JP2003162925A - ワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネス - Google Patents

ワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱老化性能に優れたワイヤハーネス保護材及び
これを用いたワイヤハーネスを提供すること。 【解決手段】PVC樹脂(重合度P=1300)100
重量部に対して可塑剤DOP(ジオクチルフタレート)
60重量部、充填剤20重量部、安定剤5重量部を配合
したものに、更に、吸着剤(カーボンブラック又はシリ
カのいずれか)1重量部〜150重量部、老化防止剤5
重量部及び/又は銅害防止剤1重量部を配合して得られ
た基材を用いて、粘着材付きテープ状物、チューブ状物
及びシート状物を作製する。テープ状物には、SBR
(スチレンブタジエンゴム)70重量部に対してNR
(天然ゴム)30重量部、亜鉛華20重量部、ロジン系
樹脂80重量部を配合したものに、更に、吸着剤(カー
ボンブラック又はシリカのいずれか)1重量部〜150
重量部、老化防止剤6重量部及び/又は銅害防止剤1重
量部を配合して得られた粘着剤を粘着層として基材に設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤハーネス保
護材及びこれを用いたワイヤハーネスに関し、更に詳し
くは、電気導体が被覆された電線を束ねた電線束であっ
て、ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元素の含有
量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いポリオレフィ
ン系絶縁樹脂材料により電気導体が被覆されたハロゲン
フリー絶縁電線(単に「HF電線」ともいう)からなる
電線束(単に「HF単独電線束」ともいう)又はその一
部をポリ塩化ビニル(PVC)樹脂により電気導体が被
覆されたPVC絶縁電線(単に「PVC電線」ともい
う)に代えてなる電線束(単に「混在電線束」ともい
う)の周囲に被覆して用いられる粘着剤付きテープ状、
チューブ状又はシート状のワイヤハーネス保護材及び、
これをHF単独電線束又は混在電線束の周囲に被覆して
得られるワイヤハーネスに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車その他の車両用配線に使用される
ワイヤハーネスは、組立電線とも云われ、適切な仕様と
太さの電線を選定して切って束ねて電線束としたもの
を、チューブに通したりシートでくるんだりしてテーピ
ングしてまとめ、各種部品を取り付けてひとまとめの部
品にしたものである。電線としては、一般的に銅線を何
本か束ねてポリ塩化ビニル(PVC)樹脂の被覆をかぶ
せたPVC電線が使用され、銅線としては、やきなまし
をした軟銅のほか、すずめっき軟銅線が用いられる。ま
た、テープとしては、PVC樹脂からなる基材に粘着剤
の層(粘着層)を設けたPVCテープが、その他外装保
護材としてはPVCチューブ及びPVCシートが広く使
用されている。すなわち、電線の絶縁被覆材の他、テー
プ、チューブ、シートその他の電線保護材並びにワイヤ
ハーネス保護材にもPVC樹脂が一般的に使用されてい
る。
【0003】ところが、絶縁電線として広く使用されて
きたPVC電線について、最近、環境問題対策の一環と
して代替品の検討がなされており、例えば、ノンハロゲ
ンのポリオレフィンに難燃剤として無機の充填剤を多量
に添加したようなハロゲンフリー電線が提案されてい
る。
【0004】そこで、発明者らは、HF単独電線束にP
VCチューブ、シートを装着し、粘着剤付きPVCテー
プでPVCチューブ、シートの両端を結束したワイヤハ
ーネスや、混在電線束にPVCチューブ、シートを装着
し、粘着剤付きPVCテープでPVCチューブ、シート
(単に「PVC保護材」ともいう)の両端を結束したワ
イヤハーネス(図1〜図3参照)を作製し、各ワイヤハ
ーネスについて熱老化性能を調べた。その結果、混在電
線束のワイヤハーネスの熱老化性能は、HF単独電線束
のワイヤハーネスの熱老化性能と比べて著しく劣ること
が判明した。発明者らは、その熱老化性能の違いの原因
を調査したところ、可塑剤の移行が原因ではないかと見
当をつけるに至った。
【0005】第一に、HF電線は初めから所定量の老化
防止剤が含有されているが、この老化防止剤は、PVC
保護材から可塑剤が移行してくるとこれに溶け、可塑剤
は、老化防止剤をのせた状態で、HF電線から老化防止
剤の濃度勾配の低いPVC保護材へ戻る。そのため、H
F電線から老化防止剤が減少し、HF電線の老化が促進
されると考えられる。従って、老化防止剤の拡散を阻止
する必要があるが、そのためには、担体としての可塑剤
の移行を阻止することが有効であると考えられる。
【0006】第二に、PVC保護材に含有されている可
塑剤は、HF電線へ移行すると銅線と反応して銅のイオ
ン化を促進させるため、銅害の原因の一つとなる。銅イ
オンは、触媒となって電線被覆ポリマーの化学結合を切
断し、電線被覆ポリマーを劣化させると考えられるから
である。従って、銅のイオン化を抑制する必要がある
が、そのためには、銅と反応する可塑剤の移行を阻止す
ることが有効であると考えられる。
【0007】第三に、PVC保護材に含有されている可
塑剤は、上述したようにHF電線へ移行すると銅線と反
応して銅のイオン化を促進させるため、HF電線に初め
から所定量含有されている銅害防止剤の消費過多の原因
となる。HF電線に初めから所定量含有されている銅害
防止剤は、「PVC保護材を通ってHF電線に入り込ん
だ空気中の水分が銅線と反応することにより発生した銅
イオンを安定化させるためのもの」であって、可塑剤の
影響による銅イオンを安定化させるためのものではない
からである。従って、銅害防止剤の消費量を減らす必要
があるが、そのためには、銅のイオン化を抑制するこ
と、ひいては、可塑剤の移行を阻止することが有効であ
ると考えられる。
【0008】第四に、HF電線に含有されている銅害防
止剤は、PVC保護材から可塑剤が移行してくるとこれ
に溶け、可塑剤は、銅害防止剤をのせた状態で、HF電
線から銅害防止剤の濃度勾配の低いPVC保護材へ戻
る。そうすると、銅害防止剤は、空気中の水分及び可塑
剤の影響により発生した銅イオンの安定化に消費される
うえに、可塑剤にのってHF電線からPVC保護材へ拡
散するため、相乗効果的に減少すると考えられ、ますま
す、HF電線の老化が促進される。従って、銅害防止剤
の拡散・減少を阻止する必要があるが、そのためには、
担体としての可塑剤の移行を阻止することが有効である
と考えられる。
【0009】更に、発明者らは、電線束にノンハロゲン
のポリエチレンやポリプロピレン等を用いたチューブ、
シート(単に「HF保護材」ともいう)を装着し、ノン
ハロゲンの粘着剤付きテープ(HF保護材)で当該チュ
ーブ、シートを結束したワイヤハーネスの場合について
も熱老化試験を行った。この場合にも、混在電線束から
なるワイヤハーネスの熱老化性能は、HF単独電線束か
らなるワイヤハーネスの熱老化性能と比べて著しく劣る
ことが判明した。その原因は、混在電線束の場合には、
PVC電線とHF電線との間で上記と同様の可塑剤の移
行等が起こるためと考えられる。この場合においてもや
はり老化防止剤や銅害防止剤の拡散を阻止したり、可塑
剤の移行を阻止したりすることが必要になる。
【0010】そこで、発明者らは試行錯誤を重ねた結
果、PVC保護材やHF保護材の基材に吸着剤を含有さ
せるようにすれば、可塑剤を吸着剤で吸着することがで
き、可塑剤の移行を阻止できるのではないかとの結論に
達した。また、老化防止剤や銅害防止剤の拡散について
は、HF電線とPVC保護材との間又はHF電線とPV
C電線との間における老化防止剤や銅害防止剤の適度な
濃度平衡を保てば、可塑剤の移行を阻止し得ないその若
干の移行を許したとしてもHF電線からPVC保護材や
PVC電線へ老化防止剤や銅害防止剤が拡散するのを阻
止できるのではないかとの結論に達した。
【0011】本発明の解決しようとする課題は、HF単
独電線束又はその一部をPVC電線に代えてなる混在電
線束が用いられるワイヤハーネスにおいて、ワイヤハー
ネス保護材として粘着剤付きテープ状、チューブ状又は
シート状の保護材が用いられた時に、可塑剤の移行を阻
止することにより及び、HF電線からPVC保護材若し
くはPVC電線への老化防止剤や銅害防止剤の拡散を阻
止することにより、熱老化性能に優れたワイヤハーネス
保護材及びこれを用いたワイヤハーネスを提供すること
にある。これにより、ワイヤハーネスの電線品質の安定
化と恒久的使用を達成しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材は、請
求項1に記載されるように、ハロゲン元素を全く含まな
いかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂
よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被
覆されたハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はそ
の一部を塩化ビニル樹脂材料により電気導体が被覆され
たPVC絶縁電線に代えてなる電線束の周囲に被覆して
用いられる粘着剤付きテープ状、チューブ状又はシート
状のワイヤハーネス保護材であって、当該粘着剤付きテ
ープ状物、チューブ状物及びシート状物の基材には、吸
