JP2003205558A - 速乾性複合吸水シート及び速乾性おむつ - Google Patents

速乾性複合吸水シート及び速乾性おむつ

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JP2003205558A
JP2003205558A JP2002007178A JP2002007178A JP2003205558A JP 2003205558 A JP2003205558 A JP 2003205558A JP 2002007178 A JP2002007178 A JP 2002007178A JP 2002007178 A JP2002007178 A JP 2002007178A JP 2003205558 A JP2003205558 A JP 2003205558A
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drying
diaper
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JP2002007178A
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Yoshikazu Takadera
由和 高寺
Naomiki Horikawa
直幹 堀川
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯して再使用可能(リユーサブル)であ
り、着用快適性を維持したまま高い乾燥速度を有する速
乾性複合吸水シート及び速乾性おむつを提供すること。 【解決手段】 少なくとも、吸水層(a)、単数または
複数の保水層(b)、水不透過層(c)が順次配置され
てなる複合吸水シートであって、該複合吸水シートの周
囲が、互いに相対する端部に少なくとも1個所ずつ(2
個所)に非接合部を有するように接合され、かつこれら
の非接合部が互いに連通してなる速乾性複合吸水シー
ト、およびかかる速乾性複合吸水シートから構成される
速乾性おむつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速乾性複合吸水シ
ート及び速乾性おむつに関する。より詳しくは、少なく
とも吸水層、保水層、水不透過層の3層構造を有し、乳
幼児用または介護用おむつ、尿取りパッド、ベッドパッ
ドあるいはペット用尿吸収シートとして好適な、高い乾
燥速度を有する速乾性複合吸水シート及び速乾性おむつ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、人体より排出される体液を含
む***物を吸収するシートとして、その利便性より高分
子吸水ポリマー材料を用いた使い捨てタイプが多く使用
されている。このような従来品は、吸水量が多いにも関
らず、水分の後戻りが少なく快適性に優れているうえ、
軽量で取り扱い性も良好のため、一般に紙おむつとして
普及してきた。しかしながら、かかる紙おむつは以下の
問題を有している。すなわち、紙おむつは通常1回の使
用後に捨てられるためゴミ量が増大する傾向にある。ま
た、水分を吸収した紙おむつが燃え難いため燃焼温度の
低いゴミ焼却炉で燃え残ることもある。さらには、水分
を吸収した紙おむつが炉内の温度を下げるため炉内の塩
素含有廃棄物からダイオキシン等の有害物質の発生を助
長するなど主として環境面の問題があった。
【0003】一方、再使用可能な、いわゆる布おしめに
おいては、綿素材を用いた織物が一般的であり、吸水性
は良好であるものの水分後戻りが多いため、冷たく不快
であるという問題があった。
【0004】このため、本発明者らは、疎水性の合成繊
維織編物を用いて、表面層、水分逆流防止層、保水層、
防水層からなる複合吸水シートを提案した。(特願20
01−576260号 WO01/78976A1)し
かるに、かかる複合吸水シートは、再利用可能で着用快
適性に優れるものの、洗濯後の乾燥性が不十分なため、
乾燥に使う重油やガスあるいは電気等のエネルギーを余
