JP2003193180A - 強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法

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JP2003193180A JP2001397428A JP2001397428A JP2003193180A JP 2003193180 A JP2003193180 A JP 2003193180A JP 2001397428 A JP2001397428 A JP 2001397428A JP 2001397428 A JP2001397428 A JP 2001397428A JP 2003193180 A JP2003193180 A JP 2003193180A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張り強さ700MPa以上で厚みが20〜
200mmで強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 質量%で、C:0.03〜0.25%、
Si:0.01〜0.80%、Mn:0.20〜3.0
%、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.50〜5.
0%、Cr:0.10〜1.0%、Mo:0.10〜
1.0%、Al:0.005〜0.08%、N:0.0
01〜0.01%を含有し、さらに、Nb:0.01〜
0.08%、V:0.01〜0.08%、Ti:0.0
1〜0.08%の一種または2種以上を含有し、P<
0.03%、S<0.01%、O<0.01%にそれぞ
れ制限し、残部が不可避的不純物および実質的にFeよ
りなることを特徴とする化学成分を有したものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高張力厚鋼板、さら
に詳しくは引張り強さ700MPa以上で厚みが20〜
200mmであり、強度部材として建築、土木、造船、
橋梁、プラント、エネルギー生産設備、その他の構造物
に使用される構造用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】構造部材の強度を高めて構造体重量を低
減したり、組立の際の工数を低減する技術開発は従来よ
り盛んであり、これらを目的として700MPa超級の
引張り強さを有する、いわゆる高張力鋼板が開発されて
きた。近年では特に、地球環境および資源保護の観点か
ら、高効率のエネルギー採取、変換技術が注目されてお
り、水素、天然ガスあるいは原油の高圧輸送、貯蔵シス
テムや、それらを電気エネルギーに変換した後の貯蔵技
術としての揚水発電に関する技術開発が進んでいる。な
お、本発明で表記する「高張力鋼」とは、上記したごと
く、鋼板の引張り強さが引張方向によらず約700MPa
以上である鋼であり、請求項あるいは以下の本発明にお
いては全て700MPa 以上の引張り強さを有する鋼に関
する。
【0003】これらの技術を可能ならしめる重要な技術
要素は、溶接構造で構成される構造体を形成する高張力
鋼板の開発と実用化である。したがって、上記技術開発
と並行して高張力鋼板の開発研究が進められてきた。例
えば特開昭63−266023号公法、特開平2−13
3521号公法および特開平2−141528号公法に
はそれぞれ、直接焼入れあるいは調質処理によって、焼
入れ性の高い化学組成を有する鋼板から目的とする高張
力鋼板を製造する技術についての開示がある。また、特
開昭61−56268号公法には高靱性高張力鋼を製造
する方法に関する技術の開示がある。
【0004】しかし、これらの技術はいずれも材料の強
度に言及してはいるものの、熱間圧延鋼板に特有の「強
度異方性」に言及したものはなく、圧延後の鋼板を再度
変態点以上の十分に高い温度に再加熱し、組織を逆変態
させて二次再結晶を促進し、その後変態組織を得て得ら
れる、いわゆる完全再結晶変態組織が有する「等方的な
組織」が有する等方的な機械的特性を前提としているに
すぎない。
【0005】しかし現実的には制御圧延熱処理技術で代
表されるような、加工変態組織に影響を受ける「異方性
のある組織」を有する鋼板の生産は多く、これらの鋼板
では圧延によって得られた非等方的な金属組織が有する
強度異方性を有している。具体的には通常、圧延方向と
垂直方向の鋼板面内、いわゆる幅方向の強度は圧延方向
と平行な方向の強度と異なる場合がある。強度異方性が
潜在すれば、例えば高強度方向と平行な方向の靱性は強
度に応じて低下し、材質不均一の原因となり、また鋼板
強度は多方向で確認する必要が生じることは自明であ
る。さらに、この強度異方性が大きくなって材料の延性
にも影響がある場合には、構造体制作時の冷間ないしは
温間加工、例えば曲げ、延ばし、絞り変形などの際に不
均一変形を生じる要因となり、鋼板加工上重要な問題と
なる。すなわち、制御圧延熱処理などの金属組織が必然
的に非等方的とならざるを得ない鋼種においては、金属
組織を制御して等方的な機械的特性を有する鋼板を実現
