JP2003169668A - L−システイン生産菌及びl−システインの製造法 - Google Patents
L−システイン生産菌及びl−システインの製造法Info
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Abstract
ルフヒドラーゼ活性を担う酵素及びその遺伝子を明らか
にし、同遺伝子をL−システイン生産菌の育種に利用
し、新たなL−システインの製造法を提供する。 【解決手段】 L−システイン生産能を有し、かつ、シ
スタチオニン−β−リアーゼ活性、又はシスタチオニン
−β−リアーゼ活性及びトリプトファナーゼ活性が低下
又は欠失したエシェリヒア属細菌を培地で培養し、L−
システインを培地中に生成蓄積させ、該培地よりL−シ
ステインを採取することにより、L−システインを製造
する。
Description
製造法に関し、詳しくはL−システインの製造に好適な
微生物、及びそれを用いたL−システインの製造法に関
する。L−システイン及びL−システインの誘導体は、
医薬品、化粧品及び食品分野で利用されている。
毛等のケラチン含有物質から抽出することにより、ある
いはDL−2−アミノチアゾリン−4−カルボン酸を前
駆体とする微生物酵素変換により得られている。また、
新規な酵素を用いた固定化酵素法によるL−システイン
の大量生産も計画されている。
システインの生産も試みられている。例えば、本発明者
らは、L−システイン分解系が抑制され、かつ、L−シ
ステインによるフィードバック阻害が低減されたセリン
アセチルトランスフェラーゼ(serine acetyltransfera
se(EC 2.3.1.30):以下、「SAT」ともいう)を保持す
るエシェリヒア属細菌を用いたL−システインの製造法
を開示している(特許文献1)。L−システイン分解系
を抑制する手段としては、細胞中のシステインデスルフ
ヒドラーゼ(以下、「CD」ともいう)活性を低下させる
ことが開示されている。同様に、L−システインによる
フィードバック阻害が低減された特定の変異を有するSA
TをコードするDNA配列により脱制御されたシステイ
ン物質代謝を有する微生物を用いた、L−システインの
製造法が知られている(特許文献2)。
によるフィードバック阻害を受けないシロイヌナズナ由
来のSATアイソザイムをコードする遺伝子を導入したエ
シェリヒア・コリを用いたL−システインの製造法が開
示されている。
細胞から直接放出するために好適である蛋白質をコード
する遺伝子を過剰発現する微生物を用いたL−システイ
ンの製造法が報告されている(特許文献3)。
合成酵素の活性の増強、及び、L−システイン排出系を
改変したL−システイン生産菌に関し、多くの研究がな
されている。それに対し、L−システイン分解系につい
ては、特にエシェリヒア属細菌においては、詳細な検討
がなされていない。
CD活性をもつ酵素として、シスタチオニン−β−リアー
ゼ(metC産物。以下、「CBL」ともいう)(非特許文献
2)、及びトリプトファナーゼ(tnaA産物。以下、「TN
ase」ともいう)(非特許文献3)が報告されている。
しかし、CBLはシスタチオニンをホモシステインに変換
する反応を、TNaseはトリプトファンを分解する反応を
それぞれ触媒する酵素であるとされており、実質的にL
−システイン分解系を担う酵素であるか否かについては
知られていなかった。また、特許文献1には、CD活性が
低下した変異株が記載されているが、CD活性を担う酵素
の本体に関しては報告されていない。
453-459
(1982) 3064-3069
em. 240 (1965) 1211-1218
う酵素及びその遺伝子を明らかにし、同遺伝子をL−シ
ステイン生産菌の育種に利用し、新たなL−システイン
の製造法を提供することを課題とする。
を解決すべく鋭意検討を行った結果、CBL及びTNaseがエ
シェリヒア・コリの主要なCD活性を担う酵素であること
を見出し、これらの酵素活性を低下又は消失させること
により、L−システイン生産能を向上させることができ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち本発明は、以下のとおりである。
