JP2003200353A - 固定砥粒式の切断用工具及びその製造方法 - Google Patents

固定砥粒式の切断用工具及びその製造方法

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JP2003200353A
JP2003200353A JP2001396263A JP2001396263A JP2003200353A JP 2003200353 A JP2003200353 A JP 2003200353A JP 2001396263 A JP2001396263 A JP 2001396263A JP 2001396263 A JP2001396263 A JP 2001396263A JP 2003200353 A JP2003200353 A JP 2003200353A
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cutting tool
core material
cutting
abrasive grains
woven fabric
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JP2001396263A
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Tetsuo Fujimori
哲雄 藤森
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RIKEN DIAMOND INDUSTRY CO Ltd
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RIKEN DIAMOND INDUSTRY CO Ltd
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同時に複数枚の切断加工を行うことのできる
切断用工具であって、切断加工に必要かつ充分な剛性を
有しながらも、切断加工時において切り代が少なく、砥
粒の保持力にも優れ、また、高い加工精度をもって好適
な切断加工が行える切断用工具を提供する。 【解決手段】 可撓性の芯材の表面に砥粒を固定し、脆
性材料の切断を行えるように構成した切断用工具であっ
て、当該切断用工具の断面形状が略長方形であることを
特徴としている。切断用工具1は、芯材2と、ダイヤモ
ンド粒からなる多数の砥粒3と、砥粒3を芯材2に固定
させるための結合材4とによって構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性の芯材の表
面に砥粒を固定し、脆性材料の切断を行えるように構成
した切断用工具、特に、その断面形状が略長方形となる
ように構成したことを特徴とする切断用工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、直径が300mmを超えるよ
うな大型のガラス、セラミックス、半導体等の脆性材料
の切断加工には、ピアノ線等の剛性のある芯材の表面に
ダイヤモンドからなる砥粒を固定した工具、いわゆる
「ワイヤーソー」が使用されている。
【0003】図10は、このようなワイヤーソー101
の断面斜視図であり、図示されているように、ワイヤー
ソー101は、ピアノ線からなる芯材102と、多数の
ダイヤモンド砥粒103と、レジンボンド、又は、電着
ボンドからなる結合材104とによって構成されてい
る。
【0004】また、図11は、ワイヤーソー101によ
る、シリコンインゴットの切断加工の様子を示したもの
である。この図において、110は、ワイヤーソー10
1を工具として使用する切断装置、111は、シリコン
インゴット(被切断材料)、112a、112b及び1
12cは、それぞれワイヤーソーをガイドする溝を有す
る第1、第2及び第3の滑車、113a及び113b
は、それぞれワイヤーソーを巻き出し、或いは、巻き取
るための第1及び第2のボビンである。また、第1のボ
ビン113a及び第2のボビン113bには、ここでは
図示されない回転駆動手段が接続されている。
【0005】ワイヤーソー101は、図示されているよ
うに、第1の滑車112a、第2の滑車112b及び第
3の滑車112cに複数回巻かれており、その一端は第
1のボビン113aに、その他端は第2のボビン113
bに、それぞれ固定されている。
【0006】そのため、回転駆動手段によって第2のボ
ビン113bが回転すると、ワイヤーソー101は、順
次、図中の矢印D1で示される方向へと移動して、第2
のボビン113bに巻き取られることになる。
【0007】そして、第1の滑車112aと第2の滑車
112bとの間を移動するワイヤーソー101へと、被
切断材料であるシリコンインゴット111を下降させ
(或いは、固定されたシリコンインゴット111へと、
切断装置110を上昇させ)、ワイヤーソー101の表
面に固定されたダイヤモンド砥粒103による切削によ
って、シリコンインゴット111の切断加工を行ってい
