JP2003193957A - 移動システムおよびその移動方法 - Google Patents

移動システムおよびその移動方法

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JP2003193957A JP2001395818A JP2001395818A JP2003193957A JP 2003193957 A JP2003193957 A JP 2003193957A JP 2001395818 A JP2001395818 A JP 2001395818A JP 2001395818 A JP2001395818 A JP 2001395818A JP 2003193957 A JP2003193957 A JP 2003193957A
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moving
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モーターなどの複雑な動力部品を用いずに移
動可能な移動システムおよびその移動方法を提供する。 【構成】 媒質409中に、ばね402と、ばね402
の両端に開閉可能な板状体405A、405Bと、を有
する移動システム401を配置する〔(a)〕。一定の
磁場を印加してばねを収縮させると、板状体405Aは
媒質から応力を受けて開くため直に停止する。ばねが収
縮するにつれて板状体405Bが媒質から受ける抵抗が
減少して、抵抗調節ユニット403Bが右方に急激に移
動する〔(b)〕。次いで、ばねの反発力によってばね
が逆に伸張するが、板状体405Bは直に停止する。ば
ねが伸張するにつれて板状体405Aが媒質から受ける
抵抗が減少して、抵抗調節ユニット403Aが右方に急
激に移動する〔(c)〕。以後、ばねが収縮/伸張を繰
り返すにつれて、移動システムが右方に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動システムとそ
の移動方法に関し、特に振動体の振動を直進移動の推進
力に変換する移動システムおよびその移動方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在、移動システムにおいては、通常、
その移動の推進力として、モーターなどの動力部品の回
転運動が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子機
器の小型化がますます加速されている現在、モーターな
どの複雑な動力部品を機器に組み込むことが困難となっ
ており、移動システムの簡素化、微小化が解決すべき課
題となっている。
【0004】本発明はこれらの課題に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、モーターなどの回転運動を伴
う複雑な動力部品を用いることなく、振動運動を直進運
動の推進力とする移動システムおよびその移動方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、伸縮を行うことによって振動する
振動部と、該振動部の振動運動を直進運動に変換する変
換部と、を有するものであって、前記振動部は、該移動
システムの有する固有の振動数またはそれに近い振動数
で振動することを特徴とする移動システム、が提供され
る。そして、好ましくは、前記変換部が、前記振動部の
振動方向に沿った一端および他端にそれぞれ接続された
変換部よりなり、前記一端に接続された変換部において
前記移動システムが媒質中あるいは/および固体表面上
を移動する際に媒質あるいは/および固体表面から受け
る抵抗力が前記振動部が収縮したときに増加し、前記振
動部が伸張したときに減少し、前記他端に接続された変
換部における前記媒質あるいは/および固体基板から受
ける抵抗力が前記振動部が収縮したときに減少し、前記
振動部が伸張したときに増加する。
【0006】また、上記の目的を達成するため、本発明
によれば、移動システム中に該移動システムのもつ固有
の振動数若しくはそれに近い振動数の振動を誘起させ、
該振動に基づいて前記移動システムを一方向に移動させ
るさせることを特徴とする移動システムの移動方法、が
提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る移動システムの動作を説明するための側面図で
ある。図1(a)は、ばね2が伸縮していない平衡状態
において移動システム1が固体表面8の上に配置されて
いる状態を示している。図1(a)に示すように、本実
施の形態に係る移動システム1は、ばね2と、ばね2の
紙面左右両端にそれぞれ固定された抵抗調整ユニット3
B、3Aと、を有している。抵抗調整ユニット3A、3
Bは、それぞれ、支持体4A、4Bと、支持体4A、4
Bにそれぞれ方向制御板6A、6Bを介して取りつけら
れた半球状体5A、5Bと、を備えている。支持体4
A、4Bの下端には、それぞれ、微小なキャスター7
A、7Bが取り付けられている。キャスター7A、7B
は、移動システム1が固体表面8上を移動する際に固体
表面8との摩擦を小さくするためのものである。固体表
面8上には液体あるいは/および気体等の流体よりなる
媒質9があり、この媒質9中を移動システム1が移動す
る。移動システム1の重心は、ばね2のほぼ中央にあ
る。
【0008】半球状体5A、5Bは、その内部が空洞で
あり、開口15A、15Bにおいて媒質9に開口してい
る。10A、11Aは、それぞれ、半球状体5Aの内
面、外面であり、10B、11Bは、それぞれ、半球状
体5Bの内面、外面である。方向制御板6A、6Bは、
それぞれ、支持体4A、4Bの上で回転可能であり、方
向制御板6A、6Bが180°回転することによって、
半球状体5A、5Bの開口15A、15Bの開口方向が
反転する。半球状体5A、5Bの開口15A、15Bの