する技術が切望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは、上記したような問題を解決した強度異方
性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法を提供する
ことにある。本発明者らは制御圧延で異方性のある金属
組織、具体的には圧延方向に結晶粒が延伸し、その結晶
粒が等方的でなく、例えば長径と短径のアスペクト比が
1.5以上となる場合に、鋼板の圧延方向強度(今後は
便宜上L方向強度と呼称する)と幅方向強度(今後はC
方向強度と呼称する)の比{L方向強度}/{C方向強
度}を0.98以上とするためには、積極的に熱間圧延
時の鋼板表面における圧延剪断歪みを鋼板の厚み方向位
置で1/4までし、制御すると、変態集合組織の配向が
変化し、板厚方向中心位置と1/4位置で異なる集合組
織を有する結果、板厚位置で強度異方性が連続的に変化
し、これを詳細に制御することで、鋼板全体としての異
方性が解消されることを見いだした。
【0007】鋼板の異方性を解消するためには通常、圧
延方向を一方向とせず、圧延時にL方向だけでなくC方
向からも圧延することを用いる、いわゆる多方向圧延を
採用する技術はあるが、本発明のように一方向からの圧
延だけで強度異方性を解決した例は全くない。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の知見と圧延条件最
適化のための実験によって本発明はなされたものであっ
て、その骨子とするところは以下の通りである。すなわ
ち、質量%で、C :0.03〜0.25%,Si:
0.01〜0.80%,Mn:0.20〜3.0%,C
u:0.01〜1.0%,Ni:0.50〜5.0%,
Cr:0.10〜1.0%,Mo:0.10〜1.0
%,Al:0.005〜0.08%,N :0.001
〜0.01%を含有し、さらにNb:0.01〜0.0
8%,V :0.01〜0.08%,Ti:0.01〜
0.08%の一種または2種以上を含有し、あるいはさ
らに、Ca、Mg、Y、Ce、Laおよび硫化物形態制
御能ないしは微細酸化物として鋼中に分散析出しうるR
EMの一種または二種以上を、0.0002%〜0.05%の範囲
で、単独であるいは併用して含有し、またはZr、T
a、Hf、Coのうち一種または二種以上を0.001%〜0.
2%の範囲で、単独であるいは併用して含有し、P<0.
03%,S<0.01%,O<0.01%にそれぞれ制
限し、残部が不可避的不純物および実質的にFeよりな
ることを特徴とする化学成分を有し、熱間圧延によって
製造する鋼板の引張り特性で、板厚方向中心位置の板面
における、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび降伏
耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張強さ
および降伏耐力よりも、(圧延方向と平行な方向の強度
/圧延方向と垂直な方向の強度) で示される比強度値、
すなわち強度異方性で評価して、それぞれ0.98以下
であり、かつ板厚方向で板厚の1/4あるいは3/4位
置の板面における、圧延方向と平行な方向の引張強さお
よび降伏耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の
引張強さおよび降伏耐力よりも同様に比強度値で1.0
2以上であり、全板厚での引張強さあるいは降伏耐力に
おいて、比強度値が0.98以上、1.02以下であ
り、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700M
Pa以上であって、板厚20〜200mmであることを
特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板、および
さらに、実質的に鋼板組織における低温変態組織、すな
わち750℃以上の温度から冷却の際に、剪断変形機構
によってfcc構造の鋼あるいは鉄基合金からbcc構
造の鋼あるいは鉄基合金へと、鉄のAr1 変態点以下で変
態して生成した、マルテンサイトあるいはベトナイト構
造の組織を有し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によ
らず700MPa以上であって、板厚20〜200mm
であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延
鋼板、およびさらに、板厚方向で板厚中心の板面の、板
厚方向から測定した{110}<110>〜{225}
<110>の方位群のX線ランダム強度比が2.0以上
の集合組織を有し、かつ板厚方向で板厚1/4あるいは
3/4位置の板面における板厚方向から測定した集合組
織が、板幅方向軸と90度の回転関係にある集合組織を
有することを特徴とし、鋼板の引張強さが試験片採取方
向によらず700MPa以上であって、板厚20〜20
0mmであることを特徴とする、強度異方性の無い高張
力圧延鋼板、およびさらに、Bを0.0002%〜0.