つ、シスタチオニン−β−リアーゼ活性が低下又は欠失
するように改変されたエシェリヒア属細菌。 (2)L−システイン生産能を有し、かつ、シスシスタ
チオニン−β−リアーゼ活性及びトリプトファナーゼ活
性が低下又は欠失するように改変されたエシェリヒア属
細菌。 (3)シスタチオニン−β−リアーゼをコードする遺伝
子が破壊された(1)のエシェリヒア属細菌。 (4)シスシスタチオニン−β−リアーゼをコードする
遺伝子及びトリプトファナーゼをコードする遺伝子が破
壊された(2)のエシェリヒア属細菌。 (5)さらにL−システイン生合成系酵素活性が増強さ
れるように改変された(1)〜(4)のいずれかのエシェリヒ
ア属細菌。 (6)セリンアセチルトランスフェラーゼが増強される
ように改変された(5)のエシェリヒア属細菌。 (7)L−システインによるフィードバック阻害に非感
受性のセリンアセチルトランスフェラーゼを保持する
(6)のエシェリヒア属細菌。 (8)エシェリヒア・コリである(1)〜(7)のいずれかの
エシェリヒア属細菌。 (9)(1)〜(8)のいずれかのエシェリヒア属細菌を培地
で培養し、L−システインを培地中に生成蓄積させ、該
培地よりL−システインを採取する、L−システインの
製造法。 (10)エシェリヒア属細菌のシスシスタチオニン−β
−リアーゼ活性もしくはトリプトファナーゼ活性、又は
これらの両方の活性を低下又は消失させることによっ
て、同細菌のL−システイン生産能を高めることを特徴
とする、L−システイン生産菌の製造方法。
は、本発明のエシェリヒア属細菌を培地に培養したとき
に、培地から回収することができる量のL−システイン
を培地中に蓄積する能力をいう。また、「L−システイ
ンによるフィードバック阻害に非感受性」とは、L−シ
ステインによるフィードバック阻害が低減又は解除され
た場合に加えて、元来フィードバック阻害を受けない場
合を含む。尚、本発明においてL−システインとは、特
記しない限り、還元型L−システインもしくはL−シス
チンまたはこれらの混合物を指す。
一の形態は、L−システイン生産能を有し、かつ、CBL
活性が低下又は欠失するように改変されたエシェリヒア
属細菌である。本発明のエシェリヒア属細菌の第二の形
態は、L−システイン生産能を有し、かつ、CBL活性及
びTNase活性が低下又は欠失するように改変されたエシ
ェリヒア属細菌である。また、本発明のエシェリヒア属
細菌は、前記第一の形態又は第二の形態において、さら
にL−システイン生合成系酵素活性が増強されるように
改変されたエシェリヒア属細菌である。このようなエシ
ェリヒア属細菌は、CBL活性、又はCBL活性及びTNase活
性が低下又は欠失したエシェリヒア属細菌において、L
−システイン生合成系酵素活性を増強することによって
得られる。また、L−システイン生合成系酵素活性を増
強したエシェリヒア属細菌において、CBL活性、又はCBL
活性及びTNase活性を低下又は欠失させることによって
も、本発明のエシェリヒア属細菌を取得することができ
る。
失 エシェリヒア属細菌のCBL活性又はTNase活性を低下又は
消失させるには、例えば、エシェリヒア属細菌を紫外線
照射またはN−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン(NTG)もしくは亜硝酸等の通常変異処理に用いら
れている変異剤によって処理し、CBL活性又はTNase活性
が低下した変異株を選択する方法が挙げられる。また、
CBL活性又はTNase活性が低下したエシェリヒア属細菌
は、変異処理の他に、遺伝子破壊によっても取得するこ
とができる。CBL活性又はTNase活性を確実に低下又は消
失させるためには、遺伝子破壊による方法が好ましい。
エシェリヒア・コリでは、CBLはmetC遺伝子、TNaseはtn
aA遺伝子によってそれぞれコードされている。
k accession M12858、Proc. Natl.Acad. Sci. U.S.A. 8
3, 867-871 (1986))及びtnaA遺伝子(GenBank accessi
onK00032、J. Bacteriol. 147, 787-796 (1981)、J. Ba
