JP2003192429A - 低熱膨張セラミックス及びこれを用いた半導体製造装置用部品並びにミラー - Google Patents

低熱膨張セラミックス及びこれを用いた半導体製造装置用部品並びにミラー

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JP2003192429A
JP2003192429A JP2001395382A JP2001395382A JP2003192429A JP 2003192429 A JP2003192429 A JP 2003192429A JP 2001395382 A JP2001395382 A JP 2001395382A JP 2001395382 A JP2001395382 A JP 2001395382A JP 2003192429 A JP2003192429 A JP 2003192429A
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Kazunori Takenouchi
一憲 竹之内
Masahiro Nakahara
正博 中原
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極紫外線投影露光技術(EUVL)を用いた露
光装置内に配置され、露光処理に際し、高い熱量を受け
る半導体製造用部品として用いられ、熱変形を受けにく
く、輻射による伝熱の大きなセラミックスを提供する。 【解決手段】0〜20℃における熱膨張係数が1×10
-6/℃であって、波長3.33〜25.42μmにおけ
る平均放射率が80%以上である低熱膨張セラミックス
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極紫外線露光技術
(EUVL)を用いた露光装置におけるレチクル(マス
ク)やウエハステージ位置計測用ミラー等若しくはそれ
らの支持部材、成膜装置やエッチング装置におけるウエ
ハを保持するためのサセプタ若しくは真空チャック、又
はその他半導体製造プロセスにおける各種治具や真空装
置用構造部材などに用いられる低熱膨張セラミックス及
び該低熱膨張セラミックスを用いた半導体製造装置用部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの集積度の向上に
伴って、回路パターンの露光転写精度を上げるよう要求
が高まってきており、この要求に対応する技術としてエ
ネルギーレベルの高い超短波長の紫外線(波長13n
m)やX線(波長0.1〜10nm)による極紫外線投
影露光技術(EUVL)が用いられるようになってきて
いる。上記極紫外線投影露光技術(EUVL)を用いた
極紫外線縮小投影露光装置の概略構成を図1に示す。
【0003】図1で1は、照明光学系であって、チャン
バ8内の所定位置に配置され、光源から放射された極紫
外線を集光した後、レチクルステージ3に保持され、露
光パターンを備えるレチクル2面上に所定の大きさのビ
ームに成形するものである。レチクル2を照射した極紫
外線は、ミラー4a、4bを組み合わせた縮小光学系4
を通して、ウエハステージ6上に保持されたウエハ5面
上に縮小結合される。また、ウエハステージ6上に搭載
され、ミラー面を備えるウエハステージ位置計測用ミラ
ー7は、ウエハステージ6の位置決めを計測するもので
ある(特開平7−263322号公報、「極紫外線リソ
グラフィー用光学系の開発と評価」(Oplus E2
000年5月)参照)。露光処理を行うに際し、チャン
バ8内の真空度が10-5Paを超える高真空から低真空
領域で極紫外線をウエハ5に照射すると、光路上にある
空気により極紫外線の減衰が著しくなるため、チャンバ
8内の真空度を少なくとも10-5Pa以下の超高真空に
維持しなければならない。このような超高真空中で極紫
外線を照射すると、レチクル2、レチクルステージ3、
ミラー4a、4b、ウエハステージ6、ウエハステージ
位置計測用ミラー7等の半導体製造装置用部品に熱が発
生するが、超高真空中であるため熱の逃げ場がなく、そ