007%含有することで鋼板の至る所で均一な焼き入れ
性を有し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず7
00MPa以上であって、板厚20〜200mmである
ことを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板あ
るいはさらに上記の各鋼板を製造するために、圧延前予
加熱温度を900〜1300℃とし、続いて熱間圧延温
度を900℃から700℃の間で終了し、この時の圧下
比を2.5以上とし、圧延終了後200秒以内に水冷し
て低温変態を促進することを特徴とする、強度異方性の
無い高張力圧延鋼板の製造方法、あるいはさらに、少な
くとも1回、鋼板を冷却後に再度加熱して500〜70
0℃の間で10分以上焼き戻すことで集合組織発達を促
すことを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板
の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、高張力鋼板の
板厚位置における金属結晶の集合組織を制御し、板厚方
向で意図的に連続して変化させることが重要であり、そ
のためには鋼板の製造に制御圧延技術、すなわち圧延時
の温度管理とその後の冷却条件が重要であり、かつ高張
力を発揮させるための化学成分が必要となり、さらにこ
れらが達成されるための集合組織情報が不可欠である。
【0010】最初に集合組織として必要な条件は、以下
の通りに決定した。板厚中心位置においては、制御圧延
を適用して得られる剪断変形機構で変態した低温変態組
織、具体的にはマルテンサイトあるいはベイナイトを主
体とする組織であって、そのZ方向から測定した組織方
位集積度が、{110}<110>〜{225}<11
0>の方位群のX線ランダム強度比が2.0以上となっ
ている場合に、同時に板厚方向1/4位置においては板
厚方向から測定した集合組織が、板幅方向軸と90度の
回転関係にある集合組織を有することが必要である。
【0011】板厚20〜200mmの範囲の高張力鋼板
で上記条件を得るためには、鋼板の化学成分の規定が必
要となる。以下に本発明における化学成分限定の理由を
述べる。Cは鋼材の強度確保に必要であり、特に低温変
態組織の安定化に寄与して強度向上に寄与する。その効
果は0.03質量%から発現し、0.25質量%超の添加では鋼
材の靱性が低下することからその範囲を0.03質量%
〜0.25質量%とした。
【0012】Siは脱酸に必要な元素であり、同時に結
晶粒内部を固溶強化する。脱酸の観点から0.01質量
%が添加されている必要があり、粗大酸化物生成抑制の
観点から上限を0.8質量%とした。
【0013】Mnは同じく脱酸元素であってかつ鋼材の
焼き入れ性を向上させる元素である。焼き入れ性向上に
は少なくとも0.2質量%が必要であり、3.0質量%
超の添加では粗大な酸化物が多数生成し、かえって強
度、靱性の低下を招くため、その範囲を0.2質量%〜
3.0質量%に制限した。
【0014】Ni、Cuもともに鋼材の焼入れ性向上に
必要な元素である。Niは本発明鋼においては0.5%
以上からその効果を発揮し、5.0%超では効果が飽和
するとともに、鋼材のコストを上昇させること、加えて
スラブの熱間割れを助長する場合があるので、その添加
範囲を0.5〜5.0質量%とした。Cuは0.01%
以上で焼き入れ性を向上させるが、1.0%超の添加で
は赤熱脆性の感受性が高まり、熱間圧延の製造性を阻害
することから、その添加範囲を0.01〜1.0%とし
た。
【0015】Cr、MoはA1 ,A3 変態点を上げるこ
とで焼き入れ性を高める効果を有する。両元素とも0.
