JP2003195223A - プリズム、投影装置及び光学部材 - Google Patents

プリズム、投影装置及び光学部材

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JP2003195223A
JP2003195223A JP2002289146A JP2002289146A JP2003195223A JP 2003195223 A JP2003195223 A JP 2003195223A JP 2002289146 A JP2002289146 A JP 2002289146A JP 2002289146 A JP2002289146 A JP 2002289146A JP 2003195223 A JP2003195223 A JP 2003195223A
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英樹 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリズムにおいて、広い入射角度の光束に対
して光束の適切な分離合成を行う。 【解決手段】 本発明を適用した回折プリズム15は、
回折グリッド21を一対の回折グリッド基材22により
挟み込み、回折グリッド基材22の回折グリッド21と
対向する面側に軟性を有する接着層23を介して一対の
プリズム基材24が接合されており、また、回折グリッ
ド21と回折グリッド基材22とにより形成される空隙
に、プリズム基材24と略同等の屈折率を有する回折グ
リッド媒質25が充填されており、それぞれが光学的に
結合されているので、入射した光線が回折グリッド21
まで導かれ、この回折グリッド21により回折による作
用で偏光方向に応じて透過又は反射して分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源から出射され
た照明光を波長又は偏光成分に応じて分離するプリズム
と、光源から出射された照明光を反射型の光変調素子を
用いて変調してレンズを用いて拡大投影する投影装置
と、これらプリズム及び投影装置に用いられる光学部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大画面表示を可能とするために、
入力された映像信号に応じたパターンが表示された液晶
パネルにランプから照明光を照射し、液晶パネルで変調
し反射して、この反射光を、投影レンズを用いて拡大投
影する投影装置がある。
【0003】この投影装置では、液晶パネルへの照明光
と液晶パネルで変調された反射光とが同一光路とならな
いように、光路中に往路と復路とを分離する偏光ビーム
スプリッタ(以下では、PBS:Polarized Beam Split
terという。)が配設されている。このPBS200
は、図10に示すように、誘電体多層膜201を挟み込
むように基材となる一対のコーナープリズム202を張
り合わせた構造となっている。また、このPBS200
は、誘電体多層膜201が光の波長又は偏光方向に応じ
て反射率と透過率とが異なるように形成され、波長又は
偏光方向応じて光束を分離するビームスプリッタとして
機能する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】なお、上述したようなPBS200は、誘
電体多層膜201が偏光成分に応じて光束を分離するマ
クナイル型と、波長に応じて光束を分離するダイクロイ
ック型とに分類することができる。
【0005】マクナイル型やダイクロイック型のように
誘電体多層膜の干渉を利用したPBSでは、基材の屈折
率や積層される誘電体材料の組み合わせにより性能が決
定され、所望の性能とするには限界がある。例えば、こ
のようなPBSでは、広い入射角度でP偏光とS偏光と
の分離特性を維持することが非常に困難である。このた
め、このPBSを角度分布の大きい、いわゆるF値の小
さい光学系の中に組み入れると分離特性が悪く、光の利
用効率も悪くなってしまう。
【0006】その解決策として、図11に示すような、
平板形状の回折グリッドPBS210を用いることがで
きる(例えば、特許文献2参照。)。このような回折グ
リッドPBS210は、例えば、ガラス基材211上
に、アルミ等により形成されたグリッド状の回折グリッ
ド212が設けられ、この回折グリッド212により偏
光成分に応じて光を分離する。
【0007】
【特許文献1】特開2000−147246号公報
【特許文献2】特開平11−6989号公報(第6頁、
第12図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た回折グリッド212をビームスプリッタとして使用す
る場合には、この回折グリッドPBS210を主光線に
対して斜めに配置することが必要であるため、結像光学
系の光学パス内に入れる際には非点収差が発生してしま
う。
【0009】また、マクナイル型やダイクロイック型の
プリズムを使用する場合には、プリズムの温度上昇や保
持機構によってプリズム内部に歪みが生じ、基材の屈折
率分布が不均一になることによって基材を透過する光に
位相差が発生し、この影響で部分的に消光比が悪くな
る。このようなプリズムを用いた投影装置では、投影さ
れる映像にいわゆる黒むらが発生し、鮮明な映像を投影
することができなくなってしまう。
【0010】このため、プリズムの基材としては、プリ
ズム内部の歪みが生じにくい光学弾性定数の低い材料を
選択する必要がある。しかし、光学弾性定数の低い材料
はコストが高く、このような光学弾性定数の低い材料を
用いたプリズム、さらにそのプリズムを用いた投影装置
全体のコストも高くなってしまう。また、光学弾性定数
の高い安価なガラス材料では、性能の良いプリズムを作
成することは非常に困難である。
【0011】そこで、本発明は上述した問題を鑑みてな
されたものであり、非点収差の発生を抑えるとともに、
基材の屈折率分布が均一なプリズム、光学部材、及びこ
れらを用いた投影装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリズム
は、入射された光を偏光成分に応じて透過又は反射する
プリズムであって、金属により形成された略グリッド状
の回折グリッドと、回折グリッドを挟み込む一対の回折
グリッド基材と、一対の回折グリッド基材の回折グリッ
ドと対向するそれぞれの面側に設けられた接着層と、接
着層を介して上記一対の回折グリッド基材にそれぞれ固
定される一対のブロック部材とを備え、回折グリッドと
一対の回折グリッド基材とにより形成される空隙に、上
記ブロック部材と略同等の屈折率を有する媒質が充填さ
れていることを特徴とする。
【0013】上述したように構成された本発明に係るプ
リズムは、回折グリッドを一対のブロック部材で挟み込
むことにより結像光学系内で非点収差を抑え、入射され
た光を広い入射角度の範囲で良好な偏光分離特性を維持
し、偏光成分に応じて透過又は反射させることができ
る。
【0014】また、本発明に係る投影装置は、照明光を
出射する光源と、光源から出射された照明光を集光する
集光レンズと、集光レンズからの光を偏光成分に応じて
透過又は反射するプリズムと、プリズムで透過又は反射
した照明光を変調して反射する光変調素子と、プリズム
で反射又は透過した光変調素子で変調された反射光を拡
大投影する投影レンズとを備え、プリズムが、金属によ
り形成された略グリッド状の回折グリッドと、回折グリ
ッドを挟み込む一対の回折グリッド基材と、一対の回折
グリッド基材の回折グリッドと対向するそれぞれの面側
に設けられた接着層と、接着層を介して一対の回折グリ
ッド基材にそれぞれ固定される一対のブロック部材とを
有し、回折グリッドと一対の回折グリッド基材とにより
形成される空隙に、ブロック部材と略同等の屈折率を有
する媒質が充填されていることを特徴とする。
【0015】上述したように構成された本発明に係る投
影装置は、光変調素子で変調された反射光がプリズムを
透過又は反射する際に、その反射光を良好に偏光分離す
ると共に、非点収差の発生を抑えて、投影レンズにより
映像を投影する。
【0016】さらに、本発明に係る光学部材は、所定の
偏光状態の光が透過して出射される光学部材であって、
表面を鏡面研磨された複数の板状部材が軟性を有する軟
質接着層を介して積層されていることを特徴とする。
【0017】上述したように構成された本発明に係る光
学部材は、板状部材が軟性を有する軟質接着層を介して
積層されていることで、応力による内部歪を抑制するこ
とで、屈折率分布を均一に保って偏光状態を乱すことな
く光を透過させる。
【0018】さらに、本発明に係るプリズムは、板状基
材の上に設けられ、偏光成分に応じて光を透過又は反射
する特性を有する光分離層と、板状基材の光分離層が設
けられていない主面側及び光分離層の板状基材に当接し
ない主面側に設けられた一対の接着層と、接着層を介し
て光分離層を挟持する一対のブロック部材とを備え、ブ
ロック部材は、表面を鏡面研磨された複数の板状部材が
軟性を有する軟質接着層を介して積層されていることを
特徴とする。
【0019】上述したように構成された本発明に係るプ
リズムは、板状部材が軟性を有する軟質接着層を介して
積層されたブロック部材を用いて光分離層を挟み込むこ
とにより非点収差を抑えて、入射された光を偏光成分に
応じて透過又は反射させ、偏光状態を乱すことなく出射
する。
【0020】さらに、本発明に係る投影装置は、照明光
を出射する光源と、光源から出射された照明光を集光す
る集光レンズと、集光レンズからの光を偏光成分に応じ
て透過又は反射するプリズムと、プリズムで透過又は反
射した照明光を変調して反射する光変調素子と、プリズ
ムで反射又は透過した光変調素子で変調された反射光を
拡大投影する投影レンズとを備え、そのプリズムは、板
状基材の上に設けられ、偏光成分に応じて光を透過又は
反射する特性を有する光分離層と、板状基材の光分離層
が設けられていない主面側及び光分離層の板状基材に当
接しない主面側に設けられた一対の接着層と、接着層を
介して光分離層を挟持する一対のブロック部材とを有
し、ブロック部材は、表面を鏡面研磨された複数の板状
部材が軟性を有する軟質接着層を介して積層されている
ことを特徴とすることを特徴とする。
【0021】上述したように構成された本発明に係る投
影装置は、光変調素子で変調された反射光がプリズムを
透過又は反射する際に、その反射光を良好に偏光分離す
ると共に、非点収差の発生を抑えて、投影レンズにより
映像を投影する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用されたプロジ
ェクタ装置について、図面を参照して説明する。
【0023】図1に示すように、本発明が適用されたプ
ロジェクタ装置10は、照明光を出射する光源となるラ
ンプ11と、このランプ11側から光路順に、メインコ
ンデンサ12と、フィールドレンズ13と、プリ偏光板
14と、回折プリズム15と、反射型液晶パネル16
と、投影レンズ17とを備えている。
【0024】ランプ11は、白色光を発する発光体11
aと、発光体11aから発せられた光を反射するリフレ
クタ11bとを有している。ランプ11の発光体11a
としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、
メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられ
る。ランプ11のリフレクタ11bとしては、凹面鏡が
用いられ、その鏡面が周効率のよい形状とされているこ
とが好ましく、例えば、回転方物面や回転楕円面のよう
な回転対称面の形状とされている。
【0025】メインコンデンサ12は、ランプ11から
出射した照明光を集光する凸レンズにより構成されてい
る。
【0026】フィールドレンズ13は、凸レンズにより
構成され、メインコンデンサ12を透過した照明光を集
光し、その照明光による光束が反射型液晶パネル16に
より変調されて投影レンズ17を介して出力されるよう
に配置されている。
【0027】プリ偏光板14は、フィールドレンズ13
を透過した照明光を所定の偏光成分のみ透過させる偏光
板であり、例えばS偏光の成分を透過させるようになっ
ている。
【0028】回折プリズム15は、プリ偏光板14を透
過した照明光の偏光成分に応じて、この照明光を透過又
は反射させて分離するようにされている。回折プリズム
15は、例えば、P偏光を透過させるとともに、S偏光
を光路に対して45°傾いた反射面15aで反射させ進
行方向を90°変化させる。
