JP2003175466A - 研磨具 - Google Patents

研磨具

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JP2003175466A
JP2003175466A JP2001380000A JP2001380000A JP2003175466A JP 2003175466 A JP2003175466 A JP 2003175466A JP 2001380000 A JP2001380000 A JP 2001380000A JP 2001380000 A JP2001380000 A JP 2001380000A JP 2003175466 A JP2003175466 A JP 2003175466A
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polishing
polishing tool
elastic body
porous structure
abrasive
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JP2001380000A
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Ryuzo Yamamoto
隆造 山本
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RABITSUTO KK
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
RABITSUTO KK
Sakura Color Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の研磨具に比べて研磨力、研磨力維持度
(耐目詰まり性)及び耐久性に優れた研磨具を提供す
る。 【解決手段】 骨格部と充填部とを含み、前記骨格部が
多孔性構造体1により構成され、前記充填部が研磨剤3
を含む弾性体2である研磨具を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密研磨に使用可
能な多孔性構造体を含む研磨具に関する。
【0002】
【従来の技術】金属等の表面を研磨する研磨具の研磨部
分は、一般に、砥粒やグラスファイバー等の補強剤に加
えて、砥粒を研磨部分に保持するための樹脂よりなる結
合剤を含んでいる。通常の工業用のディスクに用いられ
ているディスク型の研磨具若しくは砥石は、研磨の際に
発生する熱の放出を容易にするための気孔を備えたもの
である樹脂の発泡したタイプが従来から存在する。しか
し、この発泡タイプの研磨具若しくは砥石は、結合剤の
弾性が少なく、脆いために、強度が不足し、微細な砥石
屑が散乱し、さらに研磨の際の振動が直接被研磨物に伝
達されるために精密に研磨することが難しいという問題
があった。
【0003】また、金属製品の表面に生じた錆やくもり
を取り除く場合や、金属表面を精密に研磨する場合に
は、液状の錆び落とし具やサンドペーパーを用いる研磨
具などを使うことも可能であるが、液状の錆び落とし具
では布でふき取る必要があるために扱いが不便であり、
サンドペーパーでは目詰まりしやすいなどの欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
鋭意検討の結果、多孔性構造体及び研磨剤を含む研磨具
を用いることにより前記の課題を解決することを見出
し、本発明に至ったものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、骨格部と充填部から形
成された研磨具であって、前記骨格部が多孔性構造体に
より構成され、前記充填部が研磨剤を含む弾性体である
研磨具である。前記研磨具は、骨格部と充填部により形
成され、四角柱状、ディスク状等の適当な形に形成され
た固体組成物であるが、前記固体組成物を砥石部とした
研磨具でよい。