1%以上で鋼材強度上昇に寄与し、1.0%超の添加で
は粗大な炭化物を生成するために鋼材の靱性が低下する
ことから、その添加範囲を0.1〜1.0%に制限し
た。
【0016】Alは主要な脱酸元素であり、0.005
%以上の添加で溶鋼中酸素濃度を制御する事ができるよ
うになり、0.08%超の添加ではアルミナ系のクラス
ターをスラブに発生させるため、その添加範囲を0.0
05〜0.08%とした。
【0017】NはCと同様に鋼中の組織形成、強度確保
に必要である。0.001%の添加で効果が発現し、
0.01%超ではAlあるいはSiその他の元素と粗大
窒化物を生成し、Bを含有する場合にはその焼き入れ性
効果を低減するので、添加上限を0.01%に制限し
た。
【0018】以上が本発明の基本成分であるが、発明鋼
の強度靱性を圧延条件に対応して最適に発現すべく、さ
らにNb,Ti,Vの内1種または2種以上を単独にあ
るいは複合して添加することができる。
【0019】Nb、V、Tiともに微細な炭窒化物生成
元素であり、圧延温度によって異なる組成比のNb
(C,N)、V(C,N)、Ti(C,N)を結晶粒内
それぞれ析出して、γ粒組織の粗大化を防止し、あるい
は正変態時にはこれらを核としたフェライト粒の生成を
促進させて組織を微細化する効果を有する。さらに、こ
れら析出物による析出強化作用も期待できる。それぞれ
0.01%以上添加しないと効果が無く、0.08%超
の添加では粗大な炭窒化物のクラスターを形成するため
に靱性が低下する事から、その添加範囲を0.01〜
0.08%に制限した。
【0020】なおP、S、Oは本鋼においては不純物と
して粒界に偏析、あるいは酸化物の生成を促進するた
め、それぞれ0.03%未満、0.01%未満、0.0
1%未満に制限した。
【0021】以上が本発明の化学成分の概略であるが、
本発明ではさらに、鋼中の硫化物形態制御を目的とする
Ca、Mg、Y、Ce、Laおよびその他の硫化物形態
制御能ないしは微細酸化物として鋼中に一次脱酸生成物
もしくは二次晶出して硫化物析出のための核として機能
しうる希土類元素すなわちREMを含有する事ができ、
また鋼板に生成する集合組織を先鋭化する目的で、特に
鋼の焼き入れ性に影響を及ぼすZr、Ta、Hf、Co
のうち、一種または二種以上を同時にあるいは別途添加
することができる。
【0022】Ca、Mg、Y、Ce、Laおよびその他
のREMはいずれも700MPa以上の高張力鋼板では
鋼材の靱性を確保すべく随時一般的に添加されている。
本発明においてもこれら元素は同様の目的において有用
であり、また最近の研究から硫化物の析出核として微細
分散することで鋼中の粗大硫化物生成を防止する能力が
あることも判明した。それぞれ、0.0002%未満では効果
が消失してしまう場合があり、0.05%を超えて添加する
場合には酸化力が高い元素において耐火物の損耗と、還
元混入する不純物元素が上昇し、強度靱性の観点から本
発明鋼を工業化する上で好ましくないため、その添加範
囲を0.0002%〜0.05%に限定した。また、別途あるいは
併用して鋼板の焼入れ性を間接的に高める元素として、
窒素と親和力の高いZr、Ta、Hfおよび組成的過冷
却を促進して直接的に鋼材の焼入れ性を高める元素とし
てCoを含有することもできる。いずれも0.001 %未満
では効果が無く、0.2 %を超えて添加する場合、Zr、
Ta、Hfでは粗大な炭窒化物を生成して集合組織の発
達をかえって妨げる場合があり、Coでは鋼材のコスト
上昇が著しいことから添加範囲を0.001 〜0.2 %とし
た。
【0023】上記の化学成分を有するスラブを、圧延前
に900〜1300℃に予加熱し、続いて熱間圧延温度
を900 ℃から700 ℃の間で、圧下比2.5以上を確保し
て終了し、圧延終了後200秒以内に水冷して低温変態
を促進する。この熱間圧延温度は鋼板の化学成分によっ
て固有の未再結晶圧延温度によって決定する。未再結晶
圧延温度とは、圧延終了後、低温変態するまでの間にオ
ーステナイト結晶粒が二次再結晶を開始できる上限温度
のことである。これは通常700 〜900 ℃の間にあって、
鋼板の1/4〜表層部分の温度が熱間圧延終了時に未再
結晶温度よりも低く、かつ圧下比を2.5以上とする場
