JP2003183336A - 酸変性ポリプロピレン樹脂、その製造方法及びそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

酸変性ポリプロピレン樹脂、その製造方法及びそれを用いた樹脂組成物

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JP2003183336A
JP2003183336A JP2001387546A JP2001387546A JP2003183336A JP 2003183336 A JP2003183336 A JP 2003183336A JP 2001387546 A JP2001387546 A JP 2001387546A JP 2001387546 A JP2001387546 A JP 2001387546A JP 2003183336 A JP2003183336 A JP 2003183336A
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acid
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JP2001387546A
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Koichi Nakayama
耕一 中山
Yukito Zanka
幸仁 残華
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Japan Polychem Corp
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Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラフト量と分子量のバランスに優れた酸変
性ポリプロピレン樹脂、その製造方法及びそれを用いた
樹脂組成物の提供。 【解決手段】 有機酸をグラフトした酸変性ポリプロピ
レン樹脂であって、メルトフローレート(MFR)とポ
リプロピレン樹脂にグラフトした有機酸成分のグラフト
量(G)の関係が、式(1)を満足することを特徴とす
る酸変性ポリプロピレン樹脂、その製造方法及びそれを
用いた樹脂組成物。 G≧0.015MFR−0.5 …(1) (式中、Gは有機酸成分のグラフト量(重量%)であ
り、MFRは230℃、荷重21.18Nで測定された
メルトフローレート(g/10分)である)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン主
鎖に有機酸成分がグラフトされた酸変性ポリプロピレン
樹脂、その製造方法及びそれを用いた樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、有機酸成分のグラフト量と酸変性ポ
リプロピレン樹脂のメルトフローレートとが、特定の関
係を満足する酸変性ポリプロピレン樹脂、その製造方法
及びそれを用いた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】汎用樹脂であるポリプロピレンは、近年
の技術開発の進歩に伴い、着実に性能向上が図られ、自
動車部品に代表される工業部材として幅広く使用されて
いる。しかしながら、ポリプロピレンは非極性ポリマー
であり、無機物などの極性物質との親和性が低いために
無機フィラーの分散が困難であったり、また、分子構造
中に官能基を有していないために塗料に対する反応性、
親和性が得られず、塗装性に劣る等の欠点があった。こ
れを改善する方法として、無水マレイン酸等に代表され
る酸無水物を、ポリプロピレン主鎖にグラフト結合させ
た酸変性ポリプロピレン樹脂が開発され、無機フィラー
の分散性や塗装性の改善が図られている。
【0003】酸変性ポリプロピレン樹脂は、有機過酸化
物や熱分解法等によって発生させたラジカルを開始剤と
して、有機酸成分のグラフト反応により製造される。こ
のグラフト反応は、有機酸成分のグラフト反応速度とポ
リプロピレン分子鎖のβ開裂反応速度の競争反応となる
が、一般的には、β開裂反応速度の方がグラフト反応速
度よりも早く、グラフト量向上のためには、結果的に分
子量の低下を伴うことが知られている。このようにグラ
フト反応中に低分子量化されたポリプロピレンは、衝撃
強度等の物性に悪影響を及ぼすため、物性改良の観点か
ら、グラフト量と分子量のバランスが改善された変性ポ
リプロピレンの開発が待ち望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解消し、グラフト量と分子量のバラン
スに優れた酸変性ポリプロピレン樹脂、その製造方法及
びそれを用いた樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討し、酸変性ポリプロピレン樹脂の
