JP2003188677A - 圧電デバイスとその製造方法及び圧電デバイスを利用した携帯電話装置及び圧電デバイスを利用した電子機器 - Google Patents

圧電デバイスとその製造方法及び圧電デバイスを利用した携帯電話装置及び圧電デバイスを利用した電子機器

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JP2003188677A
JP2003188677A JP2001380229A JP2001380229A JP2003188677A JP 2003188677 A JP2003188677 A JP 2003188677A JP 2001380229 A JP2001380229 A JP 2001380229A JP 2001380229 A JP2001380229 A JP 2001380229A JP 2003188677 A JP2003188677 A JP 2003188677A
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piezoelectric
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vibrating piece
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Osamu Kawauchi
修 川内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パッケージ内における圧電振動片と電極の接合
構造において、耐衝撃性に優れると共に、接着力を向上
させること。 【解決手段】パッケージ36の内部空間Sに圧電振動片
32を収容し、このパッケージの内側に設けた電極3
1,31と前記圧電振動片の引出し電極71,71とが
シリコーン系の導電性接着剤によって接合されることに
より、前記圧電振動片の一部を固定するようにした圧電
デバイスであって、前記引出し電極が、前記圧電振動片
を構成する材料の表面側に設けた下地層73と、この下
地層の表面側に設けた貴金属による表面貴金属層72と
を有しており、前記引出し電極の少なくとも前記パッケ
ージ側の電極と対向する前記表面貴金属層72には、部
分的に前記下地層73が露出されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動片をパッ
ケージに内蔵した圧電デバイスの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、HDD(ハード・ディスク・ドラ
イブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等
の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、あるいは
ページングシステム等の移動体通信機器において装置の
小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電デバ
イスも小型薄型化が要求されている。また、それととも
に、装置の回路基板に表面実装が可能な表面実装タイプ
の圧電デバイスが求められている。図16及び図17
は、このような圧電デバイスの構成例を示す概略図であ
り、図16は、圧電デバイスの構成を示す概略平面図、
図17は、図16の圧電デバイスのA−A線概略断面図
である。
【0003】図16及び図17において、従来の圧電デ
バイス1は、パッケージ6の内部に、圧電振動片2を収
容している。この圧電振動片2は、例えば水晶基板を利
用して形成されている。この圧電振動片2は、パッケー
ジ6の電極部に接合される基部11と、この基部11か
ら平行に延びる一対の振動腕4,5を有する音叉型に形
成され、その表面に図示しない駆動用の金属電極が形成
されている。
【0004】パッケージ6は、セラミック製の2枚のシ
ート12,13を積層して内側に所定の内部空間Sを形
成するようにし、その全体が矩形状に形成されている。
この内部空間Sにおいて、パッケージ6の内側の底部に
は、導電性の接着剤7等を介して、上述した圧電振動片
2の基部11の引出し電極12,12が電極部3,3上
に接合固定されている。そして、この引出し電極12,
12は、上述した図示しない駆動用の金属電極と、それ
ぞれ一体に連続して形成されている。また、圧電振動片
2の先端部は自由端とされている。パッケージ6の開放
された上端には、低融点ガラス等のロウ材8を介して、
ガラス製の蓋体9が接合されることにより、封止されて
いる。
【0005】圧電デバイス1は、以上のように構成され
ており、外部からの駆動電圧が、電極部3と導電性接着
剤7及び引出し電極12,12を介して、圧電振動片2
に伝えられる。これにより、圧電振動片2の図示しない
励振電極からの電圧が圧電材料に伝えられることで、一
対の振動腕4,5が屈曲振動を生じ、所定の周波数で振
動する。この振動周波数を外部に取り出すことによっ
て、所定の周波数の出力を得ることができるようになっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
圧電デバイス1において、圧電振動片2の引出し電極1
2,12と、パッケージ側の電極部3,3を接合するた
めに使用される導電性接着剤7,7としては、シリコー
ン系の導電性接着剤が使用されている。このシリコーン
系の導電性接着剤は、シリコーン系の樹脂中に、銀粒子
等の導電材料を含有することで、導電性を備えるように
構成されている。そして、シリコーン系の導電性接着剤
は、エポキシ系の接着剤やポリイミド系の接着剤と比べ
て、衝撃力を吸収する能力が高く、このため、落下衝撃
等に対して強いという性能を発揮することができる。
【0007】しかしながら、図18(a)に示す圧電振
動片2の引出し電極12,12は、図18(b)にその
下面の構造を示すように、下地層としてのクロム(C
r)13,13の下面に金(Au)被覆部14,14を
設けている。このため、上記シリコーン系の導電性接着
剤7,7は、この金被覆部14,14と接着される必要
がある。ところが、金被覆部14,14は、シリコーン
系の導電性接着剤7,7との接着界面での硬化反応が他
の部分と比較して遅く、このため、接合工程における乾
燥状態の管理が難しくて、接着強度が不足する問題があ
った。
【0008】そこで、シリコーン系の導電性接着剤7,
7との接着面に金を露出させるのではなく、図19
(a)に示すように、圧電振動片2の表面側に、下地層
