JP2003205548A - 収縮包装用フィルムおよびラベル - Google Patents
収縮包装用フィルムおよびラベルInfo
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Abstract
さく、延伸方向に対して直角な方向の応力によって破断
しにくいシュリンク包装用フィルムおよびそれからなる
シュリンク包装用ラベルを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂(I)30〜94
重量%と、20℃でのキシレン可溶成分(CXS成分)
が5重量%以上であり、20℃キシレン可溶成分中のエ
チレンおよび/またはα−オレフィンの含量が14〜3
5mol%であるポリプロピレン系ブロック共重合体
(II)1〜30重量%と、炭化水素樹脂5〜40重量%
を含む樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸
して得られるシュリンク包装用フィルムおよびそれから
なるシュリンク包装用ラベル。
Description
フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに
関するものである。さらに詳しくは、高い加熱収縮率を
有し、経時自然収縮率が小さく、延伸方向に対して直角
な方向の応力によって破断しにくいシュリンク包装用フ
ィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに関
するものである。
化してきており、そのリサイクルにおいて、PETボト
ルとそのボトルに装着されているラベルは、通常、密度
の差を利用して、水を用いて分離される。そして、PE
Tボトルのラベル等に用いられるシュリンク包装用フィ
ルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
PET、ポリプロピレン等が知られている。しかし、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレンやPETのラベルはPET
ボトルと密度が近く、密度の差を利用して、水によって
分離することが難しいので、シュリンク包装用フィルム
の素材として、ポリプロピレンが注目されている。
フィルムについては、例えば、特開平2−251549
号公報には、特定のプロピレン−α−オレフィン共重合
体と特定の炭化水素樹脂を含有する樹脂組成物からなる
加熱収縮率が高く、腰も高いシュリンク包装フィルムが
記載されている。しかし、一軸延伸フィルムは延伸して
いない方向の応力によって破断しやすく、製膜や印刷工
程で破断しやすいという問題があった。
加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、延伸方向
に対して直角な方向の応力によって破断しにくいシュリ
ンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装
用ラベルを提供することにある。
実情に鑑み、鋭意検討した結果、重量割合が一定の範囲
であるポリプロピレン系樹脂と、20℃でのキシレン可
溶成分(CXS成分)が特定の範囲であり、20℃キシ
レン可溶成分中のエチレンおよび/またはα−オレフィ
ンの含量が特定の範囲であり、重量割合が一定の範囲で
あるポリプロピレン系ブロック共重合体と、重量範囲が
一定の範囲である炭化水素樹脂を含む樹脂組成物を製膜
し、少なくとも一軸方向に延伸して得られるシュリンク
包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラ
ベルが、上記の課題を解決できることを見出し、本発明
の完成に至った。
脂(I)30〜94重量%と、20℃でのキシレン可溶
成分(CXS成分)が5重量%以上であり、20℃キシ
レン可溶成分中のエチレンおよび/またはα−オレフィ
ンの含量が14〜35mol%であるポリプロピレン系
ブロック共重合体(II)1〜30重量%と、炭化水素樹
脂5〜40重量%を含む樹脂組成物を製膜し、少なくと
も一軸方向に延伸して得られるシュリンク包装用フィル
ムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに係るも
のである。以下、本発明を詳細に説明する。
ン系樹脂(I)は、プロピレンの単独重合体、プロピレン
−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフ
ィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オ
レフィン三元共重合体、少なくとも二段階以上の多段階
で主にプロピレンからなる重合体成分とプロピレンとエ
チレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分を
重合させることによって製造されるポリプロピレン系共
重合体(プロピレン−エチレンブロック共重合体という
ことがある。)等が挙げられ、これらは単独で用いても
良く、2種類以上を併用しても良い。
が、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プ
ロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体また
はプロピレン−エチレンブロック共重合体である場合に
