JP2003197143A - 低真空走査電子顕微鏡 - Google Patents

低真空走査電子顕微鏡

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JP2003197143A JP2001396048A JP2001396048A JP2003197143A JP 2003197143 A JP2003197143 A JP 2003197143A JP 2001396048 A JP2001396048 A JP 2001396048A JP 2001396048 A JP2001396048 A JP 2001396048A JP 2003197143 A JP2003197143 A JP 2003197143A
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Yasuaki Suzuki
康朗 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料のX線分析を行う際の試料上の一次電子
ビームの照射領域を正確に把握することができる低真空
走査電子顕微鏡を実現する。 【解決手段】 図2(a)は通常の反射電子線像Iであ
り、分析モードにすると、コンピュータ23の制御によ
り画像信号処理装置28において試料の画像信号にカー
ソル信号が重畳され、その結果、陰極線管29上には、
図2(b)に示すように、反射電子像Iに重畳してカー
ソルCが表示される。その後カーソルの位置を分析希望
位置に合わせ、分析開始を指示すれば、一次電子ビーム
4が試料8上のカーソルで指定された特定位置に連続し
て照射され、所定時間特性X線の検出が行われる。更
に、このカーソルの位置を分析希望位置に合わせる際、
陰極線管29上には一次電子ビーム4が拡散して試料に
当たる照射領域も併せて表示される。図2(c)はその
ような表示の一例であり、一次電子ビーム4が拡散して
照射される領域Rが表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料室内部を低真
空に維持し、試料のチャージアップを防止すると共に水
分を含んだ試料の像観察と試料の所望点のX線分析を行
うことができる低真空走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の走査電子顕微鏡では、試料上に電
子ビームを細く集束すると共に、試料上の所定範囲を電
子ビームで走査するようにしている。試料に電子ビーム
を照射することによって2次電子が発生するが、この2
次電子を検出し、この検出信号を一次電子ビームの走査
と同期した陰極線管に供給し、試料の走査像を表示する
ようにしている。また、近年、このような走査電子顕微
鏡にエネルギー分散型のX線分析器を装着し、試料上の
特定点や領域のX線分析を行うことも実行されている。
【0003】一方、試料が絶縁物試料の場合や、試料に
水分が含まれている場合には、試料が入れられる試料室
の真空度を低くすることが行われている。このような走
査電子顕微鏡は低真空走査電子顕微鏡と呼ばれ、試料室
と電子銃、コンデンサレンズ、対物レンズなどが収納さ
れている電子光学鏡筒内の電子ビーム通路との間には、
電子ビーム通過用の微細な開口を有したオリフィス絞り
を設け、鏡筒内と試料室内とを差動排気するように構成
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した走
査電子顕微鏡を用いて試料のX線分析を行う際には、ま
ず試料の走査像を陰極線管上に表示させ、この像を観察
しながら、X線分析点を選択するようにしている。この
X線分析点の選択は、陰極線管上にカーソルや輝点を表
示し、そのカーソルや輝点を所望とする分析位置に合わ
せることによって行う。このような操作の後、電子ビー
ムがカーソル等で指示され位置に細く集束され、電子ビ
ームの照射によって発生した特性X線が検出される。
【0005】しかしながら、電子ビームは低真空下の試
料室内で多くのガス分子と衝突し、拡散現象を引き起こ
す。この結果、試料上の電子ビームの照射領域は、ある
大きさを有することになり、検出される特性X線も選択
した分析点からのものだけではなく、その周囲の領域か
らの特性X線も混ざったもとなる。このため、観察者と
しては、得られたX線分析データが試料のどの領域から
発生した特性X線に基づくものであるかを認識すること
は非常に重要である。
【0006】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、試料のX線分析を行う際の試料上
の一次電子ビームの照射領域を正確に把握することがで
きる低真空走査電子顕微鏡を実現するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に基づく
