JP2003207044A - 作業車の走行制御装置 - Google Patents

作業車の走行制御装置

Info

Publication number
JP2003207044A
JP2003207044A JP2002204650A JP2002204650A JP2003207044A JP 2003207044 A JP2003207044 A JP 2003207044A JP 2002204650 A JP2002204650 A JP 2002204650A JP 2002204650 A JP2002204650 A JP 2002204650A JP 2003207044 A JP2003207044 A JP 2003207044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
pair
speed
shift position
command
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002204650A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3786629B2 (ja
Inventor
Yukifumi Yamanaka
山中  之史
Yoshihiro Ueda
上田  吉弘
Shigeki Hayashi
繁樹 林
Yuji Kato
裕治 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2002204650A priority Critical patent/JP3786629B2/ja
Priority to KR10-2003-0019349A priority patent/KR100483874B1/ko
Priority to CNB031284345A priority patent/CN100498016C/zh
Publication of JP2003207044A publication Critical patent/JP2003207044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3786629B2 publication Critical patent/JP3786629B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)
  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの出力回転速度が変更しても、直進
状態を維持しながら、車速指令操作を良好に行うことが
可能となる作業車の走行制御装置を提供する。 【解決手段】 左右一対の走行装置の夫々の走行速度を
各別に無段階に変速する一対の無段変速装置11R,1
1Lと、それらを変速操作する一対の油圧シリンダ33
R,33Lと、主変速レバー24の指令位置に対応する
一対の***作体29の目標変速位置を設定し、その目標
変速位置になるように、一対の油圧シリンダ33R,3
3Lを作動させ、いずれかの***作体29の変速位置が
目標変速位置になると、一対の無段変速装置11R,1
1Lの出力速度が同期用目標速度になるように一対の油
圧シリンダ33R,33Lを作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの動力に
て駆動される左右一対の走行装置の走行速度を各別に無
段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段
変速装置を各別に変速操作する一対のアクチュエータ
と、 走行停止を指令する停止指令位置を含む所定操作
範囲内で移動操作自在で、且つ、停止指令位置からの移
動操作量が大きくなるほど高速を指令する車速指令手段
と、旋回を指令する旋回指令手段と、前記車速指令手段
にて指令される車速指令情報に対応する速度で車体を直
進走行させるべく前記一対のアクチュエータを作動させ
る直進制御、及び、前記旋回指令手段にて指令された旋
回を行うべく前記一対のアクチュエータを作動させる旋
回制御を実行する制御手段とが備えられている作業車の
走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の作業車の走行制御装置は、例
えばコンバイン等の作業車に適用されるものであり、従
来では、前記直進制御として、次のような制御を実行す
る構成となっていた。つまり、前記車速指令手段が停止
指令位置に操作されると停止状態になり、車速指令手段
が停止指令位置から移動操作されると、その移動操作量
が大きくなるに伴って高速側に変化するように、指令位
置に対応する車体の目標走行速度を設定するよう構成さ
れ、一対の変速出力検出手段にて検出される前記一対の
無段変速装置夫々の出力速度が、共に前記目標走行速度
になるように一対のアクチュエータを作動させるように
なっており、このように、一対の無段変速装置夫々の出
力速度を検出して、それらが共に前記目標走行速度にな
るようにフィードバック制御することで、車速指令手段
の指令状態に対応する速度で、且つ、左右走行装置が速
度差のない同じ速度で走行することで車体が斜行したり
することなく良好に直進走行できるようになっていた。
【0003】そして、車速指令手段にて所定操作範囲の
上限値が指令されたときに設定される目標走行速度は、
エンジンの出力回転速度が予め定められた作業用の設定
値に調整された状態で前記一対の無段変速装置を最大変
速位置に変速させたときの走行速度に対応する走行速度
に設定されていた。説明を加えると、コンバイン等の作
業車においては、作業車に搭載されてエンジンにて駆動
される作業装置が所望の回転速度で駆動されるように、
作業開始前にエンジンの出力回転速度を上述したような
設定値に予め調整して、その設定状態を維持したまま作
業を行う構成となっており、作業中はエンジンの出力回
転速度は前記設定値に維持されるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成において
は、エンジンの出力回転速度を上述したような予め定め
た設定値に維持しているときは問題はないが、作業装置
を駆動しない状態で走行するような場合等において、エ
ンジンの出力回転速度を前記設定値から低速側に減速さ
せた状態で車体を直進走行させるようにすると、次のよ
うな不利な点があり、改善の余地があった。
【0005】つまり、車速指令手段にて所定操作範囲の
上限値が指令された状態で車体を走行させるとき、その
車速指令手段の操作に伴って指令される目標走行速度
は、上述したようにエンジンの出力回転速度が設定値で
あり且つ一対の無段変速装置を最大変速位置に変速させ
たときの走行速度(最高速度)であるが、エンジンの出
力回転速度を前記設定値から低速側に減速させた状態で
あれば、車速指令手段にて所定操作範囲の上限値が指令
された場合であっても、車体の走行速度は上記したよう
な走行速度(最高速度)にならずそれよりも低い中間速
度になる。その結果、作業者が車速指令手段を増速側へ
移動操作している場合、車速指令手段を所定操作範囲の
うち前記中間速度に対応する位置に操作するまでは、車
速指令手段の移動操作に対応して走行速度が増速される
ことになるが、その位置を越えて更に高速側に操作して
もそれ以上増速が行われないものとなる。その結果、作
業者が手動操作により車速指令手段を移動操作している
ときに、車速指令手段を所定操作範囲のうち前記中間速
度に対応する位置よりも高速側の範囲において、速度を
増速させるために車速指令手段を高速側に移動操作して
いるにもかかわらず車体の走行速度が増速しないものと
なり、作業者が操作しにくいものと感じたり、変速系の
故障であると誤って認識してしまう等の不利な点があっ
た。
【0006】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、エンジンの出力回転速度が変更設
定されることがあっても、上述したような不利がなく、
車速指令操作を良好に行うことが可能であり、しかも、
車体が斜行せずに良好に直進走行することが可能となる
作業車の走行制御装置を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の作業車
の走行制御装置は、エンジンの動力にて駆動される左右
一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一
対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に
変速操作する一対のアクチュエータと、走行停止を指令
する停止指令位置を含む所定操作範囲内で移動操作自在
で、且つ、停止指令位置からの移動操作量が大きくなる
ほど高速を指令する車速指令手段と、旋回を指令する旋
回指令手段と、前記車速指令手段にて指令される車速指
令情報に対応する速度で車体を直進走行させるべく前記
一対のアクチュエータを作動させる直進制御、及び、前
記旋回指令手段にて指令された旋回を行うべく前記一対
のアクチュエータを作動させる旋回制御を実行する制御
手段とが備えられている作業車の走行制御装置であっ
て、前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被
操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出
手段と、前記一対の無段変速装置の出力速度を各別に検
出する一対の変速出力検出手段とが備えられ、前記制御
手段が、前記直進制御として、前記車速指令手段が停止
指令位置に操作されると停止用変速位置になり、前記車
速指令手段が停止指令位置から移動操作されると、その
移動操作量が大きくなるに伴って高速側に変化し、且
つ、所定操作範囲の上限値が指令されたときに上限変速
位置となるように、指令位置に対応する前記一対の***
作体の目標変速位置を設定する目標変速位置設定処理、
前記一対の変速位置検出手段にて検出される前記一対の
***作体の変速位置夫々が前記目標変速位置に近づくよ
うに、前記一対のアクチュエータを作動させる変速位置
調整処理、及び、その変速位置調整処理の実行により、
前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無
段変速装置における***作体の変速位置が前記目標変速
位置との関連で定めた制御状態切換用位置になると、前
記一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度にな
るように、前記一対の変速出力検出手段の検出情報に基
づいて前記一対のアクチュエータを作動させる速度同期
処理の夫々を実行するよう構成されていることを特徴と
する。
【0008】すなわち、旋回指令手段にて直進が指令さ
れて制御手段が直進制御を実行するときは、制御手段
は、先ず前記目標変速位置設定処理を実行する。つま
り、車速指令手段が停止指令位置から移動操作される
と、その移動操作量が大きくなるに伴って高速側に変化
し、且つ、所定操作範囲の上限値が指令されたときに上
限変速位置となるように、指令位置に対応する一対の被
操作体の目標変速位置を設定する。換言すると、車速指
令手段の所定操作範囲の全範囲にわたる移動操作と、一
対の***作体の全操作範囲にわたる変速操作とを対応付
けた状態で、車速指令手段の指令位置から一対の***作
体の目標変速位置が設定されることになる。
【0009】次に、制御手段は前記変速位置調整処理を
実行する。つまり、一対の変速位置検出手段にて検出さ
れる一対の***作体の変速位置夫々が前記目標変速位置
になるように一対のアクチュエータを作動させるのであ
る。この変速位置調整処理を実行することによって、一
対の無段変速装置は車速指令手段の移動操作位置に対応
させて一対の走行装置の夫々の走行速度を各別に無段階
に変速することになる。このとき、車速指令手段により
所定操作範囲の上限値が指令されたときには、一対の被
操作体の目標変速位置は共に上限変速位置となるから、
一対の無段変速装置の変速出力は変速可能範囲の最大値
になる。尚、このときの速度は、エンジンの出力回転速
度が変化していればその出力回転速度に応じて変速調整
可能な速度の最大値に対応するものとなる。
【0010】更に、制御手段は速度同期処理を実行す
る。つまり、前記変速位置調整処理の実行により、前記
一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無段変
速装置における***作体の変速位置が前記目標変速位置
との関連で定めた制御状態切換用位置になると、一対の
