JP2003172800A - 殺菌方法および装置 - Google Patents

殺菌方法および装置

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JP2003172800A
JP2003172800A JP2001375157A JP2001375157A JP2003172800A JP 2003172800 A JP2003172800 A JP 2003172800A JP 2001375157 A JP2001375157 A JP 2001375157A JP 2001375157 A JP2001375157 A JP 2001375157A JP 2003172800 A JP2003172800 A JP 2003172800A
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flat
irradiation
beam irradiation
flat object
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JP2001375157A
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Keiichi Sato
馨一 佐藤
Hiroshi Tominaga
浩史 冨永
Takeshi Hirose
健 広瀬
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】包装容器、郵便物等の扁平状物の少なくとも表
面を実質的に連続的に殺菌または滅菌させる扁平状物の
殺菌方法、扁平状物の殺菌装置を提供する。 【解決手段】複数の扁平状物Aを搬送ライン1によって
連続的に搬送し、搬送されている扁平状物に、真空管型
電子線照射装置4によって電子線を照射して少なくとも
扁平状物の表面を殺菌または滅菌する扁平状物の殺菌方
法および装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装容器、郵便物
等の扁平状物の少なくとも表面を実質的に連続的に殺菌
または滅菌(以下、総称して殺菌と記載する)させる扁
平状物の殺菌方法、扁平状物の殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、多数の包装容器
や郵便物等の扁平状物を殺菌する方法として、電子線照
射装置を使用する方法が検討されている。
【0004】この方法では、殺菌対象物をまとめて一度
に照射する方法と、搬送されている殺菌対象物を連続的
に照射する方法とが考えられる。
【0005】まとめて一度に照射する方法では、電子線
の直進性、透過性から、積み重ねた状態での照射は難し
く、一度に照射できる数に制限がある。そのため、処理
速度に限界がある。また、電子線のエネルギーを強くし
て、透過性を高めることも考えられるが、対象物によっ
ては電子線による対象物への悪影響(例えば、劣化)が
生じてしまう。
【0006】搬送中の殺菌対象物を照射する方法では、
放射線の遮蔽を行う必要性から、搬送ラインでの遮蔽装
置が大掛かりとならざるを得ず、対象物によっては搬送
ラインに電子線照射装置を組み込むことが難しい。
【0007】殺菌対象物の種類によっては、表面のみ殺
菌すれば目的を達する場合があり、内容物は殺菌処理が
施されているため、表面のみの殺菌を必要とする。
【0008】複数の扁平状物の少なくとも表面を、高速
に、 かつ効率よく殺菌する方法が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる事情に鑑
みてなされたものであって、扁平状物を高速で、かつ効
率良く殺菌させることができ、しかも扁平状物の劣化の
悪影響をもたらすことのない扁平状物の殺菌方法および
装置を提供することを目的とする。
【0010】さらには、搬送ラインに組み込むことが容
易な殺菌方法および装置を提供することを目的とする。
【0011】上記課題を解決するために、本発明は、複
数の扁平状物を連続的に搬送し、搬送されている扁平状
物に真空管型電子線照射装置によって電子線を照射して
扁平状物を殺菌させることを特徴とする扁平状物の殺菌
方法を提供する。
【0012】また、本発明は、複数の扁平状物を連続的
