JP2003204263A - 位相同期回路、および同調装置 - Google Patents

位相同期回路、および同調装置

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JP2003204263A
JP2003204263A JP2001360324A JP2001360324A JP2003204263A JP 2003204263 A JP2003204263 A JP 2003204263A JP 2001360324 A JP2001360324 A JP 2001360324A JP 2001360324 A JP2001360324 A JP 2001360324A JP 2003204263 A JP2003204263 A JP 2003204263A
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low
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Toshihiro Yamaguchi
敏宏 山口
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相同期回路において、広周波数帯域に亘っ
てリファレンスリークを確実に抑圧することができ、か
つ良好な位相ノイズ特性が得られるようにする。 【解決手段】 位相比較器18の出力を平滑化するルー
プフィルタ回路30に、LPF32に加えて、位相が周
波数の増加ととともに一旦遅れて次に進んでいくという
位相特性が設定された、抵抗素子R50,R52および
容量素子C52からなる1次ラグリードフィルタ50を
設ける。これにより、広い発振周波数帯域に亘ってリフ
ァレンスリークを確実に抑圧することができ、かつ良好
な位相ノイズ特性が得られるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相同期(PL
L:Phase Locked Loop) 回路、あるいはテレビジョン
装置や携帯電話などの受信用や送信用の装置などに利用
される、位相同期回路を用いたPLL周波数シンセサイ
ザやチューナなどの同調装置に関する。特に、位相ノイ
ズ特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば各種の通信装置や送受信機など
では、送信信号や受信信号の周波数変換などのために周
波数シンセサイザやチューナなどの同調装置(同調回
路)が用いられる。そして精度のよい同調特性を得るた
めに、同調装置には位相同期回路が組み込まれることが
ある。
【0003】図6(A)は、位相同期回路の基本構成を
示したブロック図である。この位相同期回路1は、PL
L集積回路(PLLIC)10と、制御入力端子22お
よび出力端子24を有する電圧制御発振器(VCO:Vo
ltage Controled oscillator)20と、ループフィルタ
回路30とを備える。PLLIC10は、基準周波数の
電圧信号f1を発生する基準発振器12、プログラマブ
ルカウンタなどの可変分周器14,16、および位相比
較器18を有し、これらがワンチップに集積回路化され
たものである。
【0004】VCO20は、周波数制御入力端子22に
入力された制御信号に対応した周波数の電圧信号f3を
発生し、出力端子24から出力する。可変分周器14
は、基準発振器12から出力された電圧信号f1を1/
Aに分周し、その分周出力信号f2を位相比較器18の
一方の端子18aに入力する。可変分周器16は、VC
O20から出力された電圧信号f3を1/Nに分周し、
その分周出力信号f4を位相比較器18の他方の端子1
8bに入力する。可変分周器14,16の分周比1/
A,1/Nは、たとえば図示しないマイクロコンピュー
タなどにより指示される。位相比較器18は、2つの電
圧信号f3,f4との位相を比較し、比較結果である位
相差を示す誤差信号をループフィルタ回路30に入力す
る。ループフィルタ回路30は、2つの電圧信号f3,
f4の位相比較結果(誤差信号)を平滑化し、この平滑
化した信号を周波数制御信号としてVCO20の周波数
制御入力端子22に印加する。
【0005】この位相同期回路1では、VCO20から
の出力電圧信号f3が、PLLIC10内の可変分周器
16によって分周比1/Nで分周され、PLLIC10
内の位相比較器18によって、可変分周器16の出力信
号f4と基準発振器12の出力信号f1を1/Aに分周
した信号f2とが位相比較され、位相比較器18の出力
電圧V0が、ループフィルタ回路30を通じ制御信号V
1に変換されVCO20に供給されて、VCO20の発
振周波数が制御される。
【0006】ここで、従来の位相同期回路1におけるル
ープフィルタ回路30には、位相比較器18の出力信号