cteriol. 151, 942-951 (1982))の塩基配列は報告され
ており、それぞれの配列の基づいて合成したプライマー
を用い、エシェリヒア・コリ染色体DNAを鋳型とする
PCR(PCR:polymerase chain reaction; White,T.J. e
t al., Trends Genet. 5, 185 (1989)参照)によって、
各々の遺伝子を含むDNA断片を取得することができ
る。また、CBLをコードする遺伝子の内部を欠失し、正
常に機能するCBLを産生しないように改変したmetC遺伝
子(欠失型metC遺伝子)、及びTNaseをコードする遺伝
子の内部を欠失し、正常に機能するTNaseを産生しない
ように改変したtnaA遺伝子(欠失型tnaA遺伝子)は、実
施例に示したプライマーを用いたPCRにより取得するこ
とができる。参考として、metC遺伝子の塩基配列及びコ
ードされるアミノ酸配列を、配列番号10及び11に示
す。また、tnaA遺伝子の塩基配列及びコードされるアミ
ノ酸配列を、配列番号12及び13に示す。
る方法を説明するが、同様にしてTNaseをコードする遺
伝子を破壊することができる。CBLをコードする遺伝子
の内部を欠失し、正常に機能するCBLを産生しないよう
に改変したmetC遺伝子(欠失型metC遺伝子)を含むDN
Aでエシェリヒア属細菌を形質転換し、欠失型metC遺伝
子と染色体上のmetC遺伝子との間で組換えを起こさせる
ことにより、染色体上のmetC遺伝子を破壊することがで
きる。このような相同組換えを利用した遺伝子置換によ
る遺伝子破壊は既に確立しており、直鎖DNAを用いる
方法や温度感受性複製起点を含むプラスミドを用いる方
法などがある。
遺伝子と置換するには、例えば以下のようにすればよ
い。温度感受性複製起点と、欠失型metC遺伝子と、アン
ピシリン又はクロラムフェニコール等の薬剤に耐性を示
すマーカー遺伝子とをベクターに挿入して組換えDNA
を調製し、この組換えDNAでエシェリヒア属細菌を形
質転換し、温度感受性複製起点が機能しない温度で形質
転換株を培養し、続いてこれを薬剤を含む培地で培養す
ることにより、組換えDNAが染色体DNAに組み込ま
れた形質転換株が得られる。
れた株は、染色体上にもともと存在するmetC遺伝子配列
との組換えを起こし、染色体metC遺伝子と欠失型metC遺
伝子との融合遺伝子2個が組換えDNAの他の部分(ベ
クター部分、温度感受性複製起点及び薬剤耐性マーカ
ー)を挟んだ状態で染色体に挿入されている。したがっ
て、この状態では正常なmetC遺伝子が優性であるので、
形質転換株は正常なmetCを発現する。
のみを残すために、2個のmetC遺伝子の組換えにより1
コピーのmetC遺伝子を、ベクター部分(温度感受性複製
起点及び薬剤耐性マーカーを含む)とともに染色体DN
Aから脱落させる。その際、正常なmetC遺伝子が染色体
DNA上に残され、欠失型metC遺伝子が切り出される場
合と、反対に欠失型metC遺伝子が染色体DNA上に残さ
れ、正常なmetC遺伝子が切り出される場合がある。いず
れの場合も、温度感受性複製起点が機能する温度で培養
すれば、切り出されたDNAはプラスミド状で細胞内に
保持される。次に、温度感受性複製起点が機能しない温
度で培養すると、プラスミド上のmetC遺伝子は、プラス
ミドとともに細胞から脱落する。そして、PCRまたはサ
ザンハイブリダイゼーション等により、染色体上に欠失
型metC遺伝子が残った株を選択することによって、metC
遺伝子が破壊された株を取得することができる。
又は消失していることは、候補株の菌体抽出液につい
て、Guggenheim,S.の方法(Methods Enzymol., 17, 439
-442 (1971)の方法等によりCBL活性を測定し、親株のC
BL活性と比較することにより確認することができる。
点を含むプラスミドとしては、例えばpMAN031(Yasued
a, H. et al, Appl. Microbiol. Biotechnol., 36, 211
(1991))、pMAN997(WO 99/03988号)、及びpEL3(K.
