JP2003172936A - 液晶装置の製造方法、及び蒸着基板の製造装置 - Google Patents

液晶装置の製造方法、及び蒸着基板の製造装置

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JP2003172936A
JP2003172936A JP2001373337A JP2001373337A JP2003172936A JP 2003172936 A JP2003172936 A JP 2003172936A JP 2001373337 A JP2001373337 A JP 2001373337A JP 2001373337 A JP2001373337 A JP 2001373337A JP 2003172936 A JP2003172936 A JP 2003172936A
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Takashi Okazaki
剛史 岡崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶装置の製造方法及び製造装置に関して、均
一な配向膜を得る。 【解決手段】液晶装置の製造方法及び製造装置に関し
て、基板に対して斜め方向から無機化合物を蒸着して行
う液晶装置の配向制御において、蒸発源と基板との間に
格子状遮蔽物を設け、その格子状遮蔽物内部に電界をか
けることによって蒸着角の一定にし、均一な無機配向膜
を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶装置の製造方
法、特に斜方蒸着により製造された液晶配向膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶装置は、互いに対向する一対の透明
基板間に液晶層が狭持された構成である。液晶分子は屈
折率の異方性を有しており、液晶に印加された電圧の電
界方向に沿うように整列される状態と、電圧が印加され
ない状態との違いを利用して表示素子としている。透明
基板上には、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide,
以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる電極
が形成され、電極を覆うように配向膜が形成されてい
る。この配向膜にはポリイミドなどの有機材料が用いら
れており、この有機材料によって形成された配向膜を布
等により摩擦することで、液晶分子が配向方向を得る
(ラビング)。
【0003】しかし、上記の方法では、液晶分子のプレ
チルト角は最高でも10度程度でしかなく、液晶分子に
高角のプレチルト角を付与することなできない。
【0004】また、配向膜が有機材料なので、耐光性、
耐熱性に問題があり、配向膜の劣化に起因する表示不良
が生じる。
【0005】そこで、耐光性、耐熱性があり、液晶分子
に高角のプレチルト角を付与する配向膜として、無機化
合物を用い、基板に対して斜め方向から蒸着する、特公
昭54-12067号公報等に記載されている斜方蒸着法が知ら
れている。
【0006】しかし、斜方蒸着は従来通常、基板上の場
所によって蒸発源からの距離、基板と蒸発源との角度
(蒸着角)が異なり、基板が大きくなると配向膜の均一
性が悪化する。配向膜が不均一だと、液晶分子の配向方
向及びプレチルト角に基板上でばらつきが生じる。その
結果、液晶セルの電気光学的特性が場所によって変化す
る。配向膜の均一性を向上させるには蒸発源と基板との
距離を大きくとる必要があるが、そうすると装置が大型
になり、製造コストを増大させる。
【0007】この問題を解決する方法として、蒸発源と
基板との間に格子状の遮蔽物を設け、蒸着物質の基板へ
の蒸着角を一定にさせる方法が、特開昭52-52656号公報
に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、蒸着物質の進行方向と格子の向きが一致した
ものしか基板上に蒸着されず、基板の中心付近ほど無機
配向膜の膜厚が厚くなり、逆に中心部分から離れるほど
膜厚が薄くなるので、無機配向膜の膜厚にムラが生じ
る。無機配向膜の膜厚にムラが生じると、液晶分子のプ
レチルト角が変化するなどの配向不良が生じ、液晶表示
装置の電気光学的特性にもムラが生じることになる。ま
た、基板に蒸着されない蒸着物質が著しく増加し、蒸着
材料の無駄が増え、コストが増加する。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されるものであって、液晶分子の配向を均一にする無機