【0029】回折プリズム15では、プリ偏光板14を
透過した照明光が、回折プリズム15を透過して直進す
る光と、反射面15aで反射して進行方向が90°変化
する光とに分離される。
【0030】また、プロジェクタ装置10は、回折プリ
ズム15の反射面15aで反射された照明光の進行方向
に反射型液晶パネル16を備えている。
【0031】反射型液晶パネル16は、映像信号が入力
され、この映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この反射型液晶パネル16は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0032】また、回折プリズム15では、反射型液晶
パネル16で変調された反射光が反射面15aを透過し
て直進する。
【0033】さらに、プロジェクタ装置10は、回折プ
リズム15の反射面15aを透過した反射型液晶パネル
16で変調された反射光の進行方向に、投影レンズ17
を備えている。
【0034】投影レンズ17は、回折プリズム15の反
射面15aを透過した反射型液晶パネル16で変調され
た反射光を拡大投影することができるようにされた凸レ
ンズであり、図示しないスクリーン等に映像を投影する
ことができるようにされている。
【0035】ここで、上述した回折プリズム15の構成
について説明する。
【0036】回折プリズム15は、図2に示すように、
入射した光を回折させる回折グリッド21と、この回折
グリッド21を挟み込む一対の回折グリッド基材22
と、この回折グリッド基材22の回折グリッド21と対
向する面側にそれぞれ接着層23を介して接合された一
対のプリズム基材24とを備えている。
【0037】回折グリッド21は、一対の回折グリッド
基材22の間に略グリッド状に金属によって形成されて
いる。また、回折グリッド21は、例えば、アルミによ
って形成されている。なお、回折グリッド21は、アル
ミに限定されるものではなく、光学系に応じて他の材料
を用いるようにしてもよい。
【0038】回折グリッド基材22は、例えば、ガラス
等の薄い平板であり、回折グリッド21を挟み込むよう
になっている。
【0039】接着層23は、軟性を有する軟質接着剤に
より形成されており、例えば、ゴム性を有するUV接着
剤や、ゴム性を有するシリコン接着剤などが用いられ
る。また、接着層23は、回折グリッド基材22の回折
グリッド21と対向する面側にそれぞれ設けられてい
る。
【0040】プリズム基材24は、例えば、複屈折性の
少ない石英やショット社製SF57等の硝材により形成
されており、略角柱形状を有した、いわゆるコーナープ
リズムである。この実施形態においてプリズム基材24
は、略直角三角形の形状をした底面の三角柱の形状をな
し、プリズム基材24の底面において略直角に交差する
短辺を稜とする方形の側面に対し、回折グリッド基材2
2が長辺を稜とする側面に沿って傾斜して配置されてい
る。
【0041】また、回折グリッド21と回折グリッド基
材22との空隙には、回折グリッド21と回折グリッド
基材22とを光学的に結合する回折グリッド媒質25が
充填されている。なお、回折グリッド21と回折グリッ
ド基材22との空隙に回折グリッド媒質25が充填され
ていない場合には、この空隙がエアギャップとなり、空
気と回折グリッド基材22の界面において屈折率の差に
よる反射が起こり、分離特性が著しく悪化する。
【0042】ここで、回折グリッド基材22と回折グリ
ッド媒質25とは、プリズム基材24と略同程度の屈折
率として設計、作成され、且つプリズム基材24、回折
グリッド基材22の界面が接着層23により光学的に結
合されている。すなわち金属により形成された回折グリ
ッド21のピッチや高さを、回折グリッド媒質25やガ
ラス等で構成される回折グリッド基材22にあわせて、
所定の偏光分離特性が得られるように設定し、光学的に
結合された回折グリッド21を作成する。
【0043】このような回折プリズム15では、無偏光
光が入射すると、全ての界面が上述の通り光学的に結合
されているので、内部での反射を受けずに回折グリッド
21に達し、この回折グリッド21により回折の影響を
受けてS偏光が反射面15aで反射し、P偏光が反射面
15aを透過することで、P偏光とS偏光との分離が良
好に行われる。
【0044】以上のように回折プリズム15は、回折グ
リッド21及び回折グリッド基材22により形成され、
広い入射角度における分離特性に優れた回折グリッドP
BSを、接着層23を介してプリズム基材24で挟み込
む構成とされているために、広い入射角度における分離
特性に優れ、且つ結像光学系内に用いても非点収差の発
生を抑制することができる。
【0045】また、回折プリズム15は、回折グリッド
基材22、回折グリッド媒質25やプリズム基材24等
について、それぞれの構成要素の材料の組み合わせ自由
度が高く所望の特性を得やすいため、様々な光学系にお
いて容易に用いることができる。
【0046】さらに、回折プリズム15は、広い入射角
度における分離特性に優れているために、高級な硝材、
すなわち屈折率がそれほど高くない基材を用いても、所
望の特性を得ることができるため、誘電体多層膜による
PBSと比較して低コストで同等の性能を得ることがで
きる。また、屈折率の高い硝材は比重が重いため、この
回折プリズム15では、一般的に屈折率を少しでも低く
することで軽量化を図ることができる。
【0047】さらにまた、回折プリズム15は、回折グ
リッド基材22とプリズム基材24と間に軟性を有する
接着層23が設けられているため、この回折プリズム1
5に発生する応力を温和することができ、光学的な歪を
低減することができる。
【0048】ここで、上述したように構成されたプロジ
ェクタ装置10について、ランプ11から出射した照明
光の光路に沿って各部の動作を説明する。
【0049】ランプ11から出射した照明光は、無偏光
光としてメインコンデンサ12に入射する。
【0050】次に、メインコンデンサ12に入射した照
明光は、メインコンデンサ12により集光されてフィー
ルドレンズ13に導かれ、フィールドレンズ13により
集光されプリ偏光板14に導かれる。
【0051】次に、プリ偏光板14に導かれた照明光
は、例えば、S偏光の成分だけ透過して回折プリズム1
5に導かれる。
【0052】次に、回折プリズム15に導かれた照明光
は、S偏光であり、回折プリズム15の反射面15aに
おいて不要なP偏光だけが透過して直進するとともに、
S偏光が反射面15aにより反射され進行方向を90°
変化させる。すなわち、照明光は、回折プリズム15の
反射面15aで反射されて進行方向を90°変化させ反
射型液晶パネル16に導かれる。
【0053】次に、反射型液晶パネル16に導かれた照
明光は、S偏光であり、映像信号に基づくパターンが表
示された反射型液晶パネル16により変調され反射され
て進行方向を180°変化させ、この際にP偏光が生成
され、回折プリズム15に戻される。
【0054】次に、回折プリズム15に戻された反射型
液晶パネル16からの反射光は、P偏光と、不要なOF
F光であるS偏光とであり、P偏光が回折プリズム15
の反射面15aを透過して投射レンズ17に導かれ、S
偏光が反射面15aで反射され進行方向を90°変化さ
せ、ランプ11側に戻される。
【0055】以上のように、ランプ11から出射された
照明光は、回折プリズム15により反射型液晶パネル1
6に導かれ、反射型液晶パネル16により変調され反射
される。そして、反射型液晶パネル16で変調された反
射光は、投影レンズ17に導かれ、この投影レンズ17
によりスクリーン等に拡大投影される。
【0056】以上のようにプロジェクタ装置10は、回
折グリッド21を有する回折プリズム15を用いること
により、光の入射角に対する偏光分離特性の依存性が少
なくなり、高いNAでの分離特性の維持が可能であるた
め、コントラストの良い映像を投影することができ、ま
た光の利用効率も向上し、明るい映像を投影することが
できる。
【0057】また、プロジェクタ装置10は、回折プリ
ズム15を用いることにより、従来の平板状の回折グリ
ッドPBSだけでは、結像光学系内において発生してし
まう非点収差を抑制することができるので、鮮明な映像
を投影することができる。
【0058】さらに、プロジェクタ装置10は、上述し
たように回折プリズム15が低コストで、且つ軽量に作
成することができるため、装置全体のコストと重量を低
減することができる。
【0059】さらにまた、プロジェクタ装置10は、回
折プリズム15が光学的な歪を低減することができるた
め、投影する映像の黒むらを抑制することができる。
【0060】次に、本発明を適用した他のプロジェクタ
装置として、図3に示す、プロジェクタ装置30につい
て説明する。
【0061】プロジェクタ装置30は、照明光を出射す
る光源となるランプ31と、このランプ31側から光路
順に、メインコンデンサ32と、フィールドレンズ33
と、プリ偏光板34と、回折プリズム35とを備えてい
る。
【0062】ランプ31は、白色光を出射することがで
きるようにされている。このようなランプ31は、白色
光を発する発光体31aと、発光体31aから発せられ
た光を反射するリフレクタ31bとを有している。ラン
プ31の発光体31aとしては、例えば、高圧水銀ラン
プ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ等が用いられる。ランプ31のリフレクタ31b
としては、凹面鏡が用いられ、その鏡面が周効率のよい
形状とされていることが好ましく、例えば、回転方物面
や回転楕円面のような回転対称面の形状とされている。
【0063】メインコンデンサ32は、ランプ31から
出射した照明光を集光する凸レンズである。
【0064】フィールドレンズ33は、メインコンデン
サ32を透過した照明光を集光する凸レンズである。
【0065】プリ偏光板34は、フィールドレンズ33
を透過した照明光を所定の偏光成分のみ透過させる偏光
素子であり、例えばS偏光の成分を透過させるようにな
っている。なお、この偏光素子としてPBSを用いても
よい。
【0066】回折プリズム35は、プリ偏光板34を透
過した照明光の偏光成分に応じて、この照明光を透過又
は反射させて分離するようにされている。回折プリズム
35は、例えば、P偏光を透過させるとともに、S偏光
を光路に対して45°傾いた反射面35aで反射させ進
行方向を90°変化させる。
【0067】回折プリズム35では、プリ偏光板34を
透過した照明光が、回折プリズム35を透過して直進す
る光と、反射面35aで反射して進行方向が90°変化
する光とに分離される。
【0068】また、プロジェクタ装置30は、回折プリ
ズム35の反射面35aで反射された照明光の進行方向
に反射型液晶パネル36を備えている。
【0069】反射型液晶パネル36は、映像信号が入力
され、この映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この反射型液晶パネル36は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0070】また、回折プリズム35では、反射型液晶
パネル36で変調された反射光が反射面35aを透過し
て直進する。
【0071】さらに、プロジェクタ装置30は、回折プ
リズム35の反射面35aを透過した反射型液晶パネル
36で変調された反射光の進行方向に、投影レンズ37
を備えている。
【0072】投影レンズ37は、回折プリズム35の反
射面35aを透過した反射型液晶パネル36で変調され
た反射光を拡大投影することができるようにされた凸レ
ンズであり、図示しないスクリーン等に映像を投影する
ことができるようにされている。
【0073】ところで、上述したような回折プリズム3
5等の光学部材は、光源からの光による加熱や、装置に
固定又は接着する際の外部からの保持力や接着力等によ
り、応力を受け光学的な歪みが発生する。
【0074】そこで、図4に示すように、光学部材40
を複数の平板部材41に分割し、軟質接着層42を介し
て積層することで、このような問題を解決することがで
きる。
【0075】すなわち、光学部材40は、複数の平板部
材41と、これらを接着する軟性を有する軟質接着層4
2とを備えている。平板部材41は、表面が鏡面研磨さ
れた部材であり、光学部材40と略同等の材質からな
る。軟質接着層42は、軟性を有する軟質接着剤により
形成されており、例えば、ゴム性を有するUV接着剤
や、ゴム性を有するシリコン接着剤などが用いられる。
