JP2003175262A - パチンコ機における役物の静電気除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで容易に実施可能なパチンコ機にお
ける役物の静電気除去装置を提供すること。 【解決手段】 パチンコ球を遊技領域に誘導するガイド
レールが環状に配設された遊技盤を設け、その遊技盤に
生ずる静電気を同遊技盤の所定箇所に設けた導電部材を
介してアース処理するように構成したパチンコ機におい
て、遊技領域に配設される金属メッキ加工を施した変動
入賞装置Ａに、滞留する静電気に導通可能な接続部３を
設け、その接続部３を導電部材たる内側レール５６に常
に接触させることにより、発生した静電気をアース処理
するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機におけ
る役物の静電気除去装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機においては、遊技者により発
射されるパチンコ球が外側レールを経て遊技領域を転動
するときに、ベニヤ板の表面にプラスチック製セルシー
トが貼着された一般的な構造の遊技盤やプラスチック製
役物との接触摩擦等により静電気が生じる。現在、金属
メッキ加工を施した役物は殆んど使用されていないよう
であるが、この種の役物においても、同様に静電気現象
を生ずる。役物等に滞留する静電気については、周辺の
電気機器や電子制御部にノイズとなってこれらの誤作動
を招く要因となるため、滞留する静電気を除去する工夫
や対策処置がいろいろ取られている。

【０００３】因みに、パチンコ機の静電気除去装置の例
として、第２８２２７５９号特許公報に記載されたもの
がある。その特許公報には、遊技球を遊技領域内に導く
外側レールに付設されたガイド体に導電性弾性体の平板
を装着すると共に、内側レールの外周に導電性弾性体に
より形成された不正防止具を装着し、閉鎖状態とされた
金属製ガラス枠を前記平板と導電性弾性体の少なくとも
一方に接触させることにより静電気をガラス枠を介して
アース処理部に導くようにした構成が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記金属メッキ加工を
施した役物に滞留する静電気を除去する場合には、役物
のメッキ部分にアース線を取り付け、そのアース線をア
ース処理部に接続するようにしなければならない。かか
るアース処理方法では製造工程が複雑になるばかりか、
静電気除去対策に要する製造コストも高くつくという問
題がある。このため、役物にメッキ加工を施すことは極
力避けられてきた。

【０００５】この発明の目的は、低コストで容易に実施
可能なパチンコ機における役物の静電気除去装置を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項１に記載した発明は、パチンコ球を遊技領域に
誘導するためのガイドレールが環状に配設された遊技盤
を設け、その遊技盤に生ずる静電気を同遊技盤の所定箇
所に設けた導電部材を介してアース処理するように構成
したパチンコ機において、前記遊技領域に配設される金
属メッキ加工を施した役物に、滞留する静電気に導通可
能な接続部を設け、その接続部を前記導電部材に常に接
触させることにより、当該役物に発生する静電気をアー
ス処理するように構成したことを特徴とする。

【０００７】同様の目的を達成するために請求項２に記
載した発明は、パチンコ球を遊技領域に誘導するための
導電性を有するガイドレールが環状に配設された遊技盤
を設け、そのガイドレールに生ずる静電気をアース処理
するように構成したパチンコ機において、前記遊技領域
に配設される金属メッキ加工を施した役物に、滞留する
静電気に導通可能な接続部を設け、その接続部を前記ガ
イドレール又は当該レールと電気的に導通可能なレール
付属部に常に接触させることにより、当該役物に発生す
る静電気をアース処理するように構成したことを特徴と
するものである。

【０００８】

【発明の作用及び効果】（請求項１の発明）金属メッキ
加工を施された役物にパチンコ球が衝突・接触すること
により発生する静電気は、役物の接続部→導電部材→取
付枠→電源基板→電源コード（アース処理部）に導かれ
て除去される。その結果、静電気による電気機器の誤作
動や電子制御部のノイズ現象は生じない。

【０００９】役物に金属メッキが施されているので、当
該役物の表面に滞留する静電気は、メッキ処理部分を通
って導電部材側に速やかに導かれる。

【００１０】（請求項２の発明）パチンコ球が役物に衝
突・接触することにより発生する静電気は、役物の接続
部→ガイドレール（外側レール、内側レール）又はレー
ル付属物→取付枠→電源基板→電源コード（アース処理
部）に導かれて除去される。