開口方向がともに紙面左方向である場合について、本実
施の形態の移動システムの動作を説明する。
【0009】このような平衡状態にある移動システム1
の支持体4Aの右端と支持体4Bの左端とに力Fを印加
する。図1(b)は、支持体4Aの右端と支持体4Bの
左端とに印加された力Fによって、ばね2が収縮した状
態を示している。ばね2が収縮する際、半球状体5A
は、開口15Aを通して内面10Aに媒質9から応力を
受ける。したがって、抵抗調整ユニット3Aが左に移動
する運動に対する媒質9からの抵抗力は大きい。一方、
半球状体5Bは、ばね2が収縮する際、その外面11B
に媒質9から応力を受けるだけである。したがって、抵
抗調整ユニット3Bが右に移動する運動に対する媒質9
からの抵抗力は小さい。そのため、力Fによって、抵抗
調整ユニット3Aが紙面左方に移動する距離は、抵抗調
整ユニット3Bが紙面右方に移動する距離に比して短
い。これによって、移動システム1の重心は、紙面右方
に移動する。
【0010】次に、この状態で、支持体4Aの右端と支
持体4Bの左端から力Fを解除すると、ばね2は伸張す
る。図1(c)は、ばね2が伸張した状態を示してい
る。ばね2が伸張する際、半球状体5Aは、その外面1
1Aに媒質9から応力を受けるだけである。したがっ
て、抵抗調整ユニット3Aが右に移動する運動に対する
媒質9からの抵抗力は小さい。一方、半球状体5Bは、
開口15Bを通して内面10Bに媒質9から応力を受け
る。したがって、抵抗調整ユニット3Bが左に移動する
運動に対する媒質9からの抵抗力は大きい。そのため、
力Fを解除したことによって、抵抗調整ユニット3Aが
紙面右方に移動する距離は、抵抗調整ユニット3Bが紙
面左方に移動する距離に比して長い。これによって、移
動システム1の重心は、紙面右方に移動する。
【0011】次いで、ばね2が収縮する。図1(d)
は、ばね2が収縮した状態を示している。ばね2が収縮
する際、半球状体5Aは、開口15Aを通して内面10
Aに媒質9から応力を受ける。したがって、抵抗調整ユ
ニット3Aが左に移動する運動に対する媒質9からの抵
抗力は大きい。一方、半球状体5Bは、その外面11B
に媒質9から応力を受けるだけである。したがって、抵
抗調整ユニット3Bが右に移動する運動に対する媒質9
からの抵抗力は小さい。そのため、抵抗調整ユニット3
Aが紙面左方に移動する距離は、抵抗調整ユニット3B
が紙面右方に移動する距離に比して短い。これによっ
て、移動システム1の重心は、紙面右方に移動する。
【0012】次に、ばね2が伸張する。ばね2が伸張す
ると、図1(c)の場合と同様に、抵抗調整ユニット3
Aが紙面右方に大きく移動するのに対して、抵抗調整ユ
ニット3Bはわずかに紙面左方に移動するだけであるた
め、移動システム1の重心は、紙面右方に移動する。ば
ね2は、上述の収縮/伸張を繰り返す。このとき、移動
システム1の重心が常に紙面右方に移動するため、移動
システム1は全体として右に移動する。移動システム1
の移動は、ばね2の収縮/伸張によって移動システム1
と媒質9との間に生じる摩擦によって外力Fが熱として
消費されてしまうまで続く。
【0013】方向制御板6A、6Bを180°回転させ
ると、開口15A、15Bが右方を向く。これは、移動
システム1全体を180°回転させるのと等価である。
したがって、この場合には、上述の説明から、移動シス
テム1は左方に移動することが明白である。以上説明し
たように、抵抗調整ユニット3A、3Bは、ばね2の振
動運動を直進運動に変換する効果を有している。
【0014】〔第2の実施の形態〕図2は、本発明の第
2の実施の形態に係る移動システムの平面図〔(a)〕
と側面図〔(b)〕である。図3は、本実施の形態に係
る移動システムの動作を説明するための平面図である。
図2(a)に示すように、本実施の形態に係る移動シス
テム101は、ばね102と、ばね102の紙面左右両
端にそれぞれ固定された抵抗調整ユニット103B、1
03Aを有している。抵抗調整ユニット103A、10
3Bは、それぞれ、支持体104A、104Bと、支持
体104A、104Bにそれぞれ蝶番106A、106
Bを介して取りつけられた板状体105A、105B
と、を備えている。蝶番106A、106Bは、角度α
から90°の範囲で開くことが可能である。角度αは9
0°よりも小さければ制限がないが、2°から30°程
度であることが望ましい。板状体105A、105B
は、それぞれ、蝶番106A、106Bに固定されてい
る。したがって、2枚の板状体105A、2枚の板状体
105Bのなす角度は、ともに、最小2αから最大18
0°までである。ばねが伸縮していない平衡状態にある
ときには、2枚の板状体105A、105Bは、とも
に、角度2αをなしているか、あるいは、任意の角度に
開いている。2枚の板状体105A、105Bの開く方
向は、同方向である。
【0015】図2(b)に示すように、支持体104
A、104Bの下端には、それぞれ、微小なキャスター
107A、107Bが取り付けられている。キャスター
107A、107Bは、移動システム101が固体表面
108上を移動する際に固体表面108との摩擦を小さ
くするためのものである。固体表面108上には液体あ
るいは/および気体等の流体よりなる媒質109があ
り、この媒質109中を移動システム101が移動す
る。
【0016】図3(a)は、ばね102が伸縮していな
い平衡状態において移動システム101が媒質109中
に配置されている状態を示している。図3(a)におい
て、図2(a)と同じ構成要素には同じ参照符号が付さ
れている。110A、111Aは、それぞれ、板状体1
05Aの内面、外面であり、110B、111Bは、そ
れぞれ、板状体105Bの内面、外面である。板状体1
05A、105Bは、それぞれ、最小角度2αに近い角
度をなしている。移動システム101の重心は、ばね1
02のほぼ中央にある。
【0017】このような平衡状態にある移動システム1