グラフト量と分子量のバランスを改善するため、押出機
を用いた混練グラフト変性法に使用する有機過酸化物の
構造を鋭意検討した結果、特定の構造を有する有機過酸
化物を用いると、有機酸成分のグラフト量とポリプロピ
レン樹脂の分子量のバランスに優れた酸変性ポリプロピ
レン樹脂が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
有機酸をグラフトした酸変性ポリプロピレン樹脂であっ
て、メルトフローレート(MFR)とポリプロピレン樹
脂にグラフトした有機酸成分のグラフト量(G)の関係
が、式(1)を満足することを特徴とする酸変性ポリプ
ロピレン樹脂が提供される。 G≧0.015MFR−0.5 …(1) (式中、Gは有機酸成分のグラフト量(重量%)であ
り、MFRはJIS−K7210に基づき、温度230
℃、荷重21.18Nで測定するメルトフローレート
(g/10分)である。)
【0007】また、本発明の第2の発明によれば、グラ
フトした有機酸成分がマレイン酸ジブチルであることを
特徴とする第1の発明に記載の酸変性ポリプロピレン樹
脂が提供される。
【0008】また、本発明の第3の発明によれば、ポリ
プロピレン樹脂と一般式(2)で示される有機過酸化物
と有機酸成分とを、混練機を用いて溶融混練して、メル
トフローレート(MFR)とポリプロピレン樹脂にグラ
フトした有機酸成分のグラフト量(G)の関係が、式
(1)を満足することを特徴とする酸変性ポリプロピレ
ン樹脂の製造方法が提供される。 G≧0.015MFR−0.5 …(1) (式中、Gは有機酸成分のグラフト量(重量%)であ
り、MFRはJIS−K7210に基づき、温度230
℃、荷重21.18Nで測定するメルトフローレート
(g/10分)である。) R−O−O−CO−CH=CH−COOH …(2) (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)
【0009】また、本発明の第4の発明によれば、有機
過酸化物と有機酸成分との配合重量比率が、有機過酸化
物:有機酸成分=1:1〜1:10であり、かつ、有機
過酸化物とポリプロピレン樹脂との配合重量比率が、有
機過酸化物:ポリプロピレン樹脂=0.1:100〜1
0:100であることを特徴とする第3の発明に記載の
酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方法が提供される。
【0010】また、本発明の第5の発明によれば、有機
酸がマレイン酸ジブチルであり、有機過酸化物がターシ
ャリーブチルモノパーオキシマレエートであることを特
徴とする第3又は4の発明に記載の酸変性ポリプロピレ
ン樹脂の製造方法が提供される。
【0011】また、本発明の第6の発明によれば、ポリ
プロピレン系樹脂100重量部に対して、第1又は2の
発明に記載の酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜30
重量部配合することを特徴とするポリプロピレン系樹脂
組成物が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
1.酸変性ポリプロピレン樹脂本発明の酸変性ポリプロ
ピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂に有機酸がグラフト
して得られる有機酸変性樹脂であって、有機酸成分のグ
ラフト量Gと酸変性ポリプロピレン樹脂のメルトフロー
レート(MFR)の関係が、式(1)を満足する樹脂で
ある。 G≧0.015MFR−0.5 …(1) (式中、Gは有機酸成分のグラフト量(重量%)、MF
RはJIS−K7210に基づき、温度230℃、荷重
21.18Nで測定するメルトフローレート(g/10
分)である。)
【0013】ポリプロピレンは、その分子骨格中に3級
炭素を有することから、酸変性反応の際に、グラフト反
応よりもβ開裂反応の方が優先的に進行し、そのMFR
は、一般に、測定出来ない程度まで跳ね上がってしまう
ことが知られている。このため、より高分子量のポリプ
ロピレンを用いて酸変性処理を行う場合が多いが、例え
ば、230℃で測定されるMFRが1g/10分のポリ
プロピレンを用いて無水マレイン酸を有機過酸化物と共
にポリプロピレンに反応させ、1重量%のグラフト率の
酸変性ポリプロピレンとする場合、酸変性ポリプロピレ
ンのMFRは、150g/10分程度となる。
【0014】ポリプロピレンのMFRは、100g/1
0分を超えるあたりから、衝撃強度の低下が顕在化して
来ることが知られており、機械物性の観点から、ポリプ
ロピレンのMFRは、100g/10分以下とすること
が好ましい。又、有機酸成分のグラフト量は、塗装性や
無機フィラーの分散性向上のため、0.01重量%以上
