JP2003167492A - クリーニングブレード及びこれを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレード及びこれを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置

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JP2003167492A JP2001367734A JP2001367734A JP2003167492A JP 2003167492 A JP2003167492 A JP 2003167492A JP 2001367734 A JP2001367734 A JP 2001367734A JP 2001367734 A JP2001367734 A JP 2001367734A JP 2003167492 A JP2003167492 A JP 2003167492A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温低湿から高温高湿な環境条件下におい
て、略球形トナーに対するクリーニング性能を良好に保
つ。 【解決手段】 像担持体1に接触配置されて像担持体1
上の残留トナーを清掃するクリーニングブレード2であ
って、特定のウレタンゴムにより形成され、反発弾性
係数(JIS K6255)が10℃で20%以上、4
0℃で70%以下の範囲内であること、300%モジ
ュラス(JIS K6251)が200kg/cm2
上であること、引き裂き強度(JIS K6252 ア
ングル型)が70kg/cm以上であること、の各物性
条件を満たす。また、これを用いたクリーニング装置、
プロセスカートリッジ、画像形成装置をも対象とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法又は静
電記録法等を利用した複写機、プリンタ、ファクシミ
リ、複合機等の画像形成装置で主として用いられ、像担
持体上の残留トナーを清掃するクリーニングブレードに
係り、特に、現像剤として、小径の略球形トナーを使用
した際のクリーニング性能に有効なクリーニングブレー
ド及びこれを用いたクリーニング装置、プロセスカート
リッジ並びに画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真法又は静電記録法等に
あっては、感光体等の像担持体上に静電潜像を形成した
後、現像剤としてのトナーで前記静電潜像を可視像化
し、続いて、この可視像化されたトナー像に対する転写
工程及び定着工程を経て記録材上に画像を形成するとい
う作像方式が採用されている。この種の作像方式におい
ては、通常転写工程後に像担持体上に残留トナーが残存
するため、これを清掃するためにクリーニング装置が設
けられる。ここで、この種のクリーニング装置には各種
方式のものが知られているが、代表的には、像担持体に
クリーニングブレード(通常弾性を有する当接板を使
用)を接触配置し、像担持体上の残留トナーを前記ブレ
ードで掻き取るようにしたブレードクリーニング方式が
採用されることが多い。
【0003】また、現像剤としてのトナーは、例えば熱
可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤及びワックス等の離型剤
と共に溶融混練して冷却した後、微粉砕し、更に分級す
る混練粉砕法で製造される。また、このトナーの粒子表
面には、流動性やクリーニング性を改善するために、必
要に応じて無機微粒子や有機微粒子を添加することもあ
る。ところが、このような画像形成装置においても、近
年の高度な情報化社会の発展に伴い高画質の情報ドキュ
メントを提供することが求められていることから、例え
ば、電子写真法又は静電記録法等によるカラー画像形成
において、より高精細な画像を実現するために、トナー
粒子の小径化とシャープな粒度分布、及び、トナー粒子
の球形化の技術開発が進められている。この場合、特に
トナー粒子を球形化した場合には、その球形状のトナー
粒子が担持される像担持体との接触面積を最小に保持す
ることができるため、像担持体との付着力が抑制されて
転写工程における転写性が高くなり、これにより、細線
再現性など最終的な画質特性の向上が期待できる点で好
ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、略球形
トナーを使用する画像形成装置において、ブレードクリ
ーニング方式を採用すると、略球形トナーがその形状に
起因してブレードと像担持体との間をすり抜ける確率が
高く、クリーニング不良が発生し易くなるため、そのク
リーニング不良に起因した画質の低下が生じ易くなる。
従って、画像形成装置における高画質化を実現させるた
めには、略球形トナーに対するクリーニング不良を防止
することが重要視されている。
【0005】そこで、従来にあっては、略球形トナーに
対するクリーニング不良を防止する対策として、例えば
ブレードのエッジ部にかかる線圧を上昇させ、球形状ト
ナーのすり抜けを防止する試みがなされている。しかし
この単なる線圧の上昇による対策では、ブレードエッ
ジ部の摩耗が促進されたり、ブレードのびびり振動によ
る異音が発生したり、ブレードの当接による像担持体の
摩耗が促進される等の技術的課題がある。また、この各
摩耗や異音の発生を改善するため、そのブレードエッジ
部に潤滑剤としてサブミクロン(0.2μm以下程度)
の微粒子を供給し、ブレードエッジ部の摩擦係数を低減
する対策が提案されている。しかし、このようなサブミ
クロンの潤滑剤微粒子を使用した場合には、その効果は
初期的にはあるが、像担持体、ブレードエッジの摩耗、
傷が発生した経時劣化後には効果が落ち、この潤滑剤の
サブミクロン微粒子がブレードエッジを通過し、例えば
帯電装置を汚染して帯電不良を誘発して画像品質の低下
を招くという技術的課題がある。また、最悪の場合に
は、潤滑効果が部分的には発生しなくなるので、局所的
なブレードエッジの欠けを起こし、クリーニング不良を
発生させ、筋状のプリントという画質の低下につなが
る。
【0006】更に、サブミクロン(0.2μm以下程
度)の不定形無機微粒子をブレードエッジ部に供給し
て、ブレードエッジ部にシール層を形成し、球形状トナ
ーのすり抜けを発生しにくくさせる方法が提案されてい
る。この方法は、例えば不定形無機微粒子として不定形
状のシリカやアルミナをブレードエッジ部に供給し、こ
れらの不定形微粒子によってすり抜け易い略球形トナー
粒子をトラップするというメカニズムに基づいてすり抜
けを防止しようとするものである。しかし、この方法
も、サブミクロンの小粒径のものを使用するため、上記
潤滑剤微粒を使用する場合と同様の技術的課題を生じ
る。
【0007】この他にも、略球形トナーと不定形トナー
とを特定の割合で混在させて使用する方法(例えば特開
平8−62893号公報、特開平8−95286号公報
など)が提案されている。しかし、このような方法の場
合であっても、略球形トナーが不定形トナーの隙間をす
り抜けてブレードエッジ部に進んですり抜けることがあ
るため、略球形トナーに対するクリーニング不良の改善
が充分になされない。
【0008】また、クリーニングブレードは例えばウレ
タンゴムで形成されるが、このウレタンゴムは温度依存
性があることが知られており、この温度依存性は、クリ
ーニングブレードの反発弾性に大きく影響する。例えば
低温低湿環境下において反発弾性が低下すると、クリー
ニング不良となり、また、高温高湿環境下で反発弾性が
大きく増加すると、ブレードエッジ部の欠落やめくれあ
るいはびびり振動による異音が発生する懸念がある。そ
こで、この種のウレタンゴムからなるクリーニングブレ
ードにあっては、環境依存性を如何に抑制するかが重要
な解決課題として試行錯誤検討されている。
【0009】本発明は、以上の技術的課題を解決するた
めに、略球形トナーに対するクリーニング不良を、低温
低湿から高温高湿の環境条件下において確実に防止す
る、言い換えれば、低温低湿から高温高湿な環境条件下
において、略球形トナーに対するクリーニング性能を良
好に保つことを可能としたクリーニングブレード及びこ
れを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ並
びに画像形成装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な技術的課題を解決するために、ウレタンゴムからなる
クリーニングブレードについて、環境依存性をどの程度
に抑制すべきかを検討した結果、反発弾性係数、300
%モジュラス及び引き裂き強度の機械的物性を環境条件
下で所定範囲内に最適化することにより、環境依存性に
よる影響を抑制しながら、略球形トナーに対するクリー
ニング不良を改善可能とした提案を行った。その後、本
発明者らは、更に、クリーニングブレードの機械的物性
と材料条件との関係について検討したところ、所定の材