13を形成し、その表面側に金被覆部14を設け、この
金被覆部14のさらに表面側にクロム膜15を形成する
方法が考えられる。あるいは、もっと単純には、図19
(b)に示すように、圧電振動片2の表面にクロム膜1
5を形成する方法が考えられる。
【0009】しかし、シリコーン系の導電性接着剤7,
7との接着面を、上述のようにクロム面とすると、接着
剤の濡れ性が良すぎるために、接着面で滑ってしまい、
圧電振動片2を正しく位置決めしにくく、安定して接合
させることが困難となる。
【0010】本発明の目的は、上述の問題を解決するた
めになされたものであり、パッケージ内における圧電振
動片と電極の接合構造において、耐衝撃性に優れると共
に、接着力を向上させることができる圧電デバイスと、
その製造方法及びこの圧電デバイスを利用した携帯電話
装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、請求項1
の発明によれば、パッケージの内部空間に圧電振動片を
収容し、このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電
振動片の引出し電極とがシリコーン系の導電性接着剤に
よって接合されることにより、前記圧電振動片の一部を
固定するようにした圧電デバイスであって、前記引出し
電極が、前記圧電振動片を構成する材料の表面側に設け
た下地層と、この下地層の表面側に設けた貴金属による
表面貴金属層とを有しており、前記引出し電極の少なく
とも前記パッケージ側の電極と対向する前記表面貴金属
層には、部分的に前記下地層が露出されている、圧電デ
バイスにより、達成される。請求項1の構成によれば、
圧電振動片の引出し電極の少なくともパッケージ側の電
極と対向する前記表面貴金属層には、その全面ではな
く、部分的に下地層を露出させている。これにより、下
地層を露出させた領域に関しては、導電性接着剤に対し
て、濡れ性が向上し、このため、接着力がより強くな
る。すなわち、導電性接着剤にシリコーン系の導電性接
着剤を使用することで、本発明の圧電デバイスは、耐衝
撃性に優れしかも、接着力を向上させた接合構造とする
ことができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記表面貴金属層には、前記下地層に代えて、部分
的に前記圧電振動片の材料層が露出されていることを特
徴とする。請求項2の構成によれば、圧電振動片の引出
し電極の少なくともパッケージ側の電極と対向する前記
表面貴金属層には、その全面ではなく、部分的に圧電振
動片の材料層が露出されている。これにより、圧電振動
片の材料層を露出させた領域に関しては、導電性接着剤
に対して、濡れ性が向上し、このため、接着力がより強
くなる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2のい
ずれかの構成において、前記表面貴金属層に部分的に露
出された前記下地層または前記圧電振動片の材料層と、
前記表面貴金属層とが、規則正しい幾何学形状に形成さ
れていることを特徴とする。請求項3の構成によれば、
引出し電極を形成するプロセスで使用するフォトマスク
に規則正しい幾何学形状のパターンを形成しやすい。ま
た、前記下地層または前記圧電振動片の材料層の各領域
の面積比が、必要とされる割合となるように正しく設定
し易い。しかも、引出し電極形成における水晶基板とフ
ォトマスクの位置合わせが正しくおこなわれたか否か
を、形成された引出し電極の幾何学形状の外観を評価す
るだけで、容易に判定することができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、前記圧電振動片の材料層が水晶
であり、前記下地層がクロム(Cr)またはクロム合金
であることを特徴とする。請求項4の構成によれば、圧
電振動片の材料層として、水晶を選択すると、下地層と
して選定されるクロムの成膜に適している。そして、こ
の水晶またはクロムは、引出し電極の表面に部分的に露
出させた場合に、シリコーン系の導電性接着剤を使用す
ると、高い接着力を発揮できる。
【0015】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの構成において、前記圧電振動片の材料層が水晶
であり、前記表面貴金属層が金(Au)または金合金で
あることを特徴とする。請求項5の構成によれば、圧電
振動片の材料層として、水晶を選択し、前記表面貴金属
層が金(Au)または金合金を選択すると、エージング
特性のよい圧電振動片を得ることができる。また、前記
表面貴金属層が金(Au)または金合金である場合に、
この表面貴金属層について部分的に前記クロムや材料層
を露出させることで、特に、シリコーン系の導電性接着
剤を使用した場合の接合力の向上という効果が期待でき
る。
【0016】また、上述の目的は、請求項6の発明によ
れば、パッケージの内部空間に圧電振動片を収容し、こ
のパッケージの内側に設けた電極と前記圧電振動片とを
接合する工程を含む圧電デバイスの製造方法であって、
前記圧電振動片の引出し電極が、前記圧電振動片の材料
層の表面側に下地層を形成し、次いで、この下地層の表
面側に表面貴金属層を形成し、さらに、前記表面貴金属
層を部分的に剥離することにより、前記引出し電極の少
なくとも前記パッケージ側の電極と対向する面には、部
分的に前記下地層が露出されるように形成され、前記圧
電振動片の接合工程では、前記パッケージ側の電極面
と、前記引出し電極の前記部分的に前記下地層が露出さ
れた面の間には、シリコーン系の導電性接着剤が適用さ
れることにより、前記パッケージ側の電極と前記圧電振
動片の引出し電極とが接合される、圧電デバイスの製造
方法により、達成される。請求項6の構成によれば、こ
の方法によるプロセスを用いることで、容易に表面貴金
属層に、部分的に下地層を露出させることができる。ま
た、これにより、下地層を露出させた領域に関しては、
導電性接着剤に対して、濡れ性が向上し、このため、接
着力を向上させることができる。
【0017】請求項7の発明は、請求項6の構成におい
て、前記引出し電極の少なくとも前記パッケージ側の電
極と対向する面には、前記下地層の代わりに、部分的に
前記圧電振動片の材料層が露出されるようにしたことを
特徴とする。請求項7の構成によれば、この方法による
プロセスを用いることで、容易に表面貴金属層に、部分
的に圧電振動片の材料層を露出させることができる。
【0018】請求項8の発明は、請求項6または7のい
