JP2003166010A - Ｋｒインペラー付着物除去装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ＫＲ設備が有している機能を活用し、大掛か
りな機械設備の設置を行わず、インペラーの付着物除去
作業を効率よく行う方法を提供する。 【解決手段】 昇降機能を有するインペラー１を備えた
ＫＲ設備において、前記インペラーの付着物１ａを除去
する装置であって、インペラーの動きと同調しない架構
７側に設けられ、かつ、インペラーに 接近及び退避可
能な構造であり、さらに、インペラーの先端にブレーカ
ーなどの振動あるいは打撃機能を備えたＫＲインペラー
付着物除去装置８。及び、ＫＲインペラーの回転機能あ
るいは昇降機能を利用し、前記のＫＲインペラー付着物
除去装置の位置に付着物を除去したいインペラーの位置
をあわせ、インペラーの付着物を除去するＫＲインペラ
ー付着物除去方法。また、ＫＲ処理する溶湯鍋４等の容
器をインペラー下に配置し、除去された付着物を容器内
に回収するＫＲインペラー付着物除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＫＲ設備の撹拌
用インペラーに付着した精錬剤あるいは地金等の付着物
をオンラインで除去するＫＲインペラー付着物除去装置
及び除去方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にＫＲ設備は主に溶銑の脱硫を目的
として、溶銑鍋等の容器内の溶銑に脱硫材を投入し、図
１に示すような攪拌用インペラー１を用いて溶銑を機械
的に撹拌することにより脱硫反応をさせる設備である。
従って、ＫＲ設備は回転機能を有し、通常はインペラー
を鍋内へ移動するための昇降機能を有している。このイ
ンペラーそのものは、表面に耐火物が施工されており、
処理を重ねると図２に示すような脱硫剤、スラグ、地金
等がインペラーに付着する。このインペラーに付着物が
付くと、脱硫剤巻き込み能力低下を招き、脱硫効率が低
下するためインペラーを交換せざるを得ない状態とな
る。

【０００３】一方、これまでのＫＲ設備は、設備稼働率
向上や脱硫効率向上を目的として、例えば、実開平５−
３７９４９号公報に示されているようなインペラーの交
換を容易にする手段やインペラー羽根形状の改善、特開
平１１−９２８１１号公報に示されているような電磁撹
拌を併用した均一撹拌による脱硫効率向上対策等がなさ
れてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、付着した地金
等の積極的に除去する方法については、付着物原因での
インペラー交換をする必要がなくなり、設備稼働率向上
に繋がるというメリットが大きいにもかかわらず、ほと
んど対策がなされてこなかったのが実状である。そのた
め従来、付着物の除去作業は人力で行なっており、人力
での付着物除去作業は、約１０００℃の熱間状態での作
業となり作業効率が悪く、また、インペラーの冷却後に
作業を行うため、インペラー交換と同様の設備休止時間
を要していた。

【０００５】また、熱間除去作業を機械化したとしても
インペラー形状が複雑で、しかも、図２に示すように付
着物除去範囲は広く、その除去範囲をカバーしようとす
ると、大掛かりな重機となってしまい、ＫＲ架構内への
設置は困難であるといった問題があった。そこで本発明
は、ＫＲ設備が有している機能を活用し、大掛かりな機
械設備の設置を行わず、インペラーの付着物除去作業を
効率よく行う方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであって、その要旨は次の通りである。 （１）昇降機能を有するインペラーを備えたＫＲ設備に
おけるインペラーの付着物を除去する装置であって、該
インペラーの動きと同調しない架構側に設けられ、か
つ、該インペラーに接近及び退避可能な構造であり、さ
らに、インペラーの先端にブレーカーなどの振動あるい
は打撃機能を備えたことを特徴とするＫＲインペラー付
着物除去装置。

【０００７】（２）ＫＲインペラーの回転機能あるいは
昇降機能を利用し、前記（１）記載のKRインペラー付着
物除去装置の位置に付着物を除去したいインペラーの位
置をあわせ、インペラーの付着物を除去することを特徴
とするＫＲインペラー付着物除去方法。 （３）ＫＲ処理する溶湯鍋等の容器をインペラー下に配
置し、除去された付着物を容器内に回収することを特徴
とする前記（２）記載のＫＲインペラー付着物除去方法
である。

【０００８】

【発明実施の形態】以下、本発明を図面に従って詳細に
説明する。図１は、ＫＲ設備の溶銑撹拌に用いられる攪
拌用インペラー１を示す。溶湯の撹拌はインペラーの回
転によって行われるが、使用回数が進むにつれ羽根部の
溶損や地金等の付着により脱硫効率低下を招き交換を行
う必要がある。また、図２は、インペラーへの地金等の
付着状況を示す図である。この図に示すように、ＫＲ処
理時にスラグライン付近に当たるインペラー胴部への付
着物１ａ、インペラー羽部上部への付着物１ｂ、および
インペラー羽部周囲への付着物１ｃ、インペラー羽根底
部への付着物１ｄが代表的な付着物位置を示し、それら
が複合して発生し、それぞれが繋がる場合も多々ある。
地金等の付着は、撹拌トルクへの影響や脱硫剤の巻き込
み不良を招き、脱硫反応低下へとつながり、インペラー
の寿命を短くし、最終的には交換となる。