無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるよう
に、一対の変速出力検出手段の検出情報に基づいて一対
のアクチュエータを作動させるのである。その結果、前
記変速位置調整処理において一対の無段変速装置を各別
に制御した結果、左右一対の走行装置の走行速度に個体
差に起因したわずかな誤差が生じることがあっても、こ
の誤差を修正して左右の走行装置の走行速度を同じ又は
ほぼ同じ値にすることができ直進状態を維持できるので
ある。
【0011】前記制御状態切換用位置としては、前記目
標変速位置と同じ値に設定したり、その目標変速位置に
対して設定量低速側又は設定量高速側の値として設定す
る等、各種の形態で実施することができる。
【0012】又、前記速度同期処理は、前記変速位置調
整処理を実行した後において、一対の無段変速装置の出
力速度が同じになるように速度同期させるべく各アクチ
ュエータを作動させる処理であり、その具体構成として
は、次のような各種の構成で実施することが可能であ
る。つまり、前記変速位置調整処理において、いずれか
の無段変速装置における***作体の変速位置が前記目標
変速位置になると、前記一対の無段変速装置のいずれか
一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置として定め
て、その基準側の無段変速装置は***作体の変速位置を
その位置に保持させるようにして、その基準側の無段変
速装置における出力速度を同期用目標速度として設定し
て、他方の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度に
なるように速度調整する構成としてもよい。又、このよ
うな構成に代えて、前記変速位置調整処理において、い
ずれかの無段変速装置における***作体の変速位置が前
記目標変速位置になると、その無段変速装置における出
力速度を前記変速出力検出手段にて検出してその検出値
を目標速度として設定した後に、一対の変速出力検出手
段の検出値が共に目標速度になるように、一対のアクチ
ュエータを作動させる構成としてもよい。
【0013】このようにして前記目標変速位置設定処理
及び前記変速位置調整処理夫々を実行することで、エン
ジンの出力回転速度の変化にかかわらず、車速指令手段
により所定操作範囲の上限値が指令されたときには、そ
の出力回転速度に応じて変速調整可能な速度の最大値に
対応するものとなるので、所定操作範囲のうちの設定速
度よりも高速側の範囲において車速指令手段を移動操作
しても走行速度が変化しないといった不利がなく、所定
操作範囲の全領域を有効に利用して車速指令手段を操作
することで車速指令操作を良好に行うことが可能とな
る。しかも、前記速度同期処理を実行することで、左右
の走行装置の走行速度を同じ又はほぼ同じ値にして直進
状態を維持することができる。
【0014】従って、エンジンの出力回転速度が変更設
定されることがあっても、従来のように、車速指令手段
を高速側に移動操作しているにもかかわらず車体の走行
速度が増速しないものとなって作業者が操作しにくいも
のと感じたり、変速系の故障であると誤って認識すると
いった不利がなく、車速指令操作を良好に行うことが可
能であり、しかも、車体が斜行せずに良好に直進走行す
ることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できる
に至った。
【0015】請求項2に記載の作業車の走行制御装置
は、請求項1において、前記制御状態切換用位置が、前
記目標変速位置に定められていることを特徴とする。
【0016】すなわち、前記変速位置調整処理の実行に
より、前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一
方の無段変速装置における***作体の変速位置が前記制
御状態切換用位置としての前記目標変速位置になると、
一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になる
ように一対の変速出力検出手段の検出情報に基づいて一
対のアクチュエータを作動させる構成となっている。前
記目標変速位置は車速指令手段による指令位置に対応す
る変速位置であることから、いずれか一方の無段変速装
置が車速指令手段による指令位置に対応する目標変速位
置になったのちに一対の無段変速装置の出力速度が同期
用目標速度になる状態で速度同期処理が実行されること
になる。従って、この速度同期処理を実行することによ
り、車速指令手段による指令位置に対応する速度又はそ
の速度とほぼ同じ速度で適切に直進走行させることが可
能となり、請求項1を実施するのに好適な手段が得られ
る。
【0017】請求項3記載の作業車の走行制御装置は、
請求項1又は2において、前記制御手段が、前記速度同
期処理として、前記一対の無段変速装置のいずれか一方
の無段変速装置を基準側の無段変速装置として定めて、
その基準側の無段変速装置における前記***作体の変速
位置をその位置に保持させるように、その無段変速装置
に対応する前記アクチュエータを作動させ、且つ、その
基準側の無段変速装置における出力速度を前記同期用目
標速度として設定して、他方の無段変速装置の出力速度
が前記同調用目標速度になるように、前記変速出力検出
手段の検出情報に基づいて前記他方の無段変速装置に対
応する前記アクチュエータを作動させるように構成され
ていることを特徴とする。
【0018】すなわち、前記変速位置調整処理の実行に
より、前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一
方の無段変速装置における***作体の変速位置が前記制
御状態切換用位置になると、一対の無段変速装置のうち
のいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置
として定める。このとき、一対の無段変速装置のうちど
ちらの無段変速装置を基準側の無段変速装置として選択
するかについての条件は適宜設定することができる。例
えば、***作体の変速位置が中立位置から遠い側にある
無段変速装置を選択してもよく、***作体の変速位置が
中立位置から近い側にある無段変速装置を選択してもよ
い。
【0019】このようにして定めた基準側の無段変速装
置においては、いずれか一方の無段変速装置における被
操作体の変速位置が前記制御状態切換用位置になると、
基準側の無段変速装置における***作体の変速位置をそ
の位置に保持させるようにその無段変速装置に対応する
アクチュエータを作動させることになる。そして、基準
側の無段変速装置における出力速度を同期用目標速度と
して設定して、他方の無段変速装置の出力速度がその同
期用目標速度になるように、変速出力検出手段の検出情
報に基づいて他方の無段変速装置に対応するアクチュエ
ータを作動させるのである。
【0020】このような構成に代えて、例えば、一対の
無段変速装置の夫々について、出力速度が同期用目標速
度になるように各アクチュエータを作動させる構成とす
ることも考えられるが、このように構成した場合には、
2つのアクチュエータが同時に作動することになるの
で、それだけ余分の駆動エネルギーが必要でありエネル
ギーロスとなるおそれがあるが、上記構成によれば、基
準側の無段変速装置においては***作体の変速位置をそ
の位置に保持させておき、他方の無段変速装置において
は、出力速度がその同期用目標速度になるようにアクチ
ュエータを作動させる構成とすることにより、無用なエ
ネルギーの消費を極力抑制しながら、適正な直進走行を
行うことが可能となるのである。従って、請求項1又は
2を実施するのに好適な手段が得られる。
【0021】請求項4記載の作業車の走行制御装置は、
請求項3において、前記制御手段が、前記変速位置調整
処理の実行により、前記一対の無段変速装置のいずれか
一方の無段変速装置における***作体の変速位置が前記
制御状態切換用位置になると、その無段変速装置を前記
基準側の無段変速装置として定めるよう構成されている
ことを特徴とする。
【0022】すなわち、前記変速位置調整処理の実行に
より***作体の変速位置が制御状態切換用位置になった
側の無段変速装置を基準側の無段変速装置として定める
ので、例えば、そのときに一対の無段変速装置の***作
体のうちどちらが停止用変速位置から遠いのか、あるい
は、どちらが停止用変速位置に近いのか等の判断処理を
行い、停止用変速位置から遠い側のものを選定したり、
停止用変速位置に近い側のものを選定するような構成で
あれば、処理に時間がかかる不利があるが、上記構成に
よれば、このような不利がなく、基準側の無段変速装置
を定める処理を迅速に行えることになり、請求項3を実
施するのに好適な手段が得られる。
【0023】請求項5記載の作業車の走行制御装置は、
請求項3において、前記制御手段が、前記変速位置調整
処理の実行により、前記一対の無段変速装置のいずれか
一方の無段変速装置における***作体の変速位置が前記
制御状態切換用位置になると、一対の無段変速装置のう
ち前記***作体の変速位置が前記停止用変速位置から遠
い側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装
置として定めるよう構成されていることを特徴とする。
【0024】すなわち、一対の無段変速装置のうち前記
***作体の変速位置が前記停止用変速位置から遠い側に
位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置とし
て定めるので、その無段変速装置における***作体の変
速位置がそのときの位置に保持され、停止用変速位置に
近い側に位置する無段変速装置はその出力速度が前記同
調用目標速度になるように対応するアクチュエータが作
動されることになる。
【0025】***作体の変速位置が停止用変速位置から
遠い側に位置する無段変速装置においては、***作体の
変速位置が上限変速位置に近づいた位置になっており、
そのときの位置から高速側への移動操作に制約を受ける
おそれがあるが、***作体の変速位置が停止用変速位置
に近い側に位置する無段変速装置においては、このよう
な移動操作に制限を受けるおそれが少ないものとなる。
【0026】従って、移動操作に制約を受けるおそれが
大きい無段変速装置においては***作体の変速位置が保
持され、移動操作に制約を受けるおそれが少ない無段変
速装置の出力速度が前記同調用目標速度になるように対
応するアクチュエータが作動される構成とすることで、
速度同期用のアクチュエータの作動に制約を受けるおそ
れが少なく良好な車速同期処理が可能となり、請求項3
を実施するのに好適な手段が得られる。
【0027】請求項6記載の作業車の走行制御装置は、
請求項5において、前記制御手段が、前記一対の無段変
速装置のいずれか一方の無段変速装置における***作体
の変速位置が前記制御状態切換用位置になったときに、
前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置
における***作体の変速位置が設定位置よりも低速側に
位置しているときは、一対の無段変速装置のうち前記被
操作体の変速位置が前記停止用変速位置から遠い側に位
置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として
定め、前記一対の無段変速装置夫々の***作体の変速位
置が共に前記設定位置よりも高速側に位置しているとき
は、前記一対の無段変速装置のうち前記***作体の変速
位置が前記停止用変速位置から近い側に位置する無段変
速装置を前記基準側の無段変速装置として定めるよう構
成されていることを特徴とする。
【0028】すなわち、いずれか一方の無段変速装置に
おける***作体の変速位置が前記制御状態切換用位置に
なったときに、いずれか一方の無段変速装置における被
操作体の変速位置、つまり、停止用変速位置に近い側の
***作体の変速位置が設定位置よりも低速側に位置して
いれば、その無段変速装置は***作体の変速位置が上限
変速位置から離れており***作体の移動操作に制約を受
けるおそれが少ないものとなる。そこで、停止用変速位
置から遠い側に位置する無段変速装置を前記基準側の無
段変速装置として定めて、停止用変速位置から遠い側に
位置する無段変速装置、つまり、上述したように移動操
作に制約を受けるおそれが少ない無段変速装置が出力速
度が前記同調用目標速度になるように対応するアクチュ
エータが作動される構成とすることで、速度同期用のア
クチュエータの作動に制約を受けるおそれが少なく良好
な車速同期処理を行うことが可能となる。