分に消費するという新たな問題点が浮上してきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題を解消するためになされたものであり、その課
題は、洗濯して再使用可能(リユーサブル)であり、着
用快適性を維持したまま高い乾燥速度を有する速乾性複
合吸水シート及び速乾性おむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも、吸水
層、保水層、水不透過層が順次配置されてなる複合吸水
シートの周囲を、少なくとも互いに相対する端部に1個
所ずつ(2個所)の非接合部を有するように接合し、か
つこれらの非接合部を互いに連通させることにより、乾
燥時に外気が一方の非接合部から他方の非接合部へ流入
流出可能となり、所望の速乾性複合吸水シート及び速乾
性おむつが得られることを知り、本発明を完成するに至
った。
【0007】かくして、本発明によれば、「少なくと
も、吸水層(a)、単数または複数の保水層(b)、水
不透過層(c)が順次配置されてなる複合吸水シートで
あって、該複合吸水シートの周囲が、互いに相対する端
部に少なくとも1個所ずつ(2個所)に非接合部を有す
るように接合され、かつこれらの非接合部が互いに連通
してなることを特徴とする速乾性複合吸水シート」及び
「かかる速乾性複合吸水シートから構成されてなる速乾
性おむつ」が提供される。
【0008】ここで、前記の非接合部が、前記保水層
(b)と水不透過層(c)との間、または複数の保水層
(b)間を介して連通してなると、より優れた乾燥性が
得られ好ましい。また、前記(a)層と(b)層との間
に、導水孔を有する水不透過性シート材からなる水分逆
流防止層(d)が設けられていることが好ましく、さら
にかかる(a)層と、(b)層のうちの少なくとも1層
とが、該(d)層の導水孔を介して結着されていること
が好ましい。前記速乾性おむつにおいて、非接合部が脚
部との接触側端部に対向して設けられていることが好ま
しい。そして、該非接合部の長さは4〜40cmが適当
である。さらに該非接合部が、ストレッチ性を有するヘ
ムテープで縁取りされていることが乾燥性だけでなく強
度保持および***物の漏れ防止の点で好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の速乾性複合吸水シ
ートは、少なくとも、吸水層(a)、単数または複数の
保水層(b)、水不透過層(c)が順次配置されてな
る。
【0010】吸水層(a)は、水分を一旦吸水した後保
水することなく、保水層(b)へ水分を移行させる。吸
水後の吸水層(a)表面をできる限りドライタッチに保
つため、表面に布帛組織による凹凸が施されていること
が好ましい。例えば、起毛処理、カットパイル、ループ
パイル、畝およびメッシュ組織による凹凸を有すること
が好ましい。かかる吸水層(a)を構成する素材として
は、天然繊維、合成繊維またはそれらの組合せを使用す
ることができる。なかでも、合成繊維が高い混率で含ま
れる方が表面ドライ感が良好となるため好ましい。ま
た、肌触りの観点より皮膚刺激を起こさないため、吸水
層(a)を構成する糸の総繊度は230dtex以下、
単糸繊度は5.5dtex以下であることが好ましい。
【0011】保水層(b)の構造としては、水分を吸収
し、保持すべく繊維間に毛管現象による充分な吸水場所
を持つ布帛構造であることが好ましく、かかる布帛構造
として編構造が好ましく例示される。
【0012】上記保水層(b)の保水量は、保水層の自
重の100%以上(より好ましくは180%以上)であ
ることが好ましい。保水層(b)は必ずしも1層に限ら
ず必要とされる吸水量に応じ複数層から構成されてもよ
い。保水層(b)に使用される糸の素材としては、任意
の合成繊維、天然繊維、またはそれらの組合せを使用す
ることができる。ここで、保水層(b)の保水量と水分
吸収性は、洗濯の繰返しにより低下しないことが好まし
い。例えば、合成繊維の場合では、洗濯後の仕上剤とし
て親水加工剤を用いることが好ましい。
【0013】また、水不透過層(c)は、次の水不透過