【0076】このように構成された光学部材40は、平
板部材41と軟質接着層42との界面が光学的に結合さ
れており、1つの部材として機能する。
【0077】また、光学部材40は、構成する部材を複
数の平板部材41に分割して、その界面に軟質接着層4
2を挿入することで、界面方向に加わる応力を軟質接着
層42により逃がして、光学的な歪の発生を抑制するこ
とができる。すなわち、光学部材40全体での光学弾性
定数を低下させることができる。言い換えると、光学弾
性定数の高い部材を上述したように複数の平板部材41
に分割することにより、光学弾性定数の低い光学部材4
0を作成することができる。
【0078】以上のように、所定の光学部材の応力を逃
がすために光学部材を複数の平板に分割し、これら平板
同士の界面を、軟性を有する接着剤で光学的に接合する
ことで、界面方向に加わる応力を接着材により逃がし
て、光学的な歪の発生を抑制することができる。従っ
て、入射した光がその光学部品を通過する経路におい
て、偏光分離層等で分離されて例えばS偏光又はP偏光
のような所定の偏光状態の光となっても、光学的な歪に
伴う偏光方向の乱れを起こすことなくその光を透過して
出射させることができる。
【0079】さらに、例えば三角柱や角錐等の形状の光
学部材をその断面形状が徐々に変化する複数の平板部材
に分割し、その平板部材を、軟性接着剤を介して積層し
て構成した場合に、すなわち、各平板部材が軟性を有す
る接着剤を介して積層される2つの積層面の形状が異な
り、その積層面は隣接する他の平板部材の積層面とその
形状が等しくされている場合に、寸法の異なる各平板部
材の温度変化等による応力が軟性を有する接着剤により
吸収されるため好適である。
【0080】そこで、上述したような手法を上述したプ
ロジェクタ装置30では、回折プリズム35に用いる。
【0081】ここで、上述した回折プリズム35の構成
について説明する。
【0082】回折プリズム35は、図5に示すように、
回折グリッド51と、この回折グリッド51を挟み込む
一対の回折グリッド基材52と、この回折グリッド基材
52の回折グリッド51と対向する面側にそれぞれ接着
層53を介して接合された一対のプリズム基材54とを
備えている。
【0083】回折グリッド51は、一対の回折グリッド
基材52の間に略グリッド状に金属によって形成されて
いる。また、回折グリッド51は、例えば、アルミによ
って形成されている。なお、回折グリッド51は、アル
ミに限定されるものではなく、光学系に応じて他の材料
を用いることができる。
【0084】回折グリッド基材52は、例えば、ガラス
等の薄い平板であり、回折グリッド51を挟み込むよう
になっている。
【0085】接着層53は、軟性を有する軟質接着剤に
より形成されており、例えば、ゴム性を有するUV接着
剤や、ゴム性を有するシリコン接着剤などが用いられ
る。また、接着層53は、回折グリッド基材52の回折
グリッド51と対向する面側にそれぞれ設けられてい
る。
【0086】プリズム基材54は、略角柱形状を有し
た、いわゆるコーナープリズムである。
【0087】また、プリズム基材54は、表面が鏡面研
磨された複数の平板部材55が軟質接着層56を介して
接合された構成とされており、各平板部材55が軟質接
着層56を介して光学的に結合されている。
【0088】軟質接着層56は、軟性を有する軟質接着
剤により形成されており、例えば、ゴム性を有するUV
接着剤や、ゴム性を有するシリコン接着剤などが用いら
れる。
【0089】この実施形態では、その底面の形が略直角
三角形である三角柱状のプリズム基材54を、その断面
が方形をなす複数の平板部材55に分割して構成してい
る。この場合、少なくとも1つの平板部材55は、軟質
接着層56を介して積層される2つの積層面の形状が異
なり、その積層面は隣接する他の平板部材55の積層面
とその形状が等しくされている。これら異なる形状の複
数の平板部材55を積み重ねることにより、全体として
三角柱状のプリズム基材54を構成している。このよう
に構成されたプリズム基材54は、平板部材55とが軟
質接着層56との界面が光学的に結合されており、1つ
のプリズムとして機能する。
【0090】さらに、プリズム基材54を構成する複数
の平板部材55は、回折グリッド基材52の接着層53
と軟質接着層56が平行となる方向に配置されているの
で、回折グリッド基材52と平板部材55が互いの平面
を対向させて接着層53を介して良好に光学的に結合さ
せることができる。
【0091】また、回折グリッド51と回折グリッド基
材52との空隙には、回折グリッド媒質57が充填され
ている。なお、回折グリッド51と回折グリッド基材5
2との空隙に回折グリッド媒質57が充填されていない
場合には、この空隙がエアギャップとなり、空気と回折
グリッド基材52の界面において屈折率の差による反射
が起こり、分離特性が著しく悪化する。
【0092】ここで、回折グリッド基材52と回折グリ
ッド媒質57とは、プリズム基材54と略同程度の屈折
率として設計、作成され、且つ、プリズム基材54と回
折グリッド基材52の界面が接着層53により光学的に
結合されている。
【0093】このような回折プリズム35では、無偏光
光が入射すると、全ての界面が上述の通り光学的に結合
されているので、内部での反射を受けずに回折グリッド
51に達し、この回折グリッド51により回折の影響を
受けてS偏光が反射面35aで反射し、P偏光が反射面
35aを透過することで、P偏光とS偏光との分離が行
われる。
【0094】このような回折プリズム35は、回折グリ
ッド51及び回折グリッド基材52により形成され、広
い入射角度における分離特性に優れた回折グリッドPB
Sを、接着層53を介してプリズム基材54で挟み込む
構成とされているために、広い入射角度における分離特
性に優れ、且つ結像光学系内に用いても非点収差の発生
を抑制することができる。
【0095】また、回折プリズム35は、広い入射角度
における分離特性に優れているために、高級な硝材、す
なわち屈折率がそれほど高くない基材を用いても、所望
の特性を得ることができるため、誘電体多層膜によるP
BSと比較して低コストで同等の性能を得ることができ
る。また、屈折率の高い硝材は比重が重いため、この回
折プリズム35では、一般的に屈折率を少しでも低くす
ることで軽量化を図ることができる。
【0096】さらに、回折プリズム35は、それぞれの
構成要素の材料の組み合わせ自由度が高く所望の特性を
得やすいため、様々な光学系において容易に用いること
ができる。
【0097】さらにまた、回折プリズム35は、回折グ
リッド基材52とプリズム基材54と間に軟性を有する
接着層53が設けられているため、この回折プリズム3
5に発生する応力を低減することができ、光学的な歪を
低減することができる。
【0098】さらにまた、回折プリズム35は、プリズ
ム基材54が複数の平板部材55の間に軟質接着層56
が設けられているため、この回折プリズム35に発生す
る応力をさらに低減することができ、光学的な歪を低減
することができる。
【0099】ここで、上述したように構成されたプロジ
ェクタ装置30について、ランプ31から出射した照明
光の光路に沿って各部の動作を説明する。
【0100】ランプ31から出射した照明光は、無偏光
光としてメインコンデンサ32に入射する。
【0101】次に、メインコンデンサ32に入射した照
明光は、メインコンデンサ32により集光されてフィー
ルドレンズ33に導かれ、フィールドレンズ33により
集光されプリ偏光板34に導かれる。
【0102】次に、プリ偏光板34に導かれた照明光
は、例えば、S偏光の成分だけ透過して回折プリズム3
5に導かれる。
【0103】次に、回折プリズム35に導かれた照明光
は、S偏光であり、回折プリズム35の反射面35aに
おいて不要なP偏光だけが透過して直進するとともに、
S偏光が反射面35aにより反射され進行方向を90°
変化させる。すなわち、照明光は、回折プリズム35の
反射面35aで反射されて進行方向を90°変化させ反
射型液晶パネル36に導かれる。
【0104】次に、反射型液晶パネル36に導かれた照
明光は、S偏光であり、映像信号に基づくパターンが表
示された反射型液晶パネル36により変調され反射され
て進行方向を180°変化させ、この際にP偏光が生成
され、回折プリズム35に戻される。
【0105】次に、回折プリズム35に戻された反射型
液晶パネル36からの反射光は、P偏光と、不要なOF
F光であるS偏光とであり、P偏光が回折プリズム35
の反射面35aを透過して投射レンズ17に導かれ、S
偏光が反射面35aで反射され進行方向を90°変化さ
せ、ランプ31側に戻される。
【0106】以上のように、ランプ31から出射された
照明光は、回折プリズム35により反射型液晶パネル3
6に導かれ、反射型液晶パネル36により変調され反射
される。そして、反射型液晶パネル36で変調された反
射光は、投影レンズ37に導かれ、この投影レンズ37
によりスクリーン等に拡大投影される。
【0107】以上のようにプロジェクタ装置30では、
回折グリッド51を有する回折プリズム35を用いるこ
とにより、高いNAでの分離特性の維持が可能であるた
め、コントラストの良い映像を投影することができ、ま
た光の利用効率も向上し、明るい映像を投影することが
できる。
【0108】また、プロジェクタ装置30は、回折プリ
ズム35を用いることにより、従来の平板状の回折グリ
ッドPBSだけでは、結像光学系内において発生してし
まう非点収差を抑制することができるので、鮮明な映像
を投影することができる。
【0109】さらに、プロジェクタ装置30は、上述し
たように回折プリズム35が低コストで作成することが
できるため、装置全体のコストを低減することができ
る。
【0110】さらにまた、プロジェクタ装置30は、回
折プリズム35が光学的な歪を低減することができるた
め、投影する映像の黒むらを抑制することができる。
【0111】さらにまた、プロジェクタ装置30は、回
折プリズム35を軽量化することが可能であるので、装
置全体の軽量化を行うことができる。
【0112】さらにまた、プロジェクタ装置30は、回
折プリズム35が熱の応力による歪みを抑制することが
できるので、入力する光量を上げることによる熱の発生
の影響が低減できるため、投影する映像の明るさを向上
させることができる。
【0113】なお、上述した回折プリズム35は、図6
に示すように、プリズム基材54の平板部材55の積層
方向が異なる構成とされていても良い。平板部材55の
積層方向は、図5及び図6に示す方向に限定されるもで
はなく、用いる光学系によってそれぞれ最適な方向とし
ても良い。
【0114】なお、本発明は、上述した回折プリズム1
5及び/又は回折プリズム35を複数個用いてカラー映
像を投影することができるプロジェクタ装置にも用いる
ことができる。
【0115】まず、本発明を適用したカラー映像を投影
することができるプロジェクタ装置として、図7に示
す、プロジェクタ装置60について説明する。
【0116】プロジェクタ装置60は、照明光を出射す
る光源となるランプ61と、このランプ61側から光路
順に、フライアイインテグレータ62と、PS変換合成
素子63と、メインコンデンサ64と、フィールドレン
ズ65と、プリ偏光板66と、第1のG偏光回転素子6
7と、入射PBS68とを備えている。
【0117】ランプ61は、カラー画像を表示するため
に必要とされる、光の3原色である赤,緑,青の波長帯
域の光を含む白色光を出射することができるようにされ
ている。このようなランプ61は、白色光を発する発光
体61aと、発光体61aから発せられた光を反射する
リフレクタ61bとを有している。ランプ61の発光体
61aとしては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンラ
ンプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用い
られる。ランプ61のリフレクタ61bとしては、凹面
鏡が用いられ、その鏡面が周効率のよい形状とされてい
ることが好ましく、例えば、回転方物面や回転楕円面の
ような回転対称面の形状とされている。
【0118】フライアイインテグレータ62は、ランプ
61から出射された照明光が後述する液晶パネルの有効
面積内を均一に照明するために、照明光を液晶パネルの
有効面積の形状の光束とし、照度分布を均一化するよう
にされている。このようなフライアイインテグレータ6
2は、マルチレンズアレイとも呼ばれ、複数の小さな凸
レンズをアレイ状に設けたものを二つ組み合わせ、ラン