料条件の下でクリーニングブレードの機械的物性の最適
化を容易に実現できることを見出し、本発明を案出する
に至ったものである。
【0011】すなわち、本発明は、図1に示すように、
像担持体1に接触配置されて像担持体1上の残留トナー
を清掃するクリーニングブレード2であって、後述する
特定のウレタンゴムにより形成され、反発弾性係数
(JIS K6255)が10℃で20%以上、40℃
で70%以下の範囲内であること、300%モジュラ
ス(JIS K6251)が200kg/cm2 以上で
あること、引き裂き強度(JIS K6252 アング
ル型)が70kg/cm以上であること、の各物性条件
を満たすことを特徴とするものである。
【0012】このような技術的手段において、像担持体
1とは、像を担持するものを広く含み、感光体などの像
形成担持体は勿論、この像形成担持体上の画像を直接若
しくは間接的に担持して搬送する像担持搬送体(中間転
写体や記録材搬送体)を含む。また、本発明で適用され
るウレタンゴムは、ジオールと二塩基酸との脱水縮合に
より得られるポリエステルポリオールを長鎖ポリオール
として用いている。ここで、ジオールとしては、ジオー
ル成分1(1,9−ノナンジオール)とジオール成分2
(メチル−1,8オクタンジオール)とを(65±
3):(35±3)のモル比で混合したものが用いられ
る。但し、モル比の「±3」は規格幅である。
【0013】更に、ポリエステルポリオールは、エステ
ル濃度が6.6〜7.0mmol/gの範囲にあること
を要する。但し、エステル濃度(mmol/g)=(エ
ステル基のモル数)/(ポリエステルの重量) で定義される。すなわち、エステル濃度が6.6〜7.
0mmo1/gであるポリエステルポリオールを用いた
ウレタンゴムにあっては、反発弾性の温度依存性が低減
し、低温域での反発弾性がある程度確保されると共に、
高温域での反発弾性の上昇が抑えられることから、反発
弾性係数条件を容易に満足させることができる。また、
機械的強度も十分に確保されることから、300%モジ
ュラス条件及び引き裂き強度条件を容易に満足させるこ
とができる。このように、エステル濃度が6.6〜7.
0mmo1/gのものは、機械的強度と反発弾性の温度
依存性とを両立させる上で好適である。
【0014】ここで、エステル濃度が上限値を超える
と、反発弾性の温度依存性が大きくなる。言い換える
と、低温時の反発弾性係数が10℃で20%未満とな
り、クリーニング不良の発生が見られる。また、高温時
の場合、反発弾性係数が40℃で70%を超える値とな
る。これに伴い、スティックスリップ運動が激しくな
り、クリーニングブレード2のエッジに対するダメージ
を受け、欠けによるトナーすり抜け等が見られる点で好
ましくにい。一方、エステル濃度が下限値を下回ると、
ウレタン特有のハードセグメントの含有量が著しく低下
し、機械的強度も低下する点で好ましくない。
【0015】上述したポリエステルポリオールを用いて
ウレタンゴムを製造するには、ポリエステルポリオール
及び鎖延長剤としての短鎖ポリオールに、ポリイソシア
ネートを配合し、反応させる。ここで、短鎖ポリオール
としては、1,3−プロパンジオール及びトリメチロー
ルエタンが用いられ、この短鎖ポリオール中、1,3−
プロパンジオールが85〜90%含まれる。反応はプレ
ポリマー法やワンショット法など、ウレタンゴムの一般
的な製造方法を用いることができる。プレポリマー法は
強度、耐摩耗性にすぐれるウレタンゴムが得られるため
本発明に好適であるが、製法により制限されるものでは
ない。また、本発明で用いられるウレタンゴムでは、ウ
レタンゴム中の長鎖ポリオールが60〜80重量%であ
るのが好ましい。更に、本発明では、上述した所定のポ
リエステルポリオールの他、本発明の効果を損なわない
範囲で他のポリオールを併用することができるが、ポリ
エステルポリオールの含有量は、長鎖ポリオール中、9
0〜30重量%であるのが好ましい。
【0016】次に、反発弾性係数条件について説明する
と、以下のようである。すなわち、低温低湿条件下にお
いて、従来のクリーニングブレードによってクリーニン
グ性能を確保するためには、像担持体1へのクリーニン
グブレードの押し付け力を増大させればよいが、単に押
し付け力を増大すると、像担持体1の摩耗量が増大し、
像担持体1のライフが短かくなる。しかしながら、本発
明に係るクリーニングブレード2では、反発弾性係数
(JIS K6255)は10℃で20%以上、40℃
で70%以下の範囲内のものを使用しているので、温度
依存性(変動)が少ない。この場合、低温低湿条件下の
クリーニング性能を向上させるために、低温側での反発
弾性をある程度大きく設定しても、高温側の反発弾性の
上昇が少ない。従って、低温側での反発弾性が大きな材
料を使用することが可能になり、その分、低温側の押し
付け力を増大させなくてもクリーニング性能を確保する
ことができる。また、高温側の反発弾性が抑制されてい
るため、高温高湿条件下での、めくれ、欠けを抑制する
ことができる。
【0017】また、本発明では、300%モジュラス
(JIS K6251)が200kg/cm2以上であ
り、更に、引き裂き強度(JIS K6252 アングル
型)は70kg/cm以上である。このように、300
%モジュラス及び引き裂き強度が高い場合には、クリー
ニングブレード2の微少な欠けを抑制することが可能に
なる。
【0018】前述のように、クリーニングブレード2の
材料を選定すれば、各物性条件(環境依存性の影響低
減、機械的強度)を容易に選定することが可能になる。
このため、本発明によれば、クリーニング性能を確保す
るために、像担持体1への押し付け力を不必要に上昇さ
せる必要が無くなり、すべての使用環境においてクリー
ニング性能を良好に確保することができ、しかも、像担
持体1の摩耗量を低減することが可能となる。更に、像
担持体1表面に放電生成物が付着したり表面が変質した
りして、像担持体1の表面摩擦係数が上昇した状態にお
いても、クリーニングブレード2の振動による騒音(鳴
き)を低減することができる。
【0019】また、本発明のクリーニングブレード2に
おいて、永久伸び(JIS K6262)が、2.5%
以下のものを使用するのであれば、高温高湿条件下に長
期間放置された後も、像担持体1への押し付け力の低下
が少なく、クリーニング性能を確保することができる点
で好ましい。
【0020】特に、本発明のクリーニングブレード2
は、高画質化には有利であるが、通常クリーニングし難
いとされる小径で略球形トナー、具体的には、形状係数
SFが140未満で、かつ、体積平均粒径が2〜8μm
のトナーを効果的にクリーニングすることができるた
め、これらをクリーニング対象とする場合に極めて有効
である。ここで、形状係数SFは、次式で定義される。 SF={M2/(A×4π)}×100 但し、M:トナー粒子の最大周囲長,A:粒子の投影面
積である。また、形状係数SFが140を越えると、ト
ナー粒子が非定形の域に入り、略球形トナーによる良好
な転写性が得られ難くなり、得られる画像の高画質化が
困難になる。一方、トナーの体積平均粒径が2μmより
小さくなると、粒子が小さくなるため適切な現像特性や
クリーニング性能が得られない。反対に体積平均粒径が
8μmを超えて大きくなると、粒子が大きすぎて画像が
粗くなり、画像の高画質化に不利になる。
【0021】本発明は、図1に示すように、上述したよ
うなクリーニングブレード2に限られず、これを用いた
クリーニング装置3をも対象とする。本態様において、
クリーニング装置3は像担持体1に接触配置されるクリ
ーニングブレード2を具備したものを広く含む。このた
め、クリーニング装置3に一つのクリーニングブレード
2を具備したものに限らず、複数のクリーニングブレー
ド2を具備したものでもよいし、クリーニングブレード
2の上流側にクリーニングブラシ等の他のクリーニング
部材を配設したもの等適宜選定して差し支えない。
【0022】また、本発明は、プロセスカートリッジを
も対象とする。この場合、本発明は、図1に示すよう
に、像担持体1と、上述したクリーニングブレード2を
有するクリーニング装置3とを備えたプロセスカートリ
ッジである。このプロセスカートリッジには、通常像担
持体1上の静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置
が含まれるが、プロセスカートリッジには現像装置が分
離した態様もあり得るため、ここでは現像装置を必須の
要件にはせず、広くプロセスカートリッジを対象とする
ことにした。
【0023】更に、本発明は、画像形成装置をも対象と
する。この場合、本発明は、図1に示すように、一若し
くは複数のクリーニング装置3を有する画像形成装置に
おいて、少なくともいずれか一つのクリーニング装置3
に上述したクリーニングブレード2を組み込んだもので
ある。従って、複数のクリーニング装置3のいずれか一
つに本発明のクリーニングブレード2を使用し、他のク
リーニング装置3に本発明以外のクリーニング部材を使
用したとしても、本発明の適用範囲である。但し、複数