【０００９】図３は、ＫＲ設備の全体概略図を示す。撹
拌用インペラー１は、ＫＲ設備架構７内のインペラー昇
降台車３に設置されているインペラー駆動用モーター２
に連結され回転できるようになっている。また、インペ
ラー昇降台車によりインペラーは昇降することができ
る。ＫＲ処理を行う場合には、溶銑・溶鋼鍋等容器４を
台車等によりＫＲ架構内インペラー直下に引き込み、イ
ンペラーを降下させて溶湯に浸漬し、脱硫剤を投入して
インペラーを回転させ脱硫反応を行う。溶銑・溶鋼鍋等
容器４のインペラー直下への移動に当たってはＫＲ設備
側が自走しても良い。符号、５はインペラー仮置き台車
であり、６は集塵フードである。

【００１０】図４は、インペラー交換時インペラーを駆
動源より切り離した状態を示す図である。インペラー仮
置き台車５をインペラー直下に引き込み、インペラーを
下降させ、インペラー自重を仮置き台車にあずけ、モー
ター側との連結を切り離した上で、再度仮置き台車を移
動させ、インペラーを運び出す。また、逆の動作により
新しいインペラーの取り込み及び取り付けを行う。この
ようにインペラー交換は多工程の作業を行わなければな
らず、時間を要するため、設備稼動率の低下となる。ま
た、インペラー底部に付着物がある場合、仮置き台車５
にインペラー１を置くときに不安定となり、事前にある
程度付着物を除去する必要があり、さらにＫＲ設備の休
止時間が増長する。

【００１１】本発明は、ＫＲ設備が有している機能を利
用し簡便な設備を用いてオンラインでインペラーを外す
ことなく付着物を除去する方法を提供するものである。
図５は、ＫＲ設備架構内に付着物除去装置を設置した図
である。図２の１ａ〜１ｄに示されているインペラーの
付着物を付着物除去装置８の除去高さにインペラー昇降
機能により位置を合わせることのできる高さに除去装置
を設置する。

【００１２】付着物除去作業においては、除去したい付
着物の位置合わせをインペラーの昇降と回転により行
う。このことにより、除去装置はインペラーの昇降及び
回転に障害とならない位置への退避機能と除去を行うブ
レーカー機能などを最低限有すればよく、簡便な設備構
成でインペラーを取り外すことなくオンラインで付着物
の除去作業を行うことができる。また、インペラー直下
にＫＲ処理する溶湯鍋等の容器を配置し、除去された付
着物を容器内に回収すれば、清掃時間等が必要なくな
り、より設備の休止時間を短縮できる。

【００１３】

【実施例】実機にて本発明を適用した。インペラーの昇
降台車稼動範囲３０００ｍｍ角から退避できるように１
６００ｍｍストロークの水平スライド機能を有する台車
に打撃数５００ｂｐｍ程度の油圧ブレーカーをマウント
し、インペラーの昇降と回転機能で位置合わせを行い、
ＫＲ処理後の熱間状態で付着物を除去を行うことができ
た。その際、インペラー直下は開口となっており、下に
配置された溶銑鍋内に除去された付着物は落下し、問題
なく付着物を回収することができた。

【００１４】

【発明の効果】従来は、インペラーの溶損のほかに付着
物による脱硫効率の低下によってインペラーの交換を行
っていたが、ＫＲ処理間の時間を利用しオンラインで付
着物を除去する事によって、インペラーの交換を行う必
要がなくなり、稼動率を向上させることができた。ま
た、インペラーの付着物原因による交換をなくす事がで
き、修繕費を削減する事ができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】ＫＲ設備の溶銑撹拌に用いられる攪拌用インペ
ラーを示す図である。

【図２】インペラーへの地金等の付着状況を示す図であ
る。

【図３】ＫＲ設備の全体概略図である。

【図４】インペラー交換時、インペラーを駆動源より切
り離した状態の図である。

【図５】ＫＲ設備架構内に付着物除去装置を設置した図
である。

【符号の説明】

１ 撹拌用インペラー １ａ インペラー胴部への付着物 １ｂ インペラー羽根上部への付着物 １ｃ インペラー羽部周囲への付着物 １ｄ インペラー羽根底部への付着物 ２ インペラー駆動用モーター ３ インペラー昇降台車 ４ 溶銑・溶鋼鍋等容器 ５ インペラー仮置き台車 ６ 集塵フード ７ ＫＲ設備架構 ８ 付着物除去装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降機能を有するインペラーを備えたＫ
   Ｒ設備におけるインペラーの付着物を除去する装置であ
   って、該インペラーの動きと同調しない架構側に設けら
   れ、かつ、該インペラーに接近及び退避可能な構造であ
   り、さらに、インペラーの先端にブレーカーなどの振動
   あるいは打撃機能を備えたことを特徴とするＫＲインペ
   ラー付着物除去装置。
2. 【請求項２】 ＫＲインペラーの回転機能あるいは昇降
   機能を利用し、請求項１記載のＫＲインペラー付着物除
   去装置の位置に付着物を除去したいインペラーの位置を
   あわせ、インペラーの付着物を除去することを特徴とす
   るＫＲインペラー付着物除去方法。
3. 【請求項３】 ＫＲ処理する溶湯鍋等の容器をインペラ
   ー下に配置し、除去された付着物を容器内に回収するこ
   とを特徴とする請求項２記載のＫＲインペラー付着物除
   去方法。