01の支持体104Aの右端と支持体104Bの左端と
に力Fを印加する。図3(b)は、支持体104Aの右
端と支持体104Bの左端とに印加された力Fによっ
て、ばね102が収縮した状態を示している。ばね10
2が収縮するにつれて、板状体105Aは、その内面1
10Aに媒質109から応力を受けて、最大角度180
°まで開く。一方、板状体105Bは、ばね102が収
縮するにつれて、その外面111Bに媒質109から応
力を受けて、最小角度2αまで閉じる。板状体105A
は、最大角度180°まで開くため、媒質109から受
ける力が大きくなる。板状体105Bは、最小角度2α
まで閉じるため、媒質109から受ける力が小さい。し
たがって、力Fによって、抵抗調整ユニット103Aが
紙面左方に移動する距離は、抵抗調整ユニット103B
が紙面右方に移動する距離に比して短い。そのため、移
動システム101の重心は、紙面右方に移動する。
【0018】次に、この状態で、支持体104Aの右端
と支持体104Bの左端から力Fを解除すると、ばね1
02は伸張する。図3(c)は、ばね102が伸張した
状態を示している。ばね102が伸張するにつれて、板
状体105Aは、その外面111Aに媒質109から応
力を受けて、最小角度2αまで閉じる。一方、板状体1
05Bは、ばね102が伸張するにつれて、その内面1
10Bに媒質109から応力を受けて、最大角度180
°まで開く。板状体105Aは、最小角度2αまで閉じ
るため、媒質109から受ける力が小さくなる。板状体
105Bは、最大角度180°まで開くため、媒質10
9から受ける力が大きくなる。したがって、力Fを解除
したことによって、抵抗調整ユニット103Aが紙面右
方に移動する距離は、抵抗調整ユニット103Bが紙面
左方に移動する距離に比して長い。そのため、移動シス
テム101の重心は、紙面右方に移動する。
【0019】次いで、ばね102が収縮する。図3
(d)は、ばね102が収縮した状態を示している。ば
ね102が収縮するにつれて、板状体105Aは、その
内面110Aに媒質109から応力を受けて、最大角度
180°まで開く。一方、板状体105Bは、ばね10
2が収縮するにつれて、その外面111Bに媒質109
から応力を受けて、最小角度2αまで閉じる。板状体1
05Aは、最大角度180°まで開くため、媒質109
から受ける力が大きくなる。板状体105Bは、最小角
度2αまで閉じるため、媒質109から受ける力が小さ
くなる。したがって、抵抗調整ユニット103Aが紙面
左方に移動する距離は、抵抗調整ユニット103Bが紙
面右方に移動する距離に比して短い。そのため、移動シ
ステム101の重心は、紙面右方に移動する。
【0020】次に、ばね102が伸張する。ばね102
が伸張すると、図3(c)の場合と同様に、抵抗調整ユ
ニット103Aが紙面右方に大きく移動するのに対し
て、抵抗調整ユニット103Bはわずかに紙面左方に移
動するだけであるため、移動システム101の重心は、
紙面右方に移動する。ばね102は、上述の収縮/伸張
を周期的に繰り返す。このとき、移動システム101の
重心が常に紙面右方に移動するため、移動システム10
1は全体として右に移動する。移動システム101の移
動は、ばね102の収縮/伸張によって移動システム1
01と媒質との間に生じる摩擦によって外力Fが熱とし
て消費されてしまうまで続く。
【0021】以上の説明においては、蝶番106A、1
06Bの開く角度をαから90°とし、板状体105
A、105Bが左方のみに開くようにしたが、蝶番10
6A、106Bの開く角度をαから90°、および、9
0°から(180°−α)の2段階とし、板状体105
A、105Bが右方にも開くようにすることによって、
移動システム101が固体表面108の上を左方にも移
動できるようにすることが可能である。以上説明したよ
うに、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同
様に、抵抗調整ユニット103A、103Bが、ばね1
02の振動運動を直進運動に変換する効果を有してい
る。さらに、本実施の形態においては、抵抗調整ユニッ
トが、ばねが伸張している間および収縮している間にお
いて、媒質からの抵抗力を変化させる手段を有している
ので、2つの抵抗調整ユニットの移動距離の比を、第1
の実施の形態のそれよりも大きくすることができる。
【0022】なお、上述の第1および第2の実施の形態
において、移動システムが固体表面の上を移動したが、
例えば移動システムの全体としての比重が媒質の比重と
同じになるように設計することによって、移動システム
が固体表面上を移動するのではなく、媒質中の任意の点
から任意の方向に移動可能になるようにすることができ
る。
【0023】〔第3の実施の形態〕図4は、本発明の第
3の実施の形態に係る移動システムの側面図である。図
5は、本実施の形態に係る移動システムの動作を説明す
るための側面図である。図4に示すように、本実施の形
態に係る移動システム201は、ばね202と、ばね2
02の紙面左右両端にそれぞれ固定された摩擦調整ユニ
ット203B、203Aと、を有している。摩擦調整ユ
ニット203A、203Bは、それぞれ、支持体204
A、204Bと、支持体204A、204Bにそれぞれ
回転可能に取りつけられた丸鋸形状の車輪212A、2
12Bと、板状体205A、205Bと、を備えてい
る。板状体205A、205Bは、それぞれ、ピン20
6A、206Bによって、支持体204A、204Bに
取り付けられている。板状体205A、205Bは、そ
れぞれ、ピン206A、206Bを中心として回転可能
である。ばね202が伸縮していない平衡状態にある場
合には、板状体205A、205Bのピン206A、2
06Bよりも左側の細く延びた部分(以後、「先端部」
という)は、車輪212A、212Bの鋸歯状部213
A、213Bの内部に入り込んでいる。車輪212A、
