JP2003175072A - 透湿性キャスティング粘着部材 - Google Patents

透湿性キャスティング粘着部材

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JP2003175072A
JP2003175072A JP2001375688A JP2001375688A JP2003175072A JP 2003175072 A JP2003175072 A JP 2003175072A JP 2001375688 A JP2001375688 A JP 2001375688A JP 2001375688 A JP2001375688 A JP 2001375688A JP 2003175072 A JP2003175072 A JP 2003175072A
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Michiya Asada
美智也 浅田
Junji Kobayashi
純次 小林
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Seikoh Chemicals Co Ltd
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Seikoh Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療用として皮膚面に貼付して、透湿性、耐
水性を有し、弾性回復率が良好であって皮膚表面にかゆ
みやかぶれの発生しない粘着部材を得る。 【解決手段】 ポリエーテルポリオールにエチレンオキ
サイドを共重合して得た両末端に水酸基を有するポリエ
ーテルポリオールを必須成分として含むポリオールと、
有機ジイソシアネートとより得られるポリウレタン系樹
脂組成物を離型性基材上に塗布し乾燥して該樹脂組成物
からなる透湿性皮膜を形成し、次いでその上に15〜3
0μm厚さの粘着剤層を設けた透湿性キャスティング粘
着部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、皮膚貼付用透湿
性キャスティング粘着部材に関し、ポリエーテルポリオ
ールにエチレンオキサイドを共重合して得た両末端に水
酸基を有するポリエーテルポリオールを必須成分として
含有するポリオールと、有機ジイソシアネートとより得
られるポリウレタン系樹脂組成物を用いて作製した透湿
性皮膜上に粘着加工を施してなる、医療用として人体皮
膚面に貼付して使用する透湿性キャスティング粘着部材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透湿性に欠ける粘着フィルム部材を医療
用として人体に貼付すると、皮膚からの蒸泄作用に伴う
発汗によって、貼付した粘着フィルム部材の吸湿、吸水
が不十分となり、皮膚表面にかゆみやかぶれ等の症状が
発生するという問題がある。
【0003】従来、この種の用途において、粘着部材と
しては、透湿性を有しない汎用フィルム、即ちポリ塩化
ビニルフィルム、ポリエチレンフィルムなどに機械加工
によって微細な穴あけを行って使用されてきた。また、
透湿性の低いポリウレタン樹脂は、湿式成膜法にて多数
の連続気孔を設けることにより高透湿性フィルムとして
使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機械加
工による穴あけでは、防水性や防菌性等に問題があり、
また湿式成膜法による多孔皮膜の製法においては、不均
一な厚みに起因して透湿性のバラツキが大きく、また皮
膜の不透明化現象が避けられない。このため、これらの
透湿性皮膜にアクリル系、ゴム系またはウレタン系など
の粘着剤を塗工した粘着部材は医療用として防水、防菌
特性、あるいは部材が不透明であるなどの問題があっ
た。このようなことから、透明で透湿機能を有する医療
用粘着部材の開発が要望されていた。
【0005】これまでに、救急絆創膏などの医療用テー
プとして用いられる高透湿性の粘着シートについては、
特開昭63−158063号、特開平7−24049
号、特開2000−169609号、特開2001−1
61741号など多数のものが開示されている。しかし
ながら、これらの粘着テープにおける透湿性は、何れも
JIS L 1099塩化カルシウム法(A−1法)に
代表されるような塩化カルシウムを吸湿剤として用いる
測定方法によって評価されている。
【0006】上記の測定方法は、気体状の水の移動のみ
を考慮したものであり、本来人体の皮膚面に貼付して使
用する粘着フィルムまたはシートにおいて必要とする、