用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4以上のα
−オレフィンであり、好ましくは炭素数4〜12のα−
オレフィンである。例えば、1−ブテン、2−メチル−
1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチ
ル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−
メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテ
ン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−
1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1
−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、
メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチ
ル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエ
チル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロ
ピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙
げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、共
重合特性、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキ
センである。
(I)としては、加熱収縮率の観点から、好ましくは、炭
素数4以上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満
であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレン
とエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィ
ンの共重合体成分(A)1〜30重量%と、炭素数4以
上のα―オレフィン含量が15〜30モル%であり、エ
チレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレン
および/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重
合体成分(B)70〜99重量%からなり、前記重合体成
分(A)が第一工程で製造され、次いで、前記重合体成
分(B)が第二工程以降で製造されるプロピレン系共重
合体である。
ロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成
分であり、共重合体成分(B)として、好ましくはプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分で
ある。
工性の観点から、共重合体成分(A)および前重合体成
分(B)のそれぞれの含量は、通常、共重合体成分
(A)の含量は1〜30重量%であり、好ましくは5〜
30重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量であ
る。そして、共重合体成分(B)の含量は70〜99重量
%であり、好ましくは70〜95重量%であり、さらに
好ましくは80〜95重量%である。
上のα―オレフィン含量は、通常、加工性や成分(A)
の製造(重合)を安定に行うという観点から、1〜15
モル%未満であり、好ましくは5〜15モル%未満であ
り、さらに好ましくは5〜10モル%である。
上のα―オレフィン含量は、加工性やシュリンク包装用
フィルムの腰の強さの観点から、通常、15〜30モル
%であり、好ましくは15〜25モル%である。
量は、フィルムの経時白化や腰の強さの観点から、通
常、5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下であ
る。共重合体成分(B)に含まれるエチレン含量は、フ
ィルムの経時白化や腰の強さの観点から、通常、5モル
%以下であり、好ましくは3モル%以下である。
(B)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィンとして
は、前述のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合
体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合
体またはプロピレン−エチレンブロック共重合体に用い
られるα−オレフィンと同様のα−オレフィンであり、
好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィンであり、よ
り好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、共重合特
性、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンで
ある。
(B)としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重