ずれかの構成において、前記表面貴金属層に部分的に露
出された前記下地層または前記圧電振動片の材料層と、
前記表面貴金属層とが、規則正しい幾何学形状に形成さ
れることを特徴とする。
【0019】請求項9の発明は、請求項6ないし8のい
ずれかの構成において、前記圧電振動片の材料層が水晶
であり、前記下地層がクロム(Cr)またはクロム合金
であることを特徴とする。
【0020】請求項10の発明は、請求項6ないし9の
いずれかの構成において、前記圧電振動片の材料層が水
晶であり、前記表面貴金属層が金(Au)または金合金
であることを特徴とする、請求項6ないし9のいずれか
に記載の圧電デバイスの製造方法。
【0021】また、上述の目的は、請求項11の発明に
よれば、パッケージの内部空間に圧電振動片を収容し、
このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電振動片の
引出し電極とがシリコーン系の導電性接着剤によって接
合されることにより、前記圧電振動片の一部を固定する
ようにした圧電デバイスを利用した携帯電話装置であっ
て、前記引出し電極が、前記圧電振動片を構成する材料
の表面側に設けた下地層と、この下地層の表面側に設け
た貴金属による表面貴金属層とを有しており、前記引出
し電極の少なくとも前記パッケージ側の電極と対向する
前記表面貴金属層には、部分的に前記下地層が露出され
ている圧電デバイス、もしくは、部分的に前記圧電振動
片の材料層が露出されている圧電デバイスにより、制御
用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、
携帯電話装置により、達成される。
【0022】また、上述の目的は、請求項12の発明に
よれば、パッケージの内部空間に圧電振動片を収容し、
このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電振動片の
引出し電極とがシリコーン系の導電性接着剤によって接
合されることにより、前記圧電振動片の一部を固定する
ようにした圧電デバイスを利用した電子機器であって、
前記引出し電極が、前記圧電振動片を構成する材料の表
面側に設けた下地層と、この下地層の表面側に設けた貴
金属による表面貴金属層とを有しており、前記引出し電
極の少なくとも前記パッケージ側の電極と対向する前記
表面貴金属層には、部分的に前記下地層が露出されてい
る圧電デバイス、もしくは、部分的に前記圧電振動片の
材料層が露出されている圧電デバイスにより、制御用の
クロック信号を得るようにしたことを特徴とする、電子
機器により、達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の圧電
デバイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその
概略斜視図、図2はその概略平面図、図3は図2のC−
C線概略断面図である。これらの図において、圧電デバ
イス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧
電デバイス30は、パッケージ36内に圧電振動片32
を収容している。パッケージ36は、例えば、酸化アル
ミニウムのセラミックグリーンシートを積層後に焼成し
て、浅い箱状に形成されている。各積層基板(図示せ
ず)は、その内側に所定の孔を形成することで、積層し
た場合に内側に所定の内部空間Sを形成するようにされ
ている。
【0024】パッケージ36の内部空間S内の図におい
て左端部付近において、内部空間Sに露出された底部に
は、Au及びNiメッキが施された電極部31,31が
図2に示すように所定の間隔を隔てて形成されている。
電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供
給するものである。この各電極部31,31の上に導電
性接着剤43,43が塗布されており、この導電性接着
剤43,43の上に圧電振動片32の基部51が載置さ
れて、導電性接着剤43,43が硬化されることにより
接合されている。この導電性接着剤43,43は、この
実施形態では、シリコーン系樹脂内に銀粒子を含有させ
た、シリコーン系の導電性接着剤が使用されている。こ
のシリコーン系の導電性接着剤は、硬化後において、衝
撃を吸収できる性質を有している。
【0025】圧電振動片32は、例えば水晶で形成され
ており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リ
チウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形
態の場合、圧電振動片32は、パッケージ36側と後述
するようにして固定される基部51と、この基部51を
基端として、図において右方に向けて、二股に別れて平
行に延びる一対の振動腕34,35を備えており、全体
が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片
が利用されている。本発明の圧電振動片は、このような
音叉型の形状のものに限らず、例えば、水晶等の圧電材
料を矩形状にカットした、所謂、ATカット振動片を利
用するようにしてもよい。
【0026】圧電振動片32の基部51の導電性接着剤
43,43と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための
引出し電極71,71が形成されており、これにより、
圧電振動片32は、駆動用電極がパッケージ36側の電
極部31,31と導電性接着剤43,43を介して、電
気的に接続されている。この電極部31,31は、外部
から、圧電振動片32に対して、駆動電圧を印加するた
めのものである。すなわち、圧電振動片32の表面に
は、この圧電振動片32の励振に必要な複雑なパターン
の図示しない駆動電極または励振電極が形成されてい
る。そして、圧電振動片32の基部51の長さ方向の端
部であって、幅方向の両端付近には、図3に示すよう
に、表面71a,及び裏面71bの表裏にわたって、上
記駆動電極または励振電極に対して、駆動電圧を伝える
ために、パッケージ36側の電極部31,31と電気的
に接続される引出し電極71,71が形成されている。
この引出し電極71,71の詳しい構成は後で説明す
る。
【0027】パッケージ36の開放された上端には、低
融点ガラス等のロウ材33を介して、蓋体39が接合さ
れることにより、封止されている。蓋体39は、この蓋
体39を透過させたレーザ光等により周波数調整を行う
