JP2003209408A - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子

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JP2003209408A
JP2003209408A JP2002007731A JP2002007731A JP2003209408A JP 2003209408 A JP2003209408 A JP 2003209408A JP 2002007731 A JP2002007731 A JP 2002007731A JP 2002007731 A JP2002007731 A JP 2002007731A JP 2003209408 A JP2003209408 A JP 2003209408A
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capacitor
input terminal
output terminal
circuit device
terminal
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JP2002007731A
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Hitoshi Onishi
人司 大西
Chiaki Yosokawa
千秋 四十川
Eiichi Komai
栄一 駒井
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサや中心導体組立体がショートする
ことなく、更なる低背化、小型化を実現可能とした非可
逆回路素子を提供する。 【解決手段】 下部ヨーク3及び上部ヨーク2の内側壁
にて、コンデンサ7a,7bの側面と対面する各領域に
絶縁被膜3d,2bが形成され、絶縁被膜3d,2bを
介してコンデンサ7a,7bの側面が下部ヨーク3及び
上部ヨーク2の内側壁に当接する。下部ヨーク3の内底
板上には、コンデンサ7a,7b及び中心導体組立体6
を位置決めする位置決めパターン3eが絶縁被膜により
形成される。入出力端子11a,11bは、弾性を有す
る金属板からなり、且つスペーサ10に一体形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体を用いて信
号の伝送に方向性を与える非可逆回路素子に係り、具体
的には、移動体通信機器に用いられアイソレータやサー
キュレータと呼ばれる非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マイクロ波帯、UHF帯で使
用される携帯電話、自動車電話等の移動体通信機器の端
末機には、アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回
路素子が用いられている。これらアイソレータやサーキ
ュレータは、端末機内のアンプの破損を防止する目的で
使用され、信号の伝送方向の挿入損失は小さく、かつ逆
方向への逆方向損失は大きくなるような機能を持たせた
ものである。
【0003】従来のアイソレータ60としては、例え
ば、図16に示すように、磁性体からなる下部ヨーク6
1に樹脂製ケース62が一体形成され、この樹脂製ケー
ス62内にコンデンサ63、終端抵抗としてのチップ抵
抗64、及びフェライト板65に3本の中心導体66を
互いに絶縁状態で交叉させて配した中心導体組立体67
が配されている構成のものがある。そして、この中心導
体組立体67上には、フェライト板65に直流磁界を印
加する磁石68が配され、更に樹脂製ケース62の開口
面に磁性体からなる上部ヨーク69が配されて、上部ヨ
ーク69及び下部ヨーク61により閉磁気回路が構成さ
れている。
【0004】ここで、アース端子70は、下部ヨーク6
1に電気的に接続した状態で設けられる。一方、入出力
端子71は、下部ヨーク61とは絶縁状態で一端が外部
に露出されて樹脂製ケース62により保持される。
【0005】また、樹脂製ケース62の内底面には、所
定位置に複数の貫通部62aが形成され、貫通部62a
と下部ヨーク61の内底面にて溝部61aが形成され、
該溝部61a内にコンデンサ63やチップ抵抗64や中
心導体組立体67が収納される。これにより、コンデン
サ63、チップ抵抗64及び中心導体組立体67が位置
決めされる。このように、樹脂製ケース62は、入出力
端子71の保持や、コンデンサ63、チップ抵抗64、
中心導体組立体67等の位置決めといった役割を兼ね備
える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のアイ
ソレータ60では、この樹脂製ケース62が下部ヨーク
61にインサート成形されており、樹脂製ケース62の
厚さが下部ヨーク61に比べてかなり肉厚であり、具体
的には数百μmの厚みdを有しており、しかも位置決め
用の貫通部62aが形成されるためにその分の高さhも
必要なため、アイソレータ60の低背化、小型化に限界
があった。特に、近年、移動体通信機器の更なる小型化
が求められる中、アイソレータ60自体のサイズを、例
えば4×4mm角以下に設計することが急務となる傾向
にあり、この樹脂製ケース62自体の存在がアイソレー
タ60の更なる小型化を阻止する要因となりつつある。
【0007】また、従来よりアイソレータとして、この
樹脂製ケースを用いずに、下部ヨーク上に直接コンデン
サや中心導体組立体を載置した構成のものも提案されて
いるが、コンデンサや中心導体組立体を位置決めする樹
脂製ケースがないため、コンデンサや中心導体組立体が
製造工程中で位置ずれして配されてしまうことがあっ
た。その場合、例えば、コンデンサの側壁が下部ヨーク
や上部ヨークの内側壁に接触してコンデンサがショート
してしまい、コンデンサの機能を果たせない虞もあっ
た。特に、下部ヨークはFe等にAg等のメッキ被膜を
形成した導電率の低い材料から構成されるため、コンデ
ンサが下部ヨークの内側壁に接触すると非常にショート
しやすい。
【0008】そこで、本発明は、このような従来の実情
を鑑みて提案されたものであり、小型化に限界を与えて
いた樹脂製ケースをなくし、コンデンサや中心導体組立
体がショートすることなく、更なる低背化、小型化を実
現可能とした非可逆回路素子を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために完成された本発明に係る非可逆回路素子は、金属