低真空走査電子顕微鏡は、電子銃から発生し加速された
一次電子ビームをコンデンサレンズと対物レンズによっ
て試料室内の試料上に細く集束すると共に、試料上の一
次電子ビームの照射範囲を2次元的に走査し、試料への
一次電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、
検出信号に基づいて試料の走査像を得るように構成され
ていると共に、試料の所望の位置に電子ビームを照射し
た結果発生した特性X線を検出する検出器が設けられ、
試料のX線分析を行い得る走査電子顕微鏡であって、試
料室内を低真空に維持するように構成した走査電子顕微
鏡において、表示手段上に表示された試料の走査像に重
畳して、X線分析を行う際の試料表面上における電子ビ
ームの照射領域を表示させるように構成したことを特徴
としている。
【0008】請求項1の発明では、試料室内を低真空に
維持するように構成した走査電子顕微鏡において、表示
手段上に表示された試料の走査像に重畳して、X線分析
を行う際の試料表面上における電子ビームの照射領域を
表示させるように構成したので、試料のどの範囲のX線
分析を行っているかの確認を容易に行うことができると
共に、所望とするX線分析領域の選択を容易に行うこと
ができる。
【0009】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、表示される電子ビームの試料表面上における照射
領域を、試料室内の真空度に応じて変えるようにした。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、表示さ
れる電子ビームの試料表面上における照射領域を、試料
室内の真空度と試料室内の雰囲気に応じて変えるように
した。
【0010】請求項4の発明では、請求項1〜3の発明
において、表示される電子ビームの試料表面上における
照射領域を、電子ビームの加速電圧に応じて変えるよう
にした。
【0011】請求項5の発明では、請求項1〜4の発明
において、表示される電子ビームの試料表面上における
照射領域を、対物レンズと試料との間の距離に応じて変
えるようにした。
【0012】請求項6の発明では、請求項1の発明にお
いて、表示手段上に表示された試料の走査像に重畳し
て、X線分析を行う際の試料表面上における電子ビーム
の照射領域の表示を、照射ビームの強度分布に応じた等
高線表示とした。
【0013】請求項7の発明では、請求項1の発明にお
いて、電子ビームの照射領域の大きさを決定するパラメ
ータと、パラメータの値に応じた電子ビームの照射領域
の大きさのデータが記憶されたメモリーが備えられ、パ
ラメータの設定に基づきメモリーから電子ビームの照射
領域の大きさのデータを読み出し、読み出されたデータ
に基づいて表示手段上に電子ビームの照射領域を表示す
るように構成した。
【0014】請求項8の発明では、請求項7の発明にお
いて、電子ビームの照射領域を決定するパラメータの値
に応じた電子ビームの照射領域の大きさのデータは、あ
らかじめパラメータの値を変えながら電子ビームの照射
領域を測定し、測定データをメモリーに記憶するように
した。
【0015】請求項9の発明では、請求項7の発明にお
いて、電子ビームの照射領域を決定するパラメータの値
に応じた電子ビームの照射領域の大きさのデータは、あ
らかじめ理論計算によりパラメータの値に応じた電子ビ
ームの照射領域の大きさを求め、求められた値をメモリ
ーに記憶するようにした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に基づく低
真空走査電子顕微鏡の一例を示したもので、1は走査電
子顕微鏡の鏡筒である。鏡筒1の上部には電子銃室2が
配置されている。電子銃室2内には、熱電子銃や電界放
射型電子銃などの電子銃3が設けられている。
【0017】電子銃3から発生し加速された一次電子ビ
ーム4は、コンデンサレンズ5と対物レンズ6によって
試料室7内に配置された試料8上に細く集束される。対
物レンズ6の上部には、一次電子ビーム4を偏向するた
めの走査コイル9が設けられている。走査コイル9に
は、図示していない走査信号発生回路から、試料8の所
定領域を一次電子ビームで走査するための走査信号が供
給される。
【0018】対物レンズ6の底部には、微小開口を有し
たオリフィス絞り10が設けられている。このオリフィ
ス絞り10により、電子銃室2から対物レンズ6内部の
各空間と、試料室7内とは差動排気される。すなわち、
電子銃室2や対物レンズ6上部の空間は、排気管11を
介して拡散ポンプ等により高真空に排気されている。
【0019】試料室7には、3つの開閉バルブ12,1
3,14が設けられているが、開閉バルブ12は排気管
11との接続のために設けられており、走査電子顕微鏡