ために、光を透過する材料,例えば、ガラスで形成され
ている。
【0028】また、この実施形態では、パッケージ36
を構成する積層基板の中間の基板(図示せず)、図2及
び図3において右端部付近に孔を形成することにより、
この積層基板の厚みに対応した凹部42が形成されてい
る。この凹部42は、圧電振動片32の自由端32bの
下方に位置している。これにより、パッケージ36に外
部から衝撃が加わった場合に、圧電振動片32の自由端
32bが矢印方向に振れた場合に、パッケージ36の内
側底面と当接されることを有効に防止している。
【0029】図4(a)は、圧電振動片32の基部51
付近を示す拡大平面図であり、図4(b)は、図4
(a)のB−B線切断端面図である。これらの図におい
て、引出し電極71,71は、上述したように、実際
は、圧電振動片32の表面に形成された電極(図示せ
ず)の一部を構成するものであり、その構造は、図4
(b)に示されているように、圧電振動片32の水晶材
料75の表面に、下地層としてのクロム(Cr)層73
を備えている。このクロム層73の上には、貴金属膜と
しての金(Au)被覆層72を備えている。
【0030】ここで、通常は、下地層であるクロム層7
3の表面側の全面に貴金属層である金被覆層72を形成
するのであるが、この実施形態では、図示されているよ
うに、金被覆層72には、部分的に、その下層であるク
ロム層73を露出している。具体的には、図4(a)に
示されているように、引出し電極71,71の表面は、
規則正しい幾何学模様になるように、金被覆層72とク
ロム層73が露出されており、図示の場合は、特に、そ
れぞれの引出し電極71,71の表面を等しい面積で4
分割して、対角方向に金被覆層72,72と、クロム層
73,73が並ぶような四角格子状もしくは碁盤目の形
態とされている。これにより、金被覆層72とクロム層
73がそれぞれ露出された面積は互いに等しくなってい
る。
【0031】本実施形態は、以上のように構成されてお
り、圧電デバイス30では、圧電振動片32の引出し電
極71,71は、部分的にクロム層73,73を露出さ
せている。これにより、クロム層73,73を露出させ
た領域に関しては、図2及び図3で説明した導電性接着
剤43,43に対して、濡れ性が向上し、このため、接
着力がより強くなる。しかも、導電性接着剤43,43
にシリコーン系の導電性接着剤を使用することで、圧電
デバイス30は、耐衝撃性に優れしかも、接着力を向上
させた接合構造とすることができる。
【0032】ここで、図4においては、引出し電極7
1,71の表面71aと裏面71bの両面に関して、部
分的にクロム層73,73を露出させているが、図4に
おける裏面71bについてだけ、クロム層73を露出さ
せてもよい。すなわち、導電性接着剤43,43との主
たる接合面である、引出し電極71,71の少なくとも
パッケージ36側の電極部31,31と対向する裏面7
1b,71bにだけ、クロム層73の露出箇所を形成す
れば、上述した作用効果を得ることができる。また、金
被覆層72とクロム層73がそれぞれ露出された面積は
必ずしも互いに等しくする必要はなく、部分的にクロム
層73が露出されていればよい。さらにまた、金被覆層
72とクロム層73の領域分割数は、ひとつの引出し電
極71において、最低4分割することで、所期の効果を
得ることができる。そして、貴金属層としての金被覆層
72は、例えば、金合金や銀あるいは銀合金を用いても
よい。下地層としてのクロム層73は、クロム合金やニ
ッケルあるいはニッケル合金でもよい。
【0033】図5は、本実施形態の第1の変形例を示し
ている。この第1の変形例では、引出し電極の構成だけ
が、上述の引出し電極71,71と異なっており、他の
構成は同じであるから、重複する説明は省略し、相違点
だけを説明する。図5の圧電振動片32の引出し電極8
1,81は、その層構造を構成するクロムと金は同じで
あるが、金被覆層72とクロム層73が露出されている
形状だけが異なっている。すなわち、引出し電極81,
81の表面は、規則正しい幾何学模様になるように、金
被覆層72とクロム層73が露出されており、図4
(a)の場合と比べると、より細かい四角格子状または
碁盤目模様となるようにされている。したがって、この
第1の変形例の場合も、図4(a)の引出し電極71,
71を利用した接合構造と同様の作用効果を発揮するこ
とができる。
【0034】図6及び図7は、圧電デバイス30の圧電
振動片32について、の引出し電極71,71の製造方
法を示す工程図である。図6(a)において、圧電振動
片32を構成する水晶材料75の表面に、蒸着またはス
パッタリングもしくはメッキにより、クロム層73と、
その表面に金被覆層72を順次形成する。次に、図6
(b)に示すように、金被覆層72の表面に、レジスト
76を塗布し、図6(c)に示すように、圧電振動片3
2の外形形状(図2参照)と対応したマスク77を配置
して、露光する。この場合、マスク77は、図示されて
いるように、上述した引出し電極71,71の間を分離
するための開口を有している。
【0035】次いで、図6(d)に示すように、露光さ
れたレジスト76を除去し、続いて、図6(e)に示す
ように、剥離されたレジスト76の領域に対応する金被
覆層72とクロム層73とを、それぞれエッチング液を
用いて除去する。次に、図7(f)に示すように、マス
ク77及びレジスト76を除去し、図7(g)に示すよ
うに、再度レジスト78を全面に塗布する。
【0036】続いて、図7(h)に示すように、マスク
79を用意する。このマスク79は、例えば、図4
(a)に示した金被覆層72,72の各領域に対応した
箇所を覆う形状とされている。したがって、フォトリソ
グラフィーの手法で、引出し電極71,71を形成する
場合において、その表面が、規則正しい幾何学模様にな
るように、金被覆層72とクロム層73が露出される形
態とすれば、ここで用いるマスク79を精密に形成しや
すい。
【0037】次に、図7(i)に示すように、マスク7
9に隠されていないレジスト78を露光して、除去す
る。続いて、露出した金被覆層72を対応するエッチン
グ液で除去して、図7(j)に示すように、残ったレジ
ストを剥離する。以上により、フォトリソグラフィーを
使用したプロセスにより、図4で説明した引出し電極7
1,71を形成することができる。このように、図6及
び図7の製造工程を実行することで、圧電振動片32の
引出し電極71,71の表面に容易にクロム層73を部
分的に露出させることができる。また、これにより、ク