プ61側のマルチレンズアレイ62aによりランプ61
からの照明光を集光し小さな点光源を作り出し、他方の
マルチレンズアレイ62bによりそれぞれの点光源から
の照明光を合成するようにされている。
【0119】PS変換合成素子63は、ランプ61から
の照明光を有効利用するために、照明光の偏光成分を揃
えるようにされている。PS変換合成素子63は、λ/
2板や偏光ビームスプリッタ等により構成され、例え
ば、P偏光をS偏光に変換することができるようにされ
ており、入射した照明光の内でS偏光を透過するととも
にP偏光をS偏光に変換して出力するので、照明光を全
てS偏光にすることができる。
【0120】メインコンデンサ64は、PS変換合成素
子63を透過した照明光を集光する凸レンズである。
【0121】フィールドレンズ65は、メインコンデン
サ64を透過した照明光を集光する凸レンズである。
【0122】プリ偏光板66は、フィールドレンズ65
を透過した照明光を所定の偏光成分のみ透過させる偏光
板であり、例えばS偏光の成分を透過させるようになっ
ている。
【0123】第1のG偏光回転素子67は、フィールド
レンズ65に集光された照明光のうち、緑の波長帯域、
すなわち緑色の成分の偏光面を90°回転させるととも
に、それ以外の波長帯域、すなわち赤及び青色の成分の
偏光状態を保持して透過するように最適化された積層型
の位相差フィルムである。
【0124】入射PBS68は、第1のG偏光回転素子
67を透過した照明光の偏光成分に応じて、この照明光
を透過又は反射させて分離するようにされている。入射
PBS68は、上述した回折プリズム15又は回折プリ
ズム35と略同等の構成とされており、例えば、P偏光
を透過させるとともに、S偏光を光路に対して45°傾
いた反射面68aで反射させ進行方向を90°変化させ
る。
【0125】入射PBS68では、第1のG偏光回転素
子67を透過した照明光が、入射PBS68を透過して
直進する光と、反射面68aで反射して進行方向が90
°変化する光とに分離される。
【0126】また、プロジェクタ装置60は、入射PB
S68を透過した照明光の進行方向にG−PBS69が
備えられている。
【0127】G−PBS69は、入射PBS68の反射
面68aを透過した照明光の偏光成分に応じて、この照
明光を透過又は反射するようにされている。G−PBS
69は、上述した回折プリズム15又は回折プリズム3
5と略同等の構成とされており、例えば、P偏光を透過
させ直進させるとともに、S偏光を光路に対して45°
傾いた反射面69aで反射させ進行方向を90°変化さ
せる。
【0128】G−PBS69では、入射PBS68を透
過した照明光を透過させる。
【0129】さらに、プロジェクタ装置60は、G−P
BS69を透過した光の進行方向に第1の液晶パネル7
0を備えている。
【0130】第1の液晶パネル70は、光の3原色毎に
分離された映像信号のうち緑色の映像信号が入力され、
この緑色の映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。第1の液晶パネル70は、液晶分
子が封入された表示パネルであり、各画素ごとに光を変
調することができる。
【0131】また、G−PBS69では、第1の液晶パ
ネル70で変調された反射光を反射面69aで反射させ
進行方向を90°変化させる。
【0132】さらにまた、プロジェクタ装置60は、入
射PBS68の反射面68aで反射した照明光の光路順
に、第1のR偏光回転素子71と、RB−PBS72と
を備えている。
【0133】第1のR偏光回転素子71は、入射PBS
68の反射面68aで反射した照明光のうち、所定の波
長帯域、すなわち所定の色の成分の偏光面を90°回転
させるとともに、それ以外の波長帯域の偏光状態を保持
して透過するように最適化された位相差フィルムであ
る。第1のR偏光回転素子71は、例えば、すでに入射
PBS68によって緑色の成分が透過分離されているの
で、反射面68aで反射した青色及び赤色の成分のう
ち、赤色の照明光だけ偏光面を90°回転させ、他の波
長帯域の照明光すなわち青色の照明光の偏光状態を保持
して、それぞれ透過させる。
【0134】RB−PBS72は、第1のR偏光回転素
子71を透過した照明光の偏光成分に応じて、この照明
光を透過又は反射させて分離するようにされている。R
B−PBS72は、上述した回折プリズム15又は回折
プリズム35と略同等の構成とされており、例えば、P
偏光を透過させ直進させるとともに、S偏光を光路に対
して45°傾いた反射面72aで反射させ進行方向を9
0°変化させる。
【0135】RB−PBS72では、第1のR偏光回転
素子71を透過した照明光と後述する液晶パネルで変調
された反射光とが、RB−PBS72を透過して直進す
る光と反射面72aで反射して進行方向が90°変化す
る光とに分離される。
【0136】さらにまた、プロジェクタ装置60は、R
B−PBS72を透過した照明光の進行方向に第2の液
晶パネル73と、RB−PBS72の反射面72aで反
射した照明光の進行方向に第3の液晶パネル74とを備
える。
【0137】第2の液晶パネル73は、光の3原色毎に
分離された映像信号のうち赤色の映像信号が入力され、
この赤色の映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この第2の液晶パネル73は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0138】第3の液晶パネル74は、光の3原色毎に
分離された映像信号のうち青色の映像信号が入力され、
この青色の映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この第3の液晶パネル74は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0139】また、RB−PBS72では、第2の液晶
パネル73で変調された反射光が反射面72aで反射し
て進行方向が90°変化するとともに、第3の液晶パネ
ル74で変調された反射光がRB−PBS72を直進し
て透過する。
【0140】さらにまた、プロジェクタ装置60は、R
B−PBS72の反射面72aで反射した第2の液晶パ
ネル73で変調された反射光と、RB−PBS72aを
透過した第3の液晶パネル74で変調された反射光との
光路順に、第2のR偏光回転素子75を備えている。
【0141】第2のR偏光回転素子75は、RB−PB
S72の反射面72aで反射した第2の液晶パネル73
で変調された反射光と、RB−PBS72を透過した第
3の液晶パネル74で変調された反射光とのうち、所定
の波長帯域、すなわち所定の色の成分の偏光面を90°
回転させるとともに、それ以外の波長帯域の偏光状態を
保持して透過するように最適化された位相差フィルムで
ある。第2のR偏光回転素子75は、例えば、すでに入
射PBS68によって緑色の成分が透過分離されている
ので、透過した青色及び赤色の成分のうち、赤色の光だ
け偏光面を90°回転させ、他の波長帯域の光すなわち
青色の光の偏光状態を保持して、それぞれ透過させる。
【0142】さらにまた、プロジェクタ装置60は、G
−PBS69の反射面69aで反射した第1の液晶パネ
ル70で変調された反射光の進行方向で、第2のR偏光
回転素子75を透過した第2の液晶パネル73で変調さ
れた反射光と、第3の液晶パネル74で変調された反射
光との進行方向で、出射PBS76を備えている。
【0143】出射PBS76は、G−PBS69の反射
面69aで反射した第1の液晶パネル70で変調された
反射光と、第2のR偏光回転素子75を透過した第2の
液晶パネル73で変調された反射光と、第3の液晶パネ
ル74で変調された反射光とを、偏光成分に応じて透過
又は反射させて合成するようにされている。出射PBS
76は、上述した回折プリズム15又は回折プリズム3
5と略同等の構成とされており、例えば、P偏光を透過
させるとともに、S偏光を光路に対して45°傾いた反
射面76aで反射させ進行方向を90°変化させる。
【0144】出射PBS76では、G−PBS69の反
射面69aで反射した第1の液晶パネル70で変調され
た反射光を反射面76aで反射させ、第2のR偏光回転
素子75を透過した第2の液晶パネル73で変調された
反射光と、第3の液晶パネル74で変調された反射光と
を透過して直進させ、これらを同一方向に出力する。
【0145】さらにまた、プロジェクタ装置60は、出
射PBS76の反射面76aで反射した第1の液晶パネ
ル70で変調された反射光と、出射PBS76を透過し
た第2の液晶パネル73で変調された反射光と、第3の
液晶パネル74で変調された反射光との進行方向に光路
順に、第2のG偏光回転素子77と、出射偏光板78
と、投影レンズ79とを備えている。
【0146】第2のG偏光回転素子77は、出射PBS
76の反射面76aで反射した第1の液晶パネル70で
変調された反射光と、出射PBS76を透過した第2の
液晶パネル73で変調された反射光と、第3の液晶パネ
ル74で変調された反射光とのうち、緑の波長帯域、す
なわち緑色の成分の偏光面を90°回転させるととも
に、それ以外の波長帯域、すなわち赤及び青色の成分の
偏光状態を保持して透過するように最適化された積層型
の位相差フィルムである。
【0147】出射偏光板78は、第2のG偏光回転素子
77を透過した、第1の液晶パネル70で変調された反
射光と、第2の液晶パネル73で変調された反射光と、
第3の液晶パネル74で変調された反射光とを所定の偏
光成分のみ透過させる偏光板であり、例えばP偏光の成
分を透過させるようになっている。
【0148】投影レンズ79は、出射偏光板78を透過
した、第1の液晶パネル70で変調された反射光と、第
2の液晶パネル73で変調された反射光と、第3の液晶
パネル74で変調された反射光とをともに拡大投影する
ことができるようにされた凸レンズであり、図示しない
スクリーン等に映像を投影することができるようにされ
ている。
【0149】上述したように構成されたプロジェクタ装
置60について、ランプ61から出射した照明光の光路
に沿って各部の動作を説明する。
【0150】ランプ61から出射した照明光は、光の3
原色となる赤、緑、青の波長帯域を含み、無偏光光とし
てフライアイインテグレータ62に導かれる。
【0151】次に、フライアイインテグレータ62に導
かれた照明光は、フライアイインテグレータ62により
照度分布を均一化され透過し、PS変換合成素子63に
入射する。
【0152】次に、PS変換合成素子63に入射した照
明光は、S偏光がそのまま透過するとともに、P偏光が
S偏光に変換されて、全てS偏光としてメインコンデン
サ64に入射する。
【0153】次に、メインコンデンサ64に入射した照
明光は、メインコンデンサ64により集光されてフィー
ルドレンズ65に導かれ、フィールドレンズ65により
集光されプリ偏光板66に入射する。
【0154】次に、プリ偏光板66に入射した照明光
は、さらに偏光成分が揃えられS偏光として第1のG偏
光回転素子67に導かれる。
【0155】次に、第1のG偏光回転素子67に入射し
た照明光は、緑の波長帯域だけ偏光面が90°回転して
P偏光とされ透過して入射PBS68に導かれるととも
に、赤及び青の波長帯域の成分がS偏光のまま透過して
入射PBS68に導かれる。
【0156】次に、入射PBS68に導かれた照明光
は、緑の波長帯域のP偏光と赤及び青の波長帯域のS偏
光とであり、入射PBS68の反射面68aにおいてP
偏光だけが透過して直進するとともに、S偏光が反射面
68aにより反射され進行方向を90°変化させる。す
なわち、緑の波長帯域の照明光は、入射PBS68内を
透過して直進してG−PBS69に導かれ、赤及び青色
の波長帯域の照明光は、入射PBS68の反射面68a
で反射されて進行方向を90°変化させて第1のR偏光
回転素子71に導かれる。
【0157】ここで、上述した入射PBS68により分
離された照明光のうち、入射PBS68を透過してG−
PBS69に導かれた緑の波長帯域の照明光の光路につ
いて説明する。
【0158】次に、G−PBS69に導かれた照明光
は、緑の波長帯域のP偏光であり、G−PBS69を透
過して直進して第1の液晶パネル70に導かれる。
【0159】第1の液晶パネル70に導かれた照明光
は、緑の波長帯域のP偏光であり、緑色の映像信号に基
づくパターンが表示された第1の液晶パネル70により
変調され反射されて進行方向を180°変化させ、この
際にS偏光が生成され、G−PBS69に戻される。
【0160】次に、G−PBS69に戻された第1の液