ケースからなる磁性ヨークと、磁性ヨークの内底面上に
載置されるコンデンサと、磁性ヨークの内底面上に載置
され複数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にて磁性体
基板上に交叉させて配してなる中心導体組立体と、磁性
ヨーク内に収納され磁性体基板に直流磁界を印加する磁
石と、中心導体及びコンデンサに導通し各一端が磁性ヨ
ークから外部へ引出される入力端子及び出力端子とを備
え、磁性ヨークの内側壁において、コンデンサ及び中心
導体組立体のうちの少なくとも何れかの側面と対面する
領域に、絶縁被膜が形成され、該絶縁被膜を介して上記
側面が当接することを特徴とするものである。かかる構
成の本発明によれば、コンデンサや中心導体組立体の少
なくとも何れかが絶縁被膜を介して磁性ヨークの内側壁
に当接するので、肉厚な樹脂製ケースを用いずにコンデ
ンサや中心導体組立体のショートを防止可能としつつ、
コンデンサや中心導体組立体を磁性ヨーク内に極力近接
させて配することができ、小型化が可能となる。
【0010】このとき、磁性ヨークの内底板上に、コン
デンサ及び中心導体組立体の少なくとも何れかを位置決
めするための位置決めパターンが絶縁被膜により形成さ
れていることが好ましい。かかる構成によれば、肉厚な
樹脂製ケースを用いずに膜厚の薄い絶縁被膜により、確
実にコンデンサや中心導体組立体を位置決め可能とな
り、非可逆回路素子の低背化も図ることができる。
【0011】ここで、上記の絶縁被膜は、耐熱温度が2
00℃以上の材料からなることが好ましい。これによ
り、コンデンサ等を半田により実装する場合にリフロー
工程内におかれても絶縁被膜をその加熱に十分耐え得る
ものとすることができる。
【0012】また、この絶縁被膜の厚さは、3μm以
上、100μm以下であることが好ましい。絶縁被膜の
厚さが3μmより小さいと、絶縁被膜に穴が空き易く、
ショート防止機能が果たせない。一方、絶縁被膜の厚さ
が100μmより大きいと、非可逆回路素子の小型化に
支障をきたすレベルとなる。
【0013】更に、上記構成の非可逆回路素子におい
て、磁性ヨーク内に収納されコンデンサ及び中心導体組
立体上に配される絶縁材料からなるスペーサ部材を備
え、このスペーサ部材に入力端子及び出力端子が一体的
に成形され、且つコンデンサ上に入力端子及び出力端子
の各々に対応する一対の端子電極部が設けられ、更に複
数の中心導体が入力端子に接続する中心導体と、出力端
子に接続する中心導体とを含むものであり、入力端子及
び出力端子の各他端が、対応する中心導体を介してコン
デンサ上の各々対応する端子電極部に電気的に接続する
構成とすると好ましい。かかる構成によれば、肉厚な樹
脂製ケースを用いずに、入力端子及び出力端子をコンデ
ンサ及び中心導体組立体上に配されるスペーサ部材によ
り保持することができ、非可逆回路素子の小型化を図れ
る。
【0014】このとき、入力端子及び出力端子が弾性を
有する金属板からなり、スペーサ部材を入力端子及び出
力端子の弾性に抗してコンデンサ上に載置することによ
り、入力端子及び出力端子の各他端が、対応する中心導
体を介してコンデンサ上の対応する端子電極部に押付け
られるようにするとより好ましい。かかる構成によれ
ば、樹脂ケースによる入出力端子の保持なくとも、入力
端子及び出力端子を確実且つ強固にコンデンサ上の端子
電極に接触可能となる。
【0015】また、このスペーサ部材には、磁石を収納
する磁石収納部が設けられていることが好ましい。これ
により、入出力端子を保持するスペーサ部材を設けて
も、十分に非可逆回路素子の低背化を図ることができ
る。
【0016】ここで、スペーサ部材は、耐熱温度が20
0℃以上のエンジニアリングプラスチックからなること
が好ましい。これにより、コンデンサ等を半田により実
装する場合にリフロー工程内におかれてもスペーサ部材
をその加熱に十分耐え得るものとすることができる。
【0017】更に、中心導体には、磁性ヨークに係合す
る爪部が設けられていると良い。これにより、爪部が磁
性ヨークに係合するので、中心導体組立体を位置ズレな
く確実に位置決め可能となる。
【0018】なお、上記中心導体組立体における磁性体
基板は角形状であることがより好ましい。これにより、
磁性体基板に巻かれる中心導体の長さを極力長く取るこ
とができるため、中心導体のインダクタンスを大きくす
ることができ、低周波化に適用可能となる。また、角形
状の磁性体基板は、円形状のフェライト板よりも載置時
のデッドスペースを減らすことができるため、より小型
化にも対応可能となる
【0019】また、上述した目的を達成するために完成
された本発明に係る非可逆回路素子としては、金属ケー
スからなる磁性ヨークと、磁性ヨークの内底面上に載置
されるコンデンサと、磁性ヨークの内底面上に載置され
複数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にて磁性体基板
上に交叉させて配してなる中心導体組立体と、磁性ヨー
ク内に収納され磁性体基板に直流磁界を印加する磁石
と、中心導体及びコンデンサに導通し各一端が磁性ヨー
クから外部へ引出される入力端子及び出力端子とを備
え、磁性ヨークの内底面上に、コンデンサ及び中心導体
組立体の少なくとも何れかを位置決めするための位置決
めパターンが絶縁被膜により形成されていることを特徴
とするものであっても良い。かかる構成の本発明によれ
ば、肉厚な樹脂製ケースを用いずに膜厚の薄い絶縁被膜
により、確実にコンデンサや中心導体組立体を位置決め
可能となり、非可逆回路素子の小型化を図ることができ
る。
【0020】ここで、上記の絶縁被膜は、200℃以上
の耐熱性を有する材料からなることが好ましい。これに
より、コンデンサ等を半田により実装する場合にリフロ
ー工程内におかれても絶縁被膜をその加熱に十分耐え得
るものとすることができる。
【0021】また、この絶縁薄膜の厚さは、3μm以
上、100μm以下であることが好ましい。絶縁薄膜の
厚さが3μmより小さいと、絶縁被膜に穴が空き易く、
ショート防止機能が果たせない。一方、絶縁薄膜の厚さ
が100μmより大きいと、非可逆回路素子の小型化に
支障をきたすレベルとなる。
【0022】更に、上記構成の非可逆回路素子におい
て、磁性ヨーク内に収納されコンデンサ及び中心導体組
立体上に配される絶縁材料からなるスペーサ部材を備
え、このスペーサ部材に入力端子及び出力端子が一体的
に成形され、且つコンデンサ上に入力端子及び出力端子
の各々に対応する一対の端子電極部が設けられ、更に複
数の中心導体が入力端子に接続する中心導体と、出力端
