JP2003167362A - 有機感光体、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

有機感光体、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003167362A
JP2003167362A JP2001366382A JP2001366382A JP2003167362A JP 2003167362 A JP2003167362 A JP 2003167362A JP 2001366382 A JP2001366382 A JP 2001366382A JP 2001366382 A JP2001366382 A JP 2001366382A JP 2003167362 A JP2003167362 A JP 2003167362A
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toner
image forming
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Application number
JP2001366382A
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English (en)
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Satoru Uchino
哲 内野
Masahiko Kurachi
雅彦 倉地
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電位安定性の良好な、且つ黒ポ
チ、白抜け等の画像欠陥を発生しない有機感光体及びそ
の製造方法、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像
形成装置、プロセスカートリッジを提供することにあ
る。 【解決手段】 支持体上に電荷発生層、その上に電荷輸
送層を有する有機感光体において、該有機感光体の表面
層を針で連続的に引っ掻いた時、該表面層と針の間に発
生する抵抗値の変動値をT、M、N、Eで表示したと
き、該表面層の物性が下記2式を満足するように構成さ
れていることを特徴とする有機感光体。 式2 1.0≦S≦10.0 但し、S=10log{(M−E)/24E}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ーの分野において用いられる有機感光体(以後、単に感
光体とも云う)、該有機感光体を用いた画像形成方法、
画像形成装置、プロセスカートリッジに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体はSe、ヒ素、ヒ素/
Se合金、CdS、ZnO等の無機感光体から、公害や
製造の容易性等の利点に優れる有機感光体に主体が移
り、様々な材料を用いた有機感光体が開発されている。
【0003】近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異な
る材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となって
おり、なかでも電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層
型の有機感光体が広く用いられている。
【0004】また、電子写真プロセスに目を向けると潜
像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナロ
グ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方
式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコ
ピー用のプリンターとして、また通常の複写機において
も画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジ
タル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつあ
る。
【0005】デジタル方式の画像形成では、デジタル電
気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像とし
て書き込む際の光源としてレーザー、特に半導体レーザ
ーやLEDが用いられている。
【0006】また、デジタル方式の書き込みでは露光ビ
ーム径が小さいので書き込み速度が遅くなる。そのた
め、露光部分の現像方法として反転現像との組み合わせ
が主に用いられているが、この反転現像を用いた画像形
成方法の特有の問題として、本来白地部分として画像形
成されるべき箇所に、トナーが付着してカブリ発生させ
る現象、即ち、感光体の局部的な欠陥による黒ポチの発
生が知られている。
【0007】これらの問題を解決するため、有機感光体
に中間層を用いる技術が開発されている。例えば、導電
性支持体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸
化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する電子写真
感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタ
ンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、
特開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステン
で表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号
のアミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チ
タン、特開平9−258469号の有機ケイ素化合物で
表面処理された酸化チタン、特開平8−328283号
のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理され
た酸化チタン、特開平11−344826号の金属酸化
物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタ
ンを用いた中間層を有する有機感光体が提案されてい
る。
【0008】しかし、これらの技術を用いても高温高湿
等の厳しい環境下では、尚、黒ポチの発生防止が十分で
なく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、露
光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得られないと
いった問題が発生している。
【0009】更に、導電性支持体から感光層への自由キ
ャリアを防止するため中間層の絶縁性を高め、黒ポチを
少なくしていくと、黒ポチとは反対の「白抜け」と云う
画像欠陥が発生しやすいという問題が見出されている。
この白抜けは反転現像のハーフトーン或いは黒べた画像
に現像されない点状或いは線状の画像欠陥をいうが、こ
の現象は有機感光体上への潜像形成時に、像露光部で電
荷が消失しない微小部分が発生するためと思われ、前記
黒ポチと逆の現象と考えられる。又、この白抜けは、高
精細のドット画像を忠実に再現する重合トナーを用いた
現像剤で画像形成を行うと発生しやすい。即ち、この重
合トナーを用いた画像形成にさいして、黒画像或いはハ
ーフトーン画像に白抜けが発生しやすく、画像が劣化す
るという従来あまり問題にされなかった画質上の問題が
発生している。
【0010】このように有機感光体を用いた画像形成装
置では白地に黒の黒ポチ、黒地又はハーフトーンに白の
白抜けといった相反する画像欠陥が発生し、この両方の
画像欠陥を解決した有機感光体の開発が必要となってき
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑み、電位安定性の良好な、且つ黒ポチ、
白抜け等の画像欠陥を発生しない有機感光体、該有機感
光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカ
ートリッジを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
を解決するために検討を重ねた結果、感光体の表面物性
を以下のように構成することにより、上記課題を解決す
ることが可能となった。即ち、本発明の目的は下記の構
成のいずれかをとることにより達成されることを見出し
た。
【0013】1.支持体上に電荷発生層、その上に電荷
輸送層を有する有機感光体において、該有機感光体の表
面層を針で連続的に引っ掻いた時、該表面層と針の間に
発生する抵抗値の変動値を下記式1で表示したとき、該
表面層の物性が下記式2を満足するように構成されてい
ることを特徴とする有機感光体。
【0014】式1 T=X1 2+X2 2+・・・・・+X24 2 M=(X1+X2+・・・・・+X242/24 N=〔{(X1+X3+・・X232+(X2+X4+・・
242}/12〕−M E=(T−M−N)/22 X1:0〜5秒間の抵抗値の最大値 X2:0〜5秒間の抵抗値の最小値 X3:5〜10秒間の抵抗値の最大値 X4:5〜10秒間の抵抗値の最小値 X5:10〜15秒間の抵抗値の最大値 X6:10〜15秒間の抵抗値の最小値 ・ ・ ・ X23:55〜60秒間の抵抗値の最大値 X24:55〜60秒間の抵抗値の最小値 (上記Xnの単位はmN) 式2 1.0≦S≦10.0 但し、Sは下記式で示される。
【0015】S=10log{(M−E)/24E} 2.支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有する有機感
光体において、該有機感光体の表面層を針で連続的に引
っ掻いた時、該表面層と針の間に発生する抵抗値の変動
値を前記式1で表示したとき、該表面層の物性が下記式
3を満足するように構成されていることを特徴とする有
機感光体。
【0016】式3 20.0<K<55.0 但し、Kは下記式で示される。
【0017】K=10log{(M−E)/24} 3.前記1又は2に記載の有機感光体上の潜像をトナー
粒子の形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒
度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー
を用いた現像剤により現像することを特徴とする画像形
成方法。
【0018】4.前記1又は2に記載の有機感光体上の
潜像を形状係数1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子
を65個数%以上含有するトナーを用いた現像剤により
現像することを特徴とする画像形成方法。
【0019】5.前記トナー粒子の形状係数が1.2〜
1.6の範囲であることを特徴とする前記4に記載の画
像形成方法。
【0020】6.前記1又は2に記載の有機感光体上の
潜像を角がないトナー粒子を50個数%以上含有するト
ナーを用いた現像剤により現像することを特徴とする画
像形成方法。
【0021】7.前記トナーの個数平均粒径が3〜8μ
mであることを特徴とする前記3〜6のいずれか1項に
記載の画像形成方法。
【0022】8.前記トナー粒子の粒径をD(μm)と
するとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を
0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布