が必要であるが、塗装性や分散性の改良効果は、1重量
%程度のグラフト量から、その効果は大幅に増大するこ
とが知られている。すなわち、1重量%以上のグラフト
量で、且つ、100g/10分未満のMFRである酸変
性ポリプロピレン樹脂は、塗装性や分散性と機械物性の
バランスに優れた樹脂組成物となる。
【0015】本発明では、有機酸のグラフト量と酸変性
ポリプロピレン樹脂の分子量、すなわちMFRとのバラ
ンスを改善して、MFRが高くなる割合以上に、有機酸
のグラフト量を高くなるようにした(MFRがグラフト
量見合いで低くなるようにした)酸変性ポリプロピレン
樹脂が、機械強度、衝撃強度等の物性に優れた酸変性ポ
リプロピレン樹脂であるとの見解を得、その結果、有機
酸のグラフト量と有機酸がグラフトされた変性ポリプロ
ピレン樹脂のMFRには特別な関係があることを見出
し、式(1)を満足する酸変性ポリプロピレン樹脂が機
械強度、衝撃強度等の物性に優れた酸変性ポリプロピレ
ン樹脂となることを見出した。
【0016】また、酸変性ポリプロピレン樹脂を未変性
ポリプロピレン樹脂等に配合して得られる樹脂組成物に
おいては、酸変性ポリプロピレン樹脂における有機酸グ
ラフト量が増大するに伴い、酸変性ポリプロピレン樹脂
の分子量が低下するため、酸変性ポリプロピレン樹脂添
加量当たりの、樹脂組成物の物性低下は大きいものの、
高グラフト量であるため、酸変性ポリプロピレン樹脂の
添加量を削減することができる。逆に、低グラフト量の
場合、酸変性ポリプロピレン樹脂の添加量当たりの物性
低下は少ないものの、塗装性や分散性を向上させるため
に、多量の酸変性ポリプロピレン樹脂を添加することが
必要である。このように酸変性ポリプロピレン樹脂を添
加することにより、塗装性、分散性は向上させることが
可能であるが、酸変性ポリプロピレン樹脂を添加したプ
ロピレン系樹脂組成物の機械物性を考慮した場合、1重
量%のグラフト量で100g/10分未満のMFR、5
重量%のグラフト量で370g/10分未満のMFRで
ある酸変性ポリプロピレン樹脂が、トータルの物性バラ
ンスに優れているとの見解を得、それらの特性を有する
酸変性ポリプロピレン樹脂が上記式(1)式を満足する
ことを見出したものである。すなわち、酸変性ポリプロ
ピレンが配合された樹脂組成物中の官能基量とMFRの
バランスから考慮し、酸変性ポリプロピレンのグラフト
量が1重量%の場合、そのMFRは100g/10分未
満、グラフト量が5%の場合、そのMFRが370g/
10分未満であれば、酸変性ポリプロピレンを配合する
ことによる衝撃強度等の低下を抑制することが可能とな
る。
【0017】有機酸成分のグラフト量Gと酸変性ポリプ
ロピレン樹脂のMFRの関係は、好ましくは、 G≧0.015MFR…(1’) であり、より好ましくは、 G≧0.015MFR+0.5…(1”) である。
【0018】グラフト量G(重量%)が(0.015M
FR−0.5)未満であると、酸変性ポリプロピレン樹
脂をポリプロピレン系樹脂に添加することにより得られ
る、塗装性や無機フィラー分散性の改質効果と衝撃強度
等の物性とのバランスが悪く、好ましくない。Gの上限
は、酸変性ポリプロピレン樹脂の分散性の観点から、1
0重量%程度である。
【0019】なお、酸変性ポリプロピレン樹脂のMFR
は、0.1〜500g/10分が好ましく、1〜100
g/10分がより好ましい。MFRが0.1g/10分
未満であるとポリプロピレン系樹脂に対する分散性が低
下し、MFRが500g/10分を超えると衝撃強度等
の物性低下が増大するため、それぞれ好ましくない。こ
こで、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K7
210に基づき、温度230℃、荷重21.18Nで測
定する値である。
【0020】また、酸変性ポリプロピレン樹脂の有機酸
のグラフト量は、0.01〜10重量%が好ましく、
0.1〜5重量%がより好ましい。グラフト量が0.0
1重量%未満であると、塗装性や無機フィラーの分散が
不十分であり、10重量%を超えると、酸変性ポリプロ
ピレン樹脂の凝集が顕在化してしまうために塗装性や無
機フィラー分散性が逆に低下してしまうため、それぞれ
好ましくない。
【0021】ここでグラフト量(G)は、ペレット状の
酸変性ポリプロピレン樹脂を、200℃の加熱プレス成
形により、肉厚0.15mmのフィルム状とし、このフ
ィルムをソックスレー抽出機を用いアセトン溶媒にて、
温度85℃で1.5時間抽出処理した後、70℃のオー
ブンで20分間乾燥処理を行う。赤外分光分析(IR)
を用いて抽出処理したフィルムの赤外吸収ピーク強度を
定量し、グラフト量を計算するが、グラフト量の定量
は、予め標準試料により作成した検量線をもとに、下記
計算式により、計算した。 グラフト量(重量%)={(logA1790/8.
