JP2003205321A - バーリング加工方法及びその金型 - Google Patents

バーリング加工方法及びその金型

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JP2003205321A
JP2003205321A JP2002005143A JP2002005143A JP2003205321A JP 2003205321 A JP2003205321 A JP 2003205321A JP 2002005143 A JP2002005143 A JP 2002005143A JP 2002005143 A JP2002005143 A JP 2002005143A JP 2003205321 A JP2003205321 A JP 2003205321A
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burring
punch
cylindrical
sheet metal
boss
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JP2002005143A
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Katsuyoshi Hirasawa
勝芳 平澤
Kuniaki Doda
邦明 堂田
Shiko O
志剛 王
Shigeyuki Iwase
成行 岩瀬
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Pacific Industrial Co Ltd
Original Assignee
Pacific Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来より成形高さが高くかつ肉厚偏差が小さ
いボス部を形成することが可能なバーリング加工方法及
びその金型を提供する。 【解決手段】 円筒素材81を構成する板金を下孔に収
束させる方向に押出して、バーリングパンチ28を下孔
に突入させ、円筒素材81を構成する板金がバーリング
パンチ28に沿う方向に押し出されてボス部85が成形
される。ボス部85の成形高さに応じた量だけ、円筒素
材81を構成する板金をボス部85側に押出せばよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板金に形成した下
孔の縁部から円筒状のボスを起立形成するためのバーリ
ング加工方法及びその金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のバーリング加工方法では、下孔が
空いた板金をダイスとパンチにて挟持した状態で、その
下孔にバーリングパンチを突入させて、下孔の縁部から
筒状のボス部を起立成形していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
方法では、下孔の周りの板金を張り出してボス部を形成
するので、その際の伸びの限界からボス部の先端に割れ
が生じ易く、また、大きな肉厚偏差を伴うため、ボス部
の成形高さを小さくせざるを得なかった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、従来より高くかつ肉厚偏差が小さいボス部を形成す
ることが可能なバーリング加工方法及びその金型の提供
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1の発明に係るバーリング加工方法
は、板金で構成された円板部(82)の中心に下孔(8
3)を形成し、円板部(82)を厚さ方向で拘束した状
態で、その円板部(82)を下孔(83)の中心に収束
させる方向に押出してから又は押出しながら、先細り状
のバーリングパンチ(28)を下孔(83)に突入させ
て、下孔(83)の縁部から筒状のボス部(85)を起
立成形するところに特徴を有する。
【0006】請求項2の発明に係るバーリング加工方法
は、板金を絞ってなる一端有底筒形の円筒素材(81)
のうち底壁(82)の中心に下孔(83)を形成し、円
筒素材(81)の筒壁(84)及び底壁(82)を共に
厚さ方向で拘束した状態で、筒壁(84)の端部全体を
底壁(82)側に押圧することで、円筒素材(81)を
構成する板金を下孔(83)の中心に収束させる方向に
押出してから又は押出しながら、先細り状のバーリング
