JP2003205384A - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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JP2003205384A
JP2003205384A JP2002004499A JP2002004499A JP2003205384A JP 2003205384 A JP2003205384 A JP 2003205384A JP 2002004499 A JP2002004499 A JP 2002004499A JP 2002004499 A JP2002004499 A JP 2002004499A JP 2003205384 A JP2003205384 A JP 2003205384A
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laser
laser beam
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area
processing apparatus
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JP2002004499A
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Shingen Kinoshita
真言 木下
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Microelectronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール状の加工対象物を装置本体にセット
し、レーザビームを走査してレーザ加工を行なうことに
より、生産性の向上と仕掛品の収容スペースの低減とを
図るレーザ加工装置を提供する。 【解決手段】 レーザビーム2を出射するレーザ発光源
としてのレーザヘッド1と、レーザビーム2を走査して
加工対象物としてのワークWに照射するレーザビーム走
査手段としてのガルバノミラー4,5等と、加工制御デ
ータに基づいてレーザヘッド1及びガルバノミラー4,
5等を制御する制御手段としてのパソコン9とを備えた
レーザ加工装置において、ローラ状に巻かれたワークW
を保持するワーク供給部11と、加工位置への搬送及び
位置決めをしながらワークWを巻取るワーク巻取り部1
2と、駆動部としての駆動モータ13とを備えた搬送手
段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
ITO薄膜や金属薄板を加工するレーザ加工装置に係
り、詳しくは、レーザビームを出射するレーザ発光源
と、該レーザビームを走査して加工対象物に照射するレ
ーザビーム走査手段と、加工制御データに基づいて該レ
ーザ発光源及び該レーザビーム走査手段を制御する制御
手段とを備えたレーザ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来レーザ加工装置では、XY駆動装置
を備え、加工対象物をXY平面内で移動させ、加工対象
物とレーザ光の照射スポット位置とを相対移動させるこ
とで、加工対象物の溝加工や孔加工を行なうものが知ら
れている。
【0003】上記レーザ加工装置で、例えばITO薄膜
に溝加工を行なう場合には、ITO薄膜を所定の大きさ
にカットしてから、XY駆動装置のテーブルに載せ、I
TO薄膜とレーザビームとを相対移動させて加工を行な
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記レーザ
加工装置の加工速度は、XY駆動装置の駆動速度に左右
されるため、加工速度が遅く生産性が低かった。また、
カットしたITO薄膜の仕掛品がレーザ加工工程の前後
で大量に発生し、これら仕掛品の収容に多大なスペース
を要していた。
【0005】上記ITO薄膜はロールに巻かれた状態で
材料メーカから納入されるため、カットせずにレーザ加