【0006】以下、図に基づいて本発明を説明する。図
1は、本発明の一実施形態にかかる研磨具の内部につい
ての部分拡大概念図である。
【0007】図1において、1は骨格部である多孔性構
造体である。2は、多孔性構造体の空隙部に研磨剤を含
む弾性体形成用樹脂組成物が充填された充填部であり、
乾燥、硬化等により固形物である弾性体とすることで、
研磨剤を含む弾性体としたものである。3は研磨剤であ
る。
【0008】本発明の骨格部は、多孔性構造体で構成さ
れ、図1においては三次元構造を形成しているが、骨格
部の骨格の形状や空隙部の形状は特に制限されるもので
はない。研磨具の磨耗性を向上するためには、多孔性構
造体に充填された弾性体の物理的強度が低い方が良い
が、研磨具としての耐久性が低下するので、研磨具が多
孔質構造体を内包することで研磨具全体としての耐久性
を維持できる。骨格部は、骨格組織として機能して研磨
具全体としての強度を補強するとともに、非研磨物との
研磨時の摩擦力で各骨格細部が破断する構成であればよ
い。また、多孔性構造体の空隙部に含まれている充填部
の弾性体の変形を、平面的或いは立体的に制限すること
ができ、研磨具の形状を保持ために研磨時の摩擦による
外力による変形を抑えることができるものであれば弾性
を有していても差し支えない。
【0009】前記多孔性構造体としては、骨格部と空隙
部とを形成しているものであれば特に制限されない。こ
のような多孔性構造体としては、例えば、略多角形又は
略円形のセルからなる構造体や、網目状構造体などを用
いることができる。また本発明の研磨具は、骨格部であ
る多孔性構造体を複数のブロックで構成することもで
き、例えば、多孔性構造体が球状、角状、板状等の多孔
性ブロックにより構成されることも可能である。
【0010】前記多孔性構造体が空隙部として略多角形
又は略円形のセルを含む構造体である場合には、略多角
形又は略円形である形状のセルを含んでいれば特に限定
されるものではなく、例えば、略円形状のセルを含む発
泡体、スポンジ状構造体や、略多角形状のセルを含むハ
ニカム状構造体などが挙げることができ、発泡体を用い
ることが、製造が容易であるので好ましい。なお、前記
発泡体は、空隙部を気孔とした際の気孔率が90%未満
では、気泡は球形又はほぼ球形の形状をしているが、気
孔率が90%以上になると、3次元網目状構造体のよう
な形状を有するようになる。
【0011】また、前記多孔性構造体が網目状構造体で
ある場合には、2次元網目状構造体であっても差し支え
ないが、3次元網目状構造体であることが好ましい。3
次元網目状構造体であると、一層、研磨具の強度及び粘
弾性を向上させることができる。
【0012】前記多孔性構造体の空隙部の形態は、特に
制限されるものではないが、骨格部により区画された空
隙部が互いに板状等の骨格部分により独立した空隙部で
あってもよく、連通してもよく、また独立した空隙部と
連通した空隙部とが混在していても良い。なお、前記多
孔性構造体の前記空隙部は、前記多孔性構造体における
空隙部全体に対して連通した空隙部の個数割合が90%
以上のものであれば、研磨剤を含む弾性体を研磨剤内部
にまで均一に充填することが容易にできるので好まし
い。
【0013】本発明の多孔性構造体は、組成として特に
限定されるものではないが、本発明の研磨具が被研磨物
と摩擦する際に前記研磨具の摩耗面における骨格部が破
断され前記研磨具に含まれる弾性体と共に離脱するもの
であればよい。例えば、有機高分子化合物及び/または
無機化合物で構成された多孔性構造体を使用することが
できるが、均質な多孔性構造体を形成することができる
ので、有機高分子化合物であることが好ましい。有機高
分子化合物としては、合成高分子、天然高分子のいずれ
であっても用いることができ、単独又は二種以上組み合
わせて使用できる。前記有機高分子化合物としては、研
磨具の形状を保持することができる一定限度の変形に抑
えることができる程度の強度を有するものであれば、硬
化性樹脂や熱可塑性樹脂など樹脂やゴム類、繊維などを