晶パネル70からの反射光は、緑の波長帯域のS偏光と
不要なOFF光であるP偏光とであり、S偏光が反射面
69aで反射され進行方向を90°変化させ出射PBS
76に導かれ、P偏光が反射面69aを透過してランプ
61側に戻される。
【0161】次に、出射PBS76に導かれた第1の液
晶パネル70からの反射光は、緑の波長帯域のS偏光で
あり、出射PBS76の反射面76aで反射され進行方
向を90°変化させ、第2の偏光回転素子77に導かれ
る。
【0162】次に、第2のG偏光回転素子77に導かれ
た第1の液晶パネル70からの反射光は、緑の波長帯域
のS偏光であり、第2のG偏光回転素子77により緑の
波長帯域の偏光面が90°回転されP偏光となり、出射
偏光板78に導かれる。
【0163】次に、出射偏光板78に導かれた第1の液
晶パネル70からの反射光は、緑の波長帯域のP偏光で
あり、出射偏光板78により偏光成分がP偏光に揃えら
れて透過し投影レンズ79に導かれる。
【0164】一方、上述した入射PBS68により分離
された照明光のうち、入射PBS68の反射面68aで
反射して進行方向を90度変化された、赤及び青の波長
帯域の照明光の光路について説明する。
【0165】第1のR偏光回転素子71に導かれた照明
光は、赤及び青の波長帯域のS偏光であり、第1のR偏
光回転素子71により赤の波長帯域の偏光面だけが90
°回転されP偏光となり、RB−PBS72に導かれ
る。
【0166】次に、RB−PBS72に導かれた照明光
は、赤の波長帯域のP偏光と青の波長帯域のS偏光とで
あり、赤の波長帯域のP偏光がRB−PBS72の反射
面72aを透過して、第2の液晶パネル73に導かれ、
青の波長帯域のS偏光がRB−PBS72の反射面72
aで反射され進行方向を90°変化させ、第3の液晶パ
ネル74に導かれる。
【0167】次に、第2の液晶パネル73に導かれた照
明光は、赤の波長帯域のP偏光であり、赤色の映像信号
に基づくパターンが表示された第2の液晶パネル73に
より変調され反射されて進行方向を180°変化させ、
この際にS偏光が生成され、RB−PBS72に戻され
る。
【0168】次に、第3の液晶パネル74に導かれた照
明光は、青の波長帯域のS偏光であり、青色の映像信号
に基づくパターンが表示された第3の液晶パネル74に
より変調され反射されて進行方向を180°変化させ、
この際にP偏光が生成され、RB−PBS72に戻され
る。
【0169】次に、RB−PBS72に戻された第2の
液晶パネル73からの反射光は、赤の波長帯域のS偏光
とOFF光であるP偏光とであり、P偏光がRB−PB
S72の反射面72aを透過してランプ61側へ戻さ
れ、S偏光が反射面72aで反射され進行方向を90°
変化させ、第2のR偏光回転素子75に導かれる。ま
た、RB−PBS72に戻された第3の液晶パネル74
からの反射光は、青の波長帯域のP偏光とOFF光であ
るS偏光とであり、S偏光がRB−PBS72の反射面
72aで反射されランプ61側へ戻され、P偏光がRB
−PBS72の反射面72aを透過して、第2のR偏光
回転素子75に導かれる。
【0170】次に、第2のR偏光回転素子75に導かれ
た第2の液晶パネル73からの反射光は、赤の波長帯域
のS偏光であり、第2のR偏光回転素子75により偏光
面が90°回転されてP偏光となり、出射PBS76に
導かれる。また、第2のR偏光回転素子75に導かれた
第3の液晶パネル74からの反射光は、青の波長帯域の
P偏光であり、第2のR偏光回転素子75を透過して、
出射PBS76に導かれる。
【0171】次に、出射PBS76に導かれた第2の液
晶パネル73からの反射光は、赤の波長帯域のP偏光で
あり、出射PBS76の反射面76aを透過して直進し
第2のG偏光回転素子77に導かれる。また、出射PB
S76に導かれた第3の液晶パネル74からの反射光
は、青の波長帯域のP偏光であり、出射PBS76の反
射面76aを透過して直進し第2のG偏光回転素子77
に導かれる。
【0172】次に、第2のG偏光回転素子77に導かれ
た第2の液晶パネル73からの反射光は、赤の波長帯域
のP偏光であり、出射PBS76の反射面76aを透過
して直進し出射偏光板78に導かれる。また、第2のG
偏光回転素子77に導かれた第3の液晶パネル74から
の反射光は、青の波長帯域のP偏光であり、出射PBS
76の反射面76aを透過して直進し出射偏光板78に
導かれる。
【0173】次に、出射偏光板78に導かれた第2の液
晶パネル73からの反射光は、赤の波長帯域のP偏光で
あり、出射偏光板78により偏光成分がP偏光に揃えら
れて透過し投影レンズ79に導かれる。また、出射偏光
板78に導かれた第3の液晶パネル74からの反射光
は、青の波長帯域のP偏光であり、出射偏光板78によ
り偏光成分がP偏光に揃えられて透過し投影レンズ79
に導かれる。
【0174】以上のように、入射PBS68やRB−P
BS72により3つの光路に分離されたそれぞれの波長
帯域の光は、照明光としてそれぞれの波長帯域に対応し
た液晶パネルに入射され、それぞれの液晶パネルにより
変調され反射される。そして、それぞれの液晶パネルで
変調された反射光は、出射PBS76で合成されて投影
レンズ79に導かれ、この投影レンズ79によりスクリ
ーン等に拡大投影される。
【0175】このような、プロジェクタ装置60は、入
射PBS68、G−PBS69、RB−PBS72、出
射PBS76に、それぞれ上述した回折プリズム15又
は回折プリズム35を用いることで、上述したプロジェ
クタ装置10及び/又はプロジェクタ装置30と同等の
効果を得ることができる。
【0176】次に、本発明を適用したカラー映像を投影
することができるプロジェクタ装置として、図8に示
す、プロジェクタ装置80について説明する。
【0177】プロジェクタ装置80は、照明光を出射す
る光源となるランプ81と、このランプ81側から光路
順に、フライアイインテグレータ82と、PS変換合成
素子83と、メインコンデンサ84と、クロスダイクロ
イックミラー85とを備えている。
【0178】ランプ81は、カラー画像を表示するため
に必要とされる、光の3原色である赤,緑,青の波長帯
域の光を含む白色光を出射することができるようにされ
ている。このようなランプ81は、白色光を発する発光
体81aと、発光体81aから発せられた光を反射する
リフレクタ81bとを有している。ランプ81の発光体
81aとしては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンラ
ンプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用い
られる。ランプ81のリフレクタ81bとしては、凹面
鏡が用いられ、その鏡面が周効率のよい形状とされてい
ることが好ましく、例えば、回転方物面や回転楕円面の
ような回転対称面の形状とされている。
【0179】フライアイインテグレータ82は、ランプ
81から出射された照明光が後述する液晶パネルの有効
面積内を均一に照明するために、照明光を液晶パネルの
有効面積の形状の光束とし、照度分布を均一化するよう
にされている。このようなフライアイインテグレータ8
2は、マルチレンズアレイとも呼ばれ、複数の小さな凸
レンズをアレイ状に設けたものを二つ組み合わせ、ラン
プ81側のマルチレンズアレイ82aによりランプ81
からの照明光を集光し小さな点光源を作り出し、他方の
マルチレンズアレイ82bによりそれぞれの点光源から
の照明光を合成するようにされている。
【0180】PS変換合成素子83は、ランプ81から
の照明光を有効利用するために、照明光の偏光成分を揃
えるようにされている。PS変換合成素子83は、λ/
2板や偏光ビームスプリッタ等により構成され、例え
ば、P偏光をS偏光に変換することができるようにされ
ており、入射した照明光の内でS偏光を透過するととも
にP偏光をS偏光に変換して出力するので、照明光を全
てS偏光にすることができる。
【0181】メインコンデンサ84は、PS変換合成素
子83を透過した照明光を集光する凸レンズである。
【0182】クロスダイクロイックミラー85は、メイ
ンコンデンサ84で集光された照明光の波長帯域に応じ
て、この照明光を光路にたいして45°傾き、且つ互い
に直行する反射面85a又は反射面85bにより反射さ
せて分離するようにされている。クロスダイクロイック
ミラー85は、誘電体多層膜等により構成されており、
例えば、青の波長帯域の光を光路に対して45°傾いた
反射面85aで反射させ進行方向を90°変化させ、赤
及び緑の波長帯域の光を光路に対して45°傾いた反射
面85bで反射させ進行方向を90°変化させる。
【0183】クロスダイクロイックミラー85では、メ
インコンデンサ84で集光された照明光が、クロスダイ
クロイックミラー85の反射面85aで反射して進行方
向が90度変化する光と、反射面85bで反射して進行
方向が90°変化する光とに分離される。
【0184】また、プロジェクタ装置80は、クロスダ
イクロイックミラー85の反射面85aで反射した照明
光の光路順に、第1の平面ミラー86と、第1のフィー
ルドレンズ87と、B−PBS88と、第1の液晶パネ
ル89とを備えている。
【0185】第1の平面ミラー86は、入射した光を反
射するように設けられた平面形状のミラーであり、クロ
スダイクロイックミラー85の反射面85aで反射した
照明光の進行方向に対して45°傾いて配設されてい
る。
【0186】第1のフィールドレンズ87は、第1の平
面ミラー86で反射した照明光を第1の液晶パネル89
に集光するようにされた凸レンズである。
【0187】B−PBS88は、第1のフィールドレン
ズ87を透過した照明光を偏光成分に応じて、透過又は
反射させて分離するようにされている。B−PBS88
は、上述した回折プリズム15又は回折プリズム35と
略同等の構成とされており、例えば、P偏光を透過させ
直進させるとともに、S偏光を光路に対して45°傾い
た反射面88aで反射させ進行方向を90°変化させ
る。
【0188】第1の液晶パネル89は、光の3原色毎に
分離された映像信号のうち青色の映像信号が入力され、
この青色の映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この第1の液晶パネル89は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0189】B−PBS88では、第1のフィールドレ
ンズ87を透過した照明光と、第1の液晶パネル89で
変調された反射光とが、B−PBS88を透過して直進
する光と反射面88aで反射して進行方向が90°変化
する光とに分離される。
【0190】さらにまた、プロジェクタ装置80は、ク
ロスダイクロイックミラー85の反射面85bで反射し
た照明光の光路順に第2の平面ミラー90と、ダイクロ
イックミラー91とを備えている。
【0191】第2の平面ミラー90は、入射した光を反
射するように設けられた平面形状のミラーであり、クロ
スダイクロイックミラー85の反射面85bで反射した
照明光の進行方向に対して45°傾いて配設されてい
る。
【0192】ダイクロイックミラー91は、第2の平面
ミラー90で反射した照明光の光路に対して45°傾い
て設けられ、第2の平面ミラー90で反射した照明光の
波長帯域に応じて、透過又は反射させて分離するように
されている。ダイクロイックミラー91は、誘電体多層
膜等により構成されており、例えば、緑の波長帯域の光
を光路に対して45°傾いた反射面91aで反射させ進
行方向を90°変化させ、赤の波長帯域の光を透過させ
直進させる。
【0193】さらにまた、プロジェクタ装置80は、ダ
イクロイックミラー91を透過した照明光の光路順に、
第2のフィールドレンズ92と、R−PBS93と、第
2の液晶パネル94とを備えている。
【0194】第2のフィールドレンズ92は、ダイクロ
イックミラー91を透過した照明光を第2の液晶パネル
94に集光するようにされた凸レンズである。
【0195】R−PBS93は、第2のフィールドレン
ズ92を透過した照明光の偏光成分に応じて、この照明
光を透過又は反射させて分離するようにされている。R
−PBS93は、上述した回折プリズム15又は回折プ
リズム35と略同等の構成とされており、例えば、P偏
光を透過させ直進させるとともに、S偏光を光路に対し
て45°傾いた反射面93aで反射させ進行方向を90
°変化させる。
【0196】第2の液晶パネル94は、光の3原色毎に
分離された映像信号のうち赤色の映像信号が入力され、
