JP3838699B2 - 円筒形流動層ガス化燃焼炉 - Google Patents

円筒形流動層ガス化燃焼炉 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス化流動層炉と燃焼流動層炉とを一体化した円筒形流動層ガス化燃焼炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ、産業廃棄物などにおいては、ダイオキシンの生成防止や不燃物中の金属類の有効利用、さらには高温燃焼による灰の溶融化などを目的として、特開平7−332614号に見られるように部分燃焼ガス化を取り入れたシステムが提案されている。
【0003】
また、石炭などの固形燃料においても、エネルギーの高効率利用を目的として、理論燃焼空気量以下で部分燃焼ガス化し、発生したガスを集塵精製したあとガスタービンに導入したり、あるいは、発生ガスとともに、部分燃焼時に副生した未燃カーボンを燃焼させる別置の燃焼炉から排出された燃焼ガスとを集塵後、同時にガスタービンに導入するトッピングサイクルなどのシステムが提案されている。
【0004】
いずれにしても部分燃焼ガス化時に生成するチャー(未燃カーボン)の燃焼が課題であり、前記トッピングサイクルシステムにおいては、チャー燃焼用として燃焼炉が独立設置されているが、チャーの移送量の制御や、配管内部の閉塞などの問題、設備の複雑さ、また、独立別置とすることによる設置面積の増大などのほか、チャーの燃焼熱が、ガス化用熱源として寄与しないなどの問題がある。
【0005】
一方、特開平7−301411号には部分燃焼ガス化炉とチャー燃焼炉を一体に組み合わせた構造が提案されているが、都市ごみや産業廃棄物に通常含まれている不定形の不燃性物質に関しては課題を残している。また、部分燃焼ガス化炉は単純な沈降移動層であるため、流動層内における可燃性物質の分散混合が不十分であり、均一な部分燃焼ガス化は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の課題を解消し、別置の燃焼炉を必要とせず、ガス化炉および燃焼炉が一体であることから、必要なスペースが少なくてすみ、また石炭などのチャー発生量の大きな燃料であっても、チャーの移送量を容易に制御でき、しかも配管内部の閉塞などの問題がなく、簡単な設備でチャーを燃焼し、さらにチャーの燃焼熱をガス化用熱源として利用できるほか、不定形の不燃性物質を含む燃料であっても使用することができるなど幅広い燃料を利用可能であり、しかも高効率かつ有害排出物の極めて少ない高度環境対応の円筒形流動層ガス化燃焼炉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本発明の第1の態様においては、円筒形流動層炉であって、同心の第1仕切壁で円筒形状のガス化炉とその周囲に形成される円環状の燃焼炉に分割するとともに、該第1仕切壁は上部の流動層表面近傍及び下部で相互に連絡するように開口を有し、前記該第1仕切壁に囲まれた円筒形状のガス化炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、中心付近の円筒状範囲の流動層を実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として流動媒体の沈降流を生じさせ、前記第1仕切壁に近い円環形状範囲の流動層を実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせ、一部は前記第1仕切壁上部の連絡口を通して燃焼炉へ流入し、一部は中央の弱流動化域に向かう流れとして、ガス化炉の流動層内に旋回流を形成するとともに、該弱流動化域に可燃物を投入するように構成し、前記第1仕切壁外側の円環状の燃焼炉においては、半径方向に第2仕切壁を設けて流動層部分を複数の主燃焼室と、熱回収室とにそれぞれ分割し、前記第2仕切壁は下部の連絡口で主燃焼室と熱回収室を相互に連絡するとともに、上端部は流動層表面近傍までとし、フリーボード部分においては主燃焼室と熱回収室とを一体化させ、前記主燃焼室においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、前記主燃焼室の中央部でかつガス化炉との連絡口付近の流動層は実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として、流動媒体の沈降流を生じさせ、一部は第1仕切壁の下部連絡口を通してガス化炉へ還流するとともに、一部は第2仕切壁側の実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域に向かう流れとなり、かつ該強流動化域では流動媒体は上昇流となり、その結果、主燃焼室流動層内に旋回流を生じるとともに、上昇流の一部は第2仕切壁上部を越える反転流となって熱回収室に入り、前記熱回収室においては、流動層内に実質的に小さな流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設けて弱流動化域を形成し、主燃焼室から第2仕切壁上部を越えて熱回収室に入った流動媒体が熱回収室で沈降し、該第2仕切壁の下部連絡口を通って主燃焼室に還流するような循環流を構成し、熱回収室流動層内には伝熱面を配置したことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第1の態様においては、以下に列挙する作用を奏する。