子に接続する中心導体とを含むものであり、入力端子及
び出力端子の各他端が、対応する中心導体を介してコン
デンサ上の各々対応する端子電極部に電気的に接続する
構成とすると好ましい。かかる構成によれば、肉厚な樹
脂製ケースを用いずに、入力端子及び出力端子をコンデ
ンサ及び中心導体組立体上に配されるスペーサ部材によ
り保持することができ、小型化が可能となる。
【0023】このとき、入力端子及び出力端子が弾性を
有する金属板からなり、スペーサ部材を入力端子及び出
力端子の弾性力に抗してコンデンサ上に載置することに
より、入力端子及び出力端子の各他端が、対応する中心
導体を介してコンデンサ上の対応する端子電極部に押付
けられるようにするとより好ましい。かかる構成によれ
ば、樹脂ケースによる入出力端子の保持なくとも、入力
端子及び出力端子を確実且つ強固にコンデンサの電極に
接触可能となる。
【0024】また、中心導体には、磁性ヨークに係合す
る爪部が設けられていると良い。これにより、爪部が磁
性ヨークに係合するので、中心導体組立体を位置ズレな
く確実に位置決め可能となる。
【0025】更に、上述した目的を達成するために完成
された本発明に係る非可逆回路素子としては、コンデン
サと、複数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にて磁性
体基板上に交叉させて配してなる中心導体組立体と、磁
性体基板に直流磁界を印加する磁石と、コンデンサ及び
中心導体組立体上に配される絶縁材料からなるスペーサ
部材と、コンデンサ、中心導体組立体、磁石及びスペー
サ部材を収納する金属ケースからなる磁性ヨークと、ス
ペーサ部材に一体的に成形され中心導体及びコンデンサ
に導通し且つ各一端が磁性ヨークから外部へ引出される
入力端子及び出力端子とを備え、コンデンサ上に入力端
子及び前記出力端子の各々に対応する一対の端子電極部
が設けられ、複数の中心導体が入力端子に接続する中心
導体と、出力端子に接続する中心導体とを含むものであ
り、ここで、入力端子及び出力端子が弾性を有する金属
板からなり、スペーサ部材を入力端子及び出力端子の弾
性力に抗してコンデンサ上に載置することにより、入力
端子及び出力端子の各他端が、対応する中心導体を介し
てコンデンサ上の対応する端子電極部に押付けられるこ
とを特徴とするものであっても良い。かかる構成の本発
明によれば、肉厚な樹脂製ケースを用いずに、入力端子
及び出力端子をコンデンサ及び中心導体組立体上に配さ
れるスペーサ部材により保持することができ、小型化を
図ることができる。しかも、入力端子及び出力端子を弾
性を有する金属板から構成し、入力端子及び出力端子の
各他端をコンデンサ上の端子電極部に押付けられるよう
にしたことにより、樹脂ケースによる入出力端子の保持
なくとも、入力端子及び出力端子を確実且つ強固にコン
デンサ上の端子電極に接触可能となる。
【0026】このとき、スペーサ部材には磁石を収納す
る磁石収納部が設けられていることが好ましい。これに
より、入出力端子を保持するスペーサ部材を設けても、
十分に非可逆回路素子の低背化を図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
非可逆回路素子として、アイソレータに適用した場合を
例にとり、図面を参照しながら詳細に説明する。図1
は、本発明の実施形態に係るアイソレータ1を示す分解
斜視図である。
【0028】本実施形態に係るアイソレータ1は、信号
の伝送方向の挿入損失が小さく、かつ反射波の逆方向損
失を大きくする機能を有し、具体的には、マイクロ波
帯、UHF帯で使用される携帯電話、自動車電話等の移
動体通信機器の端末機においてパワーアンプとアンテナ
間に配され、パワーアンプへの不用信号の逆流を防いで
パワーアンプの破損を防止するものである。
【0029】アイソレータ1は、図1に示すように、上
部ヨーク2と下部ヨーク3とが接合されて閉磁気回路を
構成したヨーク内に、3本の中心導体4をフェライト板
5上に互いに絶縁状態で交叉させて配した中心導体組立
体6と、中心導体組立体6の周囲に配されたコンデンサ
7a,7b及び終端抵抗としてのチップ抵抗8と、フェ
ライト板5に直流磁界を印加する磁石9と、磁石9を保
持するスペーサ10とがそれぞれ収納されて構成されて
いる。
【0030】図2Aに、下部ヨーク3の平面図を示し、
図2Bに、図2A中の直線qに沿って切断した下部ヨー
ク3の断面図を示す。図3に、下部ヨーク3上に中心導
体組立体6、コンデンサ7a,7b及びチップ抵抗8を
載置した状態の平面図を示す。
【0031】下部ヨーク3は、軟鉄などの強磁性を有す
る金属板からなり、図2に示すように、底板3aの対向
する2辺側に側壁3bが各々折り曲げ形成されている。
そして、底板3aの側壁3bが設けられていない他の2
辺側には、一対のアース端子3cが各々一体形成されて
いる。なお、下部ヨーク3の表裏面にはAgメッキ等の
導電層が被膜形成されていると好ましい。
【0032】特に、下部ヨーク3の内側壁3bには、図
2に示すように、コンデンサ7a,7b及びチップ抵抗
8に対面する領域に絶縁薄膜3dが形成されており、図
3に示すように、この絶縁薄膜3dを介してコンデンサ
7a,7b及びチップ抵抗8が下部ヨーク3の内側壁3
bに当接する。このような絶縁薄膜3dにより、従来の
肉厚な樹脂製ケースを用いずにコンデンサ7a,7bや
チップ抵抗8のショートを防止可能としつつ、コンデン
サ7a,7bやチップ抵抗8や中心導体組立体6をヨー
ク内に極力近接させて配せるので、アイソレータ1の小
型化を図ることができる。
【0033】ここで、このショート防止用の絶縁薄膜3
dの膜厚は、3μm以上、100μm以下が好ましい。
絶縁薄膜3dが3μmよりも小さいと、絶縁薄膜3dに
穴が空き易く、ショート防止機能が果たせない。絶縁薄
膜3dが100μmよりも大きいと、アイソレータ1の
小型化に支障をきたす。
【0034】また、下部ヨーク3の底板3a上には、図
1及び図2に示すように、コンデンサ7a,7b、チッ
プ抵抗8及び中心導体組立体6を位置決めするための位
置決めパターン3eが絶縁薄膜により形成されている。
詳しくは、位置決めパターン3eは、図2Aに示すよう
に、コンデンサ7a,7bの両端及び角部を位置決めす
る断面鎌状又は角形状の位置決めパターン3e1と、チ
ップ抵抗8の一端を位置決めする断面三角形状の位置決
めパターン3e2とからなる。そして、これら位置決め
パターン3e1,3e2の一側面は同時に中心導体組立
体6も位置決めするようになされる。