性シート材からなるものであれば、以下に記載されたど
の組合せであってもよい。即ち、織編物にポリウレタン
フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンフィル
ム、またはフッ素系のフィルム等の水が透過し難いフィ
ルムをラミネート法等により接着したもの、または織編
物にウレタン等の樹脂コーテイングを施したものなど、
吸水シートの外側に水分を移行させないシート状材料で
あれば特に限定されない。
【0014】次に、本発明の速乾性複合吸水シートにお
いて、該複合吸水シートの周囲が、少なくとも互いに相
対する端部に1個所ずつの非接合部を有するように接合
され、かつこれらの非接合部が互いに連通している必要
がある。かかる接合方法については、特に限定されず、
いかなる接合方法であってもよいが、最も一般的なのが
ミシンを用いた縫着糸による縫着である。その際、複合
吸水シートの相対する端部に、少なくとも1個所ずつ非
接合部を設ける必要がある。すなわち、複合吸水シート
の平面形状が長方形である場合には、長辺側端部及び/
又は短辺側端部に少なくとも1個所ずつ(2個所)の非
接合部を設ける必要がある。該非接合部の個数は少なく
とも相対する端部に1個所ずつ(2個所)でもよいし、
それ以上の個数であってもよい。また、非接合部の長さ
(複合吸水シートの辺方向の長さ)については、本発明
の速乾性複合吸水シートの使用目的に応じて、適宜選定
され、特に限定はされない。かかる非接合部において、
(a)層と(b)層の間、複数の(b)層の間、(b)
層と(c)層の間、いずれかの層間が非接合であればよ
く、他の層間は接合されていてもよい。なかでも、複数
の(b)層の間、または(b)層と(c)層の間が非接
合であることが好ましい。そして、これら相対する端部
に設けられた非接合部は互いに連通している必要があ
る。ここで、本発明でいう連通とは、一方の非接合部か
ら他方の非接合部に至るまで(a)層と(b)層の間、
複数の(b)層の間、(b)層と(c)層の間、いずれ
かの層間が非接合であるということである。例えば、一
方の非接合部において(b)層と(c)層とが非結合で
あれば、相対する端部の非接合部においても、(b)層
と(c)層とが非結合でかつ、一方の非接合部から他方
の非接合部に至るまで(b)層と(c)層が非接合であ
る必要がある。かかる連通により、連通に沿って空隙層
が形成されうることになり、その結果、一方の非接合部
から流入した外気は空隙を通じて他方の非接合部から流
出し、その際、内部の吸水材に吸水された水分が複合吸
水シートの系外へ排出されることにより、乾燥速度が向
上する。
【0015】本発明の速乾性複合吸水シートにおいて図
4、5、6に示されるように前記吸水層(a)と保水層
(b)との間に導水孔を有する水不透過性シート材から
なる水分逆流防止層(d)が配置されることが好まし
い。かかる水分逆流防止層(d)としては図7に示され
るような、数列の導水孔を有する水不透過性シート材か
ら構成されるものが好ましく使用される。該導水孔のサ
イズは、おむつに用いた場合の長辺方向をタテとしてタ
テ(列)方向に5mm未満(より好ましくは3mm以
下)が好ましい。列に垂直な(ヨコ)方向のサイズは3
mm以上(より好ましくは4mm以上)が好ましい。該
導水孔のタテ方向のサイズが5mm以上になると、保水
層(b)に溜まった水分がわずかの加圧により該導水孔
を通して、吸水層(a)に逆流し、濡れ感、冷え感等の
不快感を生じさせる場合がある。一方、導水孔のヨコ方
向のサイズが3mm未満になると、後に吸水層(a)と
保水層(b)の少なくとも1層とを該導水孔を介して接
合させる際に、ミシンの針目が導水孔列上を通過するこ
とが困難になり、吸水層(a)から保水層(b)へのす
みやかな水分の移行が難しくなる場合がある。その結
果、表面の吸水層(a)に多量の水分が滞留し、濡れ感
や冷え感などの不快感発生の原因となる恐れがある。さ
らに、かかる導水孔の形状は、四角形、円、スリットを
含むいかなる形状でもよい。ただし、長期間の導水孔形
