JP2003171674A - ガス化装置 - Google Patents

ガス化装置

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JP2003171674A
JP2003171674A JP2001369176A JP2001369176A JP2003171674A JP 2003171674 A JP2003171674 A JP 2003171674A JP 2001369176 A JP2001369176 A JP 2001369176A JP 2001369176 A JP2001369176 A JP 2001369176A JP 2003171674 A JP2003171674 A JP 2003171674A
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chamber
combustion chamber
gas
char combustion
gasification
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JP2001369176A
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English (en)
Inventor
Koji Narukawa
公史 成川
Shugo Hosoda
修吾 細田
Tatsuo Tokutome
達夫 徳留
Katsuyuki Aoki
克行 青木
Shinji Sekikawa
真司 関川
Yutaka Hashimoto
裕 橋本
Tatsuya Hasegawa
竜也 長谷川
Fumiaki Morozumi
文明 両角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Ebara Corp
Chubu Electric Power Co Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]
    • Y02E20/18Integrated gasification combined cycle [IGCC], e.g. combined with carbon capture and storage [CCS]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子を可燃ガスから分離する際に、粒子取扱
い上のトラブルが生じにくく、系全体の効率が低下せ
ず、液状物質が析出しないガス化装置を提供する。 【解決手段】流動媒体により流動床内で石炭aをガス化
するガス化室2と、ガス化室で発生するチャーを流動床
内で燃焼させ、流動媒体を加熱するチャー燃焼室3と、
ガス化室内に設置され、ガス化したガスbと該ガス中の
粒子cとを分離する分離装置31と、粒子の分離された
ガスを、発電用ガスタービン55に供給するガス供給口
36とを備え、ガス化室とチャー燃焼室とは一体に構成
され、各々の流動床の上方でガスの流通がないように第
1仕切壁15により仕切られ、第1仕切壁の下部に第1
開口部25が設けられ、第1開口部を通じて、チャー燃
焼室側からガス化室側へ加熱された流動媒体を移動さ
せ、分離装置は粒子排出管33を有し、粒子排出管の排
出口34が、チャー燃焼室に開口しているガス化装置1
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭をガス化し、
ガス化したガスから粒子を分離する粒子分離装置を備え
るガス化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、従来の統合型ガス化
炉301は、それぞれ流動媒体により流動床の形成され
たガス化室302と、チャー燃焼室303と、ガス化室
302とチャー燃焼室303との間にある沈降チャー燃
焼室305とを含んで構成されていた。ガス化室302
には、石炭aが投入され、投入された石炭aは、流動媒
体の顕熱によりガス化され、ガス化された可燃ガスb
は、可燃ガスbを利用する後段の発電用ガスタービン
(図4に不図示)に送られていた。
【0003】チャーおよび流動媒体は、ガス化室302
からチャー燃焼室303に送られ、チャー燃焼室303
でチャーが燃焼され、チャーの燃焼により流動媒体に顕
熱が与えられる。顕熱が与えられた流動媒体は高温とな
り、沈降チャー燃焼室305を経てガス化室302に戻
される。高温の流動媒体によりガス化室302でさらに
石炭aのガス化が行われる。
【0004】ガス化室302を出た可燃ガスbは、配管
306を介してサイクロンセパレータ305に送られ、
サイクロンセパレータ305により粒子cが分離され
る。分離された粒子cは配管307を介してチャー燃焼
室303に戻されチャー中可燃分等が燃焼されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような統合型ガ
ス化炉301では、一度炉外に排出したガス流れ中から
サイクロンセパレータ305で粒子cを分離し、分離し
た粒子cをチャー燃焼室303内に戻している。このた
めには、粒子cを移送する炉外の配管306、307が
必要となり、粒子cの取扱い上のトラブルを避けるため
特別の工夫が必要となる。また、粒子cが高温であり、
その熱を利用するプロセスであるので、一度炉外に排出
されることにより、熱がサイクロンセパレータ305、
および外部配管306、307から放出され粒子cの放
熱損失が増大し、系全体の効率が低下する。温度が低下
すると析出するタール分等の液状物質がある場合におい
ては、その影響によりさらに取扱い上のトラブル要因が
増加する。