【0035】このような位置決めパターン3eにより、
従来の肉厚な樹脂製ケースを用いずに膜厚の薄い絶縁薄
膜により、図3に示すように、確実にコンデンサ7a,
7b、チップ抵抗8及び中心導体組立体6を位置決めす
ることができ、アイソレータ1の低背化、小型化を図る
ことができる。
【0036】ここで、この位置決めパターン3eを構成
する絶縁薄膜の膜厚は、3μm以上、100μm以下が
好ましく、より好ましくは10μm以上であると良い。
絶縁薄膜3dが3μmよりも小さいと、絶縁薄膜に穴が
空き易く、位置決めパターンとして機能しない。絶縁薄
膜が100μmよりも大きいと、アイソレータ1の小型
化に支障をきたす。また、位置決めパターン3eがより
正確な位置決めパターンとして機能するには、膜厚が1
0μm以上であることが好ましい。
【0037】これらショート防止用の絶縁薄膜3dや、
位置決めパターン3eを構成する絶縁薄膜は、200℃
以上の耐熱性を有する樹脂材料からなる。具体的には、
ポリイミドや液晶ポリマーやポリフェニレンサルファイ
ド等の高耐熱の熱可塑性エンジニアリングプラスチック
が挙げられる。このような材料を用いることにより、コ
ンデンサ7a,7b等をクリーム半田を介して下部ヨー
ク3上に載置しリフロー工程により半田付けする際に、
リフロー工程での加熱に十分耐え得るものとすることが
できる。
【0038】図4は、フェライト板5を示す平面図であ
り、図5は、中心導体4を展開して示す平面図である。
フェライト板5は、図4に示すように、角形状であり、
互いに対向する一対の長辺5aと、互いに対向する一対
の短辺5bと、各長辺5a及び短辺5bを結ぶ傾斜辺5
cとからなる。このように、フェライト板5として角形
状のものを用いることにより、フェライト板5に巻かれ
る中心導体4の長さを極力長く取ることができるため、
中心導体4のインダクタンスを大きくすることができ、
低周波化に適用可能となる。また、角形状のフェライト
板5は、円形状のフェライト板よりも載置時のデッドス
ペースを減らすことができるため、より小型化にも対応
可能となる。
【0039】このフェライト板5としては、例えば、Y
IG(イットリウム・鉄・ガーネット)系の磁性体など
を用いることができる。また、YIGのYの一部をG
d,Ca,V等で、Feの一部をAlやGa等で置換し
たものも用いることができる。なお、本実施形態では、
フェライト板5を用いたが、フェライト板に限らず、磁
石9からの直流磁界に対して非可逆回路素子としての機
能を果たす材料であれば何れの磁性体材料から構成され
ても良い。
【0040】ここで、フェライト板5は、図4に示すよ
うに、長辺5aと傾斜辺5cとが成す角度が10°〜3
0°であると好ましい。傾斜辺5cの傾斜角をこの範囲
とすることにより、傾斜辺5cが中心導体4c,4dの
折り曲げ部の受け面となり、中心導体4が正確に位置決
めされ中心導体4c,4dの浮きを防ぎつつ折り曲げ可
能となる。
【0041】中心導体4は、図5の展開図に示すよう
に、角形状のフェライト板5と略同一な形状となされた
共通電極4aと、共通電極4aの長辺及び傾斜辺から各
々延出された第1の中心導体4b、第2の中心導体4c
及び第3の中心導体4dとからなる。これら中心導体4
b,4c,4dには、各中央に長手方向に沿ってスリッ
ト4b1,4c1,4d1が形成され、それぞれが対に
分割されている。
【0042】中心導体4は、銅、金、銀等の金属材料か
らなるシート状板材を、図5に示すような形状にプレス
加工機にて打ち抜くか、あるいはエッチング等の手段に
より形成される。そして、この中心導体4は、共通電極
4aを下部ヨーク3の内底板3a上に配し、その共通電
極4a上にフェライト板5が配され、しかる後、中心導
体4の中心導体4b,4c,4dをフェライト板5の側
面を介して各々折り曲げることにより、図1に示すよう
な中心導体組立体6が構成される。
【0043】詳しくは、第1の中心導体4bは、フェラ
イト板5の長辺5aを介して直角に折り曲げられ、図3
に示すように、フェライト板5の表面上でV字状に配さ
れている。第2及び第3の中心導体4c,4dは、図4
に示すフェライト板5の対角線L1,L2に各々沿って
折り曲げられ、図3に示すように、フェライト板5の表
面上にて平面視120°の傾斜角度で交叉されて重ねら
れる。このとき、中心導体4b,4c,4dの各導体間
には、後述の図9に示す絶縁シートZが介在され、各中
心導体4b,4c,4dが個々に電気的に絶縁された状
態で重ねられる。
【0044】このような中心導体4からなる中心導体組
立体6は、フェライト板5を短辺5b方向に縦断する中
心導体4bがV字状となされることにより、中心導体4
bの実質的線路長を長く取ることができ、フェライト板
5の対角線上を横断する長い中心導体4c、4dと長さ
を極力揃えることができ、インダクタンスを大きくして
低周波化にさらには小型化に適応可能となる。また、こ
の中心導体組立体6では、中心導体4b,4c,4dの
3本が1箇所で重ならないようになされることにより、
厚みを減らすことができ低背化可能となる。
【0045】更に、中心導体4には、図5に示すよう
に、短辺の両側各々に上部ヨーク2に係合する爪部4e
が設けられ、図1に示すように、これら爪部4eが起立
するように折り曲げられる。このような爪部4eは、上
部ヨーク2の内側壁に係合するので、中心導体組立体6
を位置ズレなく確実に位置決め可能となる。なお、この
爪部4eは中心導体4上のどの位置に設けられていても
良く、その数も限定されない。
【0046】コンデンサ7aは、例えば単板型コンデン
サであり、図1及び図3に示すように、中心導体組立体
6を囲んだ状態で、下部ヨーク3の内底板3a上に端子
電極部7a1,7a2の反対側に設けられた接地電極を
介して、半田付けされて接地される。コンデンサ7a
は、図3に示すように、そのホットエンド側の両端上に
端子電極部7a1,7a2が各々設けられ、各端子電極
部7a1,7a2上に第2及び第3の中心導体4c,4
dの先端部が接続されている。そして、これら第2及び
第3の中心導体4c,4dの先端部がスペーサ10に設
けられた後述する入出力端子11a,11bに電気的に
接続される。コンデンサ7bは、第1のコンデンサ7a
に並行して配され、両面に電極が形成されてなり、ホッ
トエンド側電極に第1の中心導体4bの先端が接続され
る。そして、コンデンサ7bは、コンデンサ7aと同様
に、コールドエンド側電極である接地電極を介して、下
部ヨーク3の内底板3a上に半田付けされる。
【0047】チップ抵抗8は、図3に示すように、コン