合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プ
ロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピ
レン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げら
れ、好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体成分、
プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分である。
(B)からなるプロピレン系共重合体としては、例え
ば、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−
ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プ
ロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピ
レン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブ
テン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテ
ン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合
体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1
−ヘキセン)共重合体等が挙げられ、好ましくは(プロ
ピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共
重合体および(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピ
レン−1−ヘキセン)共重合体であり、さらに好ましく
は(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブ
テン)共重合体である。
ック共重合体(II)とは、プロピレンから誘導される
繰り返し単位(以下、「プロピレン繰り返し単位」と呼
ぶ。)とエチレンから誘導される繰り返し単位(以下、
「エチレン繰り返し単位」と呼ぶ。)および/またはα
−オレフィンから誘導される繰り返し単位(以下、「α
−オレフィン繰り返し単位」と呼ぶ。)がランダムに結
合した共重合体部分(X部分)と、前述のX部分と異な
る構造を有するプロピレン繰り返し単位とエチレン繰り
返し単位および/またはα−オレフィン繰り返し単位が
ランダムに結合した共重合体部分(Y部分)からなるポ
リプロピレン系ブロック共重合体である。
ック共重合体(II)の20℃でのキシレン可溶成分
(CXS成分)は、5重量%以上であり、好ましくは、
5〜40重量%である。CXS成分が5重量%未満の場
合、延伸方向に対して垂直な方向の応力によって破断し
やすくなることがある。
ック共重合体(II)の20℃でのキシレン可溶成分
(CXS成分)のエチレンおよび/またはα−オレフィ
ンの濃度は14〜35mol%である。CXS成分中の
エチレンおよび/またはα−オレフィンの濃度が14m
ol%未満である場合、延伸方向に対して垂直な方向の
応力によって破断しやすくなることがあり、35mol
%を超えた場合、透明性が低下することがある。
ック共重合体(II)の20℃でのキシレン可溶成分
(CXS成分)の極限粘度[η](II) CXSは、透明性の観
点から、好ましくは2dl/g以下である。
ック共重合体(II)として、好ましくは、X部分がプ
ロピレン繰り返し単位とエチレン繰り返し単位を含有
し、α−オレフィン繰り返し単位を含有してもよい共重
合体部分であり、X部分と異なる構造を有するY部分が
プロピレン繰り返し単位とエチレン繰り返し単位を含有
し、α−オレフィン繰り返し単位を含有してもよい共重
合体部分であるポリプロピレン系ブロック共重合体であ
る。
ック共重合体(II)のX部分がプロピレン繰り返し単
位とエチレン繰り返し単位を含有し、α−オレフィン繰
り返し単位を含有してもよい共重合体部分である場合、
延伸方向に対して垂直な方向の応力による破断を改良す
ることやポリプロピレン系ブロック共重合体(II)の
安定生産の観点から、エチレン含有量は、好ましくは2
〜9mol%であり、さらに好ましくは4〜6.5mo
l%である。
ック共重合体(II)のX部分の含有量は、延伸方向に
対して垂直な方向の応力による破断を改良することやポ
リプロピレン系ブロック共重合体(II)の安定生産の
観点から、好ましくは40〜85重量%であり、さらに
好ましくは45〜80重量%である。
ック共重合体(II)のX部分と異なる構造を有するY
部分が、プロピレン繰り返し単位とエチレン繰り返し単
位を含有し、α−オレフィン繰り返し単位を含有しても
よい共重合体部分である場合に、Y部分のエチレン含有
量は、延伸方向に対して垂直な方向の応力による破断を
改良するという観点から、好ましくは10〜23mol
%であり、さらに好ましくは12〜21mol%であ
る。
共重合体(II)のY部分の含有量は、延伸方向に対し
て垂直な方向の応力による破断を改良することやポリプ
ロピレン系ブロック共重合体(II)の安定生産の観点
から、好ましくは15〜60重量%であり、さらに好ま
しくは20〜55重量%である。
ック共重合体(II)のY部分の極限粘度[η](II)
Y部分は、透明性の観点から、好ましくは2〜5dl/g
