JP2003193188A - 伸びフランジ性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

伸びフランジ性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板およびその製造方法

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JP2003193188A
JP2003193188A JP2001391107A JP2001391107A JP2003193188A JP 2003193188 A JP2003193188 A JP 2003193188A JP 2001391107 A JP2001391107 A JP 2001391107A JP 2001391107 A JP2001391107 A JP 2001391107A JP 2003193188 A JP2003193188 A JP 2003193188A
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Tetsuo Mochida
哲男 持田
Kazuhiro Seto
一洋 瀬戸
Takashi Sakata
坂田  敬
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車部品用素材として好適な、伸びフラン
ジ性を有し、かつめっき性も良好な高強度合金化溶融亜
鉛めっき冷延鋼板を提供する。 【解決手段】 高張力溶融亜鉛めっき冷延鋼板のめっき
原板について、質量%で、C:0.02〜0.12%、Si:1.0
%以下、Mn:3.0 %以下、Al:0.01〜0.1 %、P:0.1
%以下、S:0.02%以下、N:0.005 %以下、Ti:0.1
%以下および/またはNb:0.1 %以下の含有量範囲で、
かつC, Si, Mn, TiおよびNbを所定の算出式に代入して
求めた温度Ac1、Ac3およびTreがAc1≦Tre≦Ac3
満足する範囲において含有し、残部はFeおよび不可避的
不純物の組成とし、さらに平均結晶粒径:3.5 μm 以下
のフェライト主相と、平均結晶粒径:3.5 μm 以下のベ
イナイトまたはパーライトを主とする第2相からなり、
その第2相の硬さ(Hv)2 が上記フェライト相の硬さ(Hv)
F の 1.3〜2.5 倍となる鋼組織とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用鋼板など
の用途に供して好適な伸びフランジ性に優れた高張力合
金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の鋼板には、一般に耐食性と加
工性が要求されるため、従来から種々の表面処理鋼板が
用いられている。中でも、溶融亜鉛めっき鋼板は、高い
耐食性を有しているだけでなく、再結晶焼鈍および亜鉛
めっき処理を同一ラインで実施できる連続溶融亜鉛めっ
きライン(CGL)により、極めて安価に製造できると
いう利点を備えている。また、上記の溶融亜鉛めっき処
理後、直ちに加熱して合金化処理を行った合金化溶融亜
鉛めっき鋼板は、とりわけ耐食性に優れ、溶接性やプレ
ス成形性にも優れている。
【0003】一方、近年では、地球環境の改善を目指し
た燃費向上のために、自動車の軽量化が求められ、また
安全性の向上のために、衝突時の安全規制の強化も要請
されるようになってきたことから、溶融亜鉛めっき鋼板
にも高強度化(高張力化)が必要になってきた。
【0004】ところで、鋼板を素材とする自動車部品
は、その多くがプレス加工によって成形されるため、自
動車部品用鋼板としては優れた成形性が要求される。特
に、自動車車体の強度を確保するための骨格部材である
メンバーやリンフオース等を構成する部品では、伸びフ
ランジ変形を多用した部品成形が行われることが多い。
このため、自動車部品用鋼板に対しては、高強度化と同
時に良好な伸びフランジ性を有することが強く求められ
ている。
【0005】加工性に優れる高強度鋼板としては、フェ
ライトとマルテンサイトの複合組織からなる二相組織鋼
板(デュアルフェース鋼板)が代表的である。また、近
年では、残留オーステナイトに起因する変態誘起塑性
(Transformation Induced Plasticity :TRIPと略す)
を利用した高延性鋼板も実用化の段階に至っている。し
かしながら、このような組織強化鋼板は、高い伸びを有
するけれども、硬質なマルテンサイト(残留オーステナ
イトも加工中にマルテンサイトに変態する)を主要強化
因子としていることから、母相フェライトとの硬度差が
大きいために加工中にボイドが発生し易く、また局部伸
びが低いため、伸びフランジ性に劣るという問題があっ
た。一方、 高強度化のために、 SiやMn等の合金元素を多
量に添加すると、 C等量が増加して溶接性が劣化するだ
けでなく、 めっき性が損なわれるという問題があった。
【0006】また、 特開平10−259448号公報には、 20〜
60%のべイナイト相と残部フェライト相からなる2相組
織鋼板とし、 べイナイトとフェライト相の硬さの比を
1.5〜2.5 とすることで、 プレス成形性を損なうことな
く、 静的吸収エネルギーおよび耐衝突性を向上させた高