パンチ(28)を下孔(83)に突入させて、下孔(8
3)の縁部から筒状のボス部(85)を起立成形すると
ころに特徴を有する。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
のバーリング加工方法において、ボス部(85)を起立
形成した後で、そのボス部(85)を厚さ方向で拘束し
た状態でボス部(85)の端部を押圧して整形するとこ
ろに特徴を有する。
【0008】請求項4の発明に係るバーリング加工用金
型は、板金を絞ってなる一端有底筒形の円筒素材(8
1)のうち底壁(82)の中心に形成した下孔(83)
に向けて先細り状のバーリングパンチ(28)を突入さ
せて、下孔(83)の縁部から筒状のボス部(85)を
起立成形するためのバーリング加工用金型であって、円
筒素材(81)を収容する凹所(25)を備えたダイス
(24)と、凹所(25)に収容された円筒素材(8
1)の内側に突入して、凹所(25)の内壁との間で円
筒素材(81)の筒壁(84)及び底壁(82)を厚さ
方向で拘束する円筒状のブランクホルダー(30)と、
ダイス(24)に形成されて、円筒素材(81)の下孔
(83)を介してブランクホルダー(30)の内部空間
に連通し、内部にバーリングパンチ(28)をスライド
可能に収容したパンチ挿通路(27)と、ブランクホル
ダー(30)の外側に勘合された押し出しパンチとを備
え、押し出しパンチにより円筒素材(81)の筒壁(8
4)の端部全体を底壁(82)に向けて押圧すること
で、円筒素材(81)を構成する板金を下孔(83)の
中心に収束させる方向に押出してから又は押出しなが
ら、バーリングパンチ(28)を下孔(83)に突入さ
せるようにしたところに特徴を有する。
【0009】請求項5の発明は、請求項4に記載のバー
リング加工用金型において、板金の板厚tに対し、ブラ
ンクホルダー(30)の外側エッジ部(30B)の曲率
半径R2と、そのブランクホルダー(30)の外側エッ
ジ部(30B)に対向した凹所(25)における角部
(25A)の曲率半径R3とが、R2≧t/5、R2+
t/3≧R3≧R2−t/3、の関係を有するように構
成したところに特徴を有する。
【0010】請求項6の発明は、請求項4又は5に記載
のバーリング加工用金型において、ブランクホルダー
(30)の内側には、円筒状の整形パンチ(33)が勘
合され、バーリングパンチ(28)とブランクホルダー
(30)との間で、ボス部(85)を厚さ方向で拘束し
かつ押出パンチ(31)で筒壁(84)の端部の位置を
保持した状態で、整形パンチ(33)をボス部(85)
の端部に押圧して整形するようにしたところに特徴を有
する。
【0011】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>請求項1の
発明によれば、円板部(82)を下孔(83)の中心に
収束させる方向に押出してから又は押出しながら、バー
リングパンチ(28)を下孔(83)に突入させるか
ら、円板部(82)を構成する板金がバーリングパンチ
(28)に沿う方向に押出してボス部(85)が成形さ
れる。即ち、本発明によれば、ボス部(85)の成形高
さに応じた量だけ、円板部(82)を構成する板金をボ
ス部(85)側に押出せばよいから、従来のように下孔
の周りの板金を単に張り出してボス部を形成する方法に
比べて、ボス部(85)の成形高さを大きくすることが
でき、また、肉厚偏差を抑えることができる。
【0012】<請求項2の発明>請求項2の発明によれ
ば、円筒素材(81)を構成する板金を下孔(83)の
中心に収束させる方向に押出してから又は押出しなが
ら、バーリングパンチ(28)を下孔(83)に突入さ
せるから、円筒素材(81)を構成する板金がバーリン
グパンチ(28)に沿う方向に押出してボス部(85)
が成形される。即ち、本発明によれば、ボス部(85)
の成形高さに応じた量だけ、円筒素材(81)を構成す
る板金をボス部(85)側に押出せばよいから、従来の
ように下孔の周りの板金を単に張り出してボス部を形成
する方法に比べて、ボス部(85)の成形高さを大きく
することができ、肉厚偏差を抑えることができる。しか
も、円筒素材(81)を構成する板金を下孔(83)の
中心に収束させるために、筒壁(84)を底壁(82)
に向けて一方向から押圧すればよいから、容易に板金を
下孔(83)の中心に収束させることができる。
【0013】<請求項3及び6の発明>請求項3及び6
の発明のように、ボス部(85)の端部を押圧して、ボ