皮膚表面に発生する不感蒸泄による液状の汗を吸湿・吸
水し、その後外部に蒸散できることまで評価するもので
はない。従って、上記の粘着テープは、気体状の水のみ
でなく液状の水をも吸水すると同時に蒸散することが可
能な吸湿・吸水効果のある透湿性能はなく、かつ低い水
膨潤性と両立させることまで考慮されていなかった。
【0007】上記した吸湿・吸水性能を評価する場合、
皮膚表面に発生し付着した水滴を移動・蒸散し得る性能
を考慮した代表的な測定方法として、JIS L 10
99酢酸カリウム法(B−1法)があるが、従来この測
定方法で高い透湿度を有するポリウレタン系粘着部材に
は、必ず高い水膨潤性が問題点として存在し、その結
果、人体皮膚面に貼付した際に吸湿・吸水によりフィル
ム自体が凹凸に膨らんでしまって、粘着フィルムとして
ふさわしくなく、実用化されていなかった。
【0008】この発明は、上記の問題点を解消すべく鋭
意検討の結果、ポリエーテルポリオールにエチレンオキ
サイドを共重合して得た両末端に水酸基を有するポリエ
ーテルポリオールを必須成分として含有するポリオール
と、有機ジイソシアネートとより得られるポリウレタン
系樹脂組成物を用いて作成した透湿性皮膜上に粘着剤層
を形成した、医療用として人体の皮膚面に貼付してかゆ
みやかぶれがなく、透湿性、耐水性を有し、かつ低い水
膨潤性、高い弾性回復率を有する透湿性キャスティング
粘着部材を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ポリエーテルポリオールにエチレンオキサイドを共
重合して得た両末端に水酸基を有するポリエーテルポリ
オールを必須成分として含むポリオールと、有機ジイソ
シアネートとより得られるポリウレタン系樹脂組成物を
離型性基材上に塗布し乾燥して該樹脂組成物からなる透
湿性皮膜を形成し、次いでその上に15〜30μm厚さ
の粘着剤層を設けた透湿性キャスティング粘着部材を特
徴とする。
【0010】上記請求項1において、ポリウレタン系樹
脂組成物からなる透湿性皮膜は15〜150μmの厚さ
であることが好ましく、また請求項1の発明で得られる
透湿性キャスティング粘着部材はJIS L 1099
酢酸カリウム法(B−1法)による透湿度が1400〜
6000g/m2 ・24h、水膨潤率が0〜5%の範囲
で耐水性を有するとともに30%伸度における弾性回復
率が90%以上であることを特徴とするものである。
【0011】上記請求項1に記載の発明によれば、ポリ
エーテルポリオールにエチレンオキサイドを共重合して
得た両末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールを
ポリオールの必須成分として含有するポリオールと、有
機ジイソシアネートとより得たポリウレタン系樹脂組成
物を用いて粘着部材の基体となる透湿性皮膜を形成し、
その上に粘着剤層を設けた構成の透湿性キャスティング
粘着部材としたものであって、従来の機械加工や湿式成
膜によって微細孔を設けて透湿性皮膜を形成する方法と
は全く異なった態様で透湿性皮膜を得るものである。そ
の結果、JISL 1099(B−1法)による透湿度
が1400〜6000g/m2 ・24h、水膨潤率が0
〜5%の範囲で耐水性を有するとともに30%伸度にお
ける弾性回復率が90%以上というすぐれた性能を持つ
透湿性キャスティング粘着部材を得ることができるので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明において用いられるポリ
ウレタン系樹脂組成物は、一般にポリウレタン樹脂、ポ
リウレタン尿素樹脂といわれるもので、平均分子量40
0〜5000のポリアルキレンエーテルグリコール、末
端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリε−
カプロラクトンポリオール、あるいはポリカーボネート
ジオールなどの単独またはこれらの混合物を有機ジイソ
シアネートと反応させ、必要に応じて分子内に2個の活
性水素を有する化合物で鎖延長させて得られるものであ
るが、この際、必須成分としては、ポリテトラメチレン
エーテルグリコールやポリプロピレングリコールなどに
エチレンオキサイドを共重合して得られる両末端に水酸
基を有する平均分子量400〜5000のポリエーテル
ポリオールが用いられる。
【0013】また、上記したポリアルキレンエーテルグ
リコールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンプロピレ
ンオキシド付加物、ビニルモノマーグラフト化ポリエー