(1)円筒形流動層炉の内部を同心の第1仕切壁で円筒形状のガス化炉とその周囲に形成される円環状の燃焼炉に分割することによって、ガス化機能と燃焼機能が分離され、1つの流動層炉でありながら同時に2つの機能を独立して働かせることが可能となる。
該第1仕切壁は上部の流動層表面近傍及び下部で相互に連絡するように開口を有し、かつ該第1仕切壁に囲まれた円筒形状のガス化炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、中心付近の円筒状範囲の流動層を実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として、流動媒体の沈降流を生じさせ、また第1仕切壁に近い円環形状範囲の流動層を実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせる。その結果、流動層内に旋回流を形成するとともに、一部の流動媒体は反転流として第1仕切壁上部連絡口を通して燃焼炉に流入する。
そこで該弱流動化域に可燃物を投入するように構成すれば、可燃物は沈降流に飲み込まれ、旋回流で均一に分散混合し、十分な滞留時間をとって部分燃焼ガス化作用を受ける。一方ガス化しにくいチャーは反転流によって燃焼炉に導入される。
【0009】
一方、第1仕切壁外側の円環状の燃焼炉においては、半径方向に第2仕切壁を設けて流動層部分を複数の主燃焼室と、熱回収室とにそれぞれ分割し、該第2仕切壁は下部の連絡口で主燃焼室と熱回収室を相互に連絡するとともに、上端部は流動層表面近傍までとし、フリーボード部分においては主燃焼室と熱回収室は一体化させ、かつ主燃焼室においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、主燃焼室の中央部でかつガス化炉との連絡口付近の流動層は実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として流動媒体の沈降流を生じさせるとともに、第2仕切壁側すなわち熱回収室側の流動層は実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせ、一部は弱流動化域へ向かう流れとなって主燃焼室流動層内に旋回流を生じさせるとともに、一部は第2仕切壁を越えて熱回収室に流入する。その結果、ガス化炉からの未燃チャーは燃焼炉内の沈降流に飲み込まれ、旋回流で均一に分散混合し、十分な滞留時間をとって完全に燃焼する。さらにフリーボードに2次空気を投入することによって、燃焼と脱硫反応を完結させることができる。
【0010】
一方、発生熱量の一部は高温の流動媒体によって第1仕切壁下部の連絡口からガス化炉へ還流し、ガス化用熱源の一部として寄与する。さらに一部の熱量は高温の流動媒体によって第2仕切壁を越えて熱回収室に持ち込まれる。
熱回収室においては、流動層内に実質的に小さな流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設けて弱流動化域を形成し、主燃焼室から第2仕切壁上部を越えて熱回収室に入った高温の流動媒体が熱回収室で沈降し、該第2仕切壁の下部連絡口を通って主燃焼室に還流するような循環流を構成しており、熱回収室流動層内に配置された伝熱面によって収熱される。
また、熱回収室内は弱流動化域であるため、層内伝熱管の摩耗が少なく、流動媒体として珪砂の使用が可能であり、石灰石の使用量は脱硫反応上の必要最少限でよいため、灰の排出量が少なく環境対策上有利である。また、ガス化炉及び燃焼炉では、650〜950℃の範囲でガス化又は燃焼を行う。
【0011】
(2)投入される可燃物中に不燃性の不定形物質が含まれていても、流動層内の旋回流の方向と不燃物排出方向が一致しており、また炉床も不燃物排出口に向かって傾斜しているため、不燃物は容易に排出できる。
【0012】
(3)第1仕切壁及び第2仕切壁ともに強流動化域側に倒れるような傾斜面をなすことにより、上昇流を方向転換して旋回流を形成するのに貢献し、また背後の弱流動化域側は垂直面をなすことにより、沈降流が停滞することなく、スムーズに形成される。
【0013】
(4)ガス化炉の生成ガス及び燃焼炉からの燃焼排ガスを、それぞれ溶融炉に導入合流し、可燃性ガス、可燃分を含む微粒子を1200℃以上の高温で燃焼、灰分を溶融させることにより、有害ガス成分の高温分解、廃棄物である灰の溶融減容化および重金属類の溶出防止が可能である。
【0014】
(5)本発明の流動層ガス化燃焼炉を耐圧構造とするか、圧力容器に内蔵して、大気圧以上で運転し、かつ取り出された排出ガスをそれぞれ集塵し、その後ガスタービンに導入することによって、ガスタービン入口温度を1300℃以上で運転することができ、発電効率を大幅に向上させることができる。
