JP2003206986A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2003206986A
JP2003206986A JP2002003560A JP2002003560A JP2003206986A JP 2003206986 A JP2003206986 A JP 2003206986A JP 2002003560 A JP2002003560 A JP 2002003560A JP 2002003560 A JP2002003560 A JP 2002003560A JP 2003206986 A JP2003206986 A JP 2003206986A
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seismic isolation
roller
rail
seismic
target
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JP2002003560A
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English (en)
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Takumi Kikuchi
巧 菊池
Tetsuhito Nakamura
徹人 中村
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AS KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 地震動における免震対象物の重心と各ローラ
との位置関係を一定にして免震対象物の転倒を防止させ
るともに、免震対象物を支持し、安定に免震させる免震
装置を提供する。 【解決手段】 第1ローラ5及び第2ローラ6は、第2
レール4及び第1レール3の上方からそれぞれのレール
の凹面4c、3cに載設させて、第2レール及び第1レ
ールは、第1ローラ及び第2ローラの下方に配設する。
したがって、第1ローラ、第2ローラのそれぞれの設置
位置に対して一定の距離が維持され、免震対象物P1に
対して、免震対象物の重心G1に作用する慣性力Fによ
る転倒を防止させるとともに、安定した免震性能を提供
することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、地震等の振動
(震動)を減衰する免震装置に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 従来、免震装置としては、例えば、図
7に示すような免震装置200のものが知られている。
【0003】この従来の免震装置200は、水平方向へ
直線的に延び上下方向へ湾曲したレールとレールを転動
するローラとを略々90度の角度を介して井形に配置し
てなる。レールは、免震対象物P1が設置される上架台
1に配設されるレール201と、支持面Tに台座Qを介
して設置される下架台2に配設されるレール202とで
構成される。また、ローラは、レール202上を転動す
るローラ204と、レール201を移動可能に支持する
ローラ203とで構成され、上架台1と下架台2との間
に介装されている。
【0004】この従来の免震装置200によると、地震
動による水平方向の振動でレール201は、ローラ20
3によって移動可能に支持され、レール201がローラ
203を転動するようにレール201の湾曲に沿って移
動する。そして、自重(免震対象物P1の荷重等)及
び、ローラ203を移動するレール201の湾曲による
復元力により、水平方向の振動が減衰される。したがっ
て、この振動の吸収減衰が繰り返されることで、水平方
向の振動エネルギが吸収減衰される。
【0005】また、例えば、特許第3131830号に
記載のものが知られている。この免震装置も図7に示す
免震装置200と同様に、水平方向へ直線的に延び上下
方向へ湾曲したレールとレールを転動するローラとを略
々90度の角度を介して井形に配置してなる。レール
は、ローラを挟み込むように対設される1組の上部レー
ルと下部レールから構成され、上述の免震装置200と
ほぼ同様な免震動作を行い、免震対象物を地震動から免
震させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前述
の従来の免震装置200及び特許第3131830号に
記載の免震装置では、水平方向へ直線的に延び上下方向
へ湾曲したレール201は、湾曲した凹面201aを免
震対象物P1に対して下方向になるように設置されてい
る。このような免震装置の構成は、通常時における免震
対象物P1の重心G1とローラ203との距離r1、r