ロム層73を露出させた領域に関しては、導電性接着剤
43に対して、濡れ性が向上し、このため、接着力を向
上させることができる。
【0038】図8(a)は、圧電デバイス30の第1の
実施形態に関する第2の変形例を示している。この第2
の変形例では、引出し電極の構成だけが、図4で説明し
た引出し電極71,71と異なっており、他の構成は同
じであるから、重複する説明は省略し、相違点だけを説
明する。図8の圧電振動片32の引出し電極82,82
は、その層構造を構成するクロムと金は同じであるが、
金被覆層72とクロム層73が露出されている形状だけ
が異なっている。すなわち、引出し電極82,82の表
面は、規則正しい幾何学模様になるように、金被覆層7
2とクロム層73が露出されており、例えば、金被覆層
72の形状は正方形で、他の金被覆層72aの形状は三
角形とされ、金被覆層が二種類の異なる形状とされてい
る。そして、三角形の金被覆層72aは、その頂点が、
各引出し電極82,82の両側縁に位置して並ぶような
模様とされている。したがって、この第2の変形例の場
合も、図4(a)の引出し電極71,71を利用した接
合構造と同様の作用効果を発揮することができる。
【0039】図8(b)は、図8(a)の構造の引出し
電極82,82を形成するプロセスにおいて、例えば、
マスクのずれにより、引出し電極82,82が正しく形
成されなかった場合を示している。図8(a)の構造の
引出し電極82,82も、図6及び図7で説明したのと
同様の製造工程により形成されるものであり、例えば、
図7(h)で説明したマスクの配置位置が、図8(b)
の矢印B及びCの方向の僅かにずれた場合のできあがり
状態を示している。
【0040】図8(b)によれば、矢印B方向のずれに
よって、正方形の金被覆層72とクロム層73の図にお
ける上下位置のならびが、ずれてしまっていることがわ
かる。また、矢印C方向のずれにより、左側の引出し電
極82の側縁において、三角形の金被覆層72aの頂点
が切れてしまっていることが観察される。このように、
クロム層73と、金被覆層72,72aとが、規則正し
い幾何学形状に形成されていることで、クロム層73と
金被覆層72の領域がそれぞれ占める面積が、必要とさ
れる面積分だけ形成されているかや、引出し電極82,
82形成のプロセスが正しくおこなわれたか否かを、形
成された幾何学形状の外観を評価するだけで、容易に判
定することに利用することができる。さらに、簡易に判
断する手法として、例えば、三角形の金被覆層72aの
大きさ自体を製品の公差の範囲として決めておき、引出
し電極82の端部において、金被覆層72aが消えてい
る場合には、不良とするという基準を設けてもよい。
【0041】図9は、圧電デバイス30の第1の実施形
態に関する第3の変形例を示している。この第3の変形
例では、引出し電極の構成だけが、図4で説明した引出
し電極71,71と異なっており、他の構成は同じであ
るから、重複する説明は省略し、相違点だけを説明す
る。図9の圧電振動片32の引出し電極83,83は、
その層構造を構成するクロムと金は同じであるが、金被
覆層72とクロム層73が露出されている形状だけが異
なっている。すなわち、引出し電極83,83の表面
は、規則正しい幾何学模様になるように、金被覆層72
とクロム層73が露出されており、例えば、金被覆層7
2の形状は正方形で、他の金被覆層72bの形状は回転
させた大きな正方形とされ、金被覆層が二種類の異なる
形状とされている。そして、回転させた大きな正方形の
金被覆層72bは、その頂点が、各引出し電極83,8
3の両側縁に位置して並ぶような模様とされている。し
たがって、この第3の変形例の場合も、図8(b)と同
様の手法で、引出し電極83,83が正しく形成された
か否かについてを判定することができる。
【0042】図10は、圧電デバイス30の第1の実施
形態に関する第4の変形例を示している。この第4の変
形例では、引出し電極の構成だけが、図4で説明した引
出し電極71,71と異なっており、他の構成は同じで
あるから、重複する説明は省略し、相違点だけを説明す
る。図10の圧電振動片32の引出し電極84,84
は、その層構造を構成するクロムと金は同じであるが、
金被覆層72とクロム層73が露出されている形状だけ
が異なっている。すなわち、引出し電極84,84の表
面は、規則正しい幾何学模様になるように、金被覆層7
2とクロム層73が露出されており、例えば、金被覆層
72の形状は正方形で、他の金被覆層72cの形状は、
小さな三角形の頂点どうしを突き合わせたような形状と
され、金被覆層が二種類の異なる形状とされている。そ
して、小さな三角形の頂点どうしを突き合わせたような
形状の金被覆層72cは、各引出し電極84,84の両
側縁に位置して並ぶような模様とされている。したがっ
て、この第4の変形例の場合も、図8(b)と同様の手
法で、引出し電極84,84が正しく形成されたか否か
を判定することができる。
【0043】図11(a)は、圧電デバイス30の第1
の実施形態に関する第5の変形例を示している。この第
5の変形例では、引出し電極の構成だけが、図10で説
明した引出し電極84,84と異なっており、他の構成
は同じであるから、重複する説明は省略し、相違点だけ
を説明する。すなわち、引出し電極85,85の表面
は、規則正しい幾何学模様になるように、金被覆層72
とクロム層73が露出されており、例えば、金被覆層7
2の形状は正方形で、他の金被覆層72cの形状は、小
さな三角形の頂点どうしを突き合わせたような形状とさ
れ、金被覆層が二種類の異なる形状とされている。そし
て、小さな三角形の頂点どうしを突き合わせたような形
状の金被覆層72cは、各引出し電極85,85の両側
縁だけでなく、図において、下側の端縁にも並ぶような
模様とされている。
【0044】図11(b)は、図11(a)の構造の引
出し電極85,85を形成するプロセスにおいて、例え
ば、マスクのずれにより、引出し電極85,85が正し
く形成されなかった場合を示している。図11(b)か
ら理解されるように、左側の引出し電極85の側縁に配
置された金被覆層72cの形状と、右側の引出し電極8
5の側縁に配置された金被覆層72cの形状が異なって
いることから、矢印C方向のパターンずれであることが
容易に判別される。
【0045】図12は、本発明の圧電デバイスの第2の
実施形態を示している。図12(a)は、圧電振動片3
2の基部51付近を示す拡大平面図であり、図12
(b)は、図12(a)のD−D線切断端面図である。