【００１１】このパチンコ機における役物の静電気除去
装置は、役物にアース線を接続することなく、役物に滞
留する静電気を直接アース処理部に導くように構成して
いるので、製造工程を簡素化することができ、低コスト
で実施し得るという利点がある。加えて、従来使用を敬
遠されがちであった金属メッキ加工が施された役物の採
用を積極的に行うことができ、遊技盤面を豪華にするこ
とができるという副次効果をも有する。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態例を
図面に基づいて説明する。図１は変動入賞装置（役物）
の斜視図、図２はサイドランプを備えた入賞装置（役
物）の斜視図、図３は役物を取り付けた遊技盤と取付枠
とを分離した状態にて示す斜視図、図４は図１の変動入
賞装置の接続部と内側レールとの位置関係を説明する要
部の正面図、図５は図２の入賞装置の接続部と内側レー
ルとの位置関係を説明する要部の正面図である。

【００１３】図１に示すパチンコ機の変動入賞装置Ａ
は、本発明で言う役物の一種である。図３に示す遊技盤
５０に取着するためのプラスチック製取付板１の正面中
央には、横長の大入賞口２が形成されている。その大入
賞口２の下方の端縁１ａには、当該変動入賞装置Ａに滞
留する静電気に導通可能な接続部３を下方に突出するよ
うに一体に形成する。その接続部３には、取付板１の裏
面から一定の寸法だけ離れた位置に当接面３ａを設け
る。その寸法については、遊技盤５０のアウト口５１に
配設される後記内側レール５６の縁飾り板５７の厚さ寸
法より僅かに小さく設けるものとする。

【００１４】上記取付板１には、大入賞口２を開閉自在
とする開閉板５を設けている。その開閉板５は起立した
状態で大入賞口２を閉じ、取付板１の裏側に設けたソレ
ノイド１０の駆動により前方に傾倒して開いた状態にて
パチンコ球を受け止め、そのパチンコ球を後方のケース
６内に誘導するように設けられている。７，７は取付板
１の前面で前記大入賞口２の両側に配置されたチャッカ
ーである。

【００１５】また、上記取付板１、開閉板５及びチャッ
カー７，７には、金色等の金属メッキ加工を施す。以上
により、変動入賞装置Ａを構成する。

【００１６】つぎに、他の役物の例として、図２に示す
サイドランプを備えた入賞装置Ｂについて説明する。こ
の入賞装置Ｂは遊技盤５０の右側に設置されるものであ
り、プラスチック製のほぼＪ字形の取付板１１の下部１
１ａには、チャッカー１３を設けている。その下部１１
ａから上に延びる立ち上がり部分１１ｂは、内側レール
５６の内周に沿うように円弧形状に形成され、その前面
に装飾片１４が設けられている。その装飾片１４の外側
縁１４ａには、当該入賞装置Ｂに滞留する静電気に導通
可能な突起状の接続部１５を一体に形成する。

【００１７】上記立ち上がり部分１１ａの裏側には照明
装置２０を取り付け、その照明装置２０の発光ダイオー
ド等のランプ２１が前記装飾片１４に形成された***１
６に臨むように設けられている。

【００１８】また、上記取付板１１、チャッカー１３及
び装飾片１４には、金色等の金属メッキ加工を施す。以
上により、サイドランプを備えた入賞装置Ｂを構成す
る。

【００１９】図３において、５０は遊技者により打ち込
まれるパチンコ球を誘導するガイドレールたる外側レー
ル５５と内側レール５６を環状に配設すると共に、上記
変動入賞装置Ａ及び入賞装置Ｂ、図示しない図柄変動表
示装置や誘導釘等が設けられる公知の遊技盤である。そ
の内側レール５６の中央には、当該レール５６と電気的
に導通可能なレール付属部たる縁飾り板５７が一体状に
固定されている。そして、その縁飾り板５７は、遊技盤
５０のアウト口５１に対応するように設けられている。
なお、上記外側レール５５と内側レール５６は、請求項
１の発明で言う導電部材である。

【００２０】図４に示すように、変動入賞装置Ａの接続
部３の当接面３ａは、上記縁飾り板５７の上部に圧接す
るように設けられている。また、サイドランプを備えた
入賞装置Ｂの接続部１５は、図５に示すように、内側レ
ール５６に内接するように設けられている。