に搬送し、扁平状物に電子線を照射して扁平状物を殺菌
させることを特徴とする扁平状物の殺菌方法を提供す
る。この場合に、前記電子線の照射は、真空管型電子線
照射装置によってなされる。
【0013】さらに、本発明は、扁平状物を連続的に搬
送する搬送ラインと、搬送中の物体に電子線を照射する
電子線照射装置を有する電子線照射部とを具備し、電子
線の照射により扁平状物の少なくとも表面を殺菌する装
置を提供する。
【0014】このような扁平状物の殺菌装置としては、
以下の4つのものが挙げられる。
【0015】(1)扁平状物を連続的に搬送する搬送ラ
インと、搬送ラインの所定領域に隣接した位置に固定的
に配置され、搬送ライン上の前記所定領域を移動する扁
平状物に電子線を照射する電子線照射装置を備えた電子
線照射部とを具備し、前記所定領域において扁平状物に
電子線照射装置から電子線が照射され、扁平状物が殺菌
されることを特徴とする扁平状物の殺菌装置。
【0016】(2)扁平状物を連続的に搬送する搬送ラ
インと、前記搬送ライン上に複数分岐して設けられ、扁
平状物に電子線が照射される被照射領域と、前記各被照
射領域に隣接して設けられ、被照射領域に存在する扁平
状物に電子線を照射する電子線照射装置を有する複数の
電子線照射部とを具備し、前記搬送ラインから前記複数
の照射領域に振り分けられた扁平状物に電子線照射装置
から電子線が照射され、扁平状物が殺菌されることを特
徴とする扁平状物の殺菌装置。
【0017】(3)扁平状物を連続的に搬送する搬送ラ
インと、搬送ラインを搬送されてきた複数の扁平状物を
ストックするストック領域と、ストックされた複数の扁
平状物に電子線が照射される被照射領域と、電子線が照
射された複数の扁平状物を搬送ラインに排出する排出領
域と、前記ストック領域、照射領域、および排出領域の
間を移動可能に設けられ、複数の物体を保持可能な保持
部材と、前記被照射領域に隣接して設けられ、被照射領
域に存在する各扁平状物に電子線を照射する複数の電子
線照射装置を有する電子線照射部とを具備し、前記被照
射部の複数の扁平状物に電子線照射装置から電子線が照
射され、扁平状物が殺菌されることを特徴とする扁平状
物の殺菌装置。
【0018】(4)扁平状物を連続的に搬送する搬送ラ
インと、搬送ラインを搬送されてきた複数の物体をスト
ックするストック領域と、ストック領域の扁平状物が搬
送され、所定数の扁平状物が保持された時点で各扁平状
物に電子線が照射される複数の被照射領域と、前記スト
ック領域と前記複数の被照射領域との間で扁平状物を移
動させる移動機構と、前記各被照射領域に隣接して設け
られ、被照射領域に存在する各扁平状物にそれぞれ電子
線を照射する複数の電子線照射装置を有する複数の電子
線照射部とを具備し、前記被照射部の複数の扁平状物に
電子線照射装置から電子線が照射され、扁平状物が殺菌
されることを特徴とする扁平状物の殺菌装置。
【0019】上記(1)、(2)、(3)、(4)の扁
平状物の殺菌装置において、前記電子線照射装置は、前
記物体の長さに対応して複数の電子線照射管が配列して
構成することができる。
【0020】また、上記(1)、(2)、(3)、
(4)の扁平状物の殺菌装置において、前記電子線照射
装置の照射部と前記扁平状物との間に前記扁平状物の長
さ方向に沿った相対移動が生じることを可能とすること
ができる。
【0021】さらに、上記(1)、(2)、(3)、
(4)の扁平状物の殺菌装置において、前記電子線照射
装置は、前記物体の搬送方向に沿って複数の電子管を配
列して構成することができる。
【0022】すなわち、電子線照射により殺菌させる場
合には、殺菌速度が速いため、高速処理が可能であり、
生産性が高く、また、高温に加熱する必要もないのでエ
ネルギー効率が高い。また、熱殺菌よりも処理に要する
作業面積が少なくてすむので、大掛かりな装置が不要で
ある。さらに、熱乾燥や紫外線照射の場合のように基材
である扁平状物に熱がかからないので、扁平状物の劣化
のおそれがなく、冷却、エージング等が不要である。そ
の他、電子線照射の場合には、電気的作業条件を管理す
ればよいから、熱殺菌の際の温度管理よりも管理しやす
いといった利点も有している。
【0023】本発明において、電子線照射装置の加速電
圧は、好ましくは100kV以下であり、通常30ないし