であり、さらに好ましくは2.5〜4.5dl/gであ
る。
ック共重合体(II)のY部分の極限粘度([η](II)
Y部分)とX部分の極限粘度([η](II) X部分)との比
([η](I I) Y部分/[η](II) X部分)は、延伸方向に対し
て垂直な方向の応力による破断を改良することや透明性
のバランスの観点から、好ましくは0.5≦[η](II)
Y部 分/[η](II) X部分≦1.8である。
ック共重合体(II)として、特に好ましくは、X部分
がプロピレン繰り返し単位とエチレン繰り返し単位から
なる共重合体部分であり、X部分と異なる構造を有する
Y部分がプロピレン繰り返し単位とエチレン繰り返し単
位からなる共重合体部分であるポリプロピレン系ブロッ
ク共重合体である。
(I)およびポリプロピレン系共重合体(II)の製造
方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の重
合触媒を用いて、公知の重合方法による製造方法が挙げ
られる。
ンの立体規則性重合用触媒が挙げられ、例えば、マグネ
シウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触
媒成分からなるTi−Mg系触媒、この固体触媒成分に
有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性
化合物等の第3成分を組み合わせた触媒系、および、メ
タロセン系触媒等が挙げられる。好ましくはマグネシウ
ム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成
分に有機アルミニウム化合物および電子供与性化合物を
組み合わせた触媒系であり、例えば、特開昭61−21
8606号公報、特開昭61−287904号公報、特
開平7−216017号公報等に記載された触媒系であ
る。
(I)、ポリプロピレン系共重合体(II)の重合方法
としては、特に限定されるものではなく、不活性溶媒の
存在下で行われる溶媒重合法、液状のモノマーの存在下
で行われる塊状重合法や実質上液状の媒体の不存在下で
行われる気相重合法等が挙げられる。好ましくは気相重
合法である。また、上記の重合方法を単独で用いる1段
の重合方法や、上記の2種類以上の重合方法を組み合わ
せた2段以上の多段重合の方法等も挙げられる。
I)の製造方法としては、特に制限されるものではない
が、例えば、特開平9−324022号公報、特開平1
1−100421号公報等に記載の方法等が挙げられ
る。
は、石油樹脂、テルペン樹脂、シクロペンジエン樹脂、
クマロンインデン樹脂等が挙げられ、好ましくはこれら
樹脂の中で極性基を有しないもの、水素を付加して水添
率が95%以上のものである。また、これらの炭化水素
樹脂を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良
い。
り求められる軟化点)は、加熱収縮率および経時自然収
縮率の観点から、好ましくは120℃以上であり、さら
に好ましくは130℃以上である。
ロピレン系樹脂(I)30〜94重量%と、プロピレン系
ブロック共重合体(II)1〜30重量%と、炭化水素樹
脂5〜40重量%を含むものである。プロピレン系ブロ
ック共重合体(II)の重量割合は、好ましくは5〜25
重量%である。炭化水素樹脂の重量割合は、好ましくは
10〜30重量%である。ポリプロピレン系ブロック共
重合体(II)の重量割合が1重量%未満の場合、延伸方
向に対して直角方向の応力によって破断することがあ
り、30重量%を超えた場合、シュリンク包装用フィル
ムの腰が低くなることがある。炭化水素樹脂の重量割合
が5重量%未満の場合、加熱収縮率が低くなることがあ
り、40重量%を超えた場合、シュリンク包装用フィル
ムの腰が低くなることがある。
に応じて、添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。添
加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐ブロッキング
剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤および造核剤等が挙げら
れる。その他の樹脂としては、例えば、ポリ1−ブテ
ン、1−ブテン−α−オレフィン共重合体、ポリエチレ
ン、エチレン−極性モノマー共重合体等が挙げられる。
これらのその他の樹脂は単独で用いても良く、2種類以
上を併用しても良い。
としては、公知の方法で均一に分散させる方法が挙げら
れる。例えば、押出し溶融ブレンドを用いる方法、バン
バリーブレンドを用いる方法等が挙げられる。
方法は、特に制限されるものではなく、公知の製膜法
で、本発明で用いられる樹脂組成物をフィルムにする方
法が挙げられる。公知の製膜法としては、例えば、Tダ
イ法、チューブラー法等が挙げられ、好ましくはTダイ
法である。
れたフィルムを、少なくとも一軸方向に延伸して、延伸
フィルムにする方法も挙げられる。延伸方法としては、
特に制限されることはなく、公知の延伸方法が挙げられ
る。例えば、ロール延伸、ロール圧延、テンター横一軸
延伸などの1軸延伸方法やテンター2軸延伸方法が挙げ
られる。
融点以下であり、加熱収縮率の観点から、好ましくは均
一な延伸ができる範囲で、できるだけ低温である。面延
伸倍率は、通常、2〜100倍であり、好ましくは2〜
50倍である。そして、MD、TDの延伸倍率は必ずし