2は、地震時の免震動作によって、重心がG1からG2
に移動することで、重心G2からローラ203までの距
離はそれぞれ異なったr3、r4となり、重心からロー
ラまでの距離が常に変動することとなる。したがって、
地震時の免震対象物P2の重心G2は、ローラ203に
対して常に移動することになり、免震対象物P1が転倒
する危険性を増大させる問題点がある。
【0007】本発明は、このような問題点を考慮してな
されたもので、地震動における免震対象物の重心と各ロ
ーラとの位置関係を一定にして免震対象物の転倒を防止
させるとともに、免震対象物を支持し、安定に免震させ
る免震装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】 前述の課題を解決する
ため、本発明に係る免震装置は、次のような手段を採用
する。
【0009】即ち、請求項1では、水平方向へ直線的に
延び上下方向へ湾曲したレールとレールを転動するロー
ラとを略々90度の角度を介して井形に配置してなる免
震装置において、上架台及び下架台を、免震対象物と支
持面との間で対面させ、第1ローラが転動される第2レ
ールと第1レールを転動する第2ローラとが、上架台と
下架台との間に配設されてなり、第1ローラは、免震対
象物が設置される上架台に設置されて、免震動作によっ
て移動される前記免震対象物の重心から、前記第1ロー
ラまでの距離が一定とされることを特徴とする。
【0010】この手段では、免震対象物が設置される上
架台に第1ローラを設置することで、免震動作において
移動される免震対象物の重心が第1ローラの設置位置に
対して常に一定に維持される。
【0011】また、請求項2では、請求項1記載の免震
装置において、免震動作によって移動される前記免震対
象物の重心から、第2ローラまでの距離が一定とされる
ことを特徴とする。
【0012】この手段では、請求項1と同様に、免震動
作において移動される免震対象物の重心が第2ローラの
設置位置に対して常に一定に維持される。
【0013】また、請求項3では、請求項1又は2記載
の免震装置において、第1レール及び第2レールは、湾
曲した凹面側を上面に配設され、第1ローラ及び第2ロ
ーラは、前記凹面にそれぞれ載設されることを特徴とす
る。
【0014】この手段では、第1ローラ及び第2ローラ
は、第2レール及び第1レールの上方からそれぞれのレ
ールの凹面に載設されて、第2レール及び第1レール
は、第1ローラ及び第2ローラの下方に配設される構成
をなすことで、免震時において、免震装置の上方側に設
置される免震対象物は、第1ローラ、第2ローラにより
支持され、安定に免震される。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下、本発明に係る免震装置の
実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1〜図3は、本発明に係る免震装置の実
施の形態(1)を示すものである。
【0017】この実施の形態では、免震対象物P1が設
置される支持面Tが構造躯体であるスラブからなるもの
を示してある。また、支持面Tに固定した台座Qの上に
設置されるものを示してある。
【0018】この実施の形態の免震装置100は、上架
台1、下架台2、第1レール3、第2レール4、第1ロ
ーラ5、第2ローラ6を主要部材として構成されてい
る。
【0019】上架台1は、免震対象物P1に対面する比
較的厚さのある平板な板材で、一方の辺がW2、他方の
辺がW1の方形に形成されている。上架台1の下面の一
方の辺沿いには箱型に形成された軸受部8の固定面8a
が当接されて固定されている。第1ローラ5は軸受部8
を介して取付けられている。なお、上架台1の上面は、
免震対象物P1に当接されて設置される。
【0020】第1ローラ5は、片側2個のローラ5a、
5bが設置間距離R2で合計4個が軸受部8に設置され
る。第1ローラ5は、軸受部8の固定面8aに対面する
軸受部の下面ではなく、固定面8aに隣接する側面側か
ら突出するように設置される構成となっている。
【0021】下架台2は、支持面Tに対面する比較的厚
さのある平板な板材で上架台1と一致する方形に形成さ
れている。下架台2の上面の他方の辺沿いには、第1レ
ール3が取付けられている。なお、下架台2の下面は、
台座Qに当接されて設置される。
【0022】第1レール3は、水平方向へ直線的に延び
上下方向へ湾曲した凹面3cを有して片側2本のレール
3a、3bが1組とされ、配設域の一部が重複されて形
成される重複区間D1を有するように平行に配設されて
いる。片側2本で合計4本のレールのレール長は各々L
1で、各レール上を第2ローラ6が転動する。
【0023】上架台1に取付けられた第1ローラ5が転