強度鋼板が開示されている。しかしながら この鋼板
は、べイナイト相が20〜60%と比較的多いために延性に
劣り、強度−延性バランスは、引張強さ(TS)×伸び
(EL)が高々 16000 MPa・%程度にすぎず、 さらに強度
−穴拡げ加工性バランスは、引張強さ(TS)×穴拡げ加
工性(λ値)で 55000 MPa・%程度で、自動車メーカー
から要望されている高レベルの特性を満足するには至っ
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、これ
までは、自動車用鋼板として十分に応え得る、溶接性、
伸びフランジ性および延性を兼ね備えた高強度溶融めっ
き鋼板はなく、その開発が望まれていた。この発明は、
上記の要望に有利に応えるもので、自動車部品用素材と
して好適な、伸びフランジ性を有し、かつめっき性も良
好な高強度合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板を、その有利
な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、第2相と主
相フェライトとの硬さ比を適正範囲内に制御することに
よって穴拡げ加工性が顕著に向上することを知見した。
また、結晶粒を微細化することによる高強度化と、第2
相の適正化による延性の向上を併せて利用し、かつ上記
したように第2相とフェライトとの硬さ比を適正範囲内
に制御することにより、めっき性および溶接性を損なう
ことなしに、TS−ElバランスおよびTS−λバランスの良
好な、加工性とくに穴拡げ加工性(伸びフランジ性)に
優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板が得られる
ことの知見を得た。加えて、上記のように、TS−Elバラ
ンスおよびTS−λバランスを向上させる上で効果的な冷
延鋼板の結晶粒微細化技術としては、合金元素を適正に
調整して、鋼板の再結晶温度がAc1変態点以上、Ac3
態点以下の範囲に含まれるように調整し、冷間圧延後
再結晶温度以上、Ac3変態温度以下の2相域温度で再結
晶焼鈍を施す処理が有効であることも併せて見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0009】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.表面に合金化溶融亜鉛めっき層をそなえる高張力合
金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板であって、該鋼板が、質量
%で、C:0.02〜0.12%、Si:1.0 %以下、Mn:3.0 %
以下、Al:0.01〜0.1 %、P:0.1 %以下、S:0.02%
以下、N:0.005 %以下、Ti:0.1 %以下およびNb:0.
1 %以下の含有量範囲で、かつC, Si, Mn, N,S,Ti
およびNbを下記(1), (2), (3) 式に代入して求めた温度
Ac1、Ac3およびTreがAc1≦Tre≦Ac3を満足する範
囲において含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組
成になり、さらに鋼組織が、フェライトを主相とし、ベ
イナイトまたはパーライトを主とする第2相からなり、
上記主相であるフェライトの平均結晶粒径が3.5 μm 以
下で、かつ上記第2相の平均結晶粒径:3.5 μm 以下で
あって、上記第2相の硬さ(Hv)2 が上記フェライト相の
硬さ(Hv)F の 1.3〜2.5 倍であることを特徴とする伸び
フランジ性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼
板。 記 Ac3(℃)=915 − 325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si) --- (1) Ac1(℃)=761.3 + 212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si) --- (2) Tre(℃)=777.6 +85.3(Ti* /C* )+ 113.8(Nb* /C* ) --- (3) ただし、 Ti* /C* ={(%Ti)/47.86−(%N)/14.00−(%
S)/32.06}/{(%C)/12.01} Nb* /C* ={(%Nb)/92.90}/{(%C)/12.01} また、(%M)はM元素の含有量(質量%)
【0010】2.上記1において、鋼板がさらに、質量
%でMo:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下およびNi:1.0 %
以下のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組
成になることを特徴とする伸びフランジ性に優れた高張
力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板。
【0011】3.質量%で、C:0.02〜0.12%、Si:1.
0 %以下、Mn:3.0 %以下、Al:0.01〜0.1 %、P:0.
1 %以下、S:0.02%以下、N:0.005 %以下、Ti:0.