ガス化炉に燃料を供給し、部分燃焼ガス化させ、発生する未燃チャーなどのうち生成ガスと同伴するものは、後段に設置したガス冷却装置で600℃以下に冷却することによって、例えば、ガスタービンブレードの高温腐食の原因となるNa,Kなどのアルカリ金属を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集塵機で捕集したあと燃焼炉に導入して完全燃焼させる。
【0015】
また、燃焼炉の燃焼排ガスは圧力容器を出たあと、後段に設置したガス冷却装置で600℃以下に冷却し、この冷却によってNa,Kなどのアルカリ金属を固化あるいは粒子表面に固定化したあと集塵機で捕集し排出する。
高温腐食の原因となるNa,Kを取り除いて清浄になった燃焼排ガスと、前記ガス化炉を出たあと集塵されて清浄になった生成ガスをガスタービンに導入し、1300℃以上の高温で燃焼し、ガスタービンを高効率で駆動する。ガスタービンはコンプレッサー及び発電機を駆動する。
【0016】
一方、燃料として石炭を使用する場合、石灰石を混合あるいは別途供給して、炉内脱硫反応させることができる。すなわち、ガス化炉にて発生する硫化水素H2 SをCaOと脱硫反応させてCaSとし、生成ガスに同伴させて集塵機で捕集し、主燃焼室に投入するほか、ガス化炉から第1仕切壁上部の連絡口を通る反転流によって、未燃チャーなどと共にCaSを主燃焼室に導入する。そこで酸化雰囲気で完全に燃焼し、またCaSはCaSO4 となり、燃焼排ガスに同伴して集塵機で捕集、排出する。
【0017】
本発明の好ましい態様としては、円筒形流動層炉であって、同心の第1仕切壁で円筒形状のガス化炉とその周囲に形成される円環状の燃焼炉に分割するとともに、該第1仕切壁は上部の流動層表面近傍及び下部で相互に連絡するように開口を有し、前記該第1仕切壁に囲まれた円筒形状のガス化炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、中心付近の円筒状範囲の流動層を実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として流動媒体の沈降流を生じさせ、前記第1仕切壁に近い円環形状範囲の流動層を実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせ、一部は前記第1仕切壁上部の連絡口を通して燃焼炉へ流入し、一部は中央の弱流動化域に向かう流れとして、ガス化炉の流動層内に旋回流を形成するとともに、該弱流動化域に可燃物を投入するように構成し、前記燃焼炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、前記ガス化炉との第1仕切壁に近い区域を実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として流動媒体の沈降流を生じさせ、また第1仕切壁と離れた区域は、実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせ、ガス化炉から仕切壁上部の連絡口を通して燃焼炉に流入した流動媒体は流動層内を下降しつつ、未ガス化成分であるチャーが燃焼し、高温となった流動媒体の一部は炉底付近で第1仕切壁下部の連絡口からガス化炉へ還流することによって、ガス化炉における熱分解ガス化の熱源として作用するように構成してもよい
【0018】
上記構成においては、第1仕切壁に囲まれた円筒形状のガス化炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、中心付近の円筒状範囲の流動層を実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として、流動媒体の沈降流を生じさせ、また第1仕切壁に近い円環形状範囲の流動層を実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせる。その結果、流動層内に旋回流を形成するとともに、一部の流動媒体は反転流として第1仕切壁上部連絡口を通して燃焼炉に流入する。
そこで該弱流動化域に可燃物を投入するように構成すれば、可燃物は沈降流に飲み込まれ、旋回流で均一に分散混合し、十分な滞留時間をとって部分燃焼ガス化作用を受ける。一方ガス化しにくいチャーは反転流によって燃焼炉に導入される。
【0019】
一方、第1仕切壁外側の円環状の燃焼炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、ガス化炉との第1仕切壁に近い区域の流動層は実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として流動媒体の沈降流を生じさせるとともに、第1仕切壁側と離れた区域の流動層は実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせる。ガス化炉から仕切壁上部の連絡口を通して燃焼炉に流入した流動媒体は、流動層内を下降しつつ、未ガス化成分であるチャーが燃焼し、高温となった流動媒体の一部は炉底付近で仕切壁下部の連絡口からガス化炉へ還流することによって、ガス化炉における熱分解ガス化の熱源として作用する。