状の耐久性を考えると、楕円がもっとも好ましい。これ
は、導水孔が四角形の場合と比べると角部がないため、
外力の応力集中が起き難く、亀裂が生じ難いためであ
る。
【0016】ここで、図7に示された導水孔の列間隔X
と行間隔Yについて詳述する。導水孔の列間隔Xは狭い
ほど吸水層(a)から保水層(b)への水分移行速度が
向上するものの、逆に保水層(b)からの水分の逆流が
多くなることから、列間隔Xは、10mm以上30mm
以下が好ましい。この列間隔が30mmを越えると、水
分の逆流防止性は向上するものの、吸水層(a)の吸水
速度が低下する恐れがある。一方、導水孔の行間隔Y
は、狭いほど水分移行速度は向上するものの、水分の逆
流防止性が低下するため、好ましくは3mm以上10m
m以下である。
【0017】水分逆流防止層の全面積に占める導水孔部
の合計面積比率は、3%以上40%未満であることが好
ましい。この比率が3%未満であると、保水層(b)か
ら表面の吸水層(a)への水分逆流は少ないものの、吸
水層(a)に滴下した水分が該水分逆流防止層の導水孔
を通過し難く、表面の濡れ感、冷え感等の不快感を助長
する場合がある。逆に導水孔部の合計面積比率が40%
以上になると、吸水層(a)から保水層(b)への水分
の移行性は良好であるが、水分の逆流が多く不快感が問
題となる場合がある。
【0018】かかる水分逆流防止層(d)を接合させる
方法として、水分逆流防水層(d)の導水孔を介して吸
水層(a)と保水層(b)のうちの少なくとも1層とを
接合する方法が好ましい。
【0019】上記接合の具体的な方法としては、最も一
般的なのがミシンを用いた縫着糸による縫着である。し
かし、この接合の方法は、吸水層(a)と保水層(b)
が水分逆流防止層(d)の導水孔を介して密着し接合し
ていればよく、必ずしも逢着糸による縫着に限定される
ものではなく、他のいかなる接合でも良い。
【0020】吸水層(a)に結着する保水層(b)が、
複数の層構造から構成されている場合、そのうちの一層
が水分逆流防止層(d)の導水孔を介して接合されても
よいし、複数の層構造のうち複数層、またはすべての保
水層(b)が接合されていても何らかまわない。
【0021】また縫着糸による接合の形状については、
直線形状が最も簡単であるが、曲線、格子、および亀甲
計等のいかなる形状でもかまわない。
【0022】前記の水分逆流防止層(d)は、次の水不
透過性シート材からなるものであれば、どの組合せであ
ってもよい。
【0023】即ち、織・編物にポリウレタンフィルム、
ポリエチレンフィルム、またフッ素系のフィルム等の水
が透過し難いフィルムをラミネート法等により接着した
もの、または織・編物にウレタン等の樹脂コーテイング
したものであればよい。さらには、洗濯耐久性のある強
撥水布でもよいし、Wラッセル編地のような空気層を含
むが、吸水層(a)の水分を接合部以外の部位にて容易
に保水層(c)に移行させないシート状材料などであっ
てもよい。
【0024】本発明の第2は、前記速乾性複合吸水シー
トから構成された速乾性おむつである。かかる速乾性お
むつは、少なくとも、吸水層(a)、単数または複数の
保水層(b)、水不透過層(c)が順次配置されてお
り、かつおむつの周囲が、互いに相対する端部に少なく
とも1個所ずつ(2個所)に非接合部を有するように接
合され、さらにこれらの非接合部が互いに連通してな
る。そして、前記の非接合部が、前記保水層(b)と水
不透過層(c)との間、または複数の保水層(b)間を
介して連通してなることが好ましい。また、前記(a)
層と(b)層との間に、導水孔を有する水不透過性シー
ト材からなる水分逆流防止層(d)が設けられてなるこ
とが好ましく、結着方法として、前記(a)層と、
(b)層のうちの少なくとも1層とが、前記(d)層の
導水孔を介して結着されていることが好ましい。本発明
の速乾性おむつは本発明の主目的である優れた乾燥性が
得られる範囲であれば、テープやその他の付属品が装着
されていてもよい。
【0025】図1は、本発明の速乾性おむつにおいて空