の温度は著しく上昇し、露光転写精度が低下することに
なる。
【0004】従来、上記半導体製造装置用部品に用いら
れるセラミックスには、比較的安価で、化学的にも安定
しているという理由でアルミナ質セラミックスや窒化珪
素質セラミックスが広く用いられている。
【0005】また、最近では、コージェライト等の低熱
膨張セラミックスや高純度の石英を半導体製造装置用部
品として応用することが提案されている(特開平8−1
43329号公報、特開平11−209171号公報、
特開2000−247732号参照)。特開平8−14
3329号公報では、高純度の石英を半導体製造におい
て使用されるフランジ、治具、断熱フィン、炉心管、均
熱管等の構成材料として用いることが提案されている。
【0006】また、特開平11−209171号公報や
特開2000−247732号では、コージェライト質
セラミックスを真空装置用構造部材、サセプタ、真空チ
ャック、露光装置におけるステージ、あるいはウエハス
テージ位置計測用ミラーを始めとする半導体製造装置用
部材等に用いることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
製造装置用部品として一般に用いられてきたアルミナ質
セラミックスや窒化珪素質セラミックスは、金属に比べ
て熱膨張係数が小さいものの、0〜20℃における熱膨
張係数はそれぞれ約5.0×10-6/℃、約1.5×1
-6/℃であり、雰囲気温度が0.1℃変化すると、例
えば、一辺の長さが0.5m程度のウエハステージでは
数μmの変形が発生することになり、露光等の精密さを
要求される工程ではこの変形のために、半導体の生産性
が低下するという課題があった。
【0008】これに対し、石英はアルミナ質セラミック
スや窒化珪素質セラミックスより0〜20℃における熱
膨張係数が0.45×10-6/℃と小さい材料であるも
のの、波長3.33〜25.42nmにおける平均放射
率が67%と小さいために、石英を超紫外線露光技術
(EUVL)を用いた露光装置の半導体製造装置用部品
に用いた場合、熱が逃げにくいという課題があった。
【0009】また、特開平11−209171号公報や
特開2000−247732号で提案されるコージェラ
イト質セラミックスは、熱膨張係数が1×10-6/℃以
下とされているものの、低熱膨張特性と大きな放射特性
を同時に兼ね備えるものではなかった。 そこで、本発
明は、低熱膨張特性を備え、しかも放射率の大きいセラ
ミックスを提供することを目的とするものである。ま
た、本発明は、上記セラミックスを用いた半導体製造装
置用部材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の低熱膨
張セラミックスは、0〜20℃における熱膨張係数が1
×10-6/℃以下であって、波長3.33〜25.42
μmにおける平均放射率が80%以上であることを特徴
とする。
【0011】また、本発明の熱膨張セラミックスは、室
温における熱伝導率が3W/m・k以上であることを特
徴とする。
【0012】また、本発明の低熱膨張セラミックスは、
波長3.33〜25.42μmにおける平均放射率が9
4%以上であるコージェライト粉末に対し、希土類酸化
物粉末を1〜20重量%の割合で添加、混合して得られ
た混合粉末を所望の成形手段で成形した後、温度110
0〜1450℃で焼成することにより得られることを特
徴とする。
【0013】また、本発明の半導体製造装置用部品は、
上記低熱膨張セラミックスから形成されることを特徴と
する。
【0014】また、本発明のミラーは、上記低熱膨張セ
ラミックスを用いたミラーであって、真空中で使用され
ることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1を用いて本発明の実施
の形態を説明する。
【0016】図1で、1は照明光学系であって、チャン
バ8内の所定位置に配置され、光源から放射された極紫
外線を集光した後、レチクルステージ3に保持され、露
光パターンを備えるレチクル2面上に所定の大きさのビ