【0029】又、いずれか一方の無段変速装置における
***作体の変速位置が前記制御状態切換用位置になった
ときに、一対の無段変速装置夫々の***作体の変速位置
が共に前記設定位置よりも高速側に位置しているときに
も、停止用変速位置から遠い側に位置する無段変速装置
を前記基準側の無段変速装置として定める構成とする
と、次のような不利な点がある。つまり、各無段変速装
置夫々の***作体が共に設定位置よりも高速側に位置し
ており上限変速位置に近い位置にあるので、例えば、被
操作体の変速位置に個体差に起因した誤差が生じている
ような場合であれば、実際には停止用変速位置に近い側
に位置しているにもかかわらず、遠い側に位置している
ものと誤判別してしまうおそれがあるが、そのとき、停
止用変速位置から遠い側に位置している***作体が、前
記同調用目標速度になるように対応するアクチュエータ
にて操作される場合がある。そうすると、上限変速位置
に近づいて移動操作に制約を受けることにより、車速同
期処理を良好に行えないものになるおそれがある。
【0030】そこで、一対の無段変速装置夫々の***作
体の変速位置が共に設定位置よりも高速側に位置してい
るときは、停止用変速位置に近い側に位置する無段変速
装置を前記基準側の無段変速装置として定めて、反対側
の無段変速装置の***作体が前記同調用目標速度になる
ように対応するアクチュエータを作動させる構成とする
ことで、上述したような不利のない良好な状態で車速同
期処理を行えるものとなり、請求項5を実施するのに好
適な手段が得られる。
【0031】請求項7記載の作業車の走行制御装置は、
エンジンの動力にて駆動される左右一対の走行装置の走
行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置
と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作する一対
のアクチュエータと、走行停止を指令する停止指令位置
を含む所定操作範囲内で移動操作自在で、且つ、停止指
令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速を指令す
る車速指令手段と、旋回を指令する旋回指令手段と、前
記車速指令手段にて指令される車速指令情報に対応する
速度で車体を直進走行させるべく前記一対のアクチュエ
ータを作動させる直進制御、及び、前記旋回指令手段に
て指令された旋回を行うべく前記一対のアクチュエータ
を作動させる旋回制御を実行する制御手段とが備えられ
ている作業車の走行制御装置であって、前記エンジンの
出力回転速度を検出するエンジン出力検出手段と、前記
一対の無段変速装置の夫々における出力速度を検出する
一対の変速出力検出手段と、前記一対の無段変速装置か
ら前記一対の走行装置への伝動機構中に設けられた副変
速装置の変速状態を検出する変速状態検出手段とが備え
られ、前記制御手段が、前記直進制御として、前記エン
ジン出力検出手段並びに前記変速状態検出手段の検出情
報に基づいて、前記一対の無段変速装置にて変速可能な
上限車速を求める上限車速設定処理、前記車速指令手段
が停止指令位置に操作されると停止状態になり、前記車
速指令手段が停止指令位置から移動操作されると、その
移動操作量が大きくなるに伴って高速側に変化し、且
つ、所定操作範囲の上限値が指令されたときに前記上限
車速となるように、指令位置に対応する目標出力速度を
設定する目標出力設定処理、及び、前記一対の変速出力
検出手段にて検出される前記一対の無段変速装置の夫々
における出力速度が前記目標出力速度になるように、前
記一対のアクチュエータを作動させる出力調整処理の夫
々を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0032】すなわち、旋回指令手段にて直進が指令さ
れて制御手段が直進制御を実行するときは、制御手段
は、先ず前記上限車速設定処理を実行する。つまり、前
記エンジン出力検出手段にて検出されるエンジンの出力
回転速度の検出情報に基づいて、前記一対の無段変速装
置にて変速可能な上限車速を求める。エンジンの出力回
転速度が変更調整されると、一対の無段変速装置にて変
速可能な上限車速は変化するので、そのときのエンジン
の出力回転速度を実際に検出して、前記上限車速を演算
にて求めるのである。
【0033】そして、制御手段は、前記目標車速設定処
理を実行する。つまり、車速指令手段が停止指令位置か
ら移動操作されると、その移動操作量が大きくなるに伴
って高速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値が指
令されたときに前記上限車速となるように、指令位置に
対応する車体の目標走行速度を設定する。説明を加える
と、車速指令手段が所定操作範囲の停止指令位置から上
限値までの全範囲にわたる移動操作によって、車体の目
標走行速度が、零速から、エンジンの出力回転速度に応
じて定まる一対の無段変速装置にて変速可能な上限車速
にまで変更調整させることができるように対応付けた状
態で、車速指令手段の指令位置から目標走行速度が設定
されることになる。
【0034】制御手段は、前記目標車速設定処理を実行
した後に出力調整処理を実行する。つまり、一対の変速
出力検出手段にて検出される一対の無段変速装置の夫々
における出力速度が前記目標走行速度になるように、一
対のアクチュエータを作動させるのである。この出力調
整処理を実行することにより、左右の走行装置の走行速
度を同じ又はほぼ同じ値にして直進状態を維持できる。
【0035】このようにして前記上限車速設定処理及び
前記目標車速設定処理の夫々を実行することにより、車
速指令手段により所定操作範囲の上限値が指令されたと
きは、常に、一対の無段変速装置にて変速可能な上限車
速が目標走行速度として指令されることになり、所定操
作範囲のうちの設定速度よりも高速側の範囲において車
速指令手段を移動操作しても走行速度が変化しないとい
った不利がなく、所定操作範囲の全領域を有効に利用し
て車速指令手段を操作することで車速指令操作を良好に
行うことが可能となる。しかも、前記出力調整処理を実
行することで、左右の走行装置の走行速度を同じ又はほ
ぼ同じ値にして直進状態を維持することができる。
【0036】従って、エンジンの出力回転速度が変更設
定されることがあっても、従来のように、車速指令手段
を高速側に移動操作しているにもかかわらず車体の走行
速度が増速しないものとなって作業者が操作しにくいも
のと感じたり、変速系の故障であると誤って認識すると
いった不利がなく、車速指令操作を良好に行うことが可
能であり、しかも、車体が斜行せずに良好に直進走行す
ることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できる
に至った。
【0037】請求項8記載の作業車の走行制御装置は、
エンジンの動力にて駆動される左右一対の走行装置の走
行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置
と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作する一対
のアクチュエータと、走行停止を指令する停止指令位置
を含む所定操作範囲内で移動操作自在で、且つ、停止指
令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速を指令す
る車速指令手段と、旋回を指令する旋回指令手段と、前
記車速指令手段にて指令される車速指令情報に対応する
速度で車体を直進走行させるべく前記一対のアクチュエ
ータを作動させる直進制御、及び、前記旋回指令手段に
て指令された旋回を行うべく前記一対のアクチュエータ
を作動させる旋回制御を実行する制御手段とが備えられ
ている作業車の走行制御装置であって、前記一対の無段
変速装置の夫々における変速用の***作体の変速位置を
各別に検出する一対の変速位置検出手段と、前記一対の
無段変速装置の出力速度を各別に検出する一対の変速出
力検出手段とが備えられ、前記制御手段が、前記直進制
御として、前記車速指令手段が停止指令位置に操作され
ると停止用変速位置になり、前記車速指令手段が停止指
令位置から移動操作されると、その移動操作量が大きく
なるに伴って高速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上
限値が指令されたときに上限変速位置となるように、指
令位置に対応する前記***作体の目標変速位置を設定す
る目標変速位置設定処理、及び、前記一対の無段変速装
置のいずれか一方の無段変速装置を主変速側とし、他方
の無段変速装置を追従側として設定し、主変速側の無段
変速装置の前記***作体の変速位置が前記目標変速位置
に近づくように、その無段変速装置に対応する前記アク
チュエータを作動させるとともに、その主変速側の無段
変速装置の出力速度を追従用目標速度として、追従側の
無段変速装置の出力速度が前記追従用目標速度になるよ
うに、前記変速出力検出手段の検出情報に基づいて、そ
の追従側の無段変速装置に対応する前記アクチュエータ
を作動させる変速作動処理の夫々を常に実行するよう構
成されていることを特徴とする。
【0038】すなわち、旋回指令手段にて直進が指令さ
れて制御手段が直進制御を実行するときは、制御手段
は、前記目標変速位置設定処理及び変速作動処理の夫々
を常に実行することになる。前記目標変速位置設定処理
について説明すると、車速指令手段が停止指令位置から
移動操作されると、その移動操作量が大きくなるに伴っ
て高速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値が指令
されたときに上限変速位置となるように、指令位置に対
応する一対の***作体の目標変速位置を設定する。換言
すると、車速指令手段の所定操作範囲の全範囲にわたる
移動操作と、一対の***作体の全操作範囲にわたる変速
操作とを対応付けた状態で、車速指令手段の指令位置か
ら一対の***作体の目標変速位置が設定されることにな
る。
【0039】次に、変速作動処理について説明する。つ
まり、一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装
置を主変速側とし、他方の無段変速装置を追従側として
設定する。このとき、一旦設定した後はその設定状態を
作業終了まで維持させるようにしたり、あるいは、作業
状況に応じて適宜変更させるようにしてもよく、いずれ
か一方の無段変速装置が常に主変速側として設定され、
他方側が追従側として設定されるものであればよい。そ
して、主変速側の無段変速装置の***作体の変速位置が
前記目標変速位置に近づくようにその無段変速装置に対
応するアクチュエータを作動させ、一方、その主変速側
の無段変速装置の出力速度を追従用目標速度として、追
従側の無段変速装置の出力速度がその追従用目標速度に
なるように、その追従側の無段変速装置に対応するアク
チュエータを作動させるのである。その結果、左右の走
行装置の走行速度を同じ又はほぼ同じ値にすることがで
き、直進状態を維持できるのである。
【0040】このようにして、制御手段は、前記目標変
速位置設定処理及び変速作動処理の夫々を常に実行する
ことにより、エンジンの出力回転速度の変化にかかわら
ず、車速指令手段により所定操作範囲の上限値が指令さ
れたときには、その出力回転速度に応じて変速調整可能
な車速の最大値に対応するものとなるので、所定操作範
囲のうちの設定速度よりも高速側の範囲において車速指
令手段を移動操作しても走行速度が変化しないといった
不利がなく、所定操作範囲の全領域を有効に利用して車
速指令手段を操作することで車速指令操作を良好に行う
ことが可能となり、しかも、左右の走行装置の走行速度
を同じ又はほぼ同じ値にして直進状態を維持することが
できる。
【0041】従って、エンジンの出力回転速度が変更設
定されることがあっても、従来のように、車速指令手段
を高速側に移動操作しているにもかかわらず車体の走行
速度が増速しないものとなって作業者が操作しにくいも
のと感じたり、変速系の故障であると誤って認識すると
いった不利がなく、車速指令操作を良好に行うことが可
能であり、しかも、車体が斜行せずに良好に直進走行す
ることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できる
に至った。
【0042】請求項9記載の作業車の走行制御装置は、
請求項1〜8において、前記一対の無段変速装置の夫々
が、静油圧式無段変速装置にて構成されていることを特
徴とする。
【0043】前記無段変速装置として、例えばベルト式