1 %以下およびNb:0.1 %以下の含有量範囲で、かつ
C, Si, Mn, N,S,TiおよびNbを下記(1), (2), (3)
式に代入して求めた温度Ac1、Ac3およびTreがAc1
Tre≦Ac3を満足する範囲において含有し、残部はFeお
よび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1200℃以上
に加熱し、熱間圧延を行った後、 500〜650 ℃の温度で
コイルに巻き取り、ついで酸洗および冷間圧延を行った
のち、上記Tre以上、上記Ac3以下の温度で再結晶焼鈍
を施し、引き続き溶融亜鉛めっき処理を行ったのち、 4
50〜600 ℃の温度範囲で合金化処理を行うことを特徴と
する伸びフランジ性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっ
き冷延鋼板の製造方法。 記 Ac3(℃)=915 − 325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si) --- (1) Ac1(℃)=761.3 + 212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si) --- (2) Tre(℃)=777.6 +85.3(Ti* /C* )+ 113.8(Nb* /C* ) --- (3) ただし、 Ti* /C* ={(%Ti)/47.86−(%N)/14.00−(%
S)/32.06}/{(%C)/12.01} Nb* /C* ={(%Nb)/92.90}/{(%C)/12.01} また、(%M)はM元素の含有量(質量%)
【0012】4.上記3において、鋼素材がさらに、質
量%でMo:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下およびNi:1.0
%以下のうちから選んだ1種または2種以上を含有する
組成になることを特徴とする伸びフランジ性に優れた高
張力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明において、鋼の成分組成を上記の範囲
に限定した理由について説明する。なお、成分に関する
「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものと
する。 C:0.02〜0.12% Cは、安価な強化成分であり、またパーライト、べイナ
イト等の低温変態相を生成させる上でも有用であるの
で、0.02%以上を含有させるものとした。しかしなが
ら、過剰のC添加は、延性や溶接性の劣化を招くので、
0.12%を上限とした。
【0014】Si:1.0 %以下 Siは、固溶強化成分として強度−伸びバランスを改善し
つつ、強度上昇に有効に寄与する。また、フェライトの
生成を抑制し、所望の第2相体積率を有する組織とする
上で有効に作用するが、過剰な添加は、延性や表面性状
や溶接性を劣化させる。そのため、Siは 1.0%以下で含
有させるものとした。なお、好ましくは0.01〜0.7 %で
ある。
【0015】Mn:3.0 %以下 Mnは、Ac1,Ac3変態点を低下させる作用を通じて結晶
粒の微細化に寄与し、また第2相の形成を進展させる作
用を通じて強度−延性バランスを高める作用を有する。
さらに、有害な固溶SをMnSとして無害化する作用を有
する。しかしながら、多量の添加は鋼を硬質化し、かえ
って強度−延性バランスを劣化させるので、Mnは 3.0%
以下で含有させるものとした。なお、好ましくは0.05〜
2.5 %、さらに好ましくは 0.5〜2.0 %である。
【0016】Al:0.01〜0.1 % Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度を向上させるの
に有効な元素であるが、含有量が0.01%に満たないとそ
の添加効果に乏しく、一方 0.1%を超えて含有させても
効果が飽和して製造コストの上昇を招くので、Alは0.01
〜0.1 %の範囲に限定した。
【0017】P:0.1 %以下 Pは、安価に高強度化を達成できるだけでなく、伸びの
改善にも有用な元素であり、強度調整のために適宜添加
することができるが、含有量が 0.1%を超えると加工性
や靭性の低下を招くので、0.1 %以下で含有させるもの
とした。なお、好ましくは 0.010〜0.040 %である。