配向膜の製造方法及びその製造装置を提供することを目
的とする。
【0010】また、上記の液晶分子の配向を均一にする
無機配向膜の製造方法によって製造された液晶装置及び
前記液晶装置を備えた電子機器を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明に係る液晶装置の製造方法は、互いに液晶を
挟持する一対の基板のうち、少なくとも一方の前記基板
に対して斜め方向から無機化合物を蒸着させる斜方蒸着
によって前記基板に無機配向膜を形成する液晶装置の製
造方法であって、前記無機化合物の蒸発源と前記基板と
の間に複数の貫通した空洞部を有する格子状遮蔽物を配
置し、前記蒸発源の前記無機化合物を蒸発させるととも
に前記格子状遮蔽物に設けられた電極に電圧を印加して
前記基板に前記無機配向膜を形成することを特徴とす
る。
【0012】本発明の液晶装置の製造方法によれば、格
子状遮蔽物に印加された電圧によって発生する電界によ
って蒸着物質がクーロン力を受け、蒸着物質の進行方向
が曲げられることにより、基板に蒸着物質が入射する角
度(蒸着角)が変化する。従って、格子状遮蔽物に印加
する電圧を制御することで格子を通過する蒸着物質が電
界からクーロン力を受け、蒸着物質の進行方向が曲げら
れる。したがって、格子状遮蔽物に印加する電界を制御
することにより、無機配向膜の膜厚のムラを抑えつつ基
板上の蒸着角を均一にすることができる。すなわち、耐
光性、耐熱性をもち、優れた表示品位を有する液晶装置
を実現できる。
【0013】また、上記の液晶装置の製造方法において
は、前記前記格子状遮蔽物に設けられた前記電極は、前
記空洞部の内面で対向する一対の電極として設けられ、
該一対の電極間に前記電圧を印加することを特徴とす
る。
【0014】これによって、一対の電極に電圧を印加す
ることで空洞部内の一対の電極間に電界が発生し、空洞
部内を進行する蒸着物質の進行方向が電界によるクーロ
ン力を受けて適切な方向に曲げられるので、無機配向膜
の膜厚のムラを抑えつつ基板上の蒸着角を均一にするこ
とができる。すなわち、耐光性、耐熱性をもち、優れた
表示品位を有する液晶装置を実現できる。
【0015】更にまた、上記の液晶装置の製造方法にお
いては、前記無機配向膜となる前記蒸発源の前記無機化
合物は、電子ビーム加熱によりイオン化する蒸着物質で
あること特徴とする。
【0016】イオン化した蒸着物質は、格子に印加され
た電圧により生じた電界によって、蒸着物質の進行方向
を曲げることができるので、蒸着角を基板上全面で一定
にすることが可能となる。
【0017】また、上記の液晶装置の製造方法において
は、前記無機配向膜となる前記蒸着源の前記無機化合物
は、一酸化珪素(SiO)であることを特徴とする。
【0018】基板上に斜方蒸着された一酸化珪素(Si
O)は、複数のカラムを形成し、そのカラムによって液
晶分子をある一定の方向へと配向させることができる。
【0019】また、上記の目的を達成するために、本発
明の蒸着基板の製造装置は、基板に対して所定角度の斜
め方向から無機化合物を前記基板に蒸着させる蒸着基板
の製造装置であって、前記無機化合物の蒸発源と、該蒸
着源と被蒸着基板との間に配置されるとともに複数の貫
通した空洞部を備えた格子状遮蔽物と、前記格子状遮蔽
物に備えられた電極とを有することを特徴とする。
【0020】また、前記格子状遮蔽物の複数の前記空洞
部の内面に、それぞれ前記電極が備えられていることを
特徴とする。
【0021】また更に、前記格子状遮蔽物には、大きさ
の異なる複数の前記空洞部が設けられ、各前記空洞部の
内面には対向して配置された一対の前記電極が備えられ
ていることを特徴とする。
【0022】本発明の構成によれば、格子状遮蔽物に印
加する電界を制御することにより、無機配向膜の膜厚の
ムラを抑えつつ基板上の蒸着角を均一にする製造装置が
可能となり、また、製造装置の小型化が可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】「第1の実施形態」 [液晶装置の製造方法]以下、本発明の第1の実施形態を
図面を参照して詳しく説明する。
【0024】図1は、本発明に係る液晶装置の製造方法
及び製造装置の第1の実施形態を示す模式図であり、図
2は格子状遮蔽物の俯瞰図であり、図3は格子状遮蔽物
を水平方向(各空洞部8の配列方向)に切断した断面図
であり、図4は格子状遮蔽物を鉛直方向(厚み方向、各
空洞部8の管の長さ方向)に切断した断面図である。図