無段変速装置等を使用する場合には、走行方向を前進と
後進とに切り換えるための前後進切換機構等を別途設け
る必要があり、例えば、旋回走行中に片側の無段変速装
置を前進走行状態から後進走行状態に切り換えるような
場合には、無段変速装置の変速操作とは別に前後進切換
機構の切り換え操作等も同時に行う必要があり、前後進
切り換え時に変速ショックが発生するおそれもあるが、
一対の静油圧式無段変速装置にて構成されると、左右一
対の走行装置夫々を、各別に、前進方向並びに後進方向
の夫々に対して走行速度を無段階に変速することがで
き、旋回時における前後進切り換え操作等を極力滑らか
に行うことが可能となり、請求項1〜8のいずれかを実
施するのに好適な手段が得られる。
【0044】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、本発明に
係る作業車の走行制御装置の第1実施形態を、作業車の
一例としてのコンバインに適用した場合について図面に
基づいて説明する。
【0045】図1に作業車の一例であるコンバインの全
体側面が示されており、このコンバインは、走行装置の
一例である左右一対のクローラ式走行装置1R、1Lの
駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取
って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に
連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈
を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置4と、脱穀
装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載する
とともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形
成することによって構成されている。
【0046】図2〜4に示すように、このコンバイン
は、エンジン7からの動力を、ベルトテンション式の主
クラッチ8を介してミッションケース9の入力軸10に
伝達し、この入力軸10から走行用の一対の無段変速装
置11R、11Lに分配伝達し、走行用の一方の無段変
速装置11Lによる変速後の動力を左側のギヤ式の副変
速装置13Lを介して左側のクローラ式走行装置1Lに
伝達し、走行用の他方の無段変速装置11Rによる変速
後の動力を、右側のギヤ式の副変速装置13Rを介して
右側のクローラ式走行装置1Rに伝達するようにして走
行駆動用の伝動機構を構成している。一方、エンジン7
からの動力が作業用の無段変速装置12にも供給され、
その作業用の無段変速装置12による変速後の動力を、
ベルトテンション式の刈取クラッチ14を介して刈取搬
送装置3に伝達するようにして刈取作業用の伝動機構を
構成している。左右のギヤ式の副変速装置13R、13
Lは、前記各無段変速装置11R、11Lの変速後の動
力を高低2段に切り換え自在に構成されている。 又、
搭乗運転部6には、前後方向に揺動操作可能な単一の副
変速レバー25が設けられ、この副変速レバー25は、
図示しない連係機構を介してギヤ式副変速機構13R、
13Lに連係されており、副変速レバー25の操作によ
って、走行用の各無段変速装置11R、11Lによる変
速後の動力を高低2段に変速できるようになっている。
【0047】図4に示すように、ミッションケース9
は、左右に分離可能な2分割構造で、左右のギヤ式の副
変速装置13R、13Lなどを内装するとともに、その
左側の側壁17の一部が外方に向けて膨出することによ
って、走行用の各無段変速装置11R、11Lと作業用
の無段変速装置12とを収納する凹部18を有するよう
に形成されている。走行用の各無段変速装置11R、1
1Lは、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピス
トンポンプ19とピストンモータ20とを夫々備えて静
油圧式無段変速装置として構成され、作業用の無段変速
装置12も同様に、アキシャルプランジャ形式で可変容
量型のピストンポンプ21とピストンモータ22とを備
えて静油圧式無段変速装置として構成され、左右のクロ
ーラ式走行装置1R、1L夫々の走行方向を前進方向並
びに後進方向に切り換え且つ走行速度を無段階に変速す
ることができる構成となっている。又、前記ピストンポ
ンプ19とそれに対応する前記ピストンモータ20とを
接続する油路、及び、前記ピストンポンプ21とピスト
ンモータ22とを接続する油路の夫々が形成されたポー
トブロック23を左側の側壁17に連結して凹部18を
閉塞する構成となっている。
【0048】つまり、ミッションケース9の側壁17を
各無段変速装置11R、11L、12のケーシングに有
効利用することから、部品点数や製造コストの削減を図
れるようになり、又、側壁17の凹部18を利用して各
無段変速装置11R、11L、12を構成することで、
各無段変速装置11R、11L、12がミッションケー
ス9の内方に大きく入り込むようになって、それらの配
設に要する空間が小さくなることから、コンバイン全体
としての小型化を図れるようになっている。尚、図2は
展開した状態でのコンバイン全体の伝動構造を示す系統
図であり、図3はミッションケース9内部に配備された
複数の伝動軸の配置構成を示す縦断側面図であり、図4
はミッションケース9内部に配備された伝動機構を示す
縦断背面図である。
【0049】そして、図5に示すように、走行用の各無
段変速装置11R、11Lを各別に変速操作する油圧式
の走行用操作機構30と、作業用の無段変速装置12を
変速操作する油圧式の作業用操作機構36とが夫々備え
られている。 前記走行用操作機構30は、走行用の各
無段変速装置11R、11Lの夫々におけるトラニオン
軸29(***作体の一例)に連動連結された一対の複動
型の油圧シリンダ33R、33L(アクチュエータの一
例)と、これらの各油圧シリンダ33R、33Lに対す
る正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を
供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な
一対の2位置切換式の給油用電磁弁34Aと、前記一対
の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態
とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁
34Bとを備えて構成されている。前記各油圧シリンダ
33R、33Lは、内装されるバネの付勢力により中立
位置に復帰付勢される構成となっている。
【0050】前記作業用操作機構36も同様に、作業用
の無段変速装置12におけるトラニオン軸37に連動連
結されるとともに、内装されるバネの付勢力により中立
位置に復帰付勢される構成の複動型の油圧シリンダ40
と、この油圧シリンダ40に対する正逆方向夫々の操作
に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を
停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の
給油用電磁弁41Aと、前記一対の油室から作動油を排
出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一
対の2位置切換式の排油用電磁弁41Bとを備えて構成
されている。
【0051】前記各給油用電磁弁34A、41Aは、バ
ネの付勢力によってスプールを給油停止状態に移動付勢
する構成となっており、ソレノイドによる電磁力によっ
てバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油
を供給する状態に切り換える構成となっており、又、前
記各排油用電磁弁34B、41Bは、バネの付勢力によ
ってスプールを排出状態に移動付勢される構成となって
おり、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に
抗してスプールを移動操作して作動油の排出を停止する
状態に切り換わる構成となっている。
【0052】上記したような無段変速装置11R、11
Lの変速動作について説明を加えると、例えば図6に示
すように、トラニオン軸29の変速位置が停止用変速位
置としての中立位置にあれば変速出力(走行速度)は零
となり、トラニオン軸29の変速位置がその中立位置か
ら所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が
無段階に増速操作され、トラニオン軸29が中立位置か
ら所定方向と反対方向に回動操作されると後進方向への
走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
【0053】搭乗運転部6には、前後方向に沿って所定
の前後操作範囲にわたり揺動操作可能な車速指令手段と
しての単一の主変速レバー24、及び、左右方向に沿っ
て所定の左右操作範囲にわたり揺動操作可能な旋回指令
手段としての単一の旋回レバー26などが装備されてい
る。そして、図5に示すように、主変速レバー24の操
作位置を検出する変速レバーセンサ27と、旋回レバー
26の操作位置を検出する操作位置検出手段としての旋
回レバーセンサ28とが夫々設けられ、それらは共に回
転式のポテンショメータにて構成されている。
【0054】前記旋回レバー26は、左右操作範囲の略
中間に位置する直進指令位置に操作されると、左右のク
ローラ走行装置1R、1Lが同速度で駆動される直進走
行状態となり、この直進指令位置から左右いずれかの方
向に位置する旋回指令範囲に揺動操作すると、前記旋回
指令範囲のうちの前記直進指令位置から離れる側に操作
されるほど旋回半径が小さくなるように旋回走行を指令
する構成となっている。
【0055】又、走行用の一対の無段変速装置11R、
11Lには、それらの出力回転速度を各別に検出する変
速出力検出手段としての回転速度センサ44、45と、
夫々の無段変速装置11R、11Lの変速位置、すなわ
ち、一対の油圧シリンダ33R、33Lによる夫々のト
ラニオン軸29の操作角度を検出する変速位置検出手段
としての変速位置センサ46、47とが夫々備えられて
いる。
【0056】そして、前記油圧シリンダ33R、33
L、40の動作を制御する制御手段としてのマイクロコ
ンピュータ利用の制御装置31が備えられ、この制御装
置31は、車速指令手段にて指令される車速指令情報に
対応する速度で車体を直進走行させるべく一対の油圧シ
リンダ33R、33Lを作動させる直進制御、及び、旋
回指令手段にて指令された旋回を行うべく前記一対の油
圧シリンダ33R、33Lを作動させる旋回制御を夫々
実行する構成となっている。
【0057】詳述すると、旋回レバー26が直進指令位
置に操作されて直進が指令されている状態で、主変速レ
バー24が操作可能範囲のほぼ中間に位置する中立位置
に操作されると走行停止状態となり、中立位置から前進
側へ揺動操作されるとそれに伴って前進側への走行速度
が無段階で増速され、中立位置から後進側へ操作される
とそれに伴って後進側への走行速度が無段階で増速され
るように、一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を
制御する構成となっており、主変速レバー24が所定位
置で固定されると、その位置にて指令される目標走行速
度で車体が直進走行するように、一対の油圧シリンダ3
3R、33Lの作動を制御する直進制御を実行するので
ある。
【0058】又、制御装置31は、主変速レバー24が
操作されて所定速度で走行しているときに、旋回レバー
26が直進指令位置から左右いずれかの旋回指令範囲に
揺動操作されると、前記直進指令位置から離れる側に操
作されるほど旋回半径が小さくなる旋回状態となるよう
に、走行用の各油圧シリンダ33R、33Lの作動を制
御する旋回制御を実行する。
【0059】次に、制御装置31による旋回制御の具体
的な制御動作について説明する。この旋回制御において
は、旋回レバー26が、旋回指令範囲のうちの直進指令
位置から離れる側に操作されるほど旋回半径を小さくす
る旋回状態となるように制御が実行されるが、その旋回
操作を行うときの旋回レバー26の前記旋回指令範囲で
の操作位置と目標とする旋回状態との関係を、基本的に
は3種類の異なる旋回モードに切り換えることができる
構成となっている。
【0060】詳述すると、上記したような旋回モード
を、緩旋回モード、信地旋回モード、超信地旋回モード