工を行い、再びロール状に巻いておけばレーザ加工前後
の仕掛品の収容スペースを大幅に減らすことができる。
しかし、ロール状の加工対象物をそのままXY駆動装置
に載せてレーザ加工することは、XY駆動装置の最大載
置重量が小さい(一般的に数百g〜数kg)ことから困
難である。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、XY
駆動装置ではなくレーザ走査光学系を用いて加工対象物
とレーザビームとの相対移動を行なえば、加工対象物を
カットせずにレーザ加工を行い、再びロール状に巻いて
収容できるとの結論に至った。
【0006】ここで、レーザビームを走査してレーザ加
工を行なう場合に、加工対象物の加工面に対して斜めに
レーザ光が照射されると照射面積が増えるため、加工面
に対して垂直に照射される場合に比べて単位面積当りの
照射エネルギが小さくなる。また、ガルバノミラーを備
えた走査光学系では、ガルバノミラーの回動角度によっ
てレーザビームの反射率が若干変化して単位面積当りの
照射エネルギが変化する。このように、レーザビームの
照射領域で単位面積当りの照射エネルギが変化すると、
例えば溝加工を行なう場合に、所定の溝深さや溝幅が得
られず、加工品質が悪くなるおそれがある。
【0007】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その第一の目的とするところは、ロール状の加工
対象物を装置本体にセットし、レーザビームを走査して
レーザ加工を行なうことにより、生産性の向上と仕掛品
の収容スペースの低減とを図ることができるレーザ加工
装置を提供することである。また、第二の目的とすると
ころは、レーザビームを走査してレーザ加工を行なう場
合に、レーザビームの照射領域の略全域で単位面積当り
の照射エネルギを略均一にすることができるレーザ加工
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、レーザビームを出射する
レーザ発光源と、該レーザビームを走査して加工対象物
に照射するレーザビーム走査手段と、加工制御データに
基づいて該レーザ発光源及び該レーザビーム走査手段を
制御する制御手段とを備えたレーザ加工装置において、
ローラ状に巻かれた加工対象物を保持するワーク供給部
と、装置の加工位置への該加工対象物の搬送及び位置決
めを行なうとともに、該加工対象物を巻取るワーク巻取
り部と、少なくともワーク巻取り部を駆動する駆動部と
を備えた搬送手段を有することを特徴とするものであ
る。この請求項1のレーザ加工装置では、加工対象物を
予め所定の大きさにカットせず、ロール状に巻かれたま
まの加工対象物をワーク供給部にセットする。そして、
ワーク供給部から加工対象物を引出して装置の加工位置
まで搬送し、該加工対象物にレーザビームを走査して溝
や貫通孔等のレーザ加工を行なう。加工後の加工対象物
はワーク巻取り部で巻き取って格納する。このようにレ
ーザビームを走査して加工を行なうので、加工対象物と
レーザビームとの相対移動をXY駆動装置で行なう構成
に比べ、加工スピードが大幅にアップし、生産性の向上
を図ることができる。また、加工後の加工対象物はワー
ク巻取り部で巻き取って格納するので、予め所定の大き
さにカットしてからレーザ加工を行なう従来構成に比
べ、仕掛品の収容スペースを大幅に低減することができ
る。上記第一の目的に加えて上記第二の目的を達成する
ために、請求項2の発明は、請求項1のレーザ加工装置
において、上記加工対象物のレーザ照射領域の略全域で
単位面積当りの照射エネルギが略均一となるように、上
記制御手段が上記レーザ発光源の出力の大きさを補正す
るように構成したことを特徴とするものである。この請
求項2のレーザ加工装置では、加工対象物の加工面にレ
ーザ光を走査してレーザ加工を行なうにあたって、加工
対象物のレーザ照射領域の略全域で単位面積当りの照射
エネルギが略均一となるように、制御手段がレーザ発光
源の出力の大きさを補正する。例えば、レーザビームが
加工対象物の加工面に対して斜めに照射される場合に