5は、蒸着物質の進行方向と電界との関係を示した模式
図である。図6は、蒸着角θ1と格子状遮蔽物の関係を
示した模式図である。図7は、基板に蒸着された無機配
向膜と液晶分子の配向を表した模式図である。
【0025】本実施形態に係る製造装置は、基板1、格
子状遮蔽物2、格子電極3、蒸発源4、ペルジャー5に
よって構成される。基板1は格子状遮蔽物2の上方に設
置される。格子状遮蔽物2は基板1と蒸発源4との間に
位置し、その形状は図2、図3、及び図4に示してあ
る。格子状遮蔽物2は、厚み方向で管状に貫通した複数
の空洞部8が設けられており、電子ビーム加熱により蒸
発した蒸着物質は格子状遮蔽物2の空洞部8を通って蒸
着を行う基板に到達することになる。従って、格子状遮
蔽物2は基板1と蒸発源4との間に位置されるととも
に、管状の空洞部8が蒸発源4側から基板1側に向けて
貫通するように配置されている。この空洞部8の内面
(内側の側面)には、空洞部8を通る蒸着物質の進行方
向を所定方向に曲げるための一対の電極が空洞部8毎に
個々に備えられ、一対の電極は内側の側面で互いに対向
して配置形成されており、短絡を防ぐために互いに絶縁
されている。また、各空洞部8の配置、及び空洞部8の
各々に設けられる電極3の配置の方向は一方向に並べら
れているとともに、傾斜して配置される基板1の高低方
向(基板1と格子状遮蔽物2との距離が一定でない方
向、遠近方向)に合わせて配置されている。格子状遮蔽
物2の複数の空洞部8を備える断面は、管状(四角柱
状)の空洞部が複数配列された構造の断面となるため、
図3のような各矩形(長方形)で仕切られた格子状とな
っている。また、各空洞部8を仕切る壁面28は隣接す
る空洞部8の壁面28として兼ねられている。図2、及
び3では一方向に並べて複数の管状の空洞部8が配置さ
れるとともに、各管状の空洞部8の断面形状(矩形、長
方形)の大きさや形状が等しいため、断面の格子の間隔
が均等であり、複数の管状の空洞部8が互いに平行であ
る。格子状遮蔽物2の管状に仕切られた各空洞部8は、
鉛直方向(管状の長さ方向、厚み方向)の距離(長さ)
が互いに等しく、且つ互いに平行(一定方向)であると
ともに端部が揃えられている。断面格子状に並ぶ空洞部
8の内面(壁面28)に形成された対向する電極3によ
って生じる電界は、図5に示すように管状の空洞部8の
長さ方向に対して直角方向の電気力線を電極間で生じ、
蒸着物質はその電気力線に平行な方向に力を受け、蒸着
物質の進行方向を変えるためである。つまり、各空洞部
8(空洞部8を形成する壁面28)が平行となってお
り、空洞部8を通過して出射する蒸着物質の方向も同じ
平行方向となるような力を受けている。蒸発源4はペル
ジャー5内の最も下部に設置され、蒸着物質である無機
化合物を電子ビーム加熱により蒸発させられるものであ
る。また、ペルジャー5は斜方蒸着を行うために真空状
態が保たれている。
【0026】ペルジャー5内が十分に真空(10-4Tor
r以上)に引かれた後、蒸発源4を電子ビームで加熱し
蒸着物質を蒸発させる。図2のように、格子状遮蔽物2
の空洞部8の内面には電極3が形成され、電圧が印加さ
れる。蒸発源4から蒸発した蒸着物質は蒸発源4を中心
にして、或る広がりをもって飛んで行き、蒸発源5と基
板1との間にある格子状遮蔽物2に到達する。格子状遮
蔽物2に設けられた電極3には基板1への蒸着角(基板
1の法線方向と電極3が形成される壁面28の平行線と
のなす角度)がθ1になるように、蒸着物質を曲げる方
向とは逆方向に電気力線が生じるように電圧が印加され
る。結果として、図5のように格子状遮蔽物2内部に電
界が形成される。蒸着物質はイオン化し易いSiOであ
り、電子ビーム加熱によりイオン化しているので、格子
状遮蔽物2に到達して空洞部8を通過する蒸着物質は空
洞部8内部の壁面28に形成された電極3間に生じる電
界によってクーロン力を受け、図6のようにその進行方
向が基板1の法線方向に対して均一に角度θ1になるよ
うに曲げられる。すなわち、蒸着される基板1面上のど
こにおいても均一な角度θ1を有した向きに曲げられ
る。ここで、それぞれの空洞部8の電極3に印加する電
圧値を空洞部8の配置場所に応じて適当な値に設定する
と、図6のように、基板面に入射する蒸着物質の蒸着角
θ1は基板1上全面で一定となり、蒸着角の均一な無機
配向膜が形成される。空洞部8の電極3にかかる電圧が
高いほど、蒸着物質が受ける電界エネルギー(進行方向
を曲げる力)が大きくなるので、蒸着物質の進行方向を
大きく曲げたい場合は印加電圧の値を高くすると良い。
図6に示すように、格子状遮蔽物2の中心部分から遠く