A. Armstrong et. al., J. Mol. Biol. (1984) 175, 33
1-347)が挙げられる。
得することができる。tnaA遺伝子破壊株又は変異株のTN
ase活性が低下又は消失していることは、候補株の菌体
抽出液について、Newton, W. A. らの方法(J. Biol. C
hem., 240, 1211-1218 (1965))の方法等によりTNase活
性を測定し、親株のTNase活性と比較することにより確
認することができる。遺伝子破壊に用いる欠失型metC遺
伝子及び欠失型tnaA遺伝子は、目的とするエシェリヒア
属細菌の染色体DNA上のmetC遺伝子及びtnaA遺伝子と
相同組換えを起こす程度の相同性を有していればよい。
このような相同性は、好ましくは70%以上、より好ま
しくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
また、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得
るDNA同士であれば、相同組換えは起こり得る。
ードする遺伝子のコピー数を高めることによって達成さ
れる。例えば、SATをコードする遺伝子断片を、エシェ
リヒア属細菌で機能するベクター、好ましくはマルチコ
ピー型のベクターと連結して組換えDNAを作製し、これ
を宿主エシェリヒア属細菌に導入して形質転換すればよ
い。
遺伝子および他の生物由来の遺伝子のいずれも使用する
ことができる。エシェリヒア・コリのSATをコードする
遺伝子として、cysEが野生株及びL−システイン分泌変
異株よりクローニングされ、塩基配列が明らかになって
いる(Denk, D. and Boeck, A., J. General Microbio
l., 133, 515-525 (1987))。したがって、その塩基配
列に基づいて作製したプライマーを用いて、エシェリヒ
ア属細菌の染色体DNAを鋳型とするPCRによって、SAT遺
伝子を取得することができる(特開平11-155571号参
照)。他の生物のSATをコードする遺伝子も、同様にし
て取得され得る。参考として、配列番号14及び15
に、報告されている野生型cysEの塩基配列及びコードさ
れるSATのアミノ酸配列(Denk, D. and Bock, A., J. g
eneral Microbiol., 133, 515-525 (1987))を示す。SA
T遺伝子としては、野生型SAT遺伝子の他に、アセチル−
CoAによるL−セリンの活性化を触媒する活性を実質
的に損なわないような1若しくは数個のアミノ酸残基の
置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列
を有するものであってもよい。ここで、「数個」とは、
アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置や種
類によっても異なるが、好ましくは2から50個、より
好ましくは2から40個、特に好ましくは2から30個
である。
ク質をコードするDNAとしては、配列番号14の塩基
番号223〜1047からなる塩基配列又は同塩基配列
から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、かつSATと同様の活性を有するタ
ンパク質をコードするDNAが挙げられる。「ストリン
ジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッド
が形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条
件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であ
るが、一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば
50%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイ
ズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイ
ズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼー
ションの洗いの条件である60℃、1×SSC,0.1
%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SD
Sに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件が挙げら
れる。
から、例えば、斎藤、三浦の方法(H. Saito and K.Miu
ra, Biochem.B iophys. Acta, 72, 619 (1963)、生物工
学実験書、日本生物工学会編、97〜98頁、培風館、
1992年参照)等により調製することができる。
NA断片をエシェリヒア属細菌に導入するには、通常の
タンパク質発現に用いられる種々のベクターを用いるこ
とができる。このようなベクターとしては、pUC19、pUC
18、pHSG299, pHSG399, pHSG398, RSF1010, pBR322, pA