【0020】
燃料の熱分解ガス化作用を生じさせるためには、熱エネルギーが必要であり、通常、石炭ガス化の場合、石炭を燃焼させて得られる熱エネルギーを利用している。そこでは、ガス化効率の向上をはかりタール発生の抑制のためには高温化が必要なことから、本来出来るだけガスに転化すべき石炭を無駄に燃焼しているのが実状である。
上記構成では、上述したように、未ガス化成分であるチャーの燃焼熱を高温流動媒体によってガス化炉に還元するため、その熱量の分だけ石炭の燃焼を節約することが出来る。その結果、空気の投入量を減らすことができ、ガス化効率の向上と、単位体積あたりのガスの発熱量を増加させることが可能となる。
【0021】
【実施例】
図1は本発明に係る円筒形流動層ガス化燃焼炉の部分断面図である。図2は流動層部分の水平断面を示す。また、図1において流動層部分の垂直断面は図2のa−a矢視に相当する。ここでは、図1,図2を用いて説明する。
【0022】
円筒形流動層炉1の内部は外壁と同心の第1仕切壁2によってガス化炉3と円環状の燃焼炉4に分割されている。該第1仕切壁2には複数の矩形状の上部連絡口37、複数の矩形状の下部連絡口38が設けてあり、ガス化炉3と燃焼炉4とが相互に連絡されている。ガス化炉3と燃焼炉4との境界をなす第1仕切壁2は、本図では省略し、図5に示すように、ガス化炉側においてはガス化炉側に倒れるような傾斜面をなし、一方燃焼炉側は垂直面になっている。ガス化炉3にはガス排出口49が設けられ、このガス排出口49から生成ガス50が外部に導出される。
【0023】
一方、燃焼炉4はさらに半径方向に延びる複数の第2仕切壁5によって、複数の主燃焼室6と複数の熱回収室7とに分割されている。ただし、上方では分割されず、フリーボード部分は主燃焼室と熱回収室とは一体化しており、それぞれの燃焼排ガスはフリーボード部分で混合されたのち、ガス排出口51から燃焼排ガス52となって外部に導出される。各熱回収室7には伝熱面46が埋設されており、流動媒体から熱回収することができる。燃焼炉4において、主燃焼室6と熱回収室7との境界をなす第2仕切壁5は、本図では省略し、図5に断面を示すが、主燃焼室側においては主燃焼室側に倒れるような傾斜面をなし、一方、熱回収室側は垂直面になっている。また各第2仕切壁5には、下部連絡口40が設けてあり、上部開口部39と合わせ主燃焼室6と熱回収室7相互の流動媒体の移動が可能になっている。
【0024】
ガス化炉3の下部には、中央に炉床27が構成され、この炉床27を取り巻くように円環状の炉床28が構成されている。炉床27,28の下部には風箱8,9が設けられており、風箱8,9にはそれぞれ接続口13,14を通して、流動化ガス18,19が導入される。
一方、炉床27,28にはそれぞれ散気装置32,33が設けられている。散気装置32からは、実質的に小さな流動化速度を与えるように流動化ガスを噴出し、その結果、炉床27の上方に弱流動化域41を形成する。散気装置33からは、実質的に大きな流動化速度を与えるように流動化ガスを噴出し、炉床28の上方に強流動化域42を形成する。
ガス化炉3の流動層内に2つの異なる流動化域が存在する結果、周囲の円環状範囲の強流動化域42で上昇し、中央に向かって流れ込み、中央部の円筒状範囲の弱流動化域41で沈降する旋回流が生じる。
【0025】
一方、燃焼炉4においても、主燃焼室6の下部には炉床29,30が構成されており、炉床29,30の下部には風箱10,11が設けられている。風箱10,11にはそれぞれ接続口15,16を通して流動化ガス20,21が導入される。一方、炉床29,30にはそれぞれ散気装置34,35が設けられている。散気装置34からは、実質的に小さな流動化速度を与えるように流動化ガスを噴出し、その結果、炉床29の上方に弱流動化域43を形成する。散気装置35からは、実質的に大きな流動化速度を与えるように流動化ガスを噴出し、炉床30の上方に強流動化域44を形成する。
主燃焼室6の流動層内に2つの異なる流動化域が存在する結果、弱流動化域43で沈降し、強流動化域44で上昇する旋回流が生じる。
【0026】
一方、熱回収室7においても、下部には炉床31が構成されており、炉床31の下部には風箱12が設けられている。風箱12には接続口17を通して流動化ガス22が導入される。また炉床31には散気装置36が設けられている。散気装置36からは実質的に小さな流動化速度を与えるように流動化ガスを噴出し、その結果、炉床31の上方に弱流動化域45を形成する。
【0027】
上述のようにガス化炉3、燃焼炉4の内部に流動化速度の異なる流動化域を組み合わせることよって、以下のような流れが生じる。
すなわち、ガス化炉3の流動層内においては、弱流動化域41で流動媒体は沈降流55にのって下降する。そして炉床27の近くで、強流動化域42に向かう水平流56に転じ、強流動化域42ではさらに上昇流57となる。一方、上昇流57は流動層表面近傍で、中央の弱流動化域41へ向かう流れ58と第1仕切壁2の連絡口37を通って燃焼炉4へ向かう反転流59とに分岐する。