100kVの加速電圧である。加速電圧を100kV以下に
することにより、照射対象物への影響、例えば劣化を防
ぐことができる。
【0024】本発明において、扁平状物を連続的に搬送
する搬送ラインと、該搬送ラインに、搬送中の扁平状物
の面の中で面積の大きい平面状面の両面に面する位置に
2つの電子線照射装置を設けてなる扁平状物の殺菌装置
とすることにより、効率よく殺菌することができる。つ
まり、面積の主要部を占める面に照射することにより大
部分の殺菌処理ができる。なお、全面に殺菌処理をする
場合には、扁平状物を回転させて、電子線照射を行うこ
ともできる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。本発明の殺菌方法および殺菌装置
は、扁平状物の殺菌を必要とするラインには、スペース
がある限り導入が可能である。例としては、扁平状郵便
物である葉書あるいは手紙の宛名読取装置内に本発明の
真空管型電子線照射装置を組み込み可能である。ここで
は、種々のラインに組み込み可能な本発明の殺菌方法お
よび殺菌装置について説明する。
【0026】本発明における殺菌方法および殺菌装置の
第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施
形態に係る殺菌装置の概略構成図である。この装置は、
複数の扁平状物A が、連続的に搬送ライン1を搬送さ
れ、搬送ライン1の所定の領域に対応して電子線照射ユ
ニット(電子線照射部)が固定的に配置されており、一
定幅の照射領域が形成されている。なお、ここで「連続
的に搬送」とは、実質的に連続状態であればよく、間欠
的搬送をも含むものである。
【0027】電子線照射ユニット2は、複数の照射管3
を有する電子線照射装置4と、照射管3を支持する支持
部材2a とを有しており、照射管3の配列領域の長さが
被照射領域の長さ5となっている。搬送ラインによって
搬送されてきた扁平状物A の両面あるいは片側にこの被
照射領域において、電子線が照射され、殺菌が行なわれ
る。
【0028】電子線照射装置4は、その電子線発生部と
しての照射管3が図2のように構成されている。すなわ
ち、図2の(a)に示すように、円筒状をなすガラスま
たはセラミック製の真空管(チューブ)6と、その管
(チューブ)6内に設けられ、陰極から放出された電子
を電子線として取り出してこれを加速する電子線発生部
7と、真空管6の端部に設けられ、電子線を射出する電
子線射出部8と、図示しない給電部より給電するための
ピン部9とを有する。電子線射出部8には薄膜状の照射
窓10が設けられている。電子線射出部8の照射窓10
は、ガスは透過せずに電子線を透過する機能を有してお
り、図2の(b)に示すように、スリット状をなしてい
る。そして、照射室内に配置された被照射物に照射窓1
0から射出された電子線が照射される。
【0029】すなわち、この電子線照射装置4は真空管
型であり、従来のドラム型の電子線照射装置とは根本的
に異なっている。従来のドラム型電子線照射装置は、ド
ラム内を常に真空引きしながら電子線を照射するタイプ
のものである。
【0030】このような構成の照射管を有する装置は、
米国特許第5,414,267号に開示されており、Am
erican International Technologies (AIT)社によ
りMin−EB装置として検討されている。この装置に
おいては、100kV以下という低加速電圧でも電子線
の透過力の低下が小さく、有効に電子線を取り出すこと
ができる。これによって、対象物に対し低深度で電子線
を作用させることが可能となり、対象物への悪影響およ
びX線の発生量を低下させることができるようになり、
大がかりなシールドは必ずしも必要としない。
【0031】また、電子線のエネルギーが低いため、放
射線の遮蔽、すなわちシールドの装置を小型化または低
減することができるようになる。
【0032】このように、シールドの小型化・低減化、
また低加速電圧であるため電子線発生部分の小型化が可
能となることから、電子線照射装置の飛躍的な小型化が
可能となる。
【0033】このような電子線照射装置4において、扁
平状物A の高さが照射管3の照射窓の長さよりも高い場
合には、図3の(a)、(b)に示すように、複数の照
射管3を扁平状物の長さ方向に沿って2列にかつ千鳥状