を低真空で使用する際にはこのバルブは閉じられ、走査
電子顕微鏡を高真空で使用する際にはこのバルブは開け
られる。バルブ13はロータリーポンプ(図示せず)に
接続され、バルブ14は切換バルブ15に接続されてい
る。
【0020】切換バルブ15は、大気に通じた管16と
窒素ガス源17とアルゴンガス源18とを切り換えてバ
ルブ14に接続する。3つの開閉バルブ12,13,1
4、切換バルブ15は、排気系制御装置19によってバ
ルブの開閉や切り換えの制御が行われる。排気系制御装
置19には、試料室7内の真空度を測定する真空計20
の測定データが供給される。
【0021】このような排気系の構成によれば、排気系
制御装置19は開閉バルブ13と開閉バルブ14を開
け、ロータリーポンプによって試料室7内を排気する。
この際、切換バルブ15によってアルゴンガス源18が
バルブ14に接続されていれば、試料室7内にアルゴン
ガスが入れられる。このとき真空計20によって試料室
7内の真空度が監視され、所定の真空度になった段階
で、排気系制御装置19は開閉バルブ13と14を閉じ
る。
【0022】このような制御を行うことにより、試料室
7内は所定の低真空度のアルゴンガス雰囲気に維持され
る。なお、切換バルブ15によって窒素ガス源17を選
択すれば、試料室7内は窒素ガス雰囲気に維持され、切
換バルブ15によって大気を選択すれば、試料室7内は
大気雰囲気に維持される。
【0023】試料8は試料ステージ21により、水平方
向(X−Y方向)と垂直方向(高さ方向)とに移動させ
られる。試料ステージ21はステージ制御装置22によ
って制御され、試料8を水平方向や垂直方向に移動させ
る。なお、ステージ制御装置22と排気系制御装置19
は、コンピュータ23によってコントロールされる。コ
ンピュータ23は、電子銃3の加速電圧等を制御する電
子銃制御装置24や対物レンズ6の制御装置25をもコ
ントロールする。
【0024】試料室7内の試料8の上部には、中心部に
電子ビーム通過開口を有した円盤状の反射電子検出器2
6が配置されている。反射電子検出器26の検出信号
は、増幅器27によって増幅された後、画像信号処理装
置28に供給される。画像信号処理装置28は、検出信
号(画像信号)のコントラストや輝度の調整を行った
り、画像信号にカーソル信号等を重畳させる。画像信号
処理装置28はコンピュータ23によってコントロール
されており、画像信号処理装置28からの映像信号は、
陰極線管29に供給され、陰極線管29上には試料の反
射電子像が表示される。
【0025】試料室7内の試料8の上部には、X線検出
器30も設けられている。X線検出器は、検出信号のノ
イズを軽減するために、液体窒素温度に冷却されている
が、その詳細な構成は省略されている。X線検出器30
によって検出されたパルス状の信号は、増幅器31によ
って増幅された後、波高分析器32に供給される。波高
分析器32によって分析されたX線データは、コンピュ
ータ23を介してプリンター33によって記録され、あ
るいは、コンピュータ23を介して画像信号処理装置2
8に供給され、陰極線管29上にX線分析データが表示
される。
【0026】コンピュータ23にはメモリー34が接続
されているが、このメモリー34には、電子ビーム4の
試料室7内における拡散の情報が記憶されている。ま
た、コンピュータ23にはマウスなどのポインティング
デバイス35が設けられている。このような構成の動作
を次に説明する。
【0027】まず、低真空下における試料8の像観察に
ついて説明する。最初に電子銃室2から対物レンズ6内
に至る電子ビーム通過領域を排気管11を介して、例え
ば、拡散ポンプで真空排気し、それらの領域の真空度を
1×10-1Pa程度とする。また、試料室7内部をバル
ブ13と14をオープンにし、バルブ13を介してロー
タリーポンプで試料室内を排気すると共に、バルブ14
を介して大気あるいは窒素ガス等を試料室7内に導入
し、この試料室内の真空度を10〜300Pa程度の低
真空に維持する。
【0028】鏡筒1と試料室7内部を所望の真空度にし
た後、電子銃室2内の電子銃3から一次電子ビーム4を
発生し加速させる。一次電子ビーム4はコンデンサレン
ズ5と対物レンズ6により試料8に細く集束される。更
に一次電子ビーム4は、走査コイル9によって2次元的
に走査される。一次電子ビーム4によって試料8からは
反射電子や2次電子、更には特性X線が発生する。この
内、試料からの反射電子は、反射電子検出器26によっ
て検出され、この検出信号は画像信号処理装置28を介
して陰極線管29に供給されることから、陰極線管29
には、反射電子像が表示される。
【0029】また、試料8への一次電子ビーム4の照射
に伴って発生した特性X線は、X線検出器30によって
検出される。この際、一次電子ビーム4は試料室7内で
ガス分子と衝突し拡散する。したがって、一次電子ビー