ス部(85)を整形することで、ボス部(85)の形状
のばらつきを抑えることができる。
【0014】<請求項4の発明>請求項4のバーリング
加工用金型によれば、凹所(25)の内壁とブランクホ
ルダー(30)との間で、円筒素材(81)の筒壁(8
4)及び底壁(82)を厚さ方向で拘束し、ブランクホ
ルダー(30)の外側に勘合した押出パンチ(31)に
より、筒壁(84)の端部全体を底壁(82)に向けて
押出してから又は押出しながら、バーリングパンチ(2
8)を下孔(83)に突入させることで、円筒素材(8
1)を構成する板金がバーリングパンチ(28)に沿う
方向に押出してボス部(85)が成形される。即ち、本
発明によれば、ボス部(85)の成形高さに応じた量だ
け、押込パンチ(31)を押圧して、円筒素材(81)
を構成する板金をボス部(85)側に押出せばよいか
ら、従来のように下孔の周りの板金を単に張り出してボ
ス部を形成するものに比べて、ボス部(85)の成形高
さを大きくすることができ、肉厚偏差を抑えることがで
きる。
【0015】<請求項5の発明>請求項5の発明のよう
に、板金の板厚tに対し、ブランクホルダー(30)の
外側エッジ部(30B)の曲率半径R2と、その外側エ
ッジ部(30B)に対向した凹所(25)の角部(25
A)の曲率半径R3とを、R2≧t/5、R2+t/3
≧R3≧R2−t/3、の関係を有するように構成すれ
ば、円筒素材(81)の筒壁(84)を底壁(82)側
に、巻き込み欠陥などが発生しない低荷重で押し込むこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】<第1実施形態>以下、歯形形状
を有する回転部品(例えば、スプロケットやギヤ)の製
造工程に本発明を適用した第1実施形態について、図1
〜図11を参照しつつ説明する。
【0017】その第1の工程として、図示しないプレス
により、板厚tの板金から円板80を打ち抜く。第2の
工程として、図1に示した絞り加工用金型10にて円板
80を絞り加工して、一端有底筒形の円筒素材81を成
形する。具体的には、絞り加工用金型10は、上下方向
で対向した上台11と下台12とを備えてなり、例え
ば、下台12がガイドポスト13に案内されて上下動す
る。下台12に固定された絞りダイス14には、上面に
開放しかつ奥部に向かって窄んだ絞り孔15が形成され
ている。そして、この絞り孔15の上面開口を閉塞する
ように前記円板80を敷設し、下台12を上方に移動し
て型を閉じる。すると、上台11に固定された絞りパン
チ16により、円板80が絞り孔15内に押し込まれて
絞られ、一端有底筒形の円筒素材81が成形される。次
いで、絞りパンチ16の芯部に備えたノックアウト17
を、円筒素材81の底壁82の中心に押しつけて、下孔
83(図3参照)を打ち抜く。次いで、上台11と下台
12とを型開き(図1の状態)して、絞りダイス14の
底部に組み込まれたキッカー18にて、絞り孔15から
円筒素材81を排出する。
【0018】絞り加工用金型10から取り出した円筒素
材81に、第3の工程としての本発明を適用したバーリ
ング加工を施す。即ち、図3に示した本発明を適用した
バーリング加工用金型20により、円筒素材81の底壁
82のうち下孔83の縁部からボス部85(図5及び図
6参照)を起立成形する。
【0019】具体的には、バーリング加工用金型20
は、上下方向で対向した上台21と下台22とを備えて
なり、例えば、下台22がガイドポスト23に案内され
て上下動する。下台22に固定された押出ダイス24に
は、円筒素材81が収容される凹所25が形成されてい
る。この凹所25は、円筒素材81を底側に収容して、
円筒素材81の筒壁84の上端が、凹所25の上下方向
の中間に位置する深さをなしている。
【0020】押出ダイス24には、凹所25の底面に開
放して上下方向に延びたパンチ挿通路27が形成されて
いる。パンチ挿通路27は、下台22のうち押出ダイス
24を固定した基部22Aにも貫通しており、途中に大
径空間を備えている。
【0021】パンチ挿通路27のうち大径空間より上方
側には、キッカー26が収容されている。キッカー26
は、円筒体の下端にフランジを備えた構造をなし、その
フランジを大径空間の下端側に配して、キッカー26の
上面が、常には、凹所25の底面と面一になっている。
そして、下台22の前記基部22Aを貫通した上下ピン
26Pに押されて、キッカー26が上方にスライドし
て、円筒素材81を凹所25から押し出す。