なるほど蒸着物質の進行方向を大きく曲げる必要がある
ので、それぞれの格子にかかる電界は、格子状遮蔽物の
中心に近いほど弱くし、格子状遮蔽物2の中心から遠い
ほど強くすると、基板1への蒸着角度θ1を一定にする
ことができる。従って、格子状遮蔽物2の中心部分から
遠くに位置する空洞部8の電極には大きな電圧を印加し
て強い電界を生じさせ、格子状遮蔽物の中心に近いほど
印加される電圧値が小さく、これによって生じる電界を
弱く設定されている。印加する電圧値は、空洞部8の間
隔および空洞部8と基板・蒸着源との相対的な位置によ
って決まるが、印加電圧による電界強度が100V/cm〜
600V/cmになるようにするのが望ましい。
【0027】また、以上のように格子状遮蔽物2に電圧
を印加し、斜方蒸着することで、従来技術で問題となっ
ていた無機配向膜の膜厚のムラおよび蒸着材料の無駄は
減少する。
【0028】基板1上に形成された無機配向膜6は、複
数のカラム(柱状構造物)によって構成される。そし
て、無機配向膜6は、複数のカラムによって構成された
凹凸が存在し、この凹凸により、液晶分子7がプレチル
ト角θ2を持つ。蒸着角θ1を変えることにより、カラ
ムの密度、角度が変わるので、液晶分子のプレチルト角
θ2を制御することができる。
【0029】上記のように、本発明では、格子状遮蔽物
2を蒸発源4と基板1との間に設置し、格子状遮蔽物2
の空洞部に設けられた電極に電圧を印加することによっ
て、基板1上での蒸着角θ1のばらつきを大幅に減少さ
せることができ、また、蒸発源4と基板1との距離を大
きくとる必要がないので、装置の小型化が可能となる。
また、無機配向膜のカラムの密度、角度のばらつき、及
び無機配向膜の膜厚のムラに起因する配向不良の低減も
可能となる。
【0030】[電子機器]以下、上記の第1の実施形態の
液晶装置を用いた電子機器の一例として、投射型表示装
置について説明する。
【0031】図8は、第1の実施形態の液晶装置を用い
た投射型表示装置の一例を示した概略構成図である。こ
の投射型表示装置は、3つの液晶パネルを使用した、い
わゆる3板式の投射型液晶表示装置である。ここでは、
上記の実施形態の液晶装置を液晶ライトバルブを構成す
る液晶パネルとして用いている。
【0032】図8において、符号10は光源、13、1
4、はダイクロイックミラー、15、16、17、はリ
レーレンズ、22、23、24は液晶ライトバルブ、2
5はクロスダイクロイックプリズム、26は投射レンズ
系を示している。
【0033】光源10は、超高圧水銀灯等のランプ11
とランプ11の光を反射するリフレクタ12とから構成
されている。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラ
ー13は、光源10からの白色光のうちの赤色光を透過
させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過し
た赤色光は反射ミラー17で反射され、赤色光用ライト
バルブ22に入射される。
【0034】一方、ダイクロイックミラー13で反射さ
れた色光のうち、緑色光は、緑色光反射のダイクロイッ
クミラー14によって反射され、緑色用ライトバルブ2
3に入射される。一方、青色光は、第2のダイクロイッ
クミラー14も透過する。青色光に対しては、光路長緑
色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ
18、リレーレンズ19、出射レンズ20を含むリレー
レンズ系からなる導光手段21が設けられ、これを介し
て青色光が青色光用ライトバルブ24に入射される。
【0035】各ライトバルブにより変調された3つの色
光は、クロスダイクロイックプリズム25に入射する。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、
その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と、青色光を
反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されたものであ
る。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成さ
れて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光
は、投射光学系である投射レンズ系26によってスクリ
ーン27上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0036】このような投射型液晶表示装置は、上記の