【0006】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、粒子を反応ガスから分離する際に、粒子の取扱い上
のトラブルが生じにくく、系全体の効率が低下すること
がなく、液状物質が析出することのないガス化装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明によるガス化装置1は、例えば
図1、図3に示すように、発電用ガスタービンにガスを
供給するガス化装置において;高温の流動媒体を内部で
流動させ、界面を有するガス化室流動床を形成し、前記
ガス化室流動床内で石炭aを加圧下でガス化するガス化
室2と;流動媒体を内部で流動させ、界面を有するチャ
ー燃焼室流動床を形成し、ガス化室2でのガス化に伴い
発生するチャーを前記チャー燃焼室流動床内で燃焼させ
前記流動媒体を加圧下で加熱するチャー燃焼室3と;ガ
ス化室2内に設置され、ガス化室2で発生したガスbと
該ガスb中の粒子cとを分離する分離装置31と;分離
装置31によって粒子cの分離されたガスbを、発電機
57を駆動するガスタービン55に供給するガス供給口
36とを備え;ガス化室2とチャー燃焼室3とは一体に
構成されており;ガス化室2とチャー燃焼室3とは、前
記それぞれの流動床の界面より鉛直方向上方においては
ガスの流通がないように第1の仕切壁15により仕切ら
れ;第1の仕切壁15の下部にはガス化室2とチャー燃
焼室3とを連通する第1の開口部25が設けられてお
り、第1の開口部25を通じて、チャー燃焼室3側から
ガス化室2側へチャー燃焼室3で加熱された流動媒体を
移動させるように構成され;分離装置31は分離された
粒子cを導く粒子排出管33を有し、粒子排出管33の
排出口34が、チャー燃焼室3に開口している。
【0008】このように構成すると、ガス化室2の内部
に設置された分離装置31を備え、ガス化室2で発生し
たガスbと該ガスb中の粒子cとを分離し、分離された
粒子cを、粒子排出管33に導かれ排出口34からチャ
ー燃焼室3に導入し、粒子cが分離されたガスbをガス
供給口36から、発電機57を駆動するガスタービン5
5に供給することができる。また、ガス化室2とチャー
燃焼室3とは一体に構成されているので、分離した粒子
cをガス化室2からチャー燃焼室3へ直接搬送すること
ができ、ガス化室2とチャー燃焼室3の外部に粒子cお
よびガスbを一旦外部配管内を通して排出し、外部に配
置されたサイクロンセパレータにより粒子cを分離した
後に外部配管内を通してチャー燃焼室3へ戻す必要がな
い。よって、分離された粒子cの取扱い上のトラブルが
起こりにくく、温度低下が起こらず、温度低下による系
全体の効率の低下、トラブルの発生を避けることができ
る。
【0009】請求項2に係る発明によるガス化装置1
は、例えば図1に示すように、請求項1に記載のガス化
装置において、分離装置31は、サイクロン式分離装置
31である。分離装置がサイクロン式分離装置31であ
るので、広い温度範囲のガスから粒子を分離することが
できる。また、粒子・ガス分離装置の構造を単純にする
ことができ、目づまりの起こりにくい分離装置とするこ
とができる。
【0010】請求項3に係る発明によるガス化装置1
は、例えば図1に示すように、請求項1または請求項2
に記載のガス化装置1において、さらに、ガス化室2と
チャー燃焼室3とは、前記それぞれの流動床の界面より
鉛直方向上方においてはガスbの流通がないように第2
の仕切壁11により仕切られ;第2の仕切壁11の下部
にはガス化室2とチャー燃焼室3とを連通する第2の開
口部21が設けられており、第2の開口部21を通じ
て、ガス化室2側からチャー燃焼室3側へ流動媒体を移
動させるように構成される。
【0011】このように構成すると、第2の開口部21
を通じて、ガス化室2側からチャー燃焼室3側へ流動媒
体が移動するので、ガス化室2でチャーが発生すると
き、そのチャーは流動媒体と共にチャー燃焼室3に移動
し、またガス化室2とチャー燃焼室3間の流動媒体のマ
スバランスが保たれる。
【0012】請求項4に係る発明によるガス化装置1
は、例えば図1に示すように、請求項1乃至請求項3の
いずれか1項に記載のガス化装置1において、ガス化室
2及びチャー燃焼室3と一体に構成された熱回収室4を
備え;ガス化室2と熱回収室4とは、直接的なガスの流
通がないように仕切るか、または互いに接しないように
配置する。
【0013】このように構成すると、ガス化室2で生成
したガスbと熱回収室4中の燃焼ガスuとの混合をほと
んど起こさずに熱回収ができる。また、熱回収室4を備
えるので、石炭aの種類によっては、ガス化室2で発生
するチャーの量とチャー燃焼室3で流動媒体の加熱に必
要とされるチャーの量のバランスが崩れることがある
が、その差は、熱回収室4での熱回収量を加減すること
により調整することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
ガス化装置としての統合型ガス化炉1について、図1を
参照して説明する。なお、各図において互いに同一ある
いは相当する部材には同一符号または類似符号を付し、
重複した説明は省略する。
【0015】図1は、本発明のうちのガス化炉部分の基
本的な構成を模式的に表現したものである。図に示す統
合型ガス化炉1は、熱分解即ちガス化、チャー燃焼、熱
回収の3つの機能をそれぞれ担当するガス化室2、チャ
ー燃焼室3、熱回収室4を備え、例えば全体が円筒形又
は矩形を成した炉体内に収納されている。チャー燃焼室
3は、ガス化室2に隣接して一体に形成されている。
【0016】ガス化室2、チャー燃焼室3、熱回収室4
は仕切壁11、12、13、14、15で分割されてお