隙が形成されている場合のものを例示するものであり、
図2は、図1におけるA−A´の切断面を模式的に示す
ものである。図1において、長辺側端部に設けられた非
接合部2(a)と2(b)が連通して形成された1個の
空隙が示されているが、本発明の速乾性おむつにおい
て、非接合部同士が連通しておればよく、空隙は形成さ
れていてもよいし、空隙が形成されてなくてもよい。乾
燥性の点で、空隙が形成されていることが好ましい。ま
た、非接合部の個数は少なくとも相対する端部に1ずつ
(2個)あればよく、相対する端部に複数個ずつ非接合
部を設けてもよい。かかる相対する端部は長辺側であっ
ても短辺側であっても長辺短辺両方であってもよいが、
非接合部が、脚部との接触側端部に対向して配置されて
いることが着用快適性の点で好ましい。
【0026】本発明の速乾性おむつにおいて、前記非接
合部の長さは、おむつ端部の辺方向の長さで4cm以上
40cm以下(より好ましくは10cm以上30cm以
下)であることが好ましい。非接合部の該長さが4cm
よりも小さいと、乾燥速度が遅くなる恐れがある。逆
に、非接合部の該長さが40cmよりも大きいと、おむ
つを洗濯した際、非接合部に捩れと絡みつきが極端に発
生するため、乾燥後のたたみ作業時間が長くなる恐れが
ある。同時に、接合部が縫着糸により縫着されている場
合、この捩れに起因して、縫着部に無理な力がかかり、
縫着部がほつれ易く、洗濯耐久性が低下する恐れがあ
る。
【0027】前記非接合部は、ヘムテープで縁取りされ
ていることが好ましい。かかる処理により、おむつを使
用していないとき、空隙が形成されやすく、優れた乾燥
性が得られやすく好ましい。さらには、前記非接合部が
人体の脚部に接触する場合、優れた肌さわりが得られる
と同時に、非接合部周辺の強度が保持される。
【0028】また、かかるヘムテープがストレッチ性を
有するものであると、空隙がさらに一層形成され易くな
るため好ましい。同時に、前記非接触部が人体の脚部に
接触した場合、おむつが人体の股間部に隙間無く密着で
きるため、***物の漏れを防止することができる。
【0029】本発明の速乾性おむつは、前述のように少
なくとも相対するおむつ端部に互いに連通する非接合部
を有するため、かかる連通に沿って空隙が形成されうる
ことになり、その結果、該非接合部を通して外気が流入
流出することが可能となり、優れた乾燥性が得られる。
かかる速乾性おむつは、使い捨てでない洗濯して再使用
可能なおむつとして極めて好適である。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を詳述するが、本発明は
これらによって限定されるものではない。なお、実施例
中の各測定項目は下記の方法で測定した。 <乾燥速度>洗濯処理した後、プレス脱水後、100k
g容量の大型タンブル式乾燥機に投入してから、乾燥状
態(水分率5%以下)になるまでの時間を計測した。 <洗濯耐久性>リネンサプライ用連続洗濯機で70回洗
濯処理した後、縫着部のほつれ性を目視判定した。 ○:ほつれなし。 △:ほつれ少しあり。 ×:ほつれあり。
【0031】[実施例1]トリコット4bar編機を用
い、フロント(F)に111.1dtex/24fil
のポリエステル(PET)糸、ミドル(M)には16
6.7dtex/48filのPET加工糸及び55.
5dtex/24filのPET糸を用い、バック
(B)には166.7dtex/48filのPET加
工糸を使用して本発明の速乾性複合吸水シートの吸水層
(a)を製編した。該吸水層の表面には、10cm当た
り凹凸部の合計数が11〜12コになるように起毛を施
した。
【0032】水分逆流防止層(d)は、PET83.3
dtex/36filを用いた32Gスムース編地に2
弗化エチレンラミネート加工を施したシートを用いて、
以下の通り導水孔を穿孔した。導水孔のサイズは、おむ
つに用いた場合の長辺方向をタテとしてタテ(短径)3
mm、ヨコ(長径)5mmの楕円形とし、導水孔のタテ
方向の間隔、即ち列間隔Xを20mm、ヨコ方向の間
隔、即ち行間隔Yを5mmとした結果、開孔率は、8.