212Bが右回転する際には、板状体205A、205
Bの先端部が鋸歯状部213A、213Bの背面によっ
て下方に押されているので、板状体205A、205B
は、固体表面208から離れている。一方、車輪212
A、212Bが左回転する際には、鋸歯状部213A、
213Bの先端が、板状体205A、205Bの先端部
を上方に押す。このため、板状体205A、205Bの
ピン206A、206Bよりも右側の部分が下がり、固
体表面208に接触し、固体表面208を押しつける。
支持体204A、204Bの右端には、第1の実施の形
態と同様に、移動システム201が固体表面208上を
移動する際に固体表面208との摩擦を小さくするため
に、それぞれ、微小なキャスター207A、207Bが
取り付けられている。
【0024】図5(a)は、ばね202が伸縮していな
い平衡状態において移動システム201が固体表面20
8上に配置されている状態を示している。図5(a)に
おいて、図4と同じ構成要素には同じ参照符号が付され
ている。移動システム201の重心は、ばね202のほ
ぼ中央にある。なお、図5を通じて、車輪212A、2
12Bの鋸歯状部213A、213Bは、一点鎖線の外
接円で示されている。
【0025】このような平衡状態にある移動システム2
01の支持体204Aの右端と支持体204Bの左端と
に力Fを印加する。図5(b)は、印加された力Fによ
って、ばね202が収縮した状態を示している。ばね2
02が収縮するとき、車輪212Aが左回転しようとす
るが、車輪212Aが左回転するとすぐに、板状体20
5Aは固体表面208に強く押しつけられる。一方、車
輪212Bは右回転を行い、板状体205Bは固体表面
208から離れている。板状体205Aが固体表面20
8に強く押しつけられるので、板状体205Aと固体表
面208との間には強い摩擦力が働く。板状体205B
は固体表面208から離れているので、板状体205B
と固体表面208との間には摩擦力が働かない。したが
って、力Fによって、摩擦調整ユニット203Aはわず
かに紙面左方に移動するだけであるのに対して、摩擦調
整ユニット203Bは紙面右方に大きく移動する。その
ため、移動システム201の重心は、紙面右方に移動す
る。
【0026】次に、この状態で、力Fを解除すると、ば
ね202は伸張する。図5(c)は、ばね202が伸張
した状態を示している。ばね202が伸張するとき、車
輪212Aは右回転を行い、板状体205Aを固体表面
208から離す。一方、ばね202が伸張するとき、車
輪212Bは左回転しようとするが、車輪212Bが左
回転するとすぐに、板状体205Bが固体表面208に
強く押しつけられる。板状体205Aが固体表面208
から離れるので、板状体205Aと固体表面208との
間に摩擦力が働かなくなる。一方、板状体205Bが固
体表面208に強く押しつけられるので、板状体205
Bと固体表面208との間には強い摩擦力が働く。した
がって、力Fを解除したことによって、摩擦調整ユニッ
ト203Aが紙面右方に大きく移動するのに対して、摩
擦調整ユニット203Bはわずかに紙面左方に移動する
だけである。そのため、移動システム201の重心は、
紙面右方に移動する。
【0027】次いで、ばね202が収縮する。図5
(d)は、ばね202が収縮した状態を示している。ば
ね202が収縮するとき、車輪212Aが左回転しよう
とするが、車輪212Aが左回転するとすぐに、板状体
205Aは固体表面208に強く押しつけられる。一
方、ばね202が収縮するとき、車輪212Bは右回転
を行い、板状体205Bは固体表面208から離れる。
板状体205Aが固体表面208に強く押しつけられる
ので、板状体205Aと固体表面208との間には強い
摩擦力が働く。板状体205Bは固体表面208から離
れるので、板状体205Bと固体表面208との間には
摩擦力が働かなくなる。したがって、摩擦調整ユニット
203Aはわずかに紙面左方に移動するだけであるのに
対して、摩擦調整ユニット203Bは紙面右方に大きく
移動する。そのため、移動システム201の重心は、紙
面右方に移動する。
【0028】次に、ばね202が伸張する。ばね202
が伸張すると、図5(c)の場合と同様に、摩擦調整ユ
ニット203Aが紙面右方に大きく移動するのに対し
て、摩擦調整ユニット203Bはわずかに紙面左方に移
動するだけであるため、移動システム201の重心は、
紙面右方に移動する。ばね202は、上述の収縮/伸張
を繰り返す。このとき、移動システム201の重心が常
に紙面右方に移動するため、移動システム201は全体
として右に移動する。移動システム201の移動は、摩
擦調整ユニットと固体表面との間に生じる摩擦によって
外力Fが熱として消費されてしまうまで続く。
【0029】以上の説明においては、板状体205A、
205Bを機械的に固体表面208から離したり、固体
表面208に押しつけたりしたが、車輪212A、21
2Bの回転方向を検知するセンサを取りつけ、このセン
サからの信号に基づいて、板状体205A、205Bを
電気的に上下させることによって、固体表面208から
離したり、固体表面208に押しつけたりしてもよい。
【0030】以上説明したように、本実施の形態の移動
システムは、第1および第2の実施の形態と同様に、ば
ねの振動運動を直進運動に変換するという効果を有して
いる。上述の第1から第3の実施の形態において、力F
は機械的に印加されるだけではなく、磁気的あるいは電
気的に印加されてもよい。例えば、支持体が磁性体で作
製され、磁場によって力が印加される。あるいは、支持
体が荷電状態にされ、電界によって力が印加される。
【0031】〔第4の実施の形態〕図6は、本発明の第
4の実施の形態に係る移動システムの動作を説明するた
めの側面図である。図6(a)は、ばね302が伸縮し
ていない平衡状態において移動システム301が固体表
面308上に配置されている状態を示している。図6