着剤が含有されていることを要旨とするものである。
【0013】本発明では、「ハロゲンフリー絶縁電線」
の電線被覆材に使用されるベースポリマーとしては、オ
レフィン系のプロピレンポリマー(ホモポリマー及びプ
ロピレンランダム又はブロックコポリマー)、ポリエチ
レン(高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等)、
ポリブテンポリマー、エチレン共重合体(エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体等)、オレフィン系エラストマー(ポリプロピレン−
エチレン/プロピレン共重合体等)又はこれら共重合体
中の不飽和二重結合を水素添加により飽和した共重合体
等が好適なものとして挙げられる。これらポリマーは、
単独で又は2種以上の混合物として用いることができ
る。これに難燃剤として水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム等の金属水和物等のハロゲンを全く含まない
難燃剤を添加する。そして、銅害防止剤、老化防止剤、
更に必要に応じて加工助剤等を添加したり、更には架橋
を施し耐熱性を向上させることもある。本発明では、銅
害防止剤や老化防止剤が添加されていることが望まれ
る。また、低ハロゲンのものとしては、難燃性として臭
化物系のもの、あるいはPVC樹脂よりはハロゲン化率
の低いハロゲン含有の樹脂を用いて難燃性を付与するも
のも概念的には含まれる。また、「PVC絶縁電線」の
場合は、PVC樹脂に柔軟性を付与し材料の加工性を改
善したり、あるいは材料コストを下げるために、樹脂と
の混合性も良く、耐水性や電気絶縁性等にも優れた可塑
剤が配合される。これに更に老化防止剤を添加してもよ
い。更に、ハロゲンフリー絶縁電線及びPVC絶縁電線
の「電気導体」としては、やきなましをした軟銅のほ
か、すずめっき軟銅線が好適なものとして挙げられる
が、タングステン線等でもよく、これらに限定されるも
のではない。また、「吸着剤」としては、カーボンブラ
ック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ク
レー等が好適なものとして挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0014】上記構成を有する請求項1に係るワイヤハ
ーネス保護材によれば、当該粘着剤付きテープ状物、チ
ューブ状物及びシート状物の基材には吸着剤が含有され
ているため、当該ワイヤハーネス保護材は、優れた熱老
化性能が維持される。これにより、ハロゲンフリー絶縁
電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能
の低下が阻止される。
【0015】この場合に、請求項2に記載されるよう
に、前記基材は、塩化ビニル樹脂材料からなるものを用
いることができる。「塩化ビニル樹脂材料」としては、
PVC樹脂に柔軟性を付与し材料の加工性を改善した
り、あるいは材料コストを下げるために、樹脂との混合
性も良く、耐水性や電気絶縁性等にも優れた可塑剤を配
合したものが望ましい。
【0016】上記構成を有する請求項2に係るワイヤハ
ーネス保護材によれば、塩化ビニル樹脂材料からなる当
該基材に吸着剤が含有されているものであるから、当該
吸着剤により可塑剤が吸着され、当該粘着剤付きテープ
状物、チューブ状物及びシート状物からハロゲンフリー
絶縁電線への可塑剤の移行が阻止される。これにより、
ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶
縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【0017】あるいは、請求項3に記載されるように、
前記基材は、ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元
素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハロ
ゲンフリー樹脂材料からなるものを用いてもよい。ここ
で「ハロゲンフリー樹脂材料」のベースポリマーとして
は、前記ハロゲンフリー絶縁電線の電線被覆材のベース
ポリマーと同様のものを用いることができる。これに難
燃剤として低ハロゲンの臭化物系難燃剤を添加する。水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水和物
等のハロゲンを含まない難燃剤を添加してもよい。
【0018】上記構成を有する請求項3に係るワイヤハ
ーネス保護材によれば、ハロゲンフリー樹脂材料からな
る当該基材に吸着剤が含有されているものであるから、
当該粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状
物の熱老化性能が向上する。これにより、ハロゲンフリ
ー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老
化性能の低下が阻止される。
【0019】そして、請求項1から3のいずれに記載さ
れる場合においても、請求項4に記載されるように、前
記吸着剤は、カーボンブラック又はシリカのいずれかで
あればよい。当該基材が塩化ビニル樹脂材料からなるも
のである場合には、当該吸着剤により可塑剤が吸着さ
れ、当該粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシー
ト状物からハロゲンフリー絶縁電線への可塑剤の移行が
阻止されることになり、これにより、ハロゲンフリー絶
縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性
能の低下が阻止される。当該基材がハロゲンフリー樹脂
材料からなるものである場合には、当該粘着剤付きテー
プ状物、チューブ状物及びシート状物の熱老化性能が向
上することになり、ハロゲンフリー絶縁電線が保護さ
れ、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止
される。そして、当該基材のベースポリマーが限定され
ない場合においても、前記吸着剤をカーボンブラックと
することで、少なくとも当該基材の耐久性が向上する
し、また、前記吸着剤をシリカとすることで、少なくと
も当該基材の耐熱性や耐酸性が向上する。これにより、
ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶
縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【0020】この請求項4に記載される場合に、請求項
5に記載されるように、前記吸着剤の含有量は、前記基
材のベースポリマー100重量部に対して1重量部〜1
50重量部の範囲とされていることが望ましい。1重量
部未満だと効果がなく、150重量部を超えると作業性
がよくないからである。更に好ましくは、5重量部〜1
00重量部の範囲とされていることが望ましい。5重量
部を下回るとやや効果が弱くなり、100重量部を超え
るとやや作業性が悪くなるからである。
【0021】そして、請求項1から5に記載される場合
に、請求項6に記載されるように、前記基材には、老化
防止剤及び/又は銅害防止剤が含有されていることが望
ましい。当該基材に老化防止剤及び/又は銅害防止剤が
含有されている場合には、ハロゲンフリー絶縁電線の電
線被覆材中の老化防止剤及び/又は銅害防止剤がワイヤ
ハーネス保護材へ拡散することが阻止されて、ハロゲン
フリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の
熱老化性能の低下が阻止されるからである。特にHF保
護材の場合には、更に、HF保護材に老化防止剤や銅害
防止剤を含有させたことで当該HF保護材がバリアとな
ってハロゲンフリー絶縁電線に対する空気中の水分や粘
着剤等の影響が緩和される。これによっても、HF電線
の熱老化性能の低下が阻止される。また、電気導体が銅
線の場合には、ハロゲンフリー絶縁電線の電線被覆材中
の銅害防止剤は、「空気中の水分が銅線と反応すること
により発生した銅イオン」を安定化させるべく有効に消
費されることになり、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化
性能の低下が阻止されることになる。
【0022】この請求項6に記載される場合に、請求項
7に記載されるように、前記基材の老化防止剤の含有量
は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフ
リー絶縁電線の老化防止剤の有機ポリマーに対する割合
量とほぼ等しくされており、及び/又は、前記基材の銅
害防止剤の含有量は、その有機ポリマーに対する割合量
が前記ハロゲンフリー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポリ
マーに対する割合量若しくはその二分の一相当量とほぼ
等しくされていることが望ましい。これにより、ハロゲ
ンフリー絶縁電線とワイヤハーネス保護材との間で老化
防止剤及び/又は銅害防止剤の「拡散を生じさせるよう
な濃度勾配」がほぼなくなり、老化防止剤及び/又は銅
害防止剤の拡散が阻止されるからである。ここで、「基
材の老化防止剤の割合量」とは、基材中における老化防
止剤の有機ポリマーに対する割合(%)をいい、「電線
の老化防止剤の割合量」とは、電線中における老化防止
剤の有機ポリマーに対する割合(%)をいう。同様に、