ム4を各レンズによって細く集束させたのにもかかわら
ず、試料8上の一次電子ビーム4の照射領域は拡散によ
って広がったものとなる。
【0030】ところで、このX線分析を行う試料部分の
選択は、陰極線管29上に表示された試料の反射電子像
を観察し、同時に陰極線管29上にカーソルを表示さ
せ、ポインティングデバイス35を操作してカーソルの
位置を分析希望位置に合わせる。この点を図を用いて説
明する。図2(a)は通常の反射電子線像Iであり、分
析モードにすると、コンピュータ23の制御により画像
信号処理装置28において試料の映像信号にカーソル信
号が重畳され、その結果、陰極線管29上には、図2
(b)に示すように、反射電子像Iに重畳してカーソル
Cが表示される。その後ポインティングデバイス35を
操作してカーソルの位置を分析希望位置に合わせ、分析
開始を指示すれば、一次電子ビーム4が試料8上のカー
ソルで指定された特定位置に連続して照射され、所定時
間特性X線の検出が行われる。
【0031】更に、このカーソルの位置を分析希望位置
に合わせる際、陰極線管29上には一次電子ビーム4が
拡散して試料に当たる領域も併せて表示される。図2
(c)はそのような表示の一例であり、一次電子ビーム
4が拡散して照射される領域Rが表示される。
【0032】このような表示がなされることにより、オ
ペレータは、一次電子ビーム4が試料上のどの照射範囲
RのX線分析を行っているのかを正確に知るとができ
る。また、照射領域RがX線分析上、試料上の不都合な
領域を含まないようにカーソルCの位置を設定すること
ができる。なお、陰極線管29上に表示される一次電子
ビームの照射領域Rの大きさは、表示される試料像の倍
率に応じて変えられる。
【0033】さて、照射領域Rの大きさは、一次電子ビ
ーム4の加速電圧V、およびビーム電流量I、試料室7
内の圧力P(真空度)、試料室7内のガスの種類Z、試
料8の高さ方向の位置Wd(作動距離)のパラメータ情
報によって変化する。その結果、コンピュータ23に接
続されたメモリー34には、複数種のパラメータ情報の
組み合わせに対応した電子ビームの照射領域の大きさが
記憶されている。このパラメーター情報として、電子銃
制御装置24からコンピュータ23には、電子ビームの
加速電圧Vの信号とビーム電流Iの信号が供給され、対
物レンズ制御装置25からコンピュータ23には、対物
レンズ6のフォーカスが合った条件より求めた作動距離
Wdの情報が供給される。
【0034】更に、排気系制御装置19からコンピュー
タ23には、試料室7内の真空度Pの情報と、試料室7
内のガスの種類Zの情報が供給される。尚、作動距離の
情報は、ステージ制御装置22からコンピュータ23に
試料の高さ方向の位置情報として供給される場合もあ
る。コンピュータ23は供給された各種パラメータ情報
の組み合わせに対応した一次電子ビームの照射領域Rの
大きさデータをメモリー34から読み出し、そのデータ
を画像信号処理装置28に供給する。
【0035】さて、メモリー34に記憶される各種パラ
メータ情報の組み合わせに対応した照射領域Rの大きさ
データは、実験的に求めることもでき、また、モンテカ
ルロ法などのコンピュータシミュレーションを用いて求
めることもできる。実験的に求める場合の一例として
は、試料8として図3に示すような銅(Cu)より成る
ナイフエッジ40を用いる。そして、図3(a)に示す
ように、ナイフエッジ部を横切るように一次電子ビーム
4をライン走査し、その時ナイフエッジ40から発生す
る反射電子を反射電子検出器26により検出する。図3
(b)において、31はライン走査により得られた反射
電子強度変化曲線であり、32は反射電子強度変化曲線
31を微分処理して求められた一次電子ビーム4の広が
り領域を表した曲線で、この広がり領域がナイフエッジ
40に照射される照射領域Rの大きさに相当する。この
ような照射領域Rの測定は、照射領域の大きさに影響を
与えるパラメータとして、一次電子ビームの加速電圧
V、電子ビーム電流I、試料室の圧力P、作動距離Wd
のそれぞれを複数段階に変化させながら行われる。その
結果、V、I、P、Wdの4つのパラメータをそれぞれ
複数段階に変化させたすべての組合せについて照射領域
Rの大きさを表すデータがテーブルとして、例えば図6
に示すようにメモリー34に記憶される。
【0036】特定の作動距離Wdの値について、図6
は、加速電圧をV1、V2、V3、試料室の圧力をP
1、P2、P3、ビーム電流をI(大)、I(中)、I
(小)と、それぞれ3段階に変化させ、図3(a)、
(b)に従って照射領域Rを測定して得られたテーブル
例を示す。図6においてR111、R112等は一次電子ビー
ムの試料面上での照射径を表している。
【0037】ところで、一次電子ビーム4の照射領域R
は強度分布を有しているため、図4に示すように、照射