用いることができる。なお、発泡により多孔性構造体を
形成することが可能な乾燥性または硬化性を有する有機
高分子化合物を用いることが簡易に多孔性構造体を製造
することができるので好ましい。また、品質が均質であ
ることから前記有機高分子化合物としては、合成樹脂で
あることが好ましい。
【0014】前記有機高分子化合物には、樹脂として
は、例えば、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレ
ンなどのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂などのエス
テル系樹脂、アクリル酸樹脂などのアクリル系樹脂、ポ
リエチレンなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルな
どの塩化ビニル系樹脂などの硬化性樹脂や可塑性樹脂な
どの各種樹脂を使用できる。また、前記有機高分子化合
物には、エラストマーとして、天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムなどの各種の
ゴム類を使用することができる。なお、海綿などの天然
高分子多孔体なども用いることができる。さらに、前記
有機高分子化合物には、繊維として、例えば、木綿、
絹、麻などの天然繊維、セルロース系繊維、エステル系
繊維、アクリル系繊維、アミド系繊維、フエルト、不織
布、繊維塊などの合成繊維など各種の繊維を用いること
ができる。
【0015】本発明の多孔性構造体は、連通した空隙部
を有し、ゴム類及び/または樹脂である高分子化合物に
より形成された構造体であることが、研磨の際により各
骨格細部が容易に破断し、研磨後の被研磨物の表面は、
骨格部の破断片が髭のように浮き出さず、研磨具に含ま
れる弾性体の研磨時の摩耗面と多孔性構造体の研磨時の
破断面とが一致又はほぼ一致するようになるために、好
ましい。前記有機高分子化合物は、組成としてウレタン
樹脂及び/またはメラミン系樹脂を用いることが、断面
形状が略多角形又は略円形のセルを含む構造体において
骨格部の肉厚が薄く、空隙部の孔径も小さく、かつ気孔
率が高い発泡状構造体又は立体的網目状構造体を形成す
ることができるのでさらに好ましい。例えば、メラミン
系樹脂の発泡体としては商品名「バソテクト(Basotec
t)」(BASF社製)を用いることができ、ウレタン系樹
脂の発泡体としては、商品名「MF-50」(イノアックコ
ーポレーション(INOAC CORPORATION)社製)を用いる
ことができ、エチレン系樹脂の発泡体としては商品名
「OPCELL LC-300#3」(三和加工(SANWA KAKO Co.,Lt
d.)社製)を用いることができる。なお、有機高分子化
合物としてウレタン樹脂及びメラミン系樹脂以外のもの
を用いる場合には、研磨具に含まれる弾性体の研磨時の
摩耗面と多孔性構造体の研磨時の破断面とが一致又はほ
ぼ一致させることも可能であるが、骨格部の肉厚、空隙
部の孔径、気孔率を適宜調整する必要がある。
【0016】本発明の研磨具における弾性体は、骨格細
部により囲まれた空隙部に、研磨剤を含む弾性体形成用
樹脂組成物が充填され、乾燥、硬化等することにより固
体状となり適度な弾性を有するものである。前記弾性体
形成用樹脂組成物は、含浸、吸収されることにより骨格
部である多孔性構造体に収蔵されるものであり、固体の
状態で適度な弾性を有し研磨剤を含むことができるもの
であれば、特に制限されるものではなく、プラスチック
系、ゴム系、エラストマー系などの公知の高分子成分を
用いることができる。前記高分子成分としては、例え
ば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、
電子線硬化性樹脂、二液硬化型などの多液硬化性樹脂、
触媒硬化性樹脂、繊維素エステルなど種々の樹脂を用い
ることができる。樹脂としては特に熱可塑性樹脂が硬化
収縮がなく肉痩せしにくいので好適である。このような
樹脂は、溶媒に溶解させた形態や、溶媒に分散させた形