のクリーニング装置3を有する画像形成装置において、
クリーニング性能を良好に抑えるという観点からすれ
ば、全てのクリーニング装置3に本発明のクリーニング
ブレード2を使用する態様が好ましい。また、像担持体
1が、トナー像を形成して担持する像形成担持体と、こ
の像形成担持体上のトナー像を直接若しくは間接的に搬
送する像担持搬送体とを備えたものである場合に、像形
成担持体に設けられたクリーニング装置3に本発明のク
リーニングブレード2を組み込んだものも、本発明の適
用範囲である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図2は本発明が適用されたタンデム型画像形成装置の実
施の形態1を示す説明図である。同図において、タンデ
ム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に四つの色
(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シア
ン)の作像エンジン22(具体的には22a〜22d)
を横方向に配列し、その上方には各作像エンジン22の
配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230
が含まれるベルトモジュール23を配設する一方、本体
ハウジング21の下方には用紙等の記録材(図示せず)
が収容される記録材供給カセット24を配設すると共
に、この記録材供給カセット24からの記録材の搬送路
となる記録材搬送路25を垂直方向に配置したものであ
る。
【0025】本実施の形態において、各作像エンジン2
2(22a〜22d)は、中間転写ベルト230の循環
方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マ
ゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限ら
ない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニ
ット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露
光ユニット40とを備えている。ここで、感光体ユニッ
ト30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラ
ム31を予め帯電する帯電装置(本例では帯電ロール)
32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するク
リーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化し
たものである。また、現像ユニット33は、帯電された
感光体ドラム31上に前記露光ユニット40にて露光形
成された静電潜像を対応する色トナー(本実施の形態で
は例えば負極性)で現像するものであり、例えば前記感
光体ユニット30からなるサブカートリッジと一体化さ
れてプロセスカートリッジ(所謂CRU:Customer Rep
laceable Unit)を構成している。尚、感光体ユニット
30を現像ユニット33から切り離して単独のCRUと
してもよいことは勿論である。また、図2中、符号35
(35a〜35d)は各現像ユニット33に各色成分ト
ナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナ
ー補給経路は図示せず)。
【0026】一方、露光ユニット40は、ユニットケー
ス41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一
つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)及び
各感光体ユニット30に対応するそれぞれミラー(図示
せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光を
ポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラー
を介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに
光像を導くようにしたものである。
【0027】また、本実施の形態において、ベルトモジ
ュール23は、例えば一対の張架ロール(一方が駆動ロ
ール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け
渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体ドラ
ム31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次
転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、
この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電
圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像を
中間転写ベルト230側に静電的に転写するようになっ
ている。更に、中間転写ベルト230の最下流作像エン
ジン22dの下流側の張架ロール232に対応した部位
には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベル
ト230上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転
写)するようになっている。
【0028】本実施の形態では、二次転写装置52は、
中間転写ベルト230のトナー像担持面側に圧接配置さ
れる二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の
裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極を
なすバックアップロール(本例では張架ロール232を
兼用)とを備えている。そして、例えば二次転写ロール
521が接地されており、また、バックアップロール
(張架ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性の
バイアスが印加されている。更にまた、中間転写ベルト
230の最上流作像エンジン22aの上流側にはベルト
クリーニング装置53が配設されており、中間転写ベル
ト230上の残留トナーを除去するようになっている。
【0029】また、記録材供給カセット24には記録材
をピックアップするフィードロール61が設けられ、こ
のフィードロール61の直後には記録材を送出するテイ
クアウェイロール62が配設されると共に、二次転写部
位の直前に位置する記録材搬送路25には記録材を所定
のタイミングで二次転写部位へ供給するレジストレーシ
ョンロール(レジストロール)63が配設されている。
一方、二次転写部位の下流側に位置する記録材搬送路2
5には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下
流側には記録材排出用の排出ロール67が設けられてお
り、本体ハウジング21の上部に形成された排出トレイ
68に排出記録材が収容されるようになっている。
【0030】更に、本実施の形態では、本体ハウジング
21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けら
れており、この手差し供給装置71上の記録材はフィー
ドロール72及びテイクアウェイロール62にて記録材
搬送路25に向かって送出されるようになっている。更
にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット7
3が付設されており、この両面記録用ユニット73は、
記録材の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片
面記録済みの記録材を排出ロール67を逆転させ、か
つ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、適
宜数の搬送ロール77にて内部の記録材戻し搬送路76
に沿って記録材を搬送し、再度レジストロール63側へ
と供給するものである。
【0031】次に、本実施の形態で用いられるクリーニ
ング装置34について詳述する。図3において、クリー
ニング装置34は、残留トナーが収容され且つ感光体ド
ラム31に対向して開口するクリーニングケース341
を有し、このクリーニングケース341の開口下縁には
感光体ドラム31に接触配置されるクリーニングブレー
ド342を図示外のブラケットを介して取り付ける一
方、前記クリーニングケース341の開口上縁には感光
体ドラム31との間が気密に保たれるフィルムシール3
44を取り付けたものである。尚、符号345はクリー