「基材の銅害防止剤の割合量」とは、基材中における銅
害防止剤の有機ポリマーに対する割合(%)をいい、
「電線の銅害防止剤の割合量」とは、電線中における銅
害防止剤の有機ポリマーに対する割合(%)をいう。
【0023】本発明の二つめに係るワイヤハーネス保護
材は、請求項8に記載されるように、ハロゲン元素を全
く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビ
ニル樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気
導体が被覆されたハロゲンフリー絶縁電線からなる電線
束又はその一部を塩化ビニル樹脂材料により電気導体が
被覆されたPVC絶縁電線に代えてなる電線束の周囲に
被覆して用いられるワイヤハーネス保護材であって、そ
の粘着剤付きテープ状物は、その基材が塩化ビニル樹脂
材料又はハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元素の
含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハロゲン
フリー樹脂材料からなり、当該基材及び/又は粘着剤に
は、吸着剤としてカーボン又はシリカのいずれかが含有
され、その含有量が当該基材のベースポリマー100重
量部に対して1重量部〜150重量部の範囲とされてい
ることを要旨とするものである。
【0024】上記構成を備えた請求項8に係るワイヤハ
ーネス保護材によれば、粘着剤付きテープ状物及び/又
は粘着剤には吸着剤としてシリカ又はカーボンブラック
が含有されているため、ハロゲンフリー絶縁電線が保護
され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻
止される。例えば、当該基材が塩化ビニル樹脂材料から
なる場合には、当該吸着剤により可塑剤が吸着され、当
該粘着剤付きテープ状物からハロゲンフリー絶縁電線へ
の可塑剤の移行が阻止されることになり、これにより、
ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止され
る。また、当該基材がハロゲンフリー樹脂材料からなる
場合には、当該粘着剤付きテープ状物の熱老化性能が向
上することにより、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性
能の低下が阻止される。また、吸着剤の含有量を1重量
部〜150重量部としたのは、1重量部未満だと効果が
なく、150重量部を超えると作業性がよくないからで
ある。更に好ましくは、5重量部〜100重量部の範囲
とされていることが望ましい。5重量部を下回るとやや
効果が弱くなり、100重量部を超えるとやや作業性が
悪くなるからである。
【0025】この場合に、請求項9に記載されるよう
に、前記粘着剤付きテープ状物は、その基材及び/又は
粘着剤に老化防止剤及び/又は銅害防止剤が含有され、
当該基材の老化防止剤の含有量は、その有機ポリマーに
対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の老化防止
剤の有機ポリマーに対する割合量とほぼ等しくされてお
り、及び/又は、当該基材の銅害防止剤の含有量は、そ
の有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶
縁電線の銅害防止剤の有機ポリマーに対する割合量若し
くはその二分の一相当量とほぼ等しくされているとよ
い。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線とワイヤハー
ネス保護材との間で老化防止剤及び/又は銅害防止剤の
「拡散を生じさせるような濃度勾配」がほぼなくなり、
老化防止剤及び/又は銅害防止剤の拡散が阻止され、ハ
ロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁
電線の熱老化性能の低下が阻止されるからである。
【0026】本発明の三つめに係るワイヤハーネスは、
請求項10に記載されるように、ハロゲン元素を全く含
まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル
樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気導体
が被覆されたハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又
はその一部を塩化ビニル樹脂材料により当該電気導体が
被覆されたPVC絶縁電線に代えてなる電線束の周囲が
請求項1から9に記載のワイヤハーネス保護材により被
覆されていることを要旨とするものである。
【0027】上記構成を備えた請求項10に記載される
ワイヤハーネスによれば、電線束の周囲に被覆される請
求項1から9に記載のワイヤハーネス保護材には、吸着
材が含有されているため、ハロゲンフリー絶縁電線の熱
老化性能の低下が阻止される。例えば、当該基材が塩化
ビニル樹脂材料からなるものである場合には、当該吸着
剤により可塑剤が吸着され、当該ワイヤハーネス保護材
からハロゲンフリー絶縁電線への可塑剤の移行が阻止さ
れることになり、これにより、ハロゲンフリー絶縁電線
が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低
下が阻止される。また、当該基材がハロゲンフリー樹脂
材料からなるものである場合には、当該ワイヤハーネス
保護材の熱老化性能が向上することになり、ハロゲンフ
リー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【0028】この場合に、請求項11に記載されるよう
に、前記ハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はそ
の一部を前記PVC絶縁電線に代えてなる電線束の各電
線の電線被覆材には銅害防止剤及び/又は老化防止剤が
含有されているとよい。ハロゲンフリー絶縁電線から塩
化ビニル絶縁電線又はワイヤハーネス保護材へ当該銅害
防止剤及び/又は当該老化防止剤が拡散することがない
からである。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線の熱
老化性能の低下が阻止される。
【0029】尚、各電線及びワイヤハーネス保護材に含
有される銅害防止剤や老化防止剤は、同種であることが
望ましい。銅害防止剤や老化防止剤としては各種のもの
があるが、お互いに同種類のものを用いることにより適
度な濃度平衡の維持が一層効果的になされるからであ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の一実施形態
に係るワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハ
ーネスの外観を示したものであり、図1がワイヤハーネ
ス保護材としての粘着剤付きテープ10を電線束12の
周囲に巻き付けて被覆したワイヤハーネス14の外観を
示し、図2がワイヤハーネス保護材としてのチューブ1
6に電線束12を通すことにより電線束12を被覆した
ワイヤハーネス18と、ワイヤハーネス保護材としての
チューブ16に電線束12を通すことにより電線束12
を被覆し、更に当該チューブ16の端縁の周囲をテープ
22で巻き付けて結束したワイヤハーネス19の外観を
示し、図3がワイヤハーネス保護材としてのシート20
を電線束12の周囲に被覆し、更にその周囲をテープ2
2で巻き付けて結束したワイヤハーネス24と、ワイヤ
ハーネス保護材としてのシート26に予め粘着剤28を
付与したものを電線束12に被覆し、粘着剤28を付与
した部分で結束したワイヤハーネス30を示している。
【0031】粘着剤付きテープ10、チューブ16及び
シート20、26の基材は、PVC樹脂又はハロゲン元
素を全く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも
PVC樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂(HF樹脂)
が用いられる。また、電線束12は、HF電線のみから
なるHF単独電線束又はその一部をPVC電線に代えて
なるHF電線とPVC電線とが混在した混在電線束から
なり、電線32の電気導体34は7本の軟銅線からな
る。これらの図ではいずれも30本の電線からなる電線
束をワイヤハーネス保護材によって被覆している。
【0032】以下に説明する実施例において作製された
ワイヤハーネス保護材及びワイヤハーネスは、図1〜図
3のいずれか若しくはその一部分によって示された形態
によってその外観を概略的に示すことができるものであ
る。
【0033】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明す
る。初めに本実施例に係るワイヤハーネス保護材が適用
された各種電線束に用いられる絶縁材料被覆電線として
以下の三種類のものを用意することとした。一つめは、
表Aに示したもので、電線被覆材にハロゲン元素を全く
含まないHF電線である。このHF電線としては、表A
に示したように、その電線被覆材がポリオレフィン系の
ポリプロピレン樹脂を主成分とし、このポリプロピレン
樹脂100重量部に対して難燃剤として水酸化マグネシ
ウムが80重量部、老化防止剤(フェノール系)が3重
量部、そして銅害防止剤が1重量部配合されたものを用
いた。老化防止剤の配合量は、全体重量に対して、1.