(a)に示すように、本実施の形態に係る移動システム
301は、ばね302と、ばね302の紙面左右両端に
それぞれ固定された抵抗調整ユニット303B、303
Aを有している。抵抗調整ユニット303A、303B
は、それぞれ、プランジャー316、電磁石317と、
プランジャー316、電磁石317にそれぞれ方向制御
板306A、306Bを介して取りつけられた半球状体
305A、305Bと、を備えている。プランジャー3
16、電磁石317の下端には、第1の実施の形態と同
様に、それぞれ、微小なキャスター307A、307B
が取り付けられている。ばね302のいずれか1つには
ストレインゲージ318が取りつけられ、ストレインゲ
ージ318の出力信号が増幅器319によって増幅され
て、電磁石317のコイルに供給されるようになってい
る。固体表面308上には液体あるいは/および気体等
の流体よりなる媒質309があり、この媒質309中を
移動システム301が移動する。移動システム301の
半球状体およびキャスター以外の部分は、図示しない筐
体によって媒質309との接触を遮断されている。移動
システム301の重心は、ばね302のほぼ中央にあ
る。
【0032】半球状体305A、305Bは、それぞ
れ、第1の実施の形態の半球状体5A、5Bと同様の形
状を有しており、方向制御板306A、306Bを回転
することによって、その開口315A、315Bの開口
方向を変えることが可能である。半球状体305A、3
05Bの開口315A、315Bの開口方向がともに紙
面左方向である場合について、本実施の形態の移動シス
テムの動作を説明する。
【0033】このような平衡状態にある移動システム3
01の電磁石317のコイルに図示しないトリガー回路
からトリガー信号を印加すると、ばね302は、移動シ
ステム301の持つ固有振動数で振動を始める。ばね3
02が振動を始めると、ばね302に取りつけられたス
トレインゲージ318から、ばね302の振動周期を持
つ信号が増幅器319に出力される。増幅器319は、
この信号を増幅して、一定の振幅を有する電流パルスを
電磁石317のコイルに供給する。電流パルスの周期が
移動システム301の持つ固有振動の周期と一致するか
ら、ばね302には自励振動が誘起される。
【0034】図6(b)は、ばね302が収縮した状態
を示している。ばね302が収縮する際、半球状体30
5Aは、開口315Aを通して内面310Aに媒質30
9から応力を受ける。したがって、抵抗調整ユニット3
03Aが左に移動する運動に対する媒質309からの抵
抗力は大きい。一方、半球状体305Bは、ばね302
が収縮する際、その外面311Bに媒質309から応力
を受けるだけである。したがって、抵抗調整ユニット3
03Bが右に移動する運動に対する媒質309からの抵
抗力は小さい。そのため、抵抗調整ユニット303Aが
紙面左方に移動する距離は、抵抗調整ユニット303B
が紙面右方に移動する距離に比して短い。これによっ
て、移動システム301の重心は、紙面右方に移動す
る。
【0035】以後、第1の実施の形態と同様に、ばねが
伸張/収縮を繰り返すにつれて、移動システムが右方に
移動する。ただし、第1の実施の形態においては、移動
システムが移動する際、移動システムと媒質との間に生
じる摩擦によって移動が停止するのに対して、本実施の
形態においては、電磁石317のコイルへ電流パルスが
供給される限り、移動システムの移動が継続する。
【0036】方向制御板306A、306Bを回転させ
ると、移動システム301の移動方向が変化すること
は、第1の実施の形態と同様である。なお、以上の説明
においては、ばね302の振動周期を検出するために、
ストレインゲージが用いられたが、ストレインゲージに
限らず、圧電素子や光検出器等、振動周期や変位量を検
出できるものであればどのようなものでも用いられ得
る。
【0037】〔第5の実施の形態〕図7は、本発明の第
5の実施の形態に係る移動システムの平面図〔(a)〕
と側面図〔(b)〕である。図8は、本実施の形態に係
る移動システムの動作を説明するための平面図である。
図7(a)に示すように、本実施の形態に係る移動シス
テム401は、ばね402と、抵抗調整ユニット403
A、403Bと、を有している。抵抗調整ユニット40
3A、403Bは、それぞれ、支持体404A、404
Bと、支持体404A、404Bにそれぞれ蝶番406
A、406Bを介して取りつけられた板状体405A、
405Bと、を備えている。蝶番406A、406B
は、角度αから90°の範囲で開くことが可能である。
角度αは90°よりも小さければ制限がないが、2°か
ら10°程度であることが望ましい。板状体405A、
405Bは、それぞれ、蝶番406A、406Bに固定
されている。したがって、2枚の板状体405A、2枚
の板状体405Bのなす角度は、ともに、最小2αから
最大180°までである。ばねが伸縮していない平衡状
態にあるときには、2枚の板状体405A、405B
は、ともに、角度2αをなしているか、あるいは、任意
の角度に開いている。2枚の板状体405A、405B
の開く方向は、同方向である。
【0038】図7(b)に示すように、支持体404
A、404Bは、それぞれ、微小なキャスター407
A、407Bが取り付けられたプランジャー416、電
磁石417の上に固定されている。キャスター407
A、407Bは、移動システム401が固体表面408
上を移動する際に固体表面408との摩擦を小さくする
ためのものである。ばね402は、その一端を電磁石4
17に、他端をプランジャー416に固定されている。
電磁石417のコイルに電流が流れることによって、電
磁石417とプランジャー416との間に、吸引力が発
生する。固体表面408上には液体あるいは/および気
体等の流体よりなる媒質409があり、この媒質409
中を移動システム401が移動する。移動システム40
1の板状体、支持体およびキャスター以外の部分は、図