ニングケース341内に収容された廃トナーを側方の廃
トナー容器に導く搬送オーガである。
【0032】また、本実施の形態に係るクリーニングブ
レード342は、弾性材料であるウレタンゴムで形成さ
れている。このウレタンゴムは、ジオールと二塩基酸と
の脱水縮合により得られるポリエステルポリオールを長
鎖ポリオールとして用いたものである。特に、性能及び
コスト面で好適なものは、ジオール成分1(1,9−ノ
ナンジオール)及びジオール成分2(メチル−1,8−
オクタンジオール)を所定のモル比(本例では、(65
±3):(35±3))で混合したジオールと、アジピ
ン酸とを脱水縮合してなるポリエステルポリオールであ
る。勿論、これらを主成分とし、一部の成分を他のグリ
コールや二塩基酸で置換したものも好適に用いることが
できる。ここで、メチル−1,8−オクタンジオールと
は、1又は8以外の位置にメチル基を有するオクタンジ
オールであり、代表的なものは2−メチル−1,8−オ
クタンジオールであるが、これに限定されるものではな
い。また、前記ポリエステルポリオールのエステル濃度
は6.6〜7.0mmol/gである。
【0033】また、ポリエステルポリオールと反応させ
るポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイ
ソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシ
アネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,
4’−ジイソシアネート(TODI)などを挙げること
ができる。特に、性能及びコスト面で好適なものはMD
Iである。
【0034】上述したポリエステルポリオールを用いて
ウレタンゴムを製造するには、ポリエステルポリオール
及び鎖延長剤としての短鎖ポリオールに、ポリイソシア
ネートを配合し、反応させる。反応はプレポリマー法や
ワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法
を用いることができる。ここで、短鎖ポリオールとして
は、1,3−プロパンジオール及びトリメチロールエタ
ンが用いられ、更に、短鎖ポリオール中、1,3−プロ
パンジオールが85〜90%含まれているものが用いら
れる。
【0035】また、本実施の形態に係るクリーニングブ
レード342の機械的物性は以下の通りである。 ・反発弾性係数:これは、JIS K6255に準拠す
るものであり、10℃で20%以上、40℃で70%以
下の範囲内であることが必要である。 ・300%モジュラス:これは、JIS K6251に
準拠するものであり、200kg/cm2 以上であるこ
とが必要である。 ・引き裂き強度:これは、JIS K6252のアング
ル型に準拠するものであり、70kg/cm以上である
ことが必要である。 ・永久伸び:これは、JIS K6262に準拠するも
のであり、2.5%以下、好ましくは1%以下更に好ま
しくは0.5%以下であることが必要である。 ・押し付け圧:これは、感光体ドラム31に対するクリ
ーニングブレード342の接触圧であり、3.0〜6.
0gf(=3.0〜6.0×10-3×9.8N)/mm
程度に設定される。
【0036】尚、本実施の形態では、各作像エンジン2
2(22a〜22d)の全てのクリーニング装置34に
おいて、同様なクリーニングブレード342が用いられ
ているほか、ベルトクリーニング装置53で用いられる
クリーニングブレード531も前記クリーニングブレー
ド342と同様な物性特性のものが用いられる。
【0037】また、本実施の形態で用いられる現像ユニ
ット(現像装置)33は、例えば図3に示すように、現
像剤が収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口す
るユニットケース331を有し、このユニットケース3
31の開口に面した箇所に現像ロール332を配設する
と共に、ユニットケース331内には現像剤攪拌搬送の
ための搬送オーガー333を配設し、更に、現像ロール
332と搬送オーガー333との間には必要に応じて搬
送パドル334を配設し、現像ロール332に現像剤を
供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を
層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像
領域に搬送し、現像に供するようにしたものである。本
実施の形態では、現像ユニット33としては、例えばト
ナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用する態様
のものが示されているが、トナーのみを使用する一成分
現像剤を使用する態様など適宜選定して差し支えない。
【0038】ここで、本実施の形態で使用されるトナー
は小径の略球形トナーである。すなわち、トナーの形状
係数SFは140未満、好ましくは135以下、より好
ましくは120以下である球形状の粒子である。この形
状係数SFが140以上になると、トナー粒子が球形状
でない不定形になってしまい、良好な転写性等が得られ
にくくなり、得られる画像の高画質化が困難となる。一
方、このトナー粒子は、高画質化を企図する観点からす
れば、その体積平均粒子径は好ましくは2〜8μmであ
る。
【0039】トナー粒子は、必須成分として結着樹脂及
び着色剤を含有し、所望により離型剤又は離型剤樹脂を
含有したものである。その結着樹脂は、従来よりトナー
に用いられている結着樹脂を用いることができ、特に制
限されない。具体的には、スチレン、パラクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の
アクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル
系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフ
ォン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和酸単量体;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル
類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル
等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエ
チルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケ
トン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフ
ィン類などの単量体からなる単独重合体、それらの単量
体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物
を挙げられる。さらには、これら単独重合体、共重合体
又は混合物に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリ
エーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと
前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル
系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げる
ことができる。
【0040】上記着色剤は、従来より公知の着色剤を用
いることができ、特に制限されない。例えば、カーボン
ブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジ
ンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パー
マネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカ
ンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッ
ド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6
B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソー
ルレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ロー
ズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、
カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイ
トグリーンオクサレレートなどの種々の顔料や、アクリ
ジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジ
ン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジ
ン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオイ
ンジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポ
リメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン
系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各
種染料などを1種又は2種以上を併せて使用することが
できる。
【0041】上記トナー粒子に所望により含有させる離
型剤又は離型剤樹脂は、上記の結着樹脂成分の一部とし
て添加してもよい。ここで用いる離型剤としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポ
リオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エ
ルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミ
ド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ラ
イスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ
油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系
ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシ
ン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系
又は石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げ
ることができる。これらのうちの少なくとも1種をトナ
ー粒子内に含有させるのがよい。
【0042】また、上記トナー粒子は、上記成分の他
に、さまざまな特性を制御するために、種々の成分を含
有させることができる。例えば、磁性トナーとして用い
る場合、磁性粉(例えばフェライトやマグネタイト)、
還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金
又はこれら金属を含む化合物などを含有させることもで
きる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグ
ロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料等の通常使
用される帯電制御剤を適宜選択して含有させてもよい。
【0043】上記の条件を満たすトナー粒子を得る方法
は、特に制約されるものではないが、例えば、通常の粉
砕法で選られた不定形状のトナー粒子を機械的な衝撃力
により上記条件を満たすように球形化して作製する乾式
の高速機械衝撃法や、分散媒中で不定形状トナーを球形
化して作成する湿式溶融球形化法や、懸濁重合、分散重
合、乳化重合凝集法等の既知の重合法により製造する球
形トナー製造法などを用いることができる。
【0044】また、トナーとしてより好ましい態様とし
ては、略球状トナー粒子に、特定の不定形微粒子、単分
散球形シリカ及び小径の有機化合物を外添したトナー、
あるいは、略球形トナー粒子に、特定の研磨剤の微粒
子、単分散球形シリカ及び小径の有機化合物を外添した
トナーが挙げられる。ここで、トナー粒子に外添される
不定形微粒子は、その形状係数が130以上、好ましく
は135〜150、より好ましくは140〜145であ
る不定形状のものである。この形状係数は、前記したト
ナー粒子における形状係数SFと同様のものである。こ
の形状係数の値が低すぎると、クリーニング装置におけ
るブレードエッジ部においてシール剤としての作用が十
分に得られなくなる。
【0045】また、この不定形微粒子は、トナーの帯電
極性とは逆極性の微粒子である。しかも、この不定形微
粒子は、その粒径がトナー粒子の体積平均粒子径に対し
て0.1〜1.0倍のものである。具体的には、体積平
均粒子径として0.5〜10μm、好ましくは0.7〜
5μm、より好ましくは1〜3μmの範囲である。この
微粒子の体積平均粒子径がトナー粒子の体積平均粒子径
に対して0.1倍未満の値(0.5μm未満)になる
と、クリーニング装置におけるブレードエッジ部へのシ
ール剤としての不定形微粒子の供給が十分に行われない
ため、良好なクリーニング特性が得られない傾向があ
る。反対に、体積平均粒子径がトナー粒子の体積平均粒
子径に対して1.0倍の値(10μm)を超えると、現
像装置内等で粒子が飛散しやすく、画像形成装置内の汚
染を引き起こし易くなる傾向がある。
【0046】この不定形微粒子の材料は、特に制約され
るものではなく、例えば、前記したトナー粒子の結着樹
脂として示した種々の樹脂成分を用いることができる。
そして、この不定形微粒子を得る方法としては、その樹
脂成分を用いて機械的な既存の樹脂粉砕法、又は水、有
機溶剤等の液状媒体中における既存の乳化法もしくは分
散法により樹脂微粒子を製造する方法を用いることがで
きる。
【0047】また、トナー粒子に外添される研磨剤微粒
子は、トナーの帯電極性とは逆極性の微粒子である。し
かも、この微粒子は、その体積平均粒径が0.3〜2μ
m、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲の粒子であ
る。この研磨剤微粒子は、その体積平均粒径が0.3μ
m未満になると、クリーニング装置のブレードエッジ部
においてすり抜けが発生し、ブレードエッジ部に研磨剤
微粒子が溜められなくなるため、良好な研磨効果が得ら
れなくなり、良好なクリーニング特性が得られない傾向
がある。反対に、その体積平均粒径が2μmを超える
と、トナー粒子との外添強度が弱くなり、現像装置内等
で粒子が飛散しやすく、画像形成装置内の汚染を引き起
こし易くなる傾向がある。
【0048】更に、トナー粒子に外添される単分散球形
シリカは、比重が1.3〜1.9、平均粒径が80〜3
00nmのものである。この比重を1.9以下に制御す
ることにより球形シリカのトナー粒子からの剥がれを抑
制することができ、反対に1.3以上に制御することに
より凝集分散を抑制することができる。また、その平均
粒径が80nmよりも小さいときには、転写助剤として
の効果が低下し、反対に300nmよりも大きいときに
はトナー粒子に外添しにくい等の不具合がある。このシ
リカは、単分散かつ球形であることからトナー粒子の表
面に均一に分散し、安定したスペーサー効果が得られ
る。
【0049】ここで、単分散の定義としては凝集体を含
め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標
準偏差としてD50*0.22以下であることが望まし
い。球形の定義としてはWadellの球形度で議論が
でき球形化度が0.6以上、好ましくは0.8以上であ
ることが望ましい。また、シリカに限定する理由として
は、その屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくして
も光散乱による透明度の低下、特にOHPシートに画像
を形成してOHP(オーバーヘッドプロジェクター)上
への画像採取時のPE値等に影響を及ぼさないことが挙
げられる。一般的な球形シリカは比重が2.2、粒径が
最大で50nmのものが製造上から限界である、この場
合にはトナー粒子に対する均一分散や安定したスペーサ
ー効果が得られない。
【0050】このような単分散球形シリカは、湿式法で
あるゾルゲル法により得ることができる。このときのシ
リカの比重については、湿式法且つ焼成することなしに
作成するため、蒸気相酸化法に比べて低く制御すること
ができる。また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、
あるいは処理量を制御することにより更に調整すること
が可能である。その粒径については、ゾルゲル法の加水
分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、ア
ルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度
により自由に制御できる。単分散、球形形状も本手法に
て作成することにより達成可能となる。
【0051】具体的には、テトラメトキシシランを水、
アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度を
かけながら滴下、攪拌を行う。次に、反応により作成さ
れたシリカゾル懸濁液を遠心分離し、湿潤シリカゲルと
アルコール、アンモニア水とに分離する。次に、湿潤シ
リカゲルに溶剤を加えて再度シリカゾルの状態にした