ームに成形するものである。レチクル2を照射した極紫
外線は、ミラー4a、4bを組み合わせた縮小光学系4
を通して、ウエハステージ6上に保持されたウエハ5面
上に縮小結合される。また、ウエハステージ6上に搭載
され、ミラー面を備えるウエハステージ位置計測用ミラ
ー7は、ステージ6の位置決めを計測するためのもので
ある。露光処理の際、チャンバ8内の真空度は10-5
a以下の超高真空に保たれる。
【0017】本発明の低熱膨張セラミックスは、0〜2
0℃における熱膨張係数が1×10 -6/℃以下であっ
て、略遠赤外線の波長領域の一部である波長3.33〜
25.42μmにおける平均放射率が80%以上である
ことが重要であり、レチクル2、レチクルステージ3,
ミラー4a、4b、ウエハステージ6、ウエハステージ
位置計測用ミラー7等の半導体製造装置用部品として用
いられることが好適である。
【0018】ここで、上記低熱膨張セラミックスの0〜
20℃における熱膨張係数を1×10-6/℃以下とした
のは、熱膨張係数が1×10-6/℃を超えると、温度変
化による寸法変化が大きくなるため、上記半導体製造装
置用部品に用いた場合、露光処理の際、露光転写精度の
低下を招くからである。
【0019】また、波長3.33〜25.42μmにお
ける平均放射率を80%以上としたのは、平均放射率が
80%未満であると、上記半導体製造装置用部品に用い
た場合、露光装置内の雰囲気は真空であるため、これら
半導体製造装置用部品の輻射による熱伝導を大きくする
ことができず、温度上昇を抑制することができないから
である。
【0020】ここで、波長3.33〜25.42μmに
おける平均放射率とは、波長3.33〜25.42μm
における積分放射率の平均値をいい、遠赤外線分光放射
計を用いて測定することができる。また、波長3.33
〜25.42nmという波長域を選んだのは、この波長
域の平均放射率が熱伝導に大きく寄与するからである。
【0021】また、本発明の低熱膨張セラミックスは、
0〜20℃における熱膨張係数が1×10-6/℃以下で
あって、波長3.33〜25.42μmにおける平均放
射率が80%以上であることに加え、室温における熱伝
導率が3W/m・k以上であることが好ましい。
【0022】室温における熱伝導率を3W/m・k以上
としたのは、熱伝導率が3W/m・k未満であると、露
光装置の構成が上記半導体製造装置用部品と接する部品
が少ない構成となる場合、これら部品を通じて、極紫外
線の照射によって発生した熱を速やかに逃がすことがで
きず、温度上昇を抑制することができないからである。
【0023】本発明の低熱膨張セラミックスは、秤量、
調合したガラス原料を溶融し、成形、徐冷した後、結晶
核を生成させる熱処理、次いで結晶化を促進する熱処理
を行うことで発現した主結晶相がβ−石英固溶体(β−
SiO2固溶体)及び/またはβ−石英(β−SiO2
であり、且つ前記主結晶相の合計結晶量が60〜70重
量%であって、副成分としてAl2325〜30重量
%、P250.1〜10重量%、Li2O0.1〜6重
量%、TiO20.1〜4重量%、ZrO20.1〜4重
量%、ZnO0〜4重量%、MgO0〜2重量%、K2
O0.1〜2重量%、Na2O0.1〜2重量%を含有
したガラスセラミックスであることが好ましい。
【0024】ここで、固溶体とはβ−石英の結晶の一部
が置換されたり、結晶間に原子が侵入しているものをい
う。
【0025】上記主結晶相をβ−石英固溶体(β−Si
2固溶体)及び/またはβ−石英(β−SiO2)とし
たのは、β−石英固溶体(β−SiO2固溶体)やβ−
石英(β−SiO2)は、本発明の低熱膨張セラミック
スの熱膨張係数に寄与する重要な要素であり、正の熱膨
張係数を有するガラス相中に、負の熱膨張係数を有する
上記主結晶相を析出させることでガラスセラミックス全
体として熱膨張係数を所望の数値範囲内に制御すること
ができるからである。
【0026】ここで、前記主結晶相の合計結晶量を60
〜70重量%としたのは、60重量%未満では副成分の
組み合わせによっては熱膨張係数が1×10-6/℃を超