態又はエマルジョン化させた形態で用いることも可能で
ある。
【0017】前記弾性体としては、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重樹脂、塩化ビニル−エチレン
−酢酸ビニル系樹脂などの塩化ビニル系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂などの酢酸ビニル系樹脂等を好適に用
いることができる。特に、塩化ビニル系樹脂と可塑剤と
によるゾル状組成物を弾性体形成用樹脂組成物として用
いることが最適である。これは、塩化ビニル系樹脂と可
塑剤とによるゾル状組成物が、骨格組織の多孔性構造体
に含浸、吸収させる上で流動性があり、かつ骨格組織の
多孔性構造体の空隙部において硬化し易いためである。
【0018】前記可塑剤としては、含有されている熱可
塑性樹脂を可塑化することができる可塑剤、特にポリ塩
化ビニルを可塑化することができる可塑剤であれば、公
知の可塑剤を用いることができる。可塑剤としては、ジ
オクチルフタレート、ジヘプチルフタレートなどのフタ
レート系可塑剤が樹脂等への混和にすぐれブリード等も
しにくいことから好適に用いられる。
【0019】また、前記弾性体は、多孔性構造体と複合
一体化することも可能である。骨格組織と弾性体とを複
合一体化すると、腰の強さが一層強くなり、弾力性が高
まって耐破断性が向上するとともに、骨格部の破断面と
弾性体の摩耗面とを一致又はほぼ一致させることができ
るので、使用後の研磨具の研磨表面が平滑となり、研磨
力維持度(耐目詰まり性)、研磨力も向上させることが
できる。
【0020】本発明の研磨具の充填部において弾性体と
共に含まれる研磨剤は、多孔性構造体の空隙部の径(気
孔径)より小さい粒径を有し、研磨、研削、切削、艶出
し等の性能を有するものであればよく、金属、金属間物
質等や公知の砥粒等の無機化合物粒子や繊維を用いるこ
とができる。前記研磨剤は、具体的には、天然材料系の
研磨剤としては、ザクロ石、鋼玉、エメリー、ダイヤモ
ンド、セン晶石、石英、トリボリ、ケイ石、ケイソウ
土、浮石、浮石粉、長石、黄玉、酸化金属鉱物、との
粉、滑石、ベントナイト、金剛砂、水晶、砂鉄、白土等
を例示することができ、人造材料系の研磨剤としては、
アルミナ系、炭化物系、窒化物系、ホウ化物系を用いる
ことができる。より具体的には、前記研磨剤は、焼結ア
ルミナ、微粒子シリカ、炭化珪素、酸化アルミニウム、
酸化セリウム、酸化珪素マグネタイト、アルミナ、炭化
珪素、炭化硼素、炭化窒素、窒化硼素、金属粉、ガラス
粉、酸化ジルコニア、金属酸化物等を単独または2種以
上を混合して用いることができる。
【0021】前記研磨剤の平均粒径は、多孔性構造体の
空隙部の径(気孔径)より小さい粒径を有していれば特
に限定されるものではないが、0.01〜3000μm
の範囲で用いられ、精密研磨に用いる場合には、平均粒
径は0.5〜15μmであることが研磨の度合いを微調
整することが可能であるために好ましい。例えば、前記
研磨剤(砥粒など)としては、信越化学工業(株)製の
商品名「GC2000番」(平均粒径7μm)、昭和電
工(株)製の商品名「GC3000番」(粒径3000
メッシュ)を用いることができる。
【0022】前記研磨剤の配合量は、充填部における弾
性体を形成するための弾性体形成用樹脂組成物中に、前
記弾性体形成用樹脂組成物全量に対して2〜70重量%
含まれることが好ましく、5〜50重量%含まれること
がより好ましい。前記配合量が2重量%より少ない場合
には、研磨を効率よく行うことができず、前記配合量が
70重量%より多い場合には、前記樹脂組成物の流動性
が低くなり、多孔性構造体中に前記樹脂組成物を含浸し
難くなるからである。
【0023】本発明の研磨具には、その他の成分とし
て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、シリカ、タルク、クレー、珪藻土、石英粉、アル
ミナ、アルミナシリケート、マイカなどの充填剤や、金