デンサ7bと並んで配され、コンデンサ7a,7bと共
に中心導体組立体6を囲んだ状態で下部ヨーク3の内底
板3a上に半田付けされて接地される。そして、チップ
抵抗8の上面に第1の中心導体4bの先端が接続され
る。
【0048】なお、本実施形態では非可逆回路素子とし
てアイソレータを例に挙げるが、本発明の非可逆回路素
子としてサーキュレータに適用する場合には、チップ抵
抗8を用いずに新たに別の入出力端子を設ければ良い。
また、コンデンサ7a,7b及びチップ抵抗8は、下部
ヨーク3の内側壁3bに接地電極を接続し、フェライト
板5の面に対して垂直に立てて配置しても良い。その際
には絶縁被膜3dは、下部ヨーク3の内底板3a上のコ
ンデンサ7a,7bの側面が当接する部分に設け、内側
壁3bの少なくともコンデンサ7a,7b及びチップ抵
抗8の接地電極が接続される部分には絶縁被膜3dを設
けないようにする。このような構成とすることにより、
アイソレータ1の寸法を更に小型化可能となる。
【0049】図6に、磁石9及びそれを収納するスペー
サ10の拡大斜視図を示す。スペーサ10は、上部ヨー
ク2側に磁石9を収納する円形の収納凹部10aと、収
納凹部10aの内底面に設けられた貫通孔10bとが形
成され、収納凹部10aに収納された磁石9からの直流
磁界が貫通孔10bを通って中心導体組立体6のフェラ
イト板5に作用するようになされている。なお、磁石9
は、四角形状やその他の角形状でも良く、その際には磁
石9の形状に合わせて収納凹部10を設ける。スペーサ
10の四隅には、脚部10cが設けられ、図1に示すよ
うに、スペーサ10がこれら脚部10cを介してコンデ
ンサ7a,7b及びチップ抵抗8上に載置される。この
ようにスペーサ10が載置されることにより、スペーサ
10がコンデンサ7a,7b及びチップ抵抗8を押付け
ることになるので、コンデンサ7の端子電極部7a1,
7a2及びチップ抵抗8と中心導体4b,4c,4dと
が強固に接触可能となり、中心導体4b,4c,4dの
浮きが防止される。
【0050】このスペーサ10は、耐熱温度200℃以
上の樹脂材料からなる。具体的には、ポリイミドや液晶
ポリマーやポリフェニレンサルファイド等の高耐熱の熱
可塑性エンジニアリングプラスチックが挙げられる。こ
のような材料を用いることにより、コンデンサ7a,7
b等をクリーム半田を介して下部ヨーク3上に載置し更
にスペーサ10をコンデンサ7a,7b上に載せてリフ
ロー工程内へ搬入する際に、リフロー工程での加熱に十
分耐え得るものとすることができる。
【0051】スペーサ10の脚部10cには、図6に示
すように、一端がヨーク外へ引出される入力端子11a
及び出力端子11bがそれぞれ一体的に成形されてい
る。ここで、図7は、スペーサ10に入力端子11aが
設けられた状態を、図3中の直線nに沿って切断して示
す拡大断面図である。また、図8は、スペーサ10及び
上部ヨーク2を載せた状態のアイソレータ1における入
力端子11a近傍を、図3中の直線nに沿って切断して
示す拡大断面図である。詳しくは、図7の拡大断面図に
示すように、入力端子11aがスペーサ10の脚部10
cの底面と面一となるようにスペーサ10の脚部10c
に埋設されている。そして、図7中の矢印方向に示すよ
うに、スペーサ10がコンデンサ7a,7b上に載置さ
れることにより、入力端子11aの他端の下面11a1
が端子電極部7a1上の第2の中心導体4cの先端に接
触して電気的に接続する。
【0052】このように、従来の肉厚な樹脂ケースを用
いずに、スペーサ10に入力端子11a及び出力端子1
1bを一体成形することで、入出力端子11a,11b
をスペーサ10により保持可能となり、アイソレータ1
の幅方向の小型化を図ることができる。しかも、スペー
サ10に磁石9を収納する収納凹部10aを設けること
により、アイソレータ1の低背化も図ることができる。
【0053】また、従来のアイソレータでは、入出力端
子を下部ヨークと同一な材料を用いて、下部ヨークとは
磁気的に独立させた状態で下部ヨークと共に樹脂ケース
にインサート成形しており、Fe等の強磁性材料で下部
ヨーク及び入出力端子を形成していたことから、入出力
端子が磁石からのバイアス磁界を乱す虞があった。しか
し、本実施形態のように、入出力端子11a,11bを
スペーサ10に一体成形することにより、入出力端子1
1a,11bを、下部ヨーク3の構成材料とは別の、C
u等の非磁性導電材料にて形成することができるので、
バイアス磁界が乱れる虞もなく、結果的に挿入損失の低
減化を図ることも可能である。特に、フェライト板5が
角形状の場合には、円形状の場合に比べて入出力端子の
一端がフェライト板5に近い位置に配されるため、従来
では入力端子がバイアス磁界を乱す虞が大きかったが、
本実施形態の上記構成により、フェライト板5を角形状
にしても入出力端子11a,11bがバイアス磁界を乱
す事態を確実に回避することができる。
【0054】上部ヨーク2は、図1に示すように、下部
ヨーク3と同様な材料を用いて、上板から両側壁が折り
曲げ形成されてなり、両側壁にはスペーサ10に設けら
れた入出力端子11a,11bを逃がすための切欠き部
2aがそれぞれ設けられている。
【0055】特に、上部ヨーク2の内壁において、コン
デンサ7a,7b及びチップ抵抗8に対面する領域に絶
縁薄膜2bが形成されており、この絶縁薄膜2bを介し
てコンデンサ7a,7b及びチップ抵抗8が上部ヨーク
2の内側壁に当接するようになされる。このような絶縁
薄膜2bにより、従来の肉厚な樹脂製ケースを用いずに
コンデンサ7a,7bやチップ抵抗8のショートを防止
可能としつつ、コンデンサ7a,7bやチップ抵抗8や
中心導体組立体6をヨーク内に極力近接させて配せるの
で、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0056】なお、本実施形態では、ショート防止用の
絶縁被膜3d,2bが下部ヨーク3及び上部ヨーク2の
両方の内側壁に設けられているが、本発明はこれに限ら
ず、下部ヨーク3及び上部ヨーク2の少なくとも何れか
の内側壁において、コンデンサ7a,7bやチップ抵抗
8や中心導体組立体6の少なくとも何れかに対面する領
域に絶縁被膜が形成されているだけでも、従来に比して
小型化の効果がある。但し、本実施形態のように、コン
デンサ7a,7bやチップ抵抗8と対面する下部ヨーク
3及び上部ヨーク2の両者に絶縁被膜3d,2bが形成
されていると、コンデンサ7a,7bやチップ抵抗8や
中心導体組立体6を最も近接させて配することができる
ので、小型化の点で非常に有利である。