従って、ガス化炉3の流動層内部では弱流動化域で沈降し、強流動化域で上昇する旋回流が形成される一方で、一部の流動媒体は第1仕切壁上部の連絡口37を通って燃焼炉4の主燃焼室6に導入される。
【0028】
一方、主燃焼室6においても、連絡口37付近には弱流動化域43が形成され、また炉床30の上方には強流動化域44が形成されているため、主燃焼室6の流動層内においても、弱流動化域43で流動媒体は沈降流60にのって下降する。そのため、反転流59によってガス化炉3から流入した未燃チャーを含む流動媒体も沈降流60にのって燃焼炉の内部に飲み込まれ、完全に燃焼する。
【0029】
そして炉床近くで、一部の流動媒体は第1仕切壁2の下部連絡口38を通る還流67となってガス化炉3に戻るほか、強流動化域44に向かう水平流61となり、強流動化域44ではさらに上昇流62となる。一方、上昇流62は流動層表面近傍で、弱流動化域43へ向かう流れ63と第2仕切壁5の上部空間を通って、熱回収室7へ向かう反転流64とに分岐する。
従って、燃焼炉4の流動層内部では弱流動化域43で沈降し、強流動化域44で上昇する流れが形成される一方で、一部の流動媒体は第2仕切壁5上部を越えて熱回収室7に導入され、さらに別の流動媒体は第1仕切壁2の下部の連絡口38からガス化炉3へ還流する。
【0030】
一方、熱回収室7においては、弱流動化域45が形成されているので、沈降流65が生じ、さらに流動媒体は第2仕切壁5の下部連絡口40を通る還流66によって主燃焼室6へ戻る。このようにガス化炉3、燃焼炉4の主燃焼室6、燃焼炉4の熱回収室7の流動層においては、それぞれ内部の旋回流と相互の循環流とが形成されている。
従って、ガス化炉3の弱流動化域41の上方に可燃物投入口47を設け、可燃物48を投入すると、沈降流55によってガス化炉3の流動層内部に飲み込まれ、旋回流によって均一に分散混合し、部分燃焼、ガス化が行われる。ガス化炉3の
炉床部分に供給する流動化ガスの酸素含有量は、投入される可燃物48に対する理論燃焼に必要な酸素量以下に設定されている。この流動化ガスは、空気、水蒸気、酸素、または燃焼排ガスのいずれかであるか、あるいはそれらのうち2つ以上を組み合わせたものからなっている。
【0031】
一方、未燃チャーを含む流動媒体は反転流59によって主燃焼室6に導入され、そこで沈降流60によって流動層内に飲み込まれ、旋回流によって均一に分散混合し、酸化雰囲気で完全に燃焼される。図1に示されるように、必要に応じて弱流動化域43の上方に燃料投入口68を設け、補助燃料69を供給することも可能である。
また、フリーボードに複数のノズル53を設け、2次空気54を導入して完全に燃焼させることも必要に応じて行うことができる。
【0032】
燃焼炉3の主燃焼室6内における燃焼により発生した熱量は、一部が第1仕切壁2の下部連絡口38を通る還流67によってガス化炉3に導入されてガス化熱源となるほか、第2仕切壁上部を越えて熱回収室7に入り、下部連絡口40から主燃焼室6に戻る流動媒体循環流によって、熱回収室の伝熱面46を通じて外部に取り出される。
このように投入された可燃物のエネルギーについて、一部はガスとなって化学エネルギーとして取り出され、ガス化しにくい成分は燃焼炉4にて熱エネルギーに転換して有効に高効率で回収することが可能である。
【0033】
また、投入される可燃物の中に不燃分が混入していることも多い。そのため、本実施例においては、ガス化炉3の炉床28と燃焼炉4の炉床29との間に不燃物排出口23が設けられており、この排出口23から不燃物25を排出するようにしている。さらに、補助燃料69に不燃物が混入している場合には、特に図示しないが同様に第2仕切壁下部付近、主燃焼室炉床と熱回収室炉床の間に不燃物排出口を設け、不燃物を排出してもよい。また、不燃物排出を容易にするため、それぞれの炉床が不燃物出口に向かって下降傾斜面をなしていることが好ましい。
【0034】
図3は廃熱ボイラおよび蒸気タービンと組み合わせて使用される本発明の円筒形流動層ガス化燃焼炉の実施例である。図3に示すように、ガス化炉3のガス排出口49から排出された生成ガスと、燃焼炉4のガス排出口51から排出された燃焼排ガスは、それぞれ溶融燃焼炉101に導かれ、円筒形の1次燃焼室102にタンジェンシャル(接線方向)に吹き込まれる。1次燃焼室102及び2次燃焼室103には、必要に応じて補助燃料104が供給され、酸素または空気、あるいはそれらの混合気体が吹き込まれ、1200〜1300℃以上で燃焼する。その結果、灰が溶融し、またダイオキシン、PCBなどの有害物質が高温で分解される。溶融灰106は排出口105を出た後、水室107で急冷され、スラグ108となって排出される。
【0035】
一方、溶融燃焼炉101から排出される高温の燃焼ガスは、廃熱ボイラ109、エコノマイザー110、空気予熱器111で順次冷却され、集塵機112、誘引送風機113を経て大気に放出される。空気予熱器111を出た燃焼ガスには、必要に応じて、集塵機112の手前で消石灰などの中和剤114が添加される。
【0036】
一方、ボイラ給水116はエコノマイザー110を経由して廃熱ボイラ109にて過熱蒸気121となり、蒸気タービンを駆動する。また燃焼用気体115は酸素、空気、あるいはそれらの混合気体として、空気予熱器111で加熱され、溶融燃焼炉101、及び燃焼炉4のフリーボードに供給される。また、本図には図示していないが流動化ガス18〜22とすることも可能である。