は、垂直に照射される場合に比べてレーザ光源の出力を
大きくするような補正を行なう。これにより、加工品質
を維持することができる。請求項3の発明は、請求項2
のレーザ加工装置において、上記制御手段が、レーザ照
射領域を2次平面内で複数の領域区分に分割し、該複数
の領域区分ごとに単位面積当りの照射エネルギを、予め
定めた所定の単位面積当りの照射エネルギと一致させる
ために必要な補正量を記憶しておく補正量記憶手段と、
上記加工制御データから上記レーザビームの照射位置が
どの領域区分に属するかを算出する算出手段と、算出さ
れた領域区分に対応した補正量を該補正量記憶手段から
呼び出し、該補正量に基づいて上記レーザ発光源の出力
の大きさを補正する補正手段とを有することを特徴とす
るものである。この請求項3のレーザ加工装置では、レ
ーザ照射領域を2次平面内で複数の領域区分に分割し、
該複数の領域区分ごとに単位面積当りの照射エネルギ
を、予め定めた所定の単位面積当りの照射エネルギと一
致させるために必要な補正量を実験等により求めてお
き、該補正量を補正量記憶手段に記憶しておく。そし
て、算出手段により加工制御データからレーザビームの
照射位置がどの領域区分に属するかを算出し、算出され
た領域区分に対応した補正量を補正量記憶手段から呼び
出し、該補正量に基づいて上記レーザ発光源の出力の大
きさを補正する。請求項4の発明は、請求項2のレーザ
加工装置において、上記レーザビームをガルバノミラー
により走査して加工対象物に照射するガルバノミラー駆
動手段を用いて上記レーザビーム走査手段を構成し、且
つ、上記制御手段が、該ガルバノミラー駆動手段から該
ガルバノミラーの回動角度データを取得し、該回動角度
データに基づいて、予め定めた所定の単位面積当りの照
射エネルギと一致させるために必要な補正量を演算処理
する演算処理手段と、該補正量に基づいて上記レーザ発
光源の出力の大きさを補正する補正手段とを有すること
を特徴とするものである。ガルバノミラーの回動角度に
より、レーザビームのガルバノミラーでの反射率や加工
面に対する照射角度が変化し、加工対象物に照射される
単位面積当りの照射エネルギも変化する。この請求項4
のレーザ加工装置では、ガルバノミラー駆動手段からガ
ルバノミラーの回動角度データを取得し、該回動角度デ
ータに基づいて、予め定めた所定の単位面積当りの照射
エネルギと一致させるために必要な補正量を演算処理に
より求めることができる。ここでガルバノミラーは、ソ
レノイドに供給する電流に応じて回動角度を高速に変化
させるガルバノメータにミラーを固定してミラー角度を
変えるものである。よって、例えば、ガルバノミラーの
回動角度データとして、ガルバノメータに供給する電流
値を用い、該電流値からレーザ出力の必要な補正量を求
めることなどが考えられる。上記第二の目的を達成する
ために、請求項5の発明は、レーザビームを出射するレ
ーザ発光源と、該レーザビームを走査して加工対象物に
照射するレーザビーム走査手段と、加工制御データに基
づいて該レーザ発光源及び該レーザビーム走査手段を制
御する制御手段とを備えたレーザ加工装置において、上
記加工対象物のレーザ照射領域の略全域で単位面積当り
の照射エネルギが略均一となるように、上記制御手段が
上記レーザ発光源の出力の大きさを補正するように構成
したことを特徴とするものである。この請求項5のレー
ザ加工装置では、加工対象物の加工面にレーザ光を走査
してレーザ加工を行なうにあたって、加工対象物のレー
ザ照射領域の略全域で単位面積当りの照射エネルギが略
均一となるように、制御手段がレーザ発光源の出力の大
きさを補正する。これにより、加工品質を維持すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕以下、本発明のレ
ーザ加工装置の実施形態の一例について説明する。図1
は、本実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図であ
る。このレーザ加工装置は、レーザビームの発生源であ
るレーザヘッド1、反射鏡3、一対のガルバノミラー