り、それぞれの底部に流動媒体を含む濃厚層である流動
床が形成される。各室2、3、4の流動床、即ちガス化
室流動床、チャー燃焼室流動床、熱回収室流動床の流動
媒体を流動させるために、各室2、3、4の底である炉
底には、流動媒体中に流動化ガスを吹き込む散気装置が
設けられている。散気装置は炉底部に敷かれた例えば多
孔板を含んで構成され、該多孔板を広さ方向に分割して
複数の部屋に分割されており、各室内の各部の空塔速度
を変えるために、散気装置の各部屋から多孔板を通して
吹き出す流動化ガスの流速を変化させるように構成して
いる。空塔速度が室の各部で相対的に異なるので各室
2、3、4内の流動媒体も室2、3、4の各部で流動状
態が異なり、そのため内部旋回流が形成される。図中、
散気装置に示す白抜き矢印の大きさは、吹き出される流
動化ガスの流速を示している。例えば3bで示す箇所の
太い矢印は、3aで示す箇所の細い矢印よりも流速が大
きい。
【0017】ガス化室2とチャー燃焼室3の間は第2の
仕切壁としての仕切壁11で仕切られ、チャー燃焼室3
と熱回収室4の間は仕切壁12で仕切られ、ガス化室2
と熱回収室4の間は仕切壁13で仕切られている(なお
本図は、円筒形の炉を平面的に展開して図示しているた
め、仕切壁11はガス化室2とチャー燃焼室3の間には
ないかのように示されている)。即ち、別々の炉として
構成されておらず、一つの炉として一体に構成されてい
る。更に、チャー燃焼室3のガス化室2と接する面の近
傍には、流動媒体が下降するべく沈降チャー燃焼室5を
設ける。即ち、チャー燃焼室3は沈降チャー燃焼室5
と、沈降チャー燃焼室5以外のチャー燃焼室本体部とに
分かれる。このため、沈降チャー燃焼室5をチャー燃焼
室の他の部分(チャー燃焼室本体部)と仕切るための仕
切壁14が設けられている。沈降チャー燃焼室5とチャ
ー燃焼室の他の部分(チャー燃焼室本体部)とは、同じ
加圧力下にある。また沈降チャー燃焼室5とガス化室2
は、第1の仕切壁としての仕切壁15で仕切られてい
る。
【0018】ここで、流動床と界面について説明する。
流動床は、その鉛直方向下方部にある、流動化ガスによ
り流動状態に置かれている流動媒体(例えば珪砂)を濃
厚に含む濃厚層と、その濃厚層の鉛直方向上方部にある
流動媒体と多量のガスが共存し、流動媒体が勢いよくは
ねあがっているスプラッシュゾーンとからなる。流動床
の上方即ちスプラッシュゾーンの上方には流動媒体をほ
とんど含まずガスを主体とするフリーボード部がある。
本発明でいう界面は、ある厚さをもった前記スプラッシ
ュゾーンをいうが、またスプラッシュゾーンの上面と下
面(濃厚層の上面)との中間にある仮想的な面ととらえ
てもよい。
【0019】また「流動床の界面より鉛直方向上方にお
いてはガスの流通がないように仕切壁により仕切られ」
というとき、さらに界面より下方の濃厚層の上面より上
方においてガスの流通がないようにするのが好ましい。
【0020】ガス化室2とチャー燃焼室3の間の仕切壁
11は、炉の天井19から炉底(散気装置の多孔板)に
向かってほぼ全面的に仕切っているが、下端は炉底に接
することはなく、炉底近傍に第2の開口部としての開口
部21が形成されている。但しこの開口部21の上端
が、ガス化室流動床界面、チャー燃焼室流動床界面のい
ずれの界面よりも上方にまで達することはない。さらに
好ましくは、開口部21の上端が、ガス化室流動床の濃
厚層の上面、チャー燃焼室流動床の濃厚層の上面のいず
れよりも上方にまで達することはないようにする。言い
換えれば、開口部21は、常に濃厚層に潜っているよう
に構成するのが好ましい。即ち、ガス化室2とチャー燃
焼室3とは、少なくともフリーボード部においては、さ
らに言えば界面より上方においては、さらに好ましくは
濃厚層の上面より上方ではガスの流通がないように仕切
壁11により仕切られていることになる。
【0021】またチャー燃焼室3と熱回収室4の間の仕
切壁12はその上端が界面近傍、即ち濃厚層の上面より
は上方であるが、スプラッシュゾーンの上面よりは下方
に位置しており、仕切壁12の下端は炉底近傍までであ
り、仕切壁11と同様に下端が炉底に接することはな
く、炉底近傍に濃厚層の上面より上方に達することのな
い開口部22が形成されている。
【0022】ガス化室2と熱回収室4の間の仕切壁13
は炉底から炉の天井19にわたって完全に仕切ってい
る。沈降チャー燃焼室5を設けるべくチャー燃焼室3内
を仕切る仕切壁14の上端は流動床の界面近傍で、下端
は炉底に接している。仕切壁14の上端と流動床との関
係は、仕切壁12と流動床との関係と同様である。沈降
チャー燃焼室5とガス化室2を仕切る仕切壁15は、仕
切壁11と同様であり、炉の天井19から炉底に向かっ
てほぼ全面的に仕切っており、下端は炉底に接すること
はなく、炉底近傍に第1の開口部としての開口部25が
形成され、この開口の上端が濃厚層の上面より下にあ
る。即ち、開口部25と流動床の関係は、開口部21と
流動床の関係と同様である。
【0023】ガス化室2に投入された石炭aは流動媒体
から熱を受け、加圧下で熱分解、ガス化される。典型的
には、石炭aはガス化室2では燃焼せず、いわゆる乾留
される。残った乾溜チャーは流動媒体と共に仕切壁11
の下部にある開口部21からチャー燃焼室3に流入す
る。このようにしてガス化室2から導入されたチャーは
チャー燃焼室3で加圧下で燃焼して流動媒体を加熱す
る。チャー燃焼室3でチャーの燃焼熱によって加熱され
た流動媒体は仕切壁12の上端を越えて加圧下の熱回収
室4に流入し、熱回収室4内で界面よりも下方にあるよ
うに配設された層内伝熱管41で収熱され、冷却された
後、再び仕切壁12の下部の開口部22を通ってチャー
燃焼室3に流入する。なお、加圧下とは、大気圧よりも