中の所定のカットオフ周波数(ロールオフ周波数やポー
ルともいう)以上の周波数成分を減衰させて、VCO2
0に供給される制御電圧を平滑化するように、たとえば
CR(Cは容量要素、Rは抵抗要素)からなり、少なく
とも1つのカットオフ周波数を呈する低域通過フィルタ
が設けられる。
【0007】図6(B)は、ループフィルタ回路30に
設けられた低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filte
r )の一例を示す図である。図示したLPF32は、C
34およびR34の直列回路34とC32との並列回路
が負帰還増幅器36の入出力間に接続されたアクティブ
フィルタ(能動フィルタ)を構成しており、2つのカッ
トオフ周波数が設定される。LPFは、この構成に限ら
ず、それぞれ1つのCおよびRから構成された1つのカ
ットオフ周波数が設定されるものであってもよいし、C
RからなるLPFが多段に接続されたものであってもよ
い。。
【0008】一方、位相同期回路においては、VCOの
出力に、中心周波数成分以外に、サイドバンドによるリ
ファレンスリーク(スプリアス)が重畳されることが知
られている。このリファレンスリークは、位相同期回路
の性能を低下させる要因となる。リファレンスリークを
抑制する手法としては、たとえば、図6(C)に示すよ
うに、LPF32の後段にC40およびR40からなる
1次ラグフィルタ40を接続したループフィルタ回路を
構成し高域の減衰量をより大きくすることで、高周波側
のリファレンスリークを小さくすることが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前段の
LPF32のカットオフ周波数f32とその後段に付加
した1次ラグフィルタ40のカットオフ周波数f40と
が近接した場合、フィルタの位相特性である群遅延特性
が悪化し、たとえば図7に示すように、カットオフ周波
数近傍で利得特性の持ち上がりが生じ利得特性が悪化す
る。このような利得特性は、雑音電力を押し上げるよう
に作用するため、位相ノイズが悪化するという欠点を有
している。そしてこの位相ノイズは、結果として位相同
期回路の性能を低下させる。つまり、リファレンスリー
クを改善するためにリファレンスリークの発生する周波
数でのLPFの減衰量を大きくとることは、ループ帯域
内の位相ノイズ特性とトレードオフの関係になることが
あり、高性能な位相同期回路を構成する上で不都合があ
った。位相ノイズの増大は、位相同期回路を用いたPL
L周波数シンセサイザやチューナなどの同調装置、ある
いはこの同調装置を用いたテレビジョン装置や携帯電話
などの、受信用あるいは送信用の装置の性能を低下させ
る要因となる。たとえば位相ノイズは、位相同期回路の
用途として考えられるデジタルTVの特性の中で最も重
要な特性であるため、位相ノイズの劣化はあってはなら
ないものである。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、位相ノイズの増大を招くことなく、リファレン
スリークを減少させることができる位相同期回路を提供
することを目的とする。また本発明は、リファレンスリ
ークや位相ノイズの問題のない同調装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
位相同期回路は、ループフィルタ部に、少なくとも1つ
のカットオフ周波数が設定された第1の低域通過フィル
タ部と、位相が周波数の増加ととともに一旦遅れて次に
進んでいくという位相特性が設定された第2の低域通過
フィルタ部(いわゆるラグリードフィルタ)とを有す
る。また本発明に係る同調装置は、このような第1およ
び第2の低域通過フィルタ部を有するループフィルタ部
を具備した位相同期回路を備えている。
【0012】この位相同期回路や同調装置においては、
第2の低域通過フィルタ部の構成として、たとえば、2
つの抵抗要素および1つの容量要素を具備した1次ラグ
リードフィルタ回路を、第1の低域通過フィルタ部の後
段に設けるのが好ましい。
【0013】
【作用】上記構成の位相同期回路においては、第1の低
域通過フィルタ部に加えて、位相が周波数の増加ととと
もに一旦遅れて次に進んでいくという位相特性が設定さ
れた第2の低域通過フィルタ部を設けたことにより、た
とえ第1および第2の低域通過フィルタ部のカットオフ
周波数が近接しても、群遅延特性は悪化しなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明に係る位相同期回路の一実
施形態を示すブロック図である。基本構成は、ループフ
ィルタ回路部分を除いて従来技術のものと同様であるの
で、同様の機能部分については図6に示したものと同様
の参照番号を付与し、その機能の説明は割愛する。図示
した位相同期回路1における第1実施形態のループフィ