0%となった。
【0033】導水孔を介しての吸水層(a)と、保水層
(b)のうちの1層との結着は、50番手の3コ撚りの
ポリエステルフィラメントミシン糸にて針目数15針/
3cmにて縫着した。
【0034】保水層(b)は、綿40番手単糸を95
%、沸水収縮率が30%以上ある高収縮PET糸5%と
を用いて、20Gのリップル編地を製編した。また、保
水層(b)は3枚用意した。
【0035】水不透過層(c)は、水分逆流防止層
(d)と同じく、PET83.3dtex/36fil
を用いた32Gスムース編地に2弗化エチレンラミネー
ト加工を施したシートを用いた。
【0036】次に、全体の形状がおむつの形となるよう
縫製し、速乾性複合吸水シートとした。ここで、吸水層
(a)と保水層(b)との接合は、水分逆流防止層
(d)の導水孔を介して縫着されている。そして、これ
らの部材と、その下方に配置される2枚の保水層(b)
と最下層の水不透過層(c)とは、長辺端部(股間部接
触側)の非接着部(長さ25cm)を除いて2本針オー
バーロックミシンにて周囲を縫着した後、おむつ全体が
人体の股間部に沿って密着するように立体成型した。
【0037】そして、非接着部の周囲を、ストレッチ性
のあるヘムテープを伸張状態のまま平2本針ミシンで縫
着後、緊張を解くことにより、図1のような立体形状を
有する速乾性おむつを形成せしめた。
【0038】なお、一方の非接合部から他方の非接合部
にいたるまで、前記3枚の(b)保水層間を通して連通
され、ヘムテープの緊張を解くことにより、かかる連通
に沿って空隙が形成された。
【0039】かかる速乾性おむつは、乾燥時間が25.
4分と早く、かつ洗濯耐久性も問題ないレベルにあっ
た。評価結果を表1に示す。
【0040】[実施例2]非接合部の長さを15cmと
した以外は実施例1と同様にして速乾性おむつを得た。
かかる速乾性おむつは、タンブラー乾燥機を用いたリネ
ンサプライヤーでの乾燥時間の許容限度である30分以
内にはいっており、かつ洗濯耐久性も問題ないレベルに
あった。評価結果を表1に示す。
【0041】[比較例1]非接合部のない構造(周囲を
全て接合)とした以外は実施例1と同様にしておむつを
得た。かかるおむつにおいて、洗濯耐久性は問題ないも
のの、吸水された水分がほんの少しずつ水分逆流防止層
(d)の導水孔からしか放出されないため、乾燥時間が
44.9分と極端に遅くなった。評価結果を表1に示
す。
【0042】[比較例2]図3に示すようにおむつの短
辺側両端部に長さ3cmの非接合部を1個所ずつ設け
た。これらの非接合部は連通していない。これ以外は実
施例1と同様にしておむつを得た。かかるおむつにおい
て、洗濯耐久性は問題ないものの、空隙が小さいため、
外気をおむつ内部へ流入させたり、保水層(b)に含有
される水分を蒸発させるためにはまだ不十分であり、乾
燥時間が42.8分と遅いレベルであった。評価結果を
表1に示す。
【0043】[実施例3]非接合部の長さを56cmと
した以外は、実施例1と同様にしておむつを得た。この
非接合部は、おむつの長辺側両端部を完全に開口させた
ものに相当する。かかるおむつにおいて、乾燥時間は1
7分とはやいものの、洗濯耐久性が不十分で連続洗濯
後、縫製部にややほつれがみられた。また、連続洗濯を
繰り返すうちに、前記開口部が捩れ、絡み合うため乾燥
後のたたみ作業が煩雑となり、たたみ作業時間が長くな
った。評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、洗濯して再使用可能
(リユーサブル)であり、着用快適性を維持したまま、
高い乾燥速度を有する速乾性複合吸水シート及び速乾性
おむつが提供される。また、かかる速乾性複合吸水シー
トは、乳幼児や介護用おむつ用だけでなく、尿取りパッ
ド、ベッドパッドあるいはペット用尿吸水シートとして
も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の速乾性おむつを例示する斜視図であ
る。
【図2】図1の速乾性おむつにおいて、A−A´で切断
した切断面を示す模式図である。
【図3】比較例2で用いた、おむつの短辺側両端部に互