属石鹸、バリウムー亜鉛系の安定剤、カルシウム−亜鉛
系、マグネシウム−亜鉛系の安定剤、着色剤、香料、界
面活性剤、グリコール類などを用いることができる。着
色剤としては、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料などの公
知の顔料や、公知の染料、公知の粘度調整剤などを含む
ことができる。
【0024】本発明の研磨具の製造方法については、特
に制限されるものではなく、例えば、液状樹脂、研磨剤
及びその他の配合剤を混合撹拌することにより未硬化の
弾性体形成用樹脂組成物を調整し、前記弾性体形成用樹
脂組成物と多孔性構造体とを混合して多孔性構造体の空
隙部に未硬化の弾性体形成用樹脂組成物を含浸させた後
に弾性体形成用樹脂組成物を所定の硬化方法により硬化
させることで研磨具を得る製造方法を採用することがで
きる。なお、所定の研磨具の型に注入する工程または研
磨具の研磨部分を形成する型に注入する工程は、前記弾
性体形成用樹脂組成物を硬化させる工程の前に行っても
よいし、前記弾性体形成用樹脂組成物を硬化させる工程
の後に行っても良い。
【0025】好適な製造方法としては、以下の通りであ
る。多孔性構造体に、未硬化のゴム成分及び/または樹
脂成分と研磨剤とを含む弾性体形成用樹脂組成物を含浸
して、多孔性構造体の空隙部に前記樹脂組成物を含浸さ
せ、前記樹脂組成物を硬化させる研磨具の製造方法であ
る。この方法は、最も簡便な方法であるために好まし
い。なお、この方法の場合、多孔性構造体に前記弾性体
形成用樹脂組成物を含浸後、圧縮する工程を含ませるこ
とが、部分的な未含浸箇所を排除し、可及的完全に含浸
させるので好ましい。特に、前記圧縮工程が、プレート
状型枠(例えば有底のプレート状型枠)内にゴム成分及
び樹脂成分の少なくともいずれかを含む弾性体形成用樹
脂組成物をまず充填した後に、多孔性構造体を前記型枠
内に静置して含浸させ、熱プレスによって圧縮する工程
である研磨具の製造方法が最適である。なお、弾性体形
成用樹脂組成物の含浸量を均一かつ増大させるために、
静置によって弾性体形成用樹脂組成物が含浸した多孔性
構造体の上からさらに弾性体形成用樹脂組成物を含浸さ
せることも有効である。また、常圧下で骨格組織にゴム
成分及び樹脂成分の少なくともいずれかを含む弾性体形
成用樹脂組成物を加え、しかる後に真空として骨格組織
の空隙部に前記弾性体形成用樹脂組成物を吸収させる方
法も好適に用いることができる。さらにまた、真空下に
ある骨格組織にゴム成分及び樹脂成分の少なくともいず
れかを含む弾性体形成用樹脂組成物を加え、その骨格組
織の空隙部に前記研磨具組成物を充填し、弾性体形成用
樹脂組成物を硬化させる方法も採用することができる。
【0026】なお、成形仕上がり寸法より大きい骨格組
織の多孔性構造体に研磨具組成物を含浸させ、これを圧
縮して所定の成形する方法であれば、原料として同じ多
孔性構造体を用いながら、気孔率や弾性体形成用樹脂組
成物の含有率を調整することができ、製品の品質を制御
することができる点で好ましい。
【0027】また、他の製造方法としては、多孔性構造
体の空隙部内に弾性体形成用樹脂組成物をあらかじめ含
浸させた後、これを所定の研磨剤の型に入れ、加熱等に
より硬化させて得ることもできる。
【0028】前記各種製法において弾性体形成用樹脂組
成物に含まれる樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、硬
化条件として、100℃〜160℃で10分から50分
程度で行うことが、設備の耐久性や生産性の観点から好
適である。
【0029】なお、弾性体形成用樹脂組成物を多孔性構
造体の空隙部に含浸させる場合、その組成物中にエラス
トマー系などの熱可塑性合成樹脂が含まれていると、加
熱溶融状態でも弾性体形成用樹脂組成物が高粘度になる
場合があるが、かかる場合、含浸性を向上するために以
下の方法を採用することもできる。例えば、研磨具組成
物を溶剤に溶かして多孔性構造体の空隙部に含浸させた