これらの図において、図4と同じ符号を付した箇所は同
一の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相
違点を中心に説明する。引出し電極21,21は、実際
は、圧電振動片32の表面に形成された電極(図示せ
ず)の一部を構成するものであり、その構造は、図12
(b)に示されているように、圧電振動片32の水晶材
料75の表面に、下地層としてのクロム(Cr)層73
を備えている。このクロム層73の上には、貴金属膜と
しての金(Au)被覆層72を備えている。
【0046】ここで、通常は、下地層であるクロム層7
3の表面側の全面に貴金属層である金被覆層72を形成
するのであるが、この実施形態では、図示されているよ
うに、部分的に、材料層である水晶材料75を露出して
いる。具体的には、図12(a)に示されているよう
に、引出し電極21,21の表面は、規則正しい幾何学
模様になるように、金被覆層72と水晶材料75が露出
されており、図示の場合は、特に、それぞれの引出し電
極21,21の表面を等しい面積で4分割して、対角方
向に金被覆層72,72と、水晶材料75,75が並ぶ
ような四角格子状または碁盤目の形態とされている。こ
れにより、金被覆層72と水晶材料75がそれぞれ露出
された面積は互いに等しくなっている。
【0047】本実施形態は、以上のように構成されてお
り、圧電デバイス20では、圧電振動片32の引出し電
極21,21は、部分的に水晶材料75,75を露出さ
せている。これにより、水晶材料75,75を露出させ
た領域に関しては、図2及び図3で説明した導電性接着
剤43,43に対して、濡れ性が向上し、このため、接
着力がより強くなる。しかも、導電性接着剤43,43
にシリコーン系の導電性接着剤を使用することで、圧電
デバイス20は、耐衝撃性に優れしかも、接着力を向上
させた接合構造とすることができる点は、第1の実施形
態と同じである。
【0048】図13は、圧電デバイス20の圧電振動片
32について、の引出し電極21,21の製造方法を示
す工程図である。図13(a)において、圧電振動片3
2を構成する水晶材料75の表面に、蒸着またはスパッ
タリングもしくはメッキにより、クロム層73と、その
表面に金被覆層72を順次形成する。次に、図13
(b)に示すように、金被覆層72の表面に、レジスト
25を塗布し、図13(c)に示すように、圧電振動片
32の外形形状(図2参照)と対応したマスク26を配
置して、露光する。このマスク26は、例えば、図12
(a)に示した金被覆層72,72の各領域に対応した
箇所を覆う形状とされている。したがって、フォトリソ
グラフィーの手法で、引出し電極21,21を形成する
場合において、その表面が、規則正しい幾何学模様にな
るように、金被覆層72と水晶材料75が露出される形
態とすれば、ここで用いるマスク26を精密に形成しや
すい。
【0049】次に、図13(d)に示すように、マスク
26に隠されていないレジスト25を露光して、除去す
る。続いて、露出した金被覆層72とクロム層73を対
応するエッチング液で除去して、図13(e)に示す状
態となる。次いで、レジストを剥離する。以上により、
図13(f)に示すように、フォトリソグラフィーを使
用したプロセスにより、図12で説明した引出し電極2
1,21を形成することができる。このように、図13
の製造工程では、圧電振動片32の引出し電極21,2
1の表面に容易に、材料層である水晶材料75を部分的
に露出させることができる。また、これにより、水晶材
料75を露出させた領域に関しては、導電性接着剤43
に対して、濡れ性が向上し、このため、接着力を向上さ
せることができる。
【0050】また、以上の製造工程を応用することによ
り、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様
に、図8や図9ないし図11で説明したように、引出し
電極21,21の表面が、各種の規則正しい幾何学模様
になるようにすることで、それぞれで説明したような製
品検査等を行うことができる。
【0051】図14は、本発明の圧電デバイスの第3の
実施形態の構成を示す概略平面図である。図において、
圧電デバイス90は、圧電振動片32を用いて、圧電発
振器を形成した例を示しており、第1の実施の形態と同
一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複
した説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0052】図14は、圧電デバイス90の概略断面図
であり、パッケージ86は、その製造の際に、第1の実
施形態のパッケージ36よりも多くのセラミックシート
の積層基板を用いて製造されている。これにより、パッ
ケージ86には、図14に示すように、増えた分の積層
基板を利用して中央付近に凹部87が形成されており、
その内側底部には、図示しない電極が設けられている。
この電極上には、集積回路88が実装されている。集積
回路88は、所定の分周回路等を構成していて、圧電振
動片32の駆動電極と電気的に接続され、集積回路88
から出力された駆動電圧が圧電振動片32に与えられる
ようになっている。
【0053】圧電デバイス90に収容されている圧電振
動片32の引出し電極71は、第1の実施形態で説明し
た構成、または第1の実施形態の各変形例の構成や第2
の実施形態の引出し電極と同一の構成とすることができ
る。これにより、これらの構成に基づく共通の作用効果
を発揮することができる。このように、本発明は、圧電
振動子に限らず、図14のような圧電発振器やフィルタ
等、その名称に係わらず、パッケージ内に圧電振動片を
収容して、蓋体により封止する構成のあらゆる圧電デバ
イスに適用できる。
【0054】図15は、本発明の上述した実施形態に係
る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジ
タル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。図にお
いて、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及
び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備
えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続
された制御部としての集積回路等でなるコントローラ3