高い圧力下であることを意味する。
【0024】ここで、熱回収室4は本発明のガス化装置
に必須ではない。即ち、ガス化室2で主として揮発成分
がガス化した後に残る主としてカーボンからなるチャー
の量と、チャー燃焼室3で流動媒体を加熱するのに必要
とされるチャーの量がほぼ等しければ、流動媒体から熱
を奪うことになる熱回収室4は不要である。また前記チ
ャーの量の差が小さければ、例えば、ガス化室2でのガ
ス化温度が高目になり、ガス化室2で発生するCOガス
の量が増えるという形で、バランス状態が保たれる。
【0025】しかしながら図に示すように熱回収室4を
備える場合は、熱回収室4における熱回収量を加減する
ことにより、チャー燃焼室3の燃焼温度を適切に調節
し、流動媒体の温度を適切に保つことができる。
【0026】一方チャー燃焼室3で加熱された流動媒体
は仕切壁14の上端を越えて沈降チャー燃焼室5に流入
し、次いで仕切壁15の下部にある開口部25からガス
化室2に流入する。
【0027】ここで、各室間の流動媒体の流動状態及び
移動について説明する。ガス化室2の内部で沈降チャー
燃焼室5との間の仕切壁15に接する面の近傍は、沈降
チャー燃焼室5の流動化と比べて強い流動化状態が維持
される強流動化域2bになっている。全体としては投入
された石炭aと流動媒体の混合拡散が促進される様に、
場所によって流動化ガスの空塔速度を変化させるのが良
く、一例として図に示したように強流動化域2bの他に
弱流動化域2aを設けて旋回流を形成させるようにす
る。
【0028】チャー燃焼室3は中央部に弱流動化域3
a、周辺部に強流動化域3bを有し、流動媒体およびチ
ャーが内部旋回流を形成している。ガス化室2、チャー
燃焼室3内の強流動化域2b、3bの流動化速度は5Um
f以上、弱流動化域2a、3aの流動化速度は5Umf以下
とするのが好適であるが、弱流動化域2a、3aと強流
動化域2b、3bに相対的な明確な差を設ければ、この
範囲を超えても特に差し支えはない。チャー燃焼室3内
の熱回収室4、および沈降チャー燃焼室5に接する部分
には強流動化域3bを配するようにするのがよい。また
必要に応じて炉底には弱流動化域2a、3a側から強流
動化域2b、3b側に下るような勾配を設けるのが良い
(不図示)。ここで、Umfとは最低流動化速度(流動化
が開始される速度)を1Umfとした単位である。即ち、
5Umfは最低流動化速度の5倍の速度である。
【0029】このように、チャー燃焼室3と熱回収室4
との仕切壁12近傍のチャー燃焼室3側の流動化状態を
熱回収室4側の流動化状態よりも相対的に強い流動化状
態に保つことによって、流動媒体は仕切壁12の流動床
の界面近傍にある上端を越えてチャー燃焼室3側から熱
回収室4の側に流入し、流入した流動媒体は熱回収室4
内の相対的に弱い流動化状態即ち高密度状態のために下
方(炉底方向)に移動し、仕切壁12の炉底近傍にある
下端(の開口部22)をくぐって熱回収室4側からチャ
ー燃焼室3の側に移動する。
【0030】同様に、チャー燃焼室3の本体部と沈降チ
ャー燃焼室5との仕切壁14近傍のチャー燃焼室本体部
側の流動化状態を沈降チャー燃焼室5側の流動化状態よ
りも相対的に強い流動化状態に保つことによって、流動
媒体は仕切壁14の流動床の界面近傍にある上端を越え
てチャー燃焼室3本体部の側から沈降チャー燃焼室5の
側に移動流入する。沈降チャー燃焼室5の側に流入した
流動媒体は、沈降チャー燃焼室5内の相対的に弱い流動
化状態即ち高密度状態のために下方(炉底方向)に移動
し、仕切壁15の炉底近傍にある下端(の開口部25)
をくぐって沈降チャー燃焼室5側からガス化室2側に移
動する。なおここで、ガス化室2と沈降チャー燃焼室5
との仕切壁15近傍のガス化室2側の流動化状態は沈降
チャー燃焼室5側の流動化状態よりも相対的に強い流動
化状態に保たれている。このことは流動媒体の沈降チャ
ー燃焼室5からガス化室2への移動を誘引作用により助
ける。
【0031】同様に、ガス化室2とチャー燃焼室3との
間の仕切壁11近傍のチャー燃焼室3側の流動化状態は
ガス化室2側の流動化状態よりも相対的に強い流動化状
態に保たれている。したがって、流動媒体は仕切壁11
の流動床の界面より下方、好ましくは濃厚層の上面より
も下方にある(濃厚層に潜った)開口部21を通してチ
ャー燃焼室3の側に流入する。
【0032】チャー燃焼室3と熱回収室4とは、上端が
界面の高さ近傍にあり下端が濃厚層に潜った仕切壁12
で仕切られており、仕切壁12近傍のチャー燃焼室3側
の流動化状態が、仕切壁12近傍の熱回収室4側の流動
化状態よりも強く保たれている。したがって、流動媒体
は仕切壁12の上端を越えてチャー燃焼室3側から熱回
収室4側に流入移動し、また仕切壁12の下端をくぐっ
て熱回収室4側からチャー燃焼室3側に移動する。
【0033】また、チャー燃焼室3とガス化室2とは、
下端が濃厚層に潜った仕切壁15により仕切られてお
り、仕切壁15のチャー燃焼室3側には、上端が界面の
高さ近傍にある仕切壁14と仕切壁15を含む仕切壁で
画成された沈降チャー燃焼室5が設けられ、仕切壁14
近傍のチャー燃焼室3本体部側の流動化状態が、仕切壁
14近傍の沈降チャー燃焼室5側の流動化状態よりも強
く保たれている。したがって、流動媒体は仕切壁14の
上端を越えてチャー燃焼室3の本体部側から沈降チャー
燃焼室5側に流入移動する。このように構成することに
より沈降チャー燃焼室5に流入した流動媒体は少なくと
もマスバランスを保つように、仕切壁15の下端(開口
部25)をくぐって沈降チャー燃焼室5からガス化室2
に移動する。このとき、仕切壁15近傍のガス化室2側
の流動化状態が、仕切壁15近傍の沈降チャー燃焼室5
側の流動化状態よりも強く保たれていれば、誘引作用に