を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー
粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の
高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との
和(M)が70%以上であることを特徴とする前記3〜
7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0023】9.前記3〜8のいずれか1項に記載の画
像形成方法を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【0024】10.前記1又は2に記載の有機感光体
と、帯電手段、像露光手段、現像手段、クリーニング手
段の少なくとも1つとが一体に組み合わされており、該
画像形成装置に出し入れ自由に構成されていることを特
徴とするプロセスカートリッジ。
【0025】本発明を更に詳しく説明する。有機感光体
の表面層を針で連続的に引っ掻いた時、該表面層と針の
間に発生する抵抗値について図6を用いて説明する。図
6で示すように感光体ドラムを中心軸に平行に設置し、
固定する。中心軸の真上に感光層への進入度0.1〜
5.0mmで、針を立てる。この針を感光体中心軸に平
行に移動速度1.4mm/秒で移動させる。このときの
針に掛かる抵抗値を連続的に引っ掻き試験機で測定す
る。
【0026】式1において、X1、X2、X3・・・・X
24は前記針が中心軸に沿って感光体の表面層を切断する
とき発生する抵抗を時間軸に対して測定した値であり、
この抵抗値の変動は針が受ける表面層の切断抵抗により
発生していると考えられる。この切断抵抗による抵抗値
測定の周波数は10Hz〜10kHzの周波数帯であ
る。図6は前記切断抵抗により発生した抵抗の測定グラ
フである。
【0027】図6の各Xの値は測定開始から60秒まで
の間の各5秒毎の針にかかる抵抗の測定値であり、例え
ばX1とX2は測定開始後0〜5秒間の抵抗の最大値、及
び最小値を示す。即ち、X1、X3、X5、・・・X23
時間軸各5秒間に発生する抵抗の最大値であり、X2
4、X6、・・・X24は時間軸各5秒間に発生する抵抗
の最小値である。(但し、上記Xnの単位はmN) 以下前記式2及び3の意味について記載する。
【0028】式2においてSは下記式で示される。 S=10log{(M−E)/24E} Sは針にかかる抵抗の平均値を抵抗の変動値(バラツ
キ)で除した概念値を示し、Sの値が大きい程、針が受
ける抵抗が表面層の場所の移動によっても変化が小さ
く、一定していことを示している。即ち、Sが1.0以
上であることにより、針の先端のような小さな物体の切
断応力に対し、感光体の表面層が場所によらず、より均
一な抵抗値を示すと考えられ、このことは感光体の表面
層が異物が付着しやすい、局所的な不均質な場所が少な
いことを意味すると考えられる。実際、後述する実施例
からもSが1.0未満では白抜けが発生しやすい、Sが
10.0より大きいと表面層の膜が柔らかくなる傾向に
あり、表面層がクリーニングブレードとの摩耗により、
削られやすい。更に、3.0以上、10.0以下が好ま
しい。
【0029】式3においてKは下記式で示される。 K=10log{(M−E)/24} Kは針にかかる抵抗の平均的な値を示す概念値であり、
20.0<K<55.0であることにより、感光体と針
の間に適当な摩擦力が発生し、感光体がクリーニングブ
レード等の感光体表面を摩擦する部材によっても、容易
に摩耗しない特性を示している。即ち、Kが55.0以
上では感光体の表面が非常に削れにくく、表面層が均質
であっても、長期間の使用に際して白抜けは発生しやす
く、20.0以下では感光体の表面が削れやすい。
【0030】上記のような表面膜物性を有する有機感光
体は表面層の電荷輸送層を形成する場合の塗布液構成、
即ち、バインダー、電荷輸送性化合物及び溶媒の選択と
電荷輸送層塗布後の乾燥条件が重要な要素となる。
【0031】即ち、バインダーの高分子成分が塗布乾燥
時に溶媒が蒸発しバインダー成分が高濃度になった時点
で、即ち、溶媒に対するバインダー濃度(溶媒100質
量部に対するバインダー質量部の比に100を掛けた濃
度)が100〜500%に達した時点で、バインダーが
析出凝集し、且つこのバインダー濃度では電荷輸送性化
合物は析出しない条件を電荷輸送層塗布液構成として形
成することが重要である。
【0032】又、塗布液の乾燥条件は上記バインダー濃
度でバインダーが析出してくるような乾燥条件を設定す
ることが必要である。
【0033】即ち、下記構造のポリカーボネート(1)
をバインダーに、下記構造の化合物(A)を電荷輸送性
化合物としたとき、電荷輸送層の塗布液を下記のような
処方Aとしたとき、用いる溶媒により、バインダー及び
電荷輸送性化合物の析出濃度が大きく変化する。このよ
うな電荷輸送層塗布液から電荷輸送層を形成する際の膜
形成過程における違いが乾燥後の電荷輸送層膜の均一性
の違いになると考えられる。
【0034】 処方A ポリカーボネート(1) 300部 化合物(A) 225部 溶媒 2000部
【0035】
【化1】
【0036】即ち、24℃で溶媒としてジクロロメタン
を用いた時はポリカーボネート(1)はバインダー濃度
が190%で析出するが、溶媒がTHFの場合はバイン
ダー濃度が410%で析出し、このような塗布液を用い
てポリエチレンテレフタレート上に電荷輸送層を形成
し、80℃で乾燥した塗布膜は前者がS値が6.3、K
値が51.0、後者のS値が4.5、K値が38.0と
大きく異なる。このようにバインダー、電荷輸送性化合
物、溶媒及び乾燥条件により、電荷輸送層の膜物性が著
しく変化することが見出され、その結果、重合トナーを
用いた現像剤で画像形成を行うと、白抜けの発生に大き
な差が生じることになると思われる。
【0037】本発明の有機感光体は表面層が電荷輸送層
で形成されていることが好ましい。以下、本発明の有機
感光体の構成について記載する。
【0038】本発明において、有機感光体とは電子写真
感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送
機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構成
された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物
質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発
生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等
公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0039】本発明の有機感光体の好ましい層構成は、
導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を
この順で設置した層構成が好ましい。以下上記層構成の
負帯電用有機感光体について記載する。
【0040】導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0041】本発明の円筒状導電性支持体とは回転する
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0042】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0043】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0044】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0045】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0046】又、本発明に最も好ましく用いられる中間
層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の
有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた
中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の
膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0047】又、本発明に好ましく用いられる中間層と
しては疎水化表面処理を行った酸化チタン微粒子(平均
粒径が0.01〜1μm)をポリアミド樹脂等のバイン
ダーに分散させた中間層が挙げられる。
【0048】電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0049】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0050】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0051】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0052】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0053】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0054】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0055】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。電荷輸送層は本発明の表
面物性を達成するために2層構成としてもよい。即ち下
層の電荷輸送層は静電特性を重視した層構成とし、上層
の電荷輸送層は表面物性を重視した層構成としてもよ
い。
【0056】本発明の中間層、感光層等の層形成に用い
られる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イ
ソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明
はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が
好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは
2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0057】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお本発明
の保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが
最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば
特開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0058】又、本発明の有機感光体は特に重合トナー
を用いた現像剤で画像形成する場合に発生しやすい白抜
けに対して、著しい改善効果が見出される。以下、本発
明に好ましく用いられる重合トナーについて記載する。
【0059】本発明に用いられるトナーは個々のトナー
粒子の粒度分布、及び形状が比較的均一な重合トナーが
好ましい。ここで、重合トナーとはトナー用バインダー
の樹脂の生成とトナー形状が、バインダー樹脂の原料モ