5)+(logA171 /10)}×10×S/W (式中、Wは試料重量(mg)、Sは試料フィルム面積
(cm)、Aは吸光度(%)を表す)
【0022】本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂に用い
るポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレン単独重
合体、エチレンや他のα−オレフィンとの共重合体、及
びそれらの混合物の何れであってもよい。
【0023】本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂にグラ
フトする有機酸としては、マレイン酸ジブチル、マレイ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸等が挙げられ、酸変性ポリプロピレン樹脂の原料
となるポリプロピレン樹脂への濡れ性等の観点から、マ
レイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル
等が最も好ましい。
【0024】本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂は、式
(1)を満足し、有機酸のグラフト量と分子量のバラン
スがとれた酸変性樹脂であり、機械物性と塗装性や無機
フィラーの分散性のバランスが更に優れた材料となる。
【0025】2.酸変性ポリプロピレン樹脂の製造 本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン
樹脂と一般式(2)で示されるマレエート基を有する有
機過酸化物と有機酸とを、混練機を用いて溶融混練する
ことにより製造できる。 R−O−O−CO−CH=CH−COOH …(2)
【0026】式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキル
基であり、直鎖アルキル基または分岐鎖状アルキル基で
ある。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペン
チル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、t−ヘキシ
ル基等が挙げられ、好ましくは、t−ブチル基、t−ヘ
キシル基である。
【0027】式(2)で表される有機過酸化物は、ラジ
カル反応開始剤であって、具体的には、例えば、t−ブ
チルモノパーオキシマレエート、t−ヘキシルモノパー
オキシマレエート等が好ましく挙げられ、これらは、単
独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。
【0028】式(2)で表される有機過酸化物は、有機
酸成分によるポリプロピレン樹脂のグラフト反応に用い
ると、パーオキシラジカルによるポリマーラジカル形成
と、パーオキサイド分子構造内のマレイン酸基が効率よ
く反応するため、ポリプロピレン分子鎖の切断量に対す
るグラフト反応量が向上し、グラフト量と得られた酸変
性ポリプロピレン樹脂の分子量のバランスを向上させる
ことができると考えられる。
【0029】本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂の製造
法に用いる有機酸としては、マレイン酸ジブチル、マレ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、無水マレイン酸、無水
コハク酸等が挙げられ、酸変性ポリプロピレン樹脂の原
料となるポリプロピレン樹脂への濡れ性、上記マレエー
ト基含有過酸化物等の組み合わせの観点から、マレイン
酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル等が最
も好ましい。
【0030】本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂の製造
方法において使用されるポリプロピレン樹脂は、プロピ
レン単独重合体、エチレンや他のα−オレフィンとの共
重合体、及びそれらの混合物の何れであってもよい。グ
ラフト反応前のポリプロピレン樹脂の分子量は、変性処
理時のβ開裂反応により低分子量化するため、より高分
子量であることが好ましいが、グラフト反応に使用する
混練機のモーター負荷を考慮し、MFRが0.01〜1
0g/10分のものが好適に使用される。
【0031】ポリプロピレン樹脂と、有機酸と、一般式
(2)で示される有機過酸化物とを溶融混練する反応に
おいて、有機過酸化物と有機酸成分との配合重量比率
は、有機過酸化物:有機酸成分=1:1〜1:10が好
ましく、より好ましくは、1:2〜1:8である。有機
過酸化物:有機酸成分の重量比が1:1未満であるとグ
ラフト反応が十分に行われず、1:10を超えると未反
応物が過剰に残存することとなり、何れも好ましくな
い。
【0032】また、有機過酸化物とポリプロピレン樹脂
との配合重量比率は、有機過酸化物:ポリプロピレン=
0.1:100〜10:100が好ましく、より好まし
くは、1:100〜5:100である。有機過酸化物:
ポリプロピレンの重量比が0.1:100未満であると
グラフト反応が十分に行われず、一方、10:100を
超えると、ポリプロピレン主鎖が低分子量化してしまう
ため何れも好ましくない。
【0033】本発明のプロピレン樹脂の酸変性反応にお
いて、一般式(2)で表されるマレエート基を有する有
機過酸化物を使用することにより、有機酸成分のグラフ
ト量とMFRとの特定の相関関係である式(1)を満た
す酸変性ポリプロピレン樹脂とすることが可能となる。
一方、それ以外の有機過酸化物を用いて酸変性ポリプロ
ピレン樹脂を製造した場合は、グラフト量とMFRの関
係が(1)式を満たす本発明の酸変性ポリプロピレン樹
脂を得ることは出来ない。また、MFRが10g/10
分を超えるポリプロピレンを用いて酸変性ポリプロピレ
ン樹脂を製造した場合も、(1)式を満たす酸変性ポリ
プロピレン樹脂を得ることは出来ず好ましくない。
【0034】溶融混練によりグラフト反応を行う混練機
は、連続式の押出機やバッチ式のバンバリーミキサー等
任意の混練機を使用することが出来るが、生産効率の観
点から、連続式の押出機、特に2軸押出機を使用するこ
とが望ましい。グラフト反応温度は、樹脂温度として好
ましくは180〜250℃、より好ましくは、190〜
210℃の範囲内となるように制御することが必要であ
る。上記範囲を超えて温度が上がると、有機過酸化物が
急速に分解してしまうため、グラフト反応に使用される
パーオキシラジカル量が減少し、結果的にグラフト効率
が低下してしまうため、好ましくない。一方、上記温度
範囲未満であると、パーオキサイドの分解率が低下する
こと、及びグラフト反応速度が低下してしまうこと等の
理由から、グラフト反応効率が低下してしまうため、好
ましくない。
【0035】3.ポリプロピレン樹脂組成物 本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂をポリプロピレン系
樹脂に配合したポリプロピレン系樹脂組成物は、接着
性、相溶性、衝撃強度、耐熱性、等の優れた樹脂組成物
として工業材料、産業資材、家電材料等の分野に用いる
ことができる。特に、ポリプロピレン系樹脂100重量
部に対して、本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂を0.