合に、圧延による剪断歪み(圧延のロールと鋼板表層に
生じる摩擦力に起因する歪み)が鋼板厚み位置1/4ま
で導入され、かつ当該部位の集合組織を、1/2位置の
集合組織と比較してC方向軸まわりで90度の回転関係
があるような方位を有するように制御することができる
ことを新たに見いだした。
【0024】さらに、上記したごとく異方性のある集合
組織を積極的に導入し、かつ板厚方向で連続的に変化さ
せることでむしろ鋼板として強度異方性を解消するため
には、通常の焼き入れ−焼き戻し熱処理した等方的な組
織などとは逆に、組織の集積度はむしろ高めることが必
要である。この目的で圧延した鋼板を焼き戻すことは重
要であり、フェライト粒の優先成長による集合組織の先
鋭化が進行する。そのためには500 〜700 ℃の範囲で、
鋼板を10分以上焼き戻しする事は重要であり、圧延条
件と冷却条件制御だけでは集合組織の集積度が十分に高
められない場合に本発明の効果を高める有効な手法とな
る。この場合、X線ランダム強度比が、焼戻さない場合
に比較して1.5倍以上となることを実験的に見いだし
た。
【0025】鋼板に導入される剪断歪みの大きさは、圧
延温度、鋼材の弾性率、表面の粗度、鋼板表面の酸化ス
ケールなどによって影響を受ける。従って、上記関係を
満足するように影響因子をそれぞれ最適化し、目的とす
る集合組織を得ることが必要である。
【0026】なお、上記集合組織を板厚方向各位置にお
いて連続的に変化させて制御し、かつ強度を700MP
a以上とするためには鋼板の至る所で均一な焼き入れ性
を確保して低温変態組織を制御する必要がある。このた
めにはBを含有することが重要であり、B添加の効果は
0.0002質量%から発現し、0.007質量%超の
添加では粗大な硼化物が析出して素材の靱性を著しく低
下せしめ、ひいては材料特性の低下、あるいは製造製の
低下、極端な場合には圧延後のスラブ割れなどを誘引す
る可能性があるため、その範囲を0.0002質量%〜
0.007質量%に限定した。
【0027】なお、本発明を実施するにあたり、熱間圧
延に使用する圧延装置には特に制限を設けない。スタン
ド数、ワークロール形状、バックアップロール形状、間
隔、圧延時のロール反力、ミル剛性にも特段の仕様は無
い。熱間圧延で厚鋼板を製造する能力を有する圧延装置
であれば全て本発明の効果を発現する事ができる。鋼板
鋼板表面に導入する剪断歪み量の制御に圧延潤滑を用い
ることもできて、本発明の効果をさらに高める。
【0028】鋼板の仕上げ温度管理には接触、非接触の
温度測定装置を介して鋼板温度を監視して圧延を行うこ
とが重要である。従って圧延温度を自動的に圧延条件に
フィードバックできる機構、システム、作業体制が適用
でき、また本発明の効果を高める。圧延終了後は、圧延
後の組織の集積度を高めるために200秒以内に冷却を
開始しなければならない。特に焼き入れ性を向上させる
目的でBを添加する場合には重要であり、望ましくは1
00秒以内で冷却を開始する必要がある。理想的には0
秒で冷却できれば変態集合組織はさらに発達しやすくな
り、本発明の効果をさらに高める。
【0029】圧延前の加熱方法にも制限がない。電気
炉、ガス炉、抵抗炉、高周波加熱炉など、対象とする圧
延材料の大きさに対応した各種加熱炉あるいは機構を選
択すればよい。加熱時の雰囲気調整にも制限か無く、不
活性雰囲気であっても大気雰囲気であっても本発明の効
果に何ら影響を与えない。かえって本発明の効果を適用
できる鋼種を拡大し、好適である。ただし、圧延時の圧
下比は重要で、組織を完全に均質化するとともに、圧延
後の変態集合組織を十分に発達させるためには2.5以
上の圧下比が必要である。
【0030】冷却方法については、水中、油中、その他
有機物冷媒、あるいは金属の接触式冷却、さらには非接
触の輻射冷却、さらには汽水(ミスト)冷却などを適宜
使用して低温変態組織を適宜得ることが必要である。冷
却速度と抜熱量を自在に制御できる、いわゆる制御冷却
方式の適用などは、本発明の組織を適切に得る上では最
も適しており、その冷却制御方式は、水量変化、帯域水
量変化、水流噴射方向、噴射角度などを適宜調整して適
用すればよい。
【0031】本発明においては、金属組織の強度異方性