動する第2レール4は、柱状のレール用フレーム9に刻
設されている。
【0024】この第2レール4は、レール長L2で片側
が2個のローラ5a、5bがそれぞれ転動する水平方向
へ直線的に延び、上下方向へ湾曲した凹面4cを有し
て、同一基軸上に配設されるレール4a、4bで構成さ
れている。また、2本のレール4a、4bが同一基軸上
に平行に設置される。よって、第1ローラ5の軸受部8
からの突出長さはそれぞれ同じ長さに設置される。
【0025】下架台2に取付けられる第1レール3を転
動する第2ローラ6は、柱状のローラ用フレーム10に
取付けられている。
【0026】この第2ローラ6は、配設域が1部重複さ
れるように平行に重複区間D1を有して配設される片側
2本のレール3a、3bに対応したローラ6a、6bで
構成され、片側の2個のローラ6a、6bは、ローラ用
フレーム10からの突出長がそれぞれd1、d2となる
ように構成されている。
【0027】前述のレール用フレーム9,ローラ用フレ
ーム10は、2本ずつが井形に組付けられて第2レール
4,第2ローラ6とともに台車状に構成され、上架台1
と下架台2との間に可動的に配置されている。
【0028】第1ローラ5a、5bは、第2レール4
a、4b上のそれぞれ略々中央部40aに位置するよう
にローラの設置間距離R2で配設され、第2ローラ6
a、6bは第1ローラ5と同様に設置間距離R1で配設
されている。したがって、第1ローラ5及び第2ローラ
6は、免震動作時にそれぞれのレール上をレール長範囲
内で転動し、その転動距離は最大で各々のレール長の略
々1/2で、ストロークS2、S1である。
【0029】この実施の形態(1)では、免震対象物P
1は、上架台の上面側に設置され、上架台1の下面側に
設置されている第1ローラ5から、免震対象物P1の重
心G1間での高さはH1となっており、第2ローラ6か
ら重心G1までの高さはH2となっている。
【0030】よって、図1に示すように、実施の形態
(1)の免震装置100は、免震対象物P1が設置され
る上架台1に第1ローラ5を固定し、免震対象物P1の
重心G1から、第1ローラ5a、5bまでのそれぞれの
距離La、Lbが常に一定にされる構成となる。
【0031】さらに、図3に示すように、上架台1と下
架台2との間に可動的に配置される第2ローラ6におい
ても、第1ローラ5同様に、免震対象物P1の重心G1
から第2ローラ6a、6bまでのそれぞれの距離Ld、
Lcが常に一定にされている。
【0032】さらに、第1ローラ5及び第2ローラ6
は、第2レール4及び第1レール3の上方からそれぞれ
のレールの凹面4c、3cに載設されて、第2レール4
及び第1レール3は、第1ローラ5及び第2ローラ6の
下方に配設されるのため、免震対象物P1の重心G1
は、第1ローラ5、第2ローラ6のそれぞれの設置位置
に対して一定の距離が維持される最適な構成を提供して
いる。
【0033】また、この免震装置100の構成位置は免
震対象物P1から、免震対象物P1→上架台1→第1ロ
ーラ5→第2レール4、第2ローラ6→第1レール3→
下架台2→支持面Fとなり、免震装置100の上方側に
設置される免震対象物P1を、第1ローラ5、第2ロー
ラ6により支持されて安定に免震させることになる。
【0034】よって、免震装置100の地震動における
免震動作は、水平方向の振動に対応して第1ローラ5、
第2ローラ6が、第2レール4、第1レール3を湾曲し
た凹面4c、3cに沿って転動して移動する。そして、
そして、自重(免震対象物P1の荷重等)及び、第1ロ
ーラ5、第2ローラ6が転動する第2レール4、第1レ
ール3の湾曲した凹面4c、3cによる復元力により、
水平方向の振動が減衰される。したがって、この振動の
吸収減衰が繰り返されることで、水平方向の振動エネル
ギが吸収減衰される。
【0035】次に、地震動等による免震動作時に免震対
象物P1が転倒しない条件を数式等を用いて説明する。
【0036】図1及び図3において、免震装置100が
免震動作を行わない通常時における免震対象物をP1と
して、その重心をG1とする。免震装置100の地震動
による免震動作の免震対象物をP2として、その重心を
G2とする。したがって、免震動作によって免震対象物
は、免震対象物P1から免震対象物P2にY1方向に移
動し、その重心もG1からG2へと移動することにな
る。
【0037】上架台1の下面側に軸受部8aを介して設
置されている第1ローラ5a、5bの設置位置をそれぞ
れ支点Ja、Jbとし、重心G1から垂直に上架台1へ
ぶつかる点を交点K1とする。交点K1から両側の支点
Ja、Jbまでのそれぞれの距離をLa、Lbとする。
また、免震対象物P1の重量をWとする。
【0038】免震時において、免震対象物P1の重心G
1には、支持面Tに対して水平に慣性力F1が作用す