ノマーの重合及びその後の化学的処理により形成されて
得られるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、
乳化重合等の重合反応と必要により該重合反応後に行わ
れる粒子同志の融着工程を経て得られるトナーを意味す
る。
【0060】本発明の画像形成方法に用いられる重合ト
ナーとしては特定の形状を有するトナーが好ましい。以
下、本発明に好ましく用いることのできる重合トナーに
ついて記載する。
【0061】ドット画像を現像するデジタル画像形成方
法では、画像の鮮鋭性を高め、良好な画像を得るために
は、現像に形状係数や粒度分布の変動が小さいトナーを
用いることが好ましい。即ち、これらの変動が小さいト
ナーの方が微細なドット画像を正確に再現でき、且つ黒
ポチ等の画像欠陥の原因となるフィルミングを発生させ
にくい。
【0062】以上の観点より検討を加えた結果、トナー
の形状係数の変動係数が16%以下であり、且つトナー
の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であ
るトナーを使用することにより、クリーニング性、細線
再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成する
ことができることを見出した。
【0063】本発明に適用される好ましい重合トナーと
しては、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が1
6%以下であるトナーを使用することである。このよう
な重合トナーを使用しても本発明では、優れたクリーニ
ング性能を発揮することを見出した。
【0064】また、角がないトナー粒子を50個数%以
上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以
下に制御したものを使用することにより、クリーニング
性、細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって
形成することができる。
【0065】本発明のトナーの形状係数は、下記式によ
り示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示
す。
【0066】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0067】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係
数を上記算出式にて測定したものである。
【0068】本発明の好ましい重合トナーとしては、こ
の形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が
65個数%以上とすることであり、より好ましくは、7
0個数%以上である。
【0069】この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像
剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度
に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よ
りトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト
等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破
砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナー
の帯電性が安定する。
【0070】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナ
ーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内に
なるように添加して調製する方法がある。また、いわゆ
る重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、
形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調
製したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調製する
方法がある。
【0071】本発明に好ましく用いられる重合トナーの
形状係数の変動係数は下記式から算出される。
【0072】変動係数=〔S/K〕×100(%) 〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕 この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましく
は14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下
であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少し
て定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。ま
た、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
【0073】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する
ために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制
御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子
(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程
終了時期を決めてもよい。
【0074】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0075】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0076】トナーの個数粒度分布および個数変動係数
はコールターカウンターTA−IIあるいはコールター
マルチサイザー(コールター社製)で測定されるもので
ある。本発明においてはコールターマルチサイザーを用
い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機
製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパー
チャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上
のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒
径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナ
ー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径と
は、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0077】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式から算出される。 個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%) 〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、D
nは個数平均粒径(μm)を示す。〕 トナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは
25%以下である。個数変動係数が27%以下であるこ
とにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性
が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電
量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が
向上する。
【0078】個数変動係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分
級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さく
するためには液中での分級が効果的である。この液中で
分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制
御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応
じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0079】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0080】角がないトナー粒子とは、電荷の集中する
ような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突
部を実質的に有しないトナー粒子を言い、すなわち、図
1(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとする
ときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周
囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合
に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない
場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ
出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇
所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」
とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行
線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子
の幅をいう。なお、図1(b)および(c)は、それぞ
れ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0081】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0082】本発明のトナーにおいて、角がないトナー
粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個
数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数
%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのスト
レスにより微細な粒子の発生などが起こりにくくなり、
いわゆる現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なト
ナーの存在を防止することができるとともに、現像剤搬
送部材に対する汚染を抑制することができ、帯電量もシ
ャープにすることができる。また、摩耗、破断しやすい
トナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒
子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなっ
て、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成
できる。
【0083】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0084】また、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
ことで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階
では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑で
ないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および
攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角
がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の
物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガ
ラス転移点温度以上で、より高回転数とすることによ
り、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成でき
る。
【0085】本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で
3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によ
りトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有
機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体
の組成によって制御することができる。
【0086】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性
の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なく
することができ、現像性を長期に亘り安定化することが
できるとともに、転写効率が高くなってハーフトーンの
画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0087】本発明に好ましく用いられる重合トナーと
しては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自
然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で
複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグ
ラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度
数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含
まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が7
0%以上であるトナーであることが好ましい。
【0088】相対度数(m1)と相対度数(m2)との和
(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒
度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工
程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制する
ことができる。
【0089】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0090】〔測定条件〕 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0091】形状係数を制御する方法の中では重合法ト
ナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比
較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0092】本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な
添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、
微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤
等を添加して会合する方法で製造することができる。会
合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分
散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に
離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳
化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂
粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0093】なお、本発明でいうところの水系媒体と
は、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示
す。
【0094】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種
構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料
が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を
含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーな
どを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散さ
せる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置
へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終
了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥
することでトナーを調製する。
【0095】また、本発明のトナーを製造する方法とし
て樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製
する方法も挙げることができる。この方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、特開平5−26
5252号公報や特開平6−329947号公報、特開
平9−15904号公報に示す方法を挙げることができ
る。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散
粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒
子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳
化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤
を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガ
ラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成し
つつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところ
で水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪
拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒
子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによ
り、トナーを形成することができる。なお、ここにおい
て凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加
えてもよい。
【0096】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいは
スチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロ
ピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の
メタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プ
ロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等の
ビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケト
ン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビ
ニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合
物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合
物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体が
ある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせ
て使用することができる。
【0097】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いること
がさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォ
ン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有
するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキル
エステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハ
ク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタク
リレート等が挙げられる。
【0098】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0099】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重
合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボ
ネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒド
ロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジ
クミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペ
ルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビ
ス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジ
ンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有す
る高分子開始剤などを挙げることができる。
【0100】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0101】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0102】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0103】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0104】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)高分子学会編」等に記述されて
おり、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。ま
た、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩
を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位
を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度とし
て求めることもできる。
【0105】凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であ
ればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、
さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0106】無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対し
て無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明におい
ては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノー
ル、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げ
ることができる。特に、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールが好ましい。
【0107】この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤
を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%
が好ましい。
【0108】なお、形状を均一化させるためには、着色
粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以
上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ま
しいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが
好ましい。この理由としては、極性基が存在している重
合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発
揮するために、形状の均一化が特にはかられやすいもの
と考えられる。
【0109】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0110】本発明のトナーに使用する着色剤としては
カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用
することができ、カーボンブラックとしてはチャンネル
ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁
性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、
これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等
の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理
する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と
呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができ
る。
【0111】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数
平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜
200nm程度が好ましい。
【0112】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0113】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0114】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0115】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0116】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0117】以下、本発明に好ましく用いられる重合ト
ナーの反応装置について記載する。まず、重合トナーの
製造に好ましく用いられる反応装置について説明する。
図2および図3は、それぞれ、重合トナー反応装置の一
例を示す斜視図および断面図である。図2および図3に
示す反応装置において、熱交換用のジャケット1jを外
周部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2j内の中心部に回
転軸3jを垂設し、該回転軸3jに攪拌槽2jの底面に
近接させて配設された下段の攪拌翼40jと、より上段
に配設された攪拌翼50jとが設けられている。上段の
攪拌翼50jは、下段に位置する攪拌翼40jに対して
回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。
本発明のトナーを製造する場合において、交差角αは9
0度(°)未満であることが好ましい。この交差角αの
下限は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上で
あることが好ましく、更に、好ましくは10°以上であ
る。なお、三段構成の攪拌翼を設ける場合には、それぞ
れ隣接している攪拌翼間で交差角αが90度未満である
ことが好ましい。
【0118】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50jによりまず媒体が攪拌され、下
側への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪
拌翼40jにより、上段の攪拌翼50jで形成された流
れがさらに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50j
自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れ
が加速されて進行するものと推定される。この結果、乱
流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成
されるために、得られるトナー粒子の形状を制御できる
ものと推定される。
【0119】なお、図2および図3中、矢印は回転方向
を示し、7jは上部材料投入口、8jは下部材料投入
口、9jは攪拌を有効にするための乱流形成部材であ
る。
【0120】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図4に記載する。図4(a)に示す攪拌翼5
aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5bは
中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す
攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるも
の、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0121】なお、上記の構成を有する上段と下段の攪
拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくと
も攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この
理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の
流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考え
られる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに
対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅
である。
【0122】さらに、攪拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95
%である。
【0123】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0124】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0125】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌槽としては、前述
の懸濁重合法と同様のものが使用できる。この場合、攪
拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を
設けないことが必要である。
【0126】この攪拌翼の形状についても、層流を形成
させ、乱流を形成させないものであれば特に限定されな
いが、図4(c)に示した方形板状のもの等、連続した
面により形成されるものが好ましく、曲面を有していて
もよい。
【0127】また、本発明に用いられるトナーでは、外
添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加
して使用することでより効果を発揮することができる。
この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制
することができるため、その効果が顕著にでるものと推
定される。
【0128】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200mlのビーカー中に
入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.