後、当該溶剤を揮発させる方法である。また、弾性体形
成用樹脂組成物を分散剤によってエマルション化して含
浸させた後、当該分散媒を揮発等により除去する方法で
ある。また、弾性体形成用樹脂組成物の樹脂成分として
モノマー若しくはオリゴマーを含ませて、前記弾性体形
成用樹脂組成物を多孔性構造体の空隙部に含浸させた
後、前記弾性体形成用樹脂組成物のモノマー等を重合等
さて高分子化させる方法である。
【0030】また、前記多孔性構造体が網目状構造体で
ある場合は、略多角形又は略円形のセルを含む構造体と
同様の方法で調製してもよく、また、ゾル状態等の未硬
化の弾性体形成用樹脂組成物を所定の研磨具の型に注入
し、この中に繊維を入れて混合し、それぞれの繊維間の
空隙部に弾性体形成用樹脂組成物に由来する弾性体を有
する構成とした後、加熱等により硬化して調製すること
ができる。
【0031】このような方法によって本発明の研磨具を
製造するにあたっては、例えば、温度20℃、B型粘度
計、回転数6rpmの測定条件で、100〜20,000m
Pa・s(好ましくは800〜7,000mPa・s)のゾル状
態の弾性体形成用樹脂組成物、特にポリ塩化ビニル樹脂
のゾル状組成物の研磨具組成物を用いることが望まし
い。これはこの範囲内の粘度の弾性体形成用樹脂組成物
であれば、常温において、骨格組織の多孔性構造体に含
浸、吸収させる上で好適な流動性を有しており、また骨
格組織の多孔性構造体の空隙部によく充満して硬化させ
易いためである。なお、20,000mPa・sを超える高
粘度の弾性体形成用樹脂組成物であっても、加熱による
粘度低下や、減圧などによって含浸させることも可能で
ある。
【0032】本発明の研磨具の表面硬度は、特に制限さ
れず、例えば、50〜80、好ましくは60〜70であ
る。また、研磨具の突刺強度は、特に制限されず、例え
ば、1.5〜20(kgf)、好ましくは2〜5(kg
f)である。なお、前記表面硬度は、JIS S 60
50に準じて測定される数値である。また、突刺強度
は、サンプルを厚さ5mm、直径10mmの円盤状に加
工して、円盤の中央に直径4.4mmのロッドを7mm
/分の速度で押し当てていき、ロッドを押し当てた部分
が破断した時の加重を突刺強度として測定している。
【0033】本発明では、骨格部である多孔性構造体を
設けることにより、従来の研磨具と比較して強度を維持
しながらも、多孔性構造体の空隙部に充填されて形成さ
れた弾性体は従来の研磨具の樹脂成分よりも軟らかくな
っている。従って、本発明では、適度な強度を有する多
孔性構造体と弾性体とをそれぞれ骨格部と充填部として
組合わせるものであるので、優れた強度と弾力性とを両
立し、研磨力、研磨力維持度(耐目詰まり性)、耐久性
に優れたものである。
【0034】本発明の研磨具の摩擦係数は、0.8以下
であることが好ましい。これは研磨具の摩擦係数を0.
8以下とした本発明の研磨具の場合は、消字の際にタッ
チが軽いことにもとづく。また、研磨具の摩耗率は1%
以上であることが好ましい。これは研磨具の摩耗率を1
%以上とした本発明の研磨具の場合は、研磨の際、目詰
まりが生じにくく、容易に研磨することができる。
【0035】上記のことから、表面硬度が50〜80、
突刺強度が1.5〜20(kgf)、摩擦係数が0.8
以下、研磨具の摩耗率が1%以上である研磨具が最適で
ある。
【0036】
【実施例】(研磨具材料)以下の実施例及び比較例で
は、研磨具材料として、ポリ塩化ビニル、可塑剤、研磨
剤である公知のアルミナシリケート及び安定剤を原料と
して、以下の配合組成のポリ塩化ビニルゾル組成物を用
いた。 ポリ塩化ビニルゾルの組成 ・樹脂(ポリ塩化ビニル、商品名「ZEST P2
1」、新第一塩ビ社製):30重量部 ・可塑剤(ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイ
ザーDOP」、新日本理化社製):50重量部 ・研磨剤(アルミナシリケート、3000メッシュ):
20.5重量部 ・安定剤(マグネシウム−亜鉛系、商品名「R−23