【0057】また、本実施形態では、ショート防止用の
絶縁被膜が下部ヨーク3及び上部ヨーク2の内側壁にお
いてコンデンサ7a,7b及びチップ抵抗8と対面する
領域に形成されるが、本発明はこれに限らず、例えば、
中心導体組立体が下部ヨークの内側壁と直接近接するよ
うに配されたアイソレータの場合には、下部ヨークの内
側壁の中心導体組立体と対面する領域に、ショート防止
用の絶縁被膜を形成し、この絶縁皮膜を介して中心導体
組立体を下部ヨークの内側壁に当接させれば良い。
【0058】図9は、図1に示すアイソレータ1を、図
3中の直線mに沿って切断した断面図である。図10
は、図1に示すアイソレータ1を、図3中の直線nに沿
って切断した断面図である。上部ヨーク2は、図9及び
図10に示すように、スペーサ10を介して中心導体組
立体6、コンデンサ7a,7b及びチップ抵抗8を覆っ
て、図示しない半田により下部ヨーク3に取り付けら
れ、閉磁気回路を構成する。
【0059】つぎに、本実施形態のアイソレータ1にお
ける、スペーサ及び入出力端子の他の実施例について説
明する。図11は、スペーサ20に入力端子21aが設
けられた状態を、図3中直線nに沿って切断した拡大断
面図である。また、図12は、スペーサ20及び上部ヨ
ーク2を載せた状態の入力端子21a近傍を、図3中直
線nに沿って切断した拡大断面図を示す。ここで、下部
ヨーク3、中心導体組立体6、コンデンサ7a,7b、
チップ抵抗8及び磁石9については前出の実施形態と同
様な構成のため、説明を略する。
【0060】スペーサ20は、入力端子21aを収納す
るための凹部20aが設けられ、脚部20bの外縁に入
力端子21aを支持する突出部20cが一体に延設され
ている。入力端子21aは、弾性を有する金属板をL字
状に折り曲げ形成されてなり、図11に示すように、ス
ペーサ20を貫通し、一端が突出部20cに支持されて
外部に引出されるとともに、他端がスペーサ20の凹部
20aに対向して突出する。このとき、入力端子21a
の他端と、スペーサ20の凹部20aとの間には、クリ
アランスCが形成されている。
【0061】そして、図11中の矢印方向に示すよう
に、スペーサ20が入力端子21aの弾性に抗してコン
デンサ7a,7b上に載置されることにより、図12に
示すように、入力端子21aの一端が上部ヨーク2の切
欠き部2aから外部に露出すると共に、入力端子21a
の他端が凹部20a内に収納されて端子電極部7a1上
の第2の中心導体4cの先端に押付けられる。このよう
に、入力端子21aを突出部20cによりコンデンサ7
aや下部ヨーク3から確実に絶縁させた状態で、入力端
子21aを第2の中心導体4c及びコンデンサ7aの端
子電極部7a1に強固に接触させることができ、中心導
体4cの浮きを防止可能となる。なお、出力端子につい
ても入力端子と同様な構成とし、スペーサ20について
も凹部20a及び突出部20cと同様な構成を有する、
出力端子収納用の凹部及び出力端子支持用の突出部を設
けると良い。
【0062】つぎに、本実施形態のアイソレータ1にお
けるスペーサ及び入出力端子の更なる他の実施例につい
て説明する。図13は、スペーサ30に入力端子31a
が設けられた状態を、図3中の直線nに沿って切断した
拡大断面図である。ここで、下部ヨーク3、中心導体組
立体6、コンデンサ7a,7b、チップ抵抗8及び磁石
9については前出の実施形態と同様な構成のため、説明
を略す。。
【0063】入力端子31aは、弾性を有する金属板を
L字状に折り曲げ形成されてなり、図13に示すよう
に、スペーサ30を貫通し、一端が上部ヨーク2の切欠
き部2aから外部に引出されるとともに、他端がスペー
サ30の脚部30aの内壁から突出している。そして、
脚部30aの内壁から突出する部分が、更に折り曲げら
れてL字状の接続片31bとなされている。
【0064】そして、スペーサ30が入力端子31aの
接続片31bの弾性に抗してコンデンサ7a上に載置さ
れることにより、図13に示すように、入力端子31a
の接続片31bが端子電極部7a1上の第2の中心導体
4cの先端に押付けられる。このように、入力端子31
aを第2の中心導体4c及びコンデンサ7aの端子電極
部7a1に強固に接触させることができ、中心導体4c
の浮きを防止可能となる。
【0065】なお、出力端子についても入力端子と同様
な構成とする。また、図13に示すスペーサ30の実施
例は、図12に示すスペーサ20の実施例のように突出
部20cを設ける必要がないため、アイソレータをより
小型化することができる。
【0066】つぎに、以上のように構成されるアイソレ
ータ1の動作の概略を説明する。図14は、アイソレー
タ1の電気等価回路図である。アイソレータ1は、磁石
9により中心導体組立体6のフェライト板5にバイアス
磁界が印加され、図14に示すように、ポートP1から
入力された信号をポートP2側へ伝送する。一方、ポー
トP2側からの信号を、ポートP3側に配された終端抵
抗としてのチップ抵抗8により減衰させて吸収し、ポー
トP1側へ向かう成分を極端に減衰させる。
【0067】そして、このような動作機能を有するアイ
ソレータ1は、図示しない移動体通信機器の端末機にお
いて図示しないパワーアンプとアンテナ間に配され、パ
ワーアンプへの不要信号の逆流を防いでパワーアンプの
破損を防止する。
【0068】なお、本発明における中心導体組立体とし
ては、上述の図5に示すように、V字状の中心導体4b
を有するものに限らず、図15の斜視図及び図16の展
開図に示すように、3本の中心導体41a,41b,4
1cのうちの1本41cがスリットにより長手方向中央
に向かって間隔が広がるように分割された分割導体41
c1,41c2で構成されていているものでも良い。こ
こで、これら分割導体41c1,41c2は、互いに非
並行、もしくは図16に示すように相対向する辺が平行
となされて折り曲げられた形状をなす。そして、中心導
体41a,41b,41cは、図15に示すように、フ
ェライト板5の対応する辺を介して折り曲げられ、パン
タグラフ状に配される。
【0069】このような中心導体41からなる中心導体
組立体40は、中心導体41cの実質的線路長を長く取
ることができ、インダクタンスを大きくして低周波化に
適応可能となる。また、この中心導体組立体40では、
中心導体41a,41b,41cの3本が1箇所で重な
らないようになされることにより、厚みを減らして低背
化可能となる。
【0070】なお、図17の斜視図に示すように、本発
明における中心導体組立体50としては、従来より提案