01を備えている。コントローラ301は、送受信信号
の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報
入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302
や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段303の制御
を行うようになっている。このため、コントローラ30
1には、例えば、圧電デバイス30が取り付けられて、
その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定
の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合した
クロック信号として利用するようにされている。このコ
ントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、
圧電デバイス30単体でなくても、圧電デバイス30
と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器である図
14のような圧電デバイス90であってもよい。
【0055】コントローラ301は、さらに、温度補償
水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水
晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続
されている。これにより、コントローラ301からの基
本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、
温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部3
07及び受信部306に与えられるようになっている。
【0056】このように、制御部を備えた携帯電話装置
300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧
電デバイスを利用することにより、パッケージ内におけ
る圧電振動片と電極の接合構造において、耐衝撃性に優
れると共に、接着力を向上させることができるため、圧
電デバイスの性能が向上し、正確なクロック信号を生成
することができる。
【0057】本発明は上述の実施形態に限定されない。
圧電振動片の構成は、音叉型やAT振動片等種々のもの
が使用できる。また、各実施形態の各構成はこれらを適
宜相互に組み合わせたり、その一部を省略し、図示しな
い他の構成と組み合わせることができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、パ
ッケージ内における圧電振動片と電極の接合構造におい
て、耐衝撃性に優れると共に、接着力を向上させること
ができる圧電デバイスと、その製造方法及びこの圧電デ
バイスを利用した携帯電話装置及び電子機器を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示
す概略斜視図。
【図2】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示
す概略平面図。
【図3】 図2のC−C線概略断面図。
【図4】 図1の圧電デバイスの圧電振動片の部分拡大
図であり、(a)は部分拡大平面図、(b)は図4
(a)のB−B線切断端面図。
【図5】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の第
1の変形例を示す図であり、その圧電振動片の部分拡大
平面図。
【図6】 図1の圧電デバイスの圧電振動片に引出し電
極を形成するための製造工程図。
【図7】 図1の圧電デバイスの圧電振動片に引出し電
極を形成するための製造工程図。
【図8】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の第
2の変形例を示す図であり、(a)はその圧電振動片の
引出し電極が適正に形成された場合の部分拡大平面図、
(b)はその圧電振動片の引出し電極の形成が不適切で
ある場合の部分拡大平面図。
【図9】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の第
3の変形例を示す図であり、その圧電振動片の部分拡大
平面図。
【図10】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の
第4の変形例を示す図であり、その圧電振動片の部分拡
大平面図。
【図11】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の
第5の変形例を示す図であり、(a)はその圧電振動片
の引出し電極が適正に形成された場合の部分拡大平面
図、(b)はその圧電振動片の引出し電極の形成が不適
切である場合の部分拡大平面図。
【図12】 本発明の圧電デバイスの第2の実施形態の
圧電振動片の部分拡大図であり、(a)は部分拡大平面
図、(b)は図4(a)のB−B線切断端面図。
【図13】 図12の圧電デバイスの圧電振動片に引出
し電極を形成するための製造工程図。
【図14】 本発明の圧電デバイスの第3の実施形態の
概略平面図。
【図15】 本発明の各実施形態に係る圧電デバイスを
利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装
置の概略構成を示す図。
【図16】 従来の圧電デバイスの一例を示す概略平面
図。
【図17】 図16のA−A線概略断面図。
【図18】 図16の圧電デバイスの圧電振動片の部分
拡大図であり、(a)は部分拡大平面図、(b)は図1
8(a)のE−E線切断端面図。
【図19】 図18の圧電デバイスとは異なる構造とし
て検討された圧電振動片の部分拡大図であり、(a)は
その検討例の部分拡大断面図、(b)は別の検討例の部
分拡大断面図。
【符号の説明】
20,30,90・・・圧電デバイス、31・・・電極
部、32・・・圧電振動片、36,86・・・パッケー
ジ、43・・・導電性接着剤、71,81,82,8
3,84,85・・・引出し電極、39・・・蓋体。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケージの内部空間に圧電振動片を収
    容し、このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電振