【0022】パンチ挿通路27には、キッカー26の内
側に、バーリングパンチ28がスライド可能に収容され
ている。バーリングパンチ28は、先端側が砲弾形状を
なし、その先端部から芯部が突出している。そして、バ
ーリングパンチ28は、常には、凹所25の底面より下
方に位置している。
【0023】一方、上台21には、前記凹所25に向け
て、円筒状のブランクホルダー30が垂下され、そのブ
ランクホルダー30の外側には、押出パンチ31が嵌合
している。詳細には、押出パンチ31は、下方に向けて
段付き状に窄んだ円筒状をなし、上台21に固定されて
いる。
【0024】一方、ブランクホルダー30は、押出パン
チ31内で上下にスライド可能となっており、図3に示
すように、ブランクホルダー30の外面に形成した段付
き部が、押出パンチ31の内面の段付き部に当接して、
押出パンチ31内に抜け止めされている。また、ブラン
クホルダー30の上面と上台21との間には、コイルス
プリング32が配され、ブランクホルダー30が下方に
付勢されている。さらに、ブランクホルダー30の先端
(下端)は、押出パンチ31から露出しており、図4に
示すように、凹所25に収容された円筒素材81の内側
に突入し、これにより、凹所25の内壁との間で円筒素
材81の筒壁84及び底壁82を厚さ方向で拘束する。
【0025】ブランクホルダー30の内側には、整形パ
ンチ33が嵌合されている。整形パンチ33は、円筒の
上端部を押圧板33Aで閉塞した構造をなし、長手方向
の中間部分より下端側が段付き状に細くなっている。そ
して、整形パンチ33の段差部より下方に勘合したコイ
ルスプリング34を、ブランクホルダー30の内壁に形
成した段差部に押しつけて、整形パンチ33がブランク
ホルダー30内を上下動する。
【0026】さて、バーリング加工用金型20の細部の
寸法は、板金の板厚tに対して以下のように設定されて
いる。まず、ブランクホルダー30に関しては、図7
(A)に示した内側エッジ部30Aの曲率半径R1と外
側エッジ部30Bの曲率半径R2と、さらにはブランク
ホルダー30の肉厚Wとが、 W=4〜5t ・・・・ R1≧t/5 ・・・・ R2≧t/5 ・・・・ (好ましくは、R2≧t/2)の関係を有するように設
定されている。
【0027】また、押出ダイス24に関しては、ブラン
クホルダー30の外側エッジ部30Bに対向した凹所2
5における角部25A(図7(A)参照)の曲率半径R
3が、 R2+t/3≧R3≧R2−t/3 ・・・・ の関係を有するように設定されている。
【0028】バーリング加工用金型20の構成は上述の
通りであって、次に、このバーリング加工用金型20に
より円筒素材81の底壁82にボス部85を起立成形す
る動作を説明する。
【0029】図3に示すように、押出ダイス24の凹所
25内に円筒素材81を収容し、下台22を上方に向け
て上昇させる。すると、ブランクホルダー30の先端が
円筒素材81のうち筒壁84の内側に進入し、これによ
り、凹所25の内周面とブランクホルダー30の外周面
との間で、筒壁84が厚さ方向で拘束される。
【0030】下台22がさらに上昇すると、ブランクホ
ルダー30の先端面が円筒素材81の底壁82に当接し
てコイルスプリング32が圧縮され、その弾発力でもっ
て、ブランクホルダー30が底壁82に押しつけられ
る。これにより、ブランクホルダー30の先端面と凹所
25の底面(キッカー26の端面も含む)との間で、底
壁82が厚さ方向で拘束される。
【0031】下台22がさらに上昇すると、図4に示す
ように、押出パンチ31の先端面が、円筒素材81のう
ち筒壁84の端面に当接し、上下の台21,22の接近
に伴って、押出パンチ31が、筒壁84の端部全体を底
壁82側に押圧する。
【0032】図7(A)に拡大して示すように、押出パ
ンチ31により、筒壁84及び底壁82が厚さ方向で拘
束された状態で、筒壁84が軸方向で押圧されると、ブ
ランクホルダー30の外側エッジ部30Bの曲面と凹所
25の角部25Aの曲面とに案内されて、筒壁84を構
成する板金が底壁82側に押し込まれる。すると、底壁
82の平面内における全方向から下孔83の中心に向か
うように応力がかかる。ここで、底壁82のうち下孔8
3の縁部が対面した空間は、上方側のブランクホルダー
30の内部空間の方が、凹所25の下方に連通した空間
(具体的にはキッカー26の内部空間)より広くなって
いるので、図7(B)に示すように、下孔83の縁部が
上方の広い空間側に***する。
【0033】なお、ここで、図8(A)及び図8(B)