されている、3本の中心導体51a,51b,51cが
四角状のフェライト板52の側壁に沿って折り曲げられ
た構成であっても無論構わない。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明に係る
非可逆回路素子は、磁性ヨークの内側壁において、コン
デンサ及び中心導体組立体のうちの少なくとも何れかの
側面と対面する領域に、絶縁被膜が形成され、該絶縁被
膜を介して上記側面が当接することを特徴とするもので
ある。かかる構成の本発明によれば、コンデンサや中心
導体組立体の少なくとも何れかが絶縁被膜を介して磁性
ヨークの内側壁に当接するので、肉厚な樹脂製ケースを
用いずにコンデンサや中心導体組立体のショートを防止
可能としつつ、コンデンサや中心導体組立体を磁性ヨー
ク内に極力近接させて配することができ、小型化が可能
となる。
【0072】また、本発明に係る非可逆回路素子は、磁
性ヨークの内底面上にコンデンサ及び中心導体組立体の
少なくとも何れかを位置決めするための位置決めパター
ンが絶縁被膜により形成されていることを特徴とするも
のでも良い。かかる構成の本発明によれば、肉厚な樹脂
製ケースを用いずに膜厚の薄い絶縁被膜により、確実に
コンデンサや中心導体組立体を位置決め可能となり、非
可逆回路素子の小型化を図ることができる。
【0073】さらに、本発明に係る非可逆回路素子は、
入力端子及び出力端子がスペーサ部材と一体形成され、
且つこれら入出力端子が弾性を有する金属板からなり、
スペーサ部材を入力端子及び出力端子の弾性力に抗して
コンデンサ上に載置することにより、入力端子及び出力
端子の各他端がコンデンサ上に設けられた端子電極部に
押付けられることを特徴とするものでも良い。かかる構
成の本発明によれば、肉厚な樹脂製ケースを用いずに、
入力端子及び出力端子をコンデンサ及び中心導体組立体
上に配されるスペーサ部材により保持することができ、
非可逆回路素子の小型化を図ることができる。しかも、
入力端子及び出力端子を弾性を有する金属板から構成
し、入力端子及び出力端子の各他端をコンデンサの電極
部に押付けられるようにしたことにより、樹脂ケースに
よる入出力端子の保持なくとも、入力端子及び出力端子
を確実且つ強固にコンデンサ上の端子電極部に接触可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るアイソレータを示す分
解斜視図である。
【図2】本実施形態に係るアイソレータにおける下部ヨ
ークの平面図及び断面図である。
【図3】本実施形態に係るアイソレータにおいて、下部
ヨーク上に中心導体組立体、コンデンサ及びチップ抵抗
を載置した状態を示す平面図である。
【図4】本実施形態に係るアイソレータにおけるフェラ
イト板を示す平面図である。
【図5】本実施形態に係るアイソレータにおける中心導
体を展開して示す展開図である。
【図6】本実施形態に係るアイソレータにおける磁石及
びそれを収納するスペーサを拡大して示す拡大斜視図で
ある。
【図7】本実施形態に係るアイソレータにおいて、スペ
ーサに入力端子が設けられた状態を示す拡大断面図であ
る。
【図8】図7に示すアイソレータにおいて、スペーサ及
び上部ヨークを載せた状態の入力端子近傍を示す拡大断
面図である。
【図9】本実施形態に係るアイソレータを図3中の直線
mに沿って切断した断面図である。
【図10】本実施形態に係るアイソレータを図3中の直
線nに沿って切断した断面図である。
【図11】スペーサ及び入力端子の他の実施例を示す拡
大断面図である。
【図12】図11に示すアイソレータにおいて、スペー
サ及び上部ヨークを載せた状態の入力端子近傍を示す拡
大断面図である。
【図13】スペーサ及び入力端子の更なる他の実施例を
示す拡大断面図である。
【図14】本実施形態に係るアイソレータの電気等価回
路図である。
【図15】中心導体組立体の他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図16】図15に示す中心導体組立体における中心導
体を示す展開図である。
【図17】中心導体組立体の更なる他の実施例を示す斜
視図である。
【図18】従来のアイソレータを示す分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 アイソレータ 2 上部ヨーク 2b 絶縁被膜 3 下部ヨーク 3a 底板 3b 側壁 3d 絶縁被膜 3e 位置決めパターン 4 中心導体 4b 第1の中心導体 4c 第2の中心導体 4d 第3の中心導体 5 フェライト板 6 中心導体組立体 7a,7b コンデンサ 8 チップ抵抗 9 磁石 10,20,30 スペーサ 10a 収納凹部 11a,21a,31a 入力端子 11b 出力端子 60 アイソレータ 61 下部ヨーク 62 樹脂製ケース 63 コンデンサ 64 チップ抵抗 65 フェライト板 67 中心導体組立体 68 磁石 69 上部ヨーク

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ケースからなる磁性ヨークと、 前記磁性ヨークの内底面上に載置されるコンデンサと、 前記磁性ヨークの内底面上に載置され、複数の中心導体
    を互いに電気的絶縁状態にて磁性体基板上に交叉させて
    配してなる中心導体組立体と、 前記磁性ヨーク内に収納され、前記磁性体基板に直流磁
    界を印加する磁石と、 前記中心導体及び前記コンデンサに導通し、各一端が前
    記磁性ヨークから外部へ引出される入力端子及び出力端
    子とを備え、 前記磁性ヨークの内側壁には、前記コンデンサ及び前記
    中心導体組立体のうちの少なくとも何れかの側面と対面
    する領域に、絶縁被膜が形成され、該絶縁被膜を介して
    前記側面が当接することを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 前記磁性ヨークの内底面上には、前記コ
    ンデンサ及び前記中心導体組立体の少なくとも何れかを
    位置決めするための位置決めパターンが絶縁被膜により
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の非可逆
    回路素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁被膜は、耐熱温度が200℃以
    上の材料からなることを特徴とする請求項1、又は2記
    載の非可逆回路素子。
  4. 【請求項4】 前記絶縁被膜の厚さは、3μm以上、1