る。
【0008】また、脆性材料の切断加工には、以上に説
明したようなワイヤーソーによる方法のほか、ドーナツ
状薄板の内周部にダイヤモンド砥粒を電着した内周刃工
具によって、一枚ずつ切断加工を行う方法も従来より知
られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワイヤ
ーソーや内周刃工具といった従来の切断用工具には、現
在までのところ、以下に示すような欠点が認められてい
る。
【0010】まず、ワイヤーソーは、切断時の切り代が
多いという問題を有している。現在、実用化されている
ワイヤーソーの最小径は0.19mmであり、その切断
時の切り代は0.22mmにも達し、これは、内周刃工
具による切断加工の切り代と比べても格段に多いものと
なってしまう。
【0011】切り代を少なくするためには、ワイヤーソ
ーの芯材の径を細くしなければならないが、芯材を細く
すると、当然に剛性が低下することとなり、切断加工時
のたわみによる直進切断性等の加工精度の低下や、ワイ
ヤーソー自身が加工負荷によって切断されるといった問
題が生じる。ワイヤーソーが切断されてしまうと、切断
面に大きなキズが生じてしまい、切断後の研削・研磨工
程において余計な加工工程を必要とすることになってし
まう。
【0012】また、高い加工精度を確保し、好適な切断
加工が行えるよう、ワイヤーソーには、外径寸法の高い
精度、砥粒の分散状態や突出量の均一性などが要求され
ているが、長さが数kmにも及ぶことがあるため、この
ような要求をすべて満足させることができるワイヤーソ
ーの製造を行うことは、非常に困難である。
【0013】さらに、ワイヤーソーは、砥粒を芯材に固
定する結合材として、レジンボンド、又は、電着ボンド
を使用することが一般的であるが、前者は、砥粒の保持
力が弱く、1〜2回程度の切削によって砥粒が脱落し使
用できなくなってしまうという欠点を有しており、後者
は、砥粒保持力がレジンボンドに比べて長く、工具寿命
が長いという利点を有してはいるが、反面、電着速度が
遅いため、長尺品の製造に相当の時間が必要になるとい
う欠点を有している。
【0014】また、内周刃工具は、その加工の特質上、
直径が300mmを超えるような大型の材料の切断が困
難であるうえ、同時に被切断材料を一枚づつしか切断で
きず、複数枚の切断加工を行うことができないといった
欠点を有している。
【0015】本発明は、以上に説明したような、ワイヤ
ーソーや内周刃工具といった従来の切断用工具が有する
問題を解決すべくなされたものであり、同時に複数枚の
切断加工を行うことのできる切断用工具であって、断面
形状を略長方形としたことにより、切断加工に必要かつ
充分な剛性を有しながらも、切断加工時において切り代
が少なく、砥粒の保持力にも優れ、また、高い加工精度
をもって好適な切断加工が行える切断用工具を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る切断用工具
は、可撓性の芯材の表面に砥粒を固定し、脆性材料の切
断を行えるように構成し、当該切断用工具の断面形状が
略長方形であることを特徴としている。
【0017】また、前記略長方形の短辺部の長さを15
0μm以下、前記略長方形の長辺部の長さを短辺部の長
さの2倍以上とした場合や、前記可撓性の芯材を直径2
0μm以下の強化繊維を編み込んでなる織物によって構
成した場合には、切断加工に充分な剛性を有しながら
も、切り代の少ない切断用工具とすることが可能にな
る。
【0018】さらに、前記砥粒をホットメルト性の接着
剤、又は、ホットメルト性の接着テープによって前記芯
材の表面に固定した場合には、強い保持力をもって砥粒
を固定することができるので、砥粒の脱落による外形の
変化という問題を回避でき、高い精度を持って切断加工
を行うことができるうえ、工具寿命が長く、生産コスト
の低減、工具交換回数の減少による製造作業の簡略化を
図ることができる。
【0019】尚、前記可撓性の芯材を、繊維を筒状に編
み込んだ織物と、熱により固化するように構成した充填
材とによって構成し、当該充填材に含有される前記砥粒
の一部を、当該織物から突出させた状態で固定するよう
にしても良い。
【0020】また、この場合、前記繊維を直径20μm
以下の強化繊維によって構成すれば、高い剛性を有する
切断用工具とすることができる。
【0021】本発明に係る切断用工具の製造方法は、マ
イナス(又はプラス)に帯電させた砥粒を、プラス(又
はマイナス)に帯電させた芯材に、クーロン力によって
付着させた後、この砥粒が付着した芯材にホットメルト
性の接着剤を塗布し、これを加熱によって溶融させた
後、切断用工具を整形するようにしたことを特徴として
いる。
【0022】また、本発明に係る切断用工具を、マイナ
ス(又はプラス)に帯電させた砥粒を、プラス(又はマ
イナス)に帯電させた芯材に、クーロン力によって付着
させた後、この砥粒が付着した芯材にホットメルト性の
接着テープを貼り付け、これを加熱によって溶融させた