1〜30重量部配合したポリプロピレン系樹脂組成物
は、無機フィラーを超微細分散させた自動車部品として
用いることができる。
【0036】ここで用いるポリプロピレン系樹脂として
は、プロピレン・エチレン共重合体が好ましい。プロピ
レン・エチレン共重合体としては、プロピレン単独重合
体部分50〜95重量%と、プロピレン・エチレンラン
ダム共重合体部分5〜50重量%とからなり、プロピレ
ン・エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量が、
30〜70重量%であり、プロピレン・エチレン共重合
体のMFRが、10〜200g/10分であるものが好
ましい。
【0037】また、上記ポリプロピレン系樹脂は、エラ
ストマー成分や無機フィラー成分を含有するポリプロピ
レン系樹脂組成物であってもよい。この場合のポリプロ
ピレン系樹脂組成物の配合は、ポリプロピレン系樹脂1
00重量部に対して、エラストマー成分が、好ましく
は、0〜200重量部、より好ましくは、1〜150重
量部、さらに好ましくは2〜100重量部であり、無機
フィラー成分が、好ましくは、0〜200重量部、より
好ましくは、1〜150重量部、さらに好ましくは2〜
100重量部である。
【0038】ここで、エラストマー成分としては、エチ
レン・α−オレフィンランダム共重合ゴム、スチレン含
有熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0039】上記エチレン・α−オレフィンランダム共
重合ゴム中のα−オレフィン単位の含有量は、好ましく
は、15〜70重量%、より好ましくは20〜55重量
%である。α−オレフィン単位の含有量が上記範囲より
も少なすぎると衝撃強度が劣り、一方、多すぎると剛性
が低下するばかりでなく、このエラストマー成分の形状
をペレット状に保持しにくくなって樹脂組成物の製造に
際しての生産ハンドリングが著しく低下するため、各々
不適である。
【0040】上記エチレン・α−オレフィンランダム共
重合ゴムにおけるα−オレフィンとしては、好ましく
は、炭素数3〜20のものが挙げられ、具体的には、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセ
ン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることがで
きる。なかでも、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンが特に
好ましい。
【0041】また、上記エチレン・α−オレフィンラン
ダム共重合ゴムのMFR(230℃、荷重21.18
N)は、好ましくは、0.01〜100g/10分、特
に0.1〜100g/10分のものが好ましい。さら
に、密度は、好ましくは、0.85〜0.90g/cm
、特に0.86〜0.89g/cmのものが好まし
い。
【0042】上記エチレン・α−オレフィンランダム共
重合ゴムのMFRが0.01g/10分未満のものは、
樹脂組成物を形成する際の混練時に十分な分散を得るこ
とができず、衝撃強度の低下を引き起こす傾向がある。
一方、MFRが100g/10分を超えるものは、共重
合ゴム自身の靭性が足らず、やはり衝撃強度が低下する
傾向がある。また、密度が0.90g/cmを超える
ものは衝撃強度が劣るようになり、0.85g/cm
未満のものはそれ自体のペレット化が困難となる傾向が
ある。また、これらは後述するバナジウム化合物系や、
WO−91/04257号公報等に示されるようなメタ
ロセン系の触媒を用いて製造されたものが好ましい。
【0043】上記スチレン含有熱可塑性エラストマー
は、ポリスチレン部を好ましくは、5〜60重量%、よ
り好ましくは10〜30重量%含有するものである。ポ
リスチレンの含有量が上記範囲外のものであると、耐衝
撃性が不十分となる傾向がある。スチレン含有熱可塑性
エラストマーのMFR(230℃、荷重21.18N)
は、好ましくは、0.01〜100g/10分、より好
ましくは0.1〜50g/10分の範囲のものが用いら
れる。MFRが上記範囲外の場合は、やはり耐衝撃性が
不十分となる傾向が認められる。
【0044】上記スチレン含有熱可塑性エラストマーの
具体例としては、スチレン・エチレン/ブチレン・スチ
レンブロック共重合体(SEBS)を挙げることができ
る。これは、ポリスチレンブロック単位とポリエチレン
/ブチレンゴムブロック単位とからなる熱可塑性エラス
トマーである。このようなSEBSでは、ハードセグメ
ントであるポリスチレンブロック単位が物理架橋(ドメ
イン)を形成してゴムブロック単位の橋かけ点として存
在しており、このポリスチレンブロック単位間に存在す
るゴムブロック単位はソフトセグメントであってゴム弾
性を有している。SEBSのセグメント割合として、ポ
リスチレン単位を10〜40モル%の量で含有している
ことが望ましい。なおスチレンから導かれる単位の含有
