる効果を奏する。
【0090】このため、この発明によれば、針刺し事故
防止および医療事故(体内放置事故)防止のために適し
た医療用針回収具、針刺し体および針刺し保持筐体を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の医療用針回収具の正
面図である。
【図2】この発明の実施の形態1の医療用針回収具の斜
視図である。
【図3】この発明の実施の形態1の医療用針回収具の機
能を説明する斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1の針刺し体の正面図で
ある。
【図5】この発明の実施の形態1の針刺し体の断面図で
ある。
【図6】この発明の実施の形態1の針刺し体の変形例1
の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1の針刺し体の変形例2
の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1の針刺し体の機能を説
明する要部断面図である。
【図9】この発明の実施の形態2の医療用針回収具の分
解正面図である。
【図10】この発明の実施の形態2の医療用針回収具の
変形例を説明する一部分解斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態3の医療用針回収具の
平面図である。
【図12】この発明の実施の形態4の医療用針回収具の
平面図である。
【図13】この発明の実施の形態5の医療用針回収具の
平面図である。
【図14】この発明の実施の形態6の医療用針回収具の
側面図である。
【図15】この発明の実施の形態6の医療用針回収具の
正面図である。
【図16】この発明の実施の形態6の医療用針回収具の
変形例1の正面図である。
【図17】この発明の実施の形態6の医療用針回収具の
変形例2の正面図である。
【図18】この発明の実施の形態7の医療用針回収具の
斜視図である。
【図19】この発明の実施の形態8の医療用針回収具の
斜視図である。
【図20】この発明の実施の形態9の医療用針回収具の
断面図である。
【図21】この発明の実施の形態10の医療用針回収具
の側面図である。
【図22】この発明の実施の形態10の医療用針回収具
を説明する斜視図である。
【符号の説明】
10 医療用針回収具 11 保持部 12 把持部 13 穴 14 針刺し体 14a 紐体 15 軟質部材 16 弾性部材 17 弾性部材 18 軟質部材 19 弾性部材 X 縫合針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊 正子 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療用針を刺す肉厚の軟質部材と,前記
    軟質部材の針刺し面を覆う肉薄の弾性部材とを有する針
    刺し体と、 前記針刺し体を保持する保持部を有する針刺し保持筐体
    と、 を備えることを特徴とする医療用針回収具。
  2. 【請求項2】 医療用針を刺す肉厚のスポンジ部材と,
    前記スポンジ部材の針刺し面を覆う肉薄の合成ゴム部材
    とを有する針刺し体と、 前記針刺し体を先端部に保持する把持部と、 を備えることを特徴とする医療用針回収具。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材を、前記軟質部材の全体を
    覆う袋状としたことを特徴とする請求項1に記載の医療
    用針回収具。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材を、前記軟質部材の針刺し
    面毎に覆う平面状としたことを特徴とする請求項1に記
    載の医療用針回収具。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材を、ラテックス材質とした
    ことを特徴とする請求項1、2〜4のいずれか一つに記
    載の医療用針回収具。
  6. 【請求項6】 前記針刺し体に中空部を備え、前記針刺
    し保持筐体の前記保持部を前記中空部に挿入する棒形状
    に成形したことを特徴とする請求項1に記載の医療用針
    回収具。
  7. 【請求項7】 医療用針を刺す肉厚の軟質部材からな
    り、中空部を備えた針刺し体と、前記中空部に挿入して
    前記針刺し体を保持する棒形状の保持部を有する針刺し
    保持筐体と、 を備えることを特徴とする医療用針回収具。
  8. 【請求項8】 さらに、前記針刺し保持筐体は、前記保
    持部から離れた位置で把持させる把持部を有することを
    特徴とする請求項1、2〜7のいずれか一つに記載の医
    療用針回収具。
  9. 【請求項9】 前記把持部を、手の挿入可能な筒形状と
    したことを特徴とする請求項8に記載の医療用針回収
    具。
  10. 【請求項10】 前記保持部を、前記針刺し保持筐体を
    挿入する開口を有する筒形状とし、 前記把持部を、前記保持部とともに一体に成形した筒形
    状としたことを特徴とする請求項1、2〜7のいずれか
    一つに記載の医療用針回収具。
  11. 【請求項11】 前記軟質部材を、発泡性ウレタン樹脂
    または発泡性ポリエチレン樹脂としたことを特徴とする
    請求項1または7に記載の医療用針回収具。
  12. 【請求項12】 前記保持部を、前記針刺し体を嵌め込
    む開放口を設けた器形状とすることを特徴とする請求項
    1、6〜10のいずれか一つに記載の医療用針回収具。
  13. 【請求項13】 前記保持部の前記開放口に相対向する
    面に、前記開放口よりも狭い押出し穴を開けた器形状と
    することを特徴とする請求項12に記載の医療用針回収
    具。
  14. 【請求項14】 医療用針を刺す肉厚の軟質部材と、前
    記軟質部材の針刺し面を覆う肉薄の弾性部材と、を備え
    ることを特徴とする針刺し体。
  15. 【請求項15】 前記弾性部材を、前記軟質部材の全体
    を覆う袋状としたことを特徴とする請求項14に記載の
    針刺し体。
  16. 【請求項16】 前記弾性部材を、前記軟質部材の針刺
    し面毎に覆う平面状としたことを特徴とする請求項14
    に記載の針刺し体。
  17. 【請求項17】 前記弾性部材を、ラテックス材質とし
    たことを特徴とする請求項14〜16のいずれか一つに
    記載の針刺し体。
  18. 【請求項18】 前記軟質部材を、発泡性ウレタン樹脂
    または発泡性ポリエチレン樹脂としたことを特徴とする
    請求項14に記載の針刺し体。
  19. 【請求項19】 医療用針を刺す針刺し体を保持する保
    持部と、前記保持部から離れた位置で把持させる把持部
    と、を有することを特徴とする針刺し保持筐体。
  20. 【請求項20】 前記保持部を、前記針刺し体を嵌め込
    む開放口を開けた器形状とすることを特徴とする請求項
    19に記載の針刺し保持筐体。
  21. 【請求項21】 前記保持部の前記開放口に相対向する
    面に、前記開放口よりも狭い押出し穴を開けた器形状と
    することを特徴とする請求項20に記載の針刺し保持筐
    体。
  22. 【請求項22】 前記把持部を、手の挿入可能な筒形状
    としたことを特徴とする請求項21に記載の針刺し保持
    筐体。
  23. 【請求項23】 前記保持部を、前記針刺し保持筐体を
    挿入する開口を有する筒形状とし、 前記把持部を、前記保持部とともに一体に成形した筒形
    状としたことを特徴とする請求項19に記載の針刺し保
    持筐体。
  24. 【請求項24】 前記針刺し体に備えた中空部に挿入す
    る棒形状の保持部を有することを特徴とする請求項19
    に記載の針刺し保持筐体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007530138A (ja) * 2004-03-26 2007-11-01 アトリオン メディカル プロダクツ インコーポレーテッド 針計数装置
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