【0018】S:0.02%以下 Sは、熱延時における熱間割れの原因になるだけでな
く、鋼板中でMnS等の介在物として存在し、延性や穴拡
げ加工性の劣化をもたらす有害元素であり、極力低減す
ることが望ましいが、0.02%までは許容できる。
【0019】N:0.005 %以下 窒素は、時効劣化をもたらす他、降伏伸びの発生を招く
ことから、極力低減することが望ましいので、本発明で
は 0.005%以下に抑制した。
【0020】Ti:0.1 %以下, Nb:0.1 %以下 Ti,Nbは、任意添加元素である。これらTi,Nbを含有さ
せることでTiCやNbC等が析出し、鋼板の結晶温度を上
昇させる効果がある。結晶粒径を微細にするためには、
後述するようにAc1≦Tre≦Ac3とする必要がある。よ
り好ましくは、Treが 0.5×(Ac1+Ac3)≦Tre≦A
c3を満足する範囲であり、Ac1≦Tre<0.5 ×(Ac1
Ac3)の場合には、Ti,Nbのうちどちらかまたは両方を
適宜添加して再結晶温度を上昇させ、Treが 0.5×(A
c1+Ac3)≦Tre≦Ac3の範囲を満足するように調節す
ることが望ましい。なお、上記したAc1,Ac3はそれぞ
れ、鋼のAc1変態点、Ac3変態点の予測値、またTreは
連続焼鈍時の再結晶温度の予測値である。
【0021】Ti,Nbを添加しなくともTreが 0.5×(A
c1+Ac3)≦Tre≦Ac3の範囲を満たしている場合に
は、必ずしも添加する必要はないが、Ti,Nbは微細な炭
化物をフェライト中に析出させることにより、フェライ
トの強度を上昇させ、延びフランジ性などの局部延性を
向上させる効果がある。従って、この観点からは、Ti,
Nbを添加しなくともTreが 0.5×(Ac1+Ac3)≦Tre
≦Ac3の範囲を満たしている場合であっても、Ti,Nbを
添加することが好ましい。上記の効果は、TiおよびNbと
も、それぞれ0.01%以上で顕著となるので、添加する場
合には、Ti:0.01%以上、Nb:0.01%以上とすることが
好ましく、これらは各々単独で添加しても複合して添加
してもよい。ただし、TiおよびNbとも 0.1%を超えて含
有させても得られる効果は飽和に達し、むしろ析出物が
多くなりすぎて延性の低下を招くので、いずれも含有量
の上限を 0.1%とした。
【0022】以上、基本成分について説明したが、本発
明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させる
ことができる。Mo:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下および
Ni:1.0 %以下のうちから選んだ1種または2種以上 Mo,CrおよびNiはいずれも、強化成分として、必要に応
じて含有させることができるが、過度の含有はかえって
強度−延性バランスを劣化させる。従って、Mo,Cr,Ni
はいずれも 1.0%以下で含有させることが望ましい。な
お、上記した作用効果を十分に発揮させるためには、少
なくとも0.01%以上含有させることが好ましい。
【0023】以上、各成分の適正な組成範囲について説
明したが、本発明では各成分が上記の組成範囲を単に満
足しているだけでは不十分で、結晶粒を微細化するため
には、鋼成分中、特にC,Si,Mn,N,S,TiおよびNb
について、下記(1), (2), (3) 式に代入して求めた温度
Ac1、Ac3およびTreが、Ac1≦Tre≦Ac3の範囲を満
足するように成分調整することが重要である。なお、上
記したAc1,Ac3は各々鋼のAc1変態点、Ac3変態点の
予測値であり、またTreは連続焼鈍時の再結晶温度の予
測値である。この予測値は、2 ℃/s以上、20℃/s以下の
昇温速度で加熱する際に好適に適用することができる。 記 Ac3(℃)=915 − 325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si) --- (1) Ac1(℃)=761.3 + 212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si) --- (2) Tre(℃)=777.6 +85.3(Ti* /C* )+ 113.8(Nb* /C* ) --- (3) ただし、 Ti* /C* ={(%Ti)/47.86−(%N)/14.00−(%