量は、赤外スペクトル分析法、13C−NMR法などの
常法によって測定される値である。
【0045】上記無機フィラー成分としては、好ましく
は、タルク、カオリナイト、焼成クレー、バイロフィラ
イト、セリサイト、ウォラスナイトなどの天然珪酸また
は珪酸塩、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜
鉛華、酸化マグネシウムなどの酸化物、含水珪酸カルシ
ウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸など
の合成珪酸または珪酸塩などの粉末状充填材、マイカな
どのフレーク状充填材、ガラス繊維、塩基性硫酸マグネ
シウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホ
ウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF
(Processed Mineral Fibe
r)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイトな
どの繊維状充填材、ガラスバルン、フライアッシュバル
ンなどのバルン状充填材などを用いることができる。
【0046】これらの無機フィラーのうちでもタルクが
好ましく用いられ、特に平均粒径0.1〜40μmのタ
ルク微粉末が好ましく用いられる。なお、タルクの平均
粒径は、液相沈降方法によって測定することができる。
また本発明で用いられる無機フィラー、特にタルクは、
無処理であっても予め表面処理されていてもよい。この
表面処理の例としては、具体的には、シランカップリン
グ剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機
チタネート、樹脂酸、ポリエチレングリコールなどの処
理剤を用いる化学的または物理的処理が挙げられる。こ
のような表面処理が施されたタルクを用いると、ウェル
ド強度、塗装性、成形加工性にも優れた樹脂組成物を得
ることができる。上記のような無機フィラーは、1種の
みを単独で使用しても、また2種以上を併用してもよ
い。
【0047】この様なポリプロピレン系樹脂組成物は、
自動車のバンパー、インパネ等の工業部品として好適に
使用されるが、外観意匠性等の観点から、自動車外装部
材等では、一般に塗装を施して最終製品とされている。
また、これらの工業部品の内、特に高剛性を要求される
ような部材は、無機フィラーの配合量を増量したり、分
散性を高めたりして、高剛性化が図られるが、無機フィ
ラー量を増やすと分散性が低下してしまうため、高剛性
化のためには、分散性を向上させることが必須技術とな
る。この様な目的のため、本発明の酸変性ポリプロピレ
ン樹脂が、ポリプロピレン系樹脂組成物製造の際に配合
されるが、その配合量は、塗装性改良の場合、最終組成
物における有機酸成分のグラフト量として0.1〜2w
t%、分散性改良の場合、最終組成物における有機酸成
分のグラフト量として0.01〜0.5wt%となるよ
うに配合されることが好ましい。
【0048】
【実施例】以下に本発明を、実施例を用いて更に詳細に
説明するが、本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、こ
れによって限定されるものではない。なお、実施例で用
いた試験方法は以下の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR):JIS−K72
10に基づき、温度230℃、荷重21.18Nで測定
した。 (2)グラフト量: 前述の方法により赤外吸収ピーク
強度を測定し、グラフト量を算出した。なお、赤外分光
分析計は、パーキンエルマー社製の1640FT−IR
を使用した。 (3)アイゾット(IZOD)衝撃強度(単位:kJ/
):JIS−K7110に準拠して23℃で測定し
た。 (4)碁盤目剥離試験: 片刃剃刀を用い試験片の表面
に直行する縦横11本づつの平行線を2mm間隔で引い
て碁盤目を100個作る。その上にセロハンテープ(J
IS−Z1522)を十分圧着し、塗膜面と約30℃に
保ち手前に一気に引き剥がす作業を5回繰り返し、碁盤
目で囲まれた部分の状態を観察し、剥離しなかった碁盤
目の数を記録した。5回目の剥離結果を残存率(%)と
して、示した。なお、塗装条件は、次のとおりとした。 塗料:日本油脂社製、一液型有機溶剤系メラミン架橋型
のベルコート、上塗り塗料及びクリアー 塗料内容:上塗り塗料(30μm)+クリアー(15μ
m)(ウエットオンウエット)エアースプレーガンによ
り塗装 焼付条件:120℃×60分
【0049】実施例1 MFR1.0g/10分のポリプロピレンホモポリマー
(日本ポリケム社製ノバテックPP MA8)100重
量部と、マレイン酸ジブチル溶液中にターシャリーブチ
ルモノパーオキシマレエートを25重量%分散させたサ
スペンジョン4重量部とを、窒素雰囲気中で室温混合し