より流動媒体の移動が促進される。
【0034】さらにガス化室2とチャー燃焼室3本体部
とは、下端が濃厚層に潜った第2の仕切壁11で仕切ら
れている。沈降チャー燃焼室5からガス化室2に移動し
てきた流動媒体は、さきのマスバランスを保つように仕
切壁11の下端をくぐってチャー燃焼室3に移動する
が、このとき、仕切壁11近傍のチャー燃焼室3側の流
動化状態が、仕切壁11近傍のガス化室2側の流動化状
態よりも強く保たれていれば、さきのマスバランスを保
つようにだけではなく、強い流動化状態により流動媒体
はチャー燃焼室3側に誘引され移動する。
【0035】熱回収室4は全体が均等に流動化され、通
常は最大でも熱回収室4に接したチャー燃焼室3の流動
化状態より弱い流動化状態となるように維持される。し
たがって、熱回収室4の流動化ガスの空塔速度は0〜3
Umfの間で制御され、流動媒体は緩やかに流動しながら
沈降流動層を形成する。なおここで0Umfとは、流動化
ガスが止まった状態である。このような状態にすれば、
熱回収室4での熱回収を最小にすることができる。すな
わち、熱回収室4は流動媒体の流動化状態を変化させる
ことによって回収熱量を最大から最小の範囲で任意に調
節することができる。また、熱回収室4では、流動化を
室全体で一様に発停あるいは強弱を調節してもよいが、
その一部の領域の流動化を停止し他を流動化状態に置く
こともできるし、その一部の領域の流動化状態の強弱を
調節してもよい。
【0036】ガス化室2の流動化ガスとして最も好まし
いのは可燃ガスbを昇圧してリサイクル使用することで
ある。このようにすればガス化室2から出るガスは純粋
に石炭aから発生したガスのみとなり、非常に高品質の
ガスを得ることができる。それが不可能な場合は水蒸気
等、できるだけ酸素を含まないガス(無酸素ガス)を用
いるのが良い。ガス化の際の吸熱反応によって流動媒体
の層温が低下する場合は、必要に応じて無酸素ガスに加
えて、酸素もしくは酸素を含むガス、例えば空気を供給
して可燃ガスbの一部を燃焼させるようにしても良い。
チャー燃焼室3に供給する流動化ガスは、チャー燃焼に
必要な酸素を含むガス、例えば空気、酸素と蒸気の混合
ガスを供給する。また熱回収室4に供給する流動化ガス
は、空気、水蒸気、燃焼排ガス等を用いる。
【0037】ガス化室2とチャー燃焼室3の流動床の上
面(スプラッシュゾーンの上面)より上方の部分すなわ
ちフリーボード部は完全に仕切壁11、15で仕切られ
ている。さらに言えば、流動床の濃厚層の上面より上方
の部分すなわちスプラッシュゾーン及びフリーボード部
は完全に仕切壁11、15で仕切られているので、チャ
ー燃焼室3とガス化室2のそれぞれの圧力P1,P2のバラ
ンスが多少乱れても、双方の流動層の界面の位置の差、
あるいは濃厚層の上面の位置の差、即ち層高差が多少変
化するだけで乱れを吸収することができる。即ち、ガス
化室2とチャー燃焼室3とは、仕切壁11、15で仕切
られているので、それぞれの室の圧力P1,P2が変動して
も、この圧力差は層高差で吸収でき、どちらかの層が開
口部21、25の上端に下降するまで吸収可能である。
従って、層高差で吸収できるチャー燃焼室3とガス化室
2のフリーボードの圧力差の上限値は、互いを仕切る仕
切壁11、15の下部の開口部21、25の上端から
の、ガス化室流動床のヘッドと、チャー燃焼室流動床の
ヘッドとのヘッド差にほぼ等しい。
【0038】以上説明した実施の形態の統合型ガス化炉
1では、一つの流動床炉の内部に、ガス化室2、チャー
燃焼室3、熱回収室4の3つを、それぞれ隔壁を介して
設け、更にチャー燃焼室3とガス化室2、チャー燃焼室
3と熱回収室4はそれぞれ隣接して設けられている。こ
の統合型ガス化炉1は2塔循環方式の炉と違って、チャ
ー燃焼室3とガス化室2間に大量の流動媒体循環を可能
にしているので、流動媒体の顕熱だけでガス化のための
熱量を充分に供給でき、改良型加圧流動床炉を用いた発
電システムの原則である「できるだけ少量の、且つ発熱
量の高い可燃ガスを得る」ことが最も容易に実現でき
る。
【0039】さらに本発明の実施の形態では、チャー燃
焼室3で発生する燃焼ガスuとガス化室2で発生する可
燃ガスbの間のシールが完全にされるので、ガス化室2
とチャー燃焼室3の圧力バランス制御がうまくなされ、
燃焼ガスuと可燃ガスbが混ざることがなく、可燃ガス
bの性状を低下させることもない。
【0040】また、熱媒体としての流動媒体とチャーは
ガス化室2側からチャー燃焼室3側に流入するようにな
っており、さらに同量の流動媒体がチャー燃焼室3側か
らガス化室2側に戻るように構成されているので、自然
にマスバランスがとれ、流動媒体をチャー燃焼室3側か
らガス化室2側に戻すために、コンベヤ等を用いて機械
的に搬送する必要もなく、高温粒子のハンドリングの困
難さ、顕熱ロスが多いといった問題もない。
【0041】以上説明したように、本発明の実施の形態
では、図1に示すように、1つの流動床炉内に、石炭a
の熱分解・ガス化、チャー燃焼、及び層内熱回収の3つ
の機能を共存させ、チャー燃焼室3内の高温流動媒体を
熱分解・ガス化の熱源供給の熱媒体としてガス化室2に
供給する統合型ガス化炉1において、前記ガス化室2と
熱回収室4は互いに接しないように配置するか、もしく
は仕切壁13によって炉底から天井19にわたって完全
に仕切るかし、且つガス化室2とチャー燃焼室3は流動
床の界面より上方においては完全に仕切壁15で仕切
り、該仕切壁15近傍のガス化室2側の流動化状態の強
さとチャー燃焼室3側の流動化状態の強さとの相対的な
関係を所定の関係に保つことによって、当該仕切壁15
の炉底近傍に設けた開口部25を通じて、チャー燃焼室
3側からガス化室2側へ流動媒体を移動させるように構