後、切断用工具を整形するようにしても良い。
【0023】尚、以上の切断用工具の製造方法におい
て、前記可撓性の芯材を、直径20μm以下の強化繊維
を編み込んでなる織物によって構成し、切断用工具の断
面形状が略長方形となるように構成した場合には、高い
剛性を有する切断用工具を製造することも可能である。
【0024】また、本発明に係る切断用工具を、織物か
らなる筒体の内側に、熱により固化するように構成され
た充填材を詰めたものを、ダイによって成型するととも
に、加熱手段によって加熱して前記充填材を固化させ、
前記充填材に含有される前記砥粒が、前記織物から突出
するようにして製造することも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1
の実施形態に係る切断用工具1の断面斜視図、図2は、
図1に示すAの部分の拡大図である。これらの図に示さ
れているように、切断用工具1は、芯材2と、ダイヤモ
ンド粒からなる多数の砥粒3と、砥粒3を芯材2に固定
させるための結合材4とによって構成されている。
【0026】芯材2は、直径20μm以下の繊維を編み
込んだ織物からなり、図示されているように、その断面
形状が略長方形となるように構成されている。ここで芯
材2の織物となる繊維としては、カーボン繊維、シリコ
ンカーバイト繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維等といった、切断加工時に受ける負
荷に耐え得るような、いわゆる強化繊維を用いることが
好ましい。
【0027】尚、芯材2の厚さ寸法t(図2参照)は、
繊維の編み方によって、150μm以下とすることが可
能である。また、芯材2の幅寸法w(図1参照)は、切
断加工時の負荷に耐え得るようにするため、芯材2の厚
さ寸法tの2倍以上とするのが好ましく、厚さ寸法tの
5倍以上とするのが更に好ましい。
【0028】砥粒3は、ここではダイヤモンド粒を使用
しているが、被切断材料の性質に合わせて、ダイヤモン
ド粒以外の砥粒、例えばCBNをはじめとする公知の砥
粒を使用することも可能である。
【0029】結合材4は、ホットメルト性の接着剤、又
は、ホットメルト性の接着テープからなる結合材であ
り、前述の通り、砥粒3を芯材2に固定させるためのも
のである。
【0030】次に、以上に説明した切断用工具1の製造
方法について説明する。図3は、切断用工具1の製造方
法の一例を示した図であり、この図において、20は、
切断用工具1の製造装置である。
【0031】図示されているように、芯材2は、第1の
ローラー21に巻かれた状態で製造装置20に供給さ
れ、陽電極ローラー22,22間を通過した後、多数の
砥粒3が収容された砥粒槽23の上方へと導かれる。
【0032】このとき、陽電極ローラー22,22は、
プラスに荷電された状態となっているため、この間を通
過した芯材2は、プラスの電荷を帯びることになる。一
方、砥粒槽23は、マイナスに荷電された状態となって
いるため、この砥粒槽23に収容された砥粒3は、マイ
ナスの電荷を帯びている。
【0033】そのため、砥粒槽23に収容された砥粒3
は、砥粒槽23の上方を芯材2が通過する際に、プラス
に帯電している芯材2にクーロン力によって引きつけら
れ、図示されているように、芯材2の表面に付着するこ
とになる。
【0034】そして、この砥粒3が付着した芯材2に、
ホットメルト性の接着剤をスプレー24によって塗布
し、これを、加熱機構が備えられた加熱ローラー25,
25の間を通過させて接着剤を溶融させた後、接着剤が
固化する前に複数の厚さ矯正ローラー26の間を通過さ
せる。こうして、所望する厚さの切断用工具1を得るこ
とができる。27は、このようにして得た切断用工具1
を巻きとるための、第2のローラーである。
【0035】尚、厚さ矯正ローラー26は、砥粒3にダ
イヤモンド等の硬い砥粒を使用した場合であっても、好
適に厚さを矯正することができるよう、テフロン(登録
商標)等の丈夫な材料によって構成することが望まし
い。
【0036】また、切断用工具1は、以上に説明したよ
うな方法の他、以下に示すような方法によって製造する
ことも可能である。図4は、切断用工具1の製造方法の
その他の例を示した図であり、この図において、28
は、切断用工具1の製造装置28である。
【0037】この図において、29は、芯材2とほぼ同
等の幅に形成されたホットメルト性の接着テープ、30
は、接着テープ29が巻かれている第3のローラーであ
る。尚、先に説明した製造装置20と同一の構成品につ
いては、同符号で示し、それらの説明については省略す
る。
【0038】図示されているように、本製造方法におい
ては、表面に砥粒3が付着した後の芯材2の両側面に、
接着剤ではなく、ガイドローラー31によって導かれる
二つのホットメルト性の接着テープ29,29を貼り付
ける。そして、接着テープ29,29が両側面に貼り付
けられた芯材2を、加熱ローラー25,25の間を通過
させて溶融させた後、接着剤が固化する前に複数の厚さ
矯正ローラー26の間を通過させる。こうして、所望す