ビーム強度の等高線表示を行い、強度の割合を併せて表
示することは有効である。また、X線分析を試料上の特
定点(スポット)に対して行うのではなく、試料の所定
の領域(面積)のX線分析を行う場合には、その面積に
応じた一次電子ビームの広がりを表示する。例えば、図
5(a)や(b)で示した試料像における斜線を施した
面積部分で一次電子ビームを走査し、X線分析を行う場
合、図5(c)や(d)に示すように、電子ビームの広
がり領域が表示される。
【0038】以上本発明の実施の形態を説明したが、本
発明はこの実施の形態に限定されない。例えば、試料像
として反射電子像を用いたが、2次電子像を用いてもよ
い。また、一次電子ビームの拡散の大きさを求める際
に、拡散の大きさに影響を与える全ての要因について考
慮する必要はなく、影響力の大きな要因についてのみ考
慮して一次電子ビームの拡散(広がり)の大きさを求
め、あるいはその大きさの表示を行うようにしてもよ
い。更に、X線の分析にエネルギー分散型X線分析器を
用いたが、波長分散型X線分析器を用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、試料室内を低真空に維持するように構成した走査電
子顕微鏡において、表示手段上に表示された試料の走査
像に重畳して、X線分析を行う際の試料表面上における
電子ビームの照射領域を表示させるように構成したの
で、試料のどの範囲のX線分析を行っているかの確認を
容易に行うことができると共に、所望とするX線分析領
域の選択を容易に行うことができる。
【0040】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、表示される電子ビームの試料表面上における照射
領域を、試料室内の真空度に応じて変えるようにしたの
で、試料室内の真空度が変化しても、試料のどの範囲の
X線分析を行っているかの確認を容易に行うことができ
ると共に、所望とするX線分析領域の選択を容易に行う
ことができる。
【0041】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、表示される電子ビームの試料表面上における照射
領域を、試料室内の真空度と試料室内の雰囲気に応じて
変えるようにしたので、試料室内の雰囲気を変えても、
試料のどの範囲のX線分析を行っているかの確認を容易
に行うことができると共に、所望とするX線分析領域の
選択を容易に行うことができる。
【0042】請求項4の発明では、請求項1〜3の発明
において、表示される電子ビームの試料表面上における
照射領域を、電子ビームの加速電圧に応じて変えるよう
にしたので、一次電子ビームの加速電圧を変えても、試
料のどの範囲のX線分析を行っているかの確認を容易に
行うことができると共に、所望とするX線分析領域の選
択を容易に行うことができる。
【0043】請求項5の発明では、請求項1〜4の発明
において、表示される電子ビームの試料表面上における
照射領域を、対物レンズと試料との間の距離に応じて変
えるようにしたので、作動距離の変化によっても、試料
のどの範囲のX線分析を行っているかの確認を容易に行
うことができると共に、所望とするX線分析領域の選択
を容易に行うことができる。
【0044】請求項6の発明では、請求項1の発明にお
いて、表示手段上に表示された試料の走査像に重畳し
て、X線分析を行う際の試料表面上における電子ビーム
の照射領域の表示を、照射ビームの強度分布に応じた等
高線表示としたので、試料のどの部分から特性X線が多
く発生するかが容易に確認することができる。
【0045】請求項7の発明では、請求項1の発明にお
いて、電子ビームの照射領域の大きさを決定するパラメ
ータと、パラメータの値に応じた電子ビームの照射領域
の大きさのデータが記憶されたメモリーが備えられ、パ
ラメータの設定に基づきメモリーから電子ビームの照射
領域の大きさのデータを読み出し、読み出されたデータ
に基づいて表示手段上に電子ビームの照射領域を表示す
るように構成したので、試料のどの範囲のX線分析を行
っているかの確認を容易に行うことができると共に、所
望とするX線分析領域の選択を容易に行うことができ
る。
【0046】請求項8の発明では、請求項7の発明にお
いて、電子ビームの照射領域を決定するパラメータの値
に応じた電子ビームの照射領域の大きさのデータは、あ
らかじめパラメータの値を変えながら電子ビームの照射
領域を測定し、測定データをメモリーに記憶するように
したので、請求項7と同様の効果が達成できる。
【0047】請求項9の発明では、請求項7の発明にお
いて、電子ビームの照射領域を決定するパラメータの値
に応じた電子ビームの照射領域の大きさのデータは、あ
らかじめ理論計算によりパラメータの値に応じた電子ビ
ームの照射領域の大きさを求め、求められた値をメモリ
ーに記憶するようにしたので、請求項7と同様の効果が