に配置することが好ましい。これは、単に一列に並べた
だけでは、隙間が空いてしまうためである。また、2列
の照射管3は、扁平状物上の同じライン上(照射ライ
ン)に電子線が照射されるように傾いて配置されてい
る。しかし、必ずしも同じライン上に照射されなくても
よい。さらに照射管は、扁平状物を片側のみ殺菌する場
合には、片側のみに配置されていてもよい。
【0034】本実施の形態において、照射管の数は照射
時間と照射速度によって決定される。また、最大処理量
によって照射領域の長さが決定される。
【0035】次に、殺菌装置の第2の実施の形態につい
て説明する。本実施の形態の殺菌装置は、図4に示すよ
うに、複数の扁平状物A を連続的に搬送する搬送ライン
11と、搬送ライン11上で3つに分岐して設けられ、
扁平状物A に電子線が照射される被照射領域12a , 1
2b,12c と、それぞれ各被照射領域12a, 12b,1
2c に隣接して設けられ、各被照射領域に移動してきた
扁平状物A に電子線を照射する電子線照射装置13を有
する電子線照射部14とを具備している。
【0036】搬送ライン11上を搬送されている扁平状
物A は、3つの被照射領域に順次振り分けられ、各被照
射領域12a , 12b,12c で、その表面に電子線照射
装置から電子線が照射され、殺菌が行なわれる。電子線
の照射が終了した扁平状物A は、各被照射領域から順次
搬送ラインに合流し、次工程へ搬送される。
【0037】本実施の形態においては、扁平状物A を各
被照射領域に振り分けるので、一つの被照射領域の扁平
状物A に電子線が照射されている間に他の被照射領域に
扁平状物を搬送することができるので、生産速度を上昇
させることができる。滞留を防ぐこともできる。また、
運転中に電子線照射装置13に不良が生じた場合でも照
射部毎に交換が可能であり、ラインを全停止する必要は
ない。
【0038】本実施の形態においても、電子線照射装置
13の照射管として、第1の実施の形態の照射管3と同
一のものを用いることができる。また、扁平状物Aの高
さが照射管の照射窓の長さよりも高い場合には、第1の
実施形態と同様、複数の照射管を扁平状物の長さ方向に
沿って2列にかつ千鳥状に配置することが好ましいが、
必ずしも同じライン上に電子線が照射されなくてもよ
い。さらに照射管は、扁平状物を片側のみ殺菌する場合
には、片側のみに配置されていてもよい。なお、ここで
は、搬送ラインが3つに分岐する場合について示した
が、分岐数は搬送ラインの速度および電子線照射装置の
照射能力等によって適宜設定すればよい。
【0039】次に、殺菌装置の第3の形態について説明
する。本実施の形態の殺菌装置は、図5に示すように、
複数の扁平状物を連続的に搬送する搬送ライン16と、
搬送ライン16を搬送されてきた複数の扁平状物A をス
トックするストック領域17と、ストックされた複数の
扁平状物に電子線が照射される被照射領域18と、電子
線が照射された複数の扁平状物を搬送ラインに排出する
排出領域19とを備えている。また、被照射領域18に
隣接するように、複数の電子線照射装置20を有する電
子線照射部21を有している。
【0040】ストック領域17、被照射領域18、およ
び排出領域19において、複数の扁平状物は保持部材に
より保持され、ストック領域、被照射領域、および排出
領域の間の扁平状物の移動は、図示しない移動機構によ
り保持部材を移動させることにより行われる。
【0041】このような殺菌装置においては、搬送ライ
ンにより搬送されてきた扁平状物がストック領域におい
て保持部材に順次ストックされ、保持部材に所定数の扁
平状物が搭載された時点で移動機構により保持部材が被
照射領域に移動される。
【0042】被照射領域においては、保持部材22に保
持された複数の扁平状物Aは、電子線照射装置20から
一斉に電子線が照射され、少なくとも表面の殺菌、場合
によってはさらに内部の殺菌が行なわれる。この電子線
を照射する場合、扁平状物の表面全体に均一に電子線を
照射するために保持部材を上下左右に、例えば5cm程
度振動するように動かし、殺菌を行なうこともできる。
【0043】照射終了後、保持部材22は、移動機構に
より排出領域19に移動され、この排出領域19におい
て、保持部材に保持されている複数の扁平状物A が順次
搬送ライン16に戻される。
【0044】なお、保持部材22は、例えば3つ設けら