の3つ旋回モードに切り換えるための3接点式のモード
切換スイッチ42が設けられており、このモード切換ス
イッチ42による切換指令が制御装置に与えられて、制
御装置31は、その切換指令に基づいて、次のように旋
回モードを切り換えるように構成されている。すなわ
ち、緩旋回モードにおいては、旋回側のクローラ走行装
置の走行速度が、反対側のクローラ走行装置の走行速度
より減速させることで車体を旋回させる旋回状態とな
り、この旋回状態では、旋回側の走行装置の走行速度を
他方の走行装置の走行速度より減速させるときの減速量
を、旋回レバー26が直進指令位置から離れるほど大き
くする形態に設定してある。そして、旋回レバー26を
旋回側の最大操作位置にまで操作したときに、旋回側の
クローラ走行装置の走行速度が、反対側のクローラ走行
装置の走行速度の約1/3の速度にまで減速される旋回
状態となる。
【0061】具体的に説明すると、図8のラインL1に
示すように、旋回側とは反対側のクローラ走行装置の走
行速度が主変速レバー24にて指令された目標走行速度
で一定に維持されるのに対して、ラインL2に示すよう
に、旋回レバー26の操作位置が直進指令位置から旋回
側に離れるほど、旋回側のクローラ走行装置の走行速度
が徐々に減速され、旋回レバー26が最大操作位置にま
で操作されると、反対側のクローラ走行装置の走行速度
Vの約1/3の速度にまで減速されるように、旋回レバ
ー26の操作位置に対する、左右のクローラ走行装置1
R、1Lの速度比率の変化特性が予め設定されている。
そして、この速度比率の特性と、そのときの旋回側とは
反対側のクローラ走行装置に対する無段変速装置のトラ
ニオン軸の変速位置の検出値とから、旋回レバー26の
操作位置に対応する速度比率になるように、旋回側のク
ローラ走行装置に対する無段変速装置のトラニオン軸の
目標変速位置を定めて、変速位置センサにて検出される
トラニオン軸の変速位置が前記目標変速位置になるよう
に、対応する油圧シリンダ33を制御するのである。
【0062】次に、信地旋回モードにおいては、旋回側
のクローラ走行装置の走行速度が、反対側のクローラ走
行装置の走行速度より減速させることで車体を旋回さ
せ、しかも、旋回側のクローラ走行装置の走行速度を他
方のクローラ走行装置の走行速度より減速させるときの
減速量を、旋回レバー26が直進指令位置から離れるほ
ど大きくする形態に設定してある点では、緩旋回モード
と同じであるが、この信地旋回モードでは、旋回レバー
26が最大操作位置にまで操作されると、旋回側のクロ
ーラ走行装置の走行速度が零となり、走行を停止する状
態になる。しかも、このとき、図示しない制動機構によ
って旋回側のクローラ走行装置が制動するように構成さ
れている。
【0063】具体的に説明すると、図8のラインL3に
示すように、旋回レバー26の操作位置が直進指令位置
から旋回側に離れるほど、旋回側のクローラ走行装置の
走行速度が徐々に減速され、旋回レバー26が最大操作
位置にまで操作されると、旋回側のクローラ走行装置の
走行速度が零となるまで減速されるように、旋回レバー
26の操作位置に対する、左右のクローラ走行装置1
R、1Lの速度比率が予め設定されている。そして、こ
の速度比率の特性と、そのときの旋回側とは反対側のク
ローラ走行装置に対する無段変速装置のトラニオン軸の
変速位置の検出値とから、旋回レバー26の操作位置に
対応する速度比率になるように、旋回側のクローラ走行
装置に対する無段変速装置のトラニオン軸の目標変速位
置を定めて、変速位置センサにて検出されるトラニオン
軸の変速位置が前記目標変速位置になるように、対応す
る油圧シリンダ33を制御するのである。
【0064】又、超信地旋回モードにおいては、旋回側
のクローラ走行装置の走行速度を他方のクローラ走行装
置の走行速度より減速させるときの減速量を、旋回レバ
ー26が直進指令位置から離れるほど大きくする形態に
設定して、旋回側のクローラ走行装置の走行速度を反対
側のクローラ走行装置の走行速度より減速させることで
車体を旋回させる旋回状態、及び、旋回側のクローラ走
行装置の走行速度が零になるまで減速されて走行を停止
する旋回状態に切り換わる点は、信地旋回モードと同じ
であるが、この超信地旋回モードでは、旋回側の走行装
置を他方の走行装置の走行方向とは逆方向に走行させる
旋回状態にも切り換わる構成となっており、より小さい
旋回半径で旋回させることができるようになっている。
【0065】具体的に説明すると、図8のラインL4に
示すように、前記第1旋回状態においては、旋回レバー
26の操作位置が直進指令位置から旋回側に離れるほ
ど、旋回側のクローラ走行装置の走行速度が徐々に減速
され、旋回レバー26が途中の所定操作位置にまで操作
されると第2旋回状態となって旋回側のクローラ走行装
置の走行速度が零となり、しかも、旋回レバー26がそ
の所定操作位置よりも更に旋回側に操作されると第3旋
回状態に切り換わり、旋回側のクローラ走行装置を他方
のクローラ走行装置の走行方向とは逆方向に走行させる
ときの走行速度を、前記旋回レバー26が前記直進指令
位置から離れるほど大きくする形態となるように、旋回
レバー26の操作位置に対する、左右のクローラ走行装
置の速度比率が予め設定されている。
【0066】そして、この速度比率の特性と、そのとき
の旋回側とは反対側のクローラ走行装置に対する無段変
速装置のトラニオン軸の変速位置の検出値とから、旋回
レバー26の操作位置に対応する速度比率になるよう
に、旋回側のクローラ走行装置に対する無段変速装置の
トラニオン軸の目標変速位置を定めて、変速位置センサ
にて検出されるトラニオン軸の変速位置が前記目標変速
位置になるように、対応する油圧シリンダ33を制御す
るのである。
【0067】つまり、モード切換スイッチ42の切り換
え操作に基づく制御装置31の制御作動で、旋回モード
を、所望の旋回状態の現出が可能な旋回モードに切り換
えることができるようになっている。又、いずれの旋回
状態においても、旋回側とは反対側のクローラ式走行装
置1の駆動速度を主変速レバー24にて指令された目標
走行速度に維持する状態で一定とし、旋回側のクローラ
式走行装置1の駆動速度を上記したように変更させるこ
とにより機体を滑らかに旋回させることができるように
なっている。
【0068】次に、前記直進制御について説明する。制
御装置31は、前記直進制御として、次の各処理を実行
するよう構成されている。つまり、主変速レバー24が
中立位置(停止指令位置)に操作されると停止用変速位
置としての中立位置になり、主変速レバー24が中立位
置から移動操作されると、その移動操作量が大きくなる
に伴って高速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値
が指令されたときに上限変速位置となるように、指令位
置に対応する左右一対のトラニオン軸29の目標変速位
置を設定する目標変速位置設定処理、一対の変速位置セ
ンサ46、47にて検出される一対のトラニオン軸2
9、29の変速位置夫々が目標変速位置になるように、
一対の油圧シリンダ33R、33Lを作動させる変速位
置調整処理、及び、その変速位置調整処理の実行によ
り、前記一対の無段変速装置11R、11Lの少なくと
もいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸2
9の変速位置が前記目標変速位置との関連で定めた制御
状態切換用位置になると、前記一対の無段変速装置11
R、11Lの出力速度が同期用目標速度になるように、
前記一対の回転速度センサ44、45の検出情報に基づ
いて前記一対の油圧シリンダ33R、33Lを作動させ
る速度同期処理の夫々を実行するよう構成されている。
尚、この実施形態では、前記制御状態切換用位置が前記
目標変速位置に定められる構成となっている。
【0069】又、前記速度同期処理として、前記一対の
無段変速装置11R、11Lのいずれか一方の無段変速
装置を基準側の無段変速装置として定めて、その基準側
の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置を
その位置に保持させるように、その無段変速装置に対応
する油圧シリンダ(33R又は33L)を作動させ、且
つ、その基準側の無段変速装置における出力速度を回転
速度センサ(44又は45)にて検出して前記同期用目
標速度として設定し、他方の無段変速装置の出力速度が
前記同期用目標速度になるように、回転速度センサ(4
4又は45)の検出情報に基づいて他方の無段変速装置
に対応する油圧シリンダ(33R又は33L)を作動さ
せるように構成されている。
【0070】更に、この速度同期処理において、前記変
速位置調整処理の実行により、前記一対の無段変速装置
11R、11Lのいずれか一方の無段変速装置における
トラニオン軸29の変速位置が前記制御状態切換用位置
になると、一対の無段変速装置のうちトラニオン軸29
の変速位置が停止用変速位置としての中立位置から遠い
側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置
として定めるよう構成されている。
【0071】具体的に説明すると、図7に示すように、
直進走行状態における、主変速レバー24の操作位置に
対する、左右の走行用の各無段変速装置11R、11L
のトラニオン軸29、29の目標変速位置が予め設定さ
れて記憶されている。そして、制御装置31は、図9に
示すように、変速レバーセンサ27にて検出される主変
速レバー24の操作位置の検出結果に基づいて、そのと
きの目標変速位置を設定する(ステップ1、2)。これ
が目標変速位置設定処理に対応する。ここで、図6及び
図7より明らかなように、主変速レバー24が中立位置
に操作されると変速出力が零となり、中立位置から移動
操作されると、その移動操作量が大きくなるに伴って高
速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値が指令され
たときに上限変速位置となるようにトラニオン軸29、
29の目標変速位置が設定されることになる。
【0072】次に、変速位置センサ46、47にて検出
される各トラニオン軸29、29の変速位置が前記目標
変速位置になるように、前記各電磁弁34A、34Bの
作動を制御して走行用の各油圧シリンダ33R、33L
を作動させる変速操作を実行する(ステップ3)。つま
り、変速位置の検出情報に基づく位置フィードバック制
御を実行するのである。このときの変速操作が変速位置
調整処理に対応する。従って、主変速レバー24が中立
位置から前進側に操作されると、その中立位置からの操
作量が大きくなるほど高速になる状態で前進方向での直
進走行が行われ、主変速レバー24が後進側に操作され
ると、その中立位置からの操作量が大きくなるほど高速
になる状態で後進方向での直進走行が行われ、主変速レ
バー24の操作に基づく制御装置31の制御作動で、前
後進の切り換えと無段階の変速操作とを行うことがで
き、もって、所望の速度での前方直進状態や後方直進状
態を容易に現出できるようになっている。
【0073】上記したような変速位置調整処理の実行に
より、左右の無段変速装置11R、11Lのうちいずれ
か無段変速装置のトラニオン軸29の変速位置が、前記
制御状態切換用位置としての目標変速位置に至ると、言
い換えると、目標変速位置に対して予め設定されている
制御不感帯内に収まると、そのときに左右の無段変速装
置のうちトラニオン軸29の変速位置が前記中立位置か
ら遠い側に位置する無段変速装置を、基準側の無段変速
装置として定めて、その基準側の無段変速装置における
出力速度を回転速度センサ(44又は45)により検出
して前記同期用目標速度としての目標回転速度に設定す
る(ステップ5,6)
【0074】そして、その基準側の無段変速装置におけ
るトラニオン軸29の変速位置をその位置に保持させる
ように、その無段変速装置に対応する油圧シリンダを作
動させておき、他方の無段変速装置の出力速度が前記目
標回転速度になるように、前記回転速度センサ(44又
は45)の検出情報に基づいて他方の無段変速装置に対
応する油圧シリンダを作動させる変速操作を実行する
(ステップ7、8)。すなわち、無段変速装置の出力速
度の検出結果に基づく速度フィードバック制御を実行す
るのである。このような処理が速度同期処理に対応す
る。
【0075】前記速度同期処理が主変速レバー24の指
令位置が変更するまで行われ、主変速レバー24の指令
位置が変更すると、ステップ1に戻り、再度、前記目標
変速位置設定処理、及び、変速位置調整処理を実行した
後に、前記速度同期処理を実行することになる。
【0076】〔第2実施形態〕次に、本発明に係る作業
