JP2003185388A - 潜熱回収用熱交換器 - Google Patents

潜熱回収用熱交換器

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JP2003185388A
JP2003185388A JP2001379355A JP2001379355A JP2003185388A JP 2003185388 A JP2003185388 A JP 2003185388A JP 2001379355 A JP2001379355 A JP 2001379355A JP 2001379355 A JP2001379355 A JP 2001379355A JP 2003185388 A JP2003185388 A JP 2003185388A
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copper
latent heat
heat recovery
fins
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Yoshihiro Shintani
嘉弘 新谷
Shigeru Komukai
茂 小向
Daisuke Koshimizu
大介 越水
Shinji Amo
伸二 天羽
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F19/00Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
    • F28F19/006Preventing deposits of ice
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F21/00Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
    • F28F21/08Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of metal
    • F28F21/081Heat exchange elements made from metals or metal alloys
    • F28F21/085Heat exchange elements made from metals or metal alloys from copper or copper alloys

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Abstract

(57)【要約】 【課題】銅製材料を用い、銅製水管における長期間にわ
たる腐食の発生、進行を防止できる潜熱回収用熱交換
器、および当該潜熱回収用熱交換器を用いた給湯器を得
る。 【解決手段】フィン付き水管で構成された潜熱回収用熱
交換器であって、該フィン及び水管を共に銅製材料で構
成し、且つ、該フィンの肉厚を厚くして犠牲陽極として
作用させるようにしてなることを特徴とする潜熱回収用
熱交換器。本潜熱回収用熱交換器は、顕熱回収用熱交換
器と潜熱回収用熱交換器を備えた給湯器やボイラー等か
らの熱回収装置における潜熱回収用熱交換器として適用
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潜熱回収用熱交換
器に関し、特に酸性ドレン水に対する耐腐食性を改善し
てなる給湯器、あるいはボイラー、吸収冷凍機、ガスエ
ンジン、燃料電池等の排ガスからの熱回収装置に用いる
潜熱回収用熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば給湯器において、水道水等の給水
は、都市ガス等の気体燃料や石油等の液体燃料の燃焼ガ
スにより熱交換器を介して加熱される。この加熱には主
として燃焼ガスの顕熱が利用されるが、燃焼ガスの顕熱
のみによる加熱では燃焼ガスが有する熱を十分に回収で
きない。このため、顕熱を利用して加熱する1次熱交換
器(主熱交換器)すなわち顕熱回収用熱交換器に加え
て、2次熱交換器を配置して燃焼ガスの潜熱をも回収し
てさらに高効率で加熱するよう改善されている。2次熱
交換器は、燃焼ガスの潜熱まで回収するための熱交換器
であるので、潜熱回収用熱交換器と称される。
【0003】顕熱回収用熱交換器(すなわち1次熱交換
器)及び潜熱回収用熱交換器(すなわち2次熱交換器)
は、通常、フィン付き水管として構成される。このうち
顕熱回収用熱交換器は、以下に述べるような腐食の問題
がないので通常銅製材料で構成される。銅製材料は、熱
伝導性及び加工性、共に優れ、しかも安価であるため非
常に有用な材料である。
【0004】一方、潜熱回収用熱交換器においては、燃
焼ガスの潜熱まで回収するので、排ガス温度が露点以下
になる。このため発生するドレンが排ガス中の窒素酸化
物(NOx)等により酸性になるので腐食され易く、そ
の構成材料には銅製材料は使用できないとされており、
現に、市販の潜熱回収用熱交換器で銅製材料を使用した
ものは見当らない。
【0005】このため、従来、潜熱回収用熱交換器の構
成材料としては、ステンレス鋼、チタン(その合金を含
む)、アルミニウム(その合金を含む)等を使用せざる
を得なかった。このうち、(1)ステンレス鋼は価格と
しては銅と同じ程度であるが、加工しにくく熱伝導率も
銅より低い、(2)チタンは高価で加工しにくい、
(3)アルミニウムは腐食するため相当な腐食しろをと
る必要があり、コストアップになってしまう、といった
問題があり、その性能、加工性、あるいはコストの面な
どから、どうしても銅製材料には及ばない。
【0006】図1は、バーナーを上部に配置した形式で
且つ顕熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱交換器を備えた
給湯器の一例を示す図である。ケーシング内に、順次、
上部から下部に、バーナー、顕熱回収用熱交換器及び潜
熱回収用熱交換器が配置されている。燃料ガスはバーナ
ーで空気により燃焼される。燃焼ガスは、順次、顕熱回
収用熱交換器、潜熱回収用熱交換器を経て燃焼排ガス通
路から給湯器外に排出される。水道水等の給水は、潜熱
回収用熱交換器へ供給された後、顕熱回収用熱交換器に
導入される。潜熱回収用熱交換器で温められた水は、顕
熱回収用熱交換器で設定温度まで加熱され、給湯管を経
て需要に供される。
【0007】顕熱回収用熱交換器だけの場合には、バー
ナーで発生する燃焼ガスは、例えば200℃前後で器外
へ排出される。しかし、顕熱回収用熱交換器に加え、図
1のように潜熱回収用熱交換器を配置した形式の給湯器
では、顕熱を利用して加熱するのに加え、潜熱回収用熱
交換器によって該200℃前後の排気ガスから潜熱も回
収される。この時、潜熱回収用熱交換器の外壁面(外表
面)は100℃以下、通常40〜60℃程度の温度とな
るためドレン水が発生する。
【0008】ドレン水には燃焼ガス中のNOxやSOx
などが溶け込んでHNO3やH2SO 4などとなる。この
ため、ドレン水は、酸性(通常pH=3程度)となり、
これが潜熱回収用熱交換器の壁面を腐食してしまう。潜
熱回収用熱交換器が銅製材料で構成された場合、その腐
食には特にHNO3が大きく作用するので、潜熱回収用
熱交換器には銅製材料は使用できないとされている。こ
のため、従来、ステンレス鋼、チタン系(チタン又はそ
の合金)、アルミニウム系(アルミニウム又はその合
金)等を使用せざるを得なかった。
【0009】このように、従来、潜熱回収用熱交換器に
は銅製材料は使用できないものとされ、市販の給湯器で
の潜熱回収用熱交換器はその殆どがステンレス鋼、チタ
ン系等の材料で構成されている。この点は当業界におい
て常識化しており、現に、市販の給湯器で、潜熱回収用
熱交換器に銅製材料を使用したものは見当たらない。し
かしながら、潜熱回収用熱交換器についても銅製材料が
使用できれば熱伝導性や加工性に優れ、しかも安価であ
ることから非常に有利となる。
【0010】加えて、各種熱交換器に関する従来の知見
では、フィン付き水管でフィンと水管が同じ材質の場
合、上記のような腐食環境下では、フィン及び水管のど
ちらも均等に腐食すると考えられている。このため潜熱
回収用熱交換器を設計、作製する場合、下記(1)〜
(2)の点が問題であった。(1)水管を肉厚にして寿
命をのばすとすると、相当の肉厚が必要になる。(2)
コーティングで水管を防食する場合、コーティングに欠
陥があれば、それを基点として腐食が進行するので使用
できない。このためコーティングは孔等の欠陥がないよ
うに徹底して行う必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ように、従来、銅製材料は酸性環境では使用できないと
されていたにも拘らず、潜熱回収用熱交換器の構成材料
として銅製材料が使用できないものか、もし何らかの工
夫を加えて使用できれば、その熱伝導性や加工性だけで
なく、コストの面からも非常に有利であるという観点か
ら、さらに徹底した実験、観察を続けて追求した。この
結果、上記従来の常識からは全く予想外にも、フィン及
び水管を共に銅製材料で構成したフィン付き水管を用い
た潜熱回収用熱交換器においては、腐食が進行しても、
銅製フィンのみの腐食が進行し、フィンが腐食し去るま
では銅製水管自体の腐食は進行しないことをつきとめ
た。
【0012】本発明は、上記知見、事実を利用し、フィ
ン付き水管で構成した潜熱回収用熱交換器において、そ
のフィン及び水管の構成材料として共に銅製材料を使用
し、銅製フィンだけを腐食させることにより、銅製水管
自体に対しては、酸性ドレン水による腐食の発生、進行
をなくするようにしてなる潜熱回収用熱交換器を提供す
ることを目的とし、また、顕熱回収用熱交換器と潜熱回
収用熱交換器を備えた給湯器において、上記潜熱回収用
熱交換器を備えてなる給湯器を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィン付き水
管で構成された潜熱回収用熱交換器であって、該フィン
及び水管を共に銅製材料で構成し、且つ、該フィンの肉
厚を厚くしてフィンに犠牲陽極として作用させるように
してなることを特徴とする潜熱回収用熱交換器を提供す
る。
【0014】また、本発明は、顕熱回収用熱交換器と潜
熱回収用熱交換器を備えた給湯器であって、それら顕熱
回収用熱交換器及び潜熱回収用熱交換器が共に銅製フィ
ン付きの銅製水管で構成されてなり、且つ、潜熱回収用
熱交換器におけるフィンの肉厚を厚くしてフィンに犠牲
陽極として作用させるようにしてなることを特徴とする
給湯器を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の潜熱回収用熱交換器は、
銅製フィン付きの銅製水管で構成され、且つ、該銅製フ
ィンの肉厚を厚くしてなることを特徴とする。本発明の
潜熱回収用熱交換器においては、銅製フィンのみが腐食
し、銅製フィンが腐食し去ってなくなるまでは銅製水管
は腐食されない。このため、銅製フィンの厚さを厚くす
ることにより、銅製水管自体の腐食を長期にわたり防止
することができる。
【0016】図2〜3はその実験結果の一例を示す図
(図面代用写真)である。また図4は図2の写真を図面
化したもの、図5は図3の写真を図面化したものであ
る。図1に示すように構成した給湯器において、その潜
熱回収用熱交換器として銅製フィン付き銅製水管を用
い、水管の肉厚は1.2mm、フィンの厚さ(肉厚)は
0.3mmとした。図2〜3はこの給湯器を連続作動さ
せ、3000時間(125日)経過時の状態を観察した
ものである。図2中の上方の図は、潜熱回収用熱交換器
を上側から撮影した写真、図2中の下方の図は、潜熱回
収用熱交換器を下側から撮影した写真である。図3
(a)は、図2中の左方部を切断し、その断面を撮影し
た写真、図3(b)は、図2中の中央部を切断し、その
断面を撮影した写真である。
【0017】図2〜3のとおり、上流側の銅製フィンは
腐食により溶出しているのに対して、銅製水管はそのま
まの状態を維持している。しかも、熱交換効率について
は3000時間経過時においても作動当初と殆ど変わり
はなく、上記のようなフィン溶出による影響は殆どなか
った。この事実は、銅製材料自体、熱伝導性に優れてい
ることから、フィンの存在は熱交換効率を向上させる上
では必ずしも必要でないことを示している。上記熱交換
効率は“JIS S 2109(1997)”に準拠して
測定した。
【0018】一般に、犠牲陽極という場合、その陽極材
料としては、防食したい金属(=腐食防止を意図する金
属、例えばFe)よりも卑な材料(例えばMg)が用い
られる。これに対して、本発明においては、銅製フィン
付き銅製水管における銅製フィンを一種の犠牲陽極とし
て作用させ、上記のように銅製フィンのみを腐食させる
ことにより、銅製水管の腐食を防止するものである。す
なわち、フィン及び水管の構成材料として共に銅製材料
を使用し、銅製フィンを一種の犠牲陽極として作用させ
ることで、銅製水管自体の腐食を回避することができ
る。
【0019】上記のとおり銅製フィンが一種の犠牲陽極
として作用し、本発明ではこの現象を利用するが、この
現象がどのような原理で生起するのか、前述従来の技術
常識では説明できない。一つの仮定ないしは推論とし
て、潜熱回収用熱交換器においては、フィンの方が高温
で腐食環境が厳しいため、その腐食の際に生じた電流が
水管に対する防食電流となり、水管に流れ込むことで、
すなわちフィンが一種の犠牲陽極となることで、水管が
防食されるものとも推認される。
【0020】図6〜7は本発明の態様例を示す図であ
る。このうち、図7は本発明に係る潜熱回収用熱交換器
を図1に示すような給湯器に適用した場合である。潜熱
回収用熱交換器をフィン付き水管で構成し、且つ、フィ
ン及び水管を共に銅製材料で構成する。その際、図6〜
7に示すとおり、銅製フィンの厚さを厚くし、その厚さ
を調節する。これにより潜熱回収用熱交換器としての寿
命を設定できるなど、実用上も非常に有利である。銅製
材料としては、銅又は銅を主成分とする合金(Cu−Z
n系、Cu−Sn系等の銅基合金)が用いられる。
【0021】前述のとおり、銅製材料は潜熱回収用熱交
換器の構成材料として使えないものとされ、その構成材
料としてはステンレス鋼、チタン系、アルミニウム系等
の材料が使用されている。そのフィンの厚さは通常0.
3mm程度である。これに対して、本発明の潜熱回収用
熱交換器においては、一種の犠牲陽極として銅製フィン
だけが腐食することから、銅製フィンの厚さを厚くする
ほど銅製水管に耐久性を付与できる。その厚さは、従来
における0.3mm程度より厚くする。その厚さを特に
0.4mm以上、好ましくは0.4mm〜0.6mmの
範囲とすることにより、潜熱回収用熱交換器としての実
働3000時間以上にわたり銅製水管の腐食を防止し、
その熱交換機能を維持することができる。
【0022】銅製フィン及び銅製水管は耐熱性合成樹脂
でコーティングしてもよい。合成樹脂の例としてはエポ
キシ樹脂などが挙げられる。前述のとおり、従来技術で
は防食用のコーティングに欠陥があると大きな問題とな
り、その欠陥は可及的に皆無とする必要がある。これに
対して、本発明によれば、コーティングに万一欠陥があ
っても、銅製フィンが犠牲陽極として作用し、銅製水管
自体の腐食を防止するので大きな問題となることはな
い。
【0023】本発明の潜熱回収用熱交換器は、給湯器用
の潜熱回収用熱交換器のほか、ボイラー、吸収冷凍機、
ガスエンジン、あるいは燃料電池等の排ガスからの熱回
収装置などとして用いられる潜熱回収用熱交換器として
も適用される。給湯器の場合について言えば、図7に示
すような形式とは限らず、バーナーを下部に配置した形
式など各種形式の給湯器における潜熱回収用熱交換器と
して適用される。
【0024】また、本発明の潜熱回収用熱交換器を、顕
熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱交換器を備えた給湯器
における当該潜熱回収用熱交換器として使用する場合、
両熱交換器を共に銅製材料で構成できるので、その作製
上も非常に有利である。この場合、両熱交換器を一体型
として構成すれば、その作製をさらに容易にすることが
できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明が実施例に制限されないことはもち
ろんである。本実施例では、潜熱回収用熱交換器(2次
熱交換器)を銅製フィン付き銅製水管で構成し、これを
図7に示す構造の給湯器における潜熱回収用熱交換器と
して用いた。ここで銅製材料としては、C1220(J
IS)、すなわちCu=99.90wt%以上、P=
0.015〜0.040wt%からなる銅製材料を用い
た。
【0026】下記(A)〜(C)のように構成した3種
の潜熱回収用熱交換器を用いて、それぞれ図7に示すよ
うな構造の給湯器を構成した。銅製水管自体の肉厚はい
ずれも1mmである。なお、顕熱回収用熱交換器として
は市販のものを用いている。 (A)銅製フィン付き銅製水管で構成し、銅製フィンの
肉厚を0.6mmとした潜熱回収用熱交換器。 (B)銅製フィン付き銅製水管で構成し、銅製フィンの
肉厚を0.3mmとし、銅製フィン付き銅製の表面にエ
ポキシ樹脂でコーティングした潜熱回収用熱交換器。 (C)銅製フィン付き銅製水管で構成し、銅製フィンの
肉厚を0.3mmとした潜熱回収用熱交換器。
【0027】上記3種の給湯器を連続作動させ、それぞ
れ、潜熱回収用熱交換器の重量変化を測定するととも
に、JIS S 2109(1997)に準拠して熱交換
効率を測定した。図8は本実施例の結果の一部を示す図
である。重量変化は(1)ドレン水中の銅イオン含有量
を測定し、その値を基に各熱交換器の減量を算出して求
めることと、(2)途中、その作動を一時止めて、給湯
器から潜熱回収用熱交換器を取り外してその重量を実測
すること、とを併用した。図8中、◇(白抜き◆)、○
(白抜き●)として示したのが当該(2)の実測に基づ
く値である。
【0028】図8のとおり、(A)の潜熱回収用熱交換
器の重量は徐々に小さくなっている(図8中◆及び◇
印)。しかし、3300時間経過しても熱交換効率に変
化はなかった。この時点で、潜熱回収用熱交換器の上部
のフィンの状態を観察したところ、フィンの一部は崩れ
ていたが、水管には未だフィンが残っており、犠牲陽極
として作用し続けていることを示していた。
【0029】(B)の潜熱回収用熱交換器の重量はほん
の極く僅かだけ徐々に小さくなっている(図8中●及び
○印)。しかし、3200時間経過しても熱交換効率に
変化はなかった。この時点で、潜熱回収用熱交換器上部
のフィンの状態を観察したところ、フィンに崩れはな
く、フィン及び水管の表面に数個の斑点状の孔が観察さ
れた。通常、コーティングにそのような孔すなわち欠陥
があると、それを基点として腐食が進行するので使用で
きない。これに対して、本発明においては、銅製フィン
が犠牲陽極として作用し続けていることにより、コーテ
ィングにそのような欠陥があっても、そのまま潜熱回収
用熱交換器として有効に使用できることを示している。
【0030】(C)の潜熱回収用熱交換器の重量は徐々
に小さくなっているが、3000時間経過時にも熱交換
効率に変化はなかった。この時点で、潜熱回収用熱交換
器のフィン及び水管の状態を観察した。上流側の銅製フ
ィンは、前述図2(図4)とほぼ同様に、腐食により溶
出し去っていたのに対して、上流側の銅製水管はそのま
まの状態を維持していた。このように上流側の銅製フィ
ンが溶出し去っていることは、犠牲陽極として作用する
銅製フィンが無くなっていることを意味している。した
がって、その作動をさらに続けると銅製水管自体の腐食
が始まり、当該銅製水管の腐食が始まる時点で潜熱回収
用熱交換器として寿命となることを意味している。
【0031】前述のとおり、従来、銅製材料は、酸性環
境、特に硝酸酸性の環境で激しく腐食するため、潜熱回
収用熱交換器の構成材料としては使用できないとされ、
現に、市販の給湯器では使用されていない。本発明によ
れば、そのような従来の技術常識を覆し、潜熱回収用熱
交換器において、フィン付き水管におけるフィンと水管
を共に銅製材料で構成することで、銅製フィンに犠牲陽
極として機能させ、銅製水管について、所定の熱交換効
率を維持しながら長期間にわたり腐食の発生、進行をな
くすることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の潜熱回収用熱交換器において
は、銅製フィンが腐食されても銅製水管が腐食すること
がなく、しかも熱交換効率にも変化がないので、銅製水
管について、所定の熱交換効率を維持しながら長期間に
わたり腐食の発生、進行を無くすることができる。ま
た、本発明によれば、銅製フィンの厚さを調節すること
で、潜熱回収用熱交換器としての寿命を設計、設定でき
るなど、実用上も非常に有利である。さらに、本潜熱回
収用熱交換器を特に顕熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱
交換器を備えた給湯器に適用すると、両熱交換器を共に
銅製材料で作製できるので、その作製上も非常に有利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】潜熱回収用熱交換器を備えた給湯器の一例を示
す図
【図2】潜熱回収用熱交換器として銅製材料で構成した
フィン付き熱交換管を用いて試験した結果の一例を示す
図(図面代用写真)
【図3】潜熱回収用熱交換器として銅製材料で構成した
フィン付き熱交換管を用いて試験した結果の一例を示す
図(図面代用写真)
【図4】図2を図面化した図
【図5】図3を図面化した図
【図6】本発明の態様を示す図
【図7】本発明の態様を示す図
【図8】実施例の結果を示す図
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 19/02 501 F28F 19/02 501Z 21/08 21/08 E (72)発明者 越水 大介 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 天羽 伸二 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 Fターム(参考) 3L034 BA27 BB03 3L036 AA04 AA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィン付き水管で構成された潜熱回収用熱
    交換器であって、該フィン及び水管を共に銅製材料で構
    成し、且つ、該フィンの肉厚を厚くしてフィンに犠牲陽
    極として作用させるようにしてなることを特徴とする潜
    熱回収用熱交換器。
  2. 【請求項2】上記共に銅製材料で構成した水管及びフィ
    ンを合成樹脂でコーティングしてなることを特徴とする
    請求項1に記載の潜熱回収用熱交換器。
  3. 【請求項3】上記潜熱回収用熱交換器がボイラー、吸収
    冷凍機、ガスエンジン又は燃料電池の排ガスからの熱回
    収装置における潜熱回収用熱交換器である請求項1又は
    2に記載の潜熱回収用熱交換器。
  4. 【請求項4】顕熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱交換器
    を備えた給湯器であって、それら顕熱回収用熱交換器及
    び潜熱回収用熱交換器が共に銅製フィン付きの銅製水管
    で構成されてなり、且つ、潜熱回収用熱交換器における
    フィンの肉厚を厚くしてフィンに犠牲陽極として作用さ
    せるようにしてなることを特徴とする給湯器。
  5. 【請求項5】上記潜熱回収用熱交換器における銅製材料
    で構成した水管及びフィンを合成樹脂でコーティングし
    てなることを特徴とする請求項4に記載の給湯器。
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