る厚さの切断用工具1を得ることができる。
【0039】尚、以上に説明した切断用工具1の製造過
程において、陽電極ローラー22、又は、砥粒槽23に
与える電圧を変化させ、芯材2又は砥粒3に帯電させる
電荷の量を変化させることによって、芯材2に付着する
砥粒3の分量をコントロールすることができる。
【0040】次に、切断用工具1を用いた切断加工の方
法について説明する。図5は、切断用工具1を用いた切
断加工の様子を示した図であり、この図において、40
は、切断用工具1を工具として使用する切断装置、41
は、被切断材料、42a及び42bは、切断用工具1用
のガイドローラー、43a及び43bは、それぞれ切断
用工具1を巻き出し、或いは、巻き取るための第1及び
第2のボビンである。また、第1のボビン43a及び第
2のボビン43bには、ここでは図示されない回転駆動
手段が接続されている。
【0041】切断用工具1は、図示されているように、
被切断材料41の図中左側に配設された複数のガイドロ
ーラー42aと、被切断材料41の図中右側に配設され
た複数のガイドローラー42bとの間に、順次架け渡さ
れ、その一端が第1のボビン43aに、その他端が第2
のボビン43bに、それぞれ固定されている。
【0042】そのため、回転駆動手段によって第2のボ
ビン43bが回転すると、切断用工具1は、順次、図中
D2で示される方向へと移動し、第2のボビン43bに
巻き取られることになる。
【0043】そして、ガイドローラー42aとガイドロ
ーラー42bとの間を移動する切断用工具1へと、被切
断材料41を下降させ(或いは、固定された被切断材料
41へと、切断装置40を上昇させ)、切断用工具1の
表面に固定された砥粒3による切削により、被切断材料
41の切断加工を行う。
【0044】尚、上述した切断加工の際に、第1のボビ
ン43aに巻かれた切断用工具1のすべてが巻き出され
た場合、今度は、第1のボビン43aに接続された回転
駆動手段によって、切断用工具1が第1のボビン43a
に巻き取られ、切断用工具1は、矢印D2で示される方
向と反対の方向に移動するようになる。このようにし
て、切断装置40は、切断用工具1を往復移動運動させ
ることにより、被切断材料41を連続的に切断加工でき
るように構成されている。
【0045】また、図6は、切断用工具1によって被切
断材料41を切断する様子を示した拡大図である。図示
されているように、切断用工具1は、その頂端部1aに
固定れている砥粒3aによって、被切断材料41を切削
し、切断加工を行っている。
【0046】このとき、切断用工具1は、その両側面1
b,1bに固定されている砥粒3bによって、切削され
た被切断材料41の内側面(切断面)を研磨する。その
ため、切断用工具1によって切断加工を行った場合に
は、仕上がりの良い加工面を得ることができ、また、切
断後に必要となる研削・研磨の工程を短縮することがで
きる。
【0047】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。本実施形態に係る切断用工具51は、第1の実
施形態に係る切断用工具1と同様に、断面形状が略長方
形となっているものであるが、その製造を、ダイを通し
た成型によって行うことを特徴としている。
【0048】図7は、本実施形態に係る切断用工具51
の製造方法ついて示した図、図8は、図7のP−P線に
よる断面拡大図である。これらの図において、55は、
ダイ、55aは、ダイ55の成型口部、56は、繊維を
筒状に編み込んで構成した織物、57は、所定量の砥粒
3を含有する充填材である。尚、成型口部55aは、加
熱手段(図示せず)によって加熱されるようになってい
る。
【0049】まず、充填材57を織物56によって形成
される筒体の内側に詰めた後、織物56を、ここでは図
示されない引っ張り手段によって図中D3で示される方
向に引っ張り、成型口部55aより、織物56及び充填
材57を引き出す。この際、充填材57に、適当な手段
によって圧力を与え、充填材57が織物56と好適に成
型口部55aより引き出されるようにする。
【0050】尚、織物56は、好適に繊維を編み込むこ
とにより、引っ張られる力が加えられた際に、繊維間の
隙間から砥粒3の一部が突出するように構成されてい
る。従って、図8で示されるように、充填材57に含有
される砥粒3の一部は、成型口部55aより引き出され
た際に、この繊維間の隙間から突出することになる。
【0051】また、充填材57は、円滑に成型されるよ
う、好適な柔らかさを有するペースト状又はゲル状であ
って、加熱により固化するように構成されている。従っ
て、充填材57は、成型口部55aを通過する際に、成
型口部55aの加熱手段によって加熱され固化すること
になる。
【0052】さらに、ダイ55の成型口部55aは、長
方形をしているので、織物56と充填材57とを成型口
部55aより引き出すだけで、略長方形をした切断用工
具51を得ることができる。
【0053】ここで、織物56を構成する繊維として