示しない筐体によって媒質409との接触を遮断されて
いる。
【0039】図8(a)は、ばね402が伸縮していな
い平衡状態において移動システム401が媒質409中
に配置されている状態を示している。図8(a)におい
て、図7(a)と同じ構成要素には同じ参照符号が付さ
れている。410A、411Aは、それぞれ、板状体4
05Aの内面、外面であり、410B、411Bは、そ
れぞれ、板状体405Bの内面、外面である。板状体4
05A、405Bは、それぞれ、最小角度2αに近い角
度をなしている。移動システム401の重心は、ばね4
02のほぼ中央にある。
【0040】このような平衡状態にある移動システム4
01の支持体404Bが設置されている電磁石のコイル
に一定の電流を供給する。図8(b)は、支持体404
Bが設置されている電磁石のコイルに一定の電流が供給
された直後において、ばね402が収縮した状態を示し
ている。ばね402が収縮する際、板状体405Aが、
その内面410Aに媒質409から応力を受けて最大角
度180°まで開くため、抵抗調整ユニット403Aの
左方への移動は、移動後直に停止してしまう。一方、板
状体405Bは、ばね402が収縮するにつれて閉じて
行き、媒質409から受ける抵抗が減少していく。即
ち、ばね402が収縮するにつれて媒質409から受け
る抵抗が減少して、ばね402の収縮が加速され、抵抗
調節ユニット403Bが右方に急激に移動していく。抵
抗調節ユニット403Bが右方に急激に移動すると、ば
ね402の反発力によってばね402が逆に伸張しはじ
める。
【0041】図8(c)は、ばね402が伸張した状態
を示している。ばね402が伸張する際、板状体405
Bが、その内面410Bに媒質409から応力を受けて
最大角度180°まで開くため、抵抗調整ユニット40
3Bの左方への移動は、移動後直に停止してしまう。一
方、板状体405Aは、ばね402が伸張するにつれて
閉じて行き、媒質409から受ける抵抗が減少してい
く。即ち、ばね402が伸張するにつれて媒質409か
ら受ける抵抗が減少して、ばね402の伸張が加速さ
れ、抵抗調節ユニット403Aが右方に急激に移動して
いく。抵抗調節ユニット403Aが右方に急激に移動す
ると、ばね402が逆に収縮しはじめる。
【0042】以後、第4の実施の形態と同様に、ばねが
伸張/収縮を繰り返すにつれて、移動システムが右方に
移動する。本実施の形態においては、電磁石417によ
る磁界からエネルギーが供給されて、ばね402の振動
の振幅がいわゆるリミットサイクルを描く。本実施の形
体の移動システムは、第2の実施の形態の移動システム
のばねの振動がリミットサイクルを描くように変形した
ものであり、第3の実施の形態の移動システムのばねの
振動もリミットサイクルを描くように変形可能であるこ
とは明白である。
【0043】なお、上述の第4および第5の実施の形態
において、移動システムが固体表面の上を移動したが、
例えば移動システムの全体としての比重が媒質の比重と
同じになるように設計することによって、移動システム
が固体表面上を移動するのではなく、媒質中の任意の点
から任意の方向に移動可能になるようにすることができ
る。また、ばねの振動は、磁気的手段のみではなく、電
気的手段あるいは/および機械的手段を用いてなされて
もよい。
【0044】〔第6の実施の形態〕図9は、本発明の第
6の実施の形態に係る移動システムの動作を説明するた
めの平面図である。図9(a)に示すように、本実施の
形態に係る移動システム501は、コア514A、51
4Bと、コア514Aの紙面右側に側鎖部505A
505Aと、コア514Bの紙面左側に側鎖部505
、505Bと、を有するクラスター分子を備えて
いる。ここで、コア514A、514B、および、側鎖
部505A、505A、505B、505B
は、それぞれ、単原子で形成されていてもよいし、複
数の原子で形成されていてもよい。また、側鎖部505
、505A、505B、505Bは、それぞ
れ、1つの側鎖を形成していてもよいし、側鎖の一部で
あってもよい。ところで、量子力学ならびに固体物性論
によれば、コア514Aと514Bとは、その間で振動
している。同様に、側鎖部505Aと505A、側
鎖部505Bと505B、および、コア514Aと
側鎖部505A、505A、コア514Bと側鎖部
505B、505Bも、それらの間で振動してい
る。本実施の形態におけるクラスタ分子は、コア514
Aと514Bとの間が収縮するときに、側鎖部505A
と505Aとの間およびコア514Aと側鎖部50
5A、505Aとの間が伸張し、側鎖部505B
と505Bとの間およびコア514Bと側鎖部505
、505Bとの間が収縮する振動の位相を有す
る。また、本実施の形態におけるクラスタ分子は、コア
514Aと514Bとの間が伸張するときに、側鎖部5
05Aと505Aとの間およびコア514Aと側鎖
部505A、505Aとの間が収縮し、側鎖部50
5Bと505Bとの間およびコア514Bと側鎖部
505B、505Bとの間が伸張する振動の位相を
有する。側鎖部505A、505Aとが抵抗調整ユ
ニット503Aとなり、側鎖部505B、505B
とが抵抗調整ユニット503Bとなる。図9(a)は、
クラスタ分子の振動を時間的に平均したときに、コア5
14A、514Bおよび側鎖部505A、505
、505B、505Bが占める位置を示してい
る。
【0045】このようなクラスタ分子1個で本実施の形
態の移動システムが形成されてもよいが、このクラスタ
分子1個を基本構造として、紙面手前から奥に向かって
複数のクラスタ分子がアレイ状に並んだアレイ構造を有
して、本実施の形態の移動システムが構成されてもよ
い。隣接するクラスタ分子は、ファンデルワールス力
(Van der Waals force)によって互いに結合し合って
いる。
【0046】図9(b)は、コア514Aと514Bと
の間が収縮した状態を示している。コア514Aと51
4Bとの間が収縮するにつれて、コア514Aと側鎖部