4,5、主制御装置であるパソコン9、加工対象物の搬
送位置決め装置10を主要構成要素として備えている。
レーザヘッド1はYAGレーザ発振器と、収束光学系と
を有している(いずれも図示せず)。YAGレーザ発振
器は本実施形態では1064nmの波長を有するレーザ
光を発生する。YAGレーザ発振器が発生したこのレー
ザ光は、レンズなどからなる上記収束光学系によって、
加工対象物であるITO薄膜W上に収斂するレーザビー
ム2となってレーザヘッド1を出射する。
【0010】反射鏡3は、レーザヘッド1を出たレーザ
ビーム2に対して、その面を斜め横に向けて45°の角
度で配置されている。従って、この反射鏡3によってレ
ーザビーム2は90°真横に曲げられる。
【0011】一対のガルバノミラー4,5は、反射鏡3
で反射されたレーザビーム2を、ITO薄膜W上でX方
向、およびX方向に直交するY方向にレーザビームを偏
向するためのものである。これらのガルバノミラー4、
5はガラス基板上に、透明な誘電体多層膜をコーティン
グして構成されている。この誘電体多層膜は、屈折率の
高い誘電体層と、屈折率の低い層とを所定の厚さで交互
に配したものであり、光の干渉作用を利用して、特定波
長域の光を選択的に反射するものである。反射帯域は狭
く、通常数十nm程度であり、その帯域内の波長の光に
対して100%近い反射率が得られる。本例では、10
64nmの波長を有する光を反射するよう、誘電体多層
膜が形成されている。
【0012】ガルバノミラー4はその偏向アクチュエー
タ6によって駆動される。偏向アクチュエータ6はガル
バノメータと同様の構造となっており、コントローラ8
からそのコイルに供給される電流値に応じた角度だけ、
軸6aが回転する。この軸6aは鉛直下方に伸びてお
り、その先端部にガルバノミラー4が取り付けられてい
る。ガルバノミラー4は、偏向アクチュエータ6によっ
て駆動されていない状態では、反射鏡3からのレーザビ
ーム2に対して、その面を斜め横に向けて45°の角度
で配置される。反射鏡3からのレーザビーム2はこのガ
ルバノミラー4で反射し、次のガルバノミラー5に入射
する。また、ガルバノミラー5はその偏向アクチュエー
タ7によって駆動される。偏向アクチュエータ7もガル
バノメータと同様の構造となっており、コントローラ8
からそのコイルに供給される電流値に応じた角度だけ、
軸7aが回転するようになっている。この軸7aは水平
に伸びており、その先端部にガルバノミラー5が取り付
けられている。偏向アクチュエータ7によってガルバノ
ミラー5が駆動されていない状態では、ガルバノミラー
4からのレーザビーム2は、ガルバノミラー5によって
その光路が下方に90°折り曲げられる。
【0013】ガルバノミラー5で反射したレーザビーム
2は、加工対象物であるITO薄膜Wに入射する。IT
O薄膜Wにレーザビーム2が照射されると、その部分の
温度が上がり、熱によって蒸発して溝が加工される。
【0014】上記搬送位置決め装置10は、ロール状に
巻かれたワークを保持しておくワーク供給部11、加工
済みのワークを巻き取って収容するワーク巻き取り部1
2、ワーク巻取り部12の巻取りローラ12aを回転さ
せるステッピングモータ等の駆動モータ13、駆動モー
タ13を制御する制御コントローラ14からなる。
【0015】次に本実施形態に係るレーザ加工装置の動
作を説明する。レーザヘッド1を出射したレーザビーム
2は直進して反射鏡3に入射し、その表面においてほぼ
完全に反射され、その光路が水平に90°曲げられる。
反射鏡3で反射されたレーザビーム2はガルバノミラー
4に入射するが、ガルバノミラー4が駆動されていな場
合には、レーザビーム2の光路はこのガルバノミラー4
によって水平に90°折り曲げられる。この反射光はガ
ルバノミラー5によってさらに反射され、ITO薄膜W
に入射する。
【0016】そして、偏向アクチュエータ6によってガ
ルバノミラー4が駆動されると、レーザビーム2のIT
O薄膜W上の照射位置はX方向に移動し、一方、偏向ア
クチュエータ7によってガルバノミラー5が駆動される
と、レーザビーム2のITO薄膜W上の照射位置はY方