テルポリオールなどが用いられる。
【0014】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の
アルキレングリコール類と、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマール酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸等のカルボン酸類と、を末端がヒドロキシル
となるように反応して得られるものが適当である。
【0015】有機ジイソシアネートとしては、2,4−
または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12
MDI)などを単独あるいは必要に応じて併用して用い
ればよい。
【0016】上記のポリオールと有機ジイソシアネート
との反応においては、必要に応じてエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコールに代表
される単鎖のグリコールのほか、エチレンジアミン、
4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ヒドラジ
ン、ピペラジン等のジアミンなどを単独または混合して
鎖延長剤として用いることができる。
【0017】有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケト
ン(MEK)、アセトン、トルエン、キシレン、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン等が適
宜混合して用いられる。
【0018】この発明においては、主材樹脂であるポリ
ウレタン系樹脂を得るに当たって、ポリエーテルポリオ
ールにエチレンオキサイドを共重合して得た両末端に水
酸基を有するポリエーテルポリオールを必須成分とする
ほかに、透湿性、耐水性、水膨潤率、弾性回復率などの
この発明の特徴を妨げない範囲において、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、オレフィン系樹
脂、フッ素系樹脂などの高分子樹脂を混合したり、これ
らのモノマーを加えて共重合あるいはグラフト重合させ
てもよい。
【0019】また、上記のポリウレタン系樹脂組成物を
得るに際しては、必要に応じて酸化防止剤(トリフェニ
ルホスフェートのようなリン化合物)、無機または有機
の充填剤(シリカ、ポリウレタン架橋微粒子など)、ワ
ックス、帯電防止剤、架橋剤(ポリイソシアネートやア
ミノプラストなど)等を加えることも可能である。
【0020】かくして得たポリウレタン系樹脂組成物を
10〜40%濃度の有機溶剤溶液としたのち、コンマド
クター、ナイフコーター等にて離型性基材上に塗布し、
100〜150°Cで乾燥すると、この発明の透湿性キ
ャスティング粘着部材の基体となる透湿性、耐水性を有
し、同時に低い水膨潤率や高い弾性回復率をも有してい
て柔軟性に富んだ、透湿性ポリウレタン皮膜が得られる
のである。この皮膜を医療用として用いる場合の厚み
は、乾燥後において15〜150μm、好ましくは15
〜100μmが適当である。これは15μmよりも薄い
と、医療用皮膜としての強度が不足し、また150μm
より厚いと、透湿度が低下して実用に適さないためであ
る。
【0021】上記の透湿性ポリウレタン皮膜上に粘着剤
層を形成するための粘着剤としては、アクリル系、ウレ
タン系、合成ゴム系の樹脂が用いられ、ポリウレタン皮
膜との密着性を向上させるために、トリレンジイソシア
ネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの
有機ジイソシアネートや石油系ロジン、ブチルゴム、ア
クリル系ポリマー、エステルガムなどの粘着付与剤等を
使用することが好ましく、その使用量は、粘着剤100
重量部に対して2〜10重量部が適当である。
【0022】また、透湿性を向上させるために、親水性
シリカパウダー、コラーゲンパウダー、ゼラチンパウダ
ー、親水性有機架橋粒状体(例えば、アクリル酸を含有
したポリアクリル系パウダー)を粘着剤100重量部に
対して5〜40重量部混合してもよい。
【0023】上記粘着剤による粘着剤層の厚さは15〜
30μm、好ましくは15〜22μmであって、JIS
L 1099(B−1法)による透湿度が1400〜
6000g/m2 ・24hであることが望ましい。これ
は、粘着剤層の厚さが15μmよりも薄いと透湿度が上
記の範囲内であっても、粘着力が低下する恐れがあり、
30μmより厚くすると、透湿度が上記の範囲以下とな