63wt%(3÷184×100=1.63wt%)
と、その割合量は、HF電線に配合される老化防止剤の
有機ポリマー(ポリプロピレン)に対する含有率で表す
と3%(3÷100×100=3%)となっている。ま
た、銅害防止剤の配合量は、全体重量に対して、0.5
4wt%(1÷184×100=0.54wt%)と、
その割合量は、HF電線に配合される老化防止剤の有機
ポリマー(ポリプロピレン)に対する含有率で表すと1
%(1÷100×100=1%)となっている。
【0034】
【表A】
【0035】二つめは、表Bに示したもので、PVC電
線であって電線被覆材に老化防止剤が全く含有されてい
ないものである。このPVC電線としては、表Bに示し
たように、その電線被覆材がポリ塩化ビニル樹脂(重合
度P=1300)100重量部に対して可塑剤としてD
INP(ジイソノニルフタレート)40重量部、充填剤
として炭酸カルシウム20重量部、安定剤として亜鉛・
カルシウム系のものが5重量部配合されたものを用い
た。
【0036】
【表B】
【0037】三つめは、表Cに示したもので、PVC電
線であって電線被覆材に老化防止剤が含有されているも
のである(単に「PVC老防電線」ともいう)。このP
VC老防電線としては、表Cに示したように、その電線
被覆材がポリ塩化ビニル樹脂(重合度P=1300)1
00重量部に対して可塑剤としてDINP(ジイソノニ
ルフタレート)40重量部、充填剤として炭酸カルシウ
ム20重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のもの
が5重量部のほか、老化防止剤が4.5重量部配合され
たものを用いた。老化防止剤の配合量は、全体重量に対
して、2.65wt%(4.5÷169.5×100=
2.65wt%)と、その割合量は、PVC老防電線に
配合される老化防止剤の有機ポリマー(PVCとDIN
P)に対する含有率で表すと3.21%(4.5÷14
0×100=3.21%)となっている。
【0038】
【表C】
【0039】そしてこれら三種類の絶縁電線は、いずれ
も直径0.32mmの軟銅線を7本撚り合わせて外径約
1.0mmの銅撚線に形成した電気導体の周囲に表A〜
表Cに示したそれぞれの絶縁材料により被覆したもので
ある。例えば、一つめのHF電線は、表Aに示した樹脂
組成物を2軸混練機で混合温度250℃で混合してペレ
タイザにてペレット状の組成物としたものを押し出し機
を用いて0.3mm厚さに押し出し加工し、これを電線
被覆層として7本の撚線からなる電気導体の周囲に形成
したものである。その際の押し出し温度は、250℃で
ある。また、二つめのPVC電線及び三つめのPVC老
防電線は、表B又は表Cに示した樹脂組成物を2軸混練
機で混合温度180℃で混合してペレタイザにてペレッ
ト状の組成物としたものを押し出し機を用いて0.3m
m厚さに押し出し加工し、これを電線被覆層として7本
の撚線からなる電気導体の周囲に形成したものである。
その押し出し温度は、180℃である。
【0040】次に、本実施例に係るワイヤハーネス保護
材が適用された各種電線束として以下の五種類のものを
用意することとした。一つめは、表AのHF電線30本
からなるHF単独電線束であり、あとの四つは、表Aの
HF電線と表BのPVC電線又は表CのPVC老防電線
とからなる混在電線束である。各種電線束は、いずれも
電線総数は30本としているが、混在電線束について
は、混在比率(「PVC電線又はPVC老防電線の本
数:HF電線の本数」)をそれぞれ、「25本:5
本」、「20本:10本」、「10本:20本」および
「5本:25本」とした。
【0041】次に、各種実施例に供したワイヤハーネス
保護材の組成及び試験結果について説明する。まず、表
1〜表6は、PVC粘着剤付きテープ、チューブ及びシ
ート(単に「PVC保護材」ともいう)の組成及び試験
結果を示したものであり、表1〜表2がPVC保護材に
吸着剤及び老化防止剤が含有されているものに、表3〜
表4がPVC保護材に吸着剤及び銅害防止剤が含有され
ているものに、そして、表5〜表6がPVC保護材に吸
着剤並びに老化防止剤及び銅害防止剤が含有されている
ものに該当する。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】各種組成について説明する。表1〜表6に
掲げた実施例1〜実施例6のPVC粘着剤付きテープ、
チューブ及びシートは、いずれもポリ塩化ビニル(PV
C)樹脂(重合度P=1300)をベースポリマーとし
た基材を用いており、その基材としては、PVC樹脂1
00重量部に対して可塑剤としてDOP(ジオクチルフ
タレート)60重量部、充填剤として炭酸カルシウム2
0重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のもの5重
量部を配合した配合物を用い、表1〜表2に示したもの
にあっては、当該配合物をそのまま用いたもの(各従来
品)、当該配合物に適当量の吸着剤(カーボンブラック
又はシリカ)と所定量の老化防止剤とが配合されている
もの(実施例品1−1〜1−6及び2−1〜2−6)、
当該配合物に過剰量の吸着剤(カーボンブラック又はシ
リカ)と所定量の老化防止剤とが配合されているもの
(比較例品1−1〜1−2及び2−1〜2−2)を用意
し、表3〜表4に示したものにあっては、当該配合物を
そのまま用いたもの(各従来品)、当該配合物に適当量
の吸着剤(カーボンブラック又はシリカ)と所定量の銅
害防止剤とが配合されているもの(実施例品3−1〜3
−6及び4−1〜4−6)、当該配合物に過剰量の吸着
剤(カーボンブラック又はシリカ)と所定量の銅害防止
剤とが配合されているもの(比較例品3−1〜3−2及
び4−1〜4−2)を用意し、表5〜表6に示したもの
にあっては、当該配合物をそのまま用いたもの(各従来
品)、当該配合物に適当量の吸着剤(カーボンブラック
又はシリカ)と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とが
配合されているもの(実施例品5−1〜5−6及び6−
1〜6−6)、当該配合物に過剰量の吸着剤(カーボン
ブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤及び銅害防
止剤とが配合されているもの(比較例品5−1〜5−2
及び6−1〜6−2)を用意した。
【0049】すなわち、表1〜表6に掲げた実施例1か
ら実施例6は、いずれも、PVC粘着剤付きテープ、チ
ューブ及びシートの基材に吸着剤を含有させた例につい
てのものである点については同じであるが、実施例3及
び4は、それぞれ実施例1及び2における老化防止剤を
銅害防止剤に代えたものに相当し、実施例5及び6は、
それぞれ実施例1及び2(又は実施例3及び4)の老化
防止剤(銅害防止剤)を老化防止剤及び銅害防止剤に代
えたものに相当している。
【0050】尚、PVC保護材の基材の老化防止剤の配
合量は、上述したHF電線の老化防止剤の割合量3%と
ほぼ同等となるように調整されている。ここでは有機ポ
リマー(PVC及びDOP)に対する含有率を割合量と
して定義し、その割合量は、3.12%(5÷160×
100=3.12%)に調整されている。また、PVC
保護材の基材の銅害防止剤の配合量は、上述したHF電
線の銅害防止剤の割合量1%の二分の一相当量とほぼ同
等となるように調整されている。ここでも有機ポリマー
(PVC及びDOP)に対する含有率を割合量として定
義し、その割合量は、0.63%(1÷160×100
=0.63%)に調整されている。
【0051】そして、表1、表3及び表5に示した実施
例1、3及び5のPVC粘着剤付きテープは、いずれ
も、上記基材の片側表面全体にスチレンブタジエンゴム
(SBR)やNR等のゴム系材料による粘着剤を付与し
たものであり、上記基材の表面に付与される粘着剤とし
ては、SBR(スチレンブタジエンゴム)70重量部に
対してNR(天然ゴム)30重量部、亜鉛華20重量