えることがあるからであり、一方70重量%を超えると
十分な耐食性が得られなくなるからである。
【0027】また、Al23を25〜30重量%とした
のは、25重量%未満では、原ガラスの溶融が難しくな
ることで原ガラスの均質性が低下するとともに、上記主
結晶相を必要量生成しにくくなるからであり、一方30
重量%を超えると原ガラスの融点が高くなり過ぎ、作業
性が悪くなるからである。
【0028】また、Li2Oは主結晶相の一部であるβ
−石英固溶体の構成要素となる重要な成分であり、Li
2Oを0.1〜6重量%としたのは、0.1重量%未満
では、十分な結晶量が得られないからであり、一方、6
重量%を超えると上記熱処理後に得られたガラスセラミ
ックスの強度が低下するためでる。
【0029】また、P25、TiO2、ZrO2は、いず
れも結晶核形成剤として作用し、いずれの成分も0.1
重量%以上であることが好ましい。一方、P25を10
重量%以下、TiO2を4重量%以下、ZrO2を4重量
%以下としたのは、P25が10重量%を超えるか、若
しくはTiO2またはZrO2がそれぞれ4重量%を超え
ると原ガラスの溶融が難しくなり、未溶融物が発生する
ことがあるからでる。
【0030】また、ZnO、MgOは、いずれも主結晶
相の一部であるβ−石英固溶体の構成要素となる重要な
成分であり、これら各成分をそれぞれ4重量%以下、2
重量%以下としたのは、ZnOが4重量%を超えるかM
gOが2重量%を超えると、他の副成分との組み合わせ
によっては熱膨張係数が1×10-6/℃を超えることが
あるからである。但し、主結晶相すべてがβ−石英であ
る場合には、ZnO、MgOを含んでいなくてもよい。
【0031】また、K2O、Na2Oはガラス原料の溶融
温度を低下させるのとともに、成形時のガラスの失透を
抑制する作用を備えており、この成分をいずれも0.1
〜2重量%としたのは0.1重量%未満ではガラス原料
の溶融温度を低下させたり、成形時のガラスの失透を十
分抑制することができないからであり、一方、2重量%
を超えるとガラスセラミックスの強度が低下するからで
ある。
【0032】さらに、均質なガラスセラミックスを得る
ために、ガラス原料を溶融させる際の清澄剤としてAs
23が0.1〜2重量%含まれることが好ましく、また
不可避不純物として、CaO、Fe23、Y23をそれ
ぞれ0.2重量%以下で含んでいても何等差し支えな
い。
【0033】なお、上記主結晶相及び副成分の比率は、
蛍光X線分析装置や原子吸光分析装置を用いて測定すれ
ばよい。
【0034】次に、上記低熱膨張セラミックスを得るた
めの製造方法について説明する。
【0035】先ず、上述したガラスセラミックスの組成
となるように酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等のガ
ラス原料を秤量、調合し、坩堝等に入れた後、温度14
00〜1500℃で6〜8時間、撹拌しながら溶融し、
清澄な状態の原ガラスを得る。この溶融された原ガラス
を鋳込み成形等で成形し、除歪のため徐冷する。
【0036】次いで、徐冷された上記原ガラスを温度6
20〜800℃で保持し、核形成を促進する。ここで、
核形成を促進させる温度を620〜800℃としたの
は、620℃未満でも800℃を超えても結晶核が生成
しないからである。
【0037】上記核形成終了後、温度700〜950℃
で結晶化させる。ここで、結晶化のための温度を700
〜950℃としたのは、700℃未満では十分な量の主
結晶相が成長せず、950℃より高いと上記原ガラスが
溶解するとともに、β−スポジュメン等ヤング率を低く
する結晶が析出するからである。
【0038】上記結晶化終了後、50℃/hr以下の速
度で徐冷する。ここで、徐冷の速度を50℃/hrとし
たのは、負の熱膨張係数を有する結晶が析出しているた
め、50℃/hrを超える速度で急冷すると、クラック
が入るおそれがあるからである。
【0039】また、本発明の低熱膨張セラミックスはコ
ージライト質焼結体とすることもできるがその場合の製
造方法を説明する。
【0040】先ず、平均粒径が10μm以下、波長3.