る。地震動により上架台1がY1方向に移動するときの
加速度を免震装置100の転倒応答加速度をa1と定義
して、慣性力F1は、 F1 = (W/g)×a1 (式1) と表すことができる。また、免震対象物P1が転倒しな
い条件は、免震対象物P1の重量により発生する交点K
1における回転モーメントM1=W×Laが、慣性力F
による回転モーメントM2=F1×H1よりも大きけれ
ばよい。したがって、 F1×H1 < W×La (式2) が成立し、式1、式2から、免震装置100の転倒応答
加速度a1は、 a1 < (La/H1)×g (式3) という式3で表され、免震対象物P1が転倒しない条件
となる。ここで、gは重力加速度を示している。
【0039】免震動作において、第1ローラ5、第2ロ
ーラ6が凹面3c、4cを有する湾曲した第1レール
3、第2レール4を転動し、第1ローラ5、第2ローラ
6が上下動に移動する変位量h1は、H1よりも十分小
さな値となる。よって、式3における、支点Ja、Jb
(第1ローラ5a、5b)から免震対象物P1の重心G
1までの距離H1は、H1 >> h1 であるので、
H1≒H1+h1とし、定数として差し支えない。
【0040】よって、式3において、H1、gは定数と
して扱うことができるので、免震装置の転倒応答加速度
a1は交点K1から支点Ja、Jb(第1ローラ5a、
5bの設置位置)までの距離La、Lbに比例すること
になる。
【0041】よって、図7に示す従来の実施例の距離L
は、免震時において距離r2から距離r4と短くなり、
距離Lの伸縮によって転倒応答加速度は増加、減少を繰
り返し、免震対象物P1を安定に支持できず免震対象物
P1を転倒させてしまう恐れがある。しかし、この実施
の形態(1)によると、距離La、Lbは通常時、地震
動による免震時において一定となっているため、免震対
象物P1に対して、免震対象物P1の重心に作用する慣
性力Fによる転倒を防止させる極めて安定した免震性能
を提供している。
【0042】また、図3に示すように、免震対象物P1
が免震時においてX1方向に移動しても、下架台1に設
置された第1レール3上を転動する第2ローラ6は、第
1ローラ5と同様に構成されて第1レール3に載設され
ているので、交点K2から支点Jc、Jd(第2ローラ
6a、6b)までの距離をLd、Lcとし、支点Jc、
Jdから重心G1までの高さH2として、上述の式3よ
り、免震装置100の転倒応答加速度a2は、 a2 < (Lc/H2)×g (式4) となり、上述の第1ローラ5と第2レール4と同様な作
用・効果が奏されている。
【0043】したがって、免震装置100は、上架台1
の上面に設置されている免震対象物P1に対して、一定
の転倒応答加速度a1、a2を提供し、免震対象物P1
の重心G1の移動を安定させ、転倒を防止させるより向
上された免震性能を提供することが可能となる。
【0044】また、このように構成される免震装置10
0の第1レール3a、3bは、前述の従来の免震装置2
00のように2本レールを1直線上に連ねて配設せず
に、配設域を一部重複させて重複区間D1を形成するた
め、方形に成形される免震装置100の外形寸法は、他
方の辺の長さがW1=L1+L1−D1となり、重複区
間D1の長さ分の縮小が可能となっている。
【0045】さらに、重複区間D1の長さ分の縮小が可
能となった免震装置100は、第2ローラ6が転動する
第1レール3のレール長を縮小せずに免震装置100の
外形寸法が縮小されるため、免震動作における十分な性
能を免震装置に発揮させるための各レール長L1が確保
され、レール上を転動するローラの転動距離が十分に提
供される。
【0046】したがって、免震装置100は、配設され
る第1レール3のレール長に制限されずに免震対象物P
1の様々形状、大きさ等に対応した免震装置100を提
供することもできる。
【0047】さらに、レール用フレーム9とローラ用フ
レーム10を井形に組み付けられて、上架台1と下架台
2との間に可動的に介装することで、第1ローラ5a、
5bは、軸受部8の固定面8aに隣接する側面側より、
第2レールの長さ方向に鉛直に突出されて設置されるこ
とを容易にし、固定面8aとは反対側の軸受部8の下面
側に第1ローラ5a、5bを設置した場合よりも、上架
台1と下架台2との間の距離は、第1ローラ5a、5b
の車輪分の幅が縮小でき、免震対象物P1の重心G1を
低く保つことが可能となる。したがって、免震対象物P
1はより安定して、上架台1の上面に設置される。
【0048】さらに、ローラ用フレーム10から突出さ
れる第2ローラ6a、6bも同様に第1レールの長さ方
向に鉛直に突出されて設置されているので、上架台1と
下架台2との間の距離より縮小されて、免震対象物P1
が地震動により転倒し得る高さ(免震対象物P1の重心