液晶装置を備えたものであるので、配向不良の無い優れ
た表示品位を有する投射型表示装置とすることができ
る。
【0037】[第2の実施形態]以下、本発明の第2の実
施形態を図面を参照して説明する。なお、第2の実施形
態は、第1の実施形態と同様の構成を有し、異なる点の
みを説明する。
【0038】図9は、本発明に係る液晶装置の製造方法
及び製造装置の第2の実施形態を示す模式図である。こ
こに示す液晶装置の製造方法及び製造装置が図1に示し
た液晶装置の製造方法及び製造装置と異なる点は、格子
状遮蔽物の断面格子状に並ぶ空洞部8の径の大きさ(格
子の間隔)が均一ではなく各々異なっていることであ
る。図10は、本実施形態の格子状遮蔽物の俯瞰図であ
る。なお、図9及び図10において図1及び図2の場合
と同じ要素は同じ符号を用いて示すものとし、その要素
についての説明は省略し、異なる点のみ説明する。
【0039】図10に示した格子状遮蔽物の空洞部8の
径の大きさ(格子の間隔)は、格子状遮蔽物の中心部分
から離れるほど空洞部8の径の大きさが小さく(格子間
隔が狭く)なっている。こうした構成にすることによ
り、格子電極に印加する電圧が一定であっても、空洞部
8の径の大きさが小さい(格子間隔が狭い)ほど電界強
度が強くなるので、空洞部8の径の大きさ(格子間隔)
を基板1、格子状遮蔽物2、及び蒸発源4との位置関係
を考慮して適切に設定すると、第1の実施形態と同じ
く、基板1上全面において蒸着角θ1が一定となり、均
一な無機配向膜が形成される。
【0040】以上から、本発明の第二の実施形態におい
ても、基板上での蒸着角のばらつきを大幅に減少させる
ことができ、また、蒸発源と基板との距離を大きくとる
必要がないので、装置の小型化が可能となる。また、無
機配向膜のカラムの密度、角度のばらつき、及び無機配
向膜の膜厚のムラに起因する配向不良の低減も可能とな
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の効果を明らか
にするが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0042】「試験例」:斜方蒸着膜の均一性 従来技術と本実施例の無機配向膜の均一性の比較 本発明の第1の実施例おける製造方法および製造装置を
用いて無機配向膜を製造し、液晶装置を製造した。
【0043】図11は、本実施例において用いた格子状
遮蔽物の断面模式図である。蒸発源として、一酸化珪素
(SiO)を用い、図11のように、格子状遮蔽物の空
洞部の数を3つにし、基板に近い空洞部から順に、空洞
部a、空洞部b、空洞部cとすると、各々の格子に印加
する電圧と、そのときの基板上の各位置におけるプレチ
ルト角θ2との関係を、表1に示す。なお、電圧の符号
は、正が図11において右から左、つまり、空洞部aか
ら空洞部bへと電気力線が生じるような電圧を印加した
ときが正で、符号が負のときはその逆である。蒸着角θ
1は80°である。
【0044】また、無機配向膜のカラムの傾斜角と膜
厚、液晶のプレチルト角を調べた。その結果を表2に示
す。なお、ここで用いた液晶材料は、誘電率異方性が正
のネマチック液晶(メルク社製:MLC-6628)である。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】 以上より、基板面内において均一な配向膜が得られ、液
晶の配向が改善していることが確認できた。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
おいては、基板と蒸発源との間に格子状遮蔽物を設け、
格子内面に電圧を印加することによって、基板上全面に
おいて蒸着角度を一定にすることができる。
【0048】したがって、本発明によれば、液晶分子の
配向不良の低減と、製造装置の小型化が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の製造方法及び製造装置
の第一の実施形態を示す模式図である。
【図2】同、格子状遮蔽物の俯瞰図である。
【図3】同、格子状遮蔽物を水平方向に切断した断面図
である。
【図4】同、格子状遮蔽物を鉛直方向に切断した断面図
である。
【図5】同、蒸着物質の進行方向と電界との関係を示し
た模式図である。
【図6】同、蒸着角θ1と格子状遮蔽物の関係を示した
模式図である。
【図7】同、蒸着された無機配向膜と液晶分子の配向を
表した模式図である。
【図8】第1の実施形態の液晶装置を用いた投射型表示
装置の一例を示した概略構成図である。