た。この混合物を、日本製鋼所製2軸押出機TEX30
を用いて、シリンダ温度設定200℃、押出量10kg
/h、スクリュー回転数200rpmで混練してグラフ
ト反応を行った。押出機内部の樹脂温度は、205℃〜
225℃であった。得られた酸変性ポリプロピレン樹脂
ペレットのMFRとグラフト量は、表1に示した通りで
あった。
【0050】実施例2 マレイン酸ジブチルとターシャリーブチルモノパーオキ
シマレエートのサスペンジョンの配合比率を10重量部
とした以外は、実施例1と同様の方法によりグラフト反
応を行った。得られた酸変性ポリプロピレン樹脂ペレッ
トのMFRとグラフト量は表1に示した通りであった。
【0051】実施例3 マレイン酸ジブチルとターシャリーブチルモノパーオキ
シマレエートのサスペンジョンの配合比率を20重量部
とした以外は、実施例1と同様の方法により実験を行っ
た。得られた酸変性ポリプロピレン樹脂ペレットのMF
Rとグラフト量は表1に示した通りであった。
【0052】実施例4 ポリプロピレン系樹脂として、プロピレン・エチレン共
重合体(日本ポリケム社製ノバテックPP BC10B
H)45重量%、エラストマー成分として、エチレン・
1−オクテン共重合体ゴム(デュポンダウエラストマー
社製「エンゲージ8200」;MFR(230℃、荷重
21.18N):10g/10分、1−オクテン含有
量:24重量%)30重量%、無機フィラー成分として
タルク(富士タルク製MT7、平均粒子径6.1μ)2
5重量%とからなるポリプロピレン系樹脂100重量部
に対して、実施例2で得た酸変性ポリプロピレンを22
重量部配合し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得
られたポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを、射出成
形し、厚さ3mmの平板(100×100mm)と、厚
さ4mmのアイゾッド試験片とした。その後、射出平板
には、メラミン系の溶剤塗料を塗布し、120℃で1時
間焼付けた後、室温で2日間放置した後に、碁盤目剥離
試験を実施した。碁盤目剥離試験後の塗膜残存率(塗料
付着率)と室温のアイゾッド衝撃強度は、表2に示した
通りであった。
【0053】比較例1 固形状の無水マレイン酸を乳鉢を用いて粉砕し無水マレ
イン酸粉末とした。この無水マレイン酸粉末を、実施例
1で用いたポリプロピレンホモポリマー100重量部に
対して0.25重量部と、ジターシャリーブチルパーオ
キサイド(日本油脂社製パーブチルD)0.75重量部
とを、窒素雰囲気中で室温混合した。この混合物を、実
施例1と同様の方法により、押出機にて溶融混練し、ペ
レット状の酸変性ポリプロピレン樹脂を得た。得られた
酸変性ポリプロピレン樹脂のMFRとグラフト量は、表
1に示した通りであった。
【0054】比較例2 無水マレイン酸粉末の配合比率を0.5重量部とし、ジ
ターシャリーブチルパーオキサイドの配合比率を1.5
重量部とした以外は、比較例1と同様の方法により変性
反応を行った。得られた酸変性ポリプロピレン樹脂ペレ
ットのMFRとグラフト量は、表1に示した通りであっ
た。
【0055】比較例3 有機酸としてマレイン酸ジブチルを使用した以外は、比
較例1と同様の方法により変性反応を行った。得られた
酸変性ポリプロピレン樹脂ペレットのMFRとグラフト
量は、表1に示した通りであった。
【0056】比較例4 有機過酸化物の配合比率を0.25重量部とした以外
は、比較例1と同様の方法により変性反応を行った。得
られた酸変性ポリプロピレンペレットのMFRとグラフ
ト量は、表1に示した通りであった。
【0057】比較例5 ポリプロピレン系樹脂として、プロピレン・エチレン共
重合体(日本ポリケム社製ノバテックPP BC10B
H)45重量%、エラストマー成分として、エチレン・
1−オクテン共重合体ゴム(デュポンダウエラストマー
社製「エンゲージ8200」;MFR(230℃、荷重
21.18N):10g/10分、1−オクテン含有
量:24重量%)30重量%、無機フィラー成分として
タルク(富士タルク製MT7、平均粒子径6.1μ)2
5重量%とからなるポリプロピレン系樹脂100重量部
に対して、比較例3の酸変性ポリプロピレンを22重量
部配合し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られ
たポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを、実施例4と
同様に調整して、評価した。碁盤目剥離試験後の塗膜残
存率(塗料付着率)と室温のアイゾッド衝撃強度は、表
2に示した通りであった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2から明らかなように、本発明
の方法によると、有機酸を高グラフト量でグラフトし
た、低分子量化していない酸変性ポリプロピレン樹脂が