CYC184, pMW219等が挙げられる。
リヒア属細菌に導入するには、D.A.Morrisonの方法(Me
thods in Enzymology 68, 326 (1979))あるいは受容菌
細胞を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す
方法(Mandel,M. and Higa,A.,J.Mol.Biol.,53,159(197
0))等、エシェリヒア属細菌の形質転換に通常用いられ
ている方法により行うことができる。
遺伝子をエシェリヒア属細菌の染色体DNA上に多コピー
存在させることによっても達成できる。エシェリヒア属
細菌の染色体DNA上にSAT遺伝子を多コピーで導入するに
は、染色体DNA上に多コピー存在する配列を標的に利用
して相同組換えにより行う。染色体DNA上に多コピー存
在する配列としては、レペティティブDNA、転移因子の
端部に存在するインバーテッド・リピートが利用でき
る。あるいは、特開平2-109985号公報に開示されている
ように、SAT遺伝子をトランスポゾンに搭載してこれを
転移させて染色体DNA上に多コピー導入することも可能
である。
る以外に、染色体DNA上またはプラスミド上のSAT遺伝子
のプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換す
ることによっても達成される(特開平1-215280号公報参
照)。例えば、lacプロモーター、trpプロモーター、tr
cプロモーター等が強力なプロモーターとして知られて
いる。発現調節配列の置換は、例えば温度感受性プラス
ミドを用いた遺伝子置換によっても行うことができる。
るように、SAT遺伝子のプロモーター領域に数塩基の塩
基置換を導入し、より強力なものに改変することも可能
である。これらのプロモーター置換または改変によりSA
T遺伝子の発現が増強され、SAT活性が増強される。これ
ら発現調節配列の改変は、SAT遺伝子のコピー数を高め
ることと組み合わせてもよい。
在する場合には、抑制が解除又は低減されるように、発
現調節配列又は抑制に関与する遺伝子を改変することに
よっても、SAT遺伝子の発現を増強することができる。
L−システインによるフィードバック阻害が低減又は解
除されたSAT(以下、「変異型SAT」ともいう)をエシェ
リヒア属細菌に保持させることによっても、上昇させる
ことができる。変異型SATとしては、野生型SATの256
位のメチオニン残基に相当するアミノ酸残基をリジン残
基及びロイシン残基以外のアミノ酸残基に置換する変
異、又は256位のメチオニン残基に相当するアミノ酸
残基からC末端側の領域を欠失させる変異を有するSAT
が挙げられる。前記リジン残基及びロイシン残基以外の
アミノ酸残基としては、通常のタンパク質を構成するア
ミノ酸のうち、メチオニン残基、リジン残基及びロイシ
ン残基を除く17種類のアミノ酸残基が挙げられる。よ
り具体的にはイソロイシン残基が挙げられる。野生型SA
T遺伝子に所望の変異を導入する方法としては、部位特
異的変異が挙げられる。変異型SAT遺伝子としては、エ
シェリヒア・コリの変異型SATをコードする変異型cysE
が知られている(WO 97/15673号国際公開パンフレッ
ト、特開平11-155571号参照)。256位のメチオニン
残基をグルタミン酸残基に置換した変異型SATをコード
する変異型cysEを含むプラスミドpCEM256Eを保持するエ
シェリヒア・コリJM39-8株(E. coli JM39-8(pCEM256
E)、プライベートナンバー:AJ13391)は、平成9年11
月20日より工業技術院生命工学工業技術研究所(現 独
立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センタ
ー、〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地
1中央第6)に、FERM P-16527の受託番号のもとで寄託
され、2002年7月8日にブダペスト条約に基づく国際寄
託に移管され、受託番号FERM BP-8112が付与されてい
る。
テインによるフィードバック阻害を受けないことが知ら
れており、本発明に好適に用いることができる。シロイ
ヌナズナ由来のSAT遺伝子含有プラスミドとして、pEAS-
m(FEMS Microbiol. Lett.,179 (1999) 453-459)が知
られている。
ンによるフィードバック阻害を低減する変異に加えて、
アセチル−CoAによるL−セリンの活性化を触媒する
活性を実質的に損なわないような1若しくは数個のアミ
ノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むア
ミノ酸配列を有するものであってもよい。そのような変
異を有するSATにおいては、256位のメチオニン残基
の位置が変わっている場合もあるが、そのような場合で
あっても、256位のメチオニン残基に相当するアミノ
酸残基をリジン残基及びロイシン残基以外のアミノ酸残
基に置換することによって、L−システインによるフィ
ードバック阻害が低減した変異型SATが取得され得る。
保持させるには、細胞内のSAT遺伝子に、コードされるS