この赤色の映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この第2の液晶パネル94は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0197】R−PBS93では、第2のフィールドレ
ンズ92を透過した照明光と、第2の液晶パネル94で
変調された反射光とが、R−PBS93を透過して直進
する光と、反射面93aで反射して進行方向が90°変
化する光とに分離される。
【0198】さらにまた、プロジェクタ装置80は、ダ
イクロイックミラー91で反射された照明光の光路順
に、第3のフィールドレンズ95と、G−PBS96
と、第3の液晶パネル97とを備えている。
【0199】第3のフィールドレンズ95は、ダイクロ
イックミラー91で反射した照明光を第3の液晶パネル
97に集光するようにされた凸レンズである。
【0200】G−PBS96は、第3のフィールドレン
ズ95を透過した照明光の偏光成分に応じて、この照明
光を透過又は反射させて分離するようにされている。G
−PBS93は、上述した回折プリズム15又は回折プ
リズム35と略同等の構成とされており、例えば、P偏
光を透過させ直進させるとともに、S偏光を光路に対し
て45°傾いた反射面96aで反射させ進行方向を90
°変化させる。
【0201】第3の液晶パネル97は、光の3原色毎に
分離された映像信号のうち緑色の映像信号が入力され、
この緑色の映像信号に基づいたパターンを表示し、照明
光が入射されることにより、この照射光を変調し反射す
るようにされている。この第3の液晶パネル97は、液
晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ごとに光
を変調することができる。
【0202】G−PBS96では、第3のフィールドレ
ンズ95を透過した照明光と、第3の液晶パネル97で
変調された反射光とが、G−PBS96を透過して直進
する光と、反射面96aで反射して進行方向が90°変
化する光とに分離される。
【0203】さらにまた、プロジェクタ装置80は、B
−PBS88を透過した第1の液晶パネル89で変調さ
れた反射光と、R−PBS93を透過した第2の液晶パ
ネル94で変調された反射光と、G−PBS96を透過
した第3の液晶パネル97で変調された反射光との進行
方向に、合成プリズム98を備えている。
【0204】合成プリズム98は、B−PBS88を透
過した第1の液晶パネル89で変調された反射光と、R
−PBS93を透過した第2の液晶パネル94で変調さ
れた反射光と、G−PBS96を透過した第3の液晶パ
ネル97で変調された反射光とを、波長帯域に応じて透
過又は反射させて合成するようにされている。合成プリ
ズム98は、異なる特性の誘電体多層膜を互いの面が直
交するようにプリズムにより挟み込まれた構造とされて
おり、例えば、青の波長帯域の光を光路に対して45°
傾いた反射面98aで反射させ進行方向を90°変化さ
せ、赤の波長帯域の光を光路に対して45°傾いた反射
面99bで反射させ進行方向を90°変化させ、緑の波
長帯域の光を透過させ直進させる。
【0205】合成プリズム98では、B−PBS88を
透過した第1の液晶パネル89で変調された反射光を反
射面98aで反射させ進行方向を90°変化させ、R−
PBS93を透過した第2の液晶パネル94で変調され
た反射光を反射面98bで反射させ進行方向を90°変
化させるとともに、G−PBS96を透過した第3の液
晶パネル97で変調された反射光を透過させ直進させ、
これらを同一方向に出力する。
【0206】さらにまた、プロジェクタ装置80は、合
成プリズム98の反射面98aで反射した第1の液晶パ
ネル89で変調された反射光と、合成プリズム98の反
射面98bで反射した第2の液晶パネル94で変調され
た反射光と、合成プリズム98を透過した第3の液晶パ
ネル97で変調された反射光との進行方向に、投影レン
ズ99を備えている。
【0207】投影レンズ99は、合成プリズム98の反
射面98aで反射した第1の液晶パネル89で変調され
た反射光と、合成プリズム98の反射面98bで反射し
た第2の液晶パネル94で変調された反射光と、合成プ
リズム98を透過した第3の液晶パネル97で変調され
た反射光とをともに拡大投影することができるようにさ
れた凸レンズであり、図示しないスクリーン等に映像を
投影することができるようにされている。
【0208】上述したように構成されたプロジェクタ装
置80について、ランプ81から出射した照明光の光路
に沿って各部の動作を説明する。
【0209】ランプ81から出射した照明光は、光の3
原色となる赤、緑、青の波長帯域を含み、無偏光光とし
てフライアイインテグレータ82に導かれる。
【0210】次に、フライアイインテグレータ82に導
かれた照明光は、フライアイインテグレータ82により
照度分布を均一化され透過し、PS変換合成素子83に
入射する。
【0211】次に、PS変換合成素子83に入射した照
明光は、S偏光がそのまま透過するとともに、P偏光が
S偏光に変換されて、全てS偏光としてメインコンデン
サ84に入射する。
【0212】次に、メインコンデンサ84に入射した照
明光は、メインコンデンサ84により集光されてクロス
ダイクロイックミラー85に入射する。
【0213】次に、クロスダイクロイックミラー85に
入射した照明光は、赤、緑、青の波長帯域全てを含むS
偏光であり、青の波長帯域が反射面85aにより反射さ
れ進行方向を90°変化させ、赤及び緑の波長帯域が反
射面85bにより反射され進行方向を90°変化させ
る。なお、青の波長帯域の照明光と赤及び緑の波長帯域
の照明光とは、進行方向が180°異なるように分離さ
れ、青の波長帯域の照明光が第1の平面ミラー86に導
かれ、赤及び緑の波長帯域の照明光が第2の平面ミラー
90に導かれる。
【0214】ここで、上述したクロスダイクロイックミ
ラー85により分離された照明光のうち、クロスダイク
ロイックミラー85の反射面85aで反射して第1の平
面ミラー86に導かれた、青の波長帯域の照明光の光路
について説明する。
【0215】第1の平面ミラー86に導かれた照明光
は、青の波長帯域のS偏光であり、第1の平面ミラー8
6により反射されて進行方向が90°変化して、第1の
フィールドレンズ87に導かれる。
【0216】次に、第1のフィールドレンズ87に導か
れた照明光は、青の波長帯域のS偏光であり、第1のフ
ィールドレンズ87により第1の液晶パネル89に集光
するようにされて、B−PBS88に導かれる。
【0217】次に、B−PBS88に導かれた照明光
は、青の波長帯域のS偏光であり、B−PBS88の反
射面88aで反射され進行方向を90°変化させ、第1
の液晶パネル89に導かれる。
【0218】次に、第1の液晶パネル89に導かれた照
明光は、青の波長帯域のS偏光であり、青色の映像信号
に基づくパターンが表示された第1の液晶パネル89に
より変調され反射されて進行方向を180°変化させ、
この際にP偏光が生成され、B−PBS88に戻され
る。
【0219】次に、B−PBS88に戻された第1の液
晶パネル89からの反射光は、青の波長帯域のP偏光と
OFF光であるS偏光とであり、P偏光がB−PBS8
8の反射面88aを透過して合成プリズム98に導か
れ、S偏光が反射面88aで反射され進行方向を90°
変化させ第1のフィールドレンズ87側に戻される。
【0220】次に、合成プリズム98に導かれた第1の
液晶パネル89で変調された反射光は、合成プリズム9
8の反射面98aで反射され進行方向を90°変化さ
せ、投影レンズ99に導かれる。
【0221】一方、上述したクロスダイクロイックミラ
ー85により分離された照明光のうち、クロスダイクロ
イックミラー85の反射面85bで反射され第2の平面
ミラー90に導かれた赤及び緑の波長帯域の照明光の光
路について説明する。
【0222】第2の平面ミラー90に導かれた照明光
は、赤及び緑の波長帯域のS偏光であり、第2の平面ミ
ラー90により反射されて進行方向が90°変化して、
ダイクロイックミラー91に導かれる。
【0223】次に、ダイクロイックミラー91に導かれ
た照明光は、赤及び緑の波長帯域のS偏光であり、赤の
波長帯域がダイクロイックミラー91を透過して第2の
フィールドレンズ92に導かれ、緑の波長帯域がダイク
ロイックミラー91で反射され第3のフィールドレンズ
95に導かれる。
【0224】ここで、上述したダイクロイックミラー8
5により分離された照明光のうち、クロスダイクロイッ
クミラー85を透過して第2のフィールドレンズ92に
導かれた、赤の波長帯域の照明光の光路について説明す
る。
【0225】第2のフィールドレンズ92に導かれた照
明光は、赤の波長帯域のS偏光であり、第2のフィール
ドレンズ92により第2の液晶パネル94に集光するよ
うにされて、R−PBS93に導かれる。
【0226】次に、R−PBS93に導かれた照明光
は、赤の波長帯域のS偏光であり、R−PBS93の反
射面93aで反射され進行方向を90°変化させ、第2
の液晶パネル94に導かれる。
【0227】次に、第2の液晶パネル94に導かれた照
明光は、赤の波長帯域のS偏光であり、赤色の映像信号
に基づくパターンが表示された第2の液晶パネル94に
より変調され反射されて進行方向を180°変化させ、
この際にP偏光が生成され、R−PBS93に戻され
る。
【0228】次に、R−PBS93に戻された第2の液
晶パネル94からの反射光は、赤の波長帯域のP偏光と
OFF光であるS偏光とであり、P偏光がR−PBS9
3の反射面93aを透過して合成プリズム98に導か
れ、S偏光が反射面93aで反射され進行方向を90°
変化させ第2のフィールドレンズ92側に戻される。
【0229】次に、合成プリズム98に導かれた第2の
液晶パネル94で変調された反射光は、合成プリズム9
8の反射面98bで反射して進行方向を90°変化さ
れ、投影レンズ99に導かれる。
【0230】一方、上述したダイクロイックミラー91
により分離された照明光のうち、ダイクロイックミラー
91で反射され第3のフィールドレンズ95に導かれた
緑の波長帯域の照明光の光路について説明する。
【0231】第3のフィールドレンズ95に導かれた照
明光は、緑の波長帯域のS偏光であり、第3のフィール
ドレンズ95により第3の液晶パネル97に集光するよ
うにされて、G−PBS96に導かれる。
【0232】次に、G−PBS96に導かれた照明光
は、緑の波長帯域のS偏光であり、G−PBS96の反
射面96aで反射され進行方向を90°変化させ、第3
の液晶パネル97に導かれる。
【0233】次に、第3の液晶パネル97に導かれた照
明光は、緑の波長帯域のS偏光であり、緑色の映像信号
に基づくパターンが表示された第3の液晶パネル97に
より変調され反射されて進行方向を180°変化させ、
この際にP偏光が生成され、G−PBS96に戻され
る。
【0234】次に、G−PBS96に戻された第3の液
晶パネル97からの反射光は、緑の波長帯域のP偏光と
OFF光であるS偏光とであり、P偏光がG−PBS9
6の反射面96aを透過して合成プリズム98に導か
れ、S偏光が反射面96aで反射され進行方向を90°
変化させ第3のフィールドレンズ95側に戻される。
【0235】次に、合成プリズム98に導かれた第3の
液晶パネル97で変調された反射光は、合成プリズム9
8を透過して直進し、投影レンズ99に導かれる。
【0236】以上のように、クロスダイクロイックミラ
ー85やダイクロイックミラー91により3つの光路に
分離されたそれぞれの波長帯域の光は、照明光としてそ
れぞれの波長帯域に対応した液晶パネルに入射され、そ
れぞれの液晶パネルにより変調され反射される。そし
て、それぞれの液晶パネルで変調された反射光は、合成
プリズム98で合成されて投影レンズ99に導かれ、こ
の投影レンズ99によりスクリーン等に拡大投影され
る。
【0237】このような、プロジェクタ装置60は、入
射PBS68、G−PBS69、RB−PBS72、出
射PBS76に、それぞれ上述した回折プリズム15又
は回折プリズム35をもちいることで、上述したプロジ
ェクタ装置10及び/又はプロジェクタ装置30と同等
の効果を得ることができる。
【0238】このような、プロジェクタ装置80は、B
−PBS88、R−PBS93、G−PBS96に、そ
れぞれ上述した回折プリズム15又は回折プリズム35
を用いることで、上述したプロジェクタ装置10及び/
又はプロジェクタ装置30と同等の効果を得ることがで
きる。
【0239】次に、本発明を適用したカラー映像を投影
することができるプロジェクタ装置として、図9に示