さらに特に図示はしないが、廃熱ボイラ109、エコノマイザー110、空気予熱器111から排出される灰117,118は燃焼炉4に戻すことも可能である。
一方、集塵機112で捕集された飛灰119は、揮散したNa,K等のアルカリ金属塩を含む場合には処理機120にて薬品処理される。
【0037】
図4は、本発明の流動層ガス化燃焼炉を大気圧以上の圧力条件で運転する場合の実施例を示す図である。
図4では図示しないが、流動層炉1そのものを耐圧構造としてもよい。しかし、耐熱機能と耐圧機能を分離したほうが、構造上、有利であるため、本実施例においては、流動層炉1を圧力容器201の内部に格納し、ガス化炉3及び燃焼炉4を大気圧以上で運転することを可能にしている。
【0038】
燃焼炉4からの燃焼ガス排出口51、ガス化炉3からの生成ガス排出口49、ガス化炉3への可燃物供給口47、燃焼炉4の2次空気供給口53、およびその他の流動化ガス供給ライン、不燃物排出ラインなどは圧力容器201を貫通している。
本実施例においては、ガス化炉3に可燃物48を供給し、部分燃焼ガス化させる。可燃物供給方法は本図に記載のスクリューによる方法の他、空気輸送や、スラリー状態での供給も可能である。
【0039】
ガス化炉3で発生する未燃チャーのうち生成ガスに同伴するものは、後段に設置したガス冷却装置202で600℃以下に冷却し、例えばガスタービンブレードの高温腐食の原因となるNa,Kなどのアルカリ金属を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集塵機203で捕集したあと燃焼炉4に導入して完全燃焼させる。燃焼炉4の燃焼排ガスは圧力容器201を出たあと、後段に設置したガス冷却装置204で600℃以下に冷却し、この冷却によってNa,Kなどのアルカリ金属を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集塵機205で捕集し排出する。集塵機203,205にはセラミックフィルタを用いることが多いが、他の形式の集塵機でもよい。
【0040】
高温腐食の原因となるNa,Kを取り除いて清浄になった燃焼ガスと、前記ガス化炉3を出たあと集塵機203で集塵されて清浄になった生成ガスを燃焼器206で混合燃焼させるが、それぞれのガスを冷却した分、燃焼器206へ持ちこまれる熱エネルギーが低下するので、燃焼器206にて高温燃焼させるためには、燃焼炉4での空気過剰率をなるべく少なくして運転し、燃焼排ガス量を低減する。そして、燃焼器206で燃焼に必要な酸素は、別途、酸素207として燃焼器206に供給する。
【0041】
燃焼器206からの高温高圧燃焼排ガスは、ガスタービン209を高効率で駆動する。ガスタービン209はコンプレッサ210、発電機211を駆動する。ガスタービン209を出た排ガスは熱回収装置212で冷却されたのち、大気放出される。なお、本実施例においては、タービンブレードの材質が向上すれば、ガス冷却装置202,204は省略してもよい。
【0042】
一方、可燃物48として石炭を使用する場合、石灰石214を混合あるいは別途供給して炉内脱硫反応させる。すなわち、ガス化炉3にて発生する硫化水素H2 SをCaOと脱硫反応させてCaSとし、生成ガスに同伴させて集塵機203で捕集し、主燃焼室6に投入する。
【0043】
また、ガス化炉3から第1仕切壁上部の連絡口を通る反転流によって、未燃チャーなどと共にCaSを含む流動媒体が主燃焼室6に導入される。そこで沈降流によって流動層内に飲み込まれ、旋回流によって均一に分散混合し、酸化雰囲気で完全に燃焼され、またCaSはCaSO4 となり、燃焼排ガスに同伴して集塵機205で捕集、排出される。さらにガス化炉3における炉内脱硫反応が不十分な場合、ガス化炉を出た後、追加の脱硫反応装置213を設けることもよい。
【0044】
図5では、仕切壁の構造の一例を示す。
強流動化域302に形成される上昇流304の方向を変えるように仕切壁301が傾斜面301aを有しており、一方、傾斜面301aの反対面は垂直面になっており、仕切壁上端を越えた反転流305が停滞せず、そのまま沈降流306となって弱流動化域303を下降するように構成している。本構造は本発明の第1仕切壁、第2仕切壁のいずれであってもよい。
【0045】
なお、図1乃至図4に示す実施例において、同一の作用及び機能を有する構成要素は同一符号を付して示されている。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は以下に列挙する効果を奏する。
(1)部分燃焼ガス化したあとチャーを完全に燃焼することができるため、ガス化しにくくチャー発生量が多い可燃物であっても、利用することができ、ガス化溶融システムなどのメリットを生かすことができる。