2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せ
きされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で
無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この
無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量
をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算
出される。
【0129】疎水化度=(a/(a+50))×100 この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。ま
た、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0130】本発明に用いられるトナーには外添剤とし
ては脂肪酸金属塩が添加されてもよい。脂肪酸及びその
金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペン
タデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン
酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン
酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜
鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナ
トリウム、リチウムなどの金属との塩があげられる。本
発明においては、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。 《現像剤》本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤
でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは二成分現像剤
である。
【0131】一成分現像剤として用いる場合は、非磁性
一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法も
あるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁
性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その
含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に
含有させるのが普通である。
【0132】又、キャリアと混合して二成分現像剤とし
て用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒
子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、そ
れらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従
来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ま
しい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15
〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが
よい。
【0133】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的
には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装
置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYM
PATEC)社製)により測定することができる。
【0134】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被
覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散さ
せたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティ
ング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例え
ば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/ア
クリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或い
はフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂
分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限
定されず公知のものを使用することができ、例えば、ス
チレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹
脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0135】二成分現像剤を調製するためには、トナー
とキャリアとを混合して調製される。現像剤に対するト
ナー濃度としては2〜10質量%に混合して使用され
る。
【0136】本発明に係わる現像方法は、特に限定され
ない。感光体表面と現像剤層とが現像領域で接触した状
態で現像が行われる接触現像方法であっても、感光体と
現像剤層とが現像領域で非接触の状態に保たれ、交番電
界等の作用により感光体表面と現像剤層間の間隙をトナ
ーを飛翔させて現像する非接触現像方法であってもよ
い。
【0137】図5は本発明の画像形成方法の一例として
の画像形成装置の断面図である。図5に於いて50は像
担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層を
ドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した
感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52
はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム
50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えら
れる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形
成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を
用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面
の除電をしてもよい。
【0138】感光体への一様帯電の後、像露光器(像露
光手段)53により画像信号に基づいた像露光が行われ
る。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオ
ードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー53
1、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を
曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静
電潜像が形成される。
【0139】ここで本発明の反転現像とは帯電器52に
より、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領
域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程
(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方
未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バ
イアス電位により現像されない。
【0140】その静電潜像は次いで現像器(現像手段)
54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーと
キャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設け
られていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転
する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像
器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送
量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪
拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給
量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像
剤の搬送量は適用される電子写真感光体の線速及び現像
剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200m
g/cm2の範囲である。
【0141】現像剤は、例えばフェライトをコアとして
そのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカー
ボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子
量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チ
タン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬
送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送
され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50
と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じ
て交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現
像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像
される。感光体の電位測定は電位センサー547を図5
のように現像位置上部に設けて行う。
【0142】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0143】転写域においてはトナーと逆極性の電荷を
付与する転写電極(転写手段)58により感光体上のト
ナーが給紙された記録紙Pに転写される。
【0144】次いで記録紙Pは分離電極(分離手段)5
9によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面より
分離して定着装置(定着手段)60に搬送され、熱ロー
ラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によって
トナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外
部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極
59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退
避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0145】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0146】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0147】本発明の画像形成方法及び画像形成装置は
電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンタ
ー及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一
般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディス
プレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置
にも幅広く適用することができる。
【0148】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0149】本発明に用いる感光体として以下の感光体
を作製した。 感光体1〜7の作製 下記の様に感光体1〜7を作製した。 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30部 シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17部 2−プロパノール 150部 上記塗布液を用いてφ100mmの円筒形の導電性支持
体上に、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ ラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有するチタニルフタロシ アニン) 60部 シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 225部 ポリカーボネート(1)(粘度平均分子量30,000) 300部 酸化防止剤(下記化合物B) 6部 溶媒 2000部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0150】但し、溶媒の種類、乾燥条件を表1のよう
に7種変更し、前記電荷発生層上に各電荷輸送層塗布液
を塗布後、乾燥した。各感光体の塗布乾燥後の残留溶媒
濃度も表1に記載した。
【0151】残留溶媒濃度は、ガスクロマトグラフィー
法により測定した。
【0152】
【化2】
【0153】
【表1】
【0154】以下に評価に用いる重合トナーを作製し
た。 トナーT1、T2の製造(乳化重合法の例) n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.
0Lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330
R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを
徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグライン
ダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散し
た。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイ
オン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性
剤溶液A」とする。
【0155】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0L
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0L
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0156】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全
量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水4
4.0Lを加える。
【0157】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過し、これを「ラテックス−A」とす
る。
【0158】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0159】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解し
た溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加
物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶
液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0160】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とする。
【0161】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、WAXエ
マルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエ
マルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃
度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶
液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入
れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0L
を投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレ
ン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgと
メタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴
下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加
熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とした。
【0162】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0163】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナ
トリウム溶液G」とする。
【0164】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とする。
【0165】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100LのS
US反応釜(図2に示した構成の反応装置、交差角αは
20°)に、上記で作製したラテックス−A=20.