す、プロジェクタ装置100について説明する。
【0240】プロジェクタ装置100は、照明光を出射
する光源となるランプ101と、このランプ101側か
ら光路順に、フライアイインテグレータ102と、PS
変換合成素子103と、メインコンデンサ104と、フ
ィールドレンズ105と、PBS106とを備えてい
る。
【0241】ランプ101は、カラー画像を表示するた
めに必要とされる、光の3原色である赤,緑,青の波長
帯域の光を含む白色光を出射することができるようにさ
れている。このようなランプ101は、白色光を発する
発光体101aと、発光体101aから発せられた光を
反射するリフレクタ101bとを有している。ランプ1
01の発光体101aとしては、例えば、高圧水銀ラン
プ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ等が用いられる。ランプ101のリフレクタ10
1bとしては、凹面鏡が用いられ、その鏡面が周効率の
よい形状とされていることが好ましく、例えば、回転方
物面や回転楕円面のような回転対称面の形状とされてい
る。
【0242】フライアイインテグレータ102は、ラン
プ101から出射された照明光が後述する液晶パネルの
有効面積内を均一に照明するために、照明光を液晶パネ
ルの有効面積の形状の光束とし、照度分布を均一化する
ようにされている。このようなフライアイインテグレー
タ102は、マルチレンズアレイとも呼ばれ、複数の小
さな凸レンズをアレイ状に設けたものを二つ組み合わ
せ、ランプ101側のマルチレンズアレイ102aによ
りランプ101からの照明光を集光し小さな点光源を作
り出し、他方のマルチレンズアレイ102bによりそれ
ぞれの点光源からの照明光を合成するようにされてい
る。
【0243】PS変換合成素子103は、ランプ101
からの照明光を有効利用するために、照明光の偏光成分
を揃えるようにされている。PS変換合成素子103
は、λ/2板や偏光ビームスプリッタ等により構成さ
れ、例えば、P偏光をS偏光に変換することができるよ
うにされており、入射した照明光の内でS偏光を透過す
るとともにP偏光をS偏光に変換して出力するので、照
明光を全てS偏光にすることができる。
【0244】メインコンデンサ104は、PS変換合成
素子103を透過した照明光を集光する凸レンズであ
る。
【0245】フィールドレンズ105は、メインコンデ
ンサ104で集光された照明光を、さらに後述する3枚
の液晶パネルに集光するようにされた凸レンズである。
【0246】なお、これら集光レンズは、凸レンズに限
定されるものではない。例えばメインコンデンサ104
の機能は、フライアイインテグレータ102のマルチレ
ンズアレイ102bの各レンズエレメントをマルチレン
ズアレイ102aの各レンズエレメントに対して偏芯さ
せることでも得ることができる。
【0247】PBS106は、フィールドレンズ105
を透過した照明光の偏光成分に応じて、この照明光を透
過又は反射させて分離するようにされている。PBS1
06は、上述した回折プリズム15又は回折プリズム3
5と略同等の構成とされており、例えば、P偏光を透過
させ直進させるとともに、S偏光を光路に対して45°
傾いた反射面106aで反射させ進行方向を90°変化
させる。
【0248】また、プロジェクタ装置100は、PBS
106の反射面106aで反射した照明光の進行方向
に、分離合成プリズム107を備えている。
【0249】分離合成プリズム107は、PBS106
の反射面106aで反射された照明光の波長帯域に応じ
て、この照明光を光路にたいして45°傾き、且つ互い
に直行する反射面107aで反射させ、反射面107b
で反射させ、又は反射面107a及び反射面107bを
透過させて分離するようにされている。分離合成プリズ
ム107は、誘電体多層膜等を互いの面が直交するよう
にプリズムに挟み込まれた構造とされており、例えば、
青の波長帯域の光を光路に対して45°傾いた反射面1
07aで反射させ進行方向を90°変化させ、緑の波長
帯域の光を透過させて直進させ、赤の波長帯域の光を光
路に対して45°傾いた反射面107bで反射させ進行
方向を90°変化させる。
【0250】さらに、プロジェクタ装置100は、分離
合成プリズム107の反射面107aで反射した照明光
の進行方向に第1の液晶パネル108と、分離合成プリ
ズム107の反射面107a及び反射面107bを透過
した照明光の進行方向に第2の液晶パネル109と、分
離合成プリズム107の反射面107bで反射した照明
光の進行方向に第3の液晶パネル110とを備えてい
る。
【0251】第1の液晶パネル108は、光の3原色毎
に分離された映像信号のうち青色の映像信号が入力さ
れ、この青色の映像信号に基づいたパターンを表示し、
照明光が入射されることにより、この照射光を変調し反
射するようにされている。この第1の液晶パネル108
は、液晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ご
とに光を変調することができる。
【0252】第2の液晶パネル109は、光の3原色毎
に分離された映像信号のうち緑色の映像信号が入力さ
れ、この緑色の映像信号に基づいたパターンを表示し、
照明光が入射されることにより、この照射光を変調し反
射するようにされている。この第2の液晶パネル109
は、液晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ご
とに光を変調することができる。
【0253】第3の液晶パネル110は、光の3原色毎
に分離された映像信号のうち赤色の映像信号が入力さ
れ、この赤色の映像信号に基づいたパターンを表示し、
照明光が入射されることにより、この照射光を変調し反
射するようにされている。この第3の液晶パネル110
は、液晶分子が封入された液晶パネルであり、各画素ご
とに光を変調することができる。
【0254】分離合成プリズム107では、フィールド
レンズ105を透過した照明光と、第1の液晶パネル1
08、第2の液晶パネル109及び第3の液晶パネル1
10でそれぞれ変調された反射光とがこの分離合成プリ
ズム107を透過して直進する光と反射面107a又は
反射面107bで反射して進行方向が90°変化する光
とに分離される。
【0255】また、PBS106では、第1の液晶パネ
ル108、第2の液晶パネル109及び第3の液晶パネ
ル110でそれぞれ変調された反射光とがこのPBS1
06を透過して直進する。
【0256】さらにまた、プロジェクタ装置100は、
PBS106の反射面106aを透過した第1の液晶パ
ネル108で変調された反射光と、PBS106の反射
面106aを透過した第2の液晶パネル109で変調さ
れた反射光と、PBS106の反射面106aを透過し
た第3の液晶パネル110で変調された反射光との進行
方向に、投影レンズ111を備えている。
【0257】投影レンズ111は、PBS106の反射
面106aを透過した第1の液晶パネル108で変調さ
れた反射光と、PBS106の反射面106aを透過し
た第2の液晶パネル109で変調された反射光と、PB
S106の反射面106aを透過した第3の液晶パネル
110で変調された反射光とをともに拡大投影すること
ができるようにされた凸レンズであり、図示しないスク
リーン等に映像を投影することができるようにされてい
る。
【0258】上述したように構成されたプロジェクタ装
置100について、ランプ101から出射した照明光の
光路に沿って各部の動作を説明する。
【0259】ランプ101から出射した照明光は、光の
3原色となる赤、緑、青の波長帯域を含み、無偏光光と
してフライアイインテグレータ102に導かれる。
【0260】次に、フライアイインテグレータ102に
導かれた照明光は、フライアイインテグレータ102に
より照度分布を均一化され透過し、PS変換合成素子1
03に入射する。
【0261】次に、PS変換合成素子103に入射した
照明光は、S偏光がそのまま透過するとともに、P偏光
がS偏光に変換されて、全てS偏光としてメインコンデ
ンサ104に入射する。
【0262】次に、メインコンデンサ104に入射した
照明光は、メインコンデンサ104により集光されてフ
ィールドレンズ105に導かれる。
【0263】次に、フィールドレンズ105に導かれた
照明光は、フィールドレンズ105により第1の液晶パ
ネル108と第2の液晶パネル109と第3の液晶パネ
ル110とに集光するようにPBS106に導かれる。
【0264】次に、PBS106に導かれた照明光は、
赤、緑、青の波長帯域全てを含むS偏光であり、PBS
106の反射面106aで反射され進行方向を90°変
化され、分離合成プリズム107に導かれる。
【0265】次に、分離合成プリズム107に入射した
照明光は、赤、緑、青の波長帯域全てを含むS偏光であ
り、青の波長帯域が反射面107aにより反射され進行
方向を90°変化され第1の液晶パネル108に導か
れ、緑の波長帯域が反射面107a及び反射面107b
を透過して直進し第2の液晶パネル109に導かれ、赤
の波長帯域が反射面107bで反射され進行方向を90
°変化され第3の液晶パネルに導かれる。なお、青の波
長帯域の照明光と赤の波長帯域の照明光とは、進行方向
が180°異なるように分離される。
【0266】次に、上述した分離合成プリズム107に
より分離された照明光のうち、分離合成プリズム107
の反射面107aで反射して第1の液晶パネル108に
導かれた照明光は、青の波長帯域のS偏光であり、青色
の映像信号に基づくパターンが表示された第1の液晶パ
ネル108により変調され反射されて進行方向を180
°変化させ、この際にP偏光が生成され、分離合成プリ
ズム107に戻される。また、上述した分離合成プリズ
ム107により分離された照明光のうち、分離合成プリ
ズム107の反射面107a及び反射面107bを透過
して第2の液晶パネル109に導かれた照明光は、緑の
波長帯域のS偏光であり、緑色の映像信号に基づくパタ
ーンが表示された第2の液晶パネル109により変調さ
れ反射されて進行方向を180°変化させ、この際にP
偏光が生成され、分離合成プリズム107に戻される。
【0267】さらに、上述した分離合成プリズム107
により分離された照明光のうち、分離合成プリズム10
7の反射面107bで反射して第3の液晶パネル110
に導かれた照明光は、赤の波長帯域のS偏光であり、赤
色の映像信号に基づくパターンが表示された第3の液晶
パネル110により変調され反射されて進行方向を18
0°変化させ、この際にP偏光が生成され、分離合成プ
リズム107に戻される。
【0268】次に、分離合成プリズム107に戻された
第1の液晶パネル108からの反射光は、青の波長帯域
のP偏光とOFF光であるS偏光とであり、反射面10
7aで反射され進行方向を90°変化されてPBS10
6に戻される。
【0269】また、分離合成プリズム107に戻された
第2の液晶パネル109からの反射光は、緑の波長帯域
のP偏光とOFF光であるS偏光とであり、反射面10
7a及び反射面107bを透過して直進しPBS106
に戻される。
【0270】さらに、分離合成プリズム107に戻され
た第3の液晶パネル110からの反射光は、赤の波長帯
域のP偏光とOFF光であるS偏光とであり、反射面1
07bで反射され進行方向を90°変化されてPBS1
06に戻される。
【0271】次に、PBS106に戻された第1の液晶
パネル108からの反射光は、青の波長帯域のP偏光と
OFF光であるS偏光とであり、P偏光がPBS106
の反射面106aを透過して投影レンズ111に導か
れ、OFF光であるS偏光が反射面106aで反射され
進行方向を90°変化させランプ101側に戻される。
【0272】また、PBS106に戻された第2の液晶
パネル109からの反射光は、緑の波長帯域のP偏光と
OFF光であるS偏光とであり、P偏光がPBS106
の反射面106aを透過して投影レンズ111に導か
れ、OFF光であるS偏光が反射面106aで反射され
進行方向を90°変化させランプ101側に戻される。
【0273】さらに、PBS106に戻された第3の液
晶パネル110からの反射光は、赤の波長帯域のP偏光
とOFF光であるS偏光とであり、P偏光がPBS10
6の反射面106aを透過して投影レンズ111に導か
れ、OFF光であるS偏光が反射面106aで反射され
進行方向を90°変化させランプ101側に戻される。
【0274】以上のように、分離合成プリズム107に
より3つの光路に分離されたそれぞれの波長帯域の光
は、照明光としてそれぞれの波長帯域に対応した液晶パ