(2)高効率である。即ち、従来の加圧流動床ボイラにおいては、ガスタービン入口温度が850〜900℃であったのに対し、石炭をガス化炉で部分燃焼によりガス化し、残りの可燃分は燃焼炉で完全燃焼して、それぞれの炉から排出される生成ガスと燃焼排ガスをガスタービンに導入することによって、ガスタービン入口での燃焼ガス温度を1300℃以上にあげることができる。その結果、送電端効率が42%から46%へと大幅に向上する。
(3)ガス化炉と燃焼炉が一体化しており、コンパクトである。
(4)ガス化炉が円筒状流動層炉であり、中央に投入された可燃物が周囲に均等に拡散し、また中央に戻るため、投入位置が少なくても非常に混合拡散がよい。
(5)ガス化炉と燃焼炉が一体となった円筒形炉であるため、大気圧以上で運転する際に耐圧構造に適しており、また圧力容器に内蔵する場合にも円筒形であるため、スペースに無駄がない。
(6)未反応チャーの移送が簡便で制御が容易である。即ち、ガス化炉と燃焼炉が一体化していることから、ガス化炉から燃焼炉へのチャーの移送に関しては、配管やLバルブなど複雑な機械設備が不要であり、しかも移送量はガス化炉、燃焼炉相互の流動化速度の変化によって制御するため、容易かつシンプルである。また、配管内部での閉塞トラブルなどもない。
(7)ガス化炉のガス化熱源として燃焼炉からの還流流動媒体の保有熱量が有効に利用できるため、ガス化炉への空気の投入量を減らすことができ、ガス化効率の向上と、単位体積あたりのガスの発熱量を増加させることが可能となる。
(8)燃焼炉が内部循環流動床ボイラであることにより、以下の効果を奏する。 1) 燃焼炉での発生熱を高効率で回収できる。
2) 負荷変化時の制御について、流動層の層高変化の必要がなく、熱回収室の流動化速度を変化させることで簡単に対応できる。
3) 流動層の層高変化の必要がないので、流動媒体貯留槽や移送配管などの設備が不要であり、設備が簡素化できる。
4) 負荷変化時においても流動層温度および燃焼ガス温度を一定に制御でき、ガスタービン効率が安定している。
5) 熱回収室が弱流動化域であるため、層内伝熱管の摩耗が少なく、そのため流動媒体に硬い珪砂の使用が可能であり、灰の排出量が少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒形流動層ガス化燃焼炉の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1における流動層部分の水平断面を示す図である。
【図3】発熱ボイラ及び蒸気タービンと組み合わせて使用される本発明に係る円筒形流動層ガス化燃焼炉を示す模式図である。
【図4】本発明に係る円筒形流動層ガス化燃焼炉を大気圧以上の圧力条件で運転する場合のシステムを示す模式図である。
【図5】本発明の第1仕切壁及び第2仕切壁の詳細構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 円筒形流動層炉
2 第1仕切壁
3 ガス化炉
4 燃焼炉
5 第2仕切壁
6 主燃焼室
7 熱回収室
8, 9,10,11,12 風箱
13,14,15,16,17 接続口
18,19,20,21,22 流動化ガス
23 不燃物排出口
25 不燃物
27,28,29,30,31 炉床
32,33,34,35,36 散気装置
37 上部連絡口
38,40 下部連絡口
41,43 弱流動化域
42,44 強流動化域
46 伝熱面
47 可燃物投入口
48 可燃物
49,51 ガス排出口
68 燃料投入口
101 溶融燃焼炉
102 1次燃焼室
103 2次燃焼室
107 水室
109 廃熱ボイラ
110 エコノマイザー
111 空気予熱器
112 集塵機
113 誘引送風機
201 圧力容器
202,204 ガス冷却装置
203,205 集塵機
206 燃焼器
209 ガスタービン
210 コンプレッサ
211 発電機
212 熱回収装置

Claims (16)

  1. 円筒形流動層炉であって、同心の第1仕切壁で円筒形状のガス化炉とその周囲に形成される円環状の燃焼炉に分割するとともに、該第1仕切壁は上部の流動層表面近傍及び下部で相互に連絡するように開口を有し、
    前記該第1仕切壁に囲まれた円筒形状のガス化炉においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、
    中心付近の円筒状範囲の流動層を実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として流動媒体の沈降流を生じさせ、
    前記第1仕切壁に近い円環形状範囲の流動層を実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域として流動媒体の上昇流を生じさせ、一部は前記第1仕切壁上部の連絡口を通して燃焼炉へ流入し、一部は中央の弱流動化域に向かう流れとして、ガス化炉の流動層内に旋回流を形成するとともに、該弱流動化域に可燃物を投入するように構成し、
    前記第1仕切壁外側の円環状の燃焼炉においては、半径方向に第2仕切壁を設けて流動層部分を複数の主燃焼室と、熱回収室とにそれぞれ分割し、
    前記第2仕切壁は下部の連絡口で主燃焼室と熱回収室を相互に連絡するとともに、上端部は流動層表面近傍までとし、フリーボード部分においては主燃焼室と熱回収室とを一体化させ、