G1)をより低くさせることが可能となり、免震対象物
P1の転倒を防止させる効果がある。
【0049】さらに、2本の第1レール3a、3bは、
配設域において重複区間D1を設けるように平行に配設
されている。よって、水平方向の振動で転動する第2ロ
ーラ6a、6bのストローク長S1がそれぞれ重複区間
D1によって重複し、その重複距離は略々D1となり、
重複距離D1分の振動エネルギが減衰された水平方向の
振動が上架台1に伝達されるので、振動エネルギの吸収
減衰がより向上する。
【0050】さらに、この振動エネルギの吸収減衰の動
作では、上架台1が免震対象物P1に対面する比較的厚
さのある板材で形成され第1ローラ5,軸受部8が補強
材的に取付けられ、また、下架台2が支持面Tに対面す
る比較的厚さのある板材で形成され第1レール3が補強
材的に取付けられているため、耐震強度が高くなり、免
震装置100の捻れ変形が防止される。従って、長期に
わたり有効な免震機能が奏される。
【0051】また、井形に組付けされて台車状に構成さ
れた第2レール4,第2ローラ6,レール用フレーム
9,ローラ用フレーム10は、上架台1,下架台2の間
に可動的に配置されて、上架台1,下架台2に取付けら
れ固定的に配置された第1ローラ5,軸受部8,第1レ
ール3と分割配置されているため、上架台1,下架台2
の間隔である設置スペースが低くなる。従って、床下の
スラブからなる支持面Tに容易に設置することができ、
上架台1の上面に設置されている免震対象物P1の重心
G1をより低い位置で維持させ、安定した免震性能を発
揮することができる。
【0052】図4〜図6は、本発明に係る実施の形態
(2)を示すものである。
【0053】この実施の形態(2)では、前述の実施の
形態(1)の上架台1及び下架台2の略々中央部に開口
部7が開口されている。
【0054】この実施の形態(2)の免震装置150
は、上架台1の上面に設置される免震対象物P1に、サ
ーバーラック等の電子機器のラック類や美術品等の展示
台などを想定し、使用される際の照明やケーブル等の配
線を挿通させる開口部7を設けている。
【0055】上架台1の略々中央部には、一辺がW3の
正方形の配線用の開口部7aが開口され、下架台2の略
々中央部には、一辺がW4の正方形の配線用の開口部7
bが開口されている。
【0056】さらに、上架台1の配線用の開口部7aに
支持板11を介して保護部材12が支持されている。支
持板11は、中央部に保護部材12が嵌合取付けされる
取付孔11aが開口され周囲に長孔形の多数の通気孔1
1bが千鳥状に穿孔されて取付フレーム11cで囲まれ
てなるので、取付フレーム11cがビス13で上架台1
に設置されている。
【0057】保護部材12は、コイルスプリングで円錐
筒形に形成されてなる弾性体であり、上部から縮径した
下端部付近に最小径部12aが設けられ最小径部12a
の下方の下端部に最小径部12aよりも径の大きな拡開
部12bが設けられてなるもので、上部が支持板11の
取付孔11aに嵌合取付けされ拡開部12bが下架台2
の配線用の開口部7bに対面して自由状態になって、井
形になっている第1レール3,第2レール4,第1ロー
ラ5,第2ローラ6の間に位置している。
【0058】この実施の形態(2)によると、台座Qよ
り下架台2と支持面Tとの間のスペースを利用して、床
下に配設され展示台や電子機器類等に接続される配線設
備Cを下架台2の下に引込むことができる。そして、引
込んだ配線設備Cを下架台2の配線用の開口部7b、保
護部材12(上架台1の配線用の開口部7a)を通過さ
せて展示台や電子機器類等である免震対象物P1に接続
することができる。したがって、配線設備Cを必要以上
に長く設置しなくてよいため、免震時に各レール、ロー
ラの免震動作が阻害されることはない。
【0059】また、振動エネルギの吸収減衰の動作にお
ける保護部材12は、上架台1,下架台2の変位で最小
径部12aが配線設備Cに当接して全体を弾性変形させ
て、配線設備Cを緩衝保護する。なお、保護部材12の
拡開部12bは、保護部材12の弾性変形を容易にす
る。また、保護部材12の拡開部12bが下架台2に対
して自由状態になっているため、保護部材12の弾性変
形量が大きくなる。
【0060】さらに、この実施の形態(2)によると、
保護部材12の内部と支持板11の通気孔11bとによ
って、免震対象物P1側と支持面T側との通気Aが確保
される。したがって、床下から免震対象物P1へ供給さ
れる冷却空気を流通させることができる。
【0061】さらに、図6に示すように、例えば、地震
時に第1ローラ5が第2レール4上をX2方向に転動距
離S1移動し、第2ローラ6が第1レール上をY2方向
に転動距離S2移動する。このとき、上架台1及び下架
台2の開口部7a、7bが重複する開口部は一方の辺長