33〜25.42μmにおける平均放射率が94%以上
のコージェライト粉末に対して、平均粒径10μm以下
の希土類酸化物粉末を1〜20重量%の割合で添加した
後、ボールミル等を用い、十分に混合して混合粉末とす
る。ここで、コージェライト粉末の放射率を94%以上
としたのは、94%未満とすると、波長3.33〜2
5.42μmにおける、成形、焼成、研磨工程を経たコ
ージェライト質セラミックスの平均放射率が80%未満
となるからである。また、希土類酸化物粉末を1重量%
以上としたのは、希土類酸化物粉末を1重量%以上添加
することで、希土類酸化物粉末が後の焼成工程でコージ
ェライトの成分と反応し、液相を生成することから、低
温での焼結を実現するとともに焼結が可能な温度領域を
350℃まで拡げることができるからである。
【0041】ここで、平均粒径が10μm以下であっ
て、波長3.33〜25.42μmにおける平均放射率
が94%以上のコージェライト粉末を得るには、平均粒
径5〜10μmのタルク、平均粒径2〜10μmのカオ
リン及び平均粒径4μm以下のアルミナを原料として粉
砕混合することで調整すればよい。
【0042】また、希土類酸化物粉末を20重量%以下
としたのは、希土類酸化物粉末が20重量%を超える
と、0〜20℃における低熱膨張セラミックスの熱膨張
係数が1×10-6/℃を超えるからである。
【0043】なお、上記希土類酸化物粉末を構成する希
土類元素としては、Y、Yb、Lu、Er、Ce、N
d、Sm等が挙げられ、これらの中でも安価に入手でき
るという点でY、Ybが好適である。また、この希土類
元素は、コージェライト結晶の粒界に存在するが、この
希土類元素は、RE23・SiO2またはRE23・2
SiO2等シリケート化合物結晶相(RE:希土類元
素)として存在することが好ましい。粒界相の結晶化に
より、一層の低熱膨張化が実現できるからである。
【0044】次に、上記混合粉末を所望の成形手段、例
えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、押し出し成形等
により任意の形状に成形し、成形体とする。
【0045】そして、上記成形体を大気雰囲気あるいは
Ar等の不活性ガス雰囲気中で、温度1100〜145
0℃で焼成し、1時間当たり100℃以上の降温速度で
徐冷することで、本発明に係る低熱膨張セラミックスを
得ることができる。
【0046】ここで、焼成温度を1100〜1450℃
としたのは、1100℃未満では相対密度95%以上の
緻密な焼結体を得ることができないからであり、145
0℃を超えると、コージェライトが溶解してしまうから
である。また、1時間当たり100℃/時間以上とする
ことで、0〜20℃における低熱膨張セラミックスの熱
膨張係数をより低くすることができるため、好適であ
る。
【0047】特に、緻密化を促進するためには、コージ
ェライト粉末と希土類酸化物粉末との混合粉末をホット
プレス焼成等によって10MPa以上の加圧下、110
0〜1450℃の温度で焼成することが好ましい。な
お、この焼成にあたっては、成形体を炭化珪素質または
アルミナ質の匣鉢内に収納して焼成することが好まし
い。また、上記成形体をさらに緻密化するには、Ar若
しくはN2等の非酸化性ガス雰囲気中、または酸素雰囲
気中、100MPa以上の加圧下で900〜1400℃
の温度で熱間静水圧処理することも可能である。
【0048】さらに、上記焼結体をArまたはN2等の
非酸化性ガス雰囲気中、温度1100〜1400℃で熱
処理してコージェライト結晶粒界の結晶化を促進するこ
とにより、前述したシリケート化合物結晶相を析出させ
ることができ、上記熱処理の保持時間は、更に熱膨張係
数を低くしたり、平均放射率を高くしたりする観点から
4時間以上であることが好ましい。
【0049】以上、本発明の低熱膨張セラミックスをレ
チクル、レチクルステージ,ミラー、ウエハステージ、