って透湿性に欠けるためである。また、用いる粘着剤の
種類によっても透湿度に大きな差異があるので、使用す
る粘着剤の種類に応じて粘着剤層の厚さを変えることも
必要である。
【0024】上記粘着剤による粘着剤層は透湿性ポリウ
レタン皮膜の上にコンマドクター、ナイフコーターなど
にて全面に連続膜となるように形成する以外に、全面に
形成するのではなく、パターンコーティングによって点
状(非連続膜)に形成するようにしてもよい。点状(非
連続膜)形成は、スクリーンコーティング、グラビアコ
ーティングなどによって実施することができる。
【0025】粘着剤層は、上記のように透湿性ポリウレ
タン皮膜の上に直接粘着剤を塗布して形成する方法のほ
かに、粘着剤を離型性基材上に塗布し、乾燥後ラミネー
ト方式で上記透湿性ポリウレタン皮膜の上に転写する方
法で形成することも可能である。
【0026】かくして得られるこの発明になる透湿性キ
ャスティング粘着部材は、総厚みが30〜180μm
で、JIS L 1099酢酸カリウム法(B−1法)
による透湿度が1400〜6000g/m2 ・24h、
水膨潤率が0〜5%、30%伸度における弾性回復率が
90%以上であるというすぐれた性能を有し、皮膚面に
貼り合わせて48時間後においてもかゆみやかぶれは全
く認められなかった。
【0027】この発明の透湿性キャスティング粘着部材
は、粘着剤層の面に離型性のよい剥離紙を貼り合わせた
状態で任意の形状にした後、滅菌等を施して医療用とし
て用いられる。また、形状の小さいものについては粘着
部材の粘着面に離型性のよい剥離紙を貼り合わせ、基体
である透湿性ポリウレタン皮膜側の離型性基材を除去し
た形で滅菌処理を施せばよい。
【0028】
【実施例】以下、この発明を実施例により詳細に説明す
るが、これらの実施例によってこの発明は何ら限定され
るものではない。なお、実施例中の部数は全て重量部で
ある。
【0029】実施例1 (1) 透湿性ポリウレタン樹脂溶液の製造 ポリオール成分として平均分子量3000のポリテトラ
メチレンエーテルグリコールにエチレンオキサイド基を
モル比で等量共重合して得た両末端に水酸基を有するポ
リエーテルポリオール420部、平均分子量1000の
ポリエチレングリコール160部、硬度調整剤としてエ
チレングリコール105部を反応容器に秤取し、これに
DMF1500部、トルエン300部を加えて70〜8
0°Cで撹拌しながらMDI500部を少量ずつ加えな
がら反応を行った。反応液の粘度が40%濃度で100
00mPa・s/30°Cに達したところで直ちにメタ
ノール5部を加えて反応を停止して、透湿性ポリウレタ
ン樹脂溶液を得た。
【0030】(2) 粘着剤の製造 アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製、クリスボン
7367−SL)100部、合成ゴム(シェル化学社
製、Kratonサーモプラスチックラバー)60部、
天然ロジン(安原油脂社製、KE707)20部、シリ
カパウダー(ディグサ社製、OK−412)35部を混
合容器に秤取し、常温で約40分撹拌を行い、その後T
DI3部を添加して2時間撹拌を行った。次いで、樹脂
溶液の固形分が40%となるように酢酸エチル/トルエ
ンの60/40混合溶剤で希釈し、溶液粘度が1800
mPa・s/30°Cの粘着剤を得た。
【0031】(3) 透湿性粘着部材の作成 上記(1)で得た透湿性ポリウレタン樹脂溶液を離型紙
(リンテック社製、EKW−78TPD)上に、乾燥後
の膜厚が15μmとなるように塗布し、80°Cで2
分、引き続き130°Cで4分間乾燥し、ポリウレタン
樹脂よりなる透湿性皮膜を得た。また別途、上記(2)
で得た粘着剤を、上記離型紙を剥離紙として用いて該剥
離紙上に乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布し、
70°Cで4分間乾燥して粘着剤シートを得た。次に、
上記で得た15μm厚さの透湿性ポリウレタン樹脂皮膜
と、15μm厚さの粘着剤シートをラミネータを用い
て、室温で2.0kg/cm2 の条件で圧着し、総厚み
が30μmの透湿性キャスティング粘着部材を得た。
【0032】実施例2 実施例1で得た粘着剤を16メッシュのドットを持つグ
ラビアプリンターを用いて、実施例1で用いたと同じ剥
離紙上に乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、
70°Cで4分間乾燥して非連続粘着剤シートを得た。
次いで、この非連続粘着剤シートと実施例1で得た15
μm厚さの透湿性ポリウレタン樹脂皮膜とを室温で2.