S)/32.06}/{(%C)/12.01} Nb* /C* ={(%Nb)/92.90}/{(%C)/12.01} また、(%M)はM元素の含有量(質量%)
【0024】後述するように、本発明で、主相であるフ
ェライトおよび第2相の平均結晶粒径を 3.5μm 以下と
するためには、鋼板の再結晶温度がAc1変態点以上、A
c3変態点以下に含まれるように成分調整することが重要
である。一般に、冷延後の再結晶焼鈍は、再結晶温度以
上で実施することが必要であるが、 本発明では、上掲式
で得たTre以上、Ac3以下の温度域で焼鈍することが不
可欠である。というのは、TreがAc1変態点未満では、
フェライト単相域で再結晶が終了してしまうため、極め
て早くフェライトの結晶粒が成長し、粗大化してしまう
からであり、一方TreがAc3変態点を超えた場合には、
高温のオーステナイト単相域で再結晶焼鈍を行うことに
なるため、やはり結晶粒の微細化が達成されないからで
ある。また、再結晶温度がAc1変態温度以上、Ac3変態
温度以下に含まれるよう調整した場合でも、Ac3変態温
度以上の温度で焼鈍すると結晶粒が成長してしまい、上
記したような微細組織とすることができない。
【0025】また、さらに好ましくは 0.5×(Ac1+A
c3)≦Tre≦Ac3となるように成分を調整する。という
のは、 0.5×(Ac1+Ac3)以上、Ac3以下の温度域
は、結晶粒の成長を抑制する効果が大きい2相域の中で
も、特に粒成長抑制効果の大きい温度域であり、再結晶
が完了した結晶粒の成長を抑制することで微細な結晶粒
径を達成でき、鋼板の強度ならびに伸びフランジ性の改
善に極めて有利だからである。なお、このためには、前
述したようにTi,Nbを添加することが有効である。
【0026】次に、鋼組織の限定理由について説明す
る。本発明の熱延鋼板の組織は、フェライトを主相と
し、べイナイトまたパーライトを主とする第2相を有し
ている。そして、主相であるフェライトの平均結晶粒径
を 3.5μm 以下、また第2相の平均結晶粒径も 3.5μm
以下とする。というのは、フェライトおよび第2相の平
均粒径が 3.5μm を超えると、延性、靱性、穴拡げ加工
性の向上効果が少なくなり、強度−延性バランス、強度
−穴拡げ加工性バランスが劣化するからである。ここ
に、第2相と組織全体に対する体積分率で20%以下とす
ることが好ましい。というのは、20%を超えるとTS−EL
バランスが低下する場合があるからである。このよう
に、第2相の体率分率は20%以下、従って主相であるフ
ェライトの体積分率は80%以上とすることが好ましい。
なお、本発明におけるフェライト相および第2相の平均
結晶粒径は、常法に従い圧延方向断面における平均結晶
粒径とする。
【0027】さらに、本発明では、第2相の硬さ(Hv)2
をフェライト相の硬さ(Hv)F の 1.3〜2.5 倍とすること
が肝要である。図1に、第2相とフェライトとの硬さ比
(Hv)2/(Hv)F と引張強さ(TS)×穴広げ加工性(λ
値)との関係について調べた結果を示す。同図から明ら
かなように、(Hv)2/(Hv)F を 1.3〜2.5 の範囲に制御
することにより、穴拡げ加工性が顕著に向上し、TS×λ
が 60000 MPa・%を超える優れた強度−穴拡げ加工性バ
ランスを得ることができた。この点、 (Hv)2/(Hv)F
1.3未満では、フェライトの硬化が著しく加工性が低下
すると共に、穴拡げ加工性も低下し、TS×λが 60000 M
Pa・%未満となり、強度−穴拡げ加工性バランスが低下
する。また、 (Hv)2/(Hv)F が 2.5を超えると、穴拡げ
加工性が低下し、強度−穴拡げ加工性バランスが低下す
る。なお、本発明における主相および第2相の硬さは、
微小硬さ試験機(ダイヤモンド圧子使用)を用いて、荷
重:1g程度の荷重負荷でビッカース硬さを測定するこ
とによって求めたものである。
【0028】また、前述したように、第2相がマルテン
サイト、あるいは残留オーステナイトの場合、主相フェ
ライトとの硬度差が大きいため伸びフランジ性が劣化す
る。第2相と主相であるフェライトの硬さ比を適正範囲
とするためには、第2相はベイナイトまたはパーライト
を主とする必要があり、これら以外の相は、組織全体に
対する体積分率で2%未満とすることが好ましい。
【0029】次に、本発明の製造方法について説明す
る。上記の好適成分組成に調整した鋼を、転炉などで溶
製し、連続鋳造法等でスラブとする。この鋼素材を高温