部、ロジン系樹脂80重量部を配合した配合物を用い、
表1に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用
いたもの(従来品)、適当量の吸着剤(カーボンブラッ
ク又はシリカ)と所定量の老化防止剤とを配合したもの
(実施例品1−1〜1−6)、過剰量の吸着剤(カーボ
ンブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤とを配合
したもの(比較例品1−1〜1−2)を用意し、表3に
示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたも
の(従来品)、適当量の吸着剤(カーボンブラック又は
シリカ)と所定量の銅害防止剤とを配合したもの(実施
例品3−1〜3−6)、過剰量の吸着剤(カーボンブラ
ック又はシリカ)と所定量の銅害防止剤とを配合したも
の(比較例品3−1〜3−2)を用意し、表5に示した
ものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの(従
来品)、適当量の吸着剤(カーボンブラック又はシリ
カ)と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とを配合した
もの(実施例品5−1〜5−6)、過剰量の吸着剤(カ
ーボンブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤及び
銅害防止剤とを配合したもの(比較例品5−1〜5−
2)を用意した。ここで、粘着剤層の厚さは、0.02
mmとし、基材と粘着剤層とのトータルの厚さは、0.
13mmとした。
【0052】すなわち、表1、表3及び表5に掲げた実
施例1、3及び5は、いずれも、PVC粘着剤付きテー
プの基材表面に付与される粘着剤にも吸着剤を含有させ
た例についてのものである点については同じであるが、
実施例3は、実施例1における老化防止剤を銅害防止剤
に代えたものに相当し、実施例5は、実施例1(又は実
施例3)の老化防止剤(銅害防止剤)を老化防止剤及び
銅害防止剤に代えたものに相当している。
【0053】尚、PVC粘着剤付きテープの粘着剤の老
化防止剤の配合量もまた、上述したHF電線の老化防止
剤の割合量3%とほぼ同等となるように調整されてい
る。ここでは有機ポリマー(SBR、NR及びロジン系
樹脂)に対する含有率を割合量として定義し、その割合
量は、3.3%(6÷180×100=3.3%)に調
整されている。また、PVC粘着剤付きテープの粘着剤
の銅害防止剤の配合量もまた、上述したHF電線の銅害
防止剤の割合量1%の二分の一相当量とほぼ同等となる
ように調整されている。ここでも有機ポリマー(SB
R、NR及びロジン系樹脂)に対する含有率を割合量と
して定義し、その割合量は、0.56%(1÷180×
100=0.56%)に調整されている。
【0054】次に、上記のようにして作製された表1〜
表6に掲げた従来品、各実施例品及び比較例品について
試験及び評価を行った。まず、試験方法について説明す
る。試料としては、各表に示したPVC粘着剤付きテー
プ、チューブ及びシートを、それぞれ、上述した合計五
種類のHF単独電線束及び混在電線束の周りに巻き付け
たものを用いた(図1〜図3参照)。試験は次のように
して行った。すなわち、これらの試料を150℃の恒温
槽に96時間放置し、その後、HF電線を取り出し、1
0φマンドレル巻き付けにより、その被覆部分の亀裂の
有無と巻付作業性とを確認した。
【0055】次に、試験結果について説明する。表1〜
表6の試験結果は、いずれも樹脂組成物の配合量によっ
てのみ区別し電線束の種類には言及していない。電線束
の種類や混在比率の違いは試験結果に影響しなかったか
らである。従って、試験結果は、PVC粘着剤付きテー
プ、チューブ及びシートは、各従来品では巻付作業性は
良好であったがHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定
され、また、比較例品1−1〜1−2、2−1〜2−
2、3−1〜3−2、4−1〜4−2、5−1〜5−
2、6−1〜6−2では電線に亀裂が生じなかったが巻
付作業性が悪く不良(×)と判定された。そして、実施
例品1−1〜1−6、2−1〜2−6、3−1〜3−
6、4−1〜4−6、5−1〜5−6、6−1〜6−6
はいずれも電線に亀裂が生じることはなく巻付作業性も
良好である(○)との判定が得られ、総合評価として良
好である(○)との結果が得られた。
【0056】以上から、軟銅線を被覆するHF単独電線
束又は混在電線束の周りに、適当量の吸着剤(カーボン
ブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤及び/又は
銅害防止剤とを配合したPVC樹脂材料を主成分とした
ワイヤハーネス保護材(粘着剤付きテープ状物、チュー
ブ状物及びシート状物)を巻き付ける等すれば、HF電
線に亀裂が生じずHF電線の熱老化性能の低下が阻止さ
れることが判明した。その理由は次のように考えられ
る。第一に、PVC保護材に含有されている可塑剤が吸
着剤により吸着されたことにより、PVC保護材からH
F電線への可塑剤の移行が阻止されたためであると考え
られる。第二に、可塑剤の移行が阻止されたことによ
り、HF電線に予め含有されている老化防止剤及び銅害
防止剤がその可塑剤に溶出してHF電線からPVC保護
材へ抽出される現象が起こらなくなったためであると考
えられる。第三に、PVC保護材に老化防止剤若しくは
銅害防止剤又はこれらの両者を所定の割合量で含有させ
たことで、PVC保護材における老化防止剤若しくは銅
害防止剤又はこれらの両者それぞれの割合量がHF電線
に予め含有されている老害防止剤及び銅害防止剤それぞ
れの割合量と所定の関係となるため、HF電線とPVC
保護材との間で老化防止剤及び/又は銅害防止剤の「拡
散を生じさせるような濃度勾配」がほぼなくなり、HF
電線からPVC保護材への老化防止剤及び/又は銅害防
止剤の拡散が阻止されるからであると考えられる。第四
に、可塑剤の移行阻止と、老化防止剤及び/又は銅害防
止剤の拡散阻止とが相乗効果的に作用しているからと考
えられる。
【0057】また、軟銅線を被覆するHF単独電線束又
は混在電線束の周りに、適当量の吸着剤(カーボンブラ
ック又はシリカ)と所定量の老化防止剤及び/又は銅害
防止剤とをPVC樹脂材料を主成分としたワイヤハーネ
ス保護材(粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシ
ート状物)に含有させるようにすれば、PVC保護材そ
のものの優れた熱老化性能が維持されることも導かれ
る。PVC保護材に含有されている可塑剤が吸着剤によ
り吸着されたことにより、PVC保護材からHF電線へ
の可塑剤の移行が阻止されるからである。PVC保護材
そのものの優れた熱老化性能の維持は、過剰量の可塑剤
を配合すると、巻付作業性が不良になったことからも示
唆される。
【0058】表7〜表12は、HF粘着剤付きテープ、
チューブ及びシート(単に「HF保護材」ともいう)の
組成及び試験結果を示したものであり、表7〜表8がH
F保護材に吸着剤及び老化防止剤が含有されているもの
に、表9〜表10がHF保護材に吸着剤及び銅害防止剤
が含有されているものに、そして、表11〜表12がH
F保護材に吸着剤並びに老化防止剤及び銅害防止剤が含
有されているものに該当する。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】各種組成について説明する。表7〜表12
に掲げた実施例7〜実施例12のHF粘着剤付きテー
プ、チューブ及びシートは、いずれもポリオレフィン樹
脂をベースポリマーとした基材を用いており、その基材
としては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して
臭素系の難燃剤を3重量部、更に三酸化アンチモン1.