後、疎水化処理剤を加えてシリカ表面の疎水化を行う。
疎水化剤としては一般的なシラン化合物を用いることが
できる。次に、この疎水化処理シリカゾルから溶媒を除
去、乾燥、シーブすることにより狙いの単分散シリカを
得ることができる。また、このように得られたシリカを
再度疎水化処理しても構わない。上記シラン化合物は、
水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合
物としては、化学構造式Ra SiX4-a (式中、aは
0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びア
ルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ
基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表され
る化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコ
キシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイ
プを使用することも可能である。このシラン化合物から
なる疎水化剤のうち特に好ましいものは、ジメチルジメ
トキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメ
トキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシル
トリメトキシシラン等である。
【0052】更に、トナー粒子に外添される小径の有機
化合物は、単分散球形シリカの粒径よりも小径のもので
あり、具体的には80nm以下、より好ましくは50n
m以下のものである。このような小径の有機化合物を使
用する理由は、トナーの流動性、及び帯電を制御するた
めにトナー粒子の表面を充分に被覆する必要があるが、
上記球形シリカだけでは充分な被覆ができないことか
ら、それを補足するためである。
【0053】この小径の有機化合物と上記単分散球形シ
リカは、初めに単分散球形シリカをトナーと混合し、し
かる後、小径の有機化合物を添加して混合するという手
順によりトナー粒子に被覆される。これは、小径の有機
化合物と単分散球形シリカを同時にトナー粒子に対して
添加混合する手順であると、小径の有機化合物がトナー
表面に選択的に付着するため有機化合物よりも大径の単
分散球形シリカがトナー粒子から遊離しやくなってしま
うからであり、また、小径の有機化合物を添加混合した
後に単分散球形シリカを添加混合する手順であると、ト
ナー流動性がきわめて高くなり、後から添加混合する球
形シリカがトナー粒子にかからず均一に分散させること
が困難となるからである。
【0054】以上の不定形又は研磨剤の微粒子、単分散
球形シリカ及び小径の有機化合物(以下、これらをまと
めて単に「凝集微粒子」とも称す)は、着色剤を含有し
ないものがよい。それらのいずれかの微粒子の一部がト
ナー粒子と共にトナー像中に含まれて転写定着された場
合に、それによって生じる画像欠陥を防止するためであ
る。そして、以上のように得られる凝集微粒子を上述の
トナー粒子に、一定の比率で外添混合することにより、
本実施の形態で使用する現像用トナーを調製することが
できる。この場合、その外添比率は、トナー粒子と凝集
微粒子との合計を100重量部とした場合、凝集微粒子
が0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、
より好ましくは1〜3重量部である。その凝集粒子の外
添量が0.3重量部未満の場合には、球形状トナーに対
する良好なクリーニング効果が十分に得られない傾向に
あり、反対に10重量部を超えるとトナーとしての帯電
特性や流動特性を著しく損なう傾向にある。
【0055】この実施の形態に係る画像形成装置におい
て、上記したような不定形又は研磨剤の微粒子、単分散
球形シリカ及び小径の有機化合物が外添された球形状ト
ナー粒子からなるトナーを使用した場合には、略球形ト
ナーに対してより良好なクリーニング効果が得られる点
で好ましい。
【0056】次に、本実施の形態に係る画像形成装置の
作動を説明する。先ず、各作像エンジン22(22a〜
22d)が各色成分トナー像を形成すると、各色成分ト
ナー像は中間転写ベルト230に順次一次転写され、し
かる後、二次転写装置52にて記録材に一括転写され、
未定着トナー像が転写された記録材は定着装置66によ
る定着処理を経た後、排出トレイ68へと排出される。
一方、各作像エンジン22(22a〜22d)におい
て、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装
置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の
残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃され
る。
【0057】このような作像過程において、使用トナー
は小径の略球形トナー(例えば特定の不定形微粒子、研
磨剤、単分散球形シリカ及び小径の有機化合物を外添し
ていないトナー)であるが、夫々の残留トナーはクリー
ニング装置34(又はベルトクリーニング装置53)に
よって、環境条件にほとんど影響されることなく、確実
に清掃される。このような性能は、後述する実施例によ
って裏付けられる。
【0058】また、使用トナーとして、トナー粒子に、
特定の不定形微粒子、研磨剤、単分散球形シリカ及び小
径の有機化合物を外添した態様のトナーを使用した場合
には、トナー自体がクリーニング効果を奏するため、更
に、クリーニングブレードによるクリーニング性能が向
上する。すなわち、感光体ドラム31(又は中間転写ベ
ルト230)とクリーニングブレード342(531)
の先端部との間にトナー粒子に外添されている不定形又
は研磨剤の微粒子が滞留するように堆積してダムのごと
く存在するため、略球形トナーがその不定形又は研磨剤
の微粒子によりせき止められてそれ以上先には進まず、
その結果、クリーニングブレード342(531)の先
端部からすり抜けてしまうことが防止されるためであ
る。特に、この不定形又は研磨剤の微粒子は、トナー粒
子の体積平均粒径と同等か又は少し小さい程度という比
較的大径の微粒子か又は他の外添剤である微粒子に比べ
て比較的大径の微粒子であるため飛散しにくいという利
点もある。尚、微小の有機化合物はきわめて微小な粒径
からなる超微粒子であるため、上記不定形又は研磨剤の
微粒子によりせき止められることがなくすり抜けて感光
体ドラム31(又は中間転写ベルト230)とクリーニ
ングブレード342(531)の先端部との間に送ら
れ、潤滑剤として機能する。
【0059】
【実施例】◎実施例1 本実施例に係るクリーニングブレードは実施の形態1を
より具体的にしたモデルであり、以下のように構成され
ている。 ・ウレタンゴム:1,9−ノナンジオール/2−メチル
−1,8−オクタンジオール(モル比65/35)とア
ジピン酸とから分子量2000のポリエステルポリオー
ルを得た。このポリエステルポリオール中のエステル濃
度は、6.8mmol/gである。このポリエステルポ
リオールと、鎖延長剤として、1,3−プロパンジオー
ルとトリメチロールエタンとの混合物にて反応させ、以
下の物性値を得た。 ・10℃の反発弾性係数=22% ・40℃の反発弾性係数=60% ・300%モジュラス=230kg/cm2 ・引き裂き強度=84kg/cm ・100%永久伸び(JIS K6301)=2.5% ・クリーニングブレードと感光体ドラムとの押付力=4
gf/mmに設定されている。 尚、比較例は10℃で反発弾性係数が20%未満、10
0%永久伸びが3.8%、300%モジュラスが280
kg/cm、引き裂き強度が73kg/cmのクリーニ
ングブレードを使用した。
【0060】図4は形状係数の異なる各種トナーに対す
る、実施例1及び比較例に係るクリーニングブレードの
トナーすり抜け状態の有無を示す説明図である。同図に
おいて、比較例は、SF(形状係数)値が小さくなるほ
どクリーニング不良の発生状況が悪化する。尚、図4
中、「すりぬけ本数」は、感光体ドラム上の残留トナー
がクリーニングブレードをすりぬけ、クリーニング不良
になった本数を示す。
【0061】◎実施例2 次に、以下のような画像形成装置を用いてクリーニング
特性試験を行った。 [画像形成装置の構成]画像形成装置として、図2に図
示の画像形成装置を使用し、その各構成については以下
の条件とした。 ・感光体ドラム:有機感光材(φ30mm) ・プロセス速度:220mm/sec、 110mm/sec、 55mm/secの3通り ・帯電装置:交流重畳直流の帯電ロール ・現像装置:二成分磁気ブラシ現像装置 ・クリーニング装置:ウレタンゴム製のブレード (長さ8mm、厚さ2mm、当接角25度)
【0062】[クリーニング特性試験]試験は、重合法
によって作成された本明細書記載のトナーを用い、その