状態のまま、あるいは一旦冷却したのち、加熱炉に装入
して1200℃以上に加熱後、仕上げ圧延終了温度すなわち
仕上げ熱延出側温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を
施して熱延板としたのち、 500〜650 ℃の温度でコイル
に巻き取る。
【0030】上記の製造工程において、スラブの加熱温
度が1200℃に満たないと、TiCなどの鋼中の析出物が十
分に固溶せずに粗大化し、後工程の再結晶焼鈍工程での
結晶粒成長抑制効果が不十分となるため、スラブの加熱
温度は1200℃以上とする必要がある。さらに、熱延終了
後の巻取り温度が 500℃未満あるいは 650℃超えでは、
窒素による時効劣化を抑制するためのAlNの析出が不十
分であり、材料特性の劣化を招く。また、鋼板の組織を
均一化し、その結晶粒径をなるべく微細で均一化するた
めにも、コイルの巻取り温度は 500〜650 ℃の範囲に限
定した。なお、熱間圧延時の仕上げ圧延出側温度がAr3
変態点未満になると、圧延中にフェライトとオーステナ
イトが生じ、鋼板にバンド状組織が生じる。このバンド
状組織は、冷間圧延後や焼鈍後にも残り易く、材料特性
に異方性を生じさせる場合があるため、熱間圧延時の仕
上げ圧延終了温度はAr3変態点以上とすることが好まし
い。
【0031】ついで、熱延鋼板表面の酸化スケールを酸
洗により除去したのち、冷間圧延を施して所定の板厚の
冷延鋼板とする。この酸洗条件や冷間圧延条件は特に制
限されるものではなく、常法に従えばよい。なお、冷間
圧延時の圧下率は、再結晶焼鈍時の核生成サイトを増や
し、結晶粒の微細化を促すという観点からは40%以上と
することが望ましい。しかしながら、圧下率を上げすぎ
ると鋼板の加工硬化により操業が困難となるので、圧下
率の上限は80%程度とするのが望ましい。
【0032】ついで得られた冷延鋼板に再結晶焼鈍を施
す。すなわち、上記の工程で得られた冷延鋼板を、前記
Tre以上、前記Ac3以下の温度域に加熱して、再結晶焼
鈍を施す。前述したような成分調整を施した本発明鋼素
材においては、Ac1変態点とAc3変態点の間に再結晶温
度を確保しているので、前記Ac3で予測されるAc3変態
点以下の温度で再結晶焼鈍を行うことができる。すなわ
ち焼鈍温度をTre以上、Ac3以下とすることによって、
2相域温度で再結晶焼鈍を行うことができる。この再結
晶焼鈍の目的は、再結晶温度を2相温度域とすることに
よってフェライトの粒成長を抑制し、平均結晶粒径が
3.5μm 以下の微細な結晶粒を得ることである。なお、
この焼鈍は連続焼鈍ラインで行うことが好ましい。ここ
に、連続焼鈍する場合の焼鈍時間は、再結晶が生じる10
秒から 120秒の間とすることが好ましい。10秒より短時
間では再結晶が不十分となる場合があり、圧延方向に伸
展したままの組織が残存するために、十分な延性が確保
できない。一方、 120秒より長時間では結晶粒を粗大化
させ易くなるため、所望の強度を得ることができない場
合がある。なお、再結晶焼鈍後の冷却速度は、結晶粒の
成長を少しでも抑制するために10℃/s以上とすることが
好ましい。
【0033】引き続き、溶融亜鉛めっき、さらには 450
〜600 ℃の温度範囲での合金化処理を施すことによっ
て、第2相をべイナイトまたはパーライトを主とする組
織とする。ここに、合金化温度が 450℃未満の場合は亜
鉛めっき相の合金化が遅延し、生産性が阻害されるとと
もに第2相がその後の冷却でマルテンサイトに変態し易
くなり伸びフランジ性の劣化を招く。一方、合金化温度
が 600℃を超えると結晶粒が粗大化して、強度および伸
びフランジ性が劣化する。上記の条件で合金化処理を行
った場合、結晶粒径の粗大化を伴うことなしに、べイナ
イトまたはパーライトを主とする第2相が形成され、ま
た第2相とフェライトとの硬さ比 (Hv)2/(Hv)F が 2.5
以下となる。
【0034】なお、溶融亜鉛めっき処理は、通常行われ
ている処理条件で良く、特に限定する必要はないが、溶
融亜鉛めっき処理時に不必要に高温になりすぎると、ベ
イナイトの生成が容易に進み、一方温度が低くなり過ぎ
ると亜鉛浴中での亜鉛と鉄の反応が遅く生産性が低下す
る傾向にあるため、溶融亜鉛めっき時の板温は 460〜52
5 ℃程度とするのが好ましい。また、めっき後の結晶粒
成長を少しでも抑制するためには、合金化処理後の冷却
は、10℃/s以上の速度で行うことが好ましい。
【0035】