5重量部を配合した配合物を用い、表7〜表8に示した
ものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの(各
従来品)、当該配合物に適当量の吸着剤(カーボンブラ
ック又はシリカ)と所定量の老化防止剤とが配合されて
いるもの(実施例品7−1〜7−6及び8−1〜8−
6)、当該配合物に過剰量の吸着剤(カーボンブラック
又はシリカ)と所定量の老化防止剤とが配合されている
もの(比較例品7−1〜7−2及び8−1〜8−2)を
用意し、表9〜表10に示したものにあっては、当該配
合物をそのまま用いたもの(各従来品)、当該配合物に
適当量の吸着剤(カーボンブラック又はシリカ)と所定
量の銅害防止剤とが配合されているもの(実施例品9−
1〜9−6及び10−1〜10−6)、当該配合物に過
剰量の吸着剤(カーボンブラック又はシリカ)と所定量
の銅害防止剤とが配合されているもの(比較例品9−1
〜9−2及び10−1〜10−2)を用意し、表11〜
表12に示したものにあっては、当該配合物をそのまま
用いたもの(各従来品)、当該配合物に適当量の吸着剤
(カーボンブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤
及び銅害防止剤とが配合されているもの(実施例品11
−1〜11−6及び12−1〜12−6)、当該配合物
に過剰量の吸着剤(カーボンブラック又はシリカ)と所
定量の老化防止剤及び銅害防止剤とが配合されているも
の(比較例品11−1〜11−2及び12−1〜12−
2)を用意した。
【0066】すなわち、表7〜表12に掲げた実施例7
から実施例12は、いずれも、HF粘着剤付きテープ、
チューブ及びシートの基材に吸着剤を含有させた例につ
いてのものである点については同じであるが、実施例9
及び10は、それぞれ実施例7及び8における老化防止
剤を銅害防止剤に代えたものに相当し、実施例11及び
12は、それぞれ実施例7及び8(又は実施例9及び1
0)の老化防止剤(銅害防止剤)を老化防止剤及び銅害
防止剤に代えたものに相当している。
【0067】尚、HF保護材の基材の老化防止剤の配合
量は、上述したHF電線の老化防止剤の割合量3%とほ
ぼ同等となるように調整されている。ここでは有機ポリ
マー(ポリオレフィン)に対する含有率を割合量として
定義し、その割合量は、3.5%(3.5÷100×1
00=3.5%)に調整されている。また、HF保護材
の基材の銅害防止剤の配合量は、上述したHF電線の銅
害防止剤の割合量1%とほぼ同等となるように調整され
ている。ここでも有機ポリマー(ポリオレフィン)に対
する含有率を割合量として定義し、その割合量は、1%
(1÷100×100=1%)に調整されている。
【0068】そして、表7、表9及び表11に示した実
施例7、9及び11のHF粘着剤付きテープは、いずれ
も、上記基材の片側表面全体にスチレンブタジエンゴム
(SBR)やNR等のゴム系材料による粘着剤を付与し
たものであり、上記基材の表面に付与される粘着剤とし
ては、SBR(スチレンブタジエンゴム)70重量部に
対してNR(天然ゴム)30重量部、亜鉛華20重量
部、ロジン系樹脂80重量部を配合した配合物を用い、
表7に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用
いたもの(従来品)、適当量の吸着剤(カーボンブラッ
ク又はシリカ)と所定量の老化防止剤とを配合したもの
(実施例品7−1〜7−6)、過剰量の吸着剤(カーボ
ンブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤とを配合
したもの(比較例品7−1〜7−2)を用意し、表9に
示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたも
の(従来品)、適当量の吸着剤(カーボンブラック又は
シリカ)と所定量の銅害防止剤とを配合したもの(実施
例品9−1〜9−6)、過剰量の吸着剤(カーボンブラ
ック又はシリカ)と所定量の銅害防止剤とを配合したも
の(比較例品9−1〜9−2)を用意し、表11に示し
たものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの
(従来品)、適当量の吸着剤(カーボンブラック又はシ
リカ)と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とを配合し
たもの(実施例品11−1〜11−6)、過剰量の吸着
剤(カーボンブラック又はシリカ)と所定量の老化防止
剤及び銅害防止剤とを配合したもの(比較例品11−1
〜11−2)を用意した。ここで、粘着剤層の厚さは、
0.02mmとし、基材と粘着剤層とのトータルの厚さ
は、0.13mmとした。
【0069】すなわち、表7、表9及び表11に掲げた
実施例7、9及び11は、いずれも、PVC粘着剤付き
テープの基材表面に付与される粘着剤にも吸着剤を含有
させた例についてのものである点については同じである
が、実施例9は、実施例7における老化防止剤を銅害防
止剤に代えたものに相当し、実施例11は、実施例7
(又は実施例9)の老化防止剤(銅害防止剤)を老化防
止剤及び銅害防止剤に代えたものに相当している。
【0070】尚、HF粘着剤付きテープの粘着剤の老化
防止剤の配合量もまた、上述したHF電線の老化防止剤
の割合量3%とほぼ同等となるように調整されている。
ここでは有機ポリマー(SBR、NR及びロジン系樹
脂)に対する含有率を割合量として定義し、その割合量
は、3.3%(6÷180×100=3.3%)に調整
されている。また、HF粘着剤付きテープの粘着剤の銅
害防止剤の配合量もまた、上述したHF電線の銅害防止
剤の割合量1%の二分の一相当量とほぼ同等となるよう
に調整されている。ここでも有機ポリマー(SBR、N
R及びロジン系樹脂)に対する含有率を割合量として定
義し、その割合量は、0.56%(1÷180×100
=0.56%)に調整されている。
【0071】次に、上記のようにして作製された表7〜
表12に掲げた従来品、各実施例品及び比較例品につい
て試験及び評価を行った。まず、試験方法について説明
する。試料としては、各表に示したHF粘着剤付きテー
プ、チューブ及びシートを、それぞれ、上述した合計五
種類のHF単独電線束及び混在電線束の周りに巻き付け
たものを用いた(図1〜図3参照)。試験は次のように
して行った。すなわち、これらの試料を150℃の恒温
槽に96時間放置し、その後、HF電線を取り出し、1
0φマンドレル巻き付けにより、その被覆部分の亀裂の
有無と巻付作業性とを確認した。
【0072】次に、試験結果について説明する。表7〜
表12の試験結果は、いずれも樹脂組成物の配合量によ
ってのみ区別し電線束の種類には言及していない。電線
束の種類や混在比率の違いは試験結果に影響しなかった
からである。従って、試験結果は、HF粘着剤付きテー
プ、チューブ及びシートは、各従来品では巻付作業性は
良好であったがHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定
され、また、比較例品7−1〜7−2、8−1〜8−
2、9−1〜9−2、10−1〜10−2、11−1〜
11−2、12−1〜12−2では電線に亀裂が生じな
かったが巻付作業性が悪く不良(×)と判定された。そ
して、実施例品7−1〜7−6、8−1〜8−6、9−
1〜9−6、10−1〜10−6、11−1〜11−
6、12−1〜12−6はいずれも電線に亀裂が生じる
ことはなく巻付作業性も良好である(○)との判定が得
られ、総合評価として良好である(○)との結果が得ら
れた。
【0073】以上から、軟銅線を被覆するHF単独電線
束又は混在電線束の周りに、適当量の吸着剤(カーボン
ブラック又はシリカ)と所定量の老化防止剤及び/又は
銅害防止剤とを配合したポリオレフィン系ハロゲンフリ
ー樹脂材料を主成分としたワイヤハーネス保護材(粘着
剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状物)を巻
き付ける等すれば、HF電線に亀裂が生じずHF電線の
熱老化性能の低下が阻止されることが判明した。その理
由は次のように考えられる。第一に、HF保護材に吸着
剤を含有させたことで当該HF保護材の熱老化性能その
ものが向上したことが考えられる。吸着剤として用いた
カーボンブラックは、耐久性を向上させる働きがある
し、シリカは、耐熱性や耐酸性を向上させるという働き
があるため、この働きによってHF電線が保護され、H
F電線の熱老化性能の低下が阻止されるからである。第
二に、HF保護材に吸着剤を含有させたことで、特に混
在電線束の場合にPVC電線の可塑剤の当該HF保護材
への移行が阻止されたためであると考えられる。第三
に、HF保護材(テープにあってはHF保護材及び粘着
剤)に老化防止剤や銅害防止剤を含有させたことで当該
HF保護材がバリアとなってHF電線に対する空気中の