もバランスさせる必要はなく、それぞれの用途に応じて
任意に選択できる。例えば、PETボトル等のラベルに
用いられるフィルムの場合、主に一軸方向に配向されて
いることが好ましい。
しなくても良い。経時自然収縮率の観点から、実施する
方が好ましい。熱固定の方法や条件としては、特に制限
はないが、好ましくは熱固定の温度が延伸温度以上であ
ること、経時自然収縮率の観点から熱固定時に緩和させ
ることが挙げられ、さらに好ましくは5%以上収縮させ
ることが挙げられる。
は、特に限定されないが、好ましくは10〜250μm
であり、さらに好ましくは30〜150μmである。
層フィルムでも良く、多層フィルムでも良い。加工性お
よびフィルムのべたつきを抑えるという観点から、好ま
しくは多層フィルムである。多層フィルムとしては、本
発明のシュリンク包装用フィルムの片外層または両外層
に任意の樹脂を積層して得られるものが挙げられる。片
外層または両外層に用いる樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、好ましくはポ
リプロピレンである。積層する方法としては、共押出し
法、ラミネーション法、接着剤による貼り合わせ法等が
挙げられ、好ましくは多層ダイを用いた共押出し法であ
る。本発明のシュリンク包装用フィルムは、加熱収縮率
が高く、経時自然収縮率が低く、腰があることから各種
包装用途で好適に使用され、特にPETボトルや瓶のシ
ュリンク包装用ラベルに使用できる。
具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるもの
ではない。なお、発明の詳細な説明および実施例および
比較例中の各項目の物性値は、下記の方法で測定した。
重合体成分(A)および成分(B)の含量(単位:重量
%) 物質収支から求めた。
(B)に含まれる1−ブテン含量(単位:モル%) 高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)
の第619頁に記載されているIRスペクトル測定を行
い、成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる
1−ブテン含量を求めた。成分(B)に含まれる1−ブ
テン含量は、成分(A)、成分(B)の含量および成分
(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる1−ブテ
ン含量を用いて下式より算出した。 (成分(B)中の1-フ゛テン含量) =[ (フ゜ロヒ゜レン系共重合体中
の1-フ゛テン含量)×100- (成分(A)中の1-フ゛テン含量)×(成
分(A)の含量)]/(成分(B)の含量)
(B)に含まれるエチレン含量(単位:モル%) 高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)
の第616頁に記載されているIRスペクトル測定を行
い、成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる
エチレン含量を求めた。成分(B)に含まれるエチレン
含量は、成分(A)、成分(B)の含量および成分
(A)およびプロピレン系共重合体に含まれるエチレン
含量を用いて下式より算出した。 (成分(B)中のエチレン含量) =[ (フ゜ロヒ゜レン系共重合体中のエ
チレン含量)×100- (成分(A)中のエチレン含量)×(成分(A)
の含量)]/(成分(B)の含量)
mmの試験片を採取し、引張試験機によりチャック間隔
60mm、引張速度5mm/分でS−S曲線をとり、初
期弾性率を測定した。
10mm(MD方向)の短冊上の試験片を採取し、試験片
を80℃のグリセリン浴に30秒間浸漬したときの加熱
前後のTD方向の長さ(単位:mm)を測定し、下式よ
り算出した。 加熱収縮率 =((120−加熱後の寸法))/12
0)×100
mmのマークを付け、室温23℃、湿度50%で30日
経過後のマーク間の寸法(単位:mm)を測定し、下式
より算出した。 経時自然収縮率 =((1000−経時後の寸法))/
1000)×100
JIS K7113の2号ダンベルでサンプルを採取し
て、室温23℃、引張試験機によりチャック間隔60m
m、引張速度300mm/分で引っ張り、引張伸び50
%以下で破断した割合を求めた。
用いて第一工程で1−ブテン含量9.2モル%のプロピ
レン−1−ブテン共重合体成分を総量の9重量%重合
し、次いで第二工程で1−ブテン含量20.7モル%の
プロピレン−1−ブテン共重合体成分を総量の91重量
%重合することによりプロピレン系共重合体(1−ブテ
ン含量:19.7モル%)を得た。上記で得られたプロ
ピレン系共重合体40重量%、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体(エチレン含量:8.0モル%)30重
量%、住友化学工業株式会社製 エクセレンEPX K
S37G1(MFR:2.9g/10分、CXS成分
量:23.5重量%、[η]X部分:3.0dl/g、
[η]Y部分:3.8dl/g)10重量%、荒川化学製
アルコンP−140(軟化点:140℃)を20重量%
配合してなる樹脂組成物を中間層として、両外層に富士
シリシア化学製サイリシア550を3000ppm含む
プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体
(エチレン含量:6.2モル%、1−ブテン含量:2.