成されている。また、ガス化室2側からチャー燃焼室3
側へチャーを含んだ流動媒体を開口部21を通じて移動
させるように構成されている。
【0042】この実施の形態によれば、ガス化室2とチ
ャー燃焼室3は流動床の界面より上方においては完全に
仕切壁15で仕切られているので、それぞれの室のガス
圧力が変動しても圧力バランスが崩れて燃焼ガスuと可
燃ガスbが混ざるという問題を生じない。このため、ガ
ス化室2とチャー燃焼室3の間に特別な圧力バランス制
御を必要としない。そして、該仕切壁15近傍のガス化
室2側の流動化状態とチャー燃焼室3側の流動化状態の
強弱を所定の状態に保つことによって、当該仕切壁15
の炉底近傍に設けた開口部25を通じて、チャー燃焼室
3側からガス化室2側へ安定に流動媒体を大量に移動さ
せることが出来る。このため、チャー燃焼室3側からガ
ス化室2側への流動媒体の移動に機械的な高温粒子のハ
ンドリング手段を必要としない。また、前記ガス化室2
の流動化ガスとしては無酸素ガスを用いるが、このいわ
ゆる無酸素ガスとしては水蒸気等の全く酸素を含まない
ガスを用いるようにしてもよい。
【0043】統合型ガス化炉1は、可燃ガスbの流れが
内部に形成されるガス化室2の内部に、粒子・ガス分離
装置としての、あるいはサイクロン式分離装置としての
サイクロンセパレータ31を備える。サイクロンセパレ
ータ31は、ガス化室2で生成した可燃ガスbを導入す
る入り口部32と、可燃ガスbに同伴し、サイクロンセ
パレータ31で分離された粒子cを導く粒子排出管とし
ての粒子排出配管33と、粒子排出配管33の先端に位
置し粒子cを排出する粒子排出口34と、粒子cが分離
された可燃ガスbを排出するガス排出口35とを備え
る。
【0044】図2に示すように、入り口部32からサイ
クロンセパレータ31に入った可燃ガスbは旋回流を形
成し、粒子cは遠心力によりサイクロンセパレータ31
の内壁31Aに向かい内壁31Aを伝って旋回しながら
落下し、サイクロンセパレータ31の図2(B)中下部
に取り付けられた粒子排出配管33から排出される。粒
子cの分離された可燃ガスbは、サイクロンセパレータ
31の図2(B)中上部に形成されたガス排出口35か
ら排出される。
【0045】図1に戻って説明を続ける。統合型ガス化
炉1は、天井19のガス化室2の部分に形成されたガス
供給口としての可燃ガスガス供給口36を備え、サイク
ロンセパレータ31のガス排出口35が、配管37によ
り可燃ガス供給口36に接続されている。粒子排出配管
33は、ガス化室2を出てチャー燃焼室3に入り込むよ
うに構成され、粒子排出口34は、チャー燃焼室3の流
動床界面の上側に位置するよう構成されている。分離さ
れた粒子cは、ガス化室2から粒子排出配管33を介し
てチャー燃焼室3に直接導入される。
【0046】よって、ガス化室2の可燃ガス供給口36
からは、チャー等の粒子cが除去された可燃ガスbが排
出され、後述の発電機57(図3参照)を駆動するガス
タービン55(図3参照)に供給される。ガス化室2で
生成された可燃ガスbから、サイクロンセパレータ31
によって分離された粒子cは、チャー燃焼室3に送ら
れ、チャー中可燃分等が燃焼される。
【0047】本実施の形態では、サイクロンセパレータ
31をガス化室2内に配置したので、サイクロンセパレ
ータを炉外に配置した場合に発生する、サイクロンセパ
レータ31からの外気への放熱がなく、サイクロンセパ
レータへ可燃ガスを導く外部配管、サイクロンセパレー
タからガス化室に分離した粒子を導く外部配管が不要と
なるので、放熱損失を減少させることができる。また、
可燃ガスからの粒子の分離のために、可燃ガスおよび粒
子を、温度が低下する外部配管を通す必要がないので、
温度が低下すると析出するタール分等の液状物質がある
場合においては、温度低下によるトラブル要因を排除で
きる。
【0048】図3は、本発明の実施の形態に係る統合型
ガス化炉1を複合サイクル発電システムに利用した場合
を示す。
【0049】本発明の統合型ガス化炉1が圧力容器50
の中に配され、加圧下で運転される。統合型ガス化炉1
の外壁が圧力容器を兼ねた一体構造であっても良い。ガ
ス化室2で発生した可燃ガスbは、ガス化室2内のサイ
クロンセパレータ31によって粒子cが分離された後、
集塵装置63によって灰分が分離された燃焼ガスuと共
に、助燃室としてのトッピングコンバスタ53に導かれ
て燃焼し高温ガスrとなる。集塵装置63は、サイクロ
ンセパレータ31と同じ構造であってもよい。高温ガス
rはガスタービン55に供給される。ガスタービン55
は、通常の燃焼ガスタービンの出力タービン部と同様の
装置であり、パワーリカバリータービンとも呼ばれるも
のである。
【0050】図に示す、加圧流動床炉による発電システ
ムは、まず加圧下のガス化室2で石炭aをガス化し、発
生した未燃カーボン(いわゆるチャー)を加圧下のチャ
ー燃焼室3で燃焼するが、このチャー燃焼室3から出た
燃焼ガスuを集塵装置63で灰分を分離し、ガス化室2
で生成された可燃ガスbをガス化室2内のサイクロンセ
パレータ31で粒子cを分離した後、トッピングコンバ
スタ53で混合燃焼させて高温ガスrを得て、ガスター
ビン55を駆動する。サイクロンセパレータ31で除去
された粒子cは、ガス化室2からチャー燃焼室3の流動
床界面の上側に導かれ、チャー中可燃分が燃焼される。
【0051】この加圧流動床炉による発電システムにお
いて重要なことは、如何にガスタービン55への流入ガ
スの温度をガスタービン55側で決まる許容最高温度ま
で高められるかであるが、これを制約する条件として最
も大きいものがガス化室2で生成した可燃ガスbのクリ
ーニングである。ここでクリーニングとは、例えば脱硫