ATのL−システインによるフィードバック阻害が解除さ
れるような変異を導入することによって行うことができ
る。変異の導入は、紫外線照射またはN−メチル−N'−
ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくは亜硝酸
等の通常の突然変異に用いられている変異剤による処理
によって行うことができる。
を好適な培地で培養し、該培養物中にL−システインを
生産蓄積せしめ、該培養物からL−システインを採取す
ることにより、L−システインを効率よく、かつ、安定
に製造することができる。尚、本発明の方法により製造
されるL−システインには、還元型のシステインに加え
てシスチンも含まれる場合があるが、本発明の製造法の
対象物にはシスチン又は還元型のシステイン及びシスチ
ンの混合物も含まれる。
イオウ源、無機イオン及び必要に応じその他の有機成分
を含有する通常の培地が挙げられる。炭素源としては、
グルコース、フラクトース、シュクロース、糖蜜やでん
ぷんの加水分解物などの糖類、フマール酸、クエン酸、
コハク酸等の有機酸類を用いることができる。
アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウ
ム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガ
ス、アンモニア水等を用いることができる。
化物、次亜硫酸塩、チオ硫酸塩等の無機硫黄化合物が挙
げられる、有機微量栄養源としては、ビタミンB1など
の要求物質または酵母エキス等を適量含有させることが
望ましい。これらの他に、必要に応じてリン酸カリウ
ム、硫酸マグネシウム、鉄イオン、マンガンイオン等が
少量添加される。
のがよく、培養温度は25℃〜37℃に、培養中pHは
5〜8に制御することが好ましい。尚、pH調整には無
機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、更にア
ンモニアガス等を使用することができる。培養物からの
L−システインの採取は通常のイオン交換樹脂法、沈澱
法その他の公知の方法を組み合わせることにより実施で
きる。
説明する。
を担う酵素の同定 (1)エシェリヒア・コリ菌体抽出液の電気泳動及びCD
活性染色 エシェリヒア・コリのSAT欠損株であるエシェリヒア・
コリJM39(F+ cysE51tfr-8)(Denk, D. and Bock,
A., J. Gene. Microbiol, 133, 515-525(1987))、及
び、CD活性低下株JM39-8(特開平11-155571号)の細胞
抽出液を、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Na
tive-PAGE)に供し、CD活性染色を行い、CD活性の主体
について解析した。JM39-8株は、JM39株をNTG処理
し、L−システイン非資化性株として分離された変異株
である(特開平11-155571号)。
るいは無添加のLB培地(トリプトン10g/L、Yeast Extra
ct 5g/L、NaCl 5g/L (pH7.0))に植菌後、37℃、終夜培
養した。菌体を遠心集菌後0.85%NaClで洗浄し、得られ
た湿菌体を約3ml菌体破壊用Buffer(10mM Tris-HCl (pH
8.6)、10μM PLP、100μM DTT)に懸濁してCOSMOBIO社B
ioruptorで30分超音波菌体破壊を行った。12,000rpm、1
0分間遠心し、得られた上清を菌体抽出液とした。Prote
in Assay Kit (Bio-Rad社)を使用してタンパク濃度を定
量した。
を、2×Native-PAGE buffer(Glycine14.43g/L、Tris
3.0 g/L、pH8.6(HCl))に懸濁し、定法に従い非変性ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(Native-PAGE)を実施
した。得られた電気泳動ゲルを用い、CD活性染色を実施
した。反応溶液(Tris・HCl 100mM、EDTA 10mM、PLP(Py
ridoxal-5-phosphate) 20μM、L-Cys 50mM、pH8.6に調
製後、100mlにフィルアップし、塩化ビスマス(BiCl3)
を50mg加えた)に、ゲルの両端のレーンのみを切り出し
て浸し、室温で振盪してバンドが見えてくるまで放置し
たところ、主なバンドが2本検出された(図1A)。な
お、ゲルの中央部のレーンは、アミノ酸配列決定に用い
た。JM39-8株では、上記の2つのバンドのうち、分子量
が大きい方のバンドが、JM39株に比べて弱かった。
定 エシェリヒア・コリにおいてCD活性をもつ酵素として、
CBL(metC産物)が報告されている(Chandra et. al., B
iochemistry, 21 (1982) 3064-3069)。上記バンドがCB
Lである可能性を検証するため、metC欠損株及びmetC遺
伝子をマルチコピープラスミドにて増幅したエシェリヒ
ア・コリを用いて、上記と同様な実験を実施した。
uid-man uraA:Tn10)、及びmetCを搭載したプラスミドp