水分や粘着剤等の影響を緩和することができると考えら
れる。これによって、HF電線の熱老化性能の低下が阻
止される。第四に、HF保護材に老化防止剤若しくは銅
害防止剤又はこれらの両者を所定の割合量で含有させた
ことで、HF保護材における老化防止剤若しくは銅害防
止剤又はこれらの両者それぞれの割合量がHF電線に予
め含有されている老害防止剤及び銅害防止剤それぞれの
割合量と所定の関係となるため、HF電線とHF保護材
との間で老化防止剤及び/又は銅害防止剤の「拡散を生
じさせるような濃度勾配」がほぼなくなり、特に混在電
線束の場合にPVC電線の可塑剤が担体となることによ
る拡散であってHF電線からHF保護材への老化防止剤
及び/又は銅害防止剤の拡散が阻止されるからであると
考えられる。第五に、可塑剤の移行阻止と、老化防止剤
及び/又は銅害防止剤の拡散阻止とが相乗効果的に作用
しているからと考えられる。
【0074】本発明は上記した実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の改変が可能である。例えば、上記各種の実施例で
は、ワイヤーハーネス保護材としてPVC樹脂系のもの
及びポリオレフィン系のものを示したが、その組成は各
実施例のものに限定されるものではない。また、ポリオ
レフィン系のワイヤハーネス保護材については臭素系の
難燃剤を少量配合したもの(低ハロゲン系のもの)を示
したが、全くハロゲン元素が含まれないワイヤハーネス
保護材であってもよい。
【0075】要するに本発明の趣旨は、ワイヤハーネス
保護材としてのこれらの粘着剤付きテープ状物、チュー
ブ状物又はシート状物に吸着剤を含有させることによ
り、HF単独電線で使用される状態においても、PVC
電線と混在させて使用される状態においても、HF電線
とワイヤハーネス保護材又はPVC電線との間の悪影響
を回避し、ワイヤハーネスとしての電線品質の安定及び
電線寿命の延長による恒久的使用を達成することにあ
る。
【0076】
【発明の効果】本発明に係る請求項1に記載のワイヤハ
ーネス保護材は、その粘着剤付きテープ状物、チューブ
状物又はシート状物の基材に吸着剤が含有されているも
のであるから、当該ワイヤハーネス保護材の優れた熱老
化性能を維持することができるという効果がある。これ
により、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲン
フリー絶縁電線の熱老化性能の低下を阻止することがで
きるという効果がある。
【0077】請求項2に記載のワイヤハーネス保護材
は、塩化ビニル樹脂材料からなる当該基材に吸着剤が含
有されているものであるから、ハロゲンフリー絶縁電線
への可塑剤の移行を阻止することができるという効果が
ある。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性
能の低下を阻止することができるという効果がある。
【0078】請求項3に記載のワイヤハーネス保護材
は、ハロゲンフリー樹脂材料からなる当該基材に吸着剤
が含有されているものであるから、当該粘着剤付きテー
プ状物、チューブ状物及びシート状物の熱老化性能を向
上させることができるという効果がある。これにより、
ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶
縁電線の熱老化性能の低下を阻止することができるとい
う効果がある。
【0079】請求項4に記載のワイヤハーネス保護材
は、当該基材にカーボンブラック又はシリカのいずれか
が含有されているものであるから、カーボンブラックが
含有されている場合には、少なくとも当該基材の耐久性
を向上させるという効果があり、シリカが含有されてい
る場合には、少なくとも当該基材の耐熱性や耐酸性を向
上させるという効果がある。従って、当該ワイヤハーネ
ス保護材の優れた熱老化性能を維持することができると
いう効果がある。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線
が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低
下を阻止することができるという効果がある。
【0080】請求項5に記載のワイヤハーネス保護材
は、当該基材に当該基材のベースポリマー100重量部
に対して1重量部〜150重量部の範囲で吸着剤が含有
されているものであるから、請求項4に係る発明が奏す
る効果を確実に発現させることができるという効果があ
る。
【0081】請求項6に記載のワイヤハーネス保護材
は、当該基材に老化防止剤及び/又は銅害防止剤が含有
されているものであるから、ハロゲンフリー絶縁電線の
電線被覆材中の老化防止剤及び/又は銅害防止剤がワイ
ヤハーネス保護材へ拡散することを阻止することができ
るという効果がある。これにより、ハロゲンフリー絶縁
電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能
の低下を阻止することができるという効果がある。
【0082】請求項7に記載のワイヤハーネス保護材
は、前記基材の老化防止剤の含有量を、その有機ポリマ
ーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の老化
防止剤の有機ポリマーに対する割合量とほぼ等しくなる
ようにし、及び/又は、前記基材の銅害防止剤の含有量
を、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフ
リー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポリマーに対する割合
量若しくはその二分の一相当量とほぼ等しくなるように
したものであるから、ハロゲンフリー絶縁電線とワイヤ
ハーネス保護材との間で老化防止剤及び/又は銅害防止
剤の「拡散を生じさせるような濃度勾配」をほぼなくす
ことができるという効果がある。これにより、ハロゲン
フリー絶縁電線の電線被覆材中の老化防止剤及び/又は
銅害防止剤がワイヤハーネス保護材へ拡散することを阻
止することができるという効果がある。従って、ハロゲ
ンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線
の熱老化性能の低下を阻止することができるという効果
が達成される。
【0083】請求項8に記載のワイヤハーネス保護材
は、塩化ビニル樹脂材料又はハロゲンフリー樹脂材料か
らなる当該基材及び/又は粘着剤には、吸着剤としてカ
ーボン又はシリカのいずれかが含有され、その含有量が
当該基材のベースポリマー100重量部に対して1重量
部〜150重量部の範囲とされているものであるから、
当該ワイヤハーネス保護材の優れた熱老化性能を維持す
ることができるという効果がある。これによって、ハロ
ゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電
線の熱老化性能の低下を阻止することができるという効
果がある。
【0084】請求項9に記載のワイヤハーネス保護材
は、その基材及び/又は粘着剤に老化防止剤及び/又は
銅害防止剤が含有され、当該基材の老化防止剤の含有量
を、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフ
リー絶縁電線の老化防止剤の有機ポリマーに対する割合
量とほぼ等しくなるようにし、及び/又は、当該基材の
銅害防止剤の含有量を、その有機ポリマーに対する割合
量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポ
リマーに対する割合量若しくはその二分の一相当量とほ
ぼ等しくなるようにしたものであるから、ハロゲンフリ
ー絶縁電線とワイヤハーネス保護材との間で老化防止剤
及び/又は銅害防止剤の「拡散を生じさせるような濃度
勾配」をほぼなくすことができるという効果がある。こ
れにより、ハロゲンフリー絶縁電線の電線被覆材中の老
化防止剤及び/又は銅害防止剤がワイヤハーネス保護材
へ拡散することを阻止することができるという効果があ
る。従って、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロ
ゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下を阻止すること
ができるという効果がある。
【0085】請求項10に記載のワイヤハーネスは、ハ
ロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部をP
VC絶縁電線に代えてなる電線束の周囲を請求項1から
9に記載のワイヤハーネス保護材により被覆したもので
あるから、優れた熱老化性能を維持することができ耐用
年数が長くなるという効果がある。
【0086】請求項11に記載のワイヤハーネスは、各
電線の電線被覆材には銅害防止剤及び/又は老化防止剤