ウエハステージ位置計測用ミラー等の半導体製造装置用
部品に用いた場合について説明したが、電子ビーム露光
装置、SQUID(超伝導量子干渉素子)を応用した微
弱磁気検出装置、走査型電子顕微鏡等真空が要求される
装置内で用いられるミラー、成膜装置やエッチング装置
におけるウエハを保持するためのサセプタや真空チャッ
ク、あるいはその他半導体製造プロセスにおける各種治
具や真空装置用構造部材などに用いることもできる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の低熱膨張セラミックスの実施
例について説明する。
【0051】(実施例1)純度99%以上、平均粒径3
μm、平均放射率が94%であるコージェライト粉末に
対して、平均粒径が1μmのY23、Yb23、Er2
3、CeO2の各希土類元素酸化物粉末を表1に示す割
合で調合後、ボールミルで24時間混合して混合粉末と
した。次に、上記混合粉末をプレス成形して、成形体と
した後、この成形体を表1に示す焼成条件で焼成し、焼
結体を得た。
【0052】そして、サンプルNo.10〜15,1
8,19,22,23,26,27については、焼結
後、表1に示す条件で、熱間静水圧処理を施した。その
後、得られた焼結体を研削あるいは研磨等の加工を施す
ことで、熱膨張係数測定用、平均放射率測定用及び熱伝
導率測定用の各サンプルを得た。
【0053】ここで、熱膨張係数測定用サンプル、平均
放射率測定用サンプル、熱伝導率測定用サンプルの大き
さは、それぞれ幅3mm×厚み4mm×長さ15mm、
直径47mm×厚み2mm、 直径10mm×厚み2.
5mmとし、表1に示す表面粗さRaは、平均放射率測
定用サンプルの上面及び下面の表面粗さである。
【0054】また、比較例として、アルミナ質セラミッ
クス及び石英より形成された上記各サンプルも準備し
た。
【0055】ここで、熱膨張係数測定用サンプルを用
い、JIS R 1618(1994)に準拠して0〜
20℃における熱膨張係数を測定した。
【0056】また、平均放射率については、遠赤外線分
光放射計(日本電子(株)製(JIE−E500))に
平均放射率測定用サンプルをセットし、該サンプルの表
面温度を36℃としたときの波長3.33〜25.42
μmにおける平均放射率を算出した。
【0057】また、熱伝導率測定用サンプルを用い、J
IS R 1611(1991)に準拠して室温におけ
る熱伝導率を測定した。
【0058】上記サンプルの熱膨張係数、平均放射率、
熱伝導率の測定結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1からわかるように本発明の低熱膨張セ
ラミックスであるNo.1〜8,10〜14,16〜2
7の熱膨張係数は、1×10-6/℃以下と低い上、平均
放射率も80%以上と高く良好である。また、上記No
1〜8,10〜14,16〜27の熱伝導率も3W/m
・k以上と高く良好である。
【0061】(実施例2)先ず、表2に示すガラスセラ
ミックスの組成となるようにガラス原料を秤量、調合
し、坩堝に入れた後、温度1450℃で7時間、撹拌し
ながら溶融し、清澄な状態の原ガラスを得た。この溶融
された原ガラスを鋳込み成形により成形し、除歪のため
徐冷した。
【0062】次いで、徐冷された上記原ガラスを温度7
00℃で保持し、結晶核を生成させた。結晶核生成終了
後、温度830℃で結晶化させた後、50℃/hr以下
の速度で徐冷した。その後、得られたガラスセラミック
スを研削あるいは研磨等の加工を施すことで、熱膨張係
数測定用、平均放射率測定用及び熱伝導率測定用の各サ
ンプルを得た。
【0063】ここで、熱膨張係数測定用サンプル、平均
放射率測定用サンプル、熱伝導率測定用サンプルの大き
さは、それぞれ幅3mm×厚み4mm×長さ15mm、
直径47mm×厚み2mm、 直径10mm×厚み2.