いに連通されない非接合部を1個所ずつ設けたおむつの
斜視図である。
【図4】本発明の速乾性複合吸水シートにおいて、水分
逆流防止層を用いた場合の中央部縦断面図である。
【図5】本発明の速乾性複合吸水シートにおいて、水分
逆流防止層を用いた場合の中央部縦断面の模式図であ
る。
【図6】本発明の速乾性複合吸水シートにおいて、水分
逆流防止層を用いた場合の各パーツの形状の例を示す分
解図である。
【図7】本発明の速乾性複合吸水シートおよび速乾性お
むつで用いることのできる水分逆流防止層の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 おむつ本体 2(a)、2(b) 非接合部 ただし、2(b)は図示されてない。 3(a)、3(b) ヘムテープ 4 おむつ本体 5(a)、5(b) 非接合部 6(a)、6(b) ヘムテープ 7 吸水層(a) 8 保水層(b) 9 水不透過層(c) 10 水分逆流防止層(d) 11 水分逆流防止層の導水孔 12 縫着糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B029 BA02 BD17 4C098 AA09 CC03 CC05 CC08 CC12 CC22 CE06 DD01 DD25 4F100 AK17 AK41 BA03 BA07 BA32 DC11 DG02 DG13 DG16 EC08 GB66 GB72 JD05C JD14B JD15A JL05 JL16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、吸水層(a)、単数または
    複数の保水層(b)、水不透過層(c)が順次配置され
    てなる複合吸水シートであって、該複合吸水シートの周
    囲が、互いに相対する端部に少なくとも1個所ずつ(2
    個所)に非接合部を有するように接合され、かつこれら
    の非接合部が互いに連通してなることを特徴とする速乾
    性複合吸水シート。
  2. 【請求項2】 前記の非接合部が、前記保水層(b)と
    水不透過層(c)との間、または複数の保水層(b)間
    を介して連通してなる請求項1に記載の速乾性複合吸水
    シート。
  3. 【請求項3】 前記(a)層と(b)層との間に、導水
    孔を有する水不透過性シート材からなる水分逆流防止層
    (d)が設けられてなる請求項1または請求項2に記載
    の速乾性複合吸水シート。
  4. 【請求項4】 前記(a)層と、(b)層のうちの少な
    くとも1層とが、前記(d)層の導水孔を介して結着さ
    れている請求項3に記載の速乾性複合吸水シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の速乾性
    複合吸水シートから構成されてなることを特徴とする速
    乾性おむつ。
  6. 【請求項6】 非接合部が、脚部との接触側端部に対向
    して配置されてなる請求項5に記載の速乾性おむつ。
  7. 【請求項7】 前記非接合部の長さが4〜40cmであ
    る請求項5または請求項6に記載の速乾性おむつ。
  8. 【請求項8】 非接合部がヘムテープで縁取りされてな
    る請求項5〜7のいずれかに記載の速乾性おむつ。
  9. 【請求項9】 ヘムテープがストレッチ性を有する請求
    項8に記載の速乾性おむつ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006255178A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Japan Absorbent Technology Institute 男性用体液処理用品
JP2017104489A (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 元正 簡 ナプキン

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