0kg/cm2 の条件でラミネートして圧着し、総厚み
が35μmの透湿性キャスティング粘着部材を得た。
【0033】実施例3 (1) 透湿性ポリウレタン樹脂溶液の製造 ポリオール成分として平均分子量1800のポリテトラ
メチレンエーテルグリコールにエチレンオキサイド基を
モル比で等量共重合して得た両末端に水酸基を有するポ
リエーテルポリオール1060部、ポリプロピレングリ
コールにエチレンオキサイド基をモル比で30%共重合
した両末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール2
00部、硬度調整剤としてエチレングリコール80.6
部を反応容器に秤取し、これにDMF1380部、トル
エン690部およびMEK690部を加えて70〜80
°Cで撹拌しながらMDI500部を少量ずつ加えなが
ら反応を行った。反応液の粘度が40%濃度で1300
0mPa・s/30°Cに達したところで直ちにメタノ
ール3部を加えて反応を停止して、透湿性ポリウレタン
樹脂溶液を得た。
【0034】(2) 透湿性粘着部材の作成 上記(1)で得た透湿性ポリウレタン樹脂溶液を離型紙
(リンテック社製、EKW−78TPD)上に、乾燥後
の膜厚が40μmとなるように塗布し、80°Cで2
分、引き続き130°Cで4分間乾燥して、ポリウレタ
ン樹脂よりなる透湿性皮膜を得た。次に、この透湿性皮
膜に実施例2で得た20μm厚さの非連続粘着剤シート
を実施例2と同条件でラミネートして圧着し、総厚みが
60μmの透湿性キャスティング粘着部材を得た。
【0035】実施例4 (1) 透湿性ポリウレタン樹脂溶液の製造 ポリオール成分として平均分子量3000のポリテトラ
メチレンエーテルグリコールにエチレンオキサイド基を
モル比で等量共重合して得た両末端に水酸基を有するポ
リエーテルポリオール900部、硬度調整剤としてエチ
レングリコール43.4部、さらにイソホロンジイソシ
アネート444部を反応容器に秤取し、110〜120
°Cで約3時間撹拌した。その後、DMF1226部、
トルエン613部、MEK613部を加えて希釈してか
ら、イソホロンジアミン170部を少量ずつ加えながら
反応を行った。反応液の粘度が40%濃度で20000
mPa・s/30°Cに達したところで直ちにメタノー
ル3部を加えて反応を停止させたのち、さらにアクリル
樹脂77.9部を添加溶解して透湿性ポリウレタン樹脂
溶液を得た。
【0036】(2) 透湿性粘着部材の作成 上記(1)で得た透湿性ポリウレタン樹脂溶液を離型紙
(リンテック社製、EKW−78TPD)上に、乾燥後
の膜厚が130μmとなるように塗布し、80°Cで2
分、引き続き130°Cで4分間乾燥して、ポリウレタ
ン樹脂よりなる透湿性皮膜を得た。次に、この透湿性皮
膜に実施例2と同様にして得た15μm厚さの非連続粘
着剤シートを実施例2と同条件でラミネートして圧着
し、総厚みが145μmの透湿性キャスティング粘着部
材を得た。
【0037】比較例1 実施例1と同じ方法で10μm厚さの透湿性ポリウレタ
ン樹脂皮膜を製造し、この皮膜と実施例2と同様にして
得た20μm厚さの非連続粘着剤シートを実施例2と同
条件でラミネートして圧着し、総厚みが30μmの透湿
性キャスティング粘着部材を得た。
【0038】比較例2 実施例1と同じ方法で160μm厚さの透湿性ポリウレ
タン樹脂皮膜を製造し、この皮膜と実施例2と同様にし
て得た20μm厚さの非連続粘着剤シートを実施例2と
同条件でラミネートして圧着し、総厚みが180μmの
透湿性キャスティング粘着部材を得た。
【0039】比較例3 ポリオール成分として平均分子量2000のポリエチレ
ングリコール1100部、平均分子量2000のブチレ
ンアジペート300部、硬度調整剤としてエチレングリ
コール80.6部を反応容器に秤取し、これにDMF1
485部、トルエン743部、MEK743部を加えて
70〜80°Cで撹拌しながらMDI500部を少量ず
つ加えながら反応を行った。反応液の粘度が40%濃度
で16000mPa・s/30°Cに達したところで直
ちにメタノール5部を加えて反応を停止して、透湿性ポ
リウレタン樹脂溶液を得た。
【0040】上記で得た透湿性ポリウレタン樹脂溶液を
離型紙(リンテック社製、EKW−78TPD)上に、
乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布し、80°C
で2分、引き続き130°Cで4分間乾燥して、該ポリ
ウレタン樹脂よりなる透湿性皮膜を得た。次に、この透
湿性皮膜に実施例2と同様にして得た20μm厚さの非
連続粘着剤シートを実施例2と同条件でラミネートして
圧着し、総厚みが60μmの透湿性キャスティング粘着
部材を得た。
【0041】上記実施例1〜4および比較例1〜3で得
られた透湿性キャスティング粘着部材のそれぞれについ
て、各種の物性を測定したところ、表1の結果を得た。
【0042】
【表1】
【0043】なお、上記物性の測定は次の方法により実
施したものである。 (a)透湿度:JIS L 1099酢酸カリウム法