向に移動する。従って、偏向アクチュエータ6、7に、
所定の信号に基づいて適切な電流が供給されると、その
電流値に応じてITO薄膜W上の照射位置が移動し、上
記信号に対応する溝が形成される。
【0017】ITO薄膜Wは搬送位置決め装置10のワ
ーク供給部11にロール状に巻かれた状態で保持されて
おり、駆動モータ13を回転制御して巻取りローラ12
aを回転させることによって、ワーク供給ローラ11a
に巻かれた加工対象物であるITO薄膜Wを引き出して
加工部分を所定の加工位置で停止させる。図1中の二点
鎖線で囲まれた部分がレーザ光の照射領域である。そし
て、レーザ加工後に、再び巻取りローラ12aを回転さ
せて次の加工部分を所定の加工位置まで搬送し位置決め
する。ITO薄膜Wの加工部分を所定の加工位置対して
搬送位置決めを繰り返すことにより、ITO薄膜Wを順
次加工しつつ、巻取りローラ12aに巻き取って収容す
る。1本のITOロールの加工が終了したら巻取りロー
ラ12aごとワーク巻取り部12から取り外し、後工程
に送る。後工程では、生産量に応じて溝加工がなされた
ITO薄膜をカットしてタッチパネル等を組み立てる。
【0018】このように、ロール状に巻かれたITO薄
膜Wをワーク供給部11にセットし、加工済みのITO
薄膜Wを巻き取っていくので、予め所定の大きさにカッ
トしてからレーザ加工を行なう従来構成に比べ、レーザ
加工の前後におけるITO薄膜Wの収容や搬送が極めて
容易となる。また、ITO薄膜Wとレーザビーム2との
相対移動をXYテーブルで行なっていた従来構成に比
べ、一対のガルバノミラー4,5でレーザビームを走査
させることにより、加工スピードが大幅にアップする。
さらに、カットされたITO薄膜Wの仕掛品を減らすこ
とができる。
【0019】〔変形例1〕上記実施形態1で説明したレ
ーザ加工装置では、一対のガルバノミラー4,5の回動
角度やITO薄膜Wに対するレーザビーム2の入射角度
によって、ITO薄膜Wの単位面積当たりに照射される
レーザビーム2の照射エネルギが変化する。ITO薄膜
Wに形成される溝の加工精度が厳密に要求される場合に
は、単位面積当りの照射エネルギが変化すると加工精度
が悪くなるため問題となる。なお、この問題は、上記実
施形態1で説明したレーザ加工装置に限られるものでは
なく、レーザビームを走査して加工する場合には一般的
に起こり得る問題である。そこで、本変形例1に係るレ
ーザ加工装置では、ITO薄膜Wに照射されるレーザビ
ーム2の単位面積当りの照射エネルギが均一になるよう
にした。具体的には、ITO薄膜Wに対するレーザビー
ム2の照射領域を複数の領域区分に分割し、これらの領
域区分ごとに照射エネルギを予め実験により求めてお
き、この結果を用いてレーザヘッド1の出力補正をする
ように構成した。
【0020】図2はレーザビームによる加工対象物の照
射領域を64の領域区分に分割し、これらの領域区分ご
とに単位面積当たりの照射エネルギを測定し、一対のガ
ルバノミラー4,5が駆動せずレーザビーム2が垂直に
ITO薄膜Wに照射される中心部の単位面積当たりの照
射エネルギ(以下、「基準量」という。)と比較した結
果を表すものである。この結果A部,B部,C部の領域
においては、単位面積当たりの照射エネルギが基準量と
略同じ(±10%未満)ことが判った。これに対して、
D部の領域においては、D1部は単位面積当たりの照射
エネルギが基準量と略同じ(±10%未満)であるが、
D2部では単位面積当たりの照射エネルギが基準量に比
べてやや小さく(10%〜20%減)、D3部ではさら
に小さい(20%以上減)ことが判った。
【0021】上記実験結果から、レーザビーム2がA
部、B部、C部及びD1部に照射される場合には、レー
ザヘッド1の出力補正は必要無く、D2部に照射される
場合に出力を約10%アップし、D3部に照射される場
合に出力を約20%アップさせる。どの領域にレーザビ
ーム2が照射されるのかは加工制御データから容易に算
出することができる。よって、上記出力補正が必要な領
域及び補正量データをパソコン9のメモリに記憶させて