0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散液
1=0.4kgとイオン交換水20.0Lとを入れ攪拌
する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液
G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、
ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。その
後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85
℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間
加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。次
に純水2.1Lを添加して粒径成長を停止する。
【0166】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5Lの反応容器(図2に示し
た構成の反応装置、交差角αは20°)に、上記で作製
した、塩析/融着させた粒子分散液5.0kgを入れ、
液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌し
て形状制御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停
止する。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液
中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、こ
の濾液を会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、
会合液よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取し
た。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0167】この非球形状粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで
流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得ら
れた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部
およびステアリン酸亜鉛0.1質量部をヘンシェルミキ
サーにて外添混合して下表の如き、乳化重合会合法によ
るトナーを得た。前記塩析/融着段階および形状制御工
程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時
間を制御することにより、形状および形状係数の変動係
数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分
布の変動係数を調整して、表2に示すトナーT1、及び
トナーT2を得た。
【0168】トナーT3の製造(懸濁重合法の例) スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35
g、カーボンブラック=10g、ジ−t−ブチルサリチ
ル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合
体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20
gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業
社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、
これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−
バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単
量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710g
に0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TK
ホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.
0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシ
ウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記
重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて1
0000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物
を造粒した。その後、攪拌翼の構成が図2に示したよう
な構成の反応装置(交差角αは45°)を使用し、75
〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸
三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、
遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗
浄、乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、
シリカ微粒子1質量部およびステアリン酸亜鉛0.1質
量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して懸濁重合法
によるトナーを得た。
【0169】前記重合時にモニタリングを行い、液温
度、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を調整し
て、下記表2に示すトナーT3を得た。
【0170】
【表2】
【0171】現像剤の作製 現像剤1の作製 前記トナーT1、100部に対して外添剤として平均粒
径12nmの疎水性シリカ粒子(R805:日本アエロ
ジル社製)0.4部、チタニア粒子(T805:日本ア
エロジル社製)0.6部を混合し、ヘンシェルミキサー
で常温下、撹拌羽根の周速40(m/sec)で10分
間混合し、負帯電性トナーを得た。このトナーの固着率
は45%であった。
【0172】上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した
体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し
て、トナー濃度が5%の現像剤1を調製した。
【0173】現像剤2、3の作製 前記現像剤1の作製においてトナーT1の代わりにトナ
ーT2を用いた他は同様にして現像剤2を調製した。
又、トナーT1の代わりにトナーT3を用いた他は同様
にして現像剤3を調製した。
【0174】以下、上記感光体、現像剤を用いて評価を
行った。 抵抗値評価方法 引掻強度試験機(新東科学株式会社製)を用いて、有機
感光体表面層の評価を行った。評価は、該引掻強度試験
機に前述したように進入度3mmの条件で先端が尖った
直径0.05mmの針を感光体表面に垂直に進入させ、
円筒型感光体の軸方向に平行に引っ掻いて、各感光体毎
の針にかかる抵抗値を連続的に測定した。針にかかる抵
抗値は、その信号を連続的にパーソナルコンピュータに
取り込み、処理し、前記式1〜3を算出した。
【0175】画像評価方法 上記各感光体と現像剤を表3のような組み合わせで、基
本的に図5記載の画像形成プロセスを有するコニカ社製
デジタル複写機Konica7050(コロナ帯電、レ
ーザー露光、反転現像、静電転写、爪分離、クリーニン
グブレードを採用プロセスを有する)に搭載し、画像濃
度、ハーフトーン白抜け、クリーニング性、黒ポチ及び
感光体膜厚減耗量の評価を行った。評価は、画素率が7
%の文字画像、中間調写真画像、ベタ白画像、ベタ黒画
像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像を用い、
常温常湿環境下(24℃、60%RH)A4の複写実験
を1万枚連続で行った。但し、上記評価スタート前に感
光体とクリーニングブレードをなじませるために、感光
体とクリーニングブレードにセッティングパウダーを散
布し、感光体を1分間回転させた。評価結果は表3に記
す。
【0176】画像濃度(マクベス社製RD−918を使
用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度