形状係数は130から135、その平均粒径は6μmで
ある。このトナーを含む二成分現像剤を上記画像形成装
置における現像装置に収容して使用し、その画像形成装
置によるテストプリント(1色当たりの面積率5%の画
像をランレングス5枚の繰り返しで50,000枚分
(50kpv)プリント後の評価)を高温高湿(28
℃、85%)、低温低湿(10℃、15%)、及び、中
温中湿(22℃、55%)のそれぞれの環境で行ったと
きのクリーニング装置のクリーニング結果をプリント画
像と感光体ドラムの観察をすることにより行った。同時
に各速度での感光体ドラムとクリーニングブレードのこ
すれ時に発生する耳障り音発生の有無を確認した。
【0063】評価項目としては、クリーニング性能(ク
リーニング不良による筋状の画質欠陥:色筋の発生の有
無)、ブレードダメージ(クリーニングブレードのエッ
ジの欠け、ブレード自体のめくれ)、感光体ドラム回転
時のブレード鳴きの有無、感光体ドラムの表面層の膜厚
減少量(表面層の膜厚変化による画質変動を含む)につい
て調べた。その結果の良否は次の基準で評価した。この
結果を図5及び図6に示した。 ◎:50kpvのテストプリント終了時点で評価対象の
症状が発生せず、それ以降も良好な結果が得られると予
測された場合。 ○:50kpvのテストプリント終了時点で評価対象の
症状が発生しないが、その時点でほぼ寿命であると判断
された場合。 ×:テストプリント中に評価対象の症状が発生して50
kpv分のテストプリントを完遂できなかった場合。 ××:初期段階(10kpv以下のテストプリント段
階)で評価項目の症状が発生した場合。
【0064】[ブレードへたり性能試験]実施の形態1
に示した感光体ユニット30にクリーニングブレードを
規定押しつけ力が得られる様に設定した後、感光体ドラ
ムを取り付け、感光体ユニット30を恒温恒湿槽の中に
放置する。このときの温度、湿度、および放置時間の条
件は、45℃、95%RH、72時間とした。その後こ
の感光体ユニット30を画像形成装置に装填し、1kp
vのショートランニングを行い、前記各プロセススピー
ド、各環境下において評価を実施した。評価項目として
は、前記クリーニング性能(クリーニング不良による筋
状の画質欠陥:色筋の発生の有無)のみとした。
【0065】その結果の良否は次の基準で評価した。こ
の結果を図5及び図6に示した。 ◎:1kpvのテストプリント終了時点で評価対象の症
状が発生せず、それ以降も良好な結果が得られると予測
された場合。 ○:1kpvのテストプリント終了時点で評価対象の症
状が発生しないが、その時点でほぼ寿命であると判断さ
れた場合。 ×:テストプリント中に評価対象の症状が発生して1k
pv分のテストプリントを完遂できなかった場合。 ××:初期段階(100pv以下のテストプリント段
階)で評価項目の症状が発生した場合。 尚、比較例1と実施例1とでへたり量(クリーニングブ
レードの永久変形のことである。すなわち、感光体ドラ
ムにある量変形させて押し付け力を発生させた状態で高
温高湿条件下に長期間保持した後に、元に戻らなくなく
なって永久変形が生じるが、元の状態に対してどれくら
い変形したかを示す値がへたり量である。)を調べたと
ころ、比較例1が0.3mmであるのに対し、実施例1
は0.2mmであった。
【0066】◎実施例3 本実施例は、実施の形態1に係るクリーニングブレード
の引き裂き強度測定を60ロット行ったところ、図7に
示すような結果が得られた。尚、ここで用いた引き裂き
試験は、JIS K6252 アングル型に準拠した。同
図によれば、いずれのクリーニングブレードも80kg
/cm以上の引き裂き強度のものが得られており、クリ
ーニングブレードとして要求される70kg/cm以上
の要件を充分に満たしていることが確認される。
【0067】◎実施例4 本実施例は、使用するウレタンゴムの材料を異ならせた
サンプルA〜Dを用意し、これらの環境依存性を調べた
ところ、図8及び図9に示す結果が得られた。先ず、各
サンプルA〜Dについて説明する。 サンプルA:1,9−ノナンジオール/2−メチル−
1,8−オクタンジオール(モル比65/35)とアジ
ピン酸とから分子量2000のポリエステルポリオール
を得た。ポリエステルポリオール中のエステル濃度は、
6.8mmol/gである。このポリエステルポリオー
ルと、MDIおよび鎖延長剤としての1,3−プロパン
ジオール/トリメチロールエタン混合液とを用いて熱硬
化型ウレタンゴムとし、クリーニングブレードを製造し
た。尚、ウレタンゴム中のポリエステルポリオールは約
65重量%とした。 サンプルB:エチレングリコールとアジピン酸からなる
分子量2000のポリエステルポリオール(エステル濃
度11.3mmol/g)を用いた以外は、サンプルA
と同様にしてクリーニングブレードを製造した。尚、ウ
レタンゴム中のポリエステルポリオールは約65重量%
とした。 サンプルC:ネオペンチルグリコールを開始剤とし、こ
れにε−カプロラクトンを付加させて得た、数平均分子
量2000のポリエステルジオール(カプロラクトン
A:エステル濃度8.5mmol/g)を用いた以外は
サンプルAと同様にしてクリーニングブレードを製造し
た。尚、ウレタンゴム中のポリエステルポリオールは約
65重量%とした。 サンプルD:ドデカンジオールを開始剤とし、これにε
−カプロラクトンを付加させて得た、数平均分子量15
00のポリエステルジオール(カプロラクトンB:エス
テル濃度7.6mmol/g)を用いた以外はサンプル
Aと同様にしてクリーニングブレードを製造した。尚、
ウレタンゴム中のポリエステルポリオールは約65重量
%とした。
【0068】実験例1:各サンプルA〜Dについて、0
℃〜50℃の反発弾性係数を測定してその温度依存性を
評価した。この結果を図8及び図9に示す。ここで、反
発弾性係数はJIS K6255に準拠したリュプケ式
反発弾性試験装置により求めた。この結果より、サンプ
ルAは、サンプルB〜Dのものと比較して、反発弾性の
温度依存性が著しく小さく、10℃の反発弾性係数が2
0%以上であり且つ40℃の反発弾性係数が70%以下
であることがわかった。
【0069】実験例2:各サンプルA〜Dのクリーニン
グブレードを用いて、クリーニング性能をLL(10℃
15%RH)、NN(23℃50%RH)、HH(35
℃85%RH)の各条件で評価し、また、エッジの摩耗
状態を観察した。尚、クリーニング性能は、平均粒径6
μmの略球状重合トナーを用いて行った。この結果を図
10に示す。また、夫々の反発弾性のデータを併せて示
した。尚、図10中のクリーニング性能は、クリーニン
グが良好にできたのを○、クリーニングができなかった
のを×で示した。エッジの摩耗状態は、画像に支障をき
たさない均一な摩耗を問題無、画像に不具合を生じる欠
落などの不均一な摩耗を摩耗量大、食い込み量大で示し
た。また、図10中、RbT10は10℃の反発弾性係
数,RbT40は40℃の反発弾性係数を意味する。この
結果より、サンプルAのクリーニングブレードは温度変
化に対して安定したクリーニング性能を示し、低温時の
クリーニング性能が良好で、高温使用時におけるエッジ
の耐久性が良好であることがわかった。また、これらの
サンプルは、10℃の反発弾性が20%以上かつ40℃
の反発弾性が70%以下の値を示した。
【0070】これに対して、エステル濃度が高いサンプ
ルB〜Dでは、エッジの摩耗状態は良好であったが、低
温時のクリーニングが不良であった。このサンプルB〜
Dは、10℃の反発弾性係数が20%より小さい値を示
した。また、サンプルCでは、高温時のクリーニングが
困難であることがわかった。このサンプルCは、反発弾
性の温度依存性が大きく、しかも、40℃の反発弾性が
70%を超えていた。更に、サンプルDでは、エステル
濃度が8mmol/gより小さいポリエステルポリオー
ルを用いたポリウレタンであるが、良好なクリーニング
ができなかった。このサンプルDは、反発弾性の温度依
存性が比較的小さく、40℃の反発弾性係数が70%よ
り小さいが、反発弾性係数の最小値が20℃であり、0
℃より高い値を示した。
【0071】この結果から、粒径が比較的大きく、粉砕
型の形状の従来のトナーではクリーニング特性が良好で
あった。ポリエチレンアジペートやポリカプロラクトン
を原料としたポリエステル系ウレタンゴムでは、小粒
径、真球度の高いトナーに対しては十分なクリーニング
特性が得られず、このような小粒径、真球度の高いトナ
ーに対してはサンプルAの条件を満足するウレタンゴム
を用いた方がより優れた特性が得られることがわかっ
た。
【0072】◎実施例5 本実施例は、ウレタンゴムを製造するポリエステルポリ
オールのエステル濃度が6.8±0.2mmol/gで
あることがクリーニング性能を良好に保つ為に必要であ
ることを実験的に確認したものである。ここで、、図1
1はエステル濃度の算出式についての説明図、図12は
n値と分子量とに対するエステル濃度の変化例を示す説
明図である。図11において、エステル濃度の計算方法
は、ND/AA 1:1の繰り返し1ユニットFw=2