IP29(フランス・パスツール研究所のSaint-Girons博士
より供与された。Belfaiza et. al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. 83 (1986) 867-871参照)をEZ5に導入した菌株
を用いて、Native-PAGE、及びCD活性染色を実施した。
その結果、metC欠損株では、分子量の小さい方のバンド
が欠失しており、pIP29の導入によってそのバンドが大
きく増幅されることが判明した(図1B)。この結果よ
り、分子量の小さい方のバンドは、CBLであると結論付
けた。
同定 活性染色で認められた前記2本のバンドのうち分子量の
大きい方のバンドに相当するタンパク質の精製を行っ
た。電気泳動ゲルから、分子量の大きい方のバンドをゲ
ルより切り出し、定法により抽出、濃縮した。得られた
CD活性を持つ画分をについてSDS-ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS-PAGE)を行い、染色は行わずに、PVDF
膜(Bio-Rad)にブロッティングを行った。転写が終わ
った膜を蒸留水で5分間洗浄し、0.025% CBB(クマシー
ブリリアントブルー)R-250を含む40%メタノールで5分
間染色した。脱色は50%メタノールで行い、確認した目
的酵素のバンドを切り取って、Protein Sequencer 476A
(Applied Biosystems 社)を用いた自動エドマン分解
法により、N末端アミノ酸配列を決定した。
干のCD活性を有することが報告されている(Austin New
ton et. al., J. Biol. Chem. 240 (1965) 1211-1218)
エシェリヒア・コリのTNaseのアミノ酸配列と比較した
ところ、15残基中14残基が一致した。配列番号1の
アミノ酸配列において10位のメチオニンは、報告され
ているアミノ酸配列ではプロリンであった。この結果か
ら、分子量の大きい方のバンドは、TNaseである可能性
が高いと考えられた。また、この結果から、JM39-8株で
はTNaseの発現が低下していると推定された。
びmetC欠損株の構築 上記のようにして、エシェリヒア・コリにおけるCD活性
を担う酵素としてCBL及びTNaseが同定されたので、それ
らの活性低下のL−システイン生産に対する効果を調べ
るために、CBLをコードする遺伝子metC又はTNaseをコー
ドする遺伝子tnaAの破壊株、及びこれらの両方の遺伝子
の破壊株を作製した(図2)。具体的には、以下のよう
にして行った。
番号2及び3に示す塩基配列を有するプライマーと、配
列番号4及び5に示す塩基配列を有するプライマーとを
用いて、それぞれPCRを実施した。次に、各PCR産物をHi
ndIIIで切断した後ライゲーションした。この反応液を
鋳型として、配列番号2及び5に示す塩基配列を有する
プライマーを用いてPCRを実施し、約1.6kbの断片を得
た。この断片をBamHIにて消化し、温度感受性プラスミ
ドpEL3(K. A. Armstrong et. al.,J. Mol. Biol. (198
4) 175, 331-347)のBamHIサイトに組み込み、tnaA破壊
用プラスミドpEL3ΔtnaAを構築した。
形質転換し、30℃にてアンピシリン耐性を示すクローン
を得た。本クローンの培養液を適宜希釈してアンピシリ
ン添加LB寒天培地に塗布し、42℃にて一夜培養し、pEL3
ΔtnaAがJM39株染色体に組み込まれた株を得た。次い
で、本株をアンピシリン無添加LB培地にて37℃経代培養
し、アンピシリン感受性のクローンを分離した。分離ク
ローンについて、ゲノミックPCRによって染色体上のtna
A遺伝子周辺を解析し、野生型のtnaAは有しておらず、p
EL3ΔtnaA上にクローニングされた破壊型tnaA遺伝子の
みを有する株を選択した。こうして、JM39株由来のtnaA
遺伝子破壊株JM39ΔtnaAを得た。
番号6及び7に示す塩基配列を有するプライマー、及び
配列番号8及び9に示す塩基配列を有するプライマーを
用いて、それぞれPCRを実施した。次に、各PCR産物をKp
nIで切断した後ライゲーションした。この反応液を鋳型
として、配列番号6及び9に示す塩基配列を有するプラ
イマーを用いてPCRを実施し、約1.4kbの断片を得た。こ
の断片をBamHIにて消化し、pEL3のBamHIサイトに組み込
み、metC破壊用プラスミドpEL3ΔmetCを構築した。
ΔmetCを用いて形質転換し、30℃にてアンピシリン耐性
を示すクローンを得た。本クローンの培養液を適宜希釈
してアンピシリン添加LB寒天培地に塗布し、42℃にて一
夜培養し、pEL3ΔmetCがJM39株染色体に組み込まれた株
を得た。次いで、本株をアンピシリン無添加LB培地にて
37℃経代培養し、アンピシリン感受性のクローンを分離
した。分離クローンについて、ゲノミックPCRによって
染色体上のmetC遺伝子周辺を解析し、野生型のmetCは有
しておらず、pEL3ΔmetC上にクローニングされた破壊型
metC遺伝子のみを有する株を選択した。こうして、JM39
株由来のmetC遺伝子破壊株JM39ΔmetC、及びJM39ΔtnaA