で測定した。初期及び1万枚コピー後の画像で評価し
た。) ◎:黒ベタ画像が1.2以上:良好 ○:黒ベタ画像が1.2未満〜1.0:実用上問題なし ×:黒ベタ画像が1.0未満:実用上問題あり 白抜け(1万枚の全コピーのハーフトーン画像で評価) 白抜けの評価は、長径が0.4mm以上の白抜けがA4
紙当たり何個あるかで判定した。尚、白抜け長径はビデ
オプリンター付き顕微鏡等で測定できる。白抜け評価の
判定基準は、下記に示す通りである。
【0177】 ◎:0.4mm以上の白抜け頻度:全ての複写画像が3
個/A4以下:良好 ○:0.4mm以上の白抜け頻度:4個/A4以上、1
0個/A4以下が1枚以上発生:実用上に問題なし ×:0.4mm以上の白抜け頻度:11個/A4以上が
1枚以上発生:実用上問題あり 黒ポチ(1万枚の全コピーのベタ白画像で評価) 黒ポチの評価は、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4
紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデ
オプリンター付き顕微鏡等で測定できる。黒ポチ評価の
判定基準は、下記に示す通りである。
【0178】 ◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3
個/A4以下:良好 ○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、1
0個/A4以下が1枚以上発生:実用上問題なし ×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が
1枚以上発生:実用上問題あり クリーニング性(1万コピー終了後感光体上のトナーフ
ィルミングの発生を肉眼で観察) ○:トナーフィルミングの発生なし:良好 ×:トナーフィルミングの発生あり:実用上問題あり 感光体膜厚減耗量 減耗量は実写評価開始時と1万枚コピー終了時に測定し
た感光層の平均膜厚の差分を求め、膜厚減耗量とした。
【0179】膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
【0180】
【表3】
【0181】表3から、本発明の式2のS値、式3のK
値の少なくとも一方が本発明の範囲内にある感光体1〜
4では、白抜けの発生が防止されており、黒ポチの画像
欠陥も発生していないが、両方の値が本発明の範囲外で
ある感光体5、7では白抜けの発生が著しく、S値が小
さい感光体6では画像濃度が低い。又、両方の値が本発
明の範囲内にある感光体1〜3は全ての評価項目で良好
な特性を示している。
【0182】
【発明の効果】上記実施例からも明らかなように、本発
明の感光体を用いることにより、反転現像時に発生しや
すい、白抜けと黒ポチの相反する画像欠陥を防止でき、
良好な電子写真画像を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す
説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあ
るトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図2】重合トナー反応装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図3】重合トナー反応装置の一例を示す断面図であ
る。
【図4】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法の一例としての画像形成
装置の断面図である。
【図6】切断抵抗により発生した抵抗の測定グラフであ
る。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 541 現像スリーブ 543,544 現像剤攪拌搬送部材 547 電位センサー 57 給紙ローラー 58 転写電極 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に電荷発生層、その上に電荷輸
    送層を有する有機感光体において、該有機感光体の表面
    層を針で連続的に引っ掻いた時、該表面層と針の間に発
    生する抵抗値の変動値を下記式1で表示したとき、該表
    面層の物性が下記式2を満足するように構成されている
    ことを特徴とする有機感光体。 式1 T=X1 2+X2 2+・・・・・+X24 2 M=(X1+X2+・・・・・+X242/24 N=〔{(X1+X3+・・X232+(X2+X4+・・
    242}/12〕−M E=(T−M−N)/22 X1:0〜5秒間の抵抗値の最大値 X2:0〜5秒間の抵抗値の最小値 X3:5〜10秒間の抵抗値の最大値 X4:5〜10秒間の抵抗値の最小値 X5:10〜15秒間の抵抗値の最大値 X6:10〜15秒間の抵抗値の最小値 ・ ・ ・ X23:55〜60秒間の抵抗値の最大値 X24:55〜60秒間の抵抗値の最小値 (上記Xnの単位はmN) 式2 1.0≦S≦10.0 但し、Sは下記式で示される。 S=10log{(M−E)/24E}
  2. 【請求項2】 支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有
    する有機感光体において、該有機感光体の表面層を針で
    連続的に引っ掻いた時、該表面層と針の間に発生する抵
    抗値の変動値を前記式1で表示したとき、該表面層の物
    性が下記式3を満足するように構成されていることを特
    徴とする有機感光体。 式3 20.0<K<55.0 但し、Kは下記式で示される。 K=10log{(M−E)/24}
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の有機感光体上の
    潜像をトナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下で
    あり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下
    であるトナーを用いた現像剤により現像することを特徴
    とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の有機感光体上の
    潜像を形状係数1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子
    を65個数%以上含有するトナーを用いた現像剤により
    現像することを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記トナー粒子の形状係数が1.2〜
    1.6の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の
    画像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の有機感光体上の
    潜像を角がないトナー粒子を50個数%以上含有するト
    ナーを用いた現像剤により現像することを特徴とする画
    像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記トナーの個数平均粒径が3〜8μm
    であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に
    記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記トナー粒子の粒径をD(μm)とす
    るとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.
    23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示
    すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い
    階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項3〜
    7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれか1項に記載の画
    像形成方法を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2に記載の有機感光体
    と、帯電手段、像露光手段、現像手段、クリーニング手
    段の少なくとも1つとが一体に組み合わされており、該
    画像形成装置に出し入れ自由に構成されていることを特
    徴とするプロセスカートリッジ。
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