    前記主燃焼室においては、流動層内に異なる流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設け、
    前記主燃焼室の中央部でかつガス化炉との連絡口付近の流動層は実質的に小さな流動化速度を与えられた弱流動化域として、流動媒体の沈降流を生じさせ、一部は第1仕切壁の下部連絡口を通してガス化炉へ還流するとともに、一部は第2仕切壁側の実質的に大きな流動化速度を与えられた強流動化域に向かう流れとなり、かつ該強流動化域では流動媒体は上昇流となり、その結果、主燃焼室流動層内に旋回流を生じるとともに、上昇流の一部は第2仕切壁上部を越える反転流となって熱回収室に入り、
    前記熱回収室においては、流動層内に実質的に小さな流動化速度を与えるような散気装置を炉床部分に設けて弱流動化域を形成し、主燃焼室から第2仕切壁上部を越えて熱回収室に入った流動媒体が熱回収室で沈降し、該第2仕切壁の下部連絡口を通って主燃焼室に還流するような循環流を構成し、熱回収室流動層内には伝熱面を配置したことを特徴とする円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  2. 前記ガス化炉の炉床部分に供給する流動化ガスの酸素含有量は、投入可燃物に対する理論燃焼に必要な酸素量以下であることを特徴とする請求項1記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  3. 前記ガス化炉の炉床部分に供給する流動化ガスは、空気、水蒸気、酸素、または燃焼排ガスのいずれかであるか、あるいはそれらのうち2つ以上を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  4. 前記ガス化炉と燃焼炉との境界をなす第1仕切壁は、ガス化炉側においてはガス化炉側に倒れるような傾斜面をなし、一方燃焼炉側は垂直面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  5. 前記燃焼炉において、主燃焼室と熱回収室との境界をなす第2仕切壁は、主燃焼室側においては主燃焼室側に倒れるような傾斜面をなし、一方、熱回収室側は垂直面であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  6. 前記ガス化炉と燃焼炉との間の炉床部分に不燃物排出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  7. 前記燃焼炉において、主燃焼室と熱回収室の間の炉床部分に不燃物排出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  8. 前記ガス化炉と燃焼炉との間の炉床部分に不燃物排出口を設けるとともに前記燃焼炉においては主燃焼室と熱回収室の間の炉床部分に不燃物排出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  9. 炉床が不燃物排出口に向かって傾斜下降していることを特徴とする請求項6又は7又は8記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  10. 前記燃焼炉において、フリーボード部分に2次空気を投入するように構成したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  11. 前記燃焼炉において、弱流動化域に補助燃料を投入するように構成したことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  12. 前記ガス化炉及び燃焼炉から取り出された排出ガスを、それぞれ溶融炉に導入合流させ、排出ガスに含まれる可燃性ガス、可燃分を含む微粒子を1200℃以上の高温で燃焼させ、灰分を溶融させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  13. 前記ガス化炉及び燃焼炉を大気圧以上で運転することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  14. 前記ガス化炉及び燃焼炉を大気圧以上で運転し、かつ取り出された排出ガスをそれぞれ集塵し、その後ガスタービンに導入したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  15. 前記ガス化炉及び燃焼炉を大気圧以上で運転し、かつ取り出された排出ガスをそれぞれ冷却したあと集塵し、その後ガスタービンに導入したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
  16. 大気圧以上で運転するために、圧力容器内に円筒形流動層ガス化燃焼炉を内蔵したことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の円筒形流動層ガス化燃焼炉。
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