505A、505Aとの間が伸張するとともに、側
鎖部505Aと505Aとの間が伸張する。一方、
コア514Bと側鎖部505B、505Bとの間が
収縮するとともに、側鎖部505Bと505Bとの
間が収縮する。側鎖部505Aと505Aとは、そ
の間隔が長くなるため、媒質509から受ける抵抗が大
きくなる。側鎖部505Bと505Bとは、その間
隔が短くなるため、媒質509から受ける抵抗が小さく
なる。したがって、抵抗調整ユニット503Aが紙面左
方に移動する距離は、抵抗調整ユニット503Bが紙面
右方に移動する距離に比して短い。そのため、移動シス
テム501の重心は、紙面右方に移動する。
【0047】次に、図9(c)に示すように、コア51
4Aと514Bとの間が伸張する。コア514Aと51
4Bとの間が伸張するにつれて、コア514Aと側鎖部
505A、505Aとの間が収縮するとともに、側
鎖部505Aと505Aとの間が収縮する。一方、
コア514Bと側鎖部505B、505Bとの間が
伸張するとともに、側鎖部505Bと505Bとの
間が伸張する。側鎖部505Aと505Aとは、そ
の間隔が短くなるため、媒質509から受ける抵抗が小
さくなる。側鎖部505Bと505Bとは、その間
隔が長くなるため、媒質509から受ける抵抗が大きく
なる。したがって、抵抗調整ユニット503Aが紙面右
方に移動する距離は、抵抗調整ユニット503Bが紙面
左方に移動する距離に比して長い。そのため、移動シス
テム501の重心は、紙面右方に移動する。
【0048】次いで、図9(d)に示すように、コア5
14Aと514Bとの間が収縮する。コア514Aと5
14Bとの間が収縮するにつれて、コア514Aと側鎖
部505A、505Aとの間が伸張するとともに、
側鎖部505Aと505A との間が伸張する。一
方、コア514Bと側鎖部505B、505Bとの
間が収縮するとともに、側鎖部505Bと505B
との間が収縮する。側鎖部505Aと505A
は、その間隔が長くなるため、媒質509から受ける抵
抗が大きくなる。側鎖部505Bと505Bとは、
その間隔が短くなるため、媒質509から受ける抵抗が
小さくなる。したがって、抵抗調整ユニット503Aが
紙面左方に移動する距離は、抵抗調整ユニット503B
が紙面右方に移動する距離に比して短い。そのため、移
動システム501の重心は、紙面右方に移動する。
【0049】次に、コア514Aと514Bとの間が伸
張する。コア514Aと514Bとの間が伸張すると、
図9(c)の場合と同様に、抵抗調整ユニット503A
が紙面右方に大きく移動するのに対して、抵抗調整ユニ
ット503Bはわずかに紙面左方に移動するだけである
ため、移動システム501の重心は、紙面右方に移動す
る。クラスタ分子は、上述の収縮/伸張を周期的に繰り
返す。このとき、移動システム501の重心が常に紙面
右方に移動するため、移動システム501は全体として
右に移動する。移動システム501の移動は、クラスタ
分子の振動が続く限り続く。
【0050】以上説明したように、本実施の形態の移動
システムは、分子単位で、振動運動を直進運動に変換す
る効果を有する。
【0051】上述の全ての実施の形態において、抵抗調
整ユニットまたは摩擦調整ユニットが、ばね、または、
2原子分子の両端に接続されたが、抵抗調整ユニットま
たは摩擦調整ユニットが一端のみに接続され、他端には
例えばバランサーが接続された場合においても、抵抗調
整ユニットを両端に接続した場合に比して移動距離は短
くなるが、ばねの振動運動が直進運動に変換される。
【0052】以上、本発明をその好適な実施の形態に基
づいて説明したが、本発明の移動システムは、上述した
実施の形態のみに制限されるものではなく、本願発明の
要旨を変更しない範囲で種々の変化を施した移動システ
ムも、本発明の範囲に含まれる。例えば、移動システム
が移動する媒質は、液体、気体以外にも、粒子体あるい
はゲル状物質などでもよく、流体であれば特定の媒質に
限定されるものではない。さらに、抵抗調整ユニットを
形成する板状体や半球状体は、直方体や回転円錐体な
ど、ばねの収縮時と伸張時とにおいて媒体から相異なる
抵抗力を受ける形状のどのようなものにも交換可能であ
る。また、ばねは、振動運動を行ういかなる弾性体にも
交換可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による移動
システムは、その内部の振動部の振動運動を、振動部の
両端に設けられた抵抗調整ユニットまたは摩擦調整ユニ
ットを介して直進運動に変換するものであるから、モー
タなどの複雑な動力部品を要することなく一方向に移動
可能である。また、本発明による移動システムの移動方
法は、振動部の両端において媒質や固体表面から受ける
抵抗力または摩擦力を、振動部の伸縮の際に互いに逆に
増減させる方法であるから、移動システムを一方向に移
動させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る移動システ
ムの動作を説明するための側面図。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る移動システ
ムの平面図〔(a)〕と側面図〔(b)〕。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係る移動システ
ムの動作を説明するための平面図。
【図4】 本発明の第3の実施の形態に係る移動システ
ムの側面図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態に係る移動システ
ムの動作を説明するための側面図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態に係る移動システ
ムの動作を説明するための側面図。
【図7】 本発明の第5の実施の形態に係る移動システ
ムの平面図〔(a)〕と側面図〔(b)〕。