れており、一つの保持部材22がストック領域17にお
いて扁平状物A を順次ストックする間に、他の一つの保
持部材は被照射領域18に位置しており、そこに保持さ
れている扁平状物に電子線の照射がなされ、さらに他の
保持部材22は排出領域19において扁平状物を順次搬
送ライン16に排出するようになっている。そして、こ
れら各領域での操作が終了した時点で保持部材が一斉に
次の領域(排出領域19にある保持部材22はストック
領域17)へ移動する。
【0045】このようにストック領域17に複数の扁平
状物A をストックし、被照射領域18において電子線照
射装置20からストックされた複数の扁平状物に一斉に
電子線を照射するようにしたので、照射時間による搬送
渋滞をなくすることができ、処理速度を上昇させること
ができる。また、運転中に電子線照射装置に不良が生じ
た場合でも照射部毎または各照射装置毎に交換が可能で
あり、ラインを全停止する必要はない。
【0046】本実施の形態においても、電子線照射装置
20の照射管として、第1の実施の形態の照射管3と同
一のものを用いることができる。また、扁平状物Aの高
さが照射管の照射窓の長さよりも高い場合には、第1の
実施形態と同様、複数の照射管を扁平状物の長さ方向に
沿って2列にかつ千鳥状に配置することが好ましいが、
必ずしも同じライン上に電子線が照射されなくてもよ
い。さらに照射管は、扁平状物を片側のみ殺菌する場合
には、片側のみに配置されていてもよい。
【0047】次に、殺菌装置の第4の態様について説明
する。本実施の形態の殺菌装置は、図6に示すように、
複数の扁平状物A を連続的に搬送する搬送ライン24
と、搬送ラインを搬送されてきた複数の扁平状物A を順
次ストックするストック領域25と、ストック領域の両
側に設けられ、ストック領域にストックされた複数の扁
平状物が順次搬送され、所定数の扁平状物が保持された
時点で電子線が照射される2つの被照射領域26a 、2
6b とを備えている。また、2つの被照射領域26a 、
26b にそれぞれ隣接するように、複数の電子線照射装
置27を有する2つのユニットを持つ電子線照射部28
を有しており、被照射領域の各扁平状物A は、電子線照
射部28の各電子線照射装置29に対応するように配置
される。
【0048】ストック領域25から各被照射領域26a
、26b への扁平状物の移動は、図示しない搬送機構
により個別的に行われ、各被照射領域26a 、26bで
は、それぞれ保持部材29が所定数の扁平状物を保持す
るようになっている。
【0049】このような殺菌装置においては、搬送ライ
ン24により搬送されてきた扁平状物A がストック領域
25に順次ストックされ、このストック領域25の扁平
状物が搬送機構により被照射領域26a 、26b の保持
部材および被照射領域の保持部材29のいずれか空いて
いる方へ順次搬送される。さらに、一方の被照射領域に
扁平状物が搬送されている間、扁平状物が所定数保持さ
れた他方の被照射領域においては、保持部材に保持され
た複数の扁平状物は、電子線照射装置27から一斉に電
子線が照射され、少なくとも表面の殺菌、場合によって
はさらに内部の殺菌が行なわれる。この電子線を照射す
る場合、扁平状物の表面全体に均一に電子線を照射する
ために保持部材を上下左右に、例えば5cm程度振動す
るように動かし、殺菌を行なうこともできる。
【0050】照射終了後、その被照射領域の保持部材か
ら処理終了後の扁平状物が順次搬送ライン24に搬送さ
れ、それと同時に、ストック領域25から搬送機構によ
り未処理の扁平状物が順次その被照射領域に搬送され
る。
【0051】このようにストック領域25に複数の扁平
状物A をストックし、ストックした扁平状物を被照射領
域に順次搬送し、いずれかの被照射領域に所定数の扁平
状物が保持された時点で複数の電子線照射装置27から
複数の扁平状物に一斉に電子線を照射するようにしたの
で、第3の実施の形態と同様、照射時間による搬送渋滞
をなくすることができ、処理速度を上昇させることがで
きる。また、運転中に電子線照射装置27に不良が生じ
た場合でも照射部毎または各照射装置毎に交換が可能で
あり、ラインを全停止する必要はない。
【0052】本実施の形態においても、電子線照射装置
の照射管として、第1の実施の形態の照射管と同一のも