を集合組織で規定している。まず、本発明鋼およびその
製造方法において対象とする集合組織は変態集合組織で
あって、γ鉄からα鉄への剪断変形を伴う低温変態を経
て形成されるものであるから、板厚中心部位ではこれら
鋼材で安定となる{110}<110>〜{225}<
110>集合組織が最も確立高く形成される。この方位
群に含まれる主な方位は{110}<110>、{11
2}<110>、{220}<110>、{222}<
110>、{225}<110>であり、この中でも頻
度が高いのは{112}<110>、{225}<11
0>であることが実験的に見いだされた。これらのX線
ランダム強度比は{110}極点図よりベクトル法で計
算できる3次元集合組織や、{110}、{100}、
{211}、{310}極点図のうち複数の極点図から
級数展開で求めた3次元集合組織から求めることができ
る。
【0032】たとえば後者の方法で結晶方位のX線ラン
ダム強度比を求めるには、3次元集合組織のφ2=45
゜断面における(110)[ 1−10] 、(112)
[1−10]、(225)[1−10]の強度で代表し
て示し、その板厚方向変化を示せばよい。板厚方向変化
は、各板厚位置で板面と平行な方向に切断して採取した
薄板試験片の上記X線強度を比較して示すことで確認す
ることができる。これらの他にEBSP法、ECP法も
集合組織を得るには有効である。
【0033】本発明の集合組織を制御した鋼板では板厚
方向1/2位置において、{110}<110>〜{2
25}<110>集合組織のX線ランダム強度比が2.
0以上でないと板厚方向1/2位置の強度異方性が十分
に発現せず、板厚1/4位置あるいは3/4位置の集合
組織の発達が強い場合には逆に鋼板全体としての強度異
方性がでてしまうことから、板厚1/2位置の集合組織
のX線ランダム強度比が2.0以上と規定した。
【0034】また、上記の集合組織を板厚中心位置に有
し、同時に表層部から板厚1/4あるいは3/4位置ま
での集合組織が、板厚1/2位置の集合組織とC方向軸
まわりで90゜の回転関係になっていることが必要であ
る。すなわち、板厚1/2位置に最も頻度高く観察され
る集合組織の主方位が{112}<110>および{2
25}<110>であり、板厚1/4あるいは3/4位
置での集合組織の主方位がそれぞれ{110}<112
>、あるいは{110}<225>である場合に、本発
明に記載の特徴を有する鋼板が得られる。{112}<
110>と{110}<112>、あるいは{225}
<110>と{110}<225>はそれぞれ、C方向
軸まわりで90゜の回転関係にある。このとき、それぞ
れの板厚方向位置においてはL方向とC方向の強度異方
性が逆転し、鋼板としての強度異方性が釣り合って解消
されることを実験的に見いだした。
【0035】以上のような集合組織の関係は、鋼板を完
全再結晶域圧延や、圧延後に焼準し、あるいは焼入れな
どさらに逆変態および正変態を経る工程で製造した鋼板
には観察することができない。また、本発明に記載の工
程を経ない通常圧延や制御圧延でも得ることはできな
い。さらには、組織がフェライトーパーライトなどの低
温変態組織でない場合にもまた実現できない。
【0036】なお、制御圧延の条件が変化した場合に
は、鋼板表層部のみに上記の集合組織の板厚方向変化が
見いだされる場合もあり得るが、この場合には当然鋼板
全体での強度異方性は均衡せず、結果として鋼板には強
度異方性が残留してしまい、本発明に記載の鋼とはなら
ない。
【0037】また、板厚方向1/2位置の集合組織の主
方位が{112}<110>および{225}<110
>以外であっても、結局板厚1/4位置の集合組織の主
方位はそれとC方向軸と90゜の回転関係にあれば良
い。そのような集合組織は比較的不安定で集積しにくい
が、合金成分が著しく異なる材料では発現する可能性が
ある。
【0038】
【実施例】請求項1または請求項4に記載の化学成分を
満たす鋼を、900〜1300℃の範囲で30分以上予
熱し、通常の熱間圧延機で圧延して圧下比を2.5以上
とし、圧延を700 〜900 ℃の間で終了し、その後150 秒
以内に0.1 ℃/秒以上の冷却速度で制御冷却してマルテ
ンサイトまたはベイナイト、あるいはそれらの混合組織