9モル%)を用いた3層構成フィルム(厚み構成比:1
/10/1)を製膜し、予熱60℃−延伸55℃−熱固
定60℃の条件で横一軸方向に6.4倍(熱固定で10
%緩和した)に延伸して厚み50μmのフィルムを得
た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
ピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:
8.0モル%)20重量%、住友化学工業株式会社製
エクセレンEPX KS37G1 20重量%、荒川化
学製アルコンP−140(軟化点:140℃)を20重
量%に変更した以外は実施例1と同様の方法でフィルム
を得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
ピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:
8.0モル%)40重量%、荒川化学製アルコンP−1
40(軟化点:140℃)を20重量%に変更した以外
は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフ
ィルムの物性を表1に示した。
は、加熱収縮率が高く、経時自然収縮率が小さいもので
あり、また、MD方向の引張破断率が低いことが分か
る。これに対して、本発明の要件であるポリプロピレン
系ブロック共重合体を用いなかった比較例1はMD方向
の引っ張り破断率が大きいものであった。
よって、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さ
く、延伸方向に対して直角な方向の応力によって破断し
にくいシュリンク包装用フィルムを得ることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂(I)30〜94重
量%と、20℃でのキシレン可溶成分(CXS成分)が
5重量%以上であり、20℃キシレン可溶成分中のエチ
レンおよび/またはα−オレフィンの含量が14〜35
mol%であるポリプロピレン系ブロック共重合体(I
I)1〜30重量%と、炭化水素樹脂5〜40重量%を
含む樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸し
て得られることを特徴とするシュリンク包装用フィル
ム。 - 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂(I)が、炭素数4以
上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満であり、
エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレ
ンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重
合体成分(A)1〜30重量%と、炭素数4以上のα―
オレフィン含量が15〜30モル%であり、エチレン含
量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/
または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体成分
(B)70〜99重量%からなり、前記重合体成分(A)
が第一工程で製造され、次いで、前記重合体成分(B)
が第二工程以降で製造されるプロピレン系共重合体であ
ることを特徴とする請求項1記載のシュリンク包装用フ
ィルム。 - 【請求項3】共重合体成分(A)がプロピレンと炭素数
4以上のα−オレフィンの共重合体であり、共重合体成
分(B)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの
共重合体であることを特徴とする請求項2記載のシュリ
ンク包装用フィルム。 - 【請求項4】ポリプロピレン系ブロック共重合体(I
I)の20℃でのキシレン可溶成分(CXS成分)が5
〜40重量%であることを特徴とする請求項1記載のシ
ュリンク包装用フィルム。 - 【請求項5】ポリプロピレン系ブロック共重合体(I
I)の20℃でのキシレン可溶成分(CXS成分)の極
限粘度([η](II) CXS)が2dl/g以下であることを特
徴とする請求項1記載のシュリンク包装用フィルム。 - 【請求項6】ポリプロピレン系ブロック共重合体(I
I)が、エチレン含有量が2〜9mol%であり、α−
オレフィン含有量が0〜16mol%であるエチレン-
プロピレン−α−オレフィン共重合体部分(X部分)40
〜85重量%と、エチレン含有量が10〜24mol%
であり、α−オレフィン含有量が0〜29mol%であ
るエチレン-プロピレン−α−オレフィン共重合体部分
(Y部分)15〜60重量%からなり、Y部分の極限粘度
([η](II) Y部分)が2〜5dl/gであり、Y部分の極
限粘度([η](II) Y部分)とX部分の極限粘度([η](II)
X部分)との比([η]( II) Y部分/[η](II) X部分)が0.5
≦[η](II) Y部分/[η](II) X部分≦1.8であり、前記
X部分がチーグラー・ナッタ型触媒を用いて、実質的に
溶剤が不存在である第一工程で製造され、前記Y部分が
気相中である第二工程で製造されるポリプロピレン系ブ
ロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載の
シュリンク包装用フィルム。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のシュリン
ク包装用フィルムからなる層を、少なくとも1層有する
ことを特徴とする多層シュリンク包装用フィルム。 - 【請求項8】3層以上であり、中間層が請求項1〜6の
いずれかに記載のシュリンク包装用フィルムであること
を特徴とする請求項7記載の多層シュリンク包装用フィ
ルム。 - 【請求項9】請求項1〜6のいずれかに記載のシュリン
ク包装用フィルム、または、請求項7または8に記載の
多層シュリンク包装用フィルムからなることを特徴とす
るシュリンク包装用ラベル。
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WO2008001917A1 (fr) * | 2006-06-30 | 2008-01-03 | Mitsubishi Plastics, Inc. | Film, film thermorétractable, article moulé utilisant le film thermorétractable, étiquette thermorétractable, et récipient utilisant l'article moulé ou fixé avec l'étiquette |
US20100298516A1 (en) * | 2006-12-21 | 2010-11-25 | Michele Grazzi | High shrink polypropylene films |
JP2017100428A (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-08 | サンアロマー株式会社 | ポリプロピレン組成物を含む多層フィルムまたはシート |
JP2019059955A (ja) * | 2004-03-17 | 2019-04-18 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | エチレンマルチブロックコポリマーを形成するためのシャトリング剤を含む触媒組成物 |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002004399A patent/JP4013555B2/ja not_active Expired - Fee Related
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