L」、東京ファインケミカル社製):0.5重量部
【0037】(実施例)メラミン系樹脂の発泡体0.1
5重量部に対して、弾性体形成用樹脂組成物として前記
ポリ塩化ビニルゾル組成物20重量部を含浸させた後、
公知の圧縮機を用いて温度120℃で20分間加熱プレ
スして固形物とし、実施例の研磨具を製造した。メラミ
ン系樹脂の発泡体はBASF社製、商品名「バソテクト(Ba
sotect)」である。
【0038】(比較例)上記ポリ塩化ビニルゾル組成物
のみを用いて、公知の圧縮機を用いて温度120℃で2
0分間加熱プレスして固形物とし、比較例の研磨具を製
造した。
【0039】(評価)実施例及び比較例により得られた
研磨具をそれぞれ研磨盤にとりつけ、非研磨物として表
面に傷がついたSUS403鋼について研磨速度7m/
分で5分間行った。研磨力、研磨力維持度(耐目詰まり
性)及び耐久性を評価した。評価結果は、表1に示す。
【0040】〔研磨力〕非研磨物の研磨された部分につ
いて、目視で観察し下記の基準により評価した。 ◎:研磨された部分に傷が無く、表面が鏡面状に加工さ
れた。 ○:研磨された部分に傷が殆どない。 △:研磨された部分に若干の傷が残るものの、表面が滑
らかになった。 ×:研磨された部分に傷が著しく残っている。
【0041】〔研磨力維持度〕研磨具について、非研磨
物を研磨した部分を観察し、目視で下記の基準により評
価した。 ◎:非研磨物を研磨した部分に目詰まりがなく、削り屑
・削粉も付着していない。 ○:非研磨物を研磨した部分に若干の目詰まりがある △:非研磨物を研磨した部分に目詰まりはあるが実用上
問題が無い。 ×:非研磨物を研磨した部分に目詰まりし、これ以上の
研磨が期待できない。
【0042】〔耐久性〕非研磨物の研磨した研磨具を目
視で観察することにより下記の基準により評価した。 ◎:ワレ・破断等が全く無い。 ○:微細なワレ、破断等がある △:明瞭なワレ、破断等があるが、実用上問題ない ×:ワレ、破断等が多く、これ以上の使用に耐えない
【0043】
【表1】
【0044】実施例の研磨具は、研磨具に多孔性構造体
を含むために、研磨力、研磨力維持度(耐目詰まり性)
及び耐久性について、全て良好であった。これに対し
て、比較例の研磨具は、多孔性構造体を含まずに弾性体
により形成され、研磨力維持度(耐目詰まり性)は優れ
ていたが、耐久性は良好ではなく、研磨力については不
良であった。
【0045】
【本発明の効果】本発明は、骨格部と充填部とを含み、
前記骨格部が多孔性構造体により構成され、前記充填部
が研磨剤を含む弾性体である研磨具であるので、従来の
研磨具に比べて研磨力、研磨力維持度(耐目詰まり性)
及び耐久性に優れた研磨具である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様である研磨具の部分拡大
概念図。
【符号の説明】
1 多孔性構造体 2 弾性体 3 研磨剤 4 骨格細部
フロントページの続き Fターム(参考) 3C063 AB01 BA02 BA22 BB02 BB03 BB04 BB07 BC03 BC09 BG01 BG04 CC02 CC19 CC22 EE27 EE28 FF08 FF23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨具が骨格部と充填部とを含み、前記
    骨格部が多孔性構造体により構成され、前記充填部が研
    磨剤を含む弾性体である研磨具。
  2. 【請求項2】 前記研磨剤が平均粒径0.01〜300
    0μmの微粒子研磨剤である請求項1に記載の研磨具。
  3. 【請求項3】 前記骨格部が有機高分子化合物で構成さ
    れている請求項1または請求項2に記載の研磨具。
  4. 【請求項4】 前記充填部がラテックス及び熱可塑性樹
    脂のうちの少なくとも1種以上である請求項1乃至請求
    項3のいずれかの研磨具。
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