5mmとし、表1に示す表面粗さRaは、平均放射率測
定用サンプルの上面及び下面の表面粗さである。
【0064】ここで、熱膨張係数測定用サンプルを用
い、JIS R 1618(1994)に準拠して0〜
20℃における熱膨張係数を測定した。
【0065】また、平均放射率については、遠赤外線分
光放射計(日本電子(株)製(JIE−E500))に
平均放射率測定用サンプルをセットし、該サンプルの表
面温度を36℃としたときの波長3.33〜25.42
μmにおける平均放射率を算出した。
【0066】また、熱伝導率測定用サンプルを用い、J
IS R 1611(1991)に準拠して室温におけ
る熱伝導率を測定した後、蛍光X線分析装置(日本フィ
リップス社製(PW−1404))により主結晶相及び
Li2O以外の副成分の比率、原子吸光分析装置(セイ
コー電子工業社製(SAS7500))によりLi2
の比率を測定した。
【0067】上記サンプルの熱膨張係数、平均放射率、
熱伝導率並びに主結晶相及び副成分の比率を測定した結
果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】表2からわかるように本発明の低熱膨張セ
ラミックスであるNo.1〜45の熱膨張係数はは、い
ずれも1×10-6/℃以下と低い上、平均放射率も80
%以上と高く良好である。また、上記No.1〜45の
熱伝導率も3W/m・k以上と高く良好である。
【0070】
【発明の効果】以上のように、0〜20℃における熱膨
張係数が1×10-6/℃以下であって、波長3.33〜
25.42μmにおける平均放射率が80%以上である
低熱膨張セラミックスとすることで、材質そのものが熱
による変形を低減できるとともに、輻射による伝熱を大
きくすることができるため、半導体製造装置用部品に用
いると、露光転写精度の低下を未然に防ぐことができ
る。
【0071】また、室温における熱伝導率を3.0W/
m・k以上とすることで、熱伝導による伝熱を大きくす
ることができるため、半導体製造装置用部品に用いる
と、同様に露光転写精度の低下を未然に防ぐことができ
る。
【0072】また、波長3.33〜25.42μmにお
ける平均放射率が94%以上であるコージェライト粉末
に対し、希土類酸化物粉末を1〜20重量%の割合で添
加、混合して得られた混合粉末を所望の成形手段で成形
した後、温度1100〜1450℃で焼成することで、
波長3.33〜25.42μmにおける平均放射率が8
0%以上であって、しかも0〜20℃における熱膨張係
数が1×10-6/℃以下の緻密な焼結体を得ることがで
きる。
【0073】さらに、本発明のミラーは、上記低熱膨張
セラミックスを用いたミラーであって、真空中で使用さ
れることで、ミラーそのものが熱による変形を低減でき
るとともに、輻射による伝熱を大きくすることができる
ため、例えば、真空が要求される装置内の所定位置にミ
ラーを配置した場合、その装置の信頼性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低熱膨張セラミックスを用いた極紫外
線縮小投影露光装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 :照明光学系 2 :レチクル(マスク) 3 :レチクルステージ 4 :ミラー 5 :ウエハ 6 :ウエハステージ 7 :ウエハステージ位置計測用ミラー 8 :チャンバ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0〜20℃における熱膨張係数が1×10
    -6/℃以下であって、波長3.33〜25.42μmに
    おける平均放射率が80%以上であることを特徴とする
    低熱膨張セラミックス。
  2. 【請求項2】室温における熱伝導率が3W/m・k以上
    であることを特徴とする請求項1に記載の低熱膨張セラ
    ミックス。
  3. 【請求項3】波長3.33〜25.42μmにおける平
    均放射率が94%以上であるコージェライト粉末に対
    し、希土類酸化物粉末を1〜20重量%の割合で添加、
    混合して得られた混合粉末を所望の成形手段で成形した
    後、温度1100〜1450℃で焼成することにより得
    られることを特徴とする低熱膨張セラミックス。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の低熱膨
    張セラミックスからなることを特徴とする半導体製造装
    置用部品。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の低熱膨
    張セラミックスからなり、真空中で使用されることを特
    徴とするミラー。
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