を有する鋼板とした。鋼板厚みは20〜200mmであ
った。全ての鋼板は500 〜700 ℃において、全ての鋼片
部位について10分以上保持するように焼き戻し処理を実
施した。すなわち、製造方法は制御圧延、制御冷却、直
接焼き入れおよび焼き戻しの工程を経ている。
【0039】鋼板からは元厚まま、板幅200mmの全厚
板状引張り試験片を、JIS14Bの規定に従って板面内から
L方向(圧延方向と平行)およびC方向(圧延方向と垂
直)からそれぞれ採取し、室温で引張り試験を実施し
た。この結果をもって強度異方性を、引張り強さ、およ
び降伏耐力についてそれぞれ、(L方向強度) /(C方
向強度) の比をとることで評価した。また、同様に集合
組織の板厚方向位置による差異を、(110) 、(20
0) 、(211) 、(310) 極点図を測定し、これら
を用いて級数展開法により3次元集合組織を計算し、φ
2=45゜断面における各結晶方位のX線ランダム強度
比を求めた。
【0040】表1〜表4には本発明鋼の化学成分の一部
と製造条件、および強度異方性の指標である鋼板の(L
方向強度) /(C方向強度) の比、さらには集合組織の
指標となるX線ランダム強度比の測定結果を、板厚位置
1/2および1/4について測定した結果を示した。な
お、全ての鋼板においては得られた材料の金属組織を20
0 倍の光学顕微鏡で観察したところ、ベイナイト〜マル
テンサイトの低温変態組織であることが判った。
【0041】表5〜表7には比較のために、従来技術で
製造した、圧延鋼板の調査結果を示した。表5〜表7の
従来鋼において、第53番鋼は板厚方向1/4t位置の
比強度1、すなわち引張り強さの比で (L方向強度) /
(C方向強度) の値が1.02未満となり、鋼板全厚の引張
り強さの比強度に異方性が生じ、C方向強度が高く、比
強度値が0.98未満となった例、第54番鋼は鋼板厚みが
本発明鋼の下限に近く、圧下比が大きかったために鋼板
中心部まで圧延剪断歪みが導入され、鋼板全厚でL方向
に異方性の大きな鋼材となった例、第55番鋼は圧延終
了温度が615℃と低く、このため焼入れが不十分とな
り組織が低温変態組織とならず、鋼板強度の低下を招い
た例であり、鋼板強度異方性がどの板厚方向位置におい
ても生じなかった。また、第56番鋼は圧下比が1.8
と低く、このため板厚方向位置1/4tにおいて強度異
方性が十分に発現せず、鋼板全厚での強度異方性が生じ
例、第57番鋼では鋼板厚みが250mmと本発明鋼の上
限値を超え、この結果鋼板中心部の焼入れ性が低下し、
鋼板全体としては1/4t位置の強度異方性が支配的と
なり、結果的にL方向強度の高い、強度異方性を有する
鋼板となった例、第58番鋼はC含有量が不足し、鋼板
の焼き入れ性が不足した結果、強度が低下した例、第5
9番鋼は同様にNi含有量が低く、鋼板の焼き入れ性が不
足し、強度が低下した例、第60番鋼はNb、Tiを過
剰に添加したため、1/4t位置で集合組織が十分に発
達せず、結果的にC方向強度の高い、強度異方性のある
材料となった例である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、従来の問題を解決した
強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榑林 勝己 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA08 AA11 AA14 AA17 AA19 AA24 AA31 AA33 AA35 AA36 AA40 BA01 CA01 CA03 CB02 CC02 CC03 CC04 CD06 CF01 CF02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、 C :0.03〜0.25%,Si:0.01〜0.8
    0%,Mn:0.20〜3.0%,Cu:0.01〜
    1.0%,Ni:0.50〜5.0%,Cr:0.10
    〜1.0%,Mo:0.10〜1.0%,Al:0.0
    05〜0.08%,N :0.001〜0.01%を含
    有し、さらにNb:0.01〜0.08%,V :0.