に示すように、ブランクホルダー30の外側エッジ部3
0Bの曲率半径R2を、 R2<t/5 ・・・・ とした場合には、筒壁84を押圧したときに巻き込み欠
陥が起こり、筒壁84を構成する板金を底壁82側に押
し込むことができない場合が生じ得るが、本実施形態で
は、前述の通り、R2≧t/5、となっているので、巻
き込み欠陥などが発生しない低荷重(即ち、押出パンチ
31の破壊耐力以下の荷重)で板金を底壁82側に押し
込むことができる。
【0034】下台22が上死点に到達すると、押出パン
チ31による円筒素材81の押し込み動作が終了し、ま
たこのとき、図4に示すように、ブランクホルダー30
が上台21の壁部に当接して、上方への移動が規制され
た状態になる。この状態で、バーリングパンチ28が上
方にスライドし、下孔83内に突入する。すると、図5
に示すように、底壁82のうち下孔83の周りの***部
分が、バーリングパンチ28の外面とブランクホルダー
30の内面との間で圧延されて、下孔83の縁部から筒
状のボス部85が起立成形される。
【0035】次いで、図6に示すように、バーリングパ
ンチ28の外面とブランクホルダー30の内面との間
で、ボス部85を厚さ方向で拘束し、かつ、押出パンチ
31で筒壁84の端部の位置を保持した状態のまま、整
形パンチ33をボス部85の端部に押圧する。これによ
り、ボス部85の端部が一定の形状に整形され、バーリ
ング加工用金型20によるバーリング加工工程が完了
し、キッカー26が上方にスライドして、円筒素材81
がバーリング加工用金型20から取り出される。
【0036】バーリング加工用金型20から取り出され
た円筒素材81は、図9において、二点差線で示した構
造をなす。ここで、本実施形態のバーリング加工では、
ボス部85の高さHが、例えばバーリングパンチ28の
外径φに対して、 H≦3φ ・・・・・ になるように設定して行うことが、製品の品質上好まし
く、本実施形態では、上記式を満たす形状に成形され
ている。
【0037】さて、図11には、本実施形態のバーリン
グ加工用金型20を用いたバーリング加工方法と、従来
のバーリング加工方法(即ち、下孔の周りの板金を単に
張り出してボス部を形成する方法)とで、ボス部の成形
可能な高さを比較した実験結果が示されている。
【0038】その実験方法として、図10に示したボス
部85の加工高さHを変更して、ボス部85の外周面の
周方向の歪み(=[外周面の周方向の単位長さ当たりの
伸び]/[外周面の周方向の単位長さ])を測定する。
なお、板金の板厚tは5[mm]、板金の材質はアルミ
ニウム、ボス部85の内径は20[mm]としてある。
【0039】また、実験用のワークとしては、前記した
円筒素材81を用い、従来のバーリング加工方法では、
筒壁84を押し込むことなく、下孔83にバーリングパ
ンチ28を突入させてボス部85を成形する。一方、本
実施形態のバーリング加工方法は、上述の如くである。
【0040】実験の結果、従来のバーリング加工方法で
は、ボス部85の高さが10[mm]以上になったとこ
ろで、ボス部85の周方向の歪みが、材料である板金の
歪み限界値を超えてしまった。即ち、従来のバーリング
加工方法では、10[mm]以上の高さのボス部を成形
することは、不可能であった。
【0041】これに対し、本実施形態のバーリング加工
方法では、ボス部85の高さが25[mm]以上になっ
ても、板金の歪み限界値を超えなかった。即ち、本実施
形態のバーリング加工方法によれば、従来のバーリング
加工方法では得られなかった25[mm]以上の高さの
ボス部を成形することができる。
【0042】このように本実施形態によれば、ボス部8
5の成形高さに応じた量だけ、円筒素材81を構成する
板金をボス部85側に押し出せばよいから、従来のよう
に下孔の周りの板金を単に張り出してボス部を形成する
方法に比べて、ボス部85の成形高さを大きくすること
ができ、また、肉厚偏差を抑えることができる。
【0043】しかも、円筒素材81を構成する板金を下
孔83の中心に収束させるために、筒壁84を底壁82
に向けて一方向から押圧すればよいから、容易に板金を
下孔83の中心に収束させることができる。
【0044】<第2実施形態>本実施形態のバーリング
加工用金型は、図12に示されており、前記第1実施形
態のバーリング加工用金型20のうち凹所25の上面開
口側に、上方から下方に向かうに従って窄んだ絞り面2
4Sを設けて、絞り加工も行えるようにしてある。その
他の構成については第1実施形態のバーリング加工用金