車の旋回制御装置の第2実施形態について説明する。こ
の実施形態は、前記制御装置による直進制御において、
速度同期処理を実行するための構成以外の他の構成につ
いては、上記第1実施形態と同じであるから、第1実施
形態と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成につい
ては説明は省略する。
【0077】上記第1実施形態では、前記速度同期処理
において、常に、前記一対の無段変速装置11R、11
Lのうちトラニオン軸29の変速位置が停止用変速位置
(中立位置)から遠い側に位置する無段変速装置を基準
側の無段変速装置として定めるよう構成するものを例示
したが、このような構成に代えて、次のように構成す
る。つまり、前記制御手段としての制御装置が、前記一
対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけ
る***作体の変速位置が前記制御状態切換用位置になっ
たときに、前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無
段変速装置における***作体の変速位置が設定位置より
も低速側に位置しているときは、一対の無段変速装置の
うち前記***作体の変速位置が前記停止用変速位置から
遠い側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速
装置として定め、前記一対の無段変速装置夫々の***作
体の変速位置が共に前記設定位置よりも高速側に位置し
ているときは、前記一対の無段変速装置のうち前記***
作体の変速位置が前記停止用変速位置から近い側に位置
する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定
める構成である。
【0078】具体的に説明すると、前記制御装置31
が、前記一対の無段変速装置11R、11Lのいずれか
一方の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位
置が前記制御状態切換用位置になったときに、前記一対
の無段変速装置11R、11Lのいずれか一方の無段変
速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が設定位置
よりも低速側に位置しているときは、一対の無段変速装
置のうちトラニオン軸29の変速位置が停止用変速位置
(中立位置)から遠い側に位置する無段変速装置を基準
側の無段変速装置として定める。又、前記一対の無段変
速装置11R、11L夫々のトラニオン軸29の変速位
置が共に前記設定位置よりも高速側に位置しているとき
は、一対の無段変速装置のうちトラニオン軸29の変速
位置が前記停止用変速位置(中立位置)に近い側に位置
する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定める
ことになる。
【0079】〔第3実施形態〕次に、本発明に係る作業
車の旋回制御装置の第3実施形態について説明する。こ
の実施形態は、前記制御装置による直進制御において、
速度同期処理を実行するための構成以外の他の構成につ
いては、上記第1実施形態と同じであるから、第1実施
形態と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成につい
ては説明は省略する。
【0080】上記第1実施形態では、前記速度同期処理
において、常に、前記一対の無段変速装置11R、11
Lのうちトラニオン軸29の変速位置が停止用変速位置
(中立位置)から遠い側に位置する無段変速装置を基準
側の無段変速装置として定めるよう構成するものを例示
したが、このような構成に代えて、次のように構成す
る。つまり、前記制御手段としての制御装置が、前記変
速位置調整処理の実行により、前記一対の無段変速装置
のいずれか一方の無段変速装置における***作体の変速
位置が前記制御状態切換用位置になると、その無段変速
装置を前記基準側の無段変速装置として定める構成であ
る。
【0081】具体的に説明すると、前記制御装置31
が、前記変速位置調整処理の実行により、前記一対の無
段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラ
ニオン軸29の変速位置が前記制御状態切換用位置にな
ったときに、そのトラニオン軸29の変速位置が前記制
御状態切換用位置になった方の無段変速装置を前記基準
側の無段変速装置として定めるのである。
【0082】〔第4実施形態〕次に、本発明に係る作業
車の旋回制御装置の第4実施形態について説明する。こ
の実施形態は、前記制御装置による直進制御において速
度同期処理を実行するための構成以外の他の構成につい
ては、上記第1実施形態と同じであるから、第1実施形
態と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成について
は説明は省略する。
【0083】上記第1実施形態では、前記速度同期処理
として、基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸の
変速位置をその位置に保持させるように、その無段変速
装置に対応する油圧シリンダを作動させ、且つ、その基
準側の無段変速装置における出力速度を同期用目標速度
として設定して、他方の無段変速装置の出力速度が前記
同期用目標速度になるように、回転速度センサの検出情
報に基づいて他方の無段変速装置に対応する油圧シリン
ダを作動させる構成としたが、この第4実施形態では、
一方の無段変速装置を速度を維持して他方側のみ速度フ
ィードバック制御するのではなく、左右一対の無段変速
装置を共に速度フィードバック制御する構成とするので
ある。
【0084】つまり、前記速度同期処理、具体的には第
1実施形態における図9の制御フローチャートのステッ
プ7において、次のように制御を実行する。基準側の無
段変速装置として設定した無段変速装置における出力速
度を回転速度センサにて検出して、その検出値を目標回
転速度として設定した後に、一対の回転速度センサ4
4、45の検出値が共に目標速度になるように、一対の
油圧シリンダ33R、33Lを作動させるように制御す
る構成である。そして、このような速度同期処理は主変
速レバー24の指令位置が変更するまで行われることに
なる。このように主変速レバー24の指令位置が変更す
るまで左右一対の無段変速装置を共に速度フィードバッ
ク制御する構成である。
【0085】〔第5実施形態〕次に、本発明に係る作業
車の旋回制御装置の第5実施形態について説明する。こ
の実施形態は、前記制御装置による直進制御を実行する
ための構成以外の他の構成については、上記第1実施形
態と同じであるから、第1実施形態と異なる構成につい
てのみ説明し、同じ構成については説明は省略する。
【0086】つまり、この実施形態では、前記制御装置
が、前記直進制御として、上記第1実施形態における目
標変速位置設定処理と同じ目標変速位置設定処理、及
び、次のような変速作動処理の夫々を常に実行するよう
構成されている。前記変速作動処理について説明する
と、前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速
装置を主変速側とし、他方の無段変速装置を追従側とし
て設定し、主変速側の無段変速装置の前記***作体の変
速位置が前記目標変速位置に近づくように、その無段変
速装置に対応するアクチュエータ(油圧シリンダ)を作
動させるとともに、その主変速側の無段変速装置の出力
速度を追従用目標速度として、追従側の無段変速装置の
出力速度が前記追従用目標速度になるように、前記変速
出力検出手段(回転速度センサ)の検出情報に基づい
て、その追従側の無段変速装置に対応するアクチュエー
タ(油圧シリンダ)を作動させる。
【0087】説明を加えると、上記第1実施形態のよう
に前記一対の***作体の変速位置夫々が目標変速位置に
近づくように制御を行うのではなく、主変速側として設
定した無段変速装置は、常に、***作体の変速位置が前
記目標変速位置に近づくように制御(位置フィードバッ
ク制御)を行い、追従側の無段変速装置は、常に、出力
速度が前記追従用目標速度になるように制御(速度フィ
ードバック制御)を行う構成である。具体的には、図1
0に示すように、上記第1実施形態における目標変速位
置設定処理と同じ目標変速位置設定処理(ステップ1
1,12)を実行し、主変速側として設定した無段変速
装置のみを***作体の変速位置が前記目標変速位置に近
づくように制御(位置フィードバック制御)を行い(ス
テップ13)、その主変速側として設定した無段変速装
置の出力速度を検出して、その速度を前記追従用目標速
度として設定し(ステップ14、15)、追従側の無段
変速装置のみを出力速度が前記追従用目標速度になるよ
うに変速操作(速度フィードバック制御)する(ステッ
プ16)。
【0088】この実施形態において、左右の無段変速装
置のうち主変速側として設定した無段変速装置は、刈取
作業を開始してから作業が終了するまで常に一定にさせ
る構成としてもよいが、作業状況に応じて適宜変更させ
るようにしてもよい。
【0089】〔第6実施形態〕次に、本発明に係る作業
車の旋回制御装置の第6実施形態について図面に基づい
て説明する。
【0090】図11に示すように、この実施形態では、
上記第1実施形態における変速位置センサ46、47が
設けられておらず、その代わりに、前記エンジンの出力
回転速度を検出するエンジン出力検出手段としてのエン
ジン回転センサ50と、前記一対の無段変速装置から前
記一対の走行装置への伝動機構中に設けられた副変速装
置13R、13Lの変速状態を検出する変速状態検出手
段としての副変速センサ51とが備えられている。副変
速センサ51は副変速レバー25の操作状態に基づいて
高速又は低速のうちのいずれであるかを検出する構成と
なっている。
【0091】そして、制御装置31は、前記直進制御と
して、エンジン回転センサ50及び副変速センサ51の
検出情報に基づいて、一対の無段変速装置11R、11
Lにて変速可能な上限車速を求める上限車速設定処理、
車速指令手段としての主変速レバー24が停止指令位置
に操作されると停止状態になり、主変速レバー24が停
止指令位置から移動操作されると、その移動操作量が大
きくなるに伴って高速側に変化し、且つ、所定操作範囲
の上限値が指令されたときに前記上限車速となるよう
に、指令位置に対応する車体の目標走行速度を設定する
目標車速設定処理、及び、一対の回転速度センサ44、
45にて検出される一対の無段変速装置11R、11L
の夫々における出力速度が前記目標走行速度になるよう
に、一対の油圧シリンダ33R、33Lを作動させる出
力調整処理の夫々を実行するように構成されている。
【0092】尚、詳述はしないが、前記回転速度センサ
44、45は、発生するパルス信号の計数により一対の
無段変速装置11R、11Lの出力回転速度の絶対値を
検出することができるが、そのことに加えて、例えばパ
ルス波形の位相差等によって無段変速装置の回転方向、
つまり、前進方向であるか後進方向であるかについても
検出可能に構成されている。
【0093】制御装置31の具体的な制御動作につい
て、図13に基づいて説明する。制御装置31は、先
ず、エンジン回転センサ50の検出情報に基づいてエン
ジン7の出力回転速度を検出する(ステップ21)。そ
して、副変速センサ51の検出結果を参照して、その出
力回転速度であるときの一対の無段変速装置11R、1
1Lにて変速可能な上限車速を演算にて求める(ステッ
プ22)。つまり、そのときのエンジン7の出力回転速
度から無段変速装置11R、11Lにて変速可能な上限
車速を、予め設定されている機械的な特性から求めるの
である。この処理が上限車速設定処理に対応する。
【0094】このようにして上限車速が求められると、
この上限車速に基づいて、図12に示すように、主変速
レバー24が中立位置から移動操作されると、その移動
操作量が大きくなるに伴って高速側に変化し、且つ、所
定操作範囲の上限値が指令されたときに前記上限車速と
なるように、指令位置の変化に対して直線的に変化する
ように車体の目標走行速度の変化特性が定められる。こ
のときエンジン出力が高速になるほど指令位置の変化に
対する目標走行速度の変化率(図12の傾斜角)が大と
なり、エンジン出力が低速であれば指令位置の変化に対
する目標速度の変化率は小となる。
【0095】図12を参照しながら具体例に基づいて説
明すると、エンジン7の出力回転速度が最も高い状態で
あれば、図12のラインL5にて示されるように目標走
行速度の変化特性が設定され、所定操作範囲の前進側の