は、第1の実施形態において挙げたような、強化繊維を
用いることが好ましく、また、この繊維を直径20μm
以下の強化繊維とすれば、厚さが150μm以下の切断
用工具を製造することも可能である。
【0054】また、織物56を構成する繊維にガラス繊
維を使用した場合には、ダイ55を通る加熱成形によっ
て、ガラスチューブを延ばすように繊維自体の直径を小
さくし、微小径の切断用工具を製造することが可能であ
る。また、この製造方法は、切断用工具の成型と同時
に、充填材57を固化させることができるので、少ない
工程で切断用工具を製造することができる。
【0055】図9は、以上に説明したような方法によっ
て製造した切断用工具51の拡大断面図である。図示さ
れているように、切断用工具51は、繊維56と、充填
材57と、砥粒3とからなり、充填材57に含有されて
いる砥粒3が織物56から突出するように構成されてい
る。
【0056】尚、本実施形態において、ダイ55の成型
口部55aを円形状とすることによって、従来より知ら
れるワイヤーソーと同様に、断面形状が円形の切断用工
具を得ることもできる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る切断用工具は、断面形状が
略長方形をしているため、切断加工に十分な剛性を持つ
ことができ、切断加工時におけるたわみが少なく、高い
直進精度をもって切断加工を行うことができる。また、
切断用工具の厚さを薄くすることが可能となっているの
で、従来の切断用工具と比べて少ない切り代で切断加工
を行うことができる。
【0058】さらに、砥粒の固定にホットメルト性の接
着剤や接着テープを使用しているので、レジンボンドや
電着ボンドによる砥粒の固定方法より、格段強い保持力
をもって砥粒を固定することができるので、砥粒の脱落
による外形の変化という問題を回避でき、高い精度を持
って切断加工を行うことができるうえ、工具寿命が長
く、生産コストの低減、工具交換回数の減少による製造
作業の簡略化を図ることができる。
【0059】また、本実施形態に係る切断用工具は、そ
の側面にも砥粒を保持しているので、切断と同時に、切
断面を研磨することができ、その後に必要となる研削・
研磨の工程を短縮することが可能である。
【0060】加えて、本発明に係る切断用工具によれ
ば、同時に複数枚の切断加工を、直径が300mmを超
えるような大型の材料に対しても行うことができる。
【0061】本発明に係る切断用工具の製造方法は、そ
の過程において、帯電によるクーロン力によって芯材に
砥粒を付着させる方法を採用しているので、砥粒にダイ
ヤモンド粒を使用した場合には、ダイヤモンド粒の鋭利
な部分が芯材に付着することになる。これにより、ダイ
ヤモンド粒の特性として鋭利な部分の反対側にも同様に
鋭利な部分を有する確率が高いことから、被切断材料の
切断に有利となる鋭利な部分を表面に有する切断用工具
を製造することができる。
【0062】また、製造過程において、工具の厚さを矯
正する工程を設けているので、高い精度を持って、工具
の厚さに均一性を持たせることが可能で、高い加工精度
に応えうる切断用工具を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る切断用工具1
の断面斜視図。
【図2】 図1に示すAの部分の拡大図。
【図3】 切断用工具1の製造方法の一例を示した図。
【図4】 切断用工具1の製造方法のその他の例を示し
た図。
【図5】 切断用工具1を用いた切断加工の様子を示し
た図。
【図6】 切断用工具1によって被切断材料41を切断
する様子を示した拡大図。
【図7】 切断用工具51の製造方法について示した
図。
【図8】 図7のP−P線における拡大断面図。
【図9】 切断用工具51の拡大断面図。
【図10】 ワイヤーソー101の断面斜視図。
【図11】 ワイヤーソー101による、シリコンイン
ゴットの切断加工の様子を示した図。
【符号の説明】
1:切断用工具、 1a:切断用工具1の頂端部、 1b:切断用工具1の側面、 2:芯材、 3:砥粒、 4:結合材、 20:製造装置、 21:第1のローラー、 22:陽電極ローラー、 23:砥粒槽、 24:スプレー、 25:加熱ローラー、 26:厚さ矯正ローラー、 27:第2のローラー、 28:製造装置、 29:接着テープ、 30:第3のローラー、 31:ガイドローラー、 40:切断装置、 41:被切断材料、 42a:ガイドローラー 42b:ガイドローラー 43a:第1のボビン、 43b:第2のボビン、 51:切断用工具、 55:ダイ、 55a:ダイ55の成型口部、 56:織物、 57:充填材、 101:ワイヤーソー、 102:芯材、 103:ダイヤモンド砥粒、 104:結合材、 111:シリコンインゴット(被切断材料)、 112a:第1の滑車、 112b:第2の滑車、 112c:第3の滑車、 113a:第1のボビン、 113b:第2のボビン、

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の芯材の表面に砥粒を固定し、脆