がW5、他方の辺長がW6の方形に形成され、支持面T
と免震対象物P1とに接続されるケーブル等の配線を確
実に挿通させ、地震時の免震動作における第1レール
3,第2レール4,第1ローラ5,第2ローラ6を妨げ
ることはない。したがって、免震性能は低下せず、免震
対象物P1に接続されるケーブル等の配線は損傷するこ
とがない。なお、その他の作用、効果は前述の実施の形
態(1)と同様に奏される。
【0062】以上、図示した実施の形態の外に、第1レ
ール3は、2本を一組とされる個別のレール3a、3b
を下架台2に配設しているが、第2レール4と同様に、
それぞれを一体に形成してもよい。逆に、第2レール4
a、4bを個別に形成して配設することも可能であり、
第1レール3は、重複区間D1を設けずに、第2レール
4のようにレール3a、3bを同一基軸上に配設するこ
ともできる。
【0063】また、上架台1及び下架台2は、アングル
材等で構成される構造体を採用しても良く、レール用フ
レーム9及びローラ用フレーム10は、柱状に限定され
るものではなく、板状として構成することも可能であ
る。
【0064】また、免震対象物P1が設置される支持面
Tは、構造躯体であるスラブからなるものに限定され
ず、支持面が通常の床面であっても何ら問題はない。
【0065】また、支持板11の通気孔11bは、円形
孔であっても良く長孔形を千鳥状に穿孔する必要はな
い。また、支持板11の取付けにおいてもビス13では
なく、直接に結合剤当で接着させることもでき、上記の
形状、取付け方法に限定されるものではない。
【0066】
【発明の効果】 以上のように、本発明に係る免震装置
は、免震対象物が設置される上架台に第1ローラを設置
することで、地震時の免震動作において移動される免震
対象物の重心が、第1ローラのそれぞれの設置位置に対
して常に一定の距離に維持され、第2ローラにおいても
一定の距離に維持される。したがって、地震動における
免震対象物の重心の移動は一定距離となるため、免震対
象物の重心に作用する慣性力Fは一定になり、免震対象
物の転倒を防止するとともに、安定した免震性能を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る免震装置の実施の形態(1)を
示す中央縦断面図である。
【図2】 図1の一部切除した平面図である。
【図3】 本発明に係る免震装置の実施の形態(1)を
示す中央縦断面図である。
【図4】 本発明に係る免震装置の実施の形態(2)を
示す斜視図である。
【図5】 図4の設置状態の中央縦断面図である。
【図6】 図4における免震動作時の簡略の断面図であ
る。
【図7】 従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 上架台 2 下架台 3 第1レール 4 第2レール 5 第1ローラ 6 第2ローラ 7a 上架台の開口部 7b 下架台の開口部 8 軸受部 9 レール用フレーム 10 ローラ用フレーム 11 支持板 12 保護部材 100 実施の形態(1)の免震装置 150 実施の形態(2)の免震装置 200 免震装置(従来例) G1 免震対象物の重心(通常時) G2 免震対象物の重心(免震時) P1 免震対象物(通常時) P2 免震対象物(免震時) T 支持面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向へ直線的に延び上下方向へ湾曲
    したレールとレールを転動するローラとを略々90度の
    角度を介して井形に配置してなる免震装置において、 上架台及び下架台を、免震対象物と支持面との間で対面
    させ、第1ローラが転動される第2レールと第1レール
    を転動する第2ローラとが、上架台と下架台との間に配
    設されてなり、第1ローラは、免震対象物が設置される
    上架台に設置されて、免震動作によって移動される前記
    免震対象物の重心から、前記第1ローラまでの距離が一
    定とされることを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震装置において、免震
    動作によって移動される前記免震対象物の重心から、第
    2ローラまでの距離が一定とされることを特徴とする免
    震装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の免震装置におい
    て、第1レール及び第2レールは、湾曲した凹面側を上
    面に配設され、第1ローラ及び第2ローラは、前記凹面
    にそれぞれ載設されることを特徴とする免震装置。
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