上限値が指令されたときには上限車速V11が設定さ
れ、後進側の上限値が指令されたときには上限車速V1
2が設定される。又、エンジン7の出力回転速度が最も
低い状態であれば、図12のラインL6にて示されるよ
うに目標走行速度の変化特性が設定され、所定操作範囲
の前進側の上限値が指令されたときには上限車速V21
が設定され、後進側の上限値が指令されたときには上限
車速V22が設定される。そして、エンジン7の出力回
転速度が中間値であれば、ラインL5とラインL6との
間での中間的な特性が設定される。
【0096】次に、主変速レバー24の操作位置を検出
して、上述したようにして設定された変化特性と、主変
速レバー24の操作位置の検出結果とに基づいて、その
ときの目標走行速度を設定する(ステップ23、2
4)。この処理が目標車速設定処理に対応する。
【0097】そして、左右一対の無段変速装置11R、
11L夫々における回転速度センサ44、45の検出値
が共に前記目標回転速度になるように、一対の油圧シリ
ンダ33R、33Lを作動させる変速操作を実行する
(ステップ25)。すなわち、出力回転速度の検出結果
に基づくフィードバック制御を実行するのである。この
変速操作が出力調整処理に対応する。
【0098】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。
【0099】(1)上記第1実施形態では、前記速度同
期処理において、常に、前記一対の無段変速装置11
R、11Lのうちトラニオン軸29の変速位置が停止用
変速位置(中立位置)から遠い側に位置する無段変速装
置を基準側の無段変速装置として定めるよう構成するも
のを例示したが、このような構成に代えて、次の
(イ)、(ロ)に記載するような構成としてもよい。
【0100】(イ)前記速度同期処理において、常に、
前記一対の無段変速装置11R、11Lのうちトラニオ
ン軸29の変速位置が停止用変速位置(中立位置)に近
い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置と
して定めるよう構成する。
【0101】(ロ)前記変速位置調整処理の実行によ
り、前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速
装置におけるトラニオン軸29の変速位置が前記制御状
態切換用位置になったときに、そのトラニオン軸29の
変速位置が前記制御状態切換用位置になった方の無段変
速装置を前記基準側の無段変速装置として定めるよう構
成する。
【0102】(2)上記第1実施形態では、前記速度同
期処理において、前記一対の無段変速装置11R、11
Lのいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸
29の変速位置が前記目標変速位置になったことを判別
するようにしたが、このような構成に代えて、前記目標
変速位置に対して設定量だけ移動方向作手前側の位置に
なったことを判別してもよく、一対の無段変速装置11
R、11Lが共に目標変速位置になったことを判別して
もよい。
【0103】又、上記第1実施形態では、前記同期用目
標速度として基準側の無段変速装置の出力速度を設定す
るようにしたが、このような構成に代えて、反対側の無
段変速装置の出力速度を用いたり、一対の無段変速装置
の出力速度の平均値を用いてもよく、又、そのときのエ
ンジン回転速度と主変速レバーの操作位置の情報等に基
づいて演算にて求めた目標速度を用いる等、各種の形態
で実施することができる。
【0104】(3)上記各実施形態では、アクチュエー
タとしての油圧シリンダを油圧制御するための構成とし
て、複数の2位置切換式の電磁弁を設ける構成とした
が、このような構成に限らず、次のような構成としても
よい。例えば、図14に示すように、前記油圧シリンダ
33Rに対する作動油の供給状態を切り換える3位置切
り換え式の電磁切換弁52と、排油状態を切り換える2
個の2位置切換式電磁切換弁53とで構成する等、各種
の形態で実施することができる。尚、図14では油圧シ
リンダ33Rのみ示しているが、他方の油圧シリンダ3
3Lについても同様の構成である。
【0105】(4)上記各実施形態では、無段変速装置
のトラニオン軸を操作するアクチュエータとして、油圧
シリンダを例示したが、アクチュエータとしては油圧モ
ータや電動モータ等他のアクチュエータを用いてもよ
い。
【0106】(5)上記各実施形態では、一対の無段変
速装置として、静油圧式無段変速装置を用いたが、この
ような構成に代えて、例えば、ベルト式無段変速装置や
テーパコーン型の無段変速装置と走行方向を前後で切り
換えるための前後進切換機構とを組み合わせる構成とし
てもよい。又、このような構成と合わせて、前記車速指
令手段として、所定操作範囲の一端側が走行停止を指令
する停止指令位置になり、所定操作範囲の他端側が高速
側の上限値になるように構成するものでもよい。
【0107】(6)上記各実施形態では、作業車として
コンバインを例示したが、本発明はコンバインに限ら
ず、人参収穫機や大根収穫機など他の農作業車でもよ
く、又、農作業車に限らず建設機械等の作業車でもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略縦断背面図
【図3】伝動構造を示す概略縦断側面図
【図4】伝動構造を示す縦断背面図
【図5】操作構造の構成を示す概略図
【図6】変速位置と走行速度との関係を示す図
【図7】主変速レバー位置と目標変速位置との関係を示
す図
【図8】旋回レバー位置と左右走行装置の速度比の関係
を示す図
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】第5実施形態の制御動作のフローチャート
【図11】第6実施形態の操作構造の構成を示す概略図
【図12】第6実施形態の主変速レバー位置と目標速度
との関係を示す図
【図13】第6実施形態の制御動作のフローチャート
【図14】別実施形態の油圧回路図
【符号の説明】
1R、1L 走行装置 7 エンジン 11R、11L 無段変速装置 24 車速指令手段 26 旋回指令手段 29 ***作体 31 制御手段 33R、33L アクチュエータ 44、45 変速出力検出手段 46、47 変速位置検出手段 50 エンジン出力検出手段 51 変速状態検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01D 69/03 A01D 69/03 B62D 11/04 B62D 11/04 G (72)発明者 林 繁樹 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 加藤 裕治 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 2B076 AA03 CC02 DA02 DA03 DA15 DC01 EA03 EB03 EC02 EC09 EC17 EC18 ED01 ED27 3D052 AA01 AA02 BB08 BB11 DD01 DD04 EE01 FF02 GG04 HH03 JJ21 3J053 AA03 AB03 AB12 AB23 AB33 AB34 DA01 DA06 DA22 DA23 EA02 EA04 FA02 FA03 FB06 FC02 FC03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力にて駆動される左右一対
    の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の
    無段変速装置と、 その一対の無段変速装置を各別に変速操作する一対のア
    クチュエータと、 走行停止を指令する停止指令位置を含む所定操作範囲内
    で移動操作自在で、且つ、停止指令位置からの移動操作
    量が大きくなるほど高速を指令する車速指令手段と、 旋回を指令する旋回指令手段と、 前記車速指令手段にて指令される車速指令情報に対応す
    る速度で車体を直進走行させるべく前記一対のアクチュ
    エータを作動させる直進制御、及び、前記旋回指令手段
    にて指令された旋回を行うべく前記一対のアクチュエー
    タを作動させる旋回制御を実行する制御手段とが備えら
    れている作業車の走行制御装置であって、 前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の***作
    体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段
    と、 前記一対の無段変速装置の出力速度を各別に検出する一
    対の変速出力検出手段とが備えられ、 前記制御手段が、前記直進制御として、 前記車速指令手段が停止指令位置に操作されると停止用
    変速位置になり、前記車速指令手段が停止指令位置から
    移動操作されると、その移動操作量が大きくなるに伴っ
    て高速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値が指令
    されたときに上限変速位置となるように、指令位置に対
    応する前記一対の***作体の目標変速位置を設定する目
    標変速位置設定処理、 前記一対の変速位置検出手段にて検出される前記一対の
    ***作体の変速位置夫々が前記目標変速位置に近づくよ
    うに、前記一対のアクチュエータを作動させる変速位置
    調整処理、及び、 その変速位置調整処理の実行により、前記一対の無段変
    速装置の少なくともいずれか一方の無段変速装置におけ
    る***作体の変速位置が前記目標変速位置との関連で定
    めた制御状態切換用位置になると、前記一対の無段変速
    装置の出力速度が同期用目標速度になるように、前記一
    対の変速出力検出手段の検出情報に基づいて前記一対の
    アクチュエータを作動させる速度同期処理の夫々を実行
    するよう構成されている作業車の走行制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御状態切換用位置が、前記目標変
    速位置に定められている請求項1記載の作業車の走行制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記速度同期処理とし
    て、 前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置
    を基準側の無段変速装置として定めて、その基準側の無
    段変速装置における前記***作体の変速位置をその位置
    に保持させるように、その無段変速装置に対応する前記
    アクチュエータを作動させ、 且つ、その基準側の無段変速装置における出力速度を前
    記同期用目標速度として設定して、他方の無段変速装置
    の出力速度が前記同期用目標速度になるように、前記変
    速出力検出手段の検出情報に基づいて前記他方の無段変
    速装置に対応する前記アクチュエータを作動させるよう
    に構成されている請求項1又は2記載の作業車の走行制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、 前記変速位置調整処理の実行により、前記一対の無段変
    速装置のいずれか一方の無段変速装置における***作体
    の変速位置が前記制御状態切換用位置になると、その無
    段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定めるよ
    う構成されている請求項3記載の作業車の走行制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段が、 前記変速位置調整処理の実行により、前記一対の無段変
    速装置のいずれか一方の無段変速装置における***作体
    の変速位置が前記制御状態切換用位置になると、一対の
    無段変速装置のうち前記***作体の変速位置が前記停止
    用変速位置から遠い側に位置する無段変速装置を前記基
    準側の無段変速装置として定めるよう構成されている請
    求項3記載の作業車の走行制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段が、 前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置
    における***作体の変速位置が前記制御状態切換用位置