【図9】本発明に係る液晶装置の製造方法及び製造装置
の第二の実施形態を示す模式図である。
【図10】同、格子状遮蔽物を鉛直方向に切断した断面
図である。
【図11】本実施例に用いた格子状遮蔽物の断面模式図
である。
【符号の説明】
1 基板 2、9 格子状遮蔽物 3 格子電極 4 蒸発源 5 ペルジャー 6 無機配向膜 7 液晶分子 8 空洞部 10 光源 11 ランプ 12 リフレクタ 13、14 ダイクロイックミラー 15、16,17 反射ミラー 18、19、20 リレーレンズ 21 導光手段 22、23、24 液晶ライトバルブ 25 クロスダイクロイックプリズム 26 投射レンズ系 27 スクリーン 28 壁面 θ1 蒸着角 θ2 プレチルト角

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶を挟持する一対の基板のうち、少な
    くとも一方の前記基板に対して斜め方向から無機化合物
    を蒸着させる斜方蒸着によって前記基板に無機配向膜を
    形成する液晶装置の製造方法であって、 前記無機化合物の蒸発源と前記基板との間に複数の貫通
    した空洞部を有する格子状遮蔽物を配置し、前記蒸発源
    の前記無機化合物を蒸発させるとともに前記格子状遮蔽
    物に設けられた電極に電圧を印加して前記基板に前記無
    機配向膜を形成することを特徴とする液晶装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記前記格子状遮蔽物に設けられた前記
    電極は、前記空洞部の内面で対向する一対の電極として
    設けられ、該一対の電極間に前記電圧を印加することを
    特徴とする請求項1記載の液晶装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記無機配向膜となる前記蒸発源の前記
    無機化合物は、電子ビーム加熱によりイオン化する蒸着
    物質であること特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    液晶装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無機配向膜となる前記蒸着源の前記
    無機化合物は、一酸化珪素(SiO)であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の液晶装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基板に対して所定角度の斜め方向から無
    機化合物を前記基板に蒸着させる蒸着基板の製造装置で
    あって、 前記無機化合物の蒸発源と、該蒸着源と被蒸着基板との
    間に配置されるとともに複数の貫通した空洞部を備えた
    格子状遮蔽物と、前記格子状遮蔽物に備えられた電極と
    を有することを特徴とする蒸着基板の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記格子状遮蔽物の複数の前記空洞部の
    内面に、それぞれ前記電極が備えられていることを特徴
    とする請求項5記載の蒸着基板の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記格子状遮蔽物には、大きさの異なる
    複数の前記空洞部が設けられ、各前記空洞部の内面には
    対向して配置された一対の前記電極が備えられているこ
    とを特徴とする請求項6記載の蒸着基板の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008170667A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Ulvac Japan Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
US8066853B2 (en) 2003-09-04 2011-11-29 Seiko Epson Corporation Method of forming inorganic alignment film, inorganic alignment film, substrate for electronic device, liquid crystal panel and electronic apparatus

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