ルタ回路30は、第1の低域通過フィルタ部の一例であ
る2つのカットオフ周波数を持ったLPF(アクティブ
フィルタ)32の後段に、R50,R52,C52から
なる第2の低域通過フィルタ部の一例である1次ラグリ
ードフィルタ50を有する。この1次ラグリードフィル
タ50は、位相が周波数の増加ととともに一旦遅れて次
に進んでいくという位相特性が設定される。1次ラグリ
ードフィルタ50のカットオフ周波数は、その前段側の
LPF32のカットオフ周波数近傍あるいはそれよりも
高くなるように設定される。
【0016】図2は、上記構成のループフィルタ回路3
0の利得位相特性を示す。図示するように、1次ラグリ
ードフィルタ50をLPF32の後段に付加したため
に、カットオフ周波数が近接しても、1次ラグリードフ
ィルタ50の特徴である位相が周波数の増加とともに一
旦遅れて次に進んでいくという位相特性により、群遅延
特性は悪化しない。したがって、利得特性は安定するよ
うになり雑音電力を押し上げるような傾向は見られず、
広い電圧制御発振周波数帯域に亘ってリファレンスリー
クを確実に抑圧することができ、かつ良好な位相ノイズ
特性が得られる。従来のループフィルタ回路では、付加
したフィルタにたとえばラグフィルタを採用したため、
群遅延特性が悪化し、これにより利得特性が悪化したの
とは大きく異なる。
【0017】図3は、ループフィルタ回路30の第2お
よび第3実施形態を示す図である。図3(A)に示す第
2実施形態のループフィルタ回路30は、LPF32
が、C38およびR38の並列回路38とC32との直
列回路が負帰還増幅器36の入出力間に接続されたアク
ティブフィルタを構成しており、2つのカットオフ周波
数が設定される点で、第1実施形態と異なる。また図3
(A)に示す第2実施形態のループフィルタ回路30
は、LPF32が、C32を有しておらず、1つのカッ
トオフ周波数が設定される点で、第1実施形態と異な
る。しかしながら何れの態様も、LPF32の後段に
は、第1実施形態と同様に、1次ラグリードフィルタ5
0が接続されているので、上記第1実施形態と同様の効
果を享受できる。
【0018】図4は、ループフィルタ回路30の第4〜
第6実施形態を示す図である。何れの態様も、LPF3
2がパッシブフィルタ(受動フィルタ)の構成である点
で、第1実施形態と異なる。すなわち先ず図4(A)に
示す第4実施形態のLPF32は第1実施形態のLPF
32を、図4(B)に示す第5実施形態のLPF32は
第2実施形態のLPF32を、図4(C)に示す第6実
施形態のLPF32は第3実施形態のLPF32を、そ
れぞれパッシブフィルタの構成としている。そして何れ
の態様も、LPF32の後段には、第1実施形態と同様
に、1次ラグリードフィルタ50が接続されているの
で、上記第1実施形態と同様の効果を享受できる。
【0019】図5は、上記実施形態の位相同期回路を有
するチューナを備えたテレビジョンシステム(テレビ用
受信システム)の一例を示すブロック図である。図示す
るテレビジョンシステム3は、チューナIC70、通信
信号の一例であるテレビジョン信号を受信する受信部の
一例である高周波信号受信回路80、チューナIC70
から出力された信号に基づいて、MPEG−TS信号を
復調するデジタル信号復調IC82、およびテレビジョ
ンシステム3の全体を制御するCPU84を備える。
【0020】チューナIC70は、VCO20およびル
ープフィルタ回路30を含み、局部発振回路として機能
する位相同期回路1と、高周波信号受信回路80から入
力された受信波f5とVCO20の出力信号f3とを混
合して57MHzの中間周波数(IF)信号(IF信号
のセンターが57MHzという意味)V3を抽出するミ
キサ部(混合回路)72と、ミキサ部72から出力され
たIF信号V3を所定レベルに増幅するIFアンプ74
と、データ変換器76とを有し、これらがワンチップに
集積回路化されたものである。テレビジョン信号を無線
で受信するシステムの場合にはアンテナを介して、ある
いはCATV(ケーブルテレビ)のように有線で受信す
るシステムの場合にはケーブルを介して、テレビジョン
信号が高周波信号受信回路80に入力される。
【0021】VCO20を構成する発振回路26として
は、たとえばVHF帯(1〜12CH;90〜222M
Hz)とUHF帯(13〜62CH;470〜770M
Hz)など選局周波数帯に応じた周波数で発振する共振
回路を各々設け、これらを切替え可能な構成としてもよ
い。
【0022】ここで、受信波(受信チャネル映像搬送
波)f5と局部発振回路として機能する発振回路26の
出力f3とを入出力の関係が非直線的な回路で混合する
と、f5+f3の信号とf5−f3の信号が発生する。
テレビジョンシステム3では、発振回路26(すなわち
局部発振回路)の周波数f3を受信波f5より57MH
zだけ高い周波数とし、ミキサ部72に57MHz共振