    01〜0.08%,Ti:0.01〜0.08%の一種
    または2種以上を含有し、 P<0.03%,S<0.01%,O<0.01%にそ
    れぞれ制限し、 残部が不可避的不純物および実質的にFeよりなること
    を特徴とする化学成分を有し、熱間圧延によって製造す
    る鋼板の引張り特性で、板厚方向中心位置の板面におけ
    る、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび降伏耐力
    が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張強さおよ
    び降伏耐力よりも、(圧延方向と平行な方向の強度/圧
    延方向と垂直な方向の強度) で示される比強度値、すな
    わち強度異方性で評価して、それぞれ0.98以下であ
    り、かつ板厚方向で板厚の1/4あるいは3/4位置の
    板面における、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび
    降伏耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張
    強さおよび降伏耐力よりも同様に比強度値で1.02以
    上であり、全板厚での引張強さあるいは降伏耐力におい
    て、比強度値が0.98以上、1.02以下であり、鋼
    板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以
    上であって、板厚20〜200mmであることを特徴と
    する、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋼板であって、実質的
    に鋼板組織における低温変態組織、すなわち750℃以
    上の温度から冷却の際に、剪断変形機構によってfcc
    構造の鋼あるいは鉄基合金からbcc構造の鋼あるいは
    鉄基合金へと、鉄のAr1 変態点以下で変態して生成し
    た、マルテンサイトあるいはベイナイト構造の組織を有
    し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700M
    Pa以上であって、板厚20〜200mmであることを
    特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2に記載の鋼板であっ
    て、板厚方向で板厚中心の板面の、板厚方向から測定し
    た{110}<110>〜{225}<110>の方位
    群のX線ランダム強度比が2.0以上の集合組織を有
    し、かつ板厚方向で板厚1/4あるいは3/4位置の板
    面における板厚方向から測定した集合組織が、板幅方向
    軸と90度の回転関係にある集合組織を有することを特
    徴とし、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず70
    0MPa以上であって、板厚20〜200mmであるこ
    とを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の鋼板であって、さ
    らにBを0.0002%〜0.007%含有することで
    鋼板の至る所で均一な焼き入れ性を有し、鋼板の引張強
    さが試験片採取方向によらず700MPa以上であっ
    て、板厚20〜200mmであることを特徴とする、強
    度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の鋼に、さらにC
    a、Mg、Y、Ce、Laおよび硫化物形成能、あるい
    は微細酸化物として鋼中に分散析出しうるREMの一種
    または二種以上を、0.0002%〜0.05%の範囲で、単独で
    あるいは併用して含有する事を特徴とする強度異方性の
    無い高張力圧延鋼板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4あるいは請求項5に記載の
    鋼であって、さらにTa、Hf、Coのうち一種または
    二種以上を0.001%〜0.2%の範囲で、単独であるいは併用
    して含有することを特徴とする強度異方性の無い高張力
    圧延鋼板。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載の鋼板を製造するた
    めに、圧延前予加熱温度を900〜1300℃とし、続
    いて熱間圧延温度を900℃から700℃の間で終了
    し、この時の圧下比を2.5以上とし、圧延終了後20
    0秒以内に水冷して低温変態を促進することを特徴とす
    る、強度異方性の無い高張力圧延鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法に加えて、少なく
    とも1回、鋼板を冷却後に再度加熱して500〜700
    ℃の間で10分以上焼き戻すことで集合組織発達を促す
    ことを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板の
    製造方法。
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