70で、両端末がH2O無しND(Fw=126)であ
ることを考慮して、図11中の(4)式を満たすnを計
算し、そのときのCOO濃度で計算した。尚、図11
中、Mnは分子量、Fwはアジピン酸と1,9−ノナン
ジオールとの合計の数平均分子量、また、(4)式中、
数値”18”はH2Oの分子量を示す。また、図12に
おいて、mmol値は、ポリエステルポリオールを1g
秤取った時のモル数を示す。
【0073】図12に示すように、本実施の形態1に係
るクリーニングブレードの配合系で、ポリエステルポリ
オールの分子量を1300に、すなわち、エステル濃度
を6.6mmol/g未満にすると、架橋点間分子量が
短くなり、10℃における反発弾性係数が20%未満に
なる。一方、その分子量を2844とし、エステル濃度
が7.0mmol/gを超えると、架橋点間分子量が長
くなり、100%永久伸びが2.5%を超えてしまうと
共に、300%モジュラスが200kg/cm2未満と
なり、目的とする所望の物性が得られないことが確認さ
れる。ちなみに、分子量が3000ほ超えると、ポリエ
ステルポリオールの粘度が急激に上昇し、ブレードに使
用するシートが得られない状態になる。
【0074】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、クリーニングブレードとして、ウレタンゴムの好ま
しい材料を選定した上で、環境依存性を抑え且つ機械的
強度の最適化を図るようにしたので、低温低湿から高温
高湿な環境条件下において、略球形トナーに対するクリ
ーニング性能を常時良好に保つことができる。また、こ
のようなクリーニングブレードを組み込んだクリーニン
グ装置、プロセスカートリッジ又は画像形成装置によれ
ば、高画質化を実現する上で有効な小径な略球形トナー
を使用したとしても、クリーニングプロセス又は作像プ
ロセスの中でクリーニング性能を常時良好に保つことが
可能になるため、夫々のプロセスの信頼性を補償するこ
とができ、その分、夫々の装置性能を極めて良好に保つ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るクリーニングブレード及びこれ
を用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ並び
に画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】 本発明が適用された画像形成装置の実施の一
形態を示す説明図である。
【図3】 本実施の形態で用いられる作像エンジンの詳
細を示す説明図である。
【図4】 実施例1及び比較例1,2における形状係数
の異なるトナーに対する性能試験を示す説明図である。
【図5】 実施例2及び比較例1,2の反発弾性係数、
永久伸び、300%モジュラス、引き裂き強度及びクリ
ーニングブレードの押し付け力を示す説明図である。
【図6】 (a)は実施例2及び比較例1,2の高温高
湿条件下におけるクリーニング不良、ブレードダメー
ジ、ブレード鳴き(異音)、像担持体の摩耗、へたり試
験後のクリーニング不良の有無を評価した説明図、
(b)は中温中湿条件下における同様な評価説明図、
(c)は低温低湿条件下における同様な評価説明図であ
る。
【図7】 実施例3で用いられるクリーニングブレード
の引き裂き試験結果を示すグラフ図である。
【図8】 実施例4で用いられる各サンプルA〜Dにお
ける0℃〜50℃の反発弾性係数の測定結果を示すグラ
フ図である。
【図9】 その温度依存性を評価した説明図である。
【図10】 実施例4で用いられる各サンプルA〜Dに
ついて、各環境条件下でのクリーニング性能を評価し、
また、エッジの摩耗状態の観察結果を示す。
【図11】 エステル濃度の算出式についての説明図で
ある。
【図12】 実施例5で用いられるクリーニングブレー
ドのn値と分子量とに対するエステル濃度の関係を示す
説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…クリーニングブレード,3…クリー
ニング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H134 GA01 GB02 HD01 HD02 HD05 HD19 KD08 KG07 KH04 4J034 CA03 CA04 DA01 DB03 DB04 DC50 DF01 HA01 HA07 HC12 HC13 HC61 HC64 RA11 RA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体に接触配置されて像担持体上の
    残留トナーを清掃するクリーニングブレードであって、 以下に記載のウレタンゴムにより形成され、 反発弾性係数(JIS K6255)が10℃で20%
    以上、40℃で70%以下の範囲内であること、 300%モジュラス(JIS K6251)が200k
    g/cm2 以上であること、 引き裂き強度(JIS K6252 アングル型)が70
    kg/cm以上であること、の各物性条件を満たすこと
    を特徴とするクリーニングブレード。但し、ウレタンゴ
    ムは、ジオール成分1(1,9−ノナンジオール)とジ
    オール成分2(メチル−1,8オクタンジオール)とを
    (65±3):(35±3)のモル比で混合したジオー
    ルと二塩基酸との脱水縮合により得られ且つエステル濃
    度が6.6〜7.0mmol/gの範囲にあるポリエス
    テルポリオールを長鎖ポリオールとして用いると共に、 1,3−プロパンジオール及びトリメチロールエタンが
    85〜90:15〜10%の比率で配合されたものを短
    鎖ポリオールとして用いるものである。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクリーニングブレードに
    おいて、 永久伸び(JIS K6262)は、2.5%以下であ
    ることを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2いずれかに記載のクリー
    ニングブレードにおいて、 形状係数が140未満で、かつ、体積平均粒径が2〜8
    μmのトナーをクリーニング対象とするものであること
    を特徴とするクリーニングブレード。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれかに記載のクリ
    ーニングブレードが組み込まれたクリーニング装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも、像担持体と、請求項1ない
    し3いずれかに記載のクリーニングブレードを有するク
    リーニング装置とを備えたことを特徴とするプロセスカ
    ートリッジ。
  6. 【請求項6】 一若しくは複数のクリーニング装置を有
    する画像形成装置において、 少なくともいずれか一つのクリーニング装置には請求項
    1ないし3いずれかに記載のクリーニングブレードを組
    み込んだことを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の画像形成装置において、 像担持体は、トナー像を形成して担持する像形成担持体
    と、この像形成担持体上のトナー像を直接若しくは間接
    的に搬送する像担持搬送体とを備え、像形成担持体に設
    けられたクリーニング装置には請求項1ないし3いずれ
    かに記載のクリーニングブレードを組み込んだことを特
    徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 複数のクリーニング装置を有する画像形
    成装置において、 複数のクリーニング装置の全てには請求項1ないし4い
    ずれかに記載のクリーニングブレードを組み込んだこと
    を特徴とする画像形成装置。
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US7904013B2 (en) 2007-06-18 2011-03-08 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image-forming apparatus
US8616906B2 (en) 2010-03-01 2013-12-31 Molex Incorporated Flexible printed circuit connector
JP2015118335A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 富士ゼロックス株式会社 クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置

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