回路を設けて、f5−f3=57MHzの信号を中間周
波信号として取り出すようにしている。
【0023】CPU84は、可変分周器14,16の分
周比1/A,1/N(何れか一方だけでもよい)を切り
替えるための選局制御データを位相同期回路1に入力す
る。デジタル信号復調IC82は、IFアンプ74から
出力された中間周波数(IF)信号に基づいて映像検波
や音声検波などの種々のデジタル復調処理をする。
【0024】上記構成により、テレビジョンシステム3
は、PLLシンセサイザ方式の選局回路が形成される。
たとえば、基準発振器12の発振周波数(基準周波数)
f1を3.58MHz、可変分周器14の分周比1/A
を1/3667とする。このとき、チューナIC70
は、3.58MHzの1/3667の周波数f2=97
6Hzが、ch1を受信する場合の局部発振周波数15
0MHzの1/(2400*64)と一致し、ch3を
受信する場合の局部発振周波数162MHzの1/(2
592*64)と一致することを利用し、位相同期回路
1により、局部発振周波数を所定の周波数に合わせるよ
うに作用する。
【0025】たとえばVCO20は、周波数制御入力端
子22に加わる電圧V1が高いほど高い周波数の出力信
号を発するものとする。この場合において、ch1を受
信するため図示しないチャネルボタンが“0”“1”と
押されると、CPU84は、周波数制御部27の一方の
周波数制御入力端子23にバンド切替電圧としてVHF
ローバンドが受信されるような電圧を印加し、分周比1
/Nが1/(2400*64)になるような選局制御デ
ータを可変分周器16に入力する。
【0026】もし局部発振周波数である発振回路26の
出力信号の周波数f3がch1を受信する場合の局部発
振周波数150MHzに正確に保持されていると、可変
分周器16の出力信号の周波数f4は、“150×10
^6×(1/64)×(1/2400)≒976.56
Hz”(“^”はべき乗を示す)となり、位相比較器1
8に加わる周波数一定の基準信号の周波数f2と等しく
なる。位相比較器18はf2とf4とが等しい場合に
は、比較出力(検波出力)は基準値(たとえば
“0”)、f2>f4の場合には基準値より小(たとえ
ば負)、f2<f4の場合には基準値より大(たとえば
正)の出力電圧が得られるように構成されていて、その
出力電圧V0をループフィルタ回路30に加える。
【0027】ループフィルタ回路30は、位相比較器1
8からの電圧信号V0を平滑化し、この平滑化した電圧
信号V1を周波数制御部27の一方の周波数制御入力端
子22に入力する。たとえば、V0が基準値より大のと
きにはその大きさに比例して基準電圧VSよりも低下
し、V0が基準値より小のときには、その大きさに比例
して基準電圧VSよりも上昇するような電圧信号V1を
周波数制御信号として周波数制御入力端子22に入力す
る。したがって局部発振周波数f3がちょうど150M
Hzである場合には、周波数制御入力端子22に加わる
電圧は、発振周波数が150MHzとなるような基準電
圧VS(たとえば5V一定)の電圧となり、もし150
MHzより高い場合には周波数制御入力端子22に加わ
る電圧が低下して発振回路26の発振周波数を下げるよ
うに負帰還動作をする。
【0028】これにより、ミキサ部72には、局部発振
周波数f3としてch1に対応する150MHz一定の
信号が発振回路26から入力される。したがってミキサ
部72からは、受信波の周波数f5(VHF帯;90〜
222MHz,UHF帯;470〜770MHz)と発
振回路26の発振周波数f3との差周波数のうち、ch
1についての57MHzの中間周波信号が出力され、デ
ジタル信号復調IC82は、ch1のデジタルテレビジ
ョン信号を安定して復号処理することができるようにな
る。
【0029】次に、チャネルボタンが“0”“3”と押
されると、CPU84は、分周比1/Nが1/(259
2*64)になるような選局制御データを可変分周器1
6に入力する。直前の発振周波数f3は150MHzな
ので、可変分周器16の出力信号の周波数f4は、“1
50×10^6×(1/64)×(1/2592)≒9
04Hz”となり、f2>f4となるので、位相比較器
18の比較出力(検波出力)は基準値より小となる。
【0030】したがって、周波数制御入力端子22に加
わる電圧が上昇し、局部発振周波数がch3を受信する
ための周波数162MHzになるように動作する。これ
により、ミキサ部72からは、受信波の周波数f5(V
HF帯;90〜222MHz,UHF帯;470〜77
0MHz)と発振回路26の発振周波数f3との差周波
数のうち、ch1ではなくch3についての57MHz
の中間周波信号が出力され、デジタル信号復調IC82
は、ch3のデジタルテレビジョン信号を安定して復号
処理することができるようになる。
【0031】前例では、ch1とch3について説明し