達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく低真空走査電子顕微鏡の一例を
示す図である。
【図2】一次電子ビームの照射領域の表示例を示す図で
ある。
【図3】一次電子ビームの照射領域の大きさを実験で求
める方法を説明するための図である。
【図4】一次電子ビームの照射領域を等高線表示する例
を示す図である。
【図5】一次電子ビームの照射領域の他の表示例を示す
図である。
【図6】一次電子ビームの照射領域の大きさを実験で求
めたデータテーブル例である。
【符号の説明】
1 鏡筒 2 電子銃室 3 電子銃 5 コンデンサレンズ 6 対物レンズ 7 試料室 8 試料 9 走査コイル 10 オリフィス絞り 19 排気系制御装置 20 真空計 21 試料ステージ 22 ステージ制御装置 23 コンピュータ 24 電子銃制御装置 25 対物レンズ制御装置 26 反射電子検出器 28 画像信号処理装置 29 陰極線管 30 X線検出器 32 波高分析器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃から発生し加速された一次電子ビ
    ームをコンデンサレンズと対物レンズによって試料室内
    の試料上に細く集束すると共に、試料上の一次電子ビー
    ムの照射範囲を2次元的に走査し、試料への一次電子ビ
    ームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に
    基づいて試料の走査像を得るように構成されていると共
    に、試料の所望の位置に電子ビームを照射した結果発生
    した特性X線を検出する検出器が設けられ、試料のX線
    分析を行い得る走査電子顕微鏡であって、試料室内を低
    真空に維持するように構成した走査電子顕微鏡におい
    て、表示手段上に表示された試料の走査像に重畳して、
    X線分析を行う際の試料表面上における電子ビームの照
    射領域を表示させるように構成した低真空走査電子顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 表示される電子ビームの試料表面上にお
    ける照射領域は、試料室内の真空度に応じて変えられる
    請求項1記載の低真空走査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 表示される電子ビームの試料表面上にお
    ける照射領域は、試料室内の真空度と試料室内の雰囲気
    に応じて変えられる請求項2記載の低真空走査電子顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】 表示される電子ビームの試料表面上にお
    ける照射領域は、電子ビームの加速電圧に応じて変えら
    れる請求項1〜3の何れかに記載の低真空走査電子顕微
    鏡。
  5. 【請求項5】 表示される電子ビームの試料表面上にお
    ける照射領域は、対物レンズと試料との間の距離に応じ
    て変えられる請求項1〜4の何れかに記載の低真空走査
    電子顕微鏡。
  6. 【請求項6】 表示手段上に表示された試料の走査像に
    重畳して、X線分析を行う際の試料表面上における電子
    ビームの照射領域の表示を、照射ビームの強度分布に応
    じた等高線表示とした請求項1記載の低真空走査電子顕
    微鏡。
  7. 【請求項7】 電子ビームの照射領域の大きさを決定す
    るパラメータと、パラメータの値に応じた電子ビームの
    照射領域の大きさのデータが記憶されたメモリーが備え
    られ、パラメータの設定に基づきメモリーから電子ビー
    ムの照射領域の大きさのデータを読み出し、読み出され
    たデータに基づいて表示手段上に電子ビームの照射領域
    を表示するように構成した請求項1記載の低真空走査電
    子顕微鏡。
  8. 【請求項8】 電子ビームの照射領域を決定するパラメ
    ータの値に応じた電子ビームの照射領域の大きさのデー
    タは、あらかじめパラメータの値を変えながら電子ビー
    ムの照射領域を測定し、測定データをメモリーに記憶す
    るようにした請求項7記載の低真空走査電子顕微鏡。
  9. 【請求項9】 電子ビームの照射領域を決定するパラメ
    ータの値に応じた電子ビームの照射領域の大きさのデー
    タは、あらかじめ理論計算によりパラメータの値に応じ
    た電子ビームの照射領域の大きさを求め、求められた値
    をメモリーに記憶するようにした請求項7記載の低真空
    走査電子顕微鏡。
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