型20と同じであるため、同一部位には同一符号を付し
て重複説明は省略する。
【0045】本実施形態では、板金から打ち抜いた円板
80の中心に、下孔83を予め打ち抜いておく。そし
て、凹所25の上面開口を閉塞するように円板80を敷
設し、下台12を上方に移動することで、上台11に固
定されたブランクホルダー30により、円板80が凹所
25内に押し込まれて絞られ、一端有底筒形の円筒素材
81が成形される。以下、第1実施形態のバーリング加
工用金型20と同様にして、ボス部85が成形される。
【0046】本実施形態によれば、第1実施形態と同様
の作用効果に加え、金型製作費を抑えることができると
共に、円筒素材81にボス部85を成形するサイクルタ
イムの短縮を図ることができる。
【0047】なお、本実施形態のバーリング加工方法の
ように、絞り工程の前に下孔83を穿孔する場合には、
その下孔83の径φ2が、板金の板厚tに対し、 φ2≦2.5t ・・・・ である場合に適している。
【0048】<他の実施形態>本発明は、前記実施形態
に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するよ
うな実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、
下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実
施することができる。
【0049】(1)前記第1及び第2の実施形態では、
歯形形状を有する回転部品(例えば、スプロケット、ギ
ヤ等)の製造工程に本発明を適用したものを例示した
が、例えば、カムやプーリー等に備えたボス部を成形す
るために本発明を適用してもよい。
【0050】(2)前記第1及び第2の実施形態では、
円筒素材81の筒壁84を軸方向に押圧して円筒素材8
1を構成する板金を下孔83に収束させるように押出し
ていたが、例えば、筒壁を備えない単なる円板の中心に
下孔を形成し、その円板の外周面に、全方向から圧力を
かけて、円板を構成する板金を下孔側に押し込み、本発
明のバーリング加工を施してもよい。この場合、例え
ば、油圧により円板の外周面に、全方向から圧力をかけ
る構成にしてもよい。
【0051】(3)前記第1及び第2の実施形態では、
板金を下孔83の中心に収束させる方向に押出してか
ら、バーリングパンチ28を下孔83に突入させていた
が、板金を下孔の中心に収束させる方向に押出しなが
ら、これと同時に、バーリングパンチを下孔に突入させ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る絞り加工用金型の
側断面図
【図2】その絞り加工用金型を閉じた状態の側断面図
【図3】バーリング加工用金型の側断面図
【図4】バーリング加工用金型にて円筒素材を押し込ん
だ状態の側断面図
【図5】バーリングパンチを下孔に突入した状態の側断
面図
【図6】整形パンチにてボス部の端部を整形した状態の
側断面図
【図7】板金が押し込まれる状態の拡大断面図
【図8】板金が押し込まれる状態の拡大断面図
【図9】歯形形状を有する回転部品(スプロケット)の
側断面図
【図10】実験方法を説明するためのボスの破断斜視図
【図11】従来と本実施形態のバーリング加工方法のボ
ス成形高さの比較グラフ
【図12】第2実施形態のバーリング加工用金型
【符号の説明】
20…バーリング加工用金型 25…凹所 25A…角部 27…パンチ挿通路 28…バーリングパンチ 30…ブランクホルダー 30A…内側エッジ部 30B…外側エッジ部 31…押出パンチ 33…整形パンチ 81…円筒素材 82…底壁 83…下孔 84…筒壁 85…ボス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 成行 愛知県西加茂郡三好町大字三好字笠松25− 2 有限会社中央ダイス内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板金で構成された円板部(82)の中心
    に下孔(83)を形成し、 前記円板部(82)を厚さ方向で拘束した状態で、その
    円板部(82)を前記下孔(83)の中心に収束させる
    方向に押出してから又は押出しながら、先細り状のバー
    リングパンチ(28)を前記下孔(83)に突入させ
    て、前記下孔(83)の縁部から筒状のボス部(85)
    を起立成形することを特徴とするバーリング加工方法。