得られる(実施例1〜3)。一方、マレエート基を有さ
ない過酸化物を用いた従来の技術では、グラフト量見合
いの分子量が低くい酸変性ポリプロピレンが得られ(比
較例)、ポリプロピレン系樹脂に配合した場合の衝撃強
度、耐熱性等の物性低下が著しい。
【0061】
【発明の効果】本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂は、
有機酸のグラフト量が高く、かつ低分子量化されていな
いため、ポリプロピレン系樹脂に配合した場合、塗装性
や無機フィラーの分散性と機械物性のバランスに優れた
ポリプロピレン系樹脂組成物を得る事が出来る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB111 BB151 BN052 4J015 BA03 4J026 AA13 BA35 BA36 BB01 DB05 DB15 GA01 GA02 GA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸をグラフトした酸変性ポリプロピ
    レン樹脂であって、メルトフローレート(MFR)とポ
    リプロピレン樹脂にグラフトした有機酸成分のグラフト
    量(G)の関係が、式(1)を満足することを特徴とす
    る酸変性ポリプロピレン樹脂。 G≧0.015MFR−0.5 …(1) (式中、Gは有機酸成分のグラフト量(重量%)であ
    り、MFRはJIS−K7210に基づき、温度230
    ℃、荷重21.18Nで測定するメルトフローレート
    (g/10分)である。)
  2. 【請求項2】 グラフトした有機酸成分がマレイン酸ジ
    ブチルであることを特徴とする請求項1に記載の酸変性
    ポリプロピレン樹脂。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン樹脂と一般式(2)で示
    される有機過酸化物と有機酸成分とを、混練機を用いて
    溶融混練して、メルトフローレート(MFR)とポリプ
    ロピレン樹脂にグラフトした有機酸成分のグラフト量
    (G)の関係が、式(1)を満足することを特徴とする
    酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方法。 G≧0.015MFR−0.5 …(1) (式中、Gは有機酸成分のグラフト量(重量%)であ
    り、MFRはJIS−K7210に基づき、温度230
    ℃、荷重21.18Nで測定するメルトフローレート
    (g/10分)である。) R−O−O−CO−CH=CH−COOH …(2) (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)
  4. 【請求項4】 有機過酸化物と有機酸成分との配合重量
    比率が、有機過酸化物:有機酸成分=1:1〜1:10
    であり、かつ、有機過酸化物とポリプロピレン樹脂との
    配合重量比率が、有機過酸化物:ポリプロピレン樹脂=
    0.1:100〜10:100であることを特徴とする
    請求項3に記載の酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 有機酸がマレイン酸ジブチルであり、有
    機過酸化物がターシャリーブチルモノパーオキシマレエ
    ートであることを特徴とする請求項3又は4に記載の酸
    変性ポリプロピレン樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
    して、請求項1又は2に記載の酸変性ポリプロピレン樹
    脂を0.1〜30重量部配合することを特徴とするポリ
    プロピレン系樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100418991C (zh) * 2005-06-21 2008-09-17 北京化工大学 一种多孔型聚丙烯粒子悬浮固相接枝改性方法
US7989083B2 (en) 2005-04-28 2011-08-02 Mitsubishi Chemical Corporation Acid-modified polypropylene resin, method for producing same, and resin composition using same
JP2012229426A (ja) * 2012-06-21 2012-11-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品
CN105504171A (zh) * 2014-10-20 2016-04-20 中国石化扬子石油化工有限公司 一种聚丙烯接枝物及其制备方法

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