たが、これに限らず、VHF帯であればch1〜ch1
2(190〜222MHz)、UHF帯であればch1
3〜ch62(470〜770MHz)と切り替えられ
る。このようにテレビジョンシステム3は、押されたチ
ャネルボタンに応じて、局部発振周波数、すなわち発振
回路26の発振周波数を広帯域に亘って切り替えること
で、ユーザが希望したchの映像および音声を出力す
る。
【0032】ここで、ループフィルタ回路30として
は、前述のように、LPF32に加えて、位相が周波数
の増加ととともに一旦遅れて次に進んでいくという位相
特性が設定された1次ラグリードフィルタ50が設けら
れている。したがって、たとえ第1および第2の低域通
過フィルタ部のカットオフ周波数が近接しても、群遅延
特性は悪化しなくなる。これにより、発振回路26の発
振周波数を広帯域に亘って切り替えても、この広帯域の
選局周波数帯に亘って低リファレンスリークかつ低位相
ノイズにすることができる。これにより、デジタルTV
の特性の中で最も重要な特性である位相ノイズの劣化の
問題を簡単かつ確実に解消することができるようにな
る。
【0033】以上、本発明を実施の形態を用いて説明し
たが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲
には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更また
は改良を加えることができ、そのような変更または改良
を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、
上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するも
のではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の
組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らな
い。
【0034】たとえば上記実施形態では、第1の低域通
過フィルタの後段に、第2の低域通過フィルタとして、
パッシブ構成の1次ラグリードフィルタを設けていた
が、この1次ラグリードフィルタは、アクティブ構成の
ものであってもよい。また、第2の低域通過フィルタ
は、少なくとも、位相が周波数の増加ととともに一旦遅
れて次に進んでいくという位相特性が設定されたもので
あればよく、必ずしも1次ラグリードフィルタの構成に
限るのではない。
【0035】また上記実施形態では、第1の低域通過フ
ィルタの後段側に、第2の低域通過フィルタを接続して
いたが、これとは逆に、第1の低域通過フィルタの前段
側に、第2の低域通過フィルタを接続してもよい。何れ
を前段/後段側に配するかは、位相比較器18の出力イ
ンピーダンスと各低域通過フィルタの入力イピーダン
ス、およびVCO20の制御入力端子の入力イピーダン
スと各低域通過フィルタの出力イピーダンスとの関係
(マッチング特性)に基づいて、良好なフィルタ特性が
得られるように、その配置を決定すればよい。たとえ
ば、一般的には、位相比較器18の出力インピーダンス
は低く、VCO20の制御入力端子の入力イピーダンス
は高く設定されるので、この場合において、第1および
第2の低域通過フィルタのうちの一方をアクティブ構
成、他方をパッシブ構成とする場合には、アクティブ構
成のものを前段に、パッシブ構成のものを後段に配する
のがよい。両者が同じ形式の構成の場合には、どちらで
もよい。
【0036】また、図5に示した実施形態では、位相同
期回路を用いたPLL周波数シンセサイザ方式の同調機
構(選局機構)を具備したテレビジョンシステムを例に
説明したが、テレビジョンシステムに限らず、ラジオや
無線機あるいは携帯電話(たとえば広帯域の送受信特性
が要求されるW−CDMA方式のもの)などの位相同期
回路を備えた受信用あるいは送信用の通信機器に適用す
ることもできる。また通信機器に限らず、位相同期回路
が使用され、所定の周波数範囲に亘って(比較的離れた
2つの周波数でもよい)使用されるその他の装置にも適
用可能である。たとえば、一般的な角度変調回路や角度
復調回路並びにこれらの回路を備えた装置に適用可能で
ある。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ループ
フィルタ回路として、第1の低域通過フィルタに加え
て、1次ラグリードフィルタなど、位相が周波数の増加
ととともに一旦遅れて次に進んでいくという位相特性が
設定された低域通過フィルタを付加するようにしたの
で、群遅延特性および利得特性は安定して雑音電力を押
し上げるような傾向は見られず、広い発振周波数帯域に
亘ってリファレンスリークを確実に抑圧することがで