ネルに入射され、それぞれの液晶パネルにより変調され
反射される。そして、それぞれの液晶パネルで変調され
た反射光は、分離合成プリズム107で合成されて投影
レンズ111に導かれ、この投影レンズ111によりス
クリーン等に拡大投影される。
【0275】このような、プロジェクタ装置100は、
PBS106に、上述した回折プリズム15又は回折プ
リズム35を用いることで、上述したプロジェクタ装置
10及び/又はプロジェクタ装置30と同等の効果を得
ることができる。
【0276】なお、上述では、光変調素子として液晶パ
ネルを用いているが、これに限定されるものではなく、
偏光状態を空間的に変調する素子であれば、その種類を
問わない。
【0277】また、図5及び図6に示される回折グリッ
ド51、回折グリッド基材52に代えて、板状の透明基
材の上に波長成分に応じて光を透過又は反射する特性を
有する光分離層を形成し、プリズム基材54を、複数の
平板部材55が軟質接着層56を介して接合された構成
としてもよい。もちろん光分離層は板状の透明部材を介
さずに所定の平板部材55の上に直接形成してもよい。
【0278】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明に係るプ
リズムは、広い入射角度における光束の分離特性に優
れ、且つ結像光学系内に用いても非点収差の発生を抑制
することができる。また、分離特性に優れているために
屈折率の高い基材を用いずとも所望の特性を得ることが
できるので、誘電体多層膜によるPBSと比較して低コ
ストで同等の性能を得ることができる。また、屈折率の
高い基材を用いなくても良いことから低コスト化及び軽
量化を図ることができる。さらに、それぞれの構成要素
の材料の組み合わせ自由度が高く所望の特性を得やすい
ため、様々な光学系において容易に用いることができ
る。
【0279】また、グリッド基材とプリズム基材と間に
軟性を有する接着層が設けられているため、内部に発生
する応力を低減することができ、光学的な歪を低減する
ことができるとともに、プリズム基材が複数の平板部材
を軟質接着層を介して光学的に結合されているため内部
に発生する応力をさらに低減することができ、光学的な
歪を低減することができる。
【0280】また、本発明に係る投影装置は、上述のプ
リズムを用いることにより、高いNAでの分離特性の維
持が可能であるため、コントラストの良い映像を投影す
ることができ、また光の利用効率も向上し、明るい映像
を投影することができる。また、上述のプリズムを用い
ることにより、結像光学系内での非点収差の発生を抑制
することができるので、鮮明な映像を投影することがで
きる。さらに、上述のプリズムを用いることにより低コ
スト化及び軽量化を図ることができる。
【0281】また、プリズムが光学的な歪を低減するこ
とができるため、投影する映像の黒むらを抑制すること
ができ、また、熱の応力による歪みも抑制することがで
きるので、このプリズムに入力する光量を上げることに
よる熱の発生の影響が低減できるため、光源から出射す
ること光量を上げて投影する映像の明るさを向上させる
ことができる。
【0282】また、本発明に係る光学部材は、構成する
部材を複数の平板部材に分割して、その界面に軟性を有
する接着層を挿入することで、界面方向に加わる応力を
軟質接着層により逃がして、光学的な歪の発生を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたプロジェクタ装置の構成を
示す図である。
【図2】本発明が適用されたプリズムの構成を示す図で
ある。
【図3】本発明が適用されたプロジェクタ装置の他の構
成を示す図である。
【図4】本発明が適用された光学部材の構成を示す図で
ある。
【図5】本発明が適用されたプリズムのコーナープリズ
ムが積層構造である構成を示す図である。
【図6】本発明が適用されたプリズムのコーナープリズ
ムが積層構造である他の構成を示す図である。
【図7】本発明が適用されたプロジェクタ装置構成にお
ける他の構成を示す図である。
【図8】本発明が適用されたプロジェクタ装置構成にお
けるさらに他の構成を示す図である。
【図9】本発明が適用されたプロジェクタ装置構成にお
けるさらに他の構成を示す図である。
【図10】従来のPBSの構成を示す図である。
【図11】従来の回折グリッドPBSを示す図である。
【符号の説明】
15 回折プリズム、21 回折グリッド、22 回折
グリッド基材、23接着層、24 プリズム基材、25
回折グリッド媒質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13357 G02F 1/13357 2K103 G03B 21/00 G03B 21/00 E Fターム(参考) 2H042 CA06 CA14 CA17 2H049 BA05 BA45 BB03 BC21 2H088 EA12 HA23 MA20 2H091 FA21X FA26Z FA41Z FB07 FB08 FD14 LA16 MA07 2H099 AA12 BA09 BA17 CA17 DA05 2K103 AA01 AA05 AA11 AA14 AB01 AB04 AB08 BC15 BC16 BC20 CA75

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射された光を偏光成分に応じて透過又
    は反射するプリズムであって、 金属により形成された略グリッド状の回折グリッドと、 上記回折グリッドを挟み込む一対の回折グリッド基材
    と、 上記一対の回折グリッド基材の上記回折グリッドと対向
    するそれぞれの面側に設けられた接着層と、 上記接着層を介して上記一対の回折グリッド基材にそれ
    ぞれ固定される一対のブロック部材とを備え、 上記回折グリッドと上記一対の回折グリッド基材とによ
    り形成される空隙に、上記ブロック部材と略同等の屈折
    率を有する媒質が充填されていることを特徴とするプリ
    ズム。
  2. 【請求項2】 上記接着層は、軟性を有することを特徴
    とする請求項1記載のプリズム。
  3. 【請求項3】 上記ブロック部材は、互いに略直角に交
    差する2辺を有する三角形の底面を有する角柱であり、 上記一対の回折グリッド基材は、それぞれ対応する上記
    ブロック部材の上記2辺を稜とする側面に対し、当該2
    辺以外の1辺を稜とする側面に沿って傾斜して配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  4. 【請求項4】 上記ブロック部材は、表面を鏡面研磨さ
    れた複数の板状部材が軟性を有する軟質接着層を介して
    交互に積層されてなり、光学的に結合されていることを
    特徴とする請求項1記載のプリズム。
  5. 【請求項5】 上記ブロック部材を形成する少なくとも
    1つの上記板状部材は、上記軟質接着層を介して積層さ
    れる2つの積層面の形状が異なり、当該積層面の形状が
    当該積層面に隣接する他の板状部材の上記積層面の形状
    と等しいことを特徴とする請求項4記載のプリズム。
  6. 【請求項6】 上記ブロック部材は互いに略直角に交差
    する2辺を有する三角形の底面を有する角柱であり、上
    記複数の板状部材は、上記回折グリッド基材の接着面と
    上記積層面が平行になるように、上記軟質接着層を介し
    て交互に積層して構成されていることを特徴とする請求
    項5記載のプリズム。
  7. 【請求項7】 照明光を出射する光源と、 上記光源から出射された照明光を集光する集光レンズ
    と、 上記集光レンズからの光を偏光成分に応じて透過又は反
    射するプリズムと、 上記プリズムで透過又は反射した照明光を変調して反射
    する光変調素子と、 上記プリズムで反射又は透過した上記光変調素子で変調
    された反射光を拡大投影する投影レンズとを備え、 上記プリズムは、金属により形成された略グリッド状の
    回折グリッドと、上記回折グリッドを挟み込む一対の回
    折グリッド基材と、上記一対の回折グリッド基材の上記
    回折グリッドと対向するそれぞれの面側に設けられた接
    着層と、上記接着層を介して上記一対の回折グリッド基
    材にそれぞれ固定される一対のブロック部材とを有し、
    上記回折グリッドと上記一対の回折グリッド基材とによ
    り形成される空隙に、上記ブロック部材と略同等の屈折
    率を有する媒質が充填されている投影装置。
  8. 【請求項8】 上記光源と上記プリズムの間に、上記照
    明光を所定の偏光方向の光として上記プリズムに出力す
    る偏光手段をさらに有することを特徴とする請求項7記
    載の投影装置。
  9. 【請求項9】 上記偏光手段は、上記照明光の偏光成分
    を揃える偏光変換合成素子、又は上記プリズムに入射す
    る上記照明光のうち所定の偏光成分の光を透過させるプ
    リ偏光素子であることを特徴とする請求項8記載の投影
    装置。
  10. 【請求項10】 上記プリズムは、上記接着層が軟性を
    有する請求項7記載の投影装置。
  11. 【請求項11】 上記プリズムは、上記ブロック部材が
    表面を鏡面研磨された複数の板状部材が軟性を有する軟
    質接着層を介して積層されている請求項7記載の投影装
    置。
  12. 【請求項12】 所定の偏光状態の光が透過して出射さ
    れる光学部材であって、表面を鏡面研磨された複数の板
    状部材が軟性を有する軟質接着層を介して積層されてい
    ることを特徴とする光学部材。
  13. 【請求項13】 少なくとも1つの上記板状部材は、上
    記軟質接着層を介して積層される2つの積層面の形状が
    異なり、当該積層面の形状が当該積層面に隣接する他の
    板状部材の上記積層面の形状と等しいことを特徴とする
    請求項12記載の光学部材。
  14. 【請求項14】 板状基材の上に設けられ、偏光成分に
    応じて光を透過又は反射する特性を有する光分離層と、 上記板状基材の光分離層が設けられていない主面側及び
    上記光分離層の上記板状基材に当接しない主面側に設け
    られた一対の接着層と、 上記接着層を介して上記光分離層を挟持する一対のブロ
    ック部材とを備え、上記ブロック部材は、表面を鏡面研
    磨された複数の板状部材が軟性を有する軟質接着層を介
    して積層されていることを特徴とするプリズム。
  15. 【請求項15】 上記接着層は、軟性を有することを特
    徴とする請求項14記載のプリズム。
  16. 【請求項16】 上記ブロック部材は、互いに略直角に
    交差する2辺を有する三角形の底面を有する角柱である
    ことを特徴とする請求項14記載のプリズム。
  17. 【請求項17】 上記ブロック部材を形成する少なくと
    も1つの上記板状部材は、上記軟質接着層を介して積層
    される2つの積層面の面積が異なり、当該積層面に隣接
    する他の板状部材の上記積層面は当該積層面とその形状
    が等しいことを特徴とする請求項14記載のプリズム。
  18. 【請求項18】 照明光を出射する光源と、 上記光源から出射された照明光を集光する集光レンズ
    と、 上記集光レンズからの光を偏光成分に応じて透過又は反
    射するプリズムと、 上記プリズムで透過又は反射した照明光を変調して反射
    する光変調素子と、 上記プリズムで反射又は透過した上記光変調素子で変調
    された反射光を拡大投影する投影レンズとを備え、 上記プリズムは、板状基材の上に設けられ、偏光成分に
    応じて光を透過又は反射する特性を有する光分離層と、
    上記板状基材の光分離層が設けられていない主面側及び
    上記光分離層の上記板状基材に当接しない主面側に設け
    られた一対の接着層と、上記接着層を介して上記光分離
    層を挟持する一対のブロック部材とを有し、上記ブロッ
    ク部材が、表面を鏡面研磨された複数の板状部材が軟性
    を有する軟質接着層を介して積層されていることを特徴
    とする投影装置。
  19. 【請求項19】 上記光源と上記プリズムの間に、上記
    照明光を所定の偏光方向の光として上記プリズムに出力
    する偏光手段をさらに有することを特徴とする請求項1
    8記載の投影装置。
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