【図8】 本発明の第5の実施の形態に係る移動システ
ムの動作を説明するための平面図。
【図9】 本発明の第6の実施の形態に係る移動システ
ムの動作を説明するための平面図。
【符号の説明】
1、101、201、301、401、501 移動シ
ステム 2、102、202、302、402 ばね 3A、3B、103A、103B、303A、303
B、403A、403B、503A、503B 抵抗調
整ユニット 4A、4B、104A、104B、204A、204
B、404A、404B支持体 5A、5B、305A、305B 半球状体 6A、6B、306A、306B 方向制御板 7A、7B、107A、107B、207A、207
B、307A、307B、407A、407B キャス
ター 8、108、208、308、408 固体表面 9、109、309、409 媒質 10A、10B、110A、110B、310A、41
0A、410B 内面 11A、11B、111A、111B、311B、41
1A、411B 外面 15A、15B、315A、315B 開口 105A、105B、205A、205B、405A、
405B 板状体 106A、106B、406A、406B 蝶番 203A、203B 摩擦調整ユニット 206A、206B ピン 212A、212B 車輪 213A、213B 鋸歯状部 316、416 プランジャー 317、417 電磁石 318 ストレインゲージ 319 増幅器 505A、505A、505B、505B
鎖部 514A、514B コア

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮を行うことによって振動する振動部
    と、該振動部の振動運動を直進運動に変換する変換部
    と、を有する移動システムにおいて、前記振動部は、該
    移動システムの有する固有の振動数またはそれに近い振
    動数で振動することを特徴とする移動システム。
  2. 【請求項2】 前記移動システムが媒質中または/およ
    び固体表面上を移動する際に、前記変換部が媒質または
    /および固体表面から受ける抵抗力または/および摩擦
    力が、前記振動部の収縮時と伸張時とで相異なることを
    特徴とする請求項1に記載の移動システム。
  3. 【請求項3】 前記変換部は、前記移動システムが媒質
    中または/および固体表面上を移動する際に、前記変換
    部が媒質または/および固体表面から受ける抵抗力また
    は/および摩擦力を変化させる手段を有することを特徴
    とする請求項1または2に記載の移動システム。
  4. 【請求項4】 前記変換部が、前記振動部の振動方向に
    沿った一端または両端に接続されていることを特徴とす
    る請求項1から3のいずれかに記載の移動システム。
  5. 【請求項5】 前記振動部の振動方向に沿った一端に接
    続された変換部が受ける前記抵抗力または/および摩擦
    力が、前記振動部の収縮時におけるよりも伸張時におい
    て小さく、前記振動部の振動方向に沿った他端に接続さ
    れた変換部が受ける前記抵抗力または/および摩擦力
    が、前記振動部の収縮時におけるよりも伸張時において
    大きいことを特徴とする請求項4に記載の移動システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記振動部の収縮時において、前記振動
    部の振動方向に沿った一端に接続された変換部が受ける
    前記抵抗力が前記振動部の振動方向に沿った他端に接続
    された変換部が受ける前記抵抗力よりも大きく、前記振
    動部の伸張時において、前記振動部の振動方向に沿った
    一端に接続された変換部が受ける前記抵抗力が前記振動
    部の振動方向に沿った他端に接続された変換部が受ける
    前記抵抗力よりも小さいことを特徴とする請求項4また
    は5に記載の移動システム。
  7. 【請求項7】 前記振動部の振動が、機械エネルギーま
    たは/および電気エネルギーまたは/および磁気エネル
    ギーによってなされることを特徴とする請求項1から6
    のいずれかに記載の移動システム。
  8. 【請求項8】 前記振動部が分子によって形成され、該
    分子の原子振動が振動部の振動を形成することを特徴と
    する請求項1から6のいずれかに記載の移動システム。
  9. 【請求項9】 前記移動システムの移動方向を変化させ
    る手段を有することを特徴とする請求項1から7のいず
    れかに記載の移動システム。
  10. 【請求項10】 前記振動部の振動が自励振動であるこ
    とを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の移動
    システム。
  11. 【請求項11】 前記振動部の振動がリミットサイクル
    であることを特徴とする請求項10に記載の移動システ
    ム。
  12. 【請求項12】 移動システム中に該移動システムのも
    つ固有の振動数若しくはそれに近い振動数の振動を誘起
    させ、該振動に基づいて前記移動システムを一方向に移
    動させることを特徴とする移動システムの移動方法。
  13. 【請求項13】 前記振動の収縮時と伸張時とで、媒質
    中または/および固体表面上を移動する移動システムの
    一端において、該媒質または/および固体表面から前記
    移動システムが受ける抵抗力または/および摩擦力と、
    前記移動システムの他端において、前記移動システムが
    受ける抵抗力または/および摩擦力と、の大小関係を反
    転させることを特徴とする請求項12に記載の移動シス
    テムの移動方法。
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