【００２１】この遊技盤５０は、次に述べる取付枠６１
の開口部６２に外側レール５５及び内側レール５６を臨
ませてその後部に取り付けられる。

【００２２】６１はパチンコ機の図示しない公知の外枠
に着脱可能に固定されるように設けられた導電性を有す
る取付枠である。この取付枠６１は中央に大きな開口部
６２を形成し、図示しないガラス扉等を開閉自由に支持
する金具６３や各種部品を取り付けることができるよう
に構成されている。この取付枠１については、金属製、
金属成分を含有した合成樹脂製など、静電気を導通する
特性を有するものであれば適応可能である。

【００２３】上記開口部６２の右側の内縁部に導電性バ
ネ片（図示せず）を一体に形成し、その先端部を内側レ
ール５６の外周面に接触可能に設ける。また、開口部６
２の上縁中央部にも、同様の導電性バネ片６５を一体に
形成し、その導電性バネ片６５の先端部を外側レール５
５の外周面に接触可能に設ける。

【００２４】以上により、パチンコ機における役物の静
電気除去装置が構成される。しかして、この静電気除去
装置によれば、上記変動入賞装置Ａに滞留する静電気は
接続部３から内側レール５６に、サイドランプを備えた
入賞装置Ｂに滞留する静電気は接続部１５から内側レー
ル５６に夫々導かれ、導電性バネ片を介して取付枠６１
→電源基板→電源コード（アース処理部）に導かれて除
去される。

【００２５】前述したように、一般的な遊技盤は表面に
プラスチック製セルシートを貼着した構造とされてお
り、このセルシートにもパチンコ球の転動による直接接
触や、役物等との接触摩擦等により発生した静電気が滞
留する。そこで、セルシートにカーボン材料を含有して
導電性を高めたものを用いることにより、セルシートに
滞留する静電気をガイドレール側に導いてアース処理す
るようにすることも可能である。

【００２６】以上のとおり、このパチンコ機における役
物の静電気除去装置は、役物にアース線を接続すること
なく、役物に滞留する静電気を直接アース処理部に導く
ように構成することにより、製造工程を簡素化すること
ができると共に低コストで実施し得る。加えて、従来敬
遠されがちであったメッキ加工を施した役物の採用が容
易となる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】変動入賞装置（役物）の斜視図

【図２】サイドランプを備えた入賞装置（役物）の斜視
図

【図３】役物を取り付けた遊技盤と取付枠とを分離した
状態にて示す斜視図

【図４】図１の変動入賞装置の接続部と内側レールとの
位置関係を説明する要部の正面図

【図５】図２の入賞装置の接続部と内側レールとの位置
関係を説明する要部の正面図

【符号の説明】

Ａ・・・入賞装置（役物） １・・・取付板 ２・・・大入賞口 ３・・・接続部 ５・・・開閉板 ７・・・チャッカー Ｂ・・・サイドランプを備えた入賞装置（役物） １１・・・取付板 １３・・・チャッカー １４・・・装飾片 １５・・・接続部 ５０・・・遊技盤 ５１・・・アウト口 ５５・・・外側レール（導電部材） ５６・・・内側レール（導電部材） ５７・・・縁飾り板（レール付属部） ６１・・・取付枠

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パチンコ球を遊技領域に誘導するための
   ガイドレールが環状に配設された遊技盤を設け、その遊
   技盤に生ずる静電気を同遊技盤の所定箇所に設けた導電
   部材を介してアース処理するように構成したパチンコ機
   において、前記遊技領域に配設される金属メッキ加工を
   施した役物に、滞留する静電気に導通可能な接続部を設
   け、その接続部を前記導電部材に常に接触させることに
   より、当該役物に発生する静電気をアース処理するよう
   に構成したことを特徴とするパチンコ機における役物の
   静電気除去装置。
2. 【請求項２】 パチンコ球を遊技領域に誘導するための
   導電性を有するガイドレールが環状に配設された遊技盤
   を設け、そのガイドレールに生ずる静電気をアース処理
   するように構成したパチンコ機において、前記遊技領域
   に配設される金属メッキ加工を施した役物に、滞留する
   静電気に導通可能な接続部を設け、その接続部を前記ガ
   イドレール又は当該レールと電気的に導通可能なレール
   付属部に常に接触させることにより、当該役物に発生す
   る静電気をアース処理するように構成したことを特徴と
   するパチンコ機における役物の静電気除去装置。