    性材料の切断を行えるように構成した切断用工具におい
    て、当該切断用工具の断面形状が略長方形であることを
    特徴とする切断用工具。
  2. 【請求項2】 前記略長方形の短辺部の長さが150μ
    m以下、前記略長方形の長辺部の長さが短辺部の長さの
    2倍以上となっていることを特徴とする請求項1に記載
    の切断用工具。
  3. 【請求項3】 前記可撓性の芯材が、直径20μm以下
    の強化繊維を編み込んでなる織物によって構成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切断
    用工具。
  4. 【請求項4】 前記砥粒が、ホットメルト性の接着剤、
    又は、ホットメルト性の接着テープによって前記芯材の
    表面に固定されていることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の切断用工具。
  5. 【請求項5】 前記可撓性の芯材が、繊維を筒状に編み
    込んだ織物と、熱により固化するように構成された充填
    材とからなり、当該充填材に含有される前記砥粒の一部
    が、当該織物から突出するように固定されていることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切断用工具。
  6. 【請求項6】 前記織物を編むための繊維が、直径20
    μm以下の強化繊維によって構成されていることを特徴
    とする請求項5に記載の切断用工具。
  7. 【請求項7】 マイナスに帯電させた砥粒を、プラスに
    帯電させた芯材にクーロン力によって付着させた後、又
    は、プラスに帯電させた砥粒を、マイナスに帯電させた
    芯材にクーロン力によって付着させた後、前記砥粒が付
    着した芯材にホットメルト性の接着剤を塗布し、これを
    加熱によって溶融させた後、切断用工具を整形するよう
    にしたことを特徴とする切断用工具の製造方法。
  8. 【請求項8】 マイナスに帯電させた砥粒を、プラスに
    帯電させた芯材にクーロン力によって付着させた後、又
    は、プラスに帯電させた砥粒を、マイナスに帯電させた
    芯材にクーロン力によって付着させた後、前記砥粒が付
    着した芯材にホットメルト性の接着テープを貼り付け、
    これを加熱によって溶融させた後、切断用工具を整形す
    るようにしたことを特徴とする切断用工具の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記可撓性の芯材が、直径20μm以下
    の強化繊維を編み込んでなる織物によって構成されてい
    ることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の切断
    用工具の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記可撓性の芯材が、直径20μm以
    下の強化繊維を編み込んでなる織物によって、その断面
    形状が略長方形となるように構成されていることを特徴
    とする請求項7又は請求項8に記載の切断用工具の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 織物からなる筒体の内側に、熱により
    固化するように構成された充填材を詰めたものを、ダイ
    によって成型するとともに、加熱手段によって加熱して
    前記充填材を固化させ、前記充填材に含有される前記砥
    粒が、前記織物から突出するようになっていることを特
    徴とする切断用工具の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009125864A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Nihon Micro Coating Co Ltd 研磨シート及び研磨シートの製造方法
JP2009131909A (ja) * 2007-11-28 2009-06-18 Nihon Micro Coating Co Ltd 研磨シートおよび研磨シートの製造方法
JP2011067934A (ja) * 2009-08-24 2011-04-07 Noritake Super Abrasive Co Ltd 固定砥粒ワイヤおよびその製造方法
JP2012152830A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Noritake Co Ltd 固定砥粒ワイヤおよびその製造方法
JP2015057303A (ja) * 2013-08-09 2015-03-26 東京製綱株式会社 固定砥粒ソーワイヤおよびその製造方法

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