のを用いることができる。また、扁平状物の高さが照射
管の照射窓の長さよりも高い場合には、第1の実施形態
と同様、複数の照射管を扁平状物の長さ方向に沿って2
列にかつ千鳥状に配置することが好ましいが、必ずしも
同じライン上に電子線が照射されなくてもよい。さらに
照射管は、扁平状物を片側のみ殺菌する場合には、片側
のみに配置されていてもよい。
【0053】以上のように、各実施の形態に係る殺菌装
置は、搬送ラインにより連続して搬送される扁平状物に
対し、電子線を照射することにより、殺菌速度が速く、
高速処理が可能であり、処理性、生産性が高く、また、
高温に加熱する必要もないので、エネルギー効率が高
い。また、熱殺菌よりも処理に要する作業面積が少なく
てすむので、大掛かりな装置が不要である。さらに、熱
乾燥や紫外線照射の場合のように基材である扁平状物に
熱がかからないので、扁平状物の劣化、例えば扁平状物
の包装体およびその内容物への悪影響のおそれがなく、
また、冷却、エージング等が不要である。その他、電子
線照射の場合には、電気的作業条件を管理すればよいか
ら、熱殺菌の際の温度管理よりも管理しやすいといった
利点も有している。
【0054】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の
形態では、扁平状物、例えば、郵便物である葉書あるい
は手紙等を想定したが、郵便物に限らず、食品あるいは
包装容器等の扁平状物あるいは(レトルト)パウチのよ
うなものであってもよい。さらに、電子線照射は少なく
とも扁平状物の表面に対して行われればよく、扁平状物
の全面に行う必要はないが、全面に電子線照射すること
もできる。
【0055】電子線照射装置も上述した真空管型のもの
であれば限定されず、ドラムタイプのものも用いること
ができる。ただし、真空管型のものが制御性、処理性ま
たはスペース確保(小さいスペースで済む)の観点から
好ましい。つまり、電子線照射装置の照射管自体に対し
て真空に保つための装置を必要としない装置であれば、
いずれも使用できる。
【0056】Min−EBに代表される真空管型電子線
照射装置は、上述したように、シールドの小型化および
低減化を図ることができ、また低加速電圧であるため電
子線発生部分の小型化が可能となることから、電子線照
射装置の飛躍的な小型化が可能となるため極めて好まし
い。
【0057】さらに、上記実施の形態では、殺菌処理す
る場合について示したが、さらには殺菌と共に塗料ある
いは印刷インキ等を硬化させる場合またはこれらを架橋
させる場合や表面改質させる場合等の他の処理との併用
の場合でも本発明は適用可能である。また、紫外線照射
または加熱処理を併用することもできる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続的に搬送される扁平状物の少なくとも表面の殺菌、
さらには内部を殺菌するに際し、電子線を照射するの
で、従来の熱あるいは紫外線照射による問題点を解決す
ることができる。
【0059】すなわち、電子線照射により殺菌させる場
合には、殺菌の速度が速いため、高速処理が可能であ
り、処理性、生産性が高く、また、高温に加熱する必要
もないのでエネルギー効率が高い。また、電子線照射装
置として真空管型装置を使用しているので、さらには熱
処理よりも要する作業面積が少なくてすむので、大掛か
りな装置が不要である。さらに、熱処理や紫外線照射の
場合のように基材である扁平状物に熱がかからないの
で、扁平状物の劣化のおそれがなく、冷却、エージング
等が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の殺菌装置の実施態様を示す概略平面
図。
【図2】本発明の殺菌装置に用いられる電子線照射装置
の照射管の構造を示す図。
【図3】電子線照射装置の照射管の配列の例を示す図。
【図4】本発明の殺菌装置の別の実施態様を示す概略平
面図。
【図5】本発明の殺菌装置の別の実施態様を示す概略平
面図。
【図6】本発明の殺菌装置の別の実施態様を示す概略平
面図。
【符号の説明】
A ー扁平状物 1,11,16,24−搬送ライン 4,13,20,27−電子線照射装置 2a 、14a 、21a ー支持部 3,15,23−照射管 2,14,21,28−電子線照射ユニット(電子線照