【実施例】表1に示す成分組成になる鋼スラブを、加熱
後、種々の条件で熱間圧延を行って 4.0mm厚の熱延板と
した。ついで、この熱延板を酸洗後、冷間圧延(圧下
率:60%)により板厚:1.6 mmの冷延鋼板に仕上げたの
ち、連続溶融亜鉛めっきラインにて、種々の条件下で再
結晶焼鈍後、 450〜480 ℃の温度で溶融亜鉛めっき処理
を行い、さらに種々の温度で合金化処理を行って、合金
化溶融亜鉛めっき冷延鋼板を製造した。なお、表1中の
Ac1、Ac3およびTreは、前記(1), (2), (3) 式で算出
されるAc1変態点、Ac3変態点および再結晶温度の予測
値である。上記の製造工程における、スラブ加熱温度、
仕上げ圧延終了温度および巻取り温度ならびに連続溶融
亜鉛めっきラインでの再結晶焼鈍温度および焼鈍時間、
さらにめっき処理における合金化温度などの処理条件
を、表2にまとめて示す。また、得られた各溶融亜鉛め
っき鋼板の鋼組織および材料特性(引張り特性、穴拡げ
加工性)について調査した結果を表3に示す。表3の組
織のなかで、Bはベイナイト、Pはパーライト、Mはマ
ルテンサイトをそれぞれ表す。
【0036】なお、引張り特性は、圧延方向に切り出し
たJIS 5 号試験片により引張り試験を行って、引張強さ
(TS)、降伏強さ(YS)および全伸び(El)を調
査し、降伏比(YR)=(YS/TS)×100 (%)、
TS×El(MPa・%)を算出した。また、穴拡げ加工性
は、日本鉄鋼連盟規格JFST1001に準じて採取した試験片
に10mmφ(D0 )の打ち抜き穴を加工したのち、頂角:
60°の円錐ポンチで押し拡げる加工を施し、割れが板厚
を貫通した直後の穴径D(mm)を求め、λ={(D−D
0 )/D0 }× 100%から求められるλ値で評価した。
【0037】さらに、組織は、鋼板の圧延方向断面を光
学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡にて観察することに
より調査した。すなわち、フェライトの体積分率は、40
00倍の断面組織写真を複数視野撮影することにより、実
質的に1mm四方の正方形内にある該当相の占有面積率を
画像解析によって求め、該当相の体積分率とみなした。
フェライト以外のベイナイトやパーライト等の体積分率
は、4000倍の断面組織写真を用いて画像解析を行うこと
と、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡での組織観察
を総合して、各相の占有面積率を求め、それを体積分率
と見なした。フェライトおよび第2相の平均結晶粒径
は、上記したように走査型電子顕微鏡で2000倍もしくは
4000倍で写真撮影したのち、JIS G 0552に規定される鋼
のフェライト結晶粒度試験方法中、切断法に準拠して求
めた。なお、フェライトおよび第2相の硬さは、ビッカ
ース硬度計により荷重:1gの条件で測定し、フェライ
ト相の硬さ(Hv)F に対する第2相の硬さ(Hv)2 の比を求
めた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】表3に示したとおり、本発明に従い得られ
た発明例はいずれも、フェライト相および第2相の平均
結晶粒径が 3.5μm 以下で、かつ第2相の硬さ(Hv)2
フェライトの硬さ(Hv)F との比 (Hv)2/(Hv)F が 1.3〜
2.5 であり、低降伏比で、TS×El値が 18000 MPa・%以
上と高い優れた強度−延性バランスが得られ、さらには
λ値が95%以上と高く、かつTS×λ値が 68000 MPa・%
以上と高い優れた強度−穴拡げ加工性バランスが得られ
ている。
【0042】これに対し、 No.3の比較例は、 スラブの加
熱温度が低かったため、 TiCが粗大化し、鋼板の結晶粒
径微細化効果が小さく、主相および第2相とも結晶粒径
が大きく、その結果TS×λ値が低くなっている。No.5の
比較例は、合金化処理温度が低かったために、第2相が
マルテンサイト主体となり、 (Hv)2/(Hv)F が大きく、
TS×λ値が劣っている。No.6の比較例は、Ac1変態点と
Ac3変態点の間に再結晶温度があるものの、再結晶焼鈍
をAc3変態温度を超える温度で行ったため、 2相域再結
晶の効果が得られず、粗大粒となり、十分な強度が得ら
れなかった。No.8の比較例は、コイル巻取り温度が高か
ったために、結晶粒が成長し、強度が劣っている。 No.