おき、演算処理により補正が必要な領域にレーザビーム
2が照射される場合を求め、パソコン9からレーザヘッ
ド1の出力補正を行なう。より具体的には、レーザビー
ム2がD2部に照射されるタイミングに合わせてレーザ
ヘッド1の出力を約10%アップさせ、また、レーザビ
ーム2がD3部に照射されるタイミングに合わせてレー
ザヘッド1の出力を約20%アップさせる。これによ
り、レーザビーム2の照射領域の略全域で、単位面積当
たりの照射エネルギが略均一となり、精度の高い加工を
行うことができる。
【0022】〔変形例2〕上記変形例1の実験結果か
ら、一対のガルバノミラー4,5が共に入射されたレー
ザビーム2を90°より小さい角度で反射する場合に単
位面積当りの照射エネルギが小さくなりやすいことが判
った。ここで、本例の2つの偏向アクチュエータ6,7
は、マイナス電流を供給すると入射光を90°より小さ
い角度で反射し、プラス電流を供給すると入射光を90
°より大きい角度で反射するように駆動される。よっ
て、一対のガルバノミラー4,5の回動角度は、2つの
偏向アクチュエータ6,7への供給電流の大きさから知
ることができ、この供給電流の大きさに基づいてレーザ
ヘッド1の出力を制御することができる。
【0023】図3は、2つの偏向アクチュエータ6,7
に供給される電流値の和と、出力補量の関係を表すグラ
フである。2つの偏向アクチュエータ6,7に供給する
電流の和が−5mA以上、−10mA以下のときに、レ
ーザヘッド1の出力を約10%アップする。また、供給
電流の和が−10mAを超えたときに、レーザヘッド1
の出力を約20%アップする。このように簡易な方法
で、レーザヘッド1の出力補正を行なって、単位面積当
りの照射エネルギを均一にすることができる。
【0024】〔実施形態2〕上記実施形態1では、一対
のガルバノミラー4,5を用いてレーザビームを走査す
る構成について説明したが、レーザヘッド1から光ファ
イバを用いてレーザビーム2を案内し、光ファイバヘッ
ドを揺動させてレーザビーム2を走査する構成とするこ
ともできる。
【0025】図4は、本実施形態2に係るレーザ加工装
置の光ファイバヘッド部分の拡大図である。光ファイバ
ヘッド15は球面軸受16の内輪16aに挿入して固定
されている。内輪16aは外輪16bに対して球面で接
触し、鉛直軸からの揺動角θが最大約20°となってい
る。光ファイバヘッド15の保持スリーブ15bには図
示しないフリージョイントが取付けられており、このフ
リージョイントを介して図示しないX軸ボールネジとY
軸ボールネジとが接続されている。これらのX軸ボール
ネジとY軸ボールネジとを駆動制御することによって、
光ファイバヘッド15は鉛直軸回りの360°方向に、
最大20°揺動してレーザビーム2を走査する。
【0026】レーザヘッド1の出力補正は、例えば、揺
動角θが10°以上、15°以下の場合に出力を約10
%アップさせ、揺動角θが15°を超えた場合に出力を
約20%アップさせる。
【0027】
【発明の効果】請求項1乃至4の発明によれば、レーザ
ビームを走査して加工を行なうので、加工対象物とレー
ザビームとの相対移動をXYテーブルで行なう構成に比
べ、加工スピードが大幅にアップし、生産性の向上を図
ることができるという優れた効果がある。また、加工後
の加工対象物はワーク巻取り部で巻き取って格納するの
で、予め所定の大きさにカットしてからレーザ加工を行
なう従来構成に比べ、仕掛品の収容スペースを大幅に低
減することができるという優れた効果もある。また特
に、請求項2、3、4及び5の発明によれば、加工対象
物のレーザ照射領域の略全域で単位面積当りの照射エネ
ルギが略均一となるように、制御手段がレーザ発光源の
出力の大きさを補正するので、加工品質を維持すること
ができるという優れた効果がある。また特に、請求項4
の発明によれば、簡易な方法でレーザ発光源の出力の大
きさを補正できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーザ加工装置の要部概略構成
図。
【図2】変形例1に係る実験結果の説明図。