射部) 5,12a 、12b 、12c 、18、26a 、26b ー
被照射領域 17、25−ストック領域 22、29−保持部材 19−排出領域 6−真空管(チューブ) 7−電子線発生部 8−電子線射出部 9−ピン部 10−照射窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C058 AA16 AA23 AA25 AA26 BB06 CC04 EE22 EE23 KK03 KK22 KK44

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の扁平状物を連続的に搬送し、搬送さ
    れている扁平状物に、電子線照射装置によって電子線を
    照射して少なくとも扁平状物の表面を殺菌または滅菌す
    ることを特徴とする扁平状物の殺菌方法。
  2. 【請求項2】電子線照射装置が真空管型電子線照射装置
    であることを特徴とする請求項1記載の扁平状物の殺菌
    方法。
  3. 【請求項3】電子線照射装置の電子線の加速電圧が10
    0kV以下であることを特徴とする請求項1または2記載
    の扁平状物の殺菌方法。
  4. 【請求項4】扁平状物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、搬送中の扁平状物に電子線を照射する電子線照射装
    置を有する電子線照射部とを具備し電子線の照射により
    少なくとも扁平状物の表面を殺菌または滅菌させること
    を特徴とする扁平状物の殺菌装置。
  5. 【請求項5】電子線照射装置が真空管型電子線照射装置
    であることを特徴とする請求項4記載の扁平状物の殺菌
    装置。
  6. 【請求項6】電子線照射装置の電子線の加速電圧が10
    0kV以下であることを特徴とする請求項4または5記載
    の扁平状物の殺菌装置。
  7. 【請求項7】扁平状物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、該搬送ラインに、搬送中の扁平状物の面の中で面積
    の大きい平面状面の両面に面する位置に2つの電子線照
    射装置を設けてなることを特徴とする請求項4ないし請
    求項6のいずれか1項に記載の扁平状物の殺菌装置。
  8. 【請求項8】前記電子線照射装置は、前記扁平状物の長
    さに対応して複数の電子線照射管が配列して構成されて
    いることを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれ
    か1項に記載の扁平状物の殺菌装置。
  9. 【請求項9】前記電子線照射装置の照射部と前記扁平状
    物との間に前記扁平状物の長さ方向に沿った相対移動が
    生じることが可能であることを特徴とする請求項4ない
    し請求項7のいずれか1項に記載の扁平状物の殺菌装
    置。
  10. 【請求項10】前記電子線照射装置は、前記扁平状物の
    搬送方向に沿って複数の電子線照射管が配列して構成さ
    れていることを特徴とする請求項4ないし請求項7のい
    ずれか1項に記載の扁平状物の殺菌装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011001108A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Japan Ae Power Systems Corp 電子線照射型無菌真空充填方法及びその装置
US7898160B2 (en) 2003-11-25 2011-03-01 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Method and apparatus for modifying object with electrons generated from cold cathode electron emitter
JP2016153315A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 大日本印刷株式会社 無菌充填方法及び装置

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