である。脱硫は例えばガスタービン55のタービン翼の
保護のために必要である。
【0052】可燃ガスbのクリーニングは還元雰囲気で
の脱硫反応の最適温度の関係上、通常450℃程度まで
冷却する必要がある。これに対して、ガスタービン55
の入り口ガス温度は高いほど反応効率が高まるので、で
きるだけ高温にすべきである。現状ではガスタービン構
成材料の耐熱性、耐食性の制約から、1200℃弱にま
で高めるのが一般的である。即ち、ガスクリーニングの
温度450℃からガスタービン入り口温度の1200℃
まで、ガスの温度を上げられるだけの発熱量を有するこ
とが可燃ガスbに要求される。
【0053】なお、ガス化室2とトッピングコンバスタ
53との間には不図示のサイクロンセパレータを設け、
ガス化室2とこのサイクロンセパレータとの間のガス経
路には、不図示の可燃ガスクーラを設け、可燃ガスbを
例えば450℃程度まで冷却し、さらに典型的には不図
示の脱硫装置を設けてもよい。これはガスタービン55
の翼の保護のために行われる。なお、チャー燃焼室3か
らのガス経路にはガスクーラや脱硫装置は通常は不要で
ある。それは、炉内には石灰石が投入されまた石灰石は
流動媒体と共に循環しており、チャー燃焼室3はまた酸
素の存在する酸化雰囲気にあるので、硫黄分はCaSO
として除去されるからである。
【0054】したがって、改良型の加圧流動床炉による
発電システムにおいては、できるだけ少量で、且つ単位
発熱量の高い可燃ガスbを得る方向でシステムの開発が
進められるべきである。何故ならば、450℃でクリー
ニングすべき可燃ガスb量が減れば、冷却による顕熱ロ
スが減り、且つ可燃ガスbに求められる最低必要発熱量
も低くて済む。更に可燃ガスbの発熱量がガスタービン
入り口の所要のガス温度に上昇させるのに必要な発熱量
以上であれば、燃焼空気比を上げてガスタービン55に
流入する可燃ガスb量を増加させることができるので、
更なる発電効率の向上を期待できるからである。
【0055】図3のシステムでは、チャー燃焼室3から
の燃焼ガスuは集塵装置63で集塵、脱塵された後、ガ
スタービン55に導かれ動力が回収される。このとき、
燃焼ガスuは直接ガスタービン55に導いてもよいが、
この燃焼ガスuの温度はあまり高くないので、動力回収
の効率は必ずしも高くはない。そこで、ガス化室2で生
成された可燃ガスbを、ガス化室2内のサイクロンセパ
レータ31で集塵、脱塵した後、トッピングコンバスタ
53に導き、ここで燃焼させる。この燃焼は、さきに述
べたチャー燃焼室3からの燃焼ガスuにとっては助燃と
いうことになる。この燃焼熱により、チャー燃焼室3か
らの燃焼ガスuは1200℃(出力タービン部の耐熱温
度によっては1500℃も可能)程度の高温ガスrとな
る。この高温ガスrをガスタービン55に供給する。こ
のような装置においては、チャー燃焼室3とトッピング
コンバスタ53を合わせたものが、通常の燃焼ガスター
ビンの燃焼器に相当する。
【0056】そしてガスタービン55の回転軸に減速機
を介して、あるいは直接連結された発電機57を駆動
し、電力を発生する。なお、図の実施の形態では、ガス
タービン55の回転軸には圧縮機(典型的には軸流空気
圧縮機)56が直結されており、圧縮空気を発生する。
この圧縮空気は、主としてチャー燃焼室3の燃焼空気と
してチャー燃焼室3に供給される。また一部はトッピン
グコンバスタ53に供給される。もっともトッピングコ
ンバスタ53では、通常は、チャー燃焼室3からの排ガ
ス中に残る酸素で可燃ガスbを燃焼させることができ
る。なお、この実施の形態では、圧力容器50内は5〜
10kg/cm 程度に加圧される。圧力容器50内
は、ガスタービン55の仕様に合わせて、例えば30k
g/cm程度にまで加圧してもよい。
【0057】図3の実施の形態では、ガスタービン55
には、チャー燃焼室3からの燃焼ガスuとガス化室2か
らの可燃ガスbとを導くため、これらを一度混合する予
混合室としてもトッピングコンバスタ53が必要である
が、ガスタービン55に、ガス化室2からの可燃ガスb
だけを導く場合には、ガスタービン55に付属する不図
示の燃焼器に直接可燃ガスbを導入してもよい。ガス化
室2からの可燃ガスbだけを導くばあいは、熱量の高い
ガスを燃料としてガスタービン55を運転することがで
きる。
【0058】また、ガスタービン55から排出された排
気ガスhは経路125を通って廃熱ボイラ58に導か
れ、その後排気ガス経路128を通って不図示の脱硫、
脱硝装置等を介して、不図示の煙突から放出される。
【0059】一方、廃熱ボイラ58では排気ガスhの熱
を回収して、水蒸気sを発生する。この水蒸気sは水蒸
気配管127を通って、蒸気タービン162に供給さ
れ、蒸気タービン162の回転軸に減速機を介して、あ
るいは直接連結された発電機163を駆動し、電力を発
生する。蒸気タービン162に供給される水蒸気sに
は、伝熱管41、42からの水蒸気sを含めてもよい。
【0060】図3に示す複合サイクル発電システムは、
図1に示す実施の形態に係る統合型ガス化炉1を利用し
ているので、サイクロンセパレータ31からの放熱を防
ぎ、その周囲配管からの放熱損失を大幅に低減すること
ができ、高温ガスrの温度低下を減少させることができ
る。よって、放熱損失による発電効率の減少を低減させ
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガス化室
の内部に設置された分離装置を備え、ガス化室で発生し
たガスと該ガス中の粒子とを分離し、分離された粒子
を、粒子排出管に導かれ排出口からチャー燃焼室に導入
し、粒子が分離されたガスをガス供給口から発電機を駆
動するガスタービンに供給することができる。ガス化室