【図3】変形例2に係る2つの偏向アクチュエータ6,
7に供給される電流値の和と、出力補正量の関係を示す
グラフ。
【図4】実施形態2に係るレーザ加工装置の光ファイバ
ヘッド部分の拡大図。
【符号の説明】
1 レーザヘッド 2 レーザビーム 3 反射鏡 4,5 ガルバノミラー 6,7 偏向アクチュエータ 8 偏向アクチュエータ用のコントローラ 9 パソコン 10 加工対象物の搬送位置決め装置 11 ワーク供給部 11a ワーク供給ローラ 12 ワーク巻取り部 12a ワーク巻取りローラ 13 駆動モータ 14 駆動モータ用の制御コントローラ 15 光ファイバヘッド 16 球面軸受 W 加工対象物(ITO薄膜)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザビームを出射するレーザ発光源と、
    該レーザビームを走査して加工対象物に照射するレーザ
    ビーム走査手段と、加工制御データに基づいて該レーザ
    発光源及び該レーザビーム走査手段を制御する制御手段
    とを備えたレーザ加工装置において、ローラ状に巻かれ
    た加工対象物を保持するワーク供給部と、装置の加工位
    置への該加工対象物の搬送及び位置決めを行なうととも
    に、該加工対象物を巻取るワーク巻取り部と、少なくと
    もワーク巻取り部を駆動する駆動部とを備えた搬送手段
    を有することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】請求項1のレーザ加工装置において、上記
    加工対象物のレーザ照射領域の略全域で単位面積当りの
    照射エネルギが略均一となるように、上記制御手段が上
    記レーザ発光源の出力の大きさを補正するように構成し
    たことを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】請求項2のレーザ加工装置において、上記
    制御手段が、レーザ照射領域を2次平面内で複数の領域
    区分に分割し、該複数の領域区分ごとに単位面積当りの
    照射エネルギを、予め定めた所定の単位面積当りの照射
    エネルギと一致させるために必要な補正量を記憶してお
    く補正量記憶手段と、上記加工制御データから上記レー
    ザビームの照射位置がどの領域区分に属するかを算出す
    る算出手段と、算出された領域区分に対応した補正量を
    該補正量記憶手段から呼び出し、該補正量に基づいて上
    記レーザ発光源の出力の大きさを補正する補正手段とを
    有することを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】請求項2のレーザ加工装置において、上記
    レーザビームをガルバノミラーにより走査して加工対象
    物に照射するガルバノミラー駆動手段を用いて上記レー
    ザビーム走査手段を構成し、且つ、上記制御手段が、該
    ガルバノミラー駆動手段から該ガルバノミラーの回動角
    度データを取得し、該回動角度データに基づいて、予め
    定めた所定の単位面積当りの照射エネルギと一致させる
    ために必要な補正量を演算処理する演算処理手段と、該
    補正量に基づいて上記レーザ発光源の出力の大きさを補
    正する補正手段とを有することを特徴とするレーザ加工
    装置。
  5. 【請求項5】レーザビームを出射するレーザ発光源と、
    該レーザビームを走査して加工対象物に照射するレーザ
    ビーム走査手段と、加工制御データに基づいて該レーザ
    発光源及び該レーザビーム走査手段を制御する制御手段
    とを備えたレーザ加工装置において、上記加工対象物の
    レーザ照射領域の略全域で単位面積当りの照射エネルギ
    が略均一となるように、上記制御手段が上記レーザ発光
    源の出力の大きさを補正するように構成したことを特徴
    とするレーザ加工装置。
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