(B−1法)に準拠して測定した。 (b)水膨潤率:試料をタテ50mm、ヨコ50mmに
切断し、水中(23°C±3°C)に1時間浸漬したの
ち、試料片のタテとヨコの長さを測定し、次式に従って
水膨潤率を求めた。 水膨潤率(%)=〔(測定長さ−50mm)/50m
m〕×100 (c)耐水圧:JIS L 1092 B法(高水圧
法)に準拠して測定した。 (d)弾性回復率:試料を幅10mmに切断し、チャッ
ク間隔30mmに設定して引張り試験機(AGS−10
0A、島津製作所社製)に固定する。200mm/mi
nの一定速度で引張り、試料片が30%延伸された後の
長さを測定し、以下の計算式に従って弾性回復率を求め
た。 弾性回復率(%)=〔30mm−(測定長さ−30m
m)/30mm〕×100 (e)かゆみ・かぶれの有無:透湿性キャスティング粘
着部材シートを人体の皮膚に貼り合わせ、48時間経過
後のかゆみ・かぶれの有無を判定した。 (f)表面強度:透湿性キャスティング粘着部材シート
を人体の手のひらに貼り合わせ、手と手を合わせた状態
で20回擦り、透湿性キャスティング粘着部材シートの
破損状態を次のように評価した。 ○:破損部なし ×:部分的あるいは全面に破損が見られる。
【0044】上記表1から、比較例1、2はこの発明の
粘着部材を構成すると同じ材料によるものであるが、比
較例1の粘着部材は透湿性ポリウレタン皮膜の厚みを薄
く形成したもので、透湿性は大であるが、耐水圧、表面
強度に劣り、比較例2の粘着部材は透湿性ポリウレタン
皮膜の厚みを本願範囲より厚く形成したもので、透湿性
に劣るものであった。また、比較例3は、本発明で必須
とする以外のポリオールを素材としたポリウレタン樹脂
の皮膜であり、透湿度は良好であるが、水膨潤率が高く
表面強度に劣っていた。これに対して実施例1〜4で得
た粘着部材は、透湿度、水膨潤率、などすべてにおいて
良好な結果であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の透湿性
キャスティング粘着部材は、ポリエーテルポリオールに
エチレンオキサイドを共重合して得た両末端に水酸基を
有するポリエーテルポリオールをポリオールの必須成分
として含有するポリオールと、有機ジイソシアネートと
より得た透湿性にすぐれたポリウレタン系樹脂組成物を
用いて粘着部材の基体となる透湿性皮膜を形成し、その
上に粘着剤層を設けた構成としたもので、透湿性が14
00〜6000g/m2 ・24h、水膨潤率が0〜5%
の範囲で耐水性を有するとともに30%伸度における弾
性回復率が90%以上で柔軟性にすぐれた性能を持ち、
人体皮膚面への密着が良好であることから医療用として
有用であることが認められた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエーテルポリオールにエチレンオキ
    サイドを共重合して得た両末端に水酸基を有するポリエ
    ーテルポリオールを必須成分として含むポリオールと、
    有機ジイソシアネートとより得られるポリウレタン系樹
    脂組成物を離型性基材上に塗布し乾燥して該樹脂組成物
    からなる透湿性皮膜を形成し、次いでその上に15〜3
    0μm厚さの粘着剤層を設けたことを特徴とする透湿性
    キャスティング粘着部材。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン系樹脂組成物からなる透湿
    性皮膜が15〜150μmの厚さであることを特徴とす
    る請求項1に記載の透湿性キャスティング粘着部材。
  3. 【請求項3】 得られた透湿性キャスティング粘着部材
    はJIS L 1099酢酸カリウム法(B−1法)に
    よる透湿度が1400〜6000g/m2 ・24h、水
    膨潤率が0〜5%の範囲で耐水性を有するとともに30
    %伸度における弾性回復率が90%以上であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の透湿性キャスティン
    グ粘着部材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008502442A (ja) * 2004-06-14 2008-01-31 ジェンテック, インコーポレイテッド 長時間接してとどまっている包帯
JP2008125971A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Nitto Denko Corp 皮膚貼付材用フィルム基材及び皮膚貼付材
JP2009219639A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Seiren Co Ltd 医療用フィルム基材
JP2018062650A (ja) * 2016-10-07 2018-04-19 三洋化成工業株式会社 衛生材料用フィルム用ポリウレタン樹脂及びこれを用いた衛生材料用フィルム

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