とチャー燃焼室とは一体に構成されているので、分離し
た粒子をガス化室からチャー燃焼室へ直接搬送すること
ができ、ガス化室とチャー燃焼室の外部を引き回した外
部配管内を搬送する必要がない。よって、分離された粒
子の取扱い上のトラブルが起こりにくく、温度低下が起
こらず、温度低下による系全体の効率の低下、トラブル
の発生を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る統合型ガス化炉の基
本的な概念を示す構成図である。
【図2】(A)は、サイクロンセパレータの平面図、
(B)は正面図である。
【図3】図1の統合型ガス化炉を用いた発電システムの
実施の形態を説明する説明図である。
【図4】サイクロンセパレータを外部に備えた従来の統
合型ガス化炉の説明図である。
【符号の説明】
1 統合型ガス化炉 2 ガス化室 3 チャー燃焼室 4 熱回収室 5 沈降チャー燃焼室 10 統合型ガス化炉 11、12、13、14、15 仕切壁 19 天井 21、22、25 開口部 31 サイクロンセパレータ 32 入り口部 33 粒子排出配管 34 粒子排出口 35 ガス排出口 36 可燃ガス供給口 55 ガスタービン 57 発電機 a 石炭 b 可燃ガス c 粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10J 3/48 C10J 3/48 F01K 23/10 F01K 23/10 T F02C 3/28 F02C 3/28 7/052 7/052 // F23C 10/02 F23C 11/02 311 (72)発明者 細田 修吾 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 徳留 達夫 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 青木 克行 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 関川 真司 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 橋本 裕 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 長谷川 竜也 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 両角 文明 東京都大田区羽田旭町11−1 株式会社荏 原製作所内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BA13 BB00 BC07 BD00 DA22 3K064 AA17 AA20 AB03 AD05 AE04 BA03 BA05 BA13 BA17 BA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電用ガスタービンにガスを供給するガ
    ス化装置において;高温の流動媒体を内部で流動させ、
    界面を有するガス化室流動床を形成し、前記ガス化室流
    動床内で石炭を加圧下でガス化するガス化室と;流動媒
    体を内部で流動させ、界面を有するチャー燃焼室流動床
    を形成し、前記ガス化室でのガス化に伴い発生するチャ
    ーを前記チャー燃焼室流動床内で加圧下で燃焼させ前記
    流動媒体を加熱するチャー燃焼室と;前記ガス化室内に
    設置され、前記ガス化室で発生したガスと該ガス中の粒
    子とを分離する分離装置と;前記分離装置によって前記
    粒子の分離された前記ガスを、発電機を駆動するガスタ
    ービンに供給するガス供給口とを備え;前記ガス化室と
    前記チャー燃焼室とは一体に構成されており;前記ガス
    化室と前記チャー燃焼室とは、前記それぞれの流動床の
    界面より鉛直方向上方においてはガスの流通がないよう
    に第1の仕切壁により仕切られ;前記第1の仕切壁の下
    部には前記ガス化室と前記チャー燃焼室とを連通する第
    1の開口部が設けられており、前記第1の開口部を通じ
    て、前記チャー燃焼室側から前記ガス化室側へ前記チャ
    ー燃焼室で加熱された流動媒体を移動させるように構成
    され;前記分離装置は分離された粒子を導く粒子排出管
    を有し、前記粒子排出管の排出口が、前記チャー燃焼室
    に開口している;ガス化装置。
  2. 【請求項2】 前記分離装置は、サイクロン式分離装置
    である;請求項1に記載のガス化装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記ガス化室と前記チャー燃焼
    室とは、前記それぞれの流動床の界面より鉛直方向上方
    においてはガスの流通がないように第2の仕切壁により
    仕切られ;前記第2の仕切壁の下部には前記ガス化室と
    前記チャー燃焼室とを連通する第2の開口部が設けられ
    ており、前記第2の開口部を通じて、前記ガス化室側か
    ら前記チャー燃焼室側へ流動媒体を移動させるように構
    成された;請求項1または請求項2に記載のガス化装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ガス化室及び前記チャー燃焼室と一
    体に構成された熱回収室を備え;前記ガス化室と前記熱
    回収室とは、直接的なガスの流通がないように仕切る
    か、または互いに接しないように配置した;請求項1乃
    至請求項3のいずれか1項に記載のガス化装置。
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