が含有されているものであるから、ハロゲンフリー絶縁
電線から塩化ビニル絶縁電線又はワイヤハーネス保護材
へ当該銅害防止剤及び/又は当該老化防止剤が拡散する
ことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る粘着剤付きテープ及
びこれを用いたワイヤハーネスの外観図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るチューブ及びこれを
用いたワイヤハーネスの外観図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るシート及びこれを用
いたワイヤハーネスの外観図である。
【符号の説明】
10、22 粘着剤付きテープ 12 電線束 14、18、19、24、30 ワイヤハーネス 16 チューブ 20、26 シート 28 粘着剤 32 電線 34 電気導体
フロントページの続き (72)発明者 近藤 守 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 長谷 達也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 出口 善晴 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 吉本 潤 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 中村 哲也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 川北 元也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 山下 隆通 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 早味 宏 大阪市此花区島屋1−1−3 住友電気工 業株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA04 AB01 CA04 CA05 CB03 CC02 FA05 4J040 BA201 CA071 DM001 HA026 HA116 HA306 KA03 MA11 5G309 AA10 LA21 5G315 CA03 CB02 CB09 CC01 CC10 CD02 CD05 CD14 CD17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン
    元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハ
    ロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆されたハロ
    ゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を塩化
    ビニル樹脂材料により電気導体が被覆されたPVC絶縁
    電線に代えてなる電線束の周囲に被覆して用いられる粘
    着剤付きテープ状、チューブ状又はシート状のワイヤハ
    ーネス保護材であって、当該粘着剤付きテープ状物、チ
    ューブ状物及びシート状物の基材には、吸着剤が含有さ
    れていることを特徴とするワイヤハーネス保護材。
  2. 【請求項2】 前記基材は、塩化ビニル樹脂材料からな
    ることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス保
    護材。
  3. 【請求項3】 前記基材は、ハロゲン元素を全く含まな
    いかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂
    よりも低いハロゲンフリー樹脂材料からなることを特徴
    とする請求項1に記載のワイヤハーネス保護材。
  4. 【請求項4】 前記吸着剤は、カーボンブラック又はシ
    リカのいずれかであることを特徴とする請求項1から3
    のいずれか一項に記載のワイヤハーネス保護材。
  5. 【請求項5】 前記吸着剤の含有量は、前記基材のベー
    スポリマー100重量部に対して1重量部〜150重量
    部の範囲とされていることを特徴とする請求項4に記載
    のワイヤハーネス保護材。
  6. 【請求項6】 前記基材には、老化防止剤及び/又は銅
    害防止剤が含有されていることを特徴とする請求項1か
    ら5のいずれか一項に記載のワイヤハーネス保護材。
  7. 【請求項7】 前記基材の老化防止剤の含有量は、その
    有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁
    電線の老化防止剤の有機ポリマーに対する割合量とほぼ
    等しくされており、及び/又は、前記基材の銅害防止剤
    の含有量は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハ
    ロゲンフリー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポリマーに対
    する割合量若しくはその二分の一相当量とほぼ等しくさ
    れていることを特徴とする請求項6に記載のワイヤハー
    ネス保護材。
  8. 【請求項8】 ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン
    元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハ
    ロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆されたハロ
    ゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を塩化
    ビニル樹脂材料により電気導体が被覆されたPVC絶縁
    電線に代えてなる電線束の周囲に被覆して用いられるワ
    イヤハーネス保護材であって、その粘着剤付きテープ状
    物は、その基材が塩化ビニル樹脂材料又はハロゲン元素
    を全く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩
    化ビニル樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料からな
    り、当該基材及び/又は粘着剤には、吸着剤としてカー
    ボン又はシリカのいずれかが含有され、その含有量が当
    該基材のベースポリマー100重量部に対して1重量部
    〜150重量部の範囲とされていることを特徴とするワ
    イヤハーネス保護材。
  9. 【請求項9】 前記粘着剤付きテープ状物は、その基材
    及び/又は粘着剤に老化防止剤及び/又は銅害防止剤が
    含有され、当該基材の老化防止剤の含有量は、その有機
    ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線
    の老化防止剤の有機ポリマーに対する割合量とほぼ等し
    くされており、及び/又は、当該基材の銅害防止剤の含
    有量は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲ
    ンフリー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポリマーに対する
    割合量若しくはその二分の一相当量とほぼ等しくされて
    いることを特徴とする請求項8に記載のワイヤハーネス
    保護材。
  10. 【請求項10】 ハロゲン元素を全く含まないかハロゲ
    ン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低い
    ハロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆されたハ
    ロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を塩
    化ビニル樹脂材料により当該電気導体が被覆されたPV
    C絶縁電線に代えてなる電線束の周囲が請求項1から9
    に記載のワイヤハーネス保護材により被覆されているこ
    とを特徴とするワイヤハーネス。
  11. 【請求項11】 前記ハロゲンフリー絶縁電線からなる
    電線束又はその一部を前記PVC絶縁電線に代えてなる
    電線束の各電線の電線被覆材には銅害防止剤及び/又は
    老化防止剤が含有されていることを特徴とする請求項1
    0に記載のワイヤハーネス。
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