    00μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の
    うちの何れか記載の非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 前記磁性ヨーク内に収納され、前記コン
    デンサ及び前記中心導体組立体上に配される絶縁材料か
    らなるスペーサ部材を備え、 前記スペーサ部材には、前記入力端子及び前記出力端子
    が一体的に成形され、 前記コンデンサ上には、前記入力端子及び前記出力端子
    の各々に対応して一対の端子電極部が設けられ、 前記複数の中心導体は、前記入力端子に接続する中心導
    体と、前記出力端子に接続する中心導体とを含み、 前記入力端子及び前記出力端子の各他端は、対応する前
    記中心導体を介して前記コンデンサ上の各々対応する前
    記端子電極部に電気的に接続することを特徴とする請求
    項1乃至4のうちの何れか記載の非可逆回路素子。
  6. 【請求項6】 前記入力端子及び前記出力端子が弾性を
    有する金属板からなり、前記スペーサ部材を前記入力端
    子及び前記出力端子の弾性力に抗して前記コンデンサ上
    に載置することにより、前記入力端子及び前記出力端子
    の各前記他端が、前記対応する中心導体を介して前記コ
    ンデンサ上の前記対応する端子電極部に押付けられるこ
    とを特徴とする請求項5記載の非可逆回路素子。
  7. 【請求項7】 前記スペーサ部材には、前記磁石を収納
    する磁石収納部が設けられていることを特徴とする請求
    項5、又は6記載の非可逆回路素子。
  8. 【請求項8】 前記スペーサ部材は、耐熱温度が200
    ℃以上のエンジニアリングプラスチックからなることを
    特徴とする請求項5乃至7のうちの何れか記載の非可逆
    回路素子。
  9. 【請求項9】 前記中心導体には、前記磁性ヨークに係
    合する爪部が設けられていることを特徴とする請求項1
    乃至8のうちの何れか記載の非可逆回路素子。
  10. 【請求項10】 前記磁性体基板は角形状であることを
    特徴とする請求項1乃至9のうちの何れか記載の非可逆
    回路素子。
  11. 【請求項11】 金属ケースからなる磁性ヨークと、 前記磁性ヨークの内底面上に載置されるコンデンサと、 前記磁性ヨークの内底面上に載置され、複数の中心導体
    を互いに電気的絶縁状態にて磁性体基板上に交叉させて
    配してなる中心導体組立体と、 前記磁性ヨーク内に収納され、前記磁性体基板に直流磁
    界を印加する磁石と、 前記中心導体及び前記コンデンサに導通し、各一端が前
    記磁性ヨークから外部へ引出される入力端子及び出力端
    子とを備え、 前記磁性ヨークの内底面上には、前記コンデンサ及び前
    記中心導体組立体の少なくとも何れかを位置決めするた
    めの位置決めパターンが絶縁被膜により形成されている
    ことを特徴とする非可逆回路素子。
  12. 【請求項12】 前記絶縁被膜は、200℃以上の耐熱
    性を有する材料からなることを特徴とする請求項11記
    載の非可逆回路素子。
  13. 【請求項13】 前記絶縁被膜の厚さは、3μm以上、
    100μm以下であることを特徴とする請求項11、又
    は12記載の非可逆回路素子。
  14. 【請求項14】 前記磁性ヨーク内に収納され、前記コ
    ンデンサ及び前記中心導体組立体上に配される絶縁材料
    からなるスペーサ部材を備え、 前記スペーサ部材には、前記入力端子及び前記出力端子
    が一体的に成形され、 前記コンデンサ上には、前記入力端子及び前記出力端子
    の各々に対応して一対の端子電極部が設けられ、 前記複数の中心導体は、前記入力端子に接続する中心導
    体と、前記出力端子に接続する中心導体とを含み、 前記入力端子及び前記出力端子の各他端は、対応する前
    記中心導体を介して前記コンデンサ上の各々対応する前
    記端子電極部に電気的に接続することを特徴とする請求
    項11乃至13のうちの何れか記載の非可逆回路素子。
  15. 【請求項15】 前記入力端子及び前記出力端子が弾性
    を有する金属板からなり、前記スペーサ部材を前記入力
    端子及び前記出力端子の弾性力に抗して前記コンデンサ
    上に載置することにより、前記入力端子及び前記出力端
    子の各前記他端が、前記対応する中心導体を介して前記
    コンデンサ上の前記対応する端子電極部に押付けられる
    ことを特徴とする請求項14記載の非可逆回路素子。
  16. 【請求項16】 前記中心導体には、前記磁性ヨークに
    係合する爪部が設けられていることを特徴とする請求項
    11乃至15のうちの何れか記載の非可逆回路素子。
  17. 【請求項17】 コンデンサと、 複数の中心導体を互いに電気的絶縁状態にて磁性体基板
    上に交叉させて配してなる中心導体組立体と、 前記磁性体基板に直流磁界を印加する磁石と、 前記コンデンサ及び前記中心導体組立体上に配される絶
    縁材料からなるスペーサ部材と、 前記コンデンサ、前記中心導体組立体、前記磁石及び前
    記スペーサ部材を収納する金属ケースからなる磁性ヨー
    クと、 前記スペーサ部材に一体的に成形され、前記中心導体及
    び前記コンデンサに導通し、且つ各一端が前記磁性ヨー
    クから外部へ引出される入力端子及び出力端子とを備
    え、 前記コンデンサ上には、前記入力端子及び前記出力端子
    の各々に対応して一対の端子電極部が設けられ、 前記複数の中心導体は、前記入力端子に接続する中心導
    体と、前記出力端子に接続する中心導体とを含み、 前記入力端子及び前記出力端子が弾性を有する金属板か
    らなり、前記スペーサ部材を前記入力端子及び前記出力
    端子の弾性力に抗して前記コンデンサ上に載置すること
    により、前記入力端子及び前記出力端子の各前記他端が
    前記対応する中心導体を介して前記コンデンサ上の前記
    対応する端子電極部に押付けられることを特徴とする非
    可逆回路素子。
  18. 【請求項18】 前記スペーサ部材には、前記磁石を収
    納する磁石収納部が設けられていることを特徴とする請
    求項17記載の非可逆回路素子。
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