9 の比較例は、コイル巻取り温度が低かったため、熱延
板の状態でベイナイトやマルテンサイトが主体の組織と
なり、冷延−焼鈍後もコロニーとなって容易に粒成長
し、粗大な結晶粒となった結果、TS×λ値の低下を来し
た。No.19 の比較例は、再結晶温度がAc1変態温度未満
であり、しかも再結晶温度以上であるがAc1変態温度以
下で再結晶焼鈍を行ったために、結晶粒が成長し、劣悪
な材料特性しか得られなかった。No.20 の比較例は、A
c3変態温度以上の温度で焼鈍を行ったために、やはり粒
径が粗大化し、劣悪な材料特性しか得られなかった。N
o.21 の比較例は、Ti含有量が多く、TiCによる析出強
化によりフェライトの硬度が上昇し、 (Hv)2/(Hv)F
1.3未満となった結果、TS×EL値およびTS×λ値の低下
を招いた。
【0043】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、結晶粒が微
細で、かつ強度−伸びバランスおよび強度−穴拡げ性バ
ランスに優れ、従ってプレス成形性に優れた高強度合金
化溶融亜鉛めっき冷延鋼板を提供することができ、ひい
ては自動車車体の軽量化ならびに衝突時の安全性を向上
させて、地球環境対策のみならず、ドライバーの安全性
の向上に対して大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第2相とフェライトとの硬さ比 (Hv)2/(Hv)
F と、引張強さ(TS)×穴広げ加工性(λ値)との関係
を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/28 C23C 2/28 (72)発明者 坂田 敬 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K027 AA05 AA23 AB02 AB42 AC72 AE22 4K037 EA01 EA05 EA06 EA11 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA20 EA23 EA25 EA27 EA31 EB06 EB08 EB09 FA03 FB00 FC04 FE01 FE02 FG00 FJ05 FM04 GA05 JA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に合金化溶融亜鉛めっき層をそなえ
    る高張力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板であって、該鋼
    板が、質量%で、 C:0.02〜0.12%、 Si:1.0 %以下、 Mn:3.0 %以下、 Al:0.01〜0.1 %、 P:0.1 %以下、 S:0.02%以下、 N:0.005 %以下、 Ti:0.1 %以下およびNb:0.1 %以下の含有量範囲で、
    かつC, Si, Mn, N,S,TiおよびNbを下記(1), (2),
    (3) 式に代入して求めた温度Ac1、Ac3およびTreがA
    c1≦Tre≦Ac3を満足する範囲において含有し、残部は
    Feおよび不可避的不純物の組成になり、さらに鋼組織
    が、フェライトを主相とし、ベイナイトまたはパーライ
    トを主とする第2相からなり、上記主相であるフェライ
    トの平均結晶粒径が3.5 μm 以下で、かつ上記第2相の
    平均結晶粒径:3.5 μm 以下であって、上記第2相の硬
    さ(Hv)2 が上記フェライト相の硬さ(Hv)F の 1.3〜2.5
    倍であることを特徴とする伸びフランジ性に優れた高張
    力合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板。 記 Ac3(℃)=915 − 325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si) --- (1) Ac1(℃)=761.3 + 212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si) --- (2) Tre(℃)=777.6 +85.3(Ti* /C* )+ 113.8(Nb* /C* ) --- (3) ただし、 Ti* /C* ={(%Ti)/47.86−(%N)/14.00−(%
    S)/32.06}/{(%C)/12.01} Nb* /C* ={(%Nb)/92.90}/{(%C)/12.01} また、(%M)はM元素の含有量(質量%)
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼板がさらに、質量
    %でMo:1.0 %以下、 Cr:1.0 %以下およびNi:1.0 %以下のうちから選んだ
    1種または2種以上を含有する組成になることを特徴と
    する伸びフランジ性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっ
    き冷延鋼板。
  3. 【請求項3】 質量%で、 C:0.02〜0.12%、 Si:1.0 %以下、 Mn:3.0 %以下、 Al:0.01〜0.1 %、 P:0.1 %以下、 S:0.02%以下、 N:0.005 %以下、 Ti:0.1 %以下およびNb:0.1 %以下の含有量範囲で、
    かつC, Si, Mn, N,S,TiおよびNbを下記(1), (2),
    (3) 式に代入して求めた温度Ac1、Ac3およびTreがA
    c1≦Tre≦Ac3を満足する範囲において含有し、残部は
    Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1200℃
    以上に加熱し、熱間圧延を行った後、 500〜650 ℃の温
    度でコイルに巻き取り、ついで酸洗および冷間圧延を行
    ったのち、上記Tre以上、上記Ac3以下の温度で再結晶
    焼鈍を施し、引き続き溶融亜鉛めっき処理を行ったの
    ち、 450〜600 ℃の温度範囲で合金化処理を行うことを
    特徴とする伸びフランジ性に優れた高張力合金化溶融亜
    鉛めっき冷延鋼板の製造方法。 記 Ac3(℃)=915 − 325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si) --- (1) Ac1(℃)=761.3 + 212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si) --- (2) Tre(℃)=777.6 +85.3(Ti* /C* )+ 113.8(Nb* /C* ) --- (3) ただし、 Ti* /C* ={(%Ti)/47.86−(%N)/14.00−(%
    S)/32.06}/{(%C)/12.01} Nb* /C* ={(%Nb)/92.90}/{(%C)/12.01} また、(%M)はM元素の含有量(質量%)
  4. 【請求項4】 請求項3において、鋼素材がさらに、質
    量%でMo:1.0 %以下、 Cr:1.0 %以下およびNi:1.0 %以下のうちから選んだ
    1種または2種以上を含有する組成になることを特徴と
    する伸びフランジ性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっ
    き冷延鋼板の製造方法。
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