    動片の引出し電極とがシリコーン系の導電性接着剤によ
    って接合されることにより、前記圧電振動片の一部を固
    定するようにした圧電デバイスであって、 前記引出し電極が、前記圧電振動片を構成する材料の表
    面側に設けた下地層と、この下地層の表面側に設けた貴
    金属による表面貴金属層とを有しており、 前記引出し電極の少なくとも前記パッケージ側の電極と
    対向する前記表面貴金属層には、部分的に前記下地層が
    露出されていることを特徴とする、圧電デバイス。
  2. 【請求項2】 前記表面貴金属層には、前記下地層に代
    えて、部分的に前記圧電振動片の材料層が露出されてい
    ることを特徴とする、請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 【請求項3】 前記表面貴金属層に部分的に露出された
    前記下地層または前記圧電振動片の材料層と、前記表面
    貴金属層とが、規則正しい幾何学形状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載
    の圧電デバイス。
  4. 【請求項4】 前記圧電振動片の材料層が水晶であり、
    前記下地層がクロム(Cr)またはクロム合金であるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の
    圧電デバイス。
  5. 【請求項5】 前記圧電振動片の材料層が水晶であり、
    前記表面貴金属層が金(Au)または金合金であること
    を特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の圧
    電デバイス。
  6. 【請求項6】 パッケージの内部空間に圧電振動片を収
    容し、このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電振
    動片とを接合する工程を含む圧電デバイスの製造方法で
    あって、 前記圧電振動片の引出し電極が、 前記圧電振動片の材料層の表面側に下地層を形成し、 次いで、この下地層の表面側に表面貴金属層を形成し、 さらに、前記表面貴金属層を部分的に剥離することによ
    り、前記引出し電極の少なくとも前記パッケージ側の電
    極と対向する面には、部分的に前記下地層が露出される
    ように形成され、 前記圧電振動片の接合工程では、 前記パッケージ側の電極面と、前記引出し電極の前記部
    分的に前記下地層が露出された面の間には、シリコーン
    系の導電性接着剤が適用されることにより、前記パッケ
    ージ側の電極と前記圧電振動片の引出し電極とが接合さ
    れることを特徴とする、圧電デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記引出し電極の少なくとも前記パッケ
    ージ側の電極と対向する面には、前記下地層の代わり
    に、部分的に前記圧電振動片の材料層が露出されるよう
    にしたことを特徴とする、請求項6に記載の圧電デバイ
    スの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記表面貴金属層に部分的に露出された
    前記下地層または前記圧電振動片の材料層と、前記表面
    貴金属層とが、規則正しい幾何学形状に形成されること
    を特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載の圧
    電デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記圧電振動片の材料層が水晶であり、
    前記下地層がクロム(Cr)またはクロム合金であるこ
    とを特徴とする、請求項6ないし8のいずれかに記載の
    圧電デバイスの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記圧電振動片の材料層が水晶であ
    り、前記表面貴金属層が金(Au)または金合金である
    ことを特徴とする、請求項6ないし9のいずれかに記載
    の圧電デバイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 パッケージの内部空間に圧電振動片を
    収容し、このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電
    振動片の引出し電極とがシリコーン系の導電性接着剤に
    よって接合されることにより、前記圧電振動片の一部を
    固定するようにした圧電デバイスを利用した携帯電話装
    置であって、 前記引出し電極が、前記圧電振動片を構成する材料の表
    面側に設けた下地層と、この下地層の表面側に設けた貴
    金属による表面貴金属層とを有しており、 前記引出し電極の少なくとも前記パッケージ側の電極と
    対向する前記表面貴金属層には、部分的に前記下地層が
    露出されている圧電デバイス、もしくは、部分的に前記
    圧電振動片の材料層が露出されている圧電デバイスによ
    り、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴
    とする、携帯電話装置。
  12. 【請求項12】 パッケージの内部空間に圧電振動片を
    収容し、このパッケージの内側に設けた電極と前記圧電
    振動片の引出し電極とがシリコーン系の導電性接着剤に
    よって接合されることにより、前記圧電振動片の一部を
    固定するようにした圧電デバイスを利用した電子機器で
    あって、 前記引出し電極が、前記圧電振動片を構成する材料の表
    面側に設けた下地層と、この下地層の表面側に設けた貴
    金属による表面貴金属層とを有しており、 前記引出し電極の少なくとも前記パッケージ側の電極と
    対向する前記表面貴金属層には、部分的に前記下地層が
    露出されている圧電デバイス、もしくは、部分的に前記
    圧電振動片の材料層が露出されている圧電デバイスによ
    り、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴
    とする、電子機器。
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