き、かつ良好な位相ノイズ特性が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位相同期回路の一実施形態を示す
回路図である。
【図2】図1に示したループフィルタ回路の利得位相特
性を示す図である。
【図3】ループフィルタ回路の第2および第3実施形態
を示す図である。
【図4】ループフィルタ回路の第4〜第6実施形態を示
す図である。
【図5】位相同期回路を有するチューナを備えたテレビ
ジョンシステムの一例を示すブロック図である。
【図6】従来技術を示した図であって、位相同期回路の
基本構成を示したブロック図(A)、ループフィルタ回
路に設けられた低域通過フィルタの一例を示す図
(B)、およびループフィルタ回路の他の例を示す図
(C)である。
【図7】図6(C)に示したループフィルタ回路の利得
位相特性の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…位相同期回路、3…テレビジョンシステム、10…
PLLIC、12…基準発振器、14,16…可変分周
器、18…位相比較器、20…VCO、30…ループフ
ィルタ回路、32…LPF、50…1次ラグリードフィ
ルタ、70…チューナIC、72…ミキサ部、74…I
Fアンプ、80…高周波信号受信回路、82…デジタル
信号復調IC、84…CPU

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御入力端子を具備し、当該制御入力端
    子に入力された制御信号に対応する第1の周波数の信号
    を発生する発振器と、基準となる第2の周波数の基準信
    号と前記第1の周波数に対応する被比較信号との位相を
    比較する位相比較器と、前記位相比較器の出力を平滑化
    し、この平滑化した信号を前記制御信号として前記発振
    器の前記制御入力端子に印加するループフィルタ部とを
    備えた位相同期回路であって、 前記ループフィルタ部は、少なくとも1つのカットオフ
    周波数が設定された第1の低域通過フィルタ部と、位相
    が周波数の増加ととともに一旦遅れて次に進んでいくと
    いう位相特性が設定された第2の低域通過フィルタ部と
    を有することを特徴とする位相同期回路。
  2. 【請求項2】 前記第2の低域通過フィルタ部は、2つ
    の抵抗要素および1つの容量要素を具備した1次ラグリ
    ードフィルタ回路であることを特徴とする請求項1に記
    載の位相同期回路。
  3. 【請求項3】 前記第2の低域通過フィルタ部は、前記
    第1の低域通過フィルタ部の後段に接続されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の位相同期回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の低域通過フィルタ部は、1つ
    の抵抗要素および1つの容量要素を具備し、1つの前記
    カットオフ周波数が設定されることを特徴とする請求項
    1から3のうちの何れか1項に記載の位相同期回路。
  5. 【請求項5】 前記第1の低域通過フィルタ部は、2つ
    の抵抗要素および1つの容量要素を具備し、2つの前記
    カットオフ周波数が設定されることを特徴とする請求項
    1から3のうちの何れか1項に記載の位相同期回路。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つのカットオフ周波数が設
    定された第1の低域通過フィルタ部および位相が周波数
    の増加ととともに一旦遅れて次に進んでいくという位相
    特性が設定された第2の低域通過フィルタ部を含むルー
    プフィルタ部を具備した位相同期回路を備えたことを特
    徴とする同調装置。
  7. 【請求項7】 通信信号を受信する受信部を備え、 前記位相同期回路は、前記受信部が受信した受信波と前
    記発振器から出力された出力信号とを位相比較すること
    を特徴とする請求項6に記載の同調装置。
  8. 【請求項8】 前記受信部は、前記通信信号としてテレ
    ビジョン信号を受信することを特徴とする請求項7に記
    載の同調装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161482A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Audio Technica Corp フィルター回路
CN117118433A (zh) * 2023-10-25 2023-11-24 成都九洲迪飞科技有限责任公司 一种新型的高阶锁相环***、环路滤波器电路及实现方法

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