    になったときに、 前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置
    における***作体の変速位置が設定位置よりも低速側に
    位置しているときは、一対の無段変速装置のうち前記被
    操作体の変速位置が前記停止用変速位置から遠い側に位
    置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として
    定め、 前記一対の無段変速装置夫々の***作体の変速位置が共
    に前記設定位置よりも高速側に位置しているときは、前
    記一対の無段変速装置のうち前記***作体の変速位置が
    前記停止用変速位置から近い側に位置する無段変速装置
    を前記基準側の無段変速装置として定めるよう構成され
    ている請求項5記載の作業車の走行制御装置。
  7. 【請求項7】 エンジンの動力にて駆動される左右一対
    の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の
    無段変速装置と、 その一対の無段変速装置を各別に変速操作する一対のア
    クチュエータと、 走行停止を指令する停止指令位置を含む所定操作範囲内
    で移動操作自在で、且つ、停止指令位置からの移動操作
    量が大きくなるほど高速を指令する車速指令手段と、 旋回を指令する旋回指令手段と、 前記車速指令手段にて指令される車速指令情報に対応す
    る速度で車体を直進走行させるべく前記一対のアクチュ
    エータを作動させる直進制御、及び、前記旋回指令手段
    にて指令された旋回を行うべく前記一対のアクチュエー
    タを作動させる旋回制御を実行する制御手段とが備えら
    れている作業車の走行制御装置であって、 前記エンジンの出力回転速度を検出するエンジン出力検
    出手段と、 前記一対の無段変速装置の夫々における出力速度を検出
    する一対の変速出力検出手段と、 前記一対の無段変速装置から前記一対の走行装置への伝
    動機構中に設けられた副変速装置の変速状態を検出する
    変速状態検出手段とが備えられ、 前記制御手段が、前記直進制御として、 前記エンジン出力検出手段並びに前記変速状態検出手段
    の検出情報に基づいて、前記一対の無段変速装置にて変
    速可能な上限車速を求める上限車速設定処理、 前記車速指令手段が停止指令位置に操作されると停止状
    態になり、前記車速指令手段が停止指令位置から移動操
    作されると、その移動操作量が大きくなるに伴って高速
    側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値が指令された
    ときに前記上限車速となるように、指令位置に対応する
    目標出力速度を設定する目標出力設定処理、及び、 前記一対の変速出力検出手段にて検出される前記一対の
    無段変速装置の夫々における出力速度が前記目標出力速
    度になるように、前記一対のアクチュエータを作動させ
    る出力調整処理の夫々を実行するように構成されている
    作業車の走行制御装置。
  8. 【請求項8】 エンジンの動力にて駆動される左右一対
    の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の
    無段変速装置と、 その一対の無段変速装置を各別に変速操作する一対のア
    クチュエータと、 走行停止を指令する停止指令位置を含む所定操作範囲内
    で移動操作自在で、且つ、停止指令位置からの移動操作
    量が大きくなるほど高速を指令する車速指令手段と、 旋回を指令する旋回指令手段と、 前記車速指令手段にて指令される車速指令情報に対応す
    る速度で車体を直進走行させるべく前記一対のアクチュ
    エータを作動させる直進制御、及び、前記旋回指令手段
    にて指令された旋回を行うべく前記一対のアクチュエー
    タを作動させる旋回制御を実行する制御手段とが備えら
    れている作業車の走行制御装置であって、 前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の***作
    体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段
    と、 前記一対の無段変速装置の出力速度を各別に検出する一
    対の変速出力検出手段とが備えられ、 前記制御手段が、前記直進制御として、 前記車速指令手段が停止指令位置に操作されると停止用
    変速位置になり、前記車速指令手段が停止指令位置から
    移動操作されると、その移動操作量が大きくなるに伴っ
    て高速側に変化し、且つ、所定操作範囲の上限値が指令
    されたときに上限変速位置となるように、指令位置に対
    応する前記***作体の目標変速位置を設定する目標変速
    位置設定処理、及び、 前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置
    を主変速側とし、他方の無段変速装置を追従側として設
    定し、主変速側の無段変速装置の前記***作体の変速位
    置が前記目標変速位置に近づくように、その無段変速装
    置に対応する前記アクチュエータを作動させるととも
    に、その主変速側の無段変速装置の出力速度を追従用目
    標速度として、追従側の無段変速装置の出力速度が前記
    追従用目標速度になるように、前記変速出力検出手段の
    検出情報に基づいて、その追従側の無段変速装置に対応
    する前記アクチュエータを作動させる変速作動処理の夫
    々を常に実行するよう構成されている作業車の走行制御
    装置。
  9. 【請求項9】 前記一対の無段変速装置の夫々が、静油
    圧式無段変速装置にて構成されている請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の作業車の走行制御装置。
JP2002204650A 2001-11-12 2002-07-12 作業車の走行制御装置 Expired - Fee Related JP3786629B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002204650A JP3786629B2 (ja) 2001-11-12 2002-07-12 作業車の走行制御装置
KR10-2003-0019349A KR100483874B1 (ko) 2002-07-12 2003-03-28 작업차의 주행 제어 장치
CNB031284345A CN100498016C (zh) 2002-07-12 2003-04-29 作业车的走行控制装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-345887 2001-11-12
JP2001345887 2001-11-12
JP2002204650A JP3786629B2 (ja) 2001-11-12 2002-07-12 作業車の走行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003207044A true JP2003207044A (ja) 2003-07-25
JP3786629B2 JP3786629B2 (ja) 2006-06-14

Family

ID=27667103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002204650A Expired - Fee Related JP3786629B2 (ja) 2001-11-12 2002-07-12 作業車の走行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3786629B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520394A (ja) * 2004-02-06 2007-07-26 キャタピラー インコーポレイテッド 舵取り制御を有する作業機械
JP2008223819A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Yanmar Co Ltd コンバイン

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023096963A (ja) * 2021-12-27 2023-07-07 井関農機株式会社 コンバイン
JP2023096965A (ja) * 2021-12-27 2023-07-07 井関農機株式会社 コンバイン
JP2023096964A (ja) * 2021-12-27 2023-07-07 井関農機株式会社 コンバイン

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520394A (ja) * 2004-02-06 2007-07-26 キャタピラー インコーポレイテッド 舵取り制御を有する作業機械
JP2008223819A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Yanmar Co Ltd コンバイン

Also Published As

Publication number Publication date
JP3786629B2 (ja) 2006-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003207044A (ja) 作業車の走行制御装置
KR100483874B1 (ko) 작업차의 주행 제어 장치
JP2003269608A (ja) 作業車の走行制御装置
JP4023686B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP4681394B2 (ja) 刈取作業機における駆動制御装置
JP4537923B2 (ja) 作業機の変速制御装置
JP4624897B2 (ja) コンバインの走行変速装置
JP2007091090A (ja) 作業車の走行制御装置
JP3883484B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP3850322B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP4070697B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP3949041B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP2004114798A (ja) 作業車の旋回制御装置
JP2007091091A (ja) 作業車の走行制御装置
JP2004116728A (ja) 変速制御装置及びそれを備えた作業車
JP4476000B2 (ja) コンバインの走行変速装置
JPH1128944A (ja) 刈取収穫機の変速操作装置
JP4023683B2 (ja) 油圧サーボ機構における操作位置検出装置及び作業車の旋回制御装置
JP2005106123A (ja) 制御弁及び変速操作装置
JP4141363B2 (ja) 弁制御装置
JP2007062543A (ja) 作業機の走行駆動装置
JP2005247154A (ja) 作業車の走行制御装置
JP4297826B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP2004116660A (ja) 作業車の走行制御装置
JP2004116756A (ja) 作業車の走行制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060320

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3786629

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120331

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130331

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140331

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees