JP2003184927A - 折り畳み型携帯電子機器の衝撃吸収構造 - Google Patents

折り畳み型携帯電子機器の衝撃吸収構造

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JP2003184927A
JP2003184927A JP2001385429A JP2001385429A JP2003184927A JP 2003184927 A JP2003184927 A JP 2003184927A JP 2001385429 A JP2001385429 A JP 2001385429A JP 2001385429 A JP2001385429 A JP 2001385429A JP 2003184927 A JP2003184927 A JP 2003184927A
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viscoelastic
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portable electronic
electronic device
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JP2001385429A
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Seiichiro Goto
晴一朗 後藤
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NEC AccessTechnica Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器の意匠おける自由度及び機器の製造費に
影響することなく、落下衝突時の機器本体及び内装部品
の破損を減少させ、機器の耐衝撃性を向上させることが
可能な折り畳み型携帯電子機器の衝撃吸収構造を提供す
る。 【解決手段】 ヒンジ1を境界として分割される第1の
機器本体2及び第2の機器本体3はヒンジユニット4を
回転軸として相互に回転する。第1の機器本体2及び第
2の機器本体3はそれらの上筐体11及び下筐体12の
外表面より内側の空間に粘弾性の性質を持つ閉状態用粘
性弾性体6及び開状態用粘性弾性体7を組込んでいる。
閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾性体7の一端
は上筐体11及び下筐体12へ貼付または係合され、固
定端と逆の端面は筐体外面より突出し、突出面8を固定
端方向へ押すと、閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘
性弾性体7が圧縮され、押下力が除去されると、元の形
状へと復帰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は折り畳み型携帯電子
機器の衝撃吸収構造に関し、特に折り畳み型携帯電子機
器の落下や衝突等における衝撃力の吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯して使用する携帯電子機器に
おいては、その使用状況から落下や衝突等の衝撃的な外
力を受ける可能性が大きく、その際に受ける衝撃力に対
して高度な耐性が必要とされている。
【0003】しかしながら、上記の携帯電子機器では、
携帯性の要求から小型かつ軽量にする必要があり、単純
に本体剛性を強固なものにする、例えば筐体の肉厚を増
加したり、高剛性の金属材料を使用したりすることは難
しい。また、これらの電子機器では大がかりな緩衝構造
を付加することも、商品価値を下げる要因となる。
【0004】そこで、上記の携帯電子機器の耐衝撃性の
問題に対しては、本体外表面に緩衝材を装着する方法
(以下、第1の方法とする)、筐体の一部を意図的に弾
性変形させる方法(以下、第2の方法とする)、筐体の
一部を意図的に座屈、破損させる方法(以下、第3の方
法とする)等の方法が挙げられる。
【0005】これらの方法については、特開2000−
232271号公報、特開2000−277935号公
報、特開2000−069135号公報等に開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の衝撃力
の吸収構造では、一般的に、本体外表面に粘弾性を持つ
緩衝材を装着する第1の方法がとられるが、本体外表面
上に緩衝材が露出するため、商品意匠が制約され、本体
小型化との兼ね合いから緩衝材の厚さが十分とれず、機
器の衝突可能性がある箇所の全てに装着しないと、緩衝
材が機能しない状況が発生する等の問題がある。
【0007】また、第2の方法を採用した場合には、携
帯電子機器の筐体材料に、通常、高分子材料またはマグ
ネシウムを使用しているが、この材料で衝撃エネルギを
吸収し、その後に形状復帰させるには弾性片形状にする
必要があり、その場合、弾性片周囲の隙間を密封する必
要がある。
【0008】筐体材料は剛性確保の観点から可能な限り
弾性係数の大きい材料を採用するが、弾性係数の大きい
材料は一般的に衝撃強度が弱く、緩衝を目的とするのに
は不適当である。
【0009】さらに、第3の方法を採用した場合には、
筐体の一部を意図的に座屈、破損させるという現象自体
が不可逆的なものであり、一度の緩衝作用しか生じない
ことである。これは携帯電子機器の商品性から一般的な
手段として用いることはできない。
【0010】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、機器の意匠おける自由度及び機器の製造費に影響
することなく、落下衝突時の機器本体及び内装部品の破
損を減少させることができ、機器の耐衝撃性を向上させ
ることができる折り畳み型携帯電子機器の衝撃吸収構造
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による折り畳み型
携帯電子機器の衝撃吸収構造は、第1及び第2の機器本
体をヒンジ機構で連結し、前記第1及び第2の機器本体
が前記ヒンジ機構によって相互に自由回動する折り畳み
型携帯電子機器の衝撃吸収構造であって、前記第1及び
第2の機器本体が閉じた状態の時に相互に接触しかつ粘
弾性の機能を持つ第1の粘弾性体と、前記第1及び第2
の機器本体が開いた状態の時に相互に接触しかつ粘弾性
の機能を持つ第2の粘弾性体とを前記第1及び第2の機
器本体各々に備えている。
【0012】すなわち、本発明の折り畳み型携帯電子機
器の衝撃吸収構造は、主に機器本体がヒンジを介して2
分割され、ヒンジが分割本体を相互に自由回動させる機
構を有し、各本体の操作入力、情報出力面(以下、イン
タフェース面とする)が対面接近する折り畳まれた状態
(以下、閉じた状態とする)で携帯し、各本体のインタ
フェース面が同一面状になる状態(以下、開いた状態と
する)で使用する携帯電子機器において、機器外部から
の衝撃力に対する耐性を向上させる構造に関するもので
ある。
【0013】つまり、本発明の折り畳み型携帯電子機器
の衝撃吸収構造は、分割された本体内部に粘弾性機能を
持つ粘弾性体を組込み、閉じた状態からより閉じるヒン
ジ回転運動及び開いた状態からより開くヒンジ回転運動
が生じると、粘弾性体が圧縮され、衝撃エネルギが吸
収、緩和させられることを特徴とする。
【0014】より具体的に説明すると、本発明の折り畳
み型携帯電子機器は、機器中央のヒンジを境界として第
1の機器本体及び第2の機器本体に分割され、ヒンジユ
ニットを回転軸として相互に回転する。
【0015】回転可能な角度は第1の機器本体と第2の
機器本体とのインタフェース面が対面近接する閉じた状
態(0度)から、第1の機器本体と第2の機器本体との
インタフェース面がほぼ同一面となる開いた状態(18
0度)までの概略180度とする。
【0016】第1の機器本体及び第2の機器本体は各々
の筐体の外表面より内側の空間にウレタン系樹脂または
シリコン系樹脂等の粘弾性の性質を持つ材料からなる粘
弾性体が組込まれている。粘弾性体の一端は本体筐体へ
貼付または係合され、固定端と逆の端面は筐体外面より
突出し、突出面を固定端方向へ押すと粘弾性体が圧縮
し、押下力が除去されると、元の形状へ復帰する。
【0017】粘弾性体の設置位置は第1の機器本体及び
第2の機器本体が閉じたか、または開いたかのどちらか
の状態で、第1の機器本体の粘弾性体と第2の機器本体
の粘弾性体とが接触するものであり、この時、第1の機
器本体と第2の機器本体とのヒンジ結合部以外での相互
接触箇所が粘弾性体のみとなる。
【0018】粘弾性体の設置方向は、閉じた状態からよ
り閉じた状態へのヒンジ回動及び開いた状態からより開
いた状態へのヒンジ回動をすると、接触するペアが互い
に押し合い、両粘弾性体が圧縮されるものである。
【0019】ヒンジユニットの回転機構には回動時に低
抵抗を生じさせる機能があるものの、特に回動範囲を強
固に限定するものはなく、閉じた状態の角度及び開いた
状態の角度を決定するものは、機器に働く開閉力と粘弾
性体の圧縮量との関係によって決定される。
【0020】粘弾性体の設置位置の例は、閉じた状態で
接触するペアとして、インタフェース面上のねじ締結
部、開いた状態で接触するペアとして、インタフェース
面とは反対のヒンジ結合側側面が挙げられる。
【0021】本発明の折り畳み型携帯電子機器は、上記
のような特徴を持つ構造からなっているので、閉じた状
態または開いた状態で衝撃力を受け、機器本体の慣性力
からヒンジ回動が生じる場合、閉じた状態から開くまた
は開いた状態から閉じる方向へは自由に回動し、閉じた
状態からより閉じるまたは開いた状態からより開く方向
へは、粘弾性体の圧縮をともなうものとなる。
【0022】よって、本発明の折り畳み型携帯電子機器
では、機器の意匠おける自由度及び機器の製造費に影響
することなく、落下衝突時の機器本体及び内装部品の破
損を減少させ、機器の耐衝撃性を向上させることが可能
となる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による
折り畳み型携帯電子機器の全体分解図であり、図2は本
発明の一実施例による折り畳み型携帯電子機器において
機器が閉じた状態で接触する粘弾性体の一例を示す図で
あり、図3は本発明の一実施例による折り畳み型携帯電
子機器において機器が開いた状態で接触する粘弾性体の
一例を示す図である。これらの図において、第1の機器
本体2と第2の機器本体3とはその端部にヒンジ1を構
成する形状を有し、それによって構成される円筒状の空
間へヒンジユニット4を挿入し、これによって第1の機
器本体2と第2の機器本体3とがヒンジ機構で連結され
る構成となっている。
【0024】第1の機器本体2及び第2の機器本体3の
上筐体11及び下筐体12は2部品から構成され、雄ね
じ13によって締結される。雄ねじ13はインタフェー
ス面5側の上筐体11のねじ孔を貫通し、非インタフェ
ース面側の下筐体12と一体化した雌ねじ(以下、ねじ
ボスとする)14に締結される。
【0025】ねじボス14の高さ寸法と上筐体11の締
結面厚さとは、雄ねじ13の頭が上筐体11の外表面よ
り深く陥没した位置までくるような寸法となっている。
これによって、上筐体11の締結箇所は凹部15を有す
ることになる。
【0026】携帯電子機器が閉じた状態で相対する第1
の機器本体2及び第2の機器本体3の締結ねじ部9は同
一位置にきて、第1の機器本体2及び第2の機器本体3
のそれぞれの上筐体11の凹部15へ閉状態用粘弾性体
6を挿入する。閉状態用粘弾性体6は一方の端面に両面
粘着テープを貼付し、この両面粘着テープによって上筐
体11の凹部15に固定される。
【0027】上筐体11の凹部15へ固定された閉状態
用粘弾性体6は上筐体11の外表面より突出し、折り畳
み型携帯電子機器を閉じた状態では、第1の機器本体2
及び第2の機器本体3の閉状態用粘弾性体6の突出面8
同士が接触する。この時、第1の機器本体2及び第2の
機器本体3の相対する上筐体11間には隙間17が生じ
る。
【0028】次に、折り畳み型携帯電子機器(以下、携
帯電子機器とする)が開いた状態で接触する開状態用粘
弾性体7の例について説明する。開状態用粘弾性体7は
下筐体12のヒンジ側端部に固定される。下筐体12の
ヒンジ側端部には開状態用粘弾性体7を設置する空間
と、固定する係合リブ16とを有し、このリブ係合16
と開状態用粘弾性体7とが係合し、開状態用粘弾性体7
は下筐体12の内部へと固定される。上筐体11及び下
筐体12のヒンジ端部は開口部を有し、この開口部から
固定端とは逆の粘弾性体端部が筐体外側へ突出する。
【0029】携帯電子機器が開いた状態の時、第1の機
器本体2と第2の機器本体3とのヒンジ側端部から突出
した閉状態用粘弾性体7が接触し、第1の機器本体2と
第2の機器本体3との相対するヒンジ端部には隙間18
が生じる。
【0030】図1を参照して本発明の一実施例による携
帯電子機器の構成についてさらに説明する。本発明の一
実施例による携帯電子機器は、携帯電子機器中央のヒン
ジ1を境界として第1の機器本体2及び第2の機器本体
3に分割され、ヒンジユニット4を回転軸として相互に
回転する。
【0031】この場合、回転可能な角度は第1の機器本
体2と第2の機器本体3とのインタフェース面5が対面
近接する閉じた状態(0度)から、第1の機器本体2と
第2の機器本体3とのインタフェース面5がほぼ同一面
となる開いた状態(180度)までの概略180度とす
る。
【0032】第1の機器本体2及び第2の機器本体3は
それらの上筐体11及び下筐体12の外表面より内側の
空間にウレタン系樹脂またはシリコン系樹脂等の粘弾性
の性質を持つ材料からなる閉状態用粘性弾性体6及び開
状態用粘性弾性体7を組込んでいる。
【0033】閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾
性体7の一端は上筐体11及び下筐体12へ貼付または
係合され、固定端と逆の端面は筐体外面より突出し、突
出面8を固定端方向へ押すと、閉状態用粘性弾性体6及
び開状態用粘性弾性体7が圧縮され、押下力が除去され
ると、元の形状へと復帰する。
【0034】閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾
性体7の設置位置は第1の機器本体2及び第2の機器本
体3が閉じたか、または開いたかのどちらかの状態で、
第1の機器本体2の閉状態用粘性弾性体6及び開状態用
粘性弾性体7と第2の機器本体3の閉状態用粘性弾性体
6及び開状態用粘性弾性体7とが接触するものであり、
この時、第1の機器本体2と第2の機器本体3とのヒン
ジ結合部以外での相互接触箇所は閉状態用粘性弾性体6
及び開状態用粘性弾性体7のみである。
【0035】閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾
性体7の設置方向は、閉じた状態からより閉じた状態へ
のヒンジ回動、及び開いた状態からより開いた状態への
ヒンジ回動を行うと、接触するペアが互いに押し合い、
閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾性体7の両方
が圧縮されるものである。
【0036】ヒンジユニット4の回転機構には回動時に
低抵抗を生じさせる機能があるものの、特に回動範囲を
強固に限定するものはなく、閉じた状態の角度及び開い
た状態の角度を決定するものは、携帯電子機器に働く開
閉力と閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾性体7
の圧縮量との関係によって決定される。
【0037】閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾
性体7の設置位置の例は、閉じた状態で接触するペアと
して、インタフェース面5上のねじ締結部9,開いた状
態で接触するペアとして、インタフェース面5とは反対
の機器本体のヒンジ結合側側面10が挙げられる。
【0038】本発明の一実施例による携帯電子機器は、
閉じた状態または開いた状態で衝撃力を受け、本体の慣
性力からヒンジ回動が生じる場合、閉じた状態から開く
方向、または開いた状態から閉じる方向へは自由に回動
し、閉じた状態からより閉じる方向、または開いた状態
からより閉じる方向へは閉状態用粘性弾性体6及び開状
態用粘性弾性体7の圧縮をともなうことを特徴とする。
【0039】尚、図1において、図示せぬ携帯電子機器
の内装部品等は公知であるので、それらの説明について
は省略する。
【0040】図4は本発明の一実施例による携帯電子機
器が閉じた状態を示す断面図であり、図5は本発明の一
実施例による携帯電子機器が開いた状態を示す断面図で
ある。これら図4及び図5を参照して本発明の一実施例
による携帯電子機器の開閉動作について説明する。
【0041】図4に示す携帯電子機器が閉じた状態で
は、第1の機器本体2、第2の機器本体3の筐体表面よ
り突出している閉状態用粘弾性体6端面が接触し、相対
する上筐体11面には隙間17が存在する。
【0042】この状態から携帯電子機器をより閉じよう
とすれば、接触している閉状態用粘弾性体6の圧縮が発
生する。この圧縮は、第1の機器本体2と第2の機器本
体3とにそれぞれ設置された閉状態用粘弾性体6が互い
に押し合うことによって生ずる。閉状態用粘弾性体6の
圧縮は、圧縮の反発に抗して行わなければならなく、圧
縮するにはエネルギを必要とし、そのエネルギは閉状態
用粘弾性体6に圧縮エネルギとして蓄えられる。
【0043】また、この時、粘性の性質から全てが圧縮
エネルギ(弾性変形エネルギ)に転化するのではなく、
粘弾性体の熱エネルギとして消費される分もある。携帯
電子機器を閉じる力が無くなると閉状態用粘弾性体6は
元の形状に復帰し、携帯電子機器は通常の閉じた状態へ
戻る。
【0044】図5に示す開状態用粘弾性体7の動作も同
様であり、携帯電子機器が開いた状態からさらに開こう
とするには、開状態用粘弾性体7を圧縮するエネルギを
必要とし、開こうとする力がなくなると、開いた状態へ
戻る。
【0045】次に、携帯電子機器が衝撃力を受けた場合
に上記の動作がどう働くかについて説明する。携帯電子
機器が受ける衝撃力の代表は、携帯電子機器が落下して
衝突する際の衝撃力である。
【0046】携帯電子機器は落下によって速度エネルギ
を得るが、衝突によって減速を余儀なくされる。速度エ
ネルギ自体は減速によって減少するが、エネルギ保存則
から、衝突寸前までの速度エネルギの全量は何らかのエ
ネルギに転化されなくてはならない。このエネルギが携
帯電子機器の機器本体の変形エネルギへ転化すると、本
体筐体、内装部品の変形、破損、破壊につながる。
【0047】本実施例では、第1の機器本体2と第2の
機器本体3とがヒンジ構造1で連結されていることか
ら、第1の機器本体2及び第2の機器本体3が相対的に
回転し、回転エネルギに転化することができる。ヒンジ
回動が最大開閉位置までくると、閉状態用粘性弾性体6
及び開状態用粘性弾性体7は接触し、回転エネルギは閉
状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性弾性体7を圧縮す
ることによって、閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘
性弾性体7の圧縮エネルギへと転化し、第1の機器本体
2及び第2の機器本体3の回動は停止する。
【0048】ヒンジ回動が停止すると、携帯電子機器の
開閉力も消失し、閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘
性弾性体7の圧縮エネルギは解放され、今度は逆方向の
回転エネルギへと転化していく。このヒンジ回動による
回転エネルギと閉状態用粘性弾性体6及び開状態用粘性
弾性体7の圧縮エネルギとへの転化では、携帯電子機器
の破損、破壊につながることはない。
【0049】本実施例によるヒンジ回転機構を有する携
帯電子機器を運動系として見ると、自由回転するヒンジ
機構で結合された2剛体と2剛体間の粘弾性体とで構成
されるものになる。
【0050】ヒンジ回動は低抵抗の自由回転で、回動範
囲は2剛体同士の相互作用で限定される。2剛体間の相
互作用は剛体同士が直接衝突するものではなく、粘弾性
体を介して行われ、粘弾性体の圧縮をともなうものにな
る。
【0051】したがって、本実施例による携帯電子機器
が衝撃力を受けると、その衝撃エネルギは本体の変形
(弾性変形エネルギ)、ヒンジ自由回動(ヒンジ機構の
抵抗に対する仕事)、粘弾性体の圧縮(弾性変形エネル
ギ及び粘性抵抗に対する仕事)に転化される。
【0052】この衝突変エネルギ転化の比率は、携帯電
子機器の衝突方向にもよるが、剛性の高い本体の変形は
強固な拘束を必要とし、携帯電子機器の拘束を生じさせ
るには、必然的にヒンジ回動及び粘弾性体の圧縮が起き
る。
【0053】よって、本実施例による携帯電子機器にお
いて、携帯電子機器の機器本体が変形するのは、何らか
のヒンジ回動、粘弾性体の圧縮が生じた後であり、本体
変形前に使われるエネルギはヒンジ回動、粘弾性体圧縮
で消費したエネルギの残りとなる。
【0054】また、運動系の中に剛体衝突はないので、
携帯電子機器に生じる加速度は平均化され、加速度の極
大値は低減される。これは、落下衝突時の携帯電子機器
の機器本体及び内装部品の破損を減少させ、携帯電子機
器の耐衝撃性を向上させるものである。
【0055】以上の粘弾性体の圧縮による耐衝撃性の向
上は、粘弾性体を外表面に装着したヒンジ機構を有さな
い一体型の携帯電子機器においても当てはまるが、本発
明の対象とするヒンジ機構を有する携帯電子機器と一体
型の携帯電子機器とでは相違点が存在するので、以下、
その相違点について説明する。
【0056】一体型の携帯電子機器で粘弾性体の圧縮を
確実に発生させるには、携帯電子機器の衝突予想箇所の
全てに粘弾性体を設置する必要があるが、ヒンジ機構を
有する場合には、閉じた状態及び開いた状態で粘弾性体
の圧縮を生じさせればよく、粘弾性体の局所的な設置で
確実な圧縮を可能とする。これは携帯電子機器の意匠お
ける自由度及び携帯電子機器の製造費に大きく影響す
る。
【0057】次に、本実施例での粘弾性体が圧縮時に蓄
えられるエネルギ量の効果について説明する。本実施例
での粘弾性体は、筐体内部空間へ設置することから圧縮
方向の全長が大きくとれるので、圧縮量が数mm(本実
施例では2mmを想定)になり、本体筐体外面に装着す
る厚さ1mm程度の粘弾性体の圧縮に比べてはるかに大
きな量となる。
【0058】粘弾性体の圧縮方向の全長が大きくとれる
ことは、十分な圧縮量を確保するとともに、圧縮ひずみ
(圧縮量/圧縮方向全長)を小さくし、粘弾性体の塑性
変形を防止する。
【0059】尚、本実施例で用いる粘弾性体は、単一素
材から構成されるのみではなく、金属製のコイルばねと
粘弾性の性質を持つ素材とから構成されるものも可能で
ある。また、本実施例で用いる粘弾性体は、上記のよう
な粘性機能はなくなるが、金属製のコイルばね、皿ばね
等の弾性を使用することも可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、第1及び
第2の機器本体をヒンジ機構で連結し、第1及び第2の
機器本体がヒンジ機構によって相互に自由回動する折り
畳み型携帯電子機器において、第1及び第2の機器本体
が閉じた状態の時に相互に接触しかつ粘弾性の機能を持
つ第1の粘弾性体と、第1及び第2の機器本体が開いた
状態の時に相互に接触しかつ粘弾性の機能を持つ第2の
粘弾性体とを第1及び第2の機器本体各々に設けること
によって、機器の意匠おける自由度及び機器の製造費に
影響することなく、落下衝突時の機器本体及び内装部品
の破損を減少させることができ、機器の耐衝撃性を向上
させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による折り畳み型携帯電子機
器の全体分解図である。
【図2】本発明の一実施例による折り畳み型携帯電子機
器において機器が閉じた状態で接触する粘弾性体の一例
を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による折り畳み型携帯電子機
器において機器が開いた状態で接触する粘弾性体の一例
を示す図である。
【図4】本発明の一実施例による携帯電子機器が閉じた
状態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例による携帯電子機器が開いた
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ヒンジ 2 第1の機器本体 3 第2の機器本体 4 ヒンジユニット 5 インタフェース面 6 閉状態用粘性弾性体 7 開状態用粘性弾性体 8 突出面 9 締結ねじ部 10 ヒンジ結合側側面 11 上筐体 12 下筐体 13 雄ねじ 14 雌ねじ 15 凹部 16 係合リブ 17 閉じた状態での機器本体間の隙間 18 開いた状態での機器本体間の隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J066 AA24 BA01 BB01 BC01 BD05 BE08 4E360 AA02 AB04 AB12 AB17 AB20 AB42 BB12 BB17 BB22 BC03 BC06 EA12 EA18 ED04 ED13 ED17 ED23 ED27 FA08 GA02 GA14 GB26 GC08 5K023 AA07 BB27 DD08 LL06 RR08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の機器本体をヒンジ機構で
    連結し、前記第1及び第2の機器本体が前記ヒンジ機構
    によって相互に自由回動する折り畳み型携帯電子機器の
    衝撃吸収構造であって、前記第1及び第2の機器本体が
    閉じた状態の時に相互に接触しかつ粘弾性の機能を持つ
    第1の粘弾性体と、前記第1及び第2の機器本体が開い
    た状態の時に相互に接触しかつ粘弾性の機能を持つ第2
    の粘弾性体とを前記第1及び第2の機器本体各々に有す
    ることを特徴とする衝撃吸収構造。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の粘弾性体各々は、そ
    の主要な部分が本体筐体外表面より内側に存在し、その
    一端が本体筐体外表面より突出することを特徴とする請
    求項1記載の衝撃吸収構造。
  3. 【請求項3】 前記第1の粘弾性体同士が接触している
    閉状態及び前記第2の粘弾性体同士が接触している開状
    態において、前記ヒンジ機構の結合部以外において前記
    第1及び第2の機器本体間に隙間を設け、前記閉状態及
    び前記開状態からさらなる開閉を可能としたことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の衝撃吸収構造。
  4. 【請求項4】 前記第1の粘弾性体同士が接触している
    閉状態からさらに閉じる方向及び前記第2の粘弾性体同
    士が接触している開状態からさらに開く方向各々に力が
    加わった時に前記第1及び第2の粘弾性体各々が相互に
    押し合って圧縮されることを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれか記載の衝撃吸収構造。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の粘弾性体各々が圧縮
    された状態から、前記閉状態からさらに閉じる方向及び
    前記開状態からさらに開く方向各々に加わる力が除去さ
    れた時に前記第1及び第2の粘弾性体各々が元の形状へ
    復帰することを特徴とする請求項4記載の衝撃吸収構
    造。
  6. 【請求項6】 前記第1の粘弾性体同士が接触している
    閉状態及び前記第2の粘弾性体同士が接触している開状
    態において、前記ヒンジ機構の回動と前記第1及び第2
    の粘弾性体各々の圧縮及び復帰とが阻害されず、少なく
    とも外力と前記第1及び第2の機器本体の慣性力とによ
    って生ずる機器開閉力から前記ヒンジ機構の回動と前記
    第1及び第2の粘弾性体各々の圧縮及び復帰とを生起自
    在としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいず
    れか記載の衝撃吸収構造。
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