  2. 【請求項2】 板金を絞ってなる一端有底筒形の円筒素
    材(81)のうち底壁(82)の中心に下孔(83)を
    形成し、 前記円筒素材(81)の筒壁(84)及び前記底壁(8
    2)を共に厚さ方向で拘束した状態で、前記筒壁(8
    4)の端部全体を前記底壁(82)側に押圧すること
    で、前記円筒素材(81)を構成する板金を前記下孔
    (83)の中心に収束させる方向に押出してから又は押
    出しながら、先細り状のバーリングパンチ(28)を前
    記下孔(83)に突入させて、前記下孔(83)の縁部
    から筒状のボス部(85)を起立成形することを特徴と
    するバーリング加工方法。
  3. 【請求項3】 前記ボス部(85)を起立形成した後
    で、そのボス部(85)を厚さ方向で拘束した状態で前
    記ボス部(85)の端部を押圧して整形することを特徴
    とする請求項1又は2に記載のバーリング加工方法。
  4. 【請求項4】 板金を絞ってなる一端有底筒形の円筒素
    材(81)のうち底壁(82)の中心に形成した下孔
    (83)に向けて先細り状のバーリングパンチ(28)
    を突入させて、前記下孔(83)の縁部から筒状のボス
    部(85)を起立成形するためのバーリング加工用金型
    であって、 前記円筒素材(81)を収容する凹所(25)を備えた
    ダイス(24)と、 前記凹所(25)に収容された前記円筒素材(81)の
    内側に突入して、前記凹所(25)の内壁との間で前記
    円筒素材(81)の筒壁(84)及び前記底壁(82)
    を厚さ方向で拘束する円筒状のブランクホルダー(3
    0)と、 前記ダイス(24)に形成されて、前記円筒素材(8
    1)の前記下孔(83)を介して前記ブランクホルダー
    (30)の内部空間に連通し、内部に前記バーリングパ
    ンチ(28)をスライド可能に収容したパンチ挿通路
    (27)と、 前記ブランクホルダー(30)の外側に勘合された押出
    パンチ(31)とを備え、 前記押出パンチ(31)により前記円筒素材(81)の
    前記筒壁(84)の端部全体を前記底壁(82)に向け
    て押圧することで、前記円筒素材(81)を構成する板
    金を前記下孔(83)の中心に収束させる方向に押出し
    てから又は押出しながら、前記バーリングパンチ(2
    8)を前記下孔(83)に突入させるようにしたことを
    特徴とするバーリング加工用金型。
  5. 【請求項5】 前記板金の板厚tに対し、前記ブランク
    ホルダー(30)の外側エッジ部(30B)の曲率半径
    R2と、そのブランクホルダー(30)の外側エッジ部
    (30B)に対向した前記凹所(25)における角部
    (25A)の曲率半径R3とが、 R2≧t/5 R2+t/3≧R3≧R2−t/3 の関係を有するように構成したことを特徴とする請求項
    4に記載のバーリング加工用金型。
  6. 【請求項6】 前記ブランクホルダー(30)の内側に
    は、円筒状の整形パンチ(33)が勘合され、前記バー
    リングパンチ(28)と前記ブランクホルダー(30)
    との間で、前記ボス部(85)を厚さ方向で拘束しかつ
    前記押出パンチ(31)で前記筒壁(84)の端部の位
    置を保持した状態で、前記整形パンチ(33)を前記ボ
    ス部(85)の端部に押圧して整形するようにしたこと
    を特徴とする請求項4又は5に記載のバーリング加工用
    金型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216264A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Denso Corp 溝付き板状部材の製造方法
JP2010023111A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Aisin Seiki Co Ltd 絞り成形装置
JP2010201476A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Aida Eng Ltd 中空状のボス部を有する部材の成形方法及びプレス機械

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