株由来のmetC遺伝子破壊株JM39ΔtnaAΔmetCを得た。
動及び活性染色によって、CD活性を有するバンドの有無
を調べた (図3)。その結果、tnaA破壊株では分子量の
大きな方のバンドが、metC破壊株では分子量の小さな方
のバンドが、tnaA/metC 両破壊株では両方のバンドが完
全に消失していた。
伝子の導入 上記で得られた各遺伝子破壊株に、シロイヌナズナ由来
のフィードバック阻害非感受性SAT遺伝子を導入した。
スミドpEAS-m(FEMS Microbiol. Lett., 179 (1999) 45
3-459)を使用した。プラスミドpES-mは、特開平11-155
571号公報に記載されているE. coli由来cysE遺伝子の導
入に用いたプラスミドpCEをベースとして、E. coli由来
cysE遺伝子の代わりにシロイヌナズナ由来フィードバッ
ク阻害非感受性SAT遺伝子を挿入したものであり、以下
のような方法で構築可能である。まず、FEMS Microbio
l. Lett., 179 (1999) 453-459に記載された方法で、pC
EのcysE遺伝子の開始コドンの直前及び終止コドンの直
後にNcoIサイトを導入したプラスミドpCE(NcoI)を構築
する。このプラスミドのNcoI消化によってcysE遺伝子を
除去し、代わりにシロイヌナズナのSAT遺伝子にNcoIリ
ンカーを付加したものを導入する。シロイヌナズナのSA
T遺伝子はその構造が既知であり(Plant Molecular Bio
logy, 30, 1041-1049, 1996)、化学合成又はPCR等によ
って取得することができる。pEAS-mは、Plant Molecula
r Biology, 30, 1041-1049, 1996のFig.2に記載されて
いる塩基配列中189−1201位の配列の前後にNcoIサイト
を付加したDNA断片をpCEのNcoIサイトに導入して得られ
たものである。
ΔtnaAΔmetCを、上記プラスミドpEAS-mで形質転換し
た。得られた各形質転換株を、アンピシリン50mg/Lを含
むLBプレート培地で30℃、24時間培養した後、菌体1白
金耳を、アンピシリン50mg/Lを添加したC1培地(グルコ
ース 30g/L、NH4Cl 10g/L、KH2PO4 2g/L、MgSO4・7H2O 1
g/L、FeSO4・7H2O 10mg/L、MnCl2・4H2O 10mg/L、CaCO3 2
0g/L)20mlを入れた坂口フラスコに接種し、30℃で48時
間および72時間培養した。培養後の上清のL−システイ
ン含量をバイオアッセイで定量したところ、全ての破壊
株で野生株を上回り、tnaA及びmetCの破壊がL−システ
イン生産性の向上に効果のあることが確認された(図
4)。
−システイン生産性を向上させることができる。
のCD活性染色の結果を示す図。A:SAT欠損株JM39、及
び、CD活性低下株JM39-8B:metC欠損株EZ5、及びmetC
を搭載したプラスミドpIP29を導入したEZ5
株、及びmetC/tnaA破壊株の構築過程を示す図。
「A」、「B」は遺伝子の末端領域、「X」は欠失領域
を示す。
壊株の遺伝子破壊を確認する電気泳動及びCD活性染色の
結果を示す写真。
壊株のL−システイン生産性を示す図。
Claims (10)
- 【請求項1】 L−システイン生産能を有し、かつ、シ
スタチオニン−β−リアーゼ活性が低下又は欠失するよ
うに改変されたエシェリヒア属細菌。 - 【請求項2】 L−システイン生産能を有し、かつ、シ
スシスタチオニン−β−リアーゼ活性及びトリプトファ
ナーゼ活性が低下又は欠失するように改変されたエシェ
リヒア属細菌。 - 【請求項3】 シスタチオニン−β−リアーゼをコード
する遺伝子が破壊された請求項1記載のエシェリヒア属
細菌。 - 【請求項4】 シスシスタチオニン−β−リアーゼをコ
ードする遺伝子及びトリプトファナーゼをコードする遺
伝子が破壊された請求項2に記載のエシェリヒア属細
菌。 - 【請求項5】 さらにL−システイン生合成系酵素活性
が増強されるように改変された請求項1〜4のいずれか
一項に記載のエシェリヒア属細菌。 - 【請求項6】 セリンアセチルトランスフェラーゼが増
強されるように改変された請求項5記載のエシェリヒア
属細菌。 - 【請求項7】 L−システインによるフィードバック阻
害に非感受性のセリンアセチルトランスフェラーゼを保
持する請求項6記載のエシェリヒア属細菌。 - 【請求項8】 エシェリヒア・コリである請求項1〜7
のいずれか一項に記載のエシェリヒア属細菌。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載のエ
シェリヒア属細菌を培地で培養し、L−システインを培
地中に生成蓄積させ、該培地よりL−システインを採取
する、L−システインの製造法。 - 【請求項10】 エシェリヒア属細菌のシスシスタチオ
ニン−β−リアーゼ活性もしくはトリプトファナーゼ活
性、又はこれらの両方の活性を低下又は消失させること
によって、同細菌のL−システイン生産能を高めること
を特徴とする、